説明

電子表示端末および電子表示プログラム

【課題】所望のページに迅速に到達することが容易である電子表示端末および電子表示プログラムを提供する。
【解決手段】電子表示用入力データをページ単位の中間言語データに変換する解析処理手段122と、中間言語データをバンド単位で分割して、ビットマップデータに変換する描画処理手段124と、ビットマップデータをバンド単位で表示手段172に表示させる表示制御手段170と、ページ単位における最初に表示させたい位置のバンド番号の指定値を検出する入力検出手段114と、前記バンド番号の指定値に対応する中間言語データを優先的にビットマップデータに変換し、表示手段172に表示させるための入力検出処理手段126と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子表示端末および電子表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子表示端末におけるビットマップデータの表示パネルへの出力は、1ページ(N−in−1モードの場合はNページ)単位で実行されるため、所望のページであるか否かを判定したい場合、1ページ分のビットマップデータの全てが用意されるまでユーザは待つことが必要であり、所望のページに迅速に到達することが困難であった。そのため、表示データをバンド分割し、バンド毎に表示することにより、所望のページであるか否かの判定に要する時間を短縮化している(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−220710
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、例えば、最後尾のバンドに含まれるコンテンツデータを見ないと所望のページであるか否かが判定できない場合、結局、ユーザは1ページ分の描画処理が完了するまで待つことが必要であり、所望のページに迅速に到達することが困難である問題を有している。
【0005】
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、所望のページに迅速に到達することが容易である電子表示端末および電子表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0007】
(1)電子表示用入力データをページ単位の中間言語データに変換する解析処理手段と、
前記中間言語データをバンド単位で分割して、ビットマップデータに変換する描画処理手段と、
前記ビットマップデータをバンド単位で表示手段に表示させる表示制御手段と、
ページ単位における最初に表示させたい位置のバンド番号の指定値を検出する入力検出手段と、
前記バンド番号の指定値に対応する中間言語データを優先的にビットマップデータに変換し、前記表示手段に表示させるための入力検出処理手段と、
を有することを特徴とする電子表示端末。
【0008】
(2)前記描画処理手段は、優先的に変換された前記ビットマップデータが前記表示手段に表示されている間に、指定されていないバンド番号に対応する中間言語データのビットマップデータへの変換を開始することを特徴とする上記(1)に記載の電子表示端末。
【0009】
(3)前記中間言語データおよび前記ビットマップデータを格納するデータ記憶部を有し、
前記データ記憶部に空き容量が存在する場合、前記解析処理手段は、前記表示手段に表示されているページの後続のページの入力データを中間言語データに変換し、前記描画処理手段は、前記後続のページの入力データの中間言語データの先頭バンドをビットマップデータに変換する
ことを特徴とする上記(1)又は上記(2)に記載の電子表示端末。
【0010】
(4)前記電子表示用入力データは、PDL(Page Description Language)の形式で作成されていることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の電子表示端末。
【0011】
(5)ビットマップデータをバンド単位で表示手段に表示させる表示制御手段と、ページ単位における最初に表示させたい位置のバンド番号の指定値を検出する入力検出手段と、を有する電子表示端末を制御するための電子表示プログラムであって、
電子表示用入力データをページ単位の中間言語データに変換する解析処理手順と、
前記中間言語データをバンド単位で分割して、ビットマップデータに変換する描画処理手順と、
前記バンド番号の指定値に対応する中間言語データを優先的にビットマップデータに変換し、前記表示手段に表示させるための入力検出処理手順と、
を前記電子表示端末に実行させることを特徴とする電子表示プログラム。
【0012】
(6)前記描画処理手順において、優先的に変換された前記ビットマップデータが前記表示手段に表示されている間に、指定されていないバンド番号に対応する中間言語データのビットマップデータへの変換が開始されることを特徴とする上記(5)に記載の電子表示プログラム。
