説明

電子血圧計

【課題】血圧値が異常値か否かを容易に判断することのできる電子血圧計を提供する。
【解決手段】電子血圧計は、次のように各測定結果に対応するマーカー40を表示する。すなわち、最新上部セグメント51および最新下部セグメント52により最新正常最高血圧マーカー42Aおよび最新正常最低血圧マーカー43Aを表示する。また、最新上部セグメント51により最新異常最高血圧マーカー42Bおよび最新異常低血圧マーカー43Bを表示する。また、過去上部セグメント53および過去下部セグメント54により過去正常最高血圧マーカー45Aおよび過去正常最低血圧マーカー46Aを表示する。また、過去上部セグメント53により過去異常最高血圧マーカー45Bおよび過去異常最低血圧マーカー46Bを表示する。すなわち、血圧値が正常であることを示すマーカー40の形状と血圧値が異常であることを示すマーカー40の形状とが互いに異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血圧の測定結果をマーカーにより表示する電子血圧計に関する。
【背景技術】
【0002】
上記電子血圧計として特許文献1に記載のものが知られている。
この電子血圧計は、血圧値をグラフ上にマーカーで表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−218492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記電子血圧計を使用するユーザーは、マーカーの血圧値の軸の値を確認することにより該当する血圧値が異常値か否かを判断する必要がある。すなわち、血圧値が異常値か否かを把握するため、ユーザーは、マーカーと血圧値の軸との対応を確認する必要がある。このため、判断の作業に手間がかかる。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、血圧値が異常値か否かを容易に判断することのできる電子血圧計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための手段を以下に示す。
・本発明の電子血圧計は、血圧の測定結果をマーカーにより表示する電子血圧計において、所定範囲内の血圧値を正常値とし、所定範囲外の血圧値を異常値とし、前記正常値に対応する前記マーカーを正常マーカーとし、前記異常値に対応する前記マーカーを異常マーカーとし、前記マーカーの形状および色の少なくとも一方を識別情報として、前記正常マーカーの識別情報と前記異常マーカーの識別情報とが互いに異なることを特徴としている。
【0007】
・この電子血圧計においては、前記正常マーカーが複数の表示要素により構成されていること、前記異常マーカーが少なくとも1つの表示要素により構成されていること、ならびに、前記正常マーカーを構成する前記複数の表示要素の少なくとも1つにより前記異常マーカーの表示要素が構成されていることが好ましい。
【0008】
・この電子血圧計においては、前記正常マーカーが2つの表示要素により構成されていること、ならびに、前記2つの表示要素の一方により前記異常マーカーが構成されていることが好ましい。
【0009】
・この電子血圧計においては、前記異常マーカーが複数の表示要素により構成されていること、前記正常マーカーが少なくとも1つの表示要素により構成されていること、ならびに、前記異常マーカーを構成する前記複数の表示要素の少なくとも1つにより前記正常マーカーの表示要素が構成されていることが好ましい。
【0010】
・この電子血圧計においては、前記異常マーカーが2つの表示要素により構成されていること、ならびに、前記2つの表示要素の一方により前記正常マーカーが構成されていることが好ましい。
【0011】
・この電子血圧計においては、最高血圧値に対応する前記マーカーおよび最低血圧値に対応する前記マーカーを共通の血圧値の軸により表示することが好ましい。
・この電子血圧計においては、最新の測定結果としての前記マーカーを最新マーカーとし、過去の測定結果としての前記マーカーを過去マーカーとし、前記最新マーカーとしての前記正常マーカーを最新正常マーカーとし、前記最新マーカーとしての前記異常マーカーを最新異常マーカーとし、前記過去マーカーとしての前記正常マーカーを過去正常マーカーとし、前記過去マーカーとしての前記異常マーカーを過去異常マーカーとして、前記最新正常マーカーの識別情報と、前記最新異常マーカーの識別情報と、前記過去正常マーカーの識別情報と、前記過去異常マーカーの識別情報とが互いに異なることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、血圧値が異常値か否かを容易に判断することのできる電子血圧計を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態の電子血圧計について、その斜視構造を示す斜視図。
【図2】同実施形態の電子血圧計について、その構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態の電子血圧計について、表示部および操作ボタンを示す正面図。
【図4】同実施形態の電子血圧計について、グラフのセグメント構成を示す正面図。
【図5】同実施形態の電子血圧計について、セグメントと各マーカーとの関係を示すテーブル。
【図6】同実施形態の電子血圧計について、表示部および操作ボタンを示す正面図。
【図7】同実施形態の電子血圧計について、表示部および操作ボタンを示す正面図。
【図8】同実施形態の電子血圧計について、表示部および操作ボタンを示す正面図。
【図9】同実施形態の電子血圧計について、表示部および操作ボタンを示す正面図。
【図10】同実施形態の電子血圧計の制御部により実行される「グラフ表示制御」について、その手順を示すフローチャート。
【図11】同実施形態の電子血圧計の制御部により実行される「表示内容変更制御」について、その手順を示すフローチャート。
【図12】本発明のその他の実施形態としての電子血圧計について、表示部および操作ボタンを示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照して、電子血圧計1の構成について説明する。
まず、電子血圧計1の各方向を以下のように定義する。
(a)表示部30の幅方向Xにおいて、左側から右側に向かう方向を「右方」とし、右側から左側に向かう方向を「左方」とする。
(b)表示部30の高さ方向Yにおいて、底部から頂部に向かう方向を「上方」とし、頂部から底部に向かう方向を「下方」とする。
【0015】
