電子線照射型キャップ殺菌装置
【課題】キャップを容易に搬送できて滅菌処理も確実に行え、小型に経済的に製作できる電子線照射型キャップ殺菌装置を提供する。
【解決手段】連続してキャップ１を移動させる搬送路を、垂線に対して所定の角度を傾けて設けた縦型搬送路１０とし、各キャップ１は縦型搬送路１０内の一面に接触して落下しながら回転移動するようにしている。電子線照射手段１１を設ける縦型搬送路１０部分に、搬送路の周面を取り囲む永久磁石枠体１２を配置している。電子線照射手段１１から電子線を照射してキャップ１の内面を滅菌処理すると共に、永久磁石枠体１２に備える永久磁石の磁力で電子線を反射させて方向を変えてキャップ１の円筒部及び天面を滅菌処理する。縦型搬送路１０の下端側には、電子線照射後の各キャップ１を間歇的に搬出するキャップ搬出手段を設けている。
【解決手段】連続してキャップ１を移動させる搬送路を、垂線に対して所定の角度を傾けて設けた縦型搬送路１０とし、各キャップ１は縦型搬送路１０内の一面に接触して落下しながら回転移動するようにしている。電子線照射手段１１を設ける縦型搬送路１０部分に、搬送路の周面を取り囲む永久磁石枠体１２を配置している。電子線照射手段１１から電子線を照射してキャップ１の内面を滅菌処理すると共に、永久磁石枠体１２に備える永久磁石の磁力で電子線を反射させて方向を変えてキャップ１の円筒部及び天面を滅菌処理する。縦型搬送路１０の下端側には、電子線照射後の各キャップ１を間歇的に搬出するキャップ搬出手段を設けている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は電子線照射型キャップ殺菌装置に係り、特に縦形搬送路を用いたキャップ電子線照射型キャップ殺菌装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
水や各種の飲料等の液体を充填する容器として、所謂ペット（ＰＥＴ）ボトルが数多く使用されている。通常ペットボトル等の容器は無菌充填ラインで使用されており、液体の充填前に容器を殺菌した後、無菌雰囲気中で容器内へ液体の充填を行い、この後容器にキャップの装着を行っている。
【０００３】
液体の無菌充填ラインにおいては、電子線照射手段からの電子線を照射し、滅菌処理することが行われてきている。円筒部とこの一端を閉塞する天面を有するキャップの内面を滅菌処理するキャップ殺菌装置として、例えば特許文献１に記載されている如く、容器と同様に電子線照射手段からの電子線の照射によって滅菌する装置が提案されている。
【０００４】
上記した特許文献１の電子線照射型のキャップ殺菌装置は、キャップの円筒部を周方向に回転させながら直線的に移動させるキャップ移動手段と、移動しているキャップの内面に殺菌作用を有する電子線を照射する照射装置とを備えている。この照射装置は、キャップの天面に対して傾斜した照射角で、照射方向からみて、少なくとも天面の中心点から円筒部の開口端の最も遠い部分までを含む幅を有し、しかも移動するキャップが少なくとも一回転する長さに渡る帯状の範囲に電子線を照射する。また、キャップ移動手段は、キャップの円筒部に接触する一対のベルトを備え、各ベルトを逆方向に異なる速度で走行させ、キャップを回転させながら直線的に移動させている。
【０００５】
また、薬剤を用いる容器のキャップ殺菌装置としては、例えば特許文献２に記載の装置が知られている。この特許文献２の装置では、左斜めに傾けた供給トレーから供給するキャップを、殺菌部において開口部側から殺菌剤のミストを吹き付けて全体を殺菌し、この殺菌部に連設する乾燥部において、キャップの開口部側から熱風をキャップの搬送方向に沿って斜めに吹き付けて乾燥後、キャップを排出している。キャップ搬送装置は、２本の搬送チェーンが平行に配列されており、搬送チェーン間に細い円柱状の支持棒が懸架され、また搬送チェーンの上方に上ガイド棒と背面ガイド棒と開口部ガイド棒の４本を平行に配列し、キャップを案内して搬送している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開２００２−１２８０３０号公報
