電子装置および無線通信制御プログラム
【課題】複数の装置間の接続の切り替えを容易に行う。
【解決手段】電子装置1が有する制御部1aは、接続対象である電子装置3と接続する際に、電子装置3が電子装置2と接続されている場合には、電子装置2に対してマスター情報記憶部1bに記憶されているマスター情報を送信する。また、制御部1aは、電子装置2から送信された電子装置1のマスター情報を受信した電子装置3から送信された電子装置3との接続要求を受信したときには、電子装置3と接続する。電子装置1が有するマスター情報記憶部1bは、電子装置1を識別するマスター情報を記憶する。
【解決手段】電子装置1が有する制御部1aは、接続対象である電子装置3と接続する際に、電子装置3が電子装置2と接続されている場合には、電子装置2に対してマスター情報記憶部1bに記憶されているマスター情報を送信する。また、制御部1aは、電子装置2から送信された電子装置1のマスター情報を受信した電子装置3から送信された電子装置3との接続要求を受信したときには、電子装置3と接続する。電子装置1が有するマスター情報記憶部1bは、電子装置1を識別するマスター情報を記憶する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は電子装置および無線通信制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、Bluetooth(登録商標)による無線通信技術を使用した音楽プレーヤ、携帯電話機、小型携帯端末装置、パーソナルコンピュータ(Personal computer)等の情報処理装置、ヘッドホン、スピーカ等の出力装置、リモートコントローラ、マウス、キーボード等の入力装置のように、無線通信を使用した電子装置が広く利用されている。また、このような無線通信技術において、Bluetoothワイヤレステクノロジのように、統一規格の装置やその他の対応する製品同士であれば、メーカが同一であるか異なるかを問わずに共通して使用可能な場合もある。
【0003】
このBluetoothによる無線通信では、マスター側の装置とスレーブ側の装置との間で通信が行われる。マスター側の装置は、スレーブ側の装置との通信時において無線通信を制御する装置であり、通信を開始する側の装置であるものとする。スレーブ側の装置は、マスター側の装置による無線通信の制御を受けながら通信する装置であり、無線通信で接続される側の装置であるものとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−120651号公報
【特許文献2】特開2006−230010号公報
【特許文献3】特開2004−235838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、スレーブ側の装置(例えば、1台のヘッドホン)を複数のマスター側の装置(例えば、2台のパーソナルコンピュータ)が使用する場合がある。このような場合において、スレーブ側の装置が第1のマスター側の装置と接続状態である場合、スレーブ側の装置が使用中であるか否かにかかわらず、第2のマスター側の装置(他のマスター側の装置)は、スレーブ側の装置を使用することができない。第2のマスター側の装置がスレーブ側の装置を使用可能とするためには、第1のマスター側の装置とスレーブ側の装置との間の接続を切断する必要があり、ユーザにとって操作が煩雑である。
【0006】
さらに、接続中の第1のマスター側の装置が自動再接続機能を有する場合、ユーザが接続を切断しても自動再接続機能によりすぐにスレーブ側の装置は第1のマスター側の装置と自動で再接続されてしまう。このような場合、第2のマスター側装置への切替えがスムーズに行えない可能性がある。
【0007】
本件はこのような点に鑑みてなされたものであり、複数の装置間での接続の切り替えを容易に行うことができる電子装置および無線通信制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、接続対象の電子装置と無線通信により接続する電子装置が提供される。この電子装置では、記憶部は、自装置を識別する識別情報を記憶する。制御部は、接続対象の電子装置と接続する際に、接続対象の電子装置が他の電子装置と接続されている場合には、他の電子装置に対して自装置の識別情報を送信し、他の電子装置から送信された自装置の識別情報を受信した接続対象の電子装置からの接続対象の電子装置との接続要求を受信したときには、接続対象の電子装置と接続する。
【0009】
また、上記課題を解決するために、接続対象の電子装置と無線通信により接続する電子装置が提供される。この電子装置では、制御部は、接続対象の電子装置と接続している場合において、他の電子装置から送信された他の電子装置を識別する識別情報を受信したときには、他の電子装置の識別情報と、接続対象の電子装置と当該電子装置との接続の切断と、接続対象の電子装置と他の電子装置との接続とを要求する切り替え要求とを、接続対象の電子装置に対して送信する。
【0010】
また、上記課題を解決するために、電子装置と無線通信により接続する電子装置が提供される。この電子装置では、制御部は、自装置と接続中の電子装置から送信された、他の電子装置を識別する識別情報と、自装置と接続中の電子装置との接続の切断と、自装置と他の電子装置との接続とを要求する切り替え要求とを受信した場合において、接続中の電子装置との接続の切断が完了したときには、他の電子装置の識別情報に基づき他の電子装置に対して他の電子装置との接続を要求する接続要求を送信する。
【0011】
また、上記課題を解決するために、接続対象の電子装置と無線通信により接続する電子装置を制御する無線通信制御プログラムが提供される。この無線通信制御プログラムは、制御部は、電子装置を、接続対象の電子装置と接続する際に、接続対象の電子装置が他の電子装置と接続されている場合には、他の電子装置に対して記憶部に記憶されている自装置を識別する識別情報を送信し、他の電子装置から送信された自装置の識別情報を受信した接続対象の電子装置からの接続対象の電子装置との接続要求を受信したときには、接続対象の電子装置と接続する制御部として機能させる。
【発明の効果】
【0012】
上記電子装置および無線通信制御プログラムによれば、複数の装置間での無線通信による接続の切り替えが自動化され、装置間の接続の切り替えを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施の形態の電子装置を示す図である。
【図2】第2の実施の形態の無線通信システムを示す図である。
【図3】第2の実施の形態の情報処理装置のハードウェアを示す図である。
【図4】第2の実施の形態のヘッドホンのハードウェアを示す図である。
【図5】第2の実施の形態のBluetoothパケットの構造を示す図である。
【図6】第2の実施の形態の情報処理装置およびヘッドホンの機能を示すブロック図である。
【図7】第2の実施の形態における接続の切り替え時のマスター側の装置とスレーブ側の装置との接続状態を示す図である。
【図8】第2の実施の形態における接続の切り替え時のマスター側の装置とスレーブ側の装置との接続状態を示す図である。
【図9】第2の実施の形態における接続の切り替え時のマスター側の装置とスレーブ側の装置との接続状態を示す図である。
【図10】第2の実施の形態の無線通信システムにおける接続時の手順を示す図である。
【図11】第2の実施の形態の接続マスターテーブルを示す図である。
【図12】第2の実施の形態の接続マスターテーブルを示す図である。
【図13】第2の実施の形態の接続要求処理を示すフローチャートである。
【図14】第2の実施の形態の接続要求処理を示すフローチャートである。
【図15】第2の実施の形態のマスター側接続応答処理を示すフローチャートである。
【図16】第2の実施の形態のマスター側接続応答処理を示すフローチャートである。
【図17】第2の実施の形態のスレーブ側接続応答処理を示すフローチャートである。
【図18】第2の実施の形態のスレーブ側接続応答処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態の電子装置を示す図である。例えば、第1の実施の形態に係る電子装置1,2,3として、携帯端末装置、携帯電話機、携帯テレビ、携帯型ゲーム機、電子辞書装置等の電子機器、ノート型コンピュータやPDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理装置、イヤホン、スピーカ、マイクロホン等の音響機器、プリンタ、スキャナ、外部記憶装置、リモートコントローラ、マウス、キーボード、トラックボール、デジタイザ、タッチパネル、タッチペン等の周辺機器等が考えられる。本実施の形態においてはマスター側の装置を電子装置1,2とし、スレーブ側の装置を電子装置3とする例を説明する。
【0015】
電子装置1は、電子装置3と無線通信により接続可能である。電子装置1は、制御部1a、マスター情報記憶部1b、アンテナ1a1を有する。無線通信は、例えば、Bluetooth等の近距離無線通信やIEEE802.11a/b/g/nの無線LAN等である。
【0016】
制御部1aは、接続対象である電子装置3と接続する際に、まず、電子装置3に対して接続要求を送信する。接続要求に対する応答が接続拒否である等、電子装置3が電子装置2と接続されている場合には、制御部1aは、電子装置2に対してマスター情報記憶部1bに記憶されているマスター情報を送信する。また、制御部1aは、電子装置2からの電子装置1のマスター情報を受信した電子装置3から送信された、電子装置3との接続要求を受信したときには、電子装置3と接続する。
【0017】
マスター情報記憶部1bは、電子装置1を識別するマスター情報を記憶する。マスター情報は、一意に装置を特定可能な情報、例えば、電子装置1の通信モジュールがもつアドレスを用いればよい。例えば、無線通信がBlutoothによる通信であれば、Bluetoothアドレスを用いればよい。電子装置2,3は、マスター情報を用いて電子装置1と無線通信を行う。また、電子装置2,3についても、同様にそれぞれマスター情報が設定されている。電子装置1,2,3は、電子装置1,2,3のマスター情報を用いて無線通信の制御および通信を行う。
【0018】
アンテナ1a1は、電子装置2および電子装置3との間の無線通信における電波の送受信に使用される。
電子装置2は、電子装置3と無線通信により接続可能である。電子装置2は、制御部2a、アンテナ2a1を有する。
【0019】
制御部2aは、電子装置3と接続している場合において、電子装置1から送信された電子装置1を識別するマスター情報を受信したときには、電子装置3に対して、電子装置1から送信されたマスター情報および切り替え要求を送信する。この切り替え要求は、電子装置3と電子装置2との接続の切断の要求、電子装置3と電子装置1との接続の要求を含む。
【0020】
アンテナ2a1は、電子装置1および電子装置3との間の無線通信における電波の送受信に使用される。
電子装置3は、電子装置1,2と無線通信により接続可能である。電子装置3は、制御部3a、アンテナ3a1を有する。
【0021】
制御部3aは、電子装置3と接続中の電子装置2から切り替え要求を受信した場合、電子装置3と電子装置2との接続の切断が完了したときに、マスター情報に基づき電子装置1に対して電子装置1との接続を要求する接続要求を送信する。
【0022】
アンテナ3a1は、電子装置1および電子装置2との間の無線通信における電波の送受信に使用される。
なお、電子装置1は、電子装置2の機能を有してもよい。また、電子装置2は、電子装置1の機能を有してもよい。
【0023】
本実施の形態では、以上の電子装置1,2,3が以下のように動作することにより、電子装置2と電子装置3との間の接続が、電子装置1と電子装置3との間の接続に切り替えられる。
【0024】