電子血圧計1には、各種の機器を有する本体10と、エアバッグにより腕を圧迫する圧迫帯60と、商用交流電源から本体10に電力を供給する電源アダプタ80とが設けられている。またこの他に、本体10と圧迫帯60とを互いに接続するチューブ70が設けられている。
【0016】
本体10には、血圧の測定等のためにユーザーにより操作される操作部20と、測定結果等を表示する表示部30とが設けられている。表示部30には、セグメント式の液晶画面が設けられている。
【0017】
本体10の内部には、圧迫帯60のエアバッグにエアを供給するエアポンプと、エアポンプからエアバッグへのエアの供給態様を制御する電磁弁と、本体10の電源としての電池とが設けられている。なお、これらエアポンプ、エアバッグ、および電池については図示を省略している。
【0018】
操作部20には、本体10の電源のオンおよびオフを切り替えるための電源ボタン21と、本体10の各機器を動作させるための操作ボタン22とが設けられている。操作ボタン22としては、3つのボタン、すなわち測定ボタン23、記憶ボタン24、および切替ボタン25が設けられている。
【0019】
電子血圧計1による血圧の測定手順について説明する。
ユーザーは次の手順で血圧の測定を行う。
(手順1)商用交流電源を本体10の電源として用いるとき、本体10に電源アダプタ80を接続する。一方、内蔵の電池を本体10の電源として用いるとき、電源アダプタ80を本体10または商用交流電源に接続しない。
(手順2)圧迫帯60を腕に装着する。
(手順3)電源ボタン21の操作により本体10の電源を投入する。
(手順4)測定ボタン23の操作により血圧の測定を開始する。血圧の測定開始にともないエアポンプからチューブ70を介して圧迫帯60にエアが供給される。これにより、ユーザーの腕が圧迫帯60により圧迫される。
(手順5)血圧の測定が終了した後、記憶ボタン24の操作により今回の測定結果を記憶部12に記憶する。また、過去の測定結果を表示部30に表示するとき、記憶ボタン24を操作する。また、表示部30に表示されるグラフ39(図3)の表示モードを切り替えるとき、切替ボタン25を操作する。
【0020】
図2および図3を参照して、電子血圧計1の制御系の構成について説明する。
本体10の内部には、測定結果の演算をはじめとする各種の演算を行う制御部11と、測定結果を記憶する記憶部12と、エアバッグおよびエアポンプを含む測定部13とが設けられている。
【0021】
制御部11は、切替ボタン25の操作に応じて図3のグラフ39の表示モードを、3つの表示モードのいずれか、すなわち全表示モード、週表示モード、および月表示モードのいずれかに切り替える。
【0022】
全表示モードでは、各測定結果の測定値を図3のマーカー40によりグラフ39に表示する。週表示モードでは、各測定結果を週単位で平均化した平均値をマーカー40によりグラフ39に表示する。月表示モードでは、各測定結果を月単位で平均化した平均値をマーカー40によりグラフ39に表示する。
【0023】
制御部11は、測定結果としての測定値を次の手順で記憶部12に記憶する。
すなわち、血圧値の測定により得られた測定値と測定の日時とを対応付け、この対応付けた測定値を測定データとして記憶部12に記憶する。また、週表示モードを選択しているとき、記憶部12の各測定データを用いて週毎の平均値を算出し、算出に用いた各測定データの週と算出した平均値とを対応付けたものを測定データとして記憶部12に記憶する。また、月表示モードを選択しているとき、記憶部12の各測定データを用いて月毎の平均値を算出し、算出に用いた各測定データの月と算出した平均値とを対応付けたものを測定データとして記憶部12に記憶する。
【0024】
記憶部12は、上記のとおり血圧値の測定により得られた測定値、およびその平均値を測定データとして記憶する。以下では、測定値および平均値としての測定データのうちの最新の測定データを「最新測定データ」とし、測定値および平均値としての測定データのうちの過去の測定データを「過去測定データ」とする。
【0025】
図3を参照して、表示部30の構成および機能について説明する。
表示部30には、8つの表示領域すなわち、最高血圧領域31、最低血圧領域32、番号領域33、算出領域34、時間帯領域35、脈拍領域36、グラフ領域38、およびスケール領域37が設けられている。
【0026】
各領域は、表示部30の幅方向Xにおいて次のように配置されている。
最高血圧領域31および最低血圧領域32は、幅方向Xの左方部分に設けられている。グラフ領域38およびスケール領域37は、幅方向Xの中間部分に設けられている。番号領域33、算出領域34、時間帯領域35、および脈拍領域36は、幅方向Xの右方部分に設けられている。
【0027】
各領域は、表示部30の高さ方向Yにおいて次のように配置されている。
最低血圧領域32は、最高血圧領域31の下方に設けられている。スケール領域37は、グラフ領域38の下方に設けられている。算出領域34は、番号領域33の下方に設けられている。時間帯領域35は、算出領域34の下方に設けられている。脈拍領域36は、番号領域33の下方に設けられている。
【0028】
グラフ領域38には、最新測定データおよび複数の過去測定データを表示するためのグラフ39と、グラフ39上において各測定データをマーカー40として表示するための複数のセグメント50とが設けられている。
【0029】
グラフ39の横軸は時間軸39Xとして設定されている。時間軸39Xにより示される時間は、右方から左方に向かうにつれて過去のものになる。グラフ39の縦軸は血圧値軸39Yとして設定されている。血圧値軸39Yにより示される血圧値は、下方から上方に向かうにつれて大きくなる。
【0030】
ユーザーは、操作ボタン22を操作することにより、最高血圧領域31、最低血圧領域32、番号領域33、算出領域34、時間帯領域35、および脈拍領域36に詳細な情報を表示する対象となる測定データを選択することができる。そして、操作ボタン22の操作により選択された測定データのマーカー40がグラフ39に表示されているとき、同マーカー40が点滅する。なお、点滅する測定データとして最新測定データが選択されるように初期設定されている。以下では、操作ボタン22の操作により選択されている測定データを「選択データ」とする。
【0031】
表示部30の各領域に表示される情報について説明する。
(a)最高血圧領域31は、選択データの最高血圧値を数値により表示する。
(b)最低血圧領域32は、選択データの最低血圧値を数値により表示する。
【0032】