【0013】
(7)前記電子表示端末は、前記中間言語データおよび前記ビットマップデータを格納するデータ記憶部を有し、
前記データ記憶部に空き容量が存在する場合、前記解析処理手順において、前記表示手段に表示されているページの後続のページの入力データが中間言語データに変換され、前記描画処理手順において、前記後続のページの入力データの中間言語データの先頭バンドがビットマップデータに変換される
ことを特徴とする上記(5)又は上記(6)に記載の電子表示プログラム。
【0014】
(8)前記電子表示用入力データは、PDL(Page Description Language)の形式で作成されていることを特徴とする上記(5)〜(7)のいずれか1項に記載の電子表示プログラム。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る電子表示端末および電子表示プログラムによれば、バンド番号の指定値に対応する中間言語データが優先的にビットマップデータに変換(描画)され、表示手段に表示されるため、1ページ分の中間言語データの全てがビットマップデータに変換されることを待つことなく、バンド番号の指定値に対応する最初に表示させたい位置に存在するコンテンツデータを把握することが可能であり、表示されるページが所望のページであるか否かを迅速に判定し、所望のページに到達することが容易となる。したがって、所望のページに迅速に到達することが容易である電子表示端末および電子表示プログラムを提供することできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子表示端末を説明するための平面図である。
【図2】図1に示される電子表示端末の概略構成図である。
【図3】図1に示される電子表示端末による単ページモードでの表示処理を説明するための概略図である。
【図4】図1に示される電子表示端末による4−in−1モードでの表示処理を説明するための概略図である。
【図5】図2に示されるデータ記憶部のデータ構成を説明するための概念図である。
【図6】図5に示される中間言語データの構造を説明するための概念図である。
【図7】図5に示されるバンドデータの分割を説明するための概略図である。
【図8A】図1に示される電子表示端末において実行される表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図8B】図8Aに続くステップを説明するためのフローチャートである。
【図9】図8Aに示されるステップS04のデータ解析処理1を説明するためのフローチャートである。
【図10】図8Aに示されるステップS07の描画処理1を説明するためのフローチャートである。
【図11】図1に示される電子表示端末において実行される入力検出処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態に係る電子表示端末を説明するための平面図、図2は、図1に示される電子表示端末の概略構成図、図3は、図1に示される電子表示端末による単ページモードでの表示処理を説明するための概略、図4は、図1に示される電子表示端末による4−in−1モードでの表示処理を説明するための概略図である。
【0019】
本発明の実施の形態に係る電子表示端末100は、電子表示用入力データを表示するために使用され、入力制御部110、CPU120、プログラム記憶部130、ストレージ150、データ記憶部160、表示制御部170、データインターフェース140および電源180を有し、これらは、バス190を経由して相互に接続されている。
【0020】
電子表示用入力データは、例えば、PostScript(登録商標)やPCL(Printer Control Language)等のPDL(ページ記述言語:Page Description Language)の形式で作成されたデータである。また、電子表示用入力データとして、プレーンテキストやPDF(Portable Document Format)等の汎用文書フォーマットや、EPUB(electronic publication)等の電子書籍専用フォーマットを利用して作成されるデータを適用することも可能である。
【0021】
入力制御部110は、キーボード112および入力検出部114を有し、電子表示端末100のユーザによる入力を検出するために使用される。キーボード112は、例えば、指令ボタン、テンキー、方向キー(カーソルキー)を含んでいる。
【0022】
CPU120は、プログラムにしたがって上記各部の制御や各種の演算処理を実行するマイクロプロセッサ等から構成される制御回路であり、解析処理部122、描画処理部124および入力検出処理部126を有する。
【0023】