電子装置1の制御部1aは、電子装置3との無線通信ができない場合、電子装置2に対してマスター情報記憶部1bに記憶されているマスター情報を送信する。電子装置2の制御部2aは、電子装置1から送信された電子装置1を識別するマスター情報を受信した場合、電子装置2と接続中の電子装置3に対して、マスター情報および切り替え要求を送信する。電子装置3の制御部3aは、電子装置3と接続中の電子装置2からマスター情報および切り替え要求とを受信した場合、電子装置3と電子装置2との接続の切断が完了した後、マスター情報に基づき電子装置1に対して電子装置1との接続を要求する接続要求を送信する。これに基づき、制御部1aは、電子装置3から送信された電子装置3との接続要求を受信して、電子装置3と接続する。
【0025】
このような電子装置1,2,3を用いた無線通信システムによれば、マスター側の装置である電子装置1,2とスレーブ側の装置である電子装置3との無線通信による接続の切り替えが自動化される。これにより、電子装置3は、電子装置2から電子装置1へ接続が容易に切り替えられる。
【0026】
以下の第2の実施の形態では、第1の実施の形態に係る電子装置1,2の応用例として、情報処理装置を挙げる。また、電子装置3の応用例として、ヘッドホンを挙げる。ただし、前述の通り、電子装置1,2は、情報処理装置以外の様々な電子装置に応用できる。また、電子装置3は、ヘッドホン以外の様々な電子装置に応用できる。
【0027】
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態の無線通信システムを示す図である。第2の実施の形態の無線通信システムは、マスター側の装置である情報処理装置100,200、音楽プレーヤ300、携帯電話機400のうちのいずれか1つとスレーブ側の装置であるヘッドホン500とをBluetoothにより接続して無線通信を行う。なお、本実施の形態では、Bluetoothによる無線通信を例示するが、これに限らず、IEEE802.11a/b/g/nの無線LANおよびその他の近距離無線通信であってもよい。
【0028】
情報処理装置100,200、音楽プレーヤ300、携帯電話機400およびヘッドホン500は、Bluetoothによる無線通信機能を有しており、マスター側の装置とスレーブ側の装置との間でBluetoothによる接続制御およびデータ通信が可能である。
【0029】
Bluetoothによる無線通信では、予めペアリング(pairing)と呼ばれるマスター側の装置とスレーブ側の装置との間における接続設定が完了している必要がある。本実施の形態では、図2に示すように、マスター側の情報処理装置100,200、音楽プレーヤ300および携帯電話機400とヘッドホン500との間でペアリングが完了しているものとする。
【0030】
また、本実施の形態の無線通信システムにおいて、スレーブ側のヘッドホン500は、1つのマスター側の装置と接続される。すなわち、ヘッドホン500は、あるマスター側の装置と接続されているときには、他のマスター側の装置と接続されない。他のマスター側の装置と接続する場合、ヘッドホン500は、現在接続されているマスター側の装置との接続を切断してから、他のマスター側の装置と接続する。例えば、図2に示すように、ヘッドホン500が情報処理装置200と接続されている場合において、情報処理装置100がヘッドホン500と接続するには、一旦、ヘッドホン500と情報処理装置200との間の接続が切断された後、ヘッドホン500は情報処理装置100に接続される。
【0031】
図3は、第2の実施の形態の情報処理装置のハードウェアを示す図である。CPU(Central Processing Unit)101は、情報処理装置100の全体を制御する。CPU101は、バス108を介してRAM(Random Access Memory)102や複数の周辺機器と相互に接続されている。
【0032】
RAM102は、情報処理装置100の主記憶装置として使用される。RAM102は、CPU101に実行させるOS(Operating System)やアプリケーションプログラムの少なくとも一部を一時的に格納する。また、RAM102は、CPU101による処理に必要な各種データを格納する。
【0033】
バス108に接続されている周辺機器の例として、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、光学ドライブ装置106、および無線通信部107がある。
【0034】
HDD103は、内蔵のディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD103は、情報処理装置100の二次記憶装置として使用される。HDD103は、OS、アプリケーションプログラム、および各種データを格納する。なお、二次記憶装置として、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が使用されてもよい。
【0035】
グラフィック処理装置104には、モニタ11が接続されている。グラフィック処理装置104は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ11の画面に表示させる。モニタ11の例として、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や液晶表示装置等がある。
【0036】
入力インタフェース105には、キーボード12とマウス13とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード12やマウス13から送られてくる信号をCPU101に送信する。マウス13は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用してもよい。他のポインティングデバイスの例として、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボール等がある。
【0037】
光学ドライブ装置106は、レーザ光等を利用して、光ディスク14に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク14は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク14には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。光学ドライブ装置106は、光ディスク14にデータを記録する機能を備えていてもよい。
【0038】
無線通信部107には、アンテナ107aが接続されている。無線通信部107は、アンテナ107aを介して、他の装置との無線通信を制御すると共に、データの送受信を行う。Bluetoothによる通信は、無線通信の一例である。
【0039】
図4は、第2の実施の形態のヘッドホンのハードウェアを示す図である。第2の実施の形態に係るヘッドホン500は、制御部501、無線通信部502、電源部503、操作部504、音響制御部505、スピーカ505a、マイクロホン505bを有する。また、無線通信部502、電源部503、操作部504、音響制御部505は、バス506により、制御部501と接続されている。また、スピーカ505a、マイクロホン505bは、音響制御部505と接続されている。
【0040】
制御部501は、ヘッドホン500全体を制御する。制御部501は、例えば、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリで実現できる。CPUは、ROMからプログラムやデータを読み出し、RAMにロードしてプログラムを実行する。RAMは、プログラムやデータの少なくとも一部を一時的に格納する揮発性メモリである。なお、RAMに代えて、他の種類のメモリを用いてもよい。ROMは、制御部501が使用するプログラムやデータを格納する不揮発性メモリである。フラッシュメモリは、制御部501が使用するプログラムやデータのうち書き替えの必要があると共にヘッドホン500の電源オフ後にも保持する必要があるプログラムやデータを格納する非揮発性のメモリである。制御部501で行われる制御には、通信制御、音声入出力制御、キー操作制御等が含まれる。
【0041】
無線通信部502には、アンテナ502aが接続されている。無線通信部502は、アンテナ502aを介して、マスター側の装置との間で無線通信によるデータの送受信を行う。この無線通信によるデータの送受信は、マスター側の装置による制御に基づく。
【0042】
電源部503は、ヘッドホン500の各部にバッテリや外部電源による電源を供給する。
操作部504は、ヘッドホン500が有する操作キー、操作ボタン等の入力装置によるユーザの電源操作や入力操作等の操作を受け付ける。操作部504は、その受け付けた操作に基づく信号を制御部501に送信する。
【0043】
音響制御部505は、スピーカ505aへ出力する音響信号およびマイクロホン505bから入力される音響信号を制御する。
スピーカ505aは、ヘッドホン500を使用するユーザの耳に対して音を出力する。スピーカ505aは、音響制御部505の制御に従って、電気信号を物理振動に変換して音を再生する。マイクロホン505bは、音声入力を受け付け、音の物理振動を電気信号に変換して音響制御部505に出力する。
【0044】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能は実現される。なお、図3は情報処理装置100のハードウェア構成を示すが、他のマスター側の装置である情報処理装置200、音楽プレーヤ300、携帯電話機400も同様のハードウェア構成であればよい。
【0045】
図5は、第2の実施の形態のBluetoothパケットの構造を示す図である。本実施の形態の無線通信システムでは、図5に示す各Bluetoothパケットが、情報処理装置100,200、音楽プレーヤ300、携帯電話機400、ヘッドホン500等の装置の間で送受信される。これにより、無線通信の接続制御およびデータ通信が行われる。
【0046】
図5に示すBluetoothパケット60は、72ビットの領域であるアクセスコード、54ビットの領域であるヘッダ、0〜2754ビットの可変長の領域であるペイロードを有する。本実施の形態の無線通信システムでは、Bluetoothパケット60を用いてデータ通信が行われる。
【0047】
通常のFHS(Frequency Hop Synchronization)パケットのペイロード61は、通常のBluetoothによる無線通信の確立時にマスター側の装置とスレーブ側の装置との間で送受信され、Bluetoothアドレスおよび無線通信に使用するクロックを通知する。通常のFHSパケットのペイロード61は、Bluetoothアドレス、Bluetoothクロック、Bluetoothサービスを有する。Bluetoothアドレスは、送信する装置を特定するアドレスを示す。Bluetoothクロックは、Bluetoothによる無線通信に使用するクロックを示す。Bluetoothサービスは、Bluetoothによる無線通信で提供される機能を示す。
【0048】
接続スレーブ情報送信時のペイロード62は、スレーブ側の装置(ヘッドホン500)と現在接続しているマスター側の装置(情報処理装置200)から、スレーブ側の装置との接続を要求するマスター側の装置(情報処理装置100)に対してスレーブ側装置を示す接続スレーブ情報を送信する。接続スレーブ情報送信時のペイロード62は、接続マスターBluetoothアドレス、接続マスターBluetoothクロック、接続マスターBluetoothサービスを有する。接続マスターBluetoothアドレスは、スレーブ側の装置と現在接続しているマスター側の装置のBluetoothアドレスを示す。接続マスターBluetoothクロックは、スレーブ側の装置と現在接続しているマスター側の装置におけるBluetoothクロックを示す。接続マスターBluetoothサービスは、スレーブ側の装置と現在接続しているマスター側の装置におけるBluetoothサービスを示す。また、接続スレーブ情報送信時のペイロード62は、スレーブBluetoothアドレス、接続状況を有する。スレーブBluetoothアドレスは、接続しているスレーブ側の装置のBluetoothアドレスを示す。接続状況は、スレーブ側の装置との通信の状態を示す。接続スレーブ情報送信時のペイロード62の接続状況は、図6において後述する接続スレーブ情報として機能する。