(c)番号領域33は、選択データに測定順に割り振られているデータ番号を表示する。なお、選択データが過去の測定結果の平均値を示すときデータ番号は表示されない。
(d)算出領域34は、選択データの属性を矢印により表示する。具体的には、選択データが過去の測定結果を示すとき「記憶」の印字に対応する矢印を点灯する。また、選択データが過去の測定結果の平均値を示すとき「平均」の印字に対応する矢印を点灯する。
【0033】
(e)時間帯領域35は、選択データに対応する測定時間帯を画像により表示する。具体的には、選択データの測定時間が午前3:00から午前11:00までの時間帯に含まれるとき、その旨を示す第1の測定時間画像35Aを表示する。一方、選択データの測定時間が午後6:00から午前2:59までの時間帯に含まれるとき、その旨を示す第2の測定時間画像35Bを表示する。なお、選択データの測定時間が午前11:01から午後5:59までの時間に含まれるときは、第1の測定時間画像35Aおよび第2の測定時間画像35Bのいずれの画像も表示しない。
【0034】
(f)脈拍領域36は、選択データの脈拍値を数値により表示する。
(g)スケール領域37は、グラフ39の時間軸39Xのスケールを数値により表示する。また、時間軸39Xのスケールの単位を画像により表示する。具体的には、週表示モードが選択されているとき、「週前」の印字に対応する矢印を点灯する。また、月表示モードが選択されているとき、「月前」の印字に対応する矢印を点灯する。また、全表示モードが選択されているとき、「週前」および「月前」の印字に対応する矢印を消灯する。
【0035】
図4を参照して、グラフ39の構成等について説明する。
グラフ39の時間軸39Xは8列に区画されている。グラフ39の血圧値軸39Yは13行に区画されている。すなわち、グラフ39は合計104個の区画領域39Aにより構成されている。
【0036】
各区画領域39Aには、マーカー40を表示するためのセグメント50が設けられている。セグメント50は、2つのセグメントを1組として構成されている。1つのセグメント50を構成する2つのセグメントは、それぞれ独立して点灯および消灯される。なお、セグメント50は「表示要素」に相当する。
【0037】
図5を参照して、マーカー40およびセグメント50の種類について説明する。
マーカー40の種類は、以下の3つの条件に応じて8種類に分類されている。
(条件A)測定データが最新測定データおよび過去測定データのいずれに該当するか。
(条件B)測定データが最高血圧値および最低血圧値のいずれに該当するか。
(条件C)測定データが正常値および異常値のいずれに該当するか。
【0038】
マーカー40の具体的な種類を以下に示す。
(a)マーカー40は、条件Aに応じて最新測定結果マーカー41および過去測定結果マーカー44に分類される。
(b)最新測定結果マーカー41は、条件Bに応じて最新最高血圧マーカー42および最新最低血圧マーカー43に分類される。
(c)最新最高血圧マーカー42は、条件Cに応じて最新正常最高血圧マーカー42Aおよび最新異常最高血圧マーカー42Bに分類される。
(d)最新最低血圧マーカー43は、条件Cに応じて最新正常最低血圧マーカー43Aおよび最新異常最低血圧マーカー43Bに分類される。
(e)過去測定結果マーカー44は、条件Bに応じて過去最高血圧マーカー45および過去最低血圧マーカー46に分類される。
(f)過去最高血圧マーカー45は、条件Cに応じて過去正常最高血圧マーカー45Aおよび過去異常最高血圧マーカー45Bに分類される。
(g)過去最低血圧マーカー46は、条件Cに応じて過去正常最低血圧マーカー46Aおよび過去異常最低血圧マーカー46Bに分類される。
【0039】
セグメント50としては、4種類のセグメントすなわち、最新上部セグメント51、最新下部セグメント52、過去上部セグメント53、および過去下部セグメント54が設けられている。
【0040】
最新上部セグメント51および最新下部セグメント52としては、正三角形状のものが設けられている。また、これらの各セグメント51,52は、2つのセグメントにより1つの大型の菱形を形成するように設けられている。具体的には、最新上部セグメント51の底辺と最新下部セグメント52の底辺とが互いに対向し、かつそれぞれの頂点の1つが縦軸方向において整列するように設けられている。
【0041】
過去上部セグメント53および過去下部セグメント54としては、半円形状のものが設けられている。また、これらの各セグメント53,54は、1つの大型の円を形成するように設けられている。具体的には、過去上部セグメント53の弦と過去下部セグメント54の弦とが互いに対向し、かつそれぞれの円弧の中心が縦軸方向において整列するように設けられている。
【0042】
最新測定結果マーカー41とセグメント50との対応関係を以下に示す。
(a)最新正常最高血圧マーカー42Aは、最新上部セグメント51および最新下部セグメント52により表示される。
(b)最新異常最高血圧マーカー42Bは、最新上部セグメント51により表示される。
(c)最新正常最低血圧マーカー43Aは、最新上部セグメント51および最新下部セグメント52により表示される。
(d)最新異常最低血圧マーカー43Bは、最新上部セグメント51により表示される。
【0043】
過去測定結果マーカー44とセグメント50との対応関係を示す。
(a)過去正常最高血圧マーカー45Aは、過去上部セグメント53および過去下部セグメント54により表示される。
(b)過去異常最高血圧マーカー45Bは、過去上部セグメント53により表示される。
(c)過去正常最低血圧マーカー46Aは、過去上部セグメント53および過去下部セグメント54により表示される。
(d)過去異常最低血圧マーカー46Bは、過去上部セグメント53により表示される。
【0044】
図4および図5を参照して、グラフ39の詳細な構成について説明する。なお、以下の説明に記載の各マーカー40、すなわち最新測定結果マーカー41、最新最高血圧マーカー42、最新正常最高血圧マーカー42A、最新異常最高血圧マーカー42B、最新最低血圧マーカー43、最新正常最低血圧マーカー43A、最新異常最低血圧マーカー43B、過去測定結果マーカー44、過去最高血圧マーカー45、過去正常最高血圧マーカー45A、過去異常最高血圧マーカー45B、過去最低血圧マーカー46、過去正常最低血圧マーカー46A、および過去異常最低血圧マーカー46Bは、それぞれ図5に記載されたものと対応している。
【0045】
グラフ39の右端列は、最新測定データを表示するための列として構成されている。また、グラフ39の右端列以外の複数の各列は、過去測定データを表示するための列として構成されている。以下では、グラフ39の右端列を「最新列」とし、グラフ39の右端列以外の各列をそれぞれ「過去列」とする。