解析処理部122は、ストレージ150に格納されているデータを中間言語データに変換し、データ記憶部160に格納する機能を有する。描画処理部124は、例えば、RIP処理(ラスタライズ処理:Raster Image Processing)を適用して中間言語データをビットマップデータに変換し、データ記憶部160に格納する機能を有する。入力検出処理部126は、入力検出部114が指令ボタンの押下を検出した場合、表示処理を中断させ、表示処理に係るパラメータを訂正する処理を優先的に実行する機能を有する。表示処理は、解析処理部122、描画処理部124および入力検出処理部126を連携させ、ページ単位における最初に表示させたい位置に存在するコンテンツデータを優先的に表示させることにより、所望のページに迅速に到達することを容易にするための処理である。
【0024】
プログラム記憶部130は、CPU120によって実行される処理プログラムが格納するために使用され、例えば、ROM(リードオンリーメモリ)から構成される。なお、解析処理部122、描画処理部124および入力検出処理部126は、プログラム記憶部130に格納されている対応処理プログラムをCPU120が実行することにより構成されている。
【0025】
データインターフェース140は、例えば、無線通信インタフェース回路からなり、ネットワークを経由して電子表示用入力データを取得するために使用される。ネットワークは、イーサネット(登録商標)、トークンリング、およびFDDI(Fiber−Distributed Data Interface)等の規格によりコンピュータやネットワーク機器同士を接続する構内情報通信網(LAN:Local Area Network)、LAN同士を専用線で接続した広域情報通信網(WAN:Wide Area Network)、インターネット、これらの組み合わせ等の各種のネットワークからなる。ネットワークプロトコルは、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)である。
【0026】
電子表示用入力データの取得は、ネットワークを経由して実施する形態に限定されず、リムーバブル記憶装置を利用することも可能である。リムーバブル記憶装置は、例えば、SDメモリカード、SDHCカード、USBメモリである。
【0027】
ストレージ150は、データインターフェース140を経由して入力されたデータ(電子表示用入力データ)を一時的に格納するために使用され、例えば、書き換え可能な不揮発性半導体メモリからなる。不揮発性半導体メモリは、例えば、フラッシュメモリである。
【0028】
データ記憶部160は、中間言語データおよびビットマップデータを格納するために使用され、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)からなる。中間言語データは、ストレージ150に格納されているデータを解析処理部122が変換することで生成される。ビットマップデータは、中間言語データを描画処理部124が変換することで生成される。
【0029】
表示制御部170は、表示処理に従い、データ記憶部160に格納されているビットマップデータを、表示パネル172に入力して表示させるために使用される。表示パネル172は、例えば、液晶や電子ペーパから構成される。
【0030】
本実施の形態においては、表示パネル172には、例えば、1ページ分のデータをそのまま表示する単ページモード(非N−in−1モード)が適用される場合、図3に示されるように、指定されたバンドに対応する最初に表示させたい位置に存在するコンテンツデータが表示された後で、指定されたバンドの後続バンドに対応する位置に存在するコンテンツデータが順次表示され、最後尾のバンドに到達すると、先頭バンドに戻り、先頭バンドと指定されたバンドとの間のバンドに対応する位置に存在するコンテンツデータが順次表示される。例えば、「BBB・・・」、「CCC・・・」、「DDD・・・」、「EEE・・・」、「AAA・・・」の順で表示される。
【0031】
4ページ分のデータをまとめて表示する4−in−1モードが適用される場合、図4に示されるように、ページ1における最初に表示させたい位置に存在するコンテンツデータ「BBB・・・」が表示された後で、残りのデータが順次表示され、そして、ページ2における最初に表示させたい位置に存在するコンテンツデータ「FFF・・・」が表示された後で、残りのデータが順次表示され、そして、ページ3における最初に表示させたい位置に存在するコンテンツデータ「JJJ・・・」が表示された後で、残りのデータが順次表示され、そして、ページ4における最初に表示させたい位置に存在するコンテンツデータ「NNN・・・」が表示された後で、残りのデータが順次表示されることになる。
【0032】
電源180は、電子表示端末100の携帯性および長時間動作を考慮し、例えば、リチウムイオン二次電池を有している。
【0033】
次に、データ記憶部のデータ構成を説明する。
【0034】
図5は、図2に示されるデータ記憶部のデータ構成を説明するための概念図、図6は、図5に示される中間言語データの構造を説明するための概念図、図7は、図5に示されるバンドデータの分割を説明するための概略図である。