【特許文献２】特許第３７７８９５２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
キャップを移送するキャップ移動手段に、上記特許文献１の如く、キャップと接触する一対のベルトを用い、しかも各ベルトの走行方向を異ならせ、キャップを回転させながら直線的に移動させるようにすると、キャップ移動手段の構成が複雑となり、キャップ殺菌装置全体が大型化してしまう問題があった。また、上記特許文献２のキャップ搬送装置の如く、２本の搬送チェーンと支持棒、キャップを案内する各部のガイドを組み合せた機構部の構造も、同様にキャップ殺菌装置全体が大型化してしまうことになる。
【０００８】
本発明の目的は、簡単な構成でキャップを容易に搬送でき、しかもキャップの滅菌処理を確実に行え、小型に経済的に製作できる電子線照射型キャップ殺菌装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明の電子線照射型キャップ殺菌装置は、連続してキャップを移動させる搬送路と、前記搬送路の一部にキャップに対して電子線を照射する電子線照射手段を備え、前記搬送路は垂線に対して所定の角度を傾けて設けた縦型搬送路とすると共に、各キャップは前記縦型搬送路内の一面に接触して落下回転移動するようにし、電子線照射手段を設ける前記縦型搬送路にはこの周面を取り囲む永久磁石枠体を配置し、前記縦型搬送路の下端側に電子線照射後の各キャップを間歇的に搬出するキャップ搬出手段を設けて構成したことを特徴としている。
【００１０】
好ましくは、前記縦型搬送路の下端側にガス供給手段を接続し、前記ガス供給手段からのガスを前記縦型搬送路内部に供給するように構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【００１１】
本発明の電子線照射型キャップ殺菌装置によれば縦形搬送路を用いた簡単な構成でキャップを容易に搬送でき、しかもキャップの滅菌処理を確実に行える。また、機構部を極めて少なくできるから、装置全体を小型に経済的に製作できる。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】本発明の一実施例である電子線照射型キャップ殺菌装置を一部断面して示す正面図である。
【図２】図１を一部断面して示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１３】
本発明の電子線照射型キャップ殺菌装置は、垂線に対して所定の角度θだけ傾けて配置してキャップを順に落下移動させる縦形搬送路を用いている。縦形搬送路の一面に電子線照射手段を設け、他の三面を取り囲むように永久磁石枠体を配置し、電子線照射手段から照射する電子線で各キャップの全面を落下移動中に滅菌処理する。縦形搬送路は、この下端部にキャップを間歇的に排出するキャップ搬出手段を設けている。次に、本発明の電子線照射型キャップ殺菌装置を、図１及び図２を用いて以下で説明する。
【実施例１】
【００１４】
本発明の電子線照射型キャップ殺菌装置は、図１に示す如く垂線に対して所定の角度θだけ傾けるように配置する金属板等で形成した縦型搬送路１０を有している。縦型搬送路１０は、入口と出口以外は密閉した矩形の構造に形成し、情報の入口から供給するキャップ１を、順に落下移動させると共に縦型搬送路１０内の一面にキャップ１を接触させ、他の面には非接触の状態とすることにより、各キャップ１が摩擦接触によって回転移動する構造にしている。
【００１５】
縦型搬送路１０は各キャップ１の回転移動を良好にするため、キャップ１が接触する縦型搬送路内面の部分を、例えばローレット加工、或いはゴム板等の弾性体を装着して摩擦接触による回転移動を良好にすることもできる。
【００１６】
縦型搬送路１０の一面には、この所定の範囲に亘って内部に電子線源（図示せず）を有する電子線照射手段１１を設けている。この電子線照射手段１１からの電子線ＥＢを、縦型搬送路１０の一面に設ける照射窓（図示せず）から回転移動するキャップ１に対して破線で示す如く照射し、滅菌処理する。
【００１７】