【0046】
グラフ39の最新列の各区画領域39Aには、最新上部セグメント51および最新下部セグメント52が設けられている。これにより、グラフ39の最新列の各区画領域39Aには、最新測定結果マーカー41としての最新最高血圧マーカー42および最新最低血圧マーカー43が表示される。
【0047】
グラフ39においては、最新列の2つの区画領域39Aのそれぞれに最新測定結果マーカー41が表示される。2つの最新測定結果マーカー41のうち高さ方向Yにおいて上方ものが最新最高血圧マーカー42に相当し、高さ方向Yにおいて下方のものが最新最低血圧マーカー43に相当する。すなわち、グラフ39においては、最新正常最高血圧マーカー42Aおよび最新正常最低血圧マーカー43Aとして同じ形状のものが表示される。また、最新異常最高血圧マーカー42Bおよび最新異常最低血圧マーカー43Bとして同じ形状のものが表示される。
【0048】
グラフ39の過去列の各区画領域39Aには、過去上部セグメント53および過去下部セグメント54が設けられている。これにより、グラフ39の過去列の各区画領域39Aには、過去測定結果マーカー44としての過去最高血圧マーカー45および過去最低血圧マーカー46が表示される。
【0049】
グラフ39においては、各過去列の2つの区画領域39Aのそれぞれに過去測定結果マーカー44が表示される。2つの過去測定結果マーカー44のうち高さ方向Yにおいて上方ものが過去最高血圧マーカー45に相当し、高さ方向Yにおいて下方のものが過去最低血圧マーカー46に相当する。すなわち、グラフ39においては、過去正常最高血圧マーカー45Aおよび過去正常最低血圧マーカー46Aとして同じ形状のものが表示される。また、過去異常最高血圧マーカー45Bおよび過去異常最低血圧マーカー46Bとして同じ形状のものが表示される。
【0050】
制御部11による各マーカー40の表示手順について説明する。なお、同表示手順の説明を含む以降の各説明において、それぞれの説明に記載の制御部11は、図2に記載されたものと対応している。
【0051】
まず、グラフ39の表示モードを設定する。次に、最新列および各過去列に対応する測定データを読み出す。全表示モードのとき、最新測定データ、およびこの最新測定データからカウントして1〜7番目の過去測定データを読み出す。週表示モードのとき、週平均としての最新測定データ、およびこの最新測定データからカウントして1〜7番目の過去測定データを読み出す。月表示モードのとき、月平均としての最新測定データ、およびこの最新測定データからカウントして1〜7番目の過去測定データを読み出す。
【0052】
そして、読み出した各測定データの最高血圧値および最低血圧値がそれぞれ最高血圧基準値および最低血圧基準値以上か否かを判定し、判定の結果に応じて各列のマーカー40を表示する。なお、最高血圧基準値としては例えば「140mmHg」が設定される。また、最低血圧基準値としては例えば「90mmHg」が設定される。この場合、「0mmHg以上かつ140mmHg未満」の範囲の最高血圧値は「所定範囲内の血圧値」に相当する。また、「140mmHg以上」の範囲の最高血圧値は「所定範囲外の血圧値」に相当する。また、「0mmHg以上かつ90mmHg未満」の範囲の最低血圧値は「所定範囲内の血圧値」に相当する。また、「90mmHg以上」の範囲の最低血圧値は「所定範囲外の血圧値」に相当する。
【0053】
上記判定に基づく各マーカー40の具体的な表示態様を以下に示す。
(A)最新測定データの最高血圧値が最高血圧基準値未満のとき、最新正常最高血圧マーカー42Aを表示する。最新測定データの最高血圧値が最高血圧基準値以上のとき、最新異常最高血圧マーカー42Bを表示する。
【0054】
(B)最新測定データの最低血圧値が最低血圧基準値未満のとき、最新正常最低血圧マーカー43Aを表示する。最新測定データの最低血圧値が最低血圧基準値以上のとき、最新異常最低血圧マーカー43Bを表示する。
【0055】
(C)過去測定データの最高血圧値が最高血圧基準値未満のとき、過去正常最高血圧マーカー45Aを表示する。過去測定データの最高血圧値が最高血圧基準値以上のとき、過去異常最高血圧マーカー45Bを表示する。
【0056】
(D)過去測定データの最低血圧値が最低血圧基準値未満のとき、過去正常最低血圧マーカー46Aを表示する。過去測定データの最低血圧値が最低血圧基準値以上のとき、過去異常最低血圧マーカー46Bを表示する。
【0057】
なお、マーカー40に関する構成は、以下のように発明特定事項と対応している。
・マーカー40の形状は「識別情報」に相当する。
・最新正常最高血圧マーカー42A、最新正常最低血圧マーカー43A、過去正常最高血圧マーカー45A、および過去正常最低血圧マーカー46Aは「正常マーカー」に相当する。
・最新正常最高血圧マーカー42Aおよび最新正常最低血圧マーカー43Aは「最新正常マーカー」に相当する。
・過去正常最高血圧マーカー45Aおよび過去正常最低血圧マーカー46Aは「過去正常マーカー」に相当する。
・最新異常最高血圧マーカー42B、最新異常最低血圧マーカー43B、過去異常最高血圧マーカー45B、および過去異常最低血圧マーカー46Bは「異常マーカー」に相当する。
・最新異常最高血圧マーカー42Bおよび最新異常最低血圧マーカー43Bは「最新異常マーカー」に相当する。
・過去異常最高血圧マーカー45Bおよび過去異常最低血圧マーカー46Bは「過去異常マーカー」に相当する。
【0058】
図6を参照して、月表示モードについて説明する。なお、図6において、点滅している状態のセグメント50には矢印が付されている。また、図7〜図9、および図12についても同様の記載方法によりセグメント50の点滅の状態が示されている。
【0059】
制御部11は、表示モードとして月表示モードを設定したとき、平均値としての最新測定データの取得月、および同データの取得月を基準とした過去数ヶ月のそれぞれの月の過去測定データの平均値をマーカー40により表示する。ここでは、1月前、2月前、3月前、4月前、6月前、9月前、および12月前について各月の過去測定データの平均値をマーカー40により表示する。また、スケール領域37において、「月前」の印字に対応する矢印を点灯の状態、かつ「週前」の印字に対応する矢印を消灯の状態に設定する。また、最新測定データの取得月を基準とした過去の月を示す各数値、すなわち「1」、「2」、「3」、「4」、「6」、「9」、および「12」を表示する。
【0060】
制御部11は、最新測定データに応じて次のように各マーカー40を表示する。