【0049】
切断要求送信時のペイロード63は、スレーブ側の装置(ヘッドホン500)との接続を要求するマスター側の装置(情報処理装置100)から、現在接続しているマスター側の装置(情報処理装置200)に対してスレーブ側の装置との切断を要求する切断要求を送信する。切断要求送信時のペイロード63は、要求マスターBluetoothアドレス、要求マスターBluetoothクロック、要求マスターBluetoothサービスを有する。要求マスターBluetoothアドレスは、スレーブ側の装置との接続を要求するマスター側の装置のBluetoothアドレスを示す。要求マスターBluetoothクロックは、スレーブ側の装置との接続を要求するマスター側の装置におけるBluetoothクロックを示す。要求マスターBluetoothサービスは、スレーブ側の装置との接続を要求するマスター側の装置におけるBluetoothサービスを示す。また、切断要求送信時のペイロード63は、切断要求を有する。この切断要求は、現在接続スレーブ側の装置と接続しているマスター側の装置に対してスレーブ側の装置との切断を要求するものである。切断要求送信時のペイロード63の要求マスターBluetoothアドレスは、図6において後述するマスター情報として機能する。
【0050】
切り替え要求時のペイロード64は、現在接続しているマスター側の装置からスレーブ側の装置に対して、現在の接続を切断すると共にスレーブ側の装置との接続を要求するマスター側の装置に接続の切り替えを要求する切り替え要求を送信する。切り替え要求時のペイロード64は、切り替え要求、要求マスターBluetoothアドレスを有する。切り替え要求は、現在接続しているマスター側の装置からスレーブ側の装置に対して、現在の接続の切断と、接続を要求するマスター側の装置との接続への切り替えを要求する。要求マスターBluetoothアドレスは、スレーブ側の装置との接続を要求するマスター側の装置のBluetoothアドレスを示す。切り替え要求時のペイロード64の要求マスターBluetoothアドレスは、図6において後述するマスター情報として機能する。
【0051】
準備完了通知時のペイロード65は、スレーブ側の装置から現在接続しているマスター側の装置に対して、現在の接続の切断および接続を要求するマスター側装置との接続の準備が完了した旨を通知する準備完了通知を送信する。
【0052】
なお、上記のパケットのデータ構造は、種々に変形されてもよい。例えば、本実施の形態に示したもの以外の情報が付加されてもよい。一方、本実施の形態に示した情報の一部が省略されてもよい。
【0053】
図6は、第2の実施の形態の情報処理装置およびヘッドホンの機能を示すブロック図である。本実施の形態の無線通信システムは、情報処理装置100,200のいずれか1つがヘッドホン500と排他的に接続される。
【0054】
情報処理装置100は、ヘッドホン500とBluetoothを用いた無線通信により接続可能である。情報処理装置100は、制御部111、マスター情報記憶部151、アンテナ107aを有する。
【0055】
制御部111は、接続対象であるヘッドホン500と接続する際に、まず、ヘッドホン500に接続要求を送信する。制御部111は、ヘッドホン500から接続要求に対する接続拒否を受信した場合、ヘッドホン500との接続の状態を確認する接続スレーブ情報要求を、送信先のマスター側の装置を指定せずに送信する。接続スレーブ情報は、ヘッドホン500と現在接続されているマスター側の装置との間の接続について、ヘッドホン500と他のマスター側の装置(本例では情報処理装置200等)との接続に切り替え可能であるか否かを示す。接続スレーブ情報要求を受信した各マスター側の装置は、情報処理装置100による接続の要求の対象であるヘッドホン500と接続している場合、情報処理装置100に対して、ヘッドホン500との通信の接続の状態を示す接続スレーブ情報を送信する。
【0056】
次に、制御部111は、ヘッドホン500と接続中の情報処理装置200から送信された接続スレーブ情報を受信する。制御部111は、受信した接続スレーブ情報の接続の状態がヘッドホン500と情報処理装置100との接続に切り替え可能である旨を示すときには、情報処理装置200に対してヘッドホン500との接続の切断を要求する切断要求を送信する。このとき、制御部111は、マスター情報記憶部151に記憶されているマスター情報を切断要求に含める。切断要求を受信した情報処理装置200は、切断要求に含まれるマスター情報をヘッドホン500に送信する。
【0057】
そして、制御部111は、ヘッドホン500からヘッドホン500との接続要求を受信したときには、ヘッドホン500と接続する。このヘッドホン500との接続要求は、情報処理装置200から送信された情報処理装置100のマスター情報を受信したヘッドホン500から送信される。
【0058】
制御部111は、後述する制御部211と同一の機能を有する。これにより、情報処理装置100は、ヘッドホン500と接続している場合に、情報処理装置200等の他のマスター側の装置からヘッドホン500との接続の切り替え要求を受け、要求に応じて接続の切り替えを行うことができる。
【0059】
マスター情報記憶部151は、情報処理装置100を識別するマスター情報を記憶する。マスター情報は、例えば、情報処理装置100のBluetoothアドレス等であればよい。情報処理装置200、ヘッドホン500は、マスター情報を用いて情報処理装置100と無線通信を行う。また、情報処理装置200、ヘッドホン500についても、同様にそれぞれマスター情報が設定されている。情報処理装置100,200、ヘッドホン500は、情報処理装置100,200、ヘッドホン500のマスター情報を用いて無線通信の制御および通信を行う。
【0060】
アンテナ107aは、情報処理装置200およびヘッドホン500との間の無線通信における電波の送受信に使用される。
情報処理装置200は、ヘッドホン500と無線通信により接続可能である。情報処理装置200は、制御部211、マスター情報記憶部251、アンテナ207aを有する。
【0061】
制御部211は、ヘッドホン500と接続している場合において、情報処理装置100から接続スレーブ情報要求を受信したときには、まず、情報処理装置100に対してヘッドホン500との接続の状態が情報処理装置100の接続に切り替え可能であるか否かを示す接続スレーブ情報を送信する。ここでの接続スレーブ情報要求は、ヘッドホン500と情報処理装置100との接続に切り替え可能であるか否かを示す接続スレーブ情報の送信を要求するものである。
【0062】
次に、制御部211は、ヘッドホン500に対して、切り替え要求を送信する。ここでの切り替え要求は、ヘッドホン500と情報処理装置200との接続の切断およびヘッドホン500と情報処理装置100との接続を要求するものである。このとき、制御部211は、ヘッドホン500に対して情報処理装置100から送信されたマスター情報を切り替え要求に含める。
【0063】
一方、制御部211は、ヘッドホン500と接続していない場合において、情報処理装置100から接続スレーブ情報要求を受信したときには、情報処理装置100に対して接続スレーブ情報を送信しない。
【0064】
また、制御部211は、前述した制御部111と同一の機能を有する。これにより、情報処理装置200は、情報処理装置100等の他のマスター側の装置と接続しているヘッドホン500と接続するときに、その他のマスター側の装置に対して接続の切り替えを要求できる。
【0065】
マスター情報記憶部251は、マスター情報記憶部151と同様、情報処理装置200を識別するマスター情報を記憶する。
アンテナ207aは、情報処理装置100およびヘッドホン500との間の無線通信における電波の送受信に使用される。
【0066】
ヘッドホン500は、情報処理装置100,200と無線通信により接続可能である。ヘッドホン500は、制御部501、接続マスター情報記憶部551、アンテナ502aを有する。
【0067】
制御部501は、情報処理装置200から切り替え要求を受信した場合において、ヘッドホン500と情報処理装置200との接続の切断が完了したときには、切り替え要求に含まれている情報処理装置100を識別するマスター情報に基づき情報処理装置100に対して情報処理装置100との接続を要求する接続要求を送信する。
【0068】
アンテナ502aは、情報処理装置100および情報処理装置200との間の無線通信における電波の送受信に使用される。
接続マスター情報記憶部551は、図11および図12を用いて後述する接続マスター情報を記憶する。接続マスター情報は、ヘッドホン500とのペアリングが完了しているマスター側の装置の接続の優先順位を示す。また、接続マスター情報は、接続マスターテーブルに通信の接続の優先順位と関連付けて設定される。ヘッドホン500は、接続マスターテーブルに基づいてマスター側の装置との接続を制御する。
【0069】
なお、図6は、スレーブ側の装置である1つのヘッドホン500と、情報処理装置100,200の2つのマスター側の装置とを切り替えて接続する場合を説明している。しかしながら、これに限らず、1つのスレーブ側の装置に対して3つ以上のマスター側の装置を切り替えて接続してもよい。さらに、2つ以上のスレーブ側の装置に対して2つ以上のマスター側の装置を切り替えて接続してもよい。
【0070】
図7から図9は、第2の実施の形態における接続の切り替え時のマスター側の装置とスレーブ側の装置との接続状態を示す図である。
図7は、マスター側の装置の1つであるマスター2(例えば、情報処理装置200)とスレーブ側の装置であるスレーブ(例えば、ヘッドホン500)とが接続されていると共にマスター2とスレーブとの間で通信が行われている状態を示す。図7は、マスター1(例えば、情報処理装置100)、マスター2、マスター3(例えば、音楽プレーヤ300)、マスター4(携帯電話機400)の各マスター側の装置とスレーブとの接続状態を示す。なお、図7から図9のいずれの状態でも、各マスター側の装置とスレーブとはペアリングが完了しているものとする。
【0071】
図7において、“ペアリング済”欄は各マスター側の装置とスレーブ側の装置のペアリング完了状態を示し、“○”はペアリング完了、“×”はペアリング未了を示す。“接続中”欄は各マスター側の装置とスレーブ側の装置の接続状態を示し、“○”は接続中、“×”は未接続を示す。“通信中”欄はマスター側の装置とスレーブ側の装置の通信状態を示し、“○”は通信中、“×”は非通信状態を示す。
【0072】
すなわち、図7に示すように、マスター2は、スレーブと接続されていると共にスレーブとの間で通信が行われている。一方、他のマスター1,3,4は、スレーブと接続されておらず、かつ、通信も行われていない。また、前述したように、各マスター1〜4はスレーブとのペアリングを完了している。
【0073】
スレーブと接続されているマスター側の装置とが通信中である場合、他のマスター側の装置から接続の切り替えの要求があっても、接続しているマスター側の装置は、通信の切断を拒否する。通信が終了して接続の状態が通信中から非接続状態の接続中に移行した場合、スレーブ側の装置と接続しているマスター側の装置は、他のマスター側の装置の要求に応じて接続の切り替えを行う。図7の状態では、マスター2がスレーブと通信中であるため、他のマスター1,3,4が接続要求を送信してもマスター2はスレーブとの接続の切断を拒否する。そのため、他のマスター1,3,4はスレーブと接続することができない。
【0074】