【0035】
データ記憶部160は、図5に示されるように、中間言語データの格納領域と、表示されるページ分のビットマップデータの格納領域と、を有する。
【0036】
中間言語データは、ストレージ150に格納されているデータ(電子表示用入力データ)を解析処理部122が変換することで生成されており、図6に示されるように、PageID、Direction、BandID,ObjectID、x、y、w、h等により構成される。PageIDは、ページ番号を示す識別子である。Directionは、文字列の方向を示す値であり、「p」は縦方向(portrait),「l」は、横方向(landscape)を表している。BandIDは、バンド番号を示す識別子である。ObjectIDは、オブジェクトの識別子であり、「t」はテキスト(Text)、「g」はグラフィック(Graphic)、「i」はイメージ(Image)を表している。xは、描画位置を示すx座標を示している。yは、描画位置を示すy座標を示している。wは、オブジェクトの大きさ(幅:width)を示している。hは、オブジェクトの大きさ(高さ:height)を示している。
【0037】
ビットマップデータは、中間言語データを描画処理部124が変換(RIP処理)することで生成されており、バンド単位で分割されており、その格納領域には、表示パネル172に表示されるバンドデータと、先行して生成された後続ページの先頭バンドデータとが配置される。
【0038】
なお、バンド分割は、文字列方向に実行され、図7に示されるように、横書きの場合と縦書きの場合とでは、バンド分割方向が切り替えられる。
【0039】
次に、表示処理を詳述する。
【0040】
図8Aおよび図8Bは、図1に示される電子表示端末において実行される表示処理を説明するためのフローチャートである。なお、図8Aおよび図8Bに示されるフローチャートにより示されるアルゴリズムは、プログラム記憶部130に処理プログラムとして保存されており、CPU120によって実行される。
【0041】
表示処理は、入力制御部110からの表示指令を受けると実行され、まず、各種パラメータ(CountPage、CountBand、TotalBand_inPageおよびBandNo_onPanel)が初期化される(ステップS01)。
【0042】
CountPageは、TotalPage_onPanelに関する処理済のページ数をカウントするために使用され、初期値は「0」である。TotalPage_onPanelは、表示パネル172に表示される総ページ数であり、
単ページモード(デフォルト値)は「1」であり、2−in−1モードの場合は「2」、4−in−1モードの場合は「4」となる。
【0043】
CountBandは、Totalband_inPageに関する描画処理済のバンド数をカウントするために使用され、初期値は「0」である。TotalBand_inPageは、描画処理の対象である1枚のページに含まれる総バンド数を示しており、固定値がセットされる。固定値は、バンド分割方向が縦の場合は「m」、横の場合は「n」である。
【0044】
BandNo_onPanelは、表示パネル172に表示するために処理しているページにおけるバンド番号を示しており、最初に表示させたい位置のバンド番号であるFirstBandがセットされる。なお、最初に表示させたい位置のバンド番号が指定されていない場合、FirstBandには、先頭のバンド番号が割り当てられる。なお、オブジェクト(データ)が含まれていない無画像バンドは先頭とみなさない。
【0045】
次に、処理済のページ数と表示パネルに表示する総ページ数を比較するため、CountPageがTotalPage_onPanelより小さいか否かが判定される(ステップS02)。
【0046】
CountPageがTotalPage_onPanelより小さい場合(ステップS02:Yes)、未処理のページが存在することを意味するため、データ解析処理済みの中間言語データが存在するか否かが判定される(ステップS03)。中間言語データが存在する場合(ステップS03:Yes)、ステップS04がスキップされる。中間言語データが存在しない場合(ステップS03:No)、データ解析処理1が実行される(ステップS04)。データ解析処理1は、ストレージ150に格納されているデータを中間言語データに変換し、データ記憶部160に格納する処理である。
【0047】
そして、CountPageの値に「1」を加えて、処理済のページ数をインクリメントし(ステップS05)、処理済のバンド数と1ページあたりの総バンド数とを比較するため、CountBandがTotalBand_inPageより小さいか否かが判定される(ステップS06)。
【0048】