(a)最新測定データの最高血圧値が「140mmHg」未満のとき、最新正常最高血圧マーカー42Aを表示する。
(b)最新測定データの最高血圧値が「140mmHg」以上のとき、最新異常最高血圧マーカー42Bを表示する。
(c)最新測定データの最低血圧値が「90mmHg」未満のとき、最新正常最低血圧マーカー43Aを表示する。
(d)最新測定データの最低血圧値が「90mmHg」以上のとき、最新異常最低血圧マーカー43Bを表示する。
【0061】
制御部11は、過去測定データに応じて次のように各マーカー40を表示する。
(a)過去測定データの最高血圧値が「140mmHg」未満のとき、過去正常最高血圧マーカー45Aを表示する。
(b)過去測定データの最高血圧値が「140mmHg」以上のとき、過去異常最高血圧マーカー45Bを表示する。
(c)過去測定データの最低血圧値が「90mmHg」未満のとき、過去正常最低血圧マーカー46Aを表示する。
(d)過去測定データの最低血圧値が「90mmHg」以上のとき、過去異常最低血圧マーカー46Bを表示する。
【0062】
制御部11は、そのときに選択データとして設定されている最新測定データまたは過去測定データについて、このデータに対応する最高血圧値、最低血圧値、および脈拍をそれぞれ最高血圧領域31、最低血圧領域32、および脈拍領域36に表示する。
【0063】
制御部11は、記憶ボタン24が1度押される毎に選択データを変更する。具体的には、そのときに設定している測定データよりも1回前の測定分の測定データを新しい選択データとして設定する。また、選択データの初期値として最新測定データを設定する。また、左端列に対応する過去測定データを選択データとして設定している状態において記憶ボタン24が押されたとき、最新測定データを選択データとして設定する。
【0064】
図7を参照して、週表示モードについて説明する。
制御部11は、表示モードとして週表示モードを設定したとき、平均値としての最新測定データの取得週、および同データの取得週を基準とした過去数週間のそれぞれの週の過去測定データの平均値をマーカー40により表示する。ここでは、1週間前、2週間前、3週間前、4週間前、6週間前、9週間前、および12週間前について各週の過去測定データの平均値をマーカー40により表示する。また、スケール領域37において、「月前」の印字に対応する矢印を消灯の状態、かつ「週前」の印字に対応する矢印を点灯の状態に設定する。また、最新測定データの取得週を基準とした過去の週を示す各数値、すなわち「1」、「2」、「3」、「4」、「6」、「9」、および「12」を表示する。
【0065】
制御部11は、最新測定データに応じて月表示モードと同様の態様で各マーカー40を表示する。また、過去測定データに応じて月表示モードと同様の態様で各マーカー40を表示する。また、選択データに対応する最高血圧値、最低血圧値、および脈拍をそれぞれ最高血圧領域31、最低血圧領域32、および脈拍領域36に表示する。また、記憶ボタン24の操作に応じて月表示モードと同様の態様で選択データを変更する。
【0066】
図8および図9を参照して、全表示モードについて説明する。
制御部11は、表示モードとして全表示モードを設定したとき、最新測定データおよび1〜7番目の過去測定データをマーカー40により表示する。ここでは、スケール領域37において、「月前」の印字に対応する矢印を消灯の状態、かつ「週前」の印字に対応する矢印を消灯の状態、かつ各数字を消灯の状態に設定する。
【0067】
制御部11は、最新測定データに応じて月表示モードおよび週表示モードと同様の態様で各マーカー40を表示する。また、過去測定データに応じて月表示モードおよび週表示モードと同様の態様で各マーカー40を表示する。また、選択データに対応する最高血圧値、最低血圧値、脈拍、測定時間帯、およびデータ番号をそれぞれ最高血圧領域31、最低血圧領域32、脈拍領域36、時間帯領域35、および番号領域33に表示する。
【0068】
制御部11は、記憶ボタン24が1度押される毎に選択データを変更する。具体的には、そのときに設定している測定データよりもデータ番号が1つ若い測定データを新しい選択データとして設定する。また、選択データの初期値として最新測定データを設定する。また、左端列に対応する過去測定データを選択データとして設定している状態において記憶ボタン24が押されたとき、かつ最新測定データからカウントして8番目のデータ番号(「100」番)よりも若いデータ番号の過去測定データが記憶されているとき、以下のように過去測定データをマーカー40により表示する。
【0069】
すなわち、図9に示されるように、過去列のうちの右端の列すなわち最新列の左隣りの過去列に表示されている過去測定データのマーカー40の表示を中止する。また、他の6つの過去列に表示されている各過去測定データのマーカー40の表示列を1列ずつ右側の列に移動する。また、最新測定データからカウントして9番目のデータ番号(「099」番)の過去測定データのマーカー40を左端列に表示する。なお、左端列に対応する過去測定データを選択データとして設定している状態において記憶ボタン24がさらに押されたときには、上記と同様の手順で各過去測定データのマーカー40の表示を変更する。
【0070】
図10および図11を参照して、制御部11により行なわれる制御について説明する。なお、同制御の説明に記載の操作ボタン22および切替ボタン25は、図1等に記載されたものと対応している。また、表示部30の各領域31〜38およびグラフ39は、図3等に記載されたものと対応している。
【0071】
制御部11は、グラフ39の表示内容を操作ボタン22の操作に応じて変更するための「グラフ表示制御」と、グラフ領域38にグラフ39を表示しているときに各領域31〜38の表示内容を変更するための「表示内容変更制御」とを行う。
【0072】
図10に、グラフ表示制御の手順を示す。
グラフ表示制御は、制御部11により所定の制御周期毎に繰り返し行なわれる。すなわち、最後のステップの処理が終了した後、所定の制御周期が経過するまではグラフ表示制御の実行が保留される。そして、所定の制御周期が経過したとき、再び最初のステップからグラフ表示制御が行なわれる。
【0073】
ステップS11では、操作ボタン22が最後に操作されてからの経過時間(以下、「操作後時間」)が所定時間以上か否かを判定する。ステップS11において、操作後時間が所定時間以上の旨判定したとき、ステップS12において、図1の本体10の電源をオンからオフに変更する。ステップS11において、操作後時間が所定時間未満の旨判定したとき、ステップS13の処理に移行する。