図8は、マスター2とスレーブとが接続されているが通信が行われていない状態を示す。図8に示すように、マスター2は、スレーブと接続されているがスレーブとの間で通信を行っていない。他のマスター1,3,4は、スレーブと接続されておらず、かつ、通信も行われていない。また、前述したように各マスター1〜4は、スレーブとのペアリングを完了している。
【0075】
図8の状態では、マスター2がスレーブと通信中でないため、他のマスターが接続要求を送信すると、マスター2はスレーブとの接続を切断し、スレーブに対して接続要求を送信した他のマスターと接続するように接続の切り替えを要求する。これにより、他のマスターはスレーブと接続することができる。
【0076】
図9は、マスター2とスレーブとの接続が切断されると共に、マスター1とスレーブとが接続されていると共に通信が行われている状態を示す。図9に示すように、マスター1は、スレーブと接続されていると共にスレーブとの間で通信を行っている。一方、他のマスター2〜4は、スレーブと接続されず、かつ、通信も行われていない。また、前述したように各マスター1〜4は、スレーブとのペアリングを完了している。
【0077】
図9の状態は、図8の状態からマスター2とスレーブとの接続が切断されると共に、マスター1とスレーブとが接続され、通信が行われていることを示す。
図10は、第2の実施の形態の無線通信システムにおける接続時の手順を示す図である。図10に示すように、本実施形態の無線通信システムでは、各装置間でBluetoothによる無線通信が行われており、マスター側の装置の接続の要求に応じてスレーブ側の装置と接続されるマスター側の装置が切り替えられる。以下に、図10に従って、ヘッドホン500が情報処理装置200と接続されているときに、情報処理装置100からの接続の要求により、ヘッドホン500と情報処理装置100とが接続される場合の処理について説明する。
【0078】
まず、情報処理装置100は、接続対象のヘッドホン500に対して接続要求を送信する(図10における(1))。ヘッドホン500は、情報処理装置200とBluetooth通信により接続中であるため、情報処理装置100からの接続要求に対して、情報処理装置100に接続拒否を応答する(図10における(2))。
【0079】
情報処理装置100は、ヘッドホン500から接続拒否を受信したことを契機に、他のすべてのマスター側の装置に対して接続スレーブ情報要求を送信する(図10における(3))。この接続スレーブ情報要求は、前述のように、ヘッドホン500と接続しているマスター側の装置による応答および接続状態の通知を要求するものである。
【0080】
情報処理装置200、音楽プレーヤ300、携帯電話機400は、情報処理装置100からの接続スレーブ情報要求を受信し、ヘッドホン500と接続している場合、情報処理装置100に対して接続スレーブ情報を送信する(図10における(4))。図10において、情報処理装置200は、ヘッドホン500と接続しているため、情報処理装置100に対して接続スレーブ情報を送信する。一方、音楽プレーヤ300および携帯電話機400は、ヘッドホン500と接続していないため、情報処理装置100からの接続スレーブ情報要求に応答しない。
【0081】
情報処理装置100は、情報処理装置200からの接続スレーブ情報を受信し、情報処理装置200に対して切断要求を送信する(図10における(5))。切断要求には、情報処理装置100を識別する要求マスターBluetoothアドレス(マスター情報)が含まれる。
【0082】
情報処理装置200は、情報処理装置100からの切断要求を受信し、ヘッドホン500との接続を切断する場合、ヘッドホン500に対して、接続を切断すると共に、ヘッドホン500と情報処理装置100との接続を要求する切り替え要求を送信する(図10における(6))。切り替え要求には、接続の切り替えを要求する情報処理装置100のマスター情報が含まれる。これにより、情報処理装置200からヘッドホン500に対して情報処理装置100のマスター情報が送信される。なお、要求マスター情報は、情報処理装置200からヘッドホン500に対して切り替え要求とは別個に送信されてもよい。一方、情報処理装置200は、ヘッドホン500と通信中等によりヘッドホン500との接続の切断を行わない場合、情報処理装置100に対して切断拒否を送信する。
【0083】
ヘッドホン500は、情報処理装置200からの要求マスター情報および切り替え要求を受信した場合、情報処理装置200との接続の切断および情報処理装置100との接続の準備が完了すると、情報処理装置200に対して準備完了通知を送信する(図10における(7))。
【0084】
情報処理装置200は、ヘッドホン500からの準備完了通知を受信し、ヘッドホン500との接続を切断する(図10における(8))。ヘッドホン500は、情報処理装置200との接続が切断されたことを受け、情報処理装置100に対して接続要求を送信する(図10における(9))。情報処理装置100は、ヘッドホン500からの接続要求を受信し、ヘッドホン500と接続する。これにより、情報処理装置200とヘッドホン500との接続が切断され、情報処理装置100とヘッドホン500との接続に切り替えられる。
【0085】
図11および図12は、第2の実施の形態の接続マスターテーブルを示す図である。図11および図12に示す接続マスターテーブル551a,551bは、制御部501によって作成および管理される。また、接続マスターテーブル551a,551bは、接続マスター情報記憶部551として機能する制御部501が有するフラッシュメモリに格納される。接続マスターテーブル551a,551bは、ヘッドホン500とのペアリングが完了しているマスター側の装置の接続の優先順位を示す接続マスター情報を格納するテーブルである。
【0086】
接続マスターテーブル551a,551bは、“優先順位”、“名称”の各項目を備える。各項目の情報が互いに関連付けられて、接続マスター情報を構成する。
優先順位は、ペアリングが完了しているマスター側の装置の優先順位を示す値である。優先順位の値が小さいマスター側の装置の方が優先的に接続される。名称は、ペアリングが完了しているマスター側の装置を一意に識別可能な名称である。
【0087】
ヘッドホン500は、マスター側の装置とのペアリング時に、ペアリングしたマスター側の装置の接続マスター情報を接続マスターテーブル551aに設定する。
また、ヘッドホン500は、マスター側の装置との接続の際に、接続対象のマスター側の装置の優先順位が“1”(最優先)になるように、接続マスターテーブル551a,551bにおける接続マスター情報の順位を変更する。例えば、図11に示すように、ヘッドホン500がマスター2と接続されている場合、接続マスターテーブル551aは、優先順位1に対してマスター2が設定される。ここで、スレーブ側接続応答処理によりヘッドホン500の接続対象がマスター2(例えば、情報処理装置200)からマスター1(例えば、情報処理装置100)に切り替えられると、接続マスター情報の優先順位が変更され、図12に示すように、接続マスターテーブル551bの優先順位1には、マスター1が示される。なお、ヘッドホン500によるマスター側の装置との接続は、スレーブ側接続応答処理、ユーザの指示等のその他の契機により行われる。
【0088】
また、ヘッドホン500は、電源投入時には、接続マスター情報に基づき、最も優先順位が高いマスター側の装置との接続を試みる。ヘッドホン500は、最も優先順位が高いマスター側の装置との接続に失敗した場合、優先順位に従って各マスター側の装置との接続を試みる。
【0089】
また、ヘッドホン500は、切り替え要求に含まれているマスター情報に基づいて、切り替え要求を送信したマスター側の装置を特定する。ヘッドホン500は、特定したマスター側の装置について、接続マスターテーブルに格納されている接続マスター情報を確認する。その確認の結果、切り替え要求を送信したマスター側の装置が接続マスターテーブルに設定されていない場合には、ヘッドホン500は通信の接続を行わない。これにより、ペアリングが完了していない不正なマスター側の装置によるヘッドホン500との接続が防止される。
【0090】
図13および図14は、第2の実施の形態の接続要求処理を示すフローチャートである。接続要求処理はマスター側の装置がスレーブ側の装置と接続する処理である。以下では、図13および図14に示す接続要求処理をフローチャートのステップ番号に沿って説明する。ここでは、スレーブ側の装置がヘッドホン500とする。また、この処理開始前に、ヘッドホン500は、マスター側の装置の1つである情報処理装置200と接続されているものとする。接続要求処理は、マスター側の装置がスレーブ側の装置と接続する際に実行される。
【0091】
[ステップS11]情報処理装置100の制御部111は、スレーブ側の装置であるヘッドホン500に対して接続要求を送信する。
[ステップS12]制御部111は、接続要求に対するヘッドホン500からの応答を受信し、その応答内容を確認する。応答が接続拒否であれば(ステップS12 YES)、処理はステップS13に進められる。一方、応答内容が接続拒否でなければ(ステップS12 NO)、処理はステップS25(図14)に進められる。接続拒否の応答は、ヘッドホン500が他のマスター側の装置と接続され、使用中であることに起因する。
【0092】
[ステップS13]制御部111は、ヘッドホン500と接続されている可能性がある他のマスター側の装置に対して、自己(ここでは情報処理装置100)を示すマスター情報および接続スレーブ情報要求を、送信先を指定せずに送信する。ここでの他のマスター側の装置は、例えば、情報処理装置200、音楽プレーヤ300、携帯電話機400等である。接続スレーブ情報要求は、ヘッドホン500と接続されているマスター側の装置に対して、ヘッドホン500との接続状態の送信を要求するものである。情報処理装置200は、情報処理装置100からの接続スレーブ情報要求を受信し、ヘッドホン500と接続されている場合には、情報処理装置100に対して情報処理装置200とヘッドホン500との接続の状態を示す接続スレーブ情報を送信する。接続スレーブ情報は、ヘッドホン500が情報処理装置200と通信中であるか否かを示す情報を含む。ヘッドホン500が情報処理装置200と通信中である場合、情報処理装置200は、ヘッドホン500との接続の切断が不可能であり、接続の切り替えを拒否する状態にある。
【0093】
[ステップS14]制御部111は、情報処理装置200からヘッドホン500の接続スレーブ情報を受信したか否かを判定する。接続スレーブ情報が受信された場合(ステップS14 YES)、処理はステップS21(図14)に進められる。一方、接続スレーブ情報が受信されていなければ(ステップS14 NO)、ステップS14の処理が繰り返される。
【0094】
[ステップS21]制御部111は、接続スレーブ情報に基づいて、ヘッドホン500と情報処理装置200が通信中であるか否かを判定する。ヘッドホン500と情報処理装置200が通信中であれば(ステップS21 YES)、情報処理装置100はヘッドホン500と接続されることなく、処理は終了される。一方、ヘッドホン500と情報処理装置200が通信中でなければ(ステップS21 NO)、処理はステップS22に進められる。
【0095】
[ステップS22]制御部111は、情報処理装置200に対してヘッドホン500との接続の切断を要求する切断要求を送信する。このとき、制御部111は、マスター情報記憶部151に記憶されている、情報処理装置100を識別するマスター情報を、切断要求に含める。
【0096】
[ステップS23]制御部111は、切断要求に対する応答を確認する。応答内容としてヘッドホン500との接続の切断を拒否する切断拒否を受信した場合(ステップS23 YES)、情報処理装置100はヘッドホン500と接続されることなく、処理は終了される。一方、応答内容として切断拒否を受信していなければ(ステップS23 NO)、処理はステップS24に進められる。
【0097】