また、電子線照射手段１１を一面に設けた縦型搬送路１０の残りの外側三面を取り囲むように、永久磁石を備える永久磁石枠体１２を配置している。永久磁石枠体１２は、板状にした永久磁石の固定や縦型搬送路１０面への取り付けが容易に行える構造に形成する。
【００１８】
電子線照射手段１１から照射された電子線ＥＢは、この全てがキャップ１の内面に対して直接照射して滅菌処理に活用されるわけではなく、一部は縦型搬送路１０内の空間部分に照射されるだけになる。この縦型搬送路１０内の空間部分に照射された電子線ＥＢを、縦型搬送路１０の外面に配置した永久磁石枠体１２に備える永久磁石の磁力により、反射させて方向を変えている。この照射方向が変えられた電子線ＥＢによって、各キャップ１の円筒部及び天面をも滅菌処理することができる。
【００１９】
縦型搬送路１０の下端の付近に筐体１３を形成し、この筐体１３部分に滅菌処理されたキャップ１を間歇的に排出するため、キャップ搬出手段を設けている。キャップ搬出手段は、キャップ１を縦型搬送路１０の出口から間歇的に排出することにより、電子線の照射を受けるキャップ１の滞留時間を調整し、滅菌処理が良好に行えるようにするために備えられている。
【００２０】
上記したキャップ搬出手段としては、例えば複数枚の回転翼１４と、これを駆動するモータＭからなる所謂スタ−ホイールや、キャップ１の縦型搬送路１０内の滞留時間を調整可能な他の間欠搬出機構を使用することができる。キャップ搬出手段を回転翼１４とモータＭで構成する場合、回転翼１４を回転駆動するモータＭの回転数を調整し、各キャップ１の搬出速度を変化させ、縦型搬送路１０内にキャップ１が滞留している時間を調整すると、電子線の照射を長い時間受けて良好に滅菌処理することができる。
【００２１】
また、縦型搬送路１０の下端部、図の実施例ではキャップ搬出手段を設ける筐体１３の近傍に、例えばバルブ１５Ａを有して接続する供給管１５とＮ２ガスボンベ等のガス供給部１６からなるガス供給手段を設け、縦型搬送路１０内にあるキャップ１が雑菌の侵入で汚染されることのないようにしている。
【００２２】
上記ガス供給手段から縦型搬送路１０の内に供給するガスは、Ｎ２ガスに限られず、高価ではあるがＨｅガス等の不活性ガスも使用でき、更には清浄にした空気も使用することができる。
【００２３】
なお、筐体１３の近傍に設けて縦型搬送路１０内にガスを供給するガス供給手段は、縦型搬送路１０を含む無菌充填ライン全体、或いはキャップ殺菌装置全体が包囲され、上記したガスを供給する構造となっているときには、当然省略することができる。
【００２４】
キャップ１を滅菌処理する際には、縦型搬送路１０の上方からキャップ１を供給し、重力で順に落下させながら回転移動させ、電子線照射手段１１に対向する位置まで移動させる。このとき、キャップ１は落下する過程で縦型搬送路１０の一面に接触することから、回転しながら落下移動する。
【００２５】
電子線照射手段１１から連続照射する電子線で、キャップ１の内面を滅菌処理すると共に、永久磁石枠体１２に備える永久磁石の磁力で反射させて方向を変えた電子線で、キャップ１の円筒部及び天面が滅菌処理される。滅菌処理後に各キャップ１は、キャップ搬出手段から間歇的に搬出されて、無菌充填ライン中で使用される。
【符号の説明】
【００２６】
１…キャップ、１０…縦形搬送路、１１…電子線照射手段、１２…永久磁石枠体、１３…筐体、１４…回転翼、１５…供給管、１６…ガス供給部、ＥＢ…電子線、Ｍ…モータ。
【技術分野】
【０００１】
本発明は電子線照射型キャップ殺菌装置に係り、特に縦形搬送路を用いたキャップ電子線照射型キャップ殺菌装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
水や各種の飲料等の液体を充填する容器として、所謂ペット（ＰＥＴ）ボトルが数多く使用されている。通常ペットボトル等の容器は無菌充填ラインで使用されており、液体の充填前に容器を殺菌した後、無菌雰囲気中で容器内へ液体の充填を行い、この後容器にキャップの装着を行っている。
【０００３】