【0074】
ステップS13では、切替ボタン25が押されたか否かを判定する。ステップS13において、切替ボタン25が押された旨判定したとき、ステップS14において、測定データを図2の記憶部12から読み出し、かつ図3の表示部30の各領域31〜38に測定データに対応する情報を表示する。一方、ステップS13において、切替ボタン25が押されていない旨判定したとき、グラフ表示制御を一旦終了する。
【0075】
図11に、表示内容変更制御の手順を示す。
表示内容変更制御は、制御部11により所定の制御周期毎に繰り返し行なわれる。すなわち、最後のステップの処理が終了した後、所定の制御周期が経過するまでは表示内容変更制御の実行が保留される。同制御周期が経過したとき、再び最初のステップから表示内容変更制御が行なわれる。
【0076】
ステップS21では、図1の切替ボタン25が押されたか否かを判定する。ステップS21において、切替ボタン25が押された旨判定したとき、ステップS34において、図3のグラフ39の表示モードを変更する。ステップS21において、切替ボタン25が押されていない旨判定したとき、ステップS22以降の処理を行う。
【0077】
ステップS22では、図1の記憶ボタン24が押されたか否かを判定する。ステップS23では、図3のグラフ39の左端列の過去測定データ以外の過去測定データを選択データとして設定しているか否かを判定する。ステップS24では、現在選択しているグラフ39の表示モードが全表示モードか否かを判定する。
【0078】
制御部11は、ステップS22〜S24の判定結果に応じて以下の各処理を行う。
(A)ステップS22において否定判定のとき、表示内容変更制御を一旦終了する。
(B)ステップS22において肯定判定、かつステップS23において肯定判定のとき、ステップS33において1つ左側の列の過去測定データを選択データとして設定する。
【0079】
(C)ステップS22において肯定判定、ステップS23において否定判定、かつステップS24において否定判定のとき、ステップS32においてグラフ39の右端列の最新測定データを選択データとして設定する。
【0080】
(D)ステップS22において肯定判定、ステップS23において否定判定、かつステップS24において肯定判定のとき、ステップS31において非表示の過去測定データのうちの最新の測定データを表示する。
【0081】
(実施形態の効果)
本実施形態の電子血圧計1によれば以下の効果が得られる。
(1)電子血圧計1においては、最新正常最高血圧マーカー42Aの形状と最新異常最高血圧マーカー42Bの形状とが互いに異なる。また、最新正常最低血圧マーカー43Aの形状と最新異常最低血圧マーカー43Bの形状とが互いに異なる。また、過去正常最高血圧マーカー45Aの形状と過去異常最高血圧マーカー45Bの形状とが互いに異なる。また、過去正常最低血圧マーカー46Aの形状と過去異常最低血圧マーカー46Bの形状とが互いに異なる。
【0082】
この構成によれば、ユーザーは測定結果としての血圧値が高血圧か否かを判断しやすい。また、正常マーカーとしてのマーカー42A,43A,45A,46A、および異常マーカーとしてのマーカー42B,43B,45B,46Bの色を異ならせることによりユーザーの視認性を高める構成と比較して、製造にかかるコストが低くなる。
【0083】
(2)電子血圧計1においては、最新上部セグメント51により最新正常最高血圧マーカー42Aの一部および最新異常最高血圧マーカー42Bが表示される。また、最新上部セグメント51により最新正常最低血圧マーカー43Aの一部および最新異常最低血圧マーカー43Bが表示される。また、過去上部セグメント53により過去正常最高血圧マーカー45Aの一部および過去異常最高血圧マーカー45Bが表示される。また、過去上部セグメント53により過去正常最低血圧マーカー46Aの一部および過去異常最低血圧マーカー46Bが表示される。
【0084】
この構成によれば、同じ大きさのセグメントにより正常マーカーおよび異常マーカーを表示する構成と比較して、1つの正常マーカーとしてのマーカー42A,43A,45A,46Aが大きくなるため、ユーザーが正常マーカーを判断しやすくなる。また、正常マーカーおよび異常マーカーを各別に形成し、かつ正常マーカーを異常マーカーよりも大きくする構成と比較して、正常マーカーとしてのマーカー42A,43A,45A,46A、および異常マーカーとしてのマーカー42B,43B,45B,46Bが表示部30に占める面積が小さくなる。このため、表示部30により多くのセグメント50を設けることができる。
【0085】
(3)電子血圧計1においては、最新異常最高血圧マーカー42Bおよび最新異常最低血圧マーカー43Bとして三角形状のマーカーが設けられている。また、各マーカー42B,43Bの頂点が各マーカー42B,43Bの上方かつ幅方向の中心に位置している。
【0086】
この構成によれば、各マーカー42B,43Bの幅が下方から上方に向けて小さくなるため、各マーカー42B,43Bが上方に向かう矢印に類似した形状としてユーザーに認識される可能性が高くなる。このため、測定結果としての最高血圧が正常範囲に対して高すぎるとき、各マーカー42B,43Bがその旨を示すものであることをユーザーに直感的に認識させやすい。
【0087】
(4)電子血圧計1においては、過去異常最高血圧マーカー45Bおよび過去異常最低血圧マーカー46Bとして半円形状のマーカーが設けられている。また、各マーカー45B,46Bの円弧の中心が各マーカー45B,46Bの上方かつ幅方向の中心に位置している。
【0088】
この構成によれば、各マーカー45B,46Bの幅が下方から上方に向けて小さくなるため、各マーカー45B,46Bが上方に向かう矢印に類似した形状としてユーザーに認識される可能性が高くなる。このため、測定結果としての最高血圧が正常範囲に対して高すぎるとき、各マーカー45B,46Bがその旨を示すものであることをユーザーに直感的に認識させやすい。
【0089】
(5)電子血圧計1においては、横軸および縦軸がそれぞれ時間軸39Xおよび血圧値軸39Yとして設定された1つのグラフ39に複数の測定結果がマーカー40により表示される。この構成によれば、最新測定結果を含めた血圧値の測定結果について、その経時的な変化をユーザーが把握しやすい。
【0090】
(6)電子血圧計1においては、最新最高血圧マーカー42および最新最低血圧マーカー43を共通の血圧値軸39Yにより表示している。また、過去最高血圧マーカー45および過去最低血圧マーカー46を共通の血圧値軸39Yにより表示している。この構成によれば、1回の血圧値の測定結果により得られる最高血圧値および最低血圧値の差をユーザーが容易に確認することができる。