[ステップS24]制御部111は、ヘッドホン500から情報処理装置100との通信の接続を要求する接続要求を受信したか否かを判定する。接続要求を受信した場合(ステップS24 YES)、処理はステップS25に進められる。一方、接続要求を受信していなければ(ステップS24 NO)、処理はステップS23に進められる。
【0098】
[ステップS25]制御部111は、ヘッドホン500との通信を接続する。その後、処理は終了される。
図15および図16は、第2の実施の形態のマスター側接続応答処理を示すフローチャートである。マスター側接続応答処理は、スレーブ側の装置と接続されているマスター側の装置が、他のマスター側の装置からの要求に応じて、スレーブ側の装置との接続を切断し、スレーブ側の装置を他のマスター側の装置と接続させる処理である。マスター側接続応答処理は、スレーブ側の装置と接続されているマスター側の装置において常にまたは定期的に実行されている。以下では、図15および図16に示すマスター側接続応答処理をフローチャートのステップ番号に沿って説明する。ここでは、前述のように、スレーブ側の装置がヘッドホン500であり、情報処理装置200がスレーブ側の装置と接続されているマスター側の装置とする。また、ヘッドホン500は情報処理装置200と接続されており、情報処理装置100がヘッドホン500との通信の接続を要求しているものとする。
【0099】
[ステップS31]情報処理装置200の制御部211は、他のマスター側の装置(例えば、情報処理装置100)からの接続スレーブ情報要求を受信したか否かを判定する。ここでの接続スレーブ情報要求は、ヘッドホン500との通信の接続状態の通知を要求するものである。接続スレーブ情報要求が受信された場合(ステップS31 YES)、処理はステップS32に進められる。一方、接続スレーブ情報要求が受信されていなければ(ステップS31 NO)、処理はステップS33に進められる。
【0100】
ここで、スレーブ側の装置と接続されているマスター側の装置は、自身が接続していないスレーブ側の装置の接続スレーブ情報要求を受信した場合、いずれのスレーブ側の装置の接続スレーブ情報も送信しない。
【0101】
例えば、スレーブ側の装置が複数種類同時に存在している(例えば、ヘッドホン500および図示しないスピーカ)ものとする。また、このとき、ヘッドホン500のみと接続されている情報処理装置200に対して、スピーカとの接続を求める音楽プレーヤ300からスピーカとの通信の接続状態を要求する接続スレーブ情報要求を受信したものとする。この場合、情報処理装置200は、音楽プレーヤ300の要求に対して、ヘッドホン500およびスピーカのいずれに関する接続スレーブ情報も送信しない。なお、この場合において、ヘッドホン500との接続スレーブ情報要求を受信したときは、情報処理装置100に対してヘッドホン500との接続スレーブ情報を送信する。
【0102】
[ステップS32]制御部211は、情報処理装置100に対して、接続先であるヘッドホン500と通信中であるか否かを示す接続スレーブ情報を送信する。その後、処理は終了される。
【0103】
[ステップS33]制御部211は、情報処理装置100等の他のマスター側の装置からのヘッドホン500との接続の切断を要求する切断要求を受信したか否かを判定する。切断要求が受信された場合(ステップS33 YES)、処理はステップS41(図16)に進められる。一方、切断要求が受信されていなければ(ステップS33 NO)、処理はステップS31に進められる。前述したように、切断要求には、ヘッドホン500との接続の切り替えを要求する情報処理装置100のマスター情報が含まれている。
【0104】
[ステップS41]制御部211は、情報処理装置200とヘッドホン500との接続の切断を許可するか否かについて判定する。ヘッドホン500との接続の切断を許可する場合(ステップS41 YES)、処理はステップS42に進められる。一方、情報処理装置200がヘッドホン500との通信中である場合や、通信を継続する場合等、ヘッドホン500との接続の切断を許可しない場合(ステップS41 NO)、処理はステップS45に進められる。
【0105】
[ステップS42]制御部211は、ヘッドホン500に対して切り替え要求を送信する。切り替え要求は、情報処理装置100を示す接続マスター情報、ヘッドホン500と情報処理装置200との接続をヘッドホン500と情報処理装置100との接続に切り替える旨を含む。
【0106】
[ステップS43]制御部211は、切り替え要求に対する応答として準備完了通知を受信したか否かを判定する。準備完了通知は、通信の切り替えの準備が完了した旨を示す。準備完了通知が受信された場合(ステップS43 YES)、処理はステップS44に進められる。一方、準備完了通知が受信されていなければ(ステップS43 NO)、ステップS43の処理が繰り返される。
【0107】
[ステップS44]制御部211は、ヘッドホン500との接続を切断する。その後、処理は終了される。
[ステップS45]制御部211は、情報処理装置200にヘッドホン500との接続の切断を拒否する切断拒否を送信する。その後、処理は終了される。
【0108】
図17および図18は、第2の実施の形態のスレーブ側接続応答処理を示すフローチャートである。スレーブ側接続応答処理は、スレーブ側装置が、マスター側の装置からの接続要求に応じて接続動作を行う際に実行される処理である。スレーブ側接続応答処理は、スレーブ側の装置において常にまたは定期的に実行されている。以下では、図17および図18に示すスレーブ側接続応答処理をフローチャートのステップ番号に沿って説明する。ここでは、前述のように、スレーブ側の装置がヘッドホン500であり、情報処理装置200がスレーブ側の装置と接続されているマスター側の装置とする。また、ヘッドホン500は情報処理装置200と接続されており、情報処理装置100がヘッドホン500との通信の接続を要求しているものとする。
【0109】
[ステップS51]ヘッドホン500の制御部501は、マスター側の装置(例えば、情報処理装置100)からの接続要求を受信したか否かを判定する。接続要求が受信された場合(ステップS51 YES)、処理はステップS52に進められる。一方、接続要求が受信されていなければ(ステップS51 NO)、処理はステップS55に進められる。
【0110】
[ステップS52]制御部501は、情報処理装置100以外のマスター側の装置と接続されている接続中であるか否かを判定する。ヘッドホン500が情報処理装置200と接続中であれば(ステップS52 YES)、情報処理装置200との接続は維持され、処理は終了される。一方、ヘッドホン500が情報処理装置200と接続中でなければ(ステップS52 NO)、処理はステップS53に進められる。
【0111】
[ステップS53]制御部501は、接続要求を送信した情報処理装置100が最優先となるように接続マスターテーブルの優先順位を変更する。
[ステップS54]制御部501は、接続マスターテーブルの優先順位に基づいて、最優先のマスター側の装置である情報処理装置100と接続する。その後、処理は終了される。
【0112】
[ステップS55]制御部501は、情報処理装置200等の接続中のマスター側の装置からの切り替え要求を受信したか否かを判定する。ここでの切り替え要求は、情報処理装置200との接続から情報処理装置100等の接続を要求するマスター側の装置との接続への切り替えを要求するものである。切り替え要求が受信された場合(ステップS55 YES)、処理はステップS61(図18)に進められる。一方、切り替え要求が受信されていなければ(ステップS55 NO)、処理はステップS51に進められる。前述したように、切り替え要求には、ヘッドホン500との接続の切り替えを要求する情報処理装置100のマスター情報が含まれている。
【0113】
[ステップS61]制御部501は、接続要求を送信した情報処理装置100が最優先となるように接続マスターテーブルの優先順位を変更する。
[ステップS62]制御部501は、情報処理装置200に対して接続の切断の準備が完了した旨を示す準備完了通知を送信する。
【0114】
[ステップS63]制御部501は、情報処理装置200との接続を切断する。
[ステップS64]制御部501は、接続マスターテーブルの優先順位に基づいて、最優先のマスター側の装置である情報処理装置100に対して接続要求を送信する。
【0115】
[ステップS65]制御部501は、接続要求に対する情報処理装置100からの応答を受信すると、情報処理装置100と接続する。その後、処理は終了される。
以上、第2の実施の形態によれば、マスター側の装置である情報処理装置100,200とスレーブ側の装置であるヘッドホン500との無線通信による接続の切り替えが自動化される。これにより、ヘッドホン500と接続されるマスター側の装置の情報処理装置200から情報処理装置100への切り替えが容易に行われる。
【0116】
また、ヘッドホン500が、情報処理装置100からのマスター情報について、接続マスターテーブルの接続マスター情報で情報処理装置100を確認する。これにより、不正なマスター側の装置によるヘッドホン500との接続が防止される。
【0117】
制御部111は、接続拒否を受信した場合に、情報処理装置100のマスター情報を含めて情報処理装置200に対して切断要求を送信する。情報処理装置200は、その切断要求に基づいて、情報処理装置100のマスター情報を切り替え要求と共にヘッドホン500に送信する。ヘッドホン500は、受信した情報処理装置100のマスター情報に基づいて、情報処理装置100に接続要求を送信する。これにより、情報処理装置200とヘッドホン500との接続が、情報処理装置100とヘッドホン500との接続に、容易に切り替えられる。
【0118】
制御部111は、接続の切り替えが可能である旨を示す接続スレーブ情報を受信すると、情報処理装置200に対して切断要求を送信する。これにより、情報処理装置200とヘッドホン500とが通信中である場合等、接続の切り替えが不可能な場合には切断要求が送信されず、無駄な切断要求の送信が抑制される。
【0119】
制御部111は、マスター情報を切断要求に含めて情報処理装置200に送信する。これにより、制御信号の送受信の効率化が図られる。
制御部211は、情報処理装置100から送信されたマスター情報およびヘッドホン500と情報処理装置200との接続についてヘッドホン500と情報処理装置100との接続に切り替える切り替え要求をヘッドホン500に対して送信する。これにより、容易に接続が切り替えられる。
【0120】
制御部211は、ヘッドホン500と接続している場合において、情報処理装置100からの接続スレーブ情報要求を受信した場合に、情報処理装置100に対してヘッドホン500との接続の状態および接続の切り替えが可能であるか否かを示す接続スレーブ情報を送信する。これにより、接続の切り替えが可能であるか否かが情報処理装置100に通知され、接続の切り替えが不可能な場合に、情報処理装置100は切り替えを断念する。そのため、無駄な処理の抑制や、処理の遅滞の抑制が図られる。
【0121】
制御部211は、情報処理装置100のマスター情報を切り替え要求に含めてヘッドホン500に送信する。これにより、制御信号の送受信の効率化が図られる。
制御部211は、ヘッドホン500と接続していない場合において、情報処理装置100から送信された接続スレーブ情報要求を受信したときには、情報処理装置100に対して接続スレーブ情報を送信しない。これにより、ヘッドホン500と接続しているマスター側の装置のみが情報処理装置100に対して接続スレーブ情報を送信することになり、制御信号の送受信の効率化および制御処理の効率化が図られる。
【0122】
制御部501は、情報処理装置200から送信された情報処理装置100のマスター情報および切り替え要求を受信した場合において、情報処理装置200との接続の切断が完了したときには、マスター情報に基づき情報処理装置100に対して接続要求を送信する。これにより、情報処理装置100,200、ヘッドホン500の各装置間における接続の切り替えが容易に行われる。