CountBandがTotalBand_inPageより小さくない場合(ステップS06:No)、プロセスは、次のページの処理のためにステップS02にリターンする。CountBandがTotalBand_inPageより小さい場合(ステップS06:Yes)、描画処理1が実行される(ステップS07)。描画処理1は、中間言語データをビットマップデータに変換し、データ記憶部160に格納する処理である。
【0049】
次に、描画処理で生成されたビットマップデータ(バンド単位)を、表示パネル172に表示する(ステップS08)。
【0050】
例えば、TotalPage_onPanelの値が「1」であり、単ページモードの場合、表示パネル172には、処理の進行に応じて、図3に示されるように、バンドに対応する位置に存在するコンテンツデータが順次表示される。TotalPage_onPanelの値が「4」であり、4−in−1モードの場合、表示パネル172には、処理の進行に応じて、図4に示されるように、各ページにおけるバンドに対応する位置に存在するコンテンツデータが順次表示される。また、FirstBandの指定値が各ページで異なっていると、図4の場合と異なり、最初に表示されるバンドの位置がページ毎に異なることになる。
【0051】
つまり、バンド番号の指定値に対応する中間言語データが優先的にビットマップデータに変換(描画)され、表示パネル172に表示されるため、1ページ分の中間言語データの全てがビットマップデータに変換されることを待つことなく、バンド番号の指定値に対応する最初に表示させたい位置に存在するコンテンツデータを把握することが可能であり、表示されるページが所望のページであるか否かを迅速に判定し、所望のページに到達することが容易となる。特に、中間言語データからビットマップデータへの変換に長時間要する場合、表示されるまでのユーザのストレスは過大となるため、その効果は顕著となる。
【0052】
また、優先的に変換されたビットマップデータが表示パネル172に表示されている間に、指定されていないバンド番号に対応する中間言語データのビットマップデータへの変換が開始されるため、残りのデータが迅速に表示される。したがって、例えば、表示されるページが所望のページである場合、残りのデータが表示されるまでのユーザのストレスが顕著に軽減される。
【0053】
そして、CountBandおよびBandNo_onPanelの値に「1」を加えて、描画処理済のバンド数および表示パネルに表示するために処理しているバンド番号をインクリメントする。
【0054】
次に処理するバンド番号と最後尾のバンド番号とを比較するため、BandNo_onPanelがTotalBand_inPage以下(等しいあるいは小さい)であるか否かが判定される(ステップS10)。BandNo_onPanelがTotalBand_inPage以下である場合(ステップS10:Yes)、プロセスは、未処理である後続バンドの処理のためにステップS06にリターンする。BandNo_onPanelがTotalBand_inPageより大きい場合(ステップS10:No)、BandNo_onPanelに「1」を代入し、未処理である先頭バンドの処理のためにステップS06にリターンする。
【0055】
一方、CountPageがTotalPage_onPanel以上(等しいあるいは大きい)である場合(ステップS02:No)、表示パネルに表示されるはビットマップデータの全ての作成が完了(表示パネルに表示されるページの全ての処理が終了)したことを意味するため、データ記憶部160に空き容量が存在するか否かが判定される(ステップS12)。
【0056】
データ記憶部160に空き容量が存在する場合(ステップS12:Yes)、表示されているページの後続ページ(1ページ分)のデータ解析処理2(ステップS13)および描画処理2(ステップS14)を実行した後で、プロセスは、ステップS12にリターンし、データ記憶部160に空き容量が存在するか否かが判定される。なお、描画処理2は、後続ページにおける先頭バンドに対応する中間言語データをビットマップデータに変換し、データ記憶部160に格納する処理である。
【0057】
データ記憶部160に空き容量が存在しない場合(ステップS12:No)、プロセスは終了する。したがって、データ記憶部160に空き容量が存在する限り、ステップS12〜S14が繰り返され、後続ページにおける先頭バンドのみがビットマップデータに変換され、データ記憶部160に順次格納される。これにより、後続のページを表示させたい場合、先頭バンドに対応する位置に存在するコンテンツデータが迅速に表示されるため、後続のページが所望のページであるか否かを迅速に判定することが可能である。
【0058】
次に、データ解析処理1を詳述する。
【0059】
図9は、図8Aに示されるステップS04のデータ解析処理1を説明するためのフローチャートである。なお、図9に示されるフローチャートにより示されるアルゴリズムは、プログラム記憶部130に処理プログラムとして保存されており、CPU120によって実行される。
【0060】