【0091】
(7)電子血圧計1においては、最新測定結果マーカー41の形状と過去測定結果マーカー44の形状とが互いに異なる。この構成によれば、ユーザーが最新測定結果と過去測定結果とを比較するときの作業が行ないやすい。また、最新測定結果マーカー41の色と過去測定結果マーカー44の色とを互いに異ならせることによりユーザーの視認性を高める構成と比較して、製造にかかるコストが低くなる。
【0092】
(その他の実施形態)
本発明の実施態様は上記実施形態に限られるものではなく、例えば以下に示すように変更することもできる。また以下の各変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
【0093】
・上記実施形態(図5)では、最新正常最高血圧マーカー42Aの形状と、過去正常最高血圧マーカー45Aの形状とを互いに異なるものに設定しているが、これらマーカー42A,45Aの形状を同じものに変更することもできる。すなわち、最新上部セグメント51の形状と過去上部セグメント53の形状とを互いに同じものに設定し、かつ最新下部セグメント52の形状と、過去下部セグメント54の形状とを互いに同じものに設定することもできる。
【0094】
・上記実施形態(図5)では、最新異常最高血圧マーカー42Bの形状と、過去異常最高血圧マーカー45Bの形状とを互いに異なるものに設定しているが、これらマーカー42B,45Bの形状を同じものに変更することもできる。すなわち、最新下部セグメント52の形状と、過去下部セグメント54の形状とを互いに同じものに設定することもできる。
【0095】
・上記実施形態(図5)では、最新最高血圧マーカー42の形状と最新最低血圧マーカー43の形状とを互いに同じものに設定しているが、これらマーカー42,43の形状を互いに異なるものに設定することもできる。この場合の具体的な構成の例としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0096】
(A)最新正常最高血圧マーカー42Aを最新上部セグメント51により表示する。最新正常最低血圧マーカー43Aを最新下部セグメント52により表示する。最新異常最高血圧マーカー42Aを最新上部セグメント51の点滅により表示する。最新異常最低血圧マーカー43Aを最新下部セグメント52の点滅により表示する。
【0097】
(B)最新正常最高血圧マーカー42Aを最新上部セグメント51および最新下部セグメント52により表示する。最新正常最低血圧マーカー43Aを最新下部セグメント52により表示する。最新異常最高血圧マーカー42Aを最新上部セグメント51および最新下部セグメント52の点滅により表示する。最新異常最低血圧マーカー43Aを最新下部セグメント52の点滅により表示する。
【0098】
・上記実施形態(図5)では、過去最高血圧マーカー45の形状と過去最低血圧マーカー46の形状とを互いに同じものに設定しているが、これらマーカー45,46の形状を互いに異なるものに設定することもできる。この場合の具体的な構成の例としては、上記変形例の(A)または(B)に準じた構成が挙げられる。
【0099】
・上記実施形態(図5)では、最新最高血圧マーカー42の一部を表示する最新下部セグメント52により最新最低血圧マーカー43の全体を表示しているが、前者のマーカー42とは独立したセグメントにより後者のマーカー43を表示することもできる。
【0100】
例えば、最新上部セグメント51および最新下部セグメント52とは別のセグメントを区画領域39Aに追加する。また、最新正常最低血圧マーカー43Aをこの追加のセグメントにより表示する。また、最新異常最低血圧マーカー43Bを同セグメントの点滅により表示する。
【0101】
・上記実施形態(図5)では、過去最高血圧マーカー45の一部を表示する過去下部セグメント54により過去最低血圧マーカー46の全体を表示しているが、前者のマーカー45とは独立したセグメントにより後者のマーカー46を表示することもできる。
【0102】
例えば、過去上部セグメント53および過去下部セグメント54とは別のセグメントを区画領域39Aに追加する。また、過去正常最低血圧マーカー46Aをこの追加のセグメントにより表示し、過去異常最低血圧マーカー46Bを同セグメントの点滅により表示する。
【0103】
・上記実施形態(図5)では、正常マーカーとしてのマーカー42A,43A,45A,46Aの形状と、異常マーカーとしてのマーカー42B,43B,45B,46Bの形状とを互いに異なるものに設定し、これによりユーザーの視認性を高めているが、前者のマーカー42A,43A,45A,46Aの色と後者のマーカー42B,43B,45B,46Bの色とを互いに異なるものに設定することによりユーザーの視認性を高めることもできる。
【0104】
・上記実施形態(図3)では、最新最高血圧マーカー42、最新最低血圧マーカー43、過去最高血圧マーカー45、および過去最低血圧マーカー46を1つのグラフ39に表示しているが、表示部30の構成を次のように変更することもできる。すなわち、図12に示されるように、最新最高血圧マーカー42および過去最高血圧マーカー45を表示するグラフ39H、および最新最低血圧マーカー43および過去最低血圧マーカー46を表示するグラフ39Lをグラフ39に代えて表示部30に設ける。この場合には、グラフ39Lをグラフ39Hの下方に設けるとともに、表示部30において2つのグラフ39H,39Lの縦軸の幅方向Xの位置を一致させることが好ましい。
【0105】
・上記実施形態(図3)では、グラフ39の時間軸39Xを1つの最新列および7つの過去列に区分しているが、時間軸39Xの区分を以下のように変更することもできる。
(A)1つの最新列および1つ以上かつ7つ未満の過去列に区分する。
(B)1つの最新列および8つ以上の過去列に区分する。
【0106】
・上記実施形態(図3)では、グラフ39の時間軸39Xの右端列(最新列)に最新測定結果マーカー41を表示しているが、左端列に最新測定結果マーカー41を表示することもできる。この場合には、左端列を除く7つ列において左から右の列に向かうにつれて表示される測定データが順に過去のものとなる。
【0107】
・上記実施形態(図8)では、各表示モードにおいて最新測定データをグラフ39の右端列に常に表示しているが、グラフ39の測定データの表示方法を次のように変更することもできる。すなわち、最新測定データを除いて各過去測定データをグラフ39に表示するための表示モードを用意する。そして、操作ボタン22の操作により同表示モードが選択されたとき、最新測定データの表示を停止し、各過去測定データをそれぞれ1列分にわたり右の列に移動し、そのとき非表示の過去測定データのうちの最新のものを左端列に表示する。