【0123】
本実施の形態では、情報処理装置およびヘッドホンを挙げて説明したが、これは例示であり、あらゆる電子装置に適用可能である。適用可能な電子装置として、例えば、携帯型テレビ、携帯型ゲーム機、電子辞書装置、PDA等の携帯端末装置、イヤホン、スピーカ、マイクロホン等の音響機器、プリンタ、スキャナ、外部記憶装置、リモートコントローラ、マウス、キーボード、トラックボール、デジタイザ、タッチパネル、タッチペン等の周辺機器を挙げるが、必ずしもこれらに限らない。
【0124】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現される。その場合、情報処理装置100,200、ヘッドホン500が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておけばよい。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、例えば、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等である。磁気記憶装置は、ハードディスク装置、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等である。光ディスクは、DVD、DVD−RAM、CD−ROM/RW等である。光磁気記録媒体は、MO(Magneto-Optical disk)等である。
【0125】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0126】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行してもよい。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。
【0127】
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
【0128】
以上、開示の電子装置および無線通信制御プログラムを、図示の実施の形態に基づいて説明したが、上記については単に本発明の原理を示すものである。開示の技術は、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、各部の構成は同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、開示の技術に他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。また、開示の技術は前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成を組み合わせたものであってもよい。また、開示の技術に対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
【0129】
以上説明した第1の実施の形態、第2の実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1) 接続対象の電子装置と無線通信により接続する電子装置であって、
自装置を識別する識別情報を記憶する記憶部と、
前記接続対象の電子装置と接続する際に、前記接続対象の電子装置が他の電子装置と接続されている場合には、前記他の電子装置に対して前記自装置の識別情報を送信し、前記他の電子装置から送信された前記自装置の識別情報を受信した前記接続対象の電子装置からの前記接続対象の電子装置との接続要求を受信したときには、前記接続対象の電子装置と接続する制御部と、
を有することを特徴とする電子装置。
【0130】
(付記2) 前記制御部は、前記接続対象の電子装置に接続要求を送信し、前記接続要求に対する接続拒否を受信した場合には、前記他の電子装置に対して前記自装置の識別情報を送信することを特徴とする付記1記載の電子装置。
【0131】
(付記3) 前記制御部は、前記他の電子装置から接続情報を受信し、前記接続情報が前記接続対象の電子装置と当該電子装置との接続に切り替え可能である旨を示すときには、前記他の電子装置に対して前記接続対象の電子装置との接続の切断を要求する切断要求を送信することを特徴とする付記1記載の電子装置。
【0132】
(付記4) 前記制御部は、前記他の電子装置に対して前記自装置の識別情報を前記切断要求に含めて送信することを特徴とする付記3記載の電子装置。
(付記5) 前記制御部は、前記接続対象の電子装置が前記他の電子装置と接続されている場合には、前記接続情報の要求を送信することを特徴とする付記3記載の電子装置。
【0133】
(付記6) 前記制御部は、前記接続情報の要求を、送信先の電子装置を指定せずに送信することを特徴とする付記5記載の電子装置。
(付記7) 前記接続対象の電子装置と、前記他の電子装置または前記自装置とは、排他的に接続されることを特徴とする付記1記載の電子装置。
【0134】
(付記8) 接続対象の電子装置と無線通信により接続する電子装置であって、
前記接続対象の電子装置と接続している場合において、他の電子装置から送信された前記他の電子装置を識別する識別情報を受信したときには、前記他の電子装置の識別情報と、前記接続対象の電子装置と当該電子装置との接続の切断と、前記接続対象の電子装置と前記他の電子装置との接続とを要求する切り替え要求とを、前記接続対象の電子装置に対して送信する制御部を有することを特徴とする電子装置。
【0135】
(付記9) 前記制御部は、前記接続対象の電子装置と接続している場合において、前記他の電子装置から接続情報の送信を要求する接続情報要求を受信したときには、前記他の電子装置に対して前記接続対象の電子装置との接続の状態が前記他の電子装置の接続に切り替え可能であるか否かを示す接続情報を送信することを特徴とする付記8記載の電子装置。
【0136】
(付記10) 前記制御部は、前記他の電子装置の識別情報を前記切り替え要求に含めることを特徴とする付記8記載の電子装置。
(付記11) 前記制御部は、前記接続対象の電子装置と接続していない場合において、前記他の電子装置から前記接続情報要求を受信したときには、前記接続情報を送信しないことを特徴とする付記9記載の電子装置。
【0137】
(付記12) 電子装置と無線通信により接続する電子装置であって、
自装置と接続中の電子装置から送信された、他の電子装置を識別する識別情報と、前記自装置と前記接続中の電子装置との接続の切断と、前記自装置と前記他の電子装置との接続とを要求する切り替え要求とを受信した場合において、前記接続中の電子装置との接続の切断が完了したときには、前記他の電子装置の識別情報に基づき前記他の電子装置に対して前記他の電子装置との接続を要求する接続要求を送信する制御部を有することを特徴とする電子装置。
【0138】
(付記13) 接続対象の電子装置と無線通信により接続する電子装置を制御する無線通信制御プログラムであって、
電子装置を、
接続対象の電子装置と接続する際に、前記接続対象の電子装置が他の電子装置と接続されている場合には、前記他の電子装置に対して記憶部に記憶されている自装置を識別する識別情報を送信し、前記他の電子装置から送信された前記自装置の識別情報を受信した前記接続対象の電子装置からの前記接続対象の電子装置との接続要求を受信したときには、前記接続対象の電子装置と接続する制御部として機能させることを特徴とする無線通信制御プログラム。
【0139】
(付記14) 接続対象の電子装置と無線通信により接続する電子装置を制御する無線通信制御方法であって、
電子装置が、
接続対象の電子装置と接続する際に、前記接続対象の電子装置が他の電子装置と接続されている場合には、前記他の電子装置に対して記憶部に記憶されている自装置を識別する識別情報を送信し、
前記他の電子装置から送信された前記自装置の識別情報を受信した前記接続対象の電子装置からの前記接続対象の電子装置との接続要求を受信したときには、前記接続対象の電子装置と接続する、
ことを特徴とする無線通信制御方法。
【0140】
(付記15) 電子装置同士を無線通信により接続する無線通信システムであって、
第1の電子装置と、
前記第1の電子装置および他の電子装置と接続可能な第2の電子装置と、
を有し、
前記第1の電子装置は、前記第2の電子装置と接続している場合において、前記他の電子装置から送信された前記他の電子装置を識別する識別情報を受信したときには、前記他の電子装置の識別情報と、前記第2の電子装置と当該第1の電子装置との接続の切断と、前記第2の電子装置と前記他の電子装置との接続とを要求する切り替え要求とを、前記第2の電子装置に対して送信する第1の制御部を有し、
前記第2の電子装置は、自装置と接続中である前記第1の電子装置から送信された、前記他の電子装置の識別情報と、前記切り替え要求とを受信した場合において、前記第1の電子装置との接続の切断が完了したときには、前記他の電子装置の識別情報に基づき、前記他の電子装置に対して前記他の電子装置との接続を要求する接続要求を送信する第2の制御部を有する、
ことを特徴とする無線通信システム。
【0141】
(付記16) 電子装置同士を無線通信により接続する無線通信制御方法であって、
第1の電子装置が、他の電子装置と接続可能な第2の電子装置と接続している場合において、前記他の電子装置から送信された前記他の電子装置を識別する識別情報を受信したときには、前記他の電子装置の識別情報と、前記第2の電子装置と当該第1の電子装置との接続の切断と、前記第2の電子装置と前記他の電子装置との接続とを要求する切り替え要求とを、前記第2の電子装置に対して送信し、
前記第1の電子装置および前記第2の電子装置が、自装置と接続中である前記第1の電子装置から送信された、前記他の電子装置の識別情報と、前記切り替え要求とを受信した場合において、前記第1の電子装置との接続の切断が完了したときには、前記他の電子装置の識別情報に基づき、前記他の電子装置に対して前記他の電子装置との接続を要求する接続要求を送信する、
ことを特徴とする無線通信制御方法。
【0142】
(付記17) 電子装置同士を無線通信により接続する無線通信システムであって、
第1の電子装置と、
第2の電子装置と、
前記第1の電子装置および前記第2の電子装置と接続可能な第3の電子装置と、
を有し、
前記第1の電子装置は、
自装置を識別する識別情報を記憶する記憶部と、
前記第3の電子装置と接続する際に、前記第3の電子装置が前記第2の電子装置と接続されている場合には、前記第2の電子装置に対して前記自装置の識別情報を送信し、前記第2の電子装置から送信された前記自装置の識別情報を受信した前記第3の電子装置からの前記第3の電子装置との接続要求を受信したときには、前記第3の電子装置と接続する第1の制御部と、
を有し、
前記第2の電子装置は、前記第3の電子装置と接続している場合において、前記第1の電子装置から送信された前記第1の電子装置の識別情報を受信したときには、前記第1の電子装置の識別情報と、前記第3の電子装置と当該第2の電子装置との接続の切断と、前記第3の電子装置と前記第1の電子装置との接続とを要求する切り替え要求とを、前記第3の電子装置に対して送信する第2の制御部を有し、
前記第3の電子装置は、自装置と接続中である前記第2の電子装置から送信された、前記第1の電子装置の識別情報と、前記切り替え要求とを受信した場合において、前記第2の電子装置との接続の切断が完了したときには、前記第1の電子装置の識別情報に基づき前記第1の電子装置に対して前記第1の電子装置との接続を要求する接続要求を送信する第3の制御部を有する、
ことを特徴とする無線通信システム。
【0143】
(付記18) 電子装置同士を無線通信により接続する無線通信制御方法であって、
第1の電子装置が、第3の電子装置と接続する際に、前記第3の電子装置が第2の電子装置と接続されている場合には、前記第2の電子装置に対して記憶部に記憶されている自装置を識別する識別情報を送信し、