まず、ストレージ150に格納されている未処理ページのデータを読み出し(ステップS21)、データ解析を実行し、文字列方向にバンド分割(図7参照)された中間言語データを生成する(ステップS22)。そして、中間言語データ(図6参照)を、データ記憶部160に格納する(ステップS23)。なお、これは、TotalPage_onPanel分繰り返される。
【0061】
ステップS13におけるデータ解析処理2は、表示されているページの後続ページ(1ページ分)を対象としている点を除き、テップS04のデータ解析処理と略一致している。
【0062】
次に、描画処理1を詳述する。
【0063】
図10は、図8Aに示されるステップS07の描画処理1を説明するためのフローチャートである。なお、図10に示されるフローチャートにより示されるアルゴリズムは、プログラム記憶部130に処理プログラムとして保存されており、CPU120によって実行される。
【0064】
まず、BandNo_onPanelと一致するBandIDを有する中間言語データを、データ記憶部160から読み出し(ステップS31)、描画(RIP処理)することによって中間言語データをビットマップデータに変換する(ステップS32)。ビットマップデータは、図5に示されるように、データ記憶部160に格納される(ステップS33)。これをバンド単位で繰り返しながら、変換されたビットマップデータに対応する中間言語データが格納されている領域をデータ記憶部160から開放(上書きを許可)する(ステップS34)。
【0065】
なお、ステップS14の描画処理2は、表示されているページの後続ページの先頭バンドを対象としており、かつ、先頭バンドの描画完了後、先頭バンドに係るページの中間言語データが格納されている全ての領域が解放される点を除き、テップS04のデータ解析処理1と略一致している。
【0066】
次に、入力検出処理部126における処理を詳述する。
【0067】
図11は、図1に示される電子表示端末において実行される入力検出処理を説明するためのフローチャートである。なお、図12に示されるフローチャートにより示されるアルゴリズムは、プログラム記憶部130に処理プログラムとして保存されており、CPU120によって実行される。
【0068】
まず、入力検出部114が指令ボタンの押下を検出したか否かが判定される(ステップS41)。指令ボタンの押下が検出されない場合(ステップS41:No)、プロセスは、終了する。
【0069】
一方、指令ボタンの押下が検出された場合(ステップS41:Yes)、表示パネル172に表示したい総ページ数の指定をユーザに要求し(ステップS42)、指定された値をTotalPage_onPanelに代入する(ステップS43)。例えば、単ページモード(デフォルト値)の場合は「1」、2−in−1モードの場合は「2」、4−in−1モードの場合は「4」が代入される。
【0070】
次に、最初に表示したいページ番号の指定をユーザに要求し(ステップS44)、指定された値をパラメータPage[]に代入する(ステップS45)。そして、最初に表示させたいバンド番号の指定をユーザに要求し(ステップS46)、指定された値をFirstBandNoに代入する(ステップS47)。なお、Page[]のデフォルト値は「1」である。
【0071】
その後、データ記憶部160のビットマップデータ用の領域を開放し(ステップS48)、表示処理(図8Aおよび図8B参照)を再起動し(ステップS49)、プロセスは、終了する。これにより、訂正されたパラメータに基づいて表示処理が再開され、バンド番号の指定値に対応する中間言語データが優先的にビットマップデータに変換され、表示パネル172に表示されることになる。
【0072】
以上のように、本実施の形態においては、バンド番号の指定値に対応する中間言語データが優先的にビットマップデータに変換(描画)され、表示パネルに表示されるため、1ページ分の中間言語データの全てがビットマップデータに変換されることを待つことなく、バンド番号の指定値に対応する最初に表示させたい位置に存在するコンテンツデータを把握することが可能であり、表示されるページが所望のページであるか否かを迅速に判定し、所望のページに到達することが容易となる。したがって、所望のページに迅速に到達することが容易である電子表示端末および電子表示プログラムを提供することできる。
【0073】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で種々改変することが可能である。
【0074】
本発明に係る手段、方法およびプログラムは、専用のハードウェア回路によっても実現することも可能である。また、プログラムによって本発明を実現する場合、電子表示端末を動作させるプログラムは、USBメモリやCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供したり、記録媒体によらず、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供したりすることも可能である。この場合、プログラムは、通常、電子表示端末のハードディスク等のランダムアクセス記憶装置に送信されて格納される。また、プログラムは、単独のアプリケーションソフトウェアとして提供されてもよいし、電子表示端末の一機能としてその電子表示端末のソフトウェアに組み込むことも可能である。