液体の無菌充填ラインにおいては、電子線照射手段からの電子線を照射し、滅菌処理することが行われてきている。円筒部とこの一端を閉塞する天面を有するキャップの内面を滅菌処理するキャップ殺菌装置として、例えば特許文献１に記載されている如く、容器と同様に電子線照射手段からの電子線の照射によって滅菌する装置が提案されている。
【０００４】
上記した特許文献１の電子線照射型のキャップ殺菌装置は、キャップの円筒部を周方向に回転させながら直線的に移動させるキャップ移動手段と、移動しているキャップの内面に殺菌作用を有する電子線を照射する照射装置とを備えている。この照射装置は、キャップの天面に対して傾斜した照射角で、照射方向からみて、少なくとも天面の中心点から円筒部の開口端の最も遠い部分までを含む幅を有し、しかも移動するキャップが少なくとも一回転する長さに渡る帯状の範囲に電子線を照射する。また、キャップ移動手段は、キャップの円筒部に接触する一対のベルトを備え、各ベルトを逆方向に異なる速度で走行させ、キャップを回転させながら直線的に移動させている。
【０００５】
また、薬剤を用いる容器のキャップ殺菌装置としては、例えば特許文献２に記載の装置が知られている。この特許文献２の装置では、左斜めに傾けた供給トレーから供給するキャップを、殺菌部において開口部側から殺菌剤のミストを吹き付けて全体を殺菌し、この殺菌部に連設する乾燥部において、キャップの開口部側から熱風をキャップの搬送方向に沿って斜めに吹き付けて乾燥後、キャップを排出している。キャップ搬送装置は、２本の搬送チェーンが平行に配列されており、搬送チェーン間に細い円柱状の支持棒が懸架され、また搬送チェーンの上方に上ガイド棒と背面ガイド棒と開口部ガイド棒の４本を平行に配列し、キャップを案内して搬送している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開２００２−１２８０３０号公報
【特許文献２】特許第３７７８９５２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
キャップを移送するキャップ移動手段に、上記特許文献１の如く、キャップと接触する一対のベルトを用い、しかも各ベルトの走行方向を異ならせ、キャップを回転させながら直線的に移動させるようにすると、キャップ移動手段の構成が複雑となり、キャップ殺菌装置全体が大型化してしまう問題があった。また、上記特許文献２のキャップ搬送装置の如く、２本の搬送チェーンと支持棒、キャップを案内する各部のガイドを組み合せた機構部の構造も、同様にキャップ殺菌装置全体が大型化してしまうことになる。
【０００８】
本発明の目的は、簡単な構成でキャップを容易に搬送でき、しかもキャップの滅菌処理を確実に行え、小型に経済的に製作できる電子線照射型キャップ殺菌装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明の電子線照射型キャップ殺菌装置は、連続してキャップを移動させる搬送路と、前記搬送路の一部にキャップに対して電子線を照射する電子線照射手段を備え、前記搬送路は垂線に対して所定の角度を傾けて設けた縦型搬送路とすると共に、各キャップは前記縦型搬送路内の一面に接触して落下回転移動するようにし、電子線照射手段を設ける前記縦型搬送路にはこの周面を取り囲む永久磁石枠体を配置し、前記縦型搬送路の下端側に電子線照射後の各キャップを間歇的に搬出するキャップ搬出手段を設けて構成したことを特徴としている。
【００１０】
好ましくは、前記縦型搬送路の下端側にガス供給手段を接続し、前記ガス供給手段からのガスを前記縦型搬送路内部に供給するように構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【００１１】
本発明の電子線照射型キャップ殺菌装置によれば縦形搬送路を用いた簡単な構成でキャップを容易に搬送でき、しかもキャップの滅菌処理を確実に行える。また、機構部を極めて少なくできるから、装置全体を小型に経済的に製作できる。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】本発明の一実施例である電子線照射型キャップ殺菌装置を一部断面して示す正面図である。