前記第2の電子装置が、前記第3の電子装置と接続している場合において、前記第1の電子装置から送信された前記第1の電子装置の識別情報を受信したときには、前記第1の電子装置の識別情報と、前記第3の電子装置と当該第2の電子装置との接続の切断と、前記第3の電子装置と前記第1の電子装置との接続とを要求する切り替え要求とを、前記第3の電子装置に対して送信し、
前記第1の電子装置および前記第2の電子装置と接続可能な前記第3の電子装置が、
自装置と接続中である前記第2の電子装置から送信された、前記第1の電子装置の識別情報と、前記切り替え要求とを受信した場合において、前記第2の電子装置との接続の切断が完了したときには、前記第1の電子装置の識別情報に基づき前記第1の電子装置に対して前記第1の電子装置との接続を要求する接続要求を送信し、
前記第1の電子装置が、前記第2の電子装置から送信された前記自装置の識別情報を受信した前記第3の電子装置からの前記第3の電子装置との接続要求を受信したときには、前記第3の電子装置と接続する、
ことを特徴とする無線通信制御方法。
【符号の説明】
【0144】
1,2,3 電子装置
1a,2a,3a 制御部
1a1,2a1,3a1 アンテナ
1b マスター情報記憶部
【技術分野】
【0001】
本件は電子装置および無線通信制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、Bluetooth(登録商標)による無線通信技術を使用した音楽プレーヤ、携帯電話機、小型携帯端末装置、パーソナルコンピュータ(Personal computer)等の情報処理装置、ヘッドホン、スピーカ等の出力装置、リモートコントローラ、マウス、キーボード等の入力装置のように、無線通信を使用した電子装置が広く利用されている。また、このような無線通信技術において、Bluetoothワイヤレステクノロジのように、統一規格の装置やその他の対応する製品同士であれば、メーカが同一であるか異なるかを問わずに共通して使用可能な場合もある。
【0003】
このBluetoothによる無線通信では、マスター側の装置とスレーブ側の装置との間で通信が行われる。マスター側の装置は、スレーブ側の装置との通信時において無線通信を制御する装置であり、通信を開始する側の装置であるものとする。スレーブ側の装置は、マスター側の装置による無線通信の制御を受けながら通信する装置であり、無線通信で接続される側の装置であるものとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−120651号公報
【特許文献2】特開2006−230010号公報
【特許文献3】特開2004−235838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、スレーブ側の装置(例えば、1台のヘッドホン)を複数のマスター側の装置(例えば、2台のパーソナルコンピュータ)が使用する場合がある。このような場合において、スレーブ側の装置が第1のマスター側の装置と接続状態である場合、スレーブ側の装置が使用中であるか否かにかかわらず、第2のマスター側の装置(他のマスター側の装置)は、スレーブ側の装置を使用することができない。第2のマスター側の装置がスレーブ側の装置を使用可能とするためには、第1のマスター側の装置とスレーブ側の装置との間の接続を切断する必要があり、ユーザにとって操作が煩雑である。
【0006】
さらに、接続中の第1のマスター側の装置が自動再接続機能を有する場合、ユーザが接続を切断しても自動再接続機能によりすぐにスレーブ側の装置は第1のマスター側の装置と自動で再接続されてしまう。このような場合、第2のマスター側装置への切替えがスムーズに行えない可能性がある。
【0007】
本件はこのような点に鑑みてなされたものであり、複数の装置間での接続の切り替えを容易に行うことができる電子装置および無線通信制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、接続対象の電子装置と無線通信により接続する電子装置が提供される。この電子装置では、記憶部は、自装置を識別する識別情報を記憶する。制御部は、接続対象の電子装置と接続する際に、接続対象の電子装置が他の電子装置と接続されている場合には、他の電子装置に対して自装置の識別情報を送信し、他の電子装置から送信された自装置の識別情報を受信した接続対象の電子装置からの接続対象の電子装置との接続要求を受信したときには、接続対象の電子装置と接続する。
【0009】
また、上記課題を解決するために、接続対象の電子装置と無線通信により接続する電子装置が提供される。この電子装置では、制御部は、接続対象の電子装置と接続している場合において、他の電子装置から送信された他の電子装置を識別する識別情報を受信したときには、他の電子装置の識別情報と、接続対象の電子装置と当該電子装置との接続の切断と、接続対象の電子装置と他の電子装置との接続とを要求する切り替え要求とを、接続対象の電子装置に対して送信する。
【0010】
また、上記課題を解決するために、電子装置と無線通信により接続する電子装置が提供される。この電子装置では、制御部は、自装置と接続中の電子装置から送信された、他の電子装置を識別する識別情報と、自装置と接続中の電子装置との接続の切断と、自装置と他の電子装置との接続とを要求する切り替え要求とを受信した場合において、接続中の電子装置との接続の切断が完了したときには、他の電子装置の識別情報に基づき他の電子装置に対して他の電子装置との接続を要求する接続要求を送信する。
【0011】
また、上記課題を解決するために、接続対象の電子装置と無線通信により接続する電子装置を制御する無線通信制御プログラムが提供される。この無線通信制御プログラムは、制御部は、電子装置を、接続対象の電子装置と接続する際に、接続対象の電子装置が他の電子装置と接続されている場合には、他の電子装置に対して記憶部に記憶されている自装置を識別する識別情報を送信し、他の電子装置から送信された自装置の識別情報を受信した接続対象の電子装置からの接続対象の電子装置との接続要求を受信したときには、接続対象の電子装置と接続する制御部として機能させる。
【発明の効果】
【0012】
上記電子装置および無線通信制御プログラムによれば、複数の装置間での無線通信による接続の切り替えが自動化され、装置間の接続の切り替えを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施の形態の電子装置を示す図である。
【図2】第2の実施の形態の無線通信システムを示す図である。
【図3】第2の実施の形態の情報処理装置のハードウェアを示す図である。
【図4】第2の実施の形態のヘッドホンのハードウェアを示す図である。
【図5】第2の実施の形態のBluetoothパケットの構造を示す図である。
【図6】第2の実施の形態の情報処理装置およびヘッドホンの機能を示すブロック図である。
【図7】第2の実施の形態における接続の切り替え時のマスター側の装置とスレーブ側の装置との接続状態を示す図である。
【図8】第2の実施の形態における接続の切り替え時のマスター側の装置とスレーブ側の装置との接続状態を示す図である。
【図9】第2の実施の形態における接続の切り替え時のマスター側の装置とスレーブ側の装置との接続状態を示す図である。
【図10】第2の実施の形態の無線通信システムにおける接続時の手順を示す図である。
【図11】第2の実施の形態の接続マスターテーブルを示す図である。
【図12】第2の実施の形態の接続マスターテーブルを示す図である。
【図13】第2の実施の形態の接続要求処理を示すフローチャートである。
【図14】第2の実施の形態の接続要求処理を示すフローチャートである。
【図15】第2の実施の形態のマスター側接続応答処理を示すフローチャートである。
【図16】第2の実施の形態のマスター側接続応答処理を示すフローチャートである。
【図17】第2の実施の形態のスレーブ側接続応答処理を示すフローチャートである。
【図18】第2の実施の形態のスレーブ側接続応答処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態の電子装置を示す図である。例えば、第1の実施の形態に係る電子装置1,2,3として、携帯端末装置、携帯電話機、携帯テレビ、携帯型ゲーム機、電子辞書装置等の電子機器、ノート型コンピュータやPDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理装置、イヤホン、スピーカ、マイクロホン等の音響機器、プリンタ、スキャナ、外部記憶装置、リモートコントローラ、マウス、キーボード、トラックボール、デジタイザ、タッチパネル、タッチペン等の周辺機器等が考えられる。本実施の形態においてはマスター側の装置を電子装置1,2とし、スレーブ側の装置を電子装置3とする例を説明する。
【0015】
電子装置1は、電子装置3と無線通信により接続可能である。電子装置1は、制御部1a、マスター情報記憶部1b、アンテナ1a1を有する。無線通信は、例えば、Bluetooth等の近距離無線通信やIEEE802.11a/b/g/nの無線LAN等である。
【0016】
制御部1aは、接続対象である電子装置3と接続する際に、まず、電子装置3に対して接続要求を送信する。接続要求に対する応答が接続拒否である等、電子装置3が電子装置2と接続されている場合には、制御部1aは、電子装置2に対してマスター情報記憶部1bに記憶されているマスター情報を送信する。また、制御部1aは、電子装置2からの電子装置1のマスター情報を受信した電子装置3から送信された、電子装置3との接続要求を受信したときには、電子装置3と接続する。
【0017】
マスター情報記憶部1bは、電子装置1を識別するマスター情報を記憶する。マスター情報は、一意に装置を特定可能な情報、例えば、電子装置1の通信モジュールがもつアドレスを用いればよい。例えば、無線通信がBlutoothによる通信であれば、Bluetoothアドレスを用いればよい。電子装置2,3は、マスター情報を用いて電子装置1と無線通信を行う。また、電子装置2,3についても、同様にそれぞれマスター情報が設定されている。電子装置1,2,3は、電子装置1,2,3のマスター情報を用いて無線通信の制御および通信を行う。
【0018】
アンテナ1a1は、電子装置2および電子装置3との間の無線通信における電波の送受信に使用される。
電子装置2は、電子装置3と無線通信により接続可能である。電子装置2は、制御部2a、アンテナ2a1を有する。
【0019】
制御部2aは、電子装置3と接続している場合において、電子装置1から送信された電子装置1を識別するマスター情報を受信したときには、電子装置3に対して、電子装置1から送信されたマスター情報および切り替え要求を送信する。この切り替え要求は、電子装置3と電子装置2との接続の切断の要求、電子装置3と電子装置1との接続の要求を含む。
【0020】
アンテナ2a1は、電子装置1および電子装置3との間の無線通信における電波の送受信に使用される。
電子装置3は、電子装置1,2と無線通信により接続可能である。電子装置3は、制御部3a、アンテナ3a1を有する。
【0021】
制御部3aは、電子装置3と接続中の電子装置2から切り替え要求を受信した場合、電子装置3と電子装置2との接続の切断が完了したときに、マスター情報に基づき電子装置1に対して電子装置1との接続を要求する接続要求を送信する。
【0022】
アンテナ3a1は、電子装置1および電子装置2との間の無線通信における電波の送受信に使用される。
なお、電子装置1は、電子装置2の機能を有してもよい。また、電子装置2は、電子装置1の機能を有してもよい。
【0023】
本実施の形態では、以上の電子装置1,2,3が以下のように動作することにより、電子装置2と電子装置3との間の接続が、電子装置1と電子装置3との間の接続に切り替えられる。
【0024】