【符号の説明】
【0075】
100 電子表示端末、
110 入力制御部、
112 キーボード、
114 入力検出部、
120 CPU、
122 解析処理部、
124 描画処理部、
126 入力検出処理部、
130 プログラム記憶部、
140 データインターフェース、
150 ストレージ、
160 データ記憶部、
170 表示制御部、
172 表示パネル、
180 電源、
190 バス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子表示用入力データをページ単位の中間言語データに変換する解析処理手段と、
前記中間言語データをバンド単位で分割して、ビットマップデータに変換する描画処理手段と、
前記ビットマップデータをバンド単位で表示手段に表示させる表示制御手段と、
ページ単位における最初に表示させたい位置のバンド番号の指定値を検出する入力検出手段と、
前記バンド番号の指定値に対応する中間言語データを優先的にビットマップデータに変換し、前記表示手段に表示させるための入力検出処理手段と、
を有することを特徴とする電子表示端末。
【請求項2】
前記描画処理手段は、優先的に変換された前記ビットマップデータが前記表示手段に表示されている間に、指定されていないバンド番号に対応する中間言語データのビットマップデータへの変換を開始することを特徴とする請求項1に記載の電子表示端末。
【請求項3】
前記中間言語データおよび前記ビットマップデータを格納するデータ記憶部を有し、
前記データ記憶部に空き容量が存在する場合、前記解析処理手段は、前記表示手段に表示されているページの後続のページの入力データを中間言語データに変換し、前記描画処理手段は、前記後続のページの入力データの中間言語データの先頭バンドをビットマップデータに変換する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子表示端末。
【請求項4】
前記電子表示用入力データは、PDL(Page Description Language)の形式で作成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子表示端末。
【請求項5】
ビットマップデータをバンド単位で表示手段に表示させる表示制御手段と、ページ単位における最初に表示させたい位置のバンド番号の指定値を検出する入力検出手段と、を有する電子表示端末を制御するための電子表示プログラムであって、
電子表示用入力データをページ単位の中間言語データに変換する解析処理手順と、
前記中間言語データをバンド単位で分割して、ビットマップデータに変換する描画処理手順と、
前記バンド番号の指定値に対応する中間言語データを優先的にビットマップデータに変換し、前記表示手段に表示させるための入力検出処理手順と、
を前記電子表示端末に実行させることを特徴とする電子表示プログラム。
【請求項6】
前記描画処理手順において、優先的に変換された前記ビットマップデータが前記表示手段に表示されている間に、指定されていないバンド番号に対応する中間言語データのビットマップデータへの変換が開始されることを特徴とする請求項5に記載の電子表示プログラム。
【請求項7】
前記電子表示端末は、前記中間言語データおよび前記ビットマップデータを格納するデータ記憶部を有し、
前記データ記憶部に空き容量が存在する場合、前記解析処理手順において、前記表示手段に表示されているページの後続のページの入力データが中間言語データに変換され、前記描画処理手順において、前記後続のページの入力データの中間言語データの先頭バンドがビットマップデータに変換される
ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の電子表示プログラム。
【請求項8】
前記電子表示用入力データは、PDL(Page Description Language)の形式で作成されていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の電子表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−43037(P2012−43037A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181354(P2010−181354)
【出願日】平成22年8月13日(2010.8.13)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】