【図２】図１を一部断面して示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１３】
本発明の電子線照射型キャップ殺菌装置は、垂線に対して所定の角度θだけ傾けて配置してキャップを順に落下移動させる縦形搬送路を用いている。縦形搬送路の一面に電子線照射手段を設け、他の三面を取り囲むように永久磁石枠体を配置し、電子線照射手段から照射する電子線で各キャップの全面を落下移動中に滅菌処理する。縦形搬送路は、この下端部にキャップを間歇的に排出するキャップ搬出手段を設けている。次に、本発明の電子線照射型キャップ殺菌装置を、図１及び図２を用いて以下で説明する。
【実施例１】
【００１４】
本発明の電子線照射型キャップ殺菌装置は、図１に示す如く垂線に対して所定の角度θだけ傾けるように配置する金属板等で形成した縦型搬送路１０を有している。縦型搬送路１０は、入口と出口以外は密閉した矩形の構造に形成し、情報の入口から供給するキャップ１を、順に落下移動させると共に縦型搬送路１０内の一面にキャップ１を接触させ、他の面には非接触の状態とすることにより、各キャップ１が摩擦接触によって回転移動する構造にしている。
【００１５】
縦型搬送路１０は各キャップ１の回転移動を良好にするため、キャップ１が接触する縦型搬送路内面の部分を、例えばローレット加工、或いはゴム板等の弾性体を装着して摩擦接触による回転移動を良好にすることもできる。
【００１６】
縦型搬送路１０の一面には、この所定の範囲に亘って内部に電子線源（図示せず）を有する電子線照射手段１１を設けている。この電子線照射手段１１からの電子線ＥＢを、縦型搬送路１０の一面に設ける照射窓（図示せず）から回転移動するキャップ１に対して破線で示す如く照射し、滅菌処理する。
【００１７】
また、電子線照射手段１１を一面に設けた縦型搬送路１０の残りの外側三面を取り囲むように、永久磁石を備える永久磁石枠体１２を配置している。永久磁石枠体１２は、板状にした永久磁石の固定や縦型搬送路１０面への取り付けが容易に行える構造に形成する。
【００１８】
電子線照射手段１１から照射された電子線ＥＢは、この全てがキャップ１の内面に対して直接照射して滅菌処理に活用されるわけではなく、一部は縦型搬送路１０内の空間部分に照射されるだけになる。この縦型搬送路１０内の空間部分に照射された電子線ＥＢを、縦型搬送路１０の外面に配置した永久磁石枠体１２に備える永久磁石の磁力により、反射させて方向を変えている。この照射方向が変えられた電子線ＥＢによって、各キャップ１の円筒部及び天面をも滅菌処理することができる。
【００１９】
縦型搬送路１０の下端の付近に筐体１３を形成し、この筐体１３部分に滅菌処理されたキャップ１を間歇的に排出するため、キャップ搬出手段を設けている。キャップ搬出手段は、キャップ１を縦型搬送路１０の出口から間歇的に排出することにより、電子線の照射を受けるキャップ１の滞留時間を調整し、滅菌処理が良好に行えるようにするために備えられている。
【００２０】
上記したキャップ搬出手段としては、例えば複数枚の回転翼１４と、これを駆動するモータＭからなる所謂スタ−ホイールや、キャップ１の縦型搬送路１０内の滞留時間を調整可能な他の間欠搬出機構を使用することができる。キャップ搬出手段を回転翼１４とモータＭで構成する場合、回転翼１４を回転駆動するモータＭの回転数を調整し、各キャップ１の搬出速度を変化させ、縦型搬送路１０内にキャップ１が滞留している時間を調整すると、電子線の照射を長い時間受けて良好に滅菌処理することができる。
【００２１】
また、縦型搬送路１０の下端部、図の実施例ではキャップ搬出手段を設ける筐体１３の近傍に、例えばバルブ１５Ａを有して接続する供給管１５とＮ２ガスボンベ等のガス供給部１６からなるガス供給手段を設け、縦型搬送路１０内にあるキャップ１が雑菌の侵入で汚染されることのないようにしている。
【００２２】
上記ガス供給手段から縦型搬送路１０の内に供給するガスは、Ｎ２ガスに限られず、高価ではあるがＨｅガス等の不活性ガスも使用でき、更には清浄にした空気も使用することができる。