【0108】
・上記実施形態(図3)に対して、測定データの最高血圧値および最低血圧値の少なくとも一方が低血圧を示す範囲内にあるか否かを判定し、同範囲内にあるときにはその旨を示すマーカーを表示する機能を付加することもできる。この場合の具体的な構成の一例としては、以下の(A)および(B)が挙げられる。
【0109】
(A)測定データの最高血圧値が第1の低血圧判定値未満か否かを判定し、判定値未満のときにはその旨を示すマーカーを表示する。同マーカーの表示方法としては、上記実施形態のセグメント50とは別の追加のセグメントにより表示するものが挙げられる。またこの他に、最新下部セグメント52または過去下部セグメント54により表示するものが挙げられる。なお、「第1の低血圧判定値以上」の範囲の最高血圧値は「所定範囲内の血圧値」に相当する。また、「第1の低血圧判定値未満」の範囲の最高血圧値は「所定範囲外の血圧値」に相当する。
【0110】
(B)測定データの最低血圧値が第2の低血圧判定値未満か否かを判定し、判定値未満のときにはその旨を示すマーカーを表示する。同マーカーの表示方法としては、上記実施形態のセグメント50とは別の追加のセグメントにより表示するものが挙げられる。またこの他に、最新下部セグメント52または過去下部セグメント54により表示するものが挙げられる。なお、「第2の低血圧判定値以上」の範囲の最低血圧値は「所定範囲内の血圧値」に相当する。また、「第2の低血圧判定値未満」の範囲の最低血圧値は「所定範囲外の血圧値」に相当する。
【0111】
・上記実施形態(図4)では、セグメント式の液晶画面を有する表示部30を備えているが、表示部30の構成はこれに限られない。例えば、ドットの組み合わせによりマーカー40を表示するドット式の液晶画面を有する表示部を用いることもできる。
【0112】
・上記実施形態(図1)では、圧迫帯60を腕に巻く型式の電子血圧計1に本発明を適用した場合の一例を示しているが、その他の型式の電子血圧計に対して本発明を適用することもできる。その他の型式の電子血圧計としては、例えば圧迫帯を手首に巻く型式のものが挙げられる。
【符号の説明】
【0113】
1…電子血圧計、40…マーカー、42A…最新正常最高血圧マーカー(マーカー、正常マーカー、最新正常マーカー)、42B…最新異常最高血圧マーカー(マーカー、異常マーカー、最新異常マーカー)、43A…最新正常最低血圧マーカー(マーカー、正常マーカー、最新正常マーカー)、43B…最新異常最低血圧マーカー(マーカー、異常マーカー、最新異常マーカー)、45A…過去正常最高血圧マーカー(マーカー、正常マーカー、過去正常マーカー)、45B…過去異常最高血圧マーカー(マーカー、異常マーカー、過去異常マーカー)、46A…過去正常最低血圧マーカー(マーカー、正常マーカー、過去正常マーカー)、46B…過去異常最低血圧マーカー(マーカー、異常マーカー、過去異常マーカー)、50…セグメント(表示要素)、51…最新上部セグメント(表示要素)、52…最新下部セグメント(表示要素)、53…過去上部セグメント(表示要素)、54…過去下部セグメント(表示要素)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血圧の測定結果をマーカーにより表示する電子血圧計において、
所定範囲内の血圧値を正常値とし、所定範囲外の血圧値を異常値とし、前記正常値に対応する前記マーカーを正常マーカーとし、前記異常値に対応する前記マーカーを異常マーカーとし、前記マーカーの形状および色の少なくとも一方を識別情報として、
前記正常マーカーの識別情報と前記異常マーカーの識別情報とが互いに異なること
を特徴とする電子血圧計。
【請求項2】
請求項1に記載の電子血圧計において、
前記正常マーカーが複数の表示要素により構成されていること、
前記異常マーカーが少なくとも1つの表示要素により構成されていること、
ならびに、前記正常マーカーを構成する前記複数の表示要素の少なくとも1つにより前記異常マーカーの表示要素が構成されていること
を特徴とする電子血圧計。
【請求項3】
請求項2に記載の電子血圧計において、
前記正常マーカーが2つの表示要素により構成されていること、
ならびに、前記2つの表示要素の一方により前記異常マーカーが構成されていること
を特徴とする電子血圧計。
【請求項4】
請求項1に記載の電子血圧計において、
前記異常マーカーが複数の表示要素により構成されていること、
前記正常マーカーが少なくとも1つの表示要素により構成されていること、
ならびに、前記異常マーカーを構成する前記複数の表示要素の少なくとも1つにより前記正常マーカーの表示要素が構成されていること
を特徴とする電子血圧計。
【請求項5】
請求項4に記載の電子血圧計において、
前記異常マーカーが2つの表示要素により構成されていること、
ならびに、前記2つの表示要素の一方により前記正常マーカーが構成されていること
を特徴とする電子血圧計。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子血圧計において、
最高血圧値に対応する前記マーカーおよび最低血圧値に対応する前記マーカーを共通の血圧値の軸により表示すること
を特徴とする電子血圧計。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子血圧計において、
最新の測定結果としての前記マーカーを最新マーカーとし、過去の測定結果としての前記マーカーを過去マーカーとし、前記最新マーカーとしての前記正常マーカーを最新正常マーカーとし、前記最新マーカーとしての前記異常マーカーを最新異常マーカーとし、前記過去マーカーとしての前記正常マーカーを過去正常マーカーとし、前記過去マーカーとしての前記異常マーカーを過去異常マーカーとして、前記最新正常マーカーの識別情報と、前記最新異常マーカーの識別情報と、前記過去正常マーカーの識別情報と、前記過去異常マーカーの識別情報とが互いに異なること
を特徴とする電子血圧計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−22285(P2013−22285A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160613(P2011−160613)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】