【００２３】
なお、筐体１３の近傍に設けて縦型搬送路１０内にガスを供給するガス供給手段は、縦型搬送路１０を含む無菌充填ライン全体、或いはキャップ殺菌装置全体が包囲され、上記したガスを供給する構造となっているときには、当然省略することができる。
【００２４】
キャップ１を滅菌処理する際には、縦型搬送路１０の上方からキャップ１を供給し、重力で順に落下させながら回転移動させ、電子線照射手段１１に対向する位置まで移動させる。このとき、キャップ１は落下する過程で縦型搬送路１０の一面に接触することから、回転しながら落下移動する。
【００２５】
電子線照射手段１１から連続照射する電子線で、キャップ１の内面を滅菌処理すると共に、永久磁石枠体１２に備える永久磁石の磁力で反射させて方向を変えた電子線で、キャップ１の円筒部及び天面が滅菌処理される。滅菌処理後に各キャップ１は、キャップ搬出手段から間歇的に搬出されて、無菌充填ライン中で使用される。
【符号の説明】
【００２６】
１…キャップ、１０…縦形搬送路、１１…電子線照射手段、１２…永久磁石枠体、１３…筐体、１４…回転翼、１５…供給管、１６…ガス供給部、ＥＢ…電子線、Ｍ…モータ。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
連続してキャップを移動させる搬送路と、前記搬送路の一部にキャップに対して電子線を照射する電子線照射手段を備えた電子線照射型キャップ殺菌装置において、前記搬送路は垂線に対して所定の角度を傾けて設けた縦型搬送路とすると共に、各キャップは前記縦型搬送路内の一面に接触して落下回転移動するようにし、電子線照射手段を設ける前記縦型搬送路にはこの周面を取り囲む永久磁石枠体を配置し、前記縦型搬送路の下端側に電子線照射後の各キャップを間歇的に搬出するキャップ搬出手段を設けて構成したことを特徴とする電子線照射型キャップ殺菌装置。
【請求項２】
請求項１において、前記縦型搬送路の下端側にガス供給手段を接続し、前記ガス供給手段からのガスを前記縦型搬送路内部に供給するように構成したことを特徴とする電子線照射型キャップ殺菌装置。
【請求項１】
連続してキャップを移動させる搬送路と、前記搬送路の一部にキャップに対して電子線を照射する電子線照射手段を備えた電子線照射型キャップ殺菌装置において、前記搬送路は垂線に対して所定の角度を傾けて設けた縦型搬送路とすると共に、各キャップは前記縦型搬送路内の一面に接触して落下回転移動するようにし、電子線照射手段を設ける前記縦型搬送路にはこの周面を取り囲む永久磁石枠体を配置し、前記縦型搬送路の下端側に電子線照射後の各キャップを間歇的に搬出するキャップ搬出手段を設けて構成したことを特徴とする電子線照射型キャップ殺菌装置。
【請求項２】
請求項１において、前記縦型搬送路の下端側にガス供給手段を接続し、前記ガス供給手段からのガスを前記縦型搬送路内部に供給するように構成したことを特徴とする電子線照射型キャップ殺菌装置。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２０１０−２８５１９７（Ｐ２０１０−２８５１９７Ａ）
【公開日】平成２２年１２月２４日（２０１０．１２．２４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１４２０１６（Ｐ２００９−１４２０１６）
【出願日】平成２１年６月１５日（２００９．６．１５）
【出願人】（５０１３８３６３５）株式会社日本ＡＥパワーシステムズ (168)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年１２月２４日（２０１０．１２．２４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年６月１５日（２００９．６．１５）
【出願人】（５０１３８３６３５）株式会社日本ＡＥパワーシステムズ (168)
【Ｆターム（参考）】
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