電子装置1の制御部1aは、電子装置3との無線通信ができない場合、電子装置2に対してマスター情報記憶部1bに記憶されているマスター情報を送信する。電子装置2の制御部2aは、電子装置1から送信された電子装置1を識別するマスター情報を受信した場合、電子装置2と接続中の電子装置3に対して、マスター情報および切り替え要求を送信する。電子装置3の制御部3aは、電子装置3と接続中の電子装置2からマスター情報および切り替え要求とを受信した場合、電子装置3と電子装置2との接続の切断が完了した後、マスター情報に基づき電子装置1に対して電子装置1との接続を要求する接続要求を送信する。これに基づき、制御部1aは、電子装置3から送信された電子装置3との接続要求を受信して、電子装置3と接続する。
【0025】
このような電子装置1,2,3を用いた無線通信システムによれば、マスター側の装置である電子装置1,2とスレーブ側の装置である電子装置3との無線通信による接続の切り替えが自動化される。これにより、電子装置3は、電子装置2から電子装置1へ接続が容易に切り替えられる。
【0026】
以下の第2の実施の形態では、第1の実施の形態に係る電子装置1,2の応用例として、情報処理装置を挙げる。また、電子装置3の応用例として、ヘッドホンを挙げる。ただし、前述の通り、電子装置1,2は、情報処理装置以外の様々な電子装置に応用できる。また、電子装置3は、ヘッドホン以外の様々な電子装置に応用できる。
【0027】
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態の無線通信システムを示す図である。第2の実施の形態の無線通信システムは、マスター側の装置である情報処理装置100,200、音楽プレーヤ300、携帯電話機400のうちのいずれか1つとスレーブ側の装置であるヘッドホン500とをBluetoothにより接続して無線通信を行う。なお、本実施の形態では、Bluetoothによる無線通信を例示するが、これに限らず、IEEE802.11a/b/g/nの無線LANおよびその他の近距離無線通信であってもよい。
【0028】
情報処理装置100,200、音楽プレーヤ300、携帯電話機400およびヘッドホン500は、Bluetoothによる無線通信機能を有しており、マスター側の装置とスレーブ側の装置との間でBluetoothによる接続制御およびデータ通信が可能である。
【0029】
Bluetoothによる無線通信では、予めペアリング(pairing)と呼ばれるマスター側の装置とスレーブ側の装置との間における接続設定が完了している必要がある。本実施の形態では、図2に示すように、マスター側の情報処理装置100,200、音楽プレーヤ300および携帯電話機400とヘッドホン500との間でペアリングが完了しているものとする。
【0030】
また、本実施の形態の無線通信システムにおいて、スレーブ側のヘッドホン500は、1つのマスター側の装置と接続される。すなわち、ヘッドホン500は、あるマスター側の装置と接続されているときには、他のマスター側の装置と接続されない。他のマスター側の装置と接続する場合、ヘッドホン500は、現在接続されているマスター側の装置との接続を切断してから、他のマスター側の装置と接続する。例えば、図2に示すように、ヘッドホン500が情報処理装置200と接続されている場合において、情報処理装置100がヘッドホン500と接続するには、一旦、ヘッドホン500と情報処理装置200との間の接続が切断された後、ヘッドホン500は情報処理装置100に接続される。
【0031】
図3は、第2の実施の形態の情報処理装置のハードウェアを示す図である。CPU(Central Processing Unit)101は、情報処理装置100の全体を制御する。CPU101は、バス108を介してRAM(Random Access Memory)102や複数の周辺機器と相互に接続されている。
【0032】
RAM102は、情報処理装置100の主記憶装置として使用される。RAM102は、CPU101に実行させるOS(Operating System)やアプリケーションプログラムの少なくとも一部を一時的に格納する。また、RAM102は、CPU101による処理に必要な各種データを格納する。
【0033】
バス108に接続されている周辺機器の例として、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、光学ドライブ装置106、および無線通信部107がある。
【0034】
HDD103は、内蔵のディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD103は、情報処理装置100の二次記憶装置として使用される。HDD103は、OS、アプリケーションプログラム、および各種データを格納する。なお、二次記憶装置として、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が使用されてもよい。
【0035】
グラフィック処理装置104には、モニタ11が接続されている。グラフィック処理装置104は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ11の画面に表示させる。モニタ11の例として、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や液晶表示装置等がある。
【0036】
入力インタフェース105には、キーボード12とマウス13とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード12やマウス13から送られてくる信号をCPU101に送信する。マウス13は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用してもよい。他のポインティングデバイスの例として、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボール等がある。
【0037】
光学ドライブ装置106は、レーザ光等を利用して、光ディスク14に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク14は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク14には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。光学ドライブ装置106は、光ディスク14にデータを記録する機能を備えていてもよい。
【0038】
無線通信部107には、アンテナ107aが接続されている。無線通信部107は、アンテナ107aを介して、他の装置との無線通信を制御すると共に、データの送受信を行う。Bluetoothによる通信は、無線通信の一例である。
【0039】
図4は、第2の実施の形態のヘッドホンのハードウェアを示す図である。第2の実施の形態に係るヘッドホン500は、制御部501、無線通信部502、電源部503、操作部504、音響制御部505、スピーカ505a、マイクロホン505bを有する。また、無線通信部502、電源部503、操作部504、音響制御部505は、バス506により、制御部501と接続されている。また、スピーカ505a、マイクロホン505bは、音響制御部505と接続されている。
【0040】
制御部501は、ヘッドホン500全体を制御する。制御部501は、例えば、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリで実現できる。CPUは、ROMからプログラムやデータを読み出し、RAMにロードしてプログラムを実行する。RAMは、プログラムやデータの少なくとも一部を一時的に格納する揮発性メモリである。なお、RAMに代えて、他の種類のメモリを用いてもよい。ROMは、制御部501が使用するプログラムやデータを格納する不揮発性メモリである。フラッシュメモリは、制御部501が使用するプログラムやデータのうち書き替えの必要があると共にヘッドホン500の電源オフ後にも保持する必要があるプログラムやデータを格納する非揮発性のメモリである。制御部501で行われる制御には、通信制御、音声入出力制御、キー操作制御等が含まれる。
【0041】
無線通信部502には、アンテナ502aが接続されている。無線通信部502は、アンテナ502aを介して、マスター側の装置との間で無線通信によるデータの送受信を行う。この無線通信によるデータの送受信は、マスター側の装置による制御に基づく。
【0042】
電源部503は、ヘッドホン500の各部にバッテリや外部電源による電源を供給する。
操作部504は、ヘッドホン500が有する操作キー、操作ボタン等の入力装置によるユーザの電源操作や入力操作等の操作を受け付ける。操作部504は、その受け付けた操作に基づく信号を制御部501に送信する。
【0043】
音響制御部505は、スピーカ505aへ出力する音響信号およびマイクロホン505bから入力される音響信号を制御する。
スピーカ505aは、ヘッドホン500を使用するユーザの耳に対して音を出力する。スピーカ505aは、音響制御部505の制御に従って、電気信号を物理振動に変換して音を再生する。マイクロホン505bは、音声入力を受け付け、音の物理振動を電気信号に変換して音響制御部505に出力する。
【0044】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能は実現される。なお、図3は情報処理装置100のハードウェア構成を示すが、他のマスター側の装置である情報処理装置200、音楽プレーヤ300、携帯電話機400も同様のハードウェア構成であればよい。
【0045】
図5は、第2の実施の形態のBluetoothパケットの構造を示す図である。本実施の形態の無線通信システムでは、図5に示す各Bluetoothパケットが、情報処理装置100,200、音楽プレーヤ300、携帯電話機400、ヘッドホン500等の装置の間で送受信される。これにより、無線通信の接続制御およびデータ通信が行われる。
【0046】
図5に示すBluetoothパケット60は、72ビットの領域であるアクセスコード、54ビットの領域であるヘッダ、0〜2754ビットの可変長の領域であるペイロードを有する。本実施の形態の無線通信システムでは、Bluetoothパケット60を用いてデータ通信が行われる。
【0047】
通常のFHS(Frequency Hop Synchronization)パケットのペイロード61は、通常のBluetoothによる無線通信の確立時にマスター側の装置とスレーブ側の装置との間で送受信され、Bluetoothアドレスおよび無線通信に使用するクロックを通知する。通常のFHSパケットのペイロード61は、Bluetoothアドレス、Bluetoothクロック、Bluetoothサービスを有する。Bluetoothアドレスは、送信する装置を特定するアドレスを示す。Bluetoothクロックは、Bluetoothによる無線通信に使用するクロックを示す。Bluetoothサービスは、Bluetoothによる無線通信で提供される機能を示す。
【0048】
接続スレーブ情報送信時のペイロード62は、スレーブ側の装置(ヘッドホン500)と現在接続しているマスター側の装置(情報処理装置200)から、スレーブ側の装置との接続を要求するマスター側の装置(情報処理装置100)に対してスレーブ側装置を示す接続スレーブ情報を送信する。接続スレーブ情報送信時のペイロード62は、接続マスターBluetoothアドレス、接続マスターBluetoothクロック、接続マスターBluetoothサービスを有する。接続マスターBluetoothアドレスは、スレーブ側の装置と現在接続しているマスター側の装置のBluetoothアドレスを示す。接続マスターBluetoothクロックは、スレーブ側の装置と現在接続しているマスター側の装置におけるBluetoothクロックを示す。接続マスターBluetoothサービスは、スレーブ側の装置と現在接続しているマスター側の装置におけるBluetoothサービスを示す。また、接続スレーブ情報送信時のペイロード62は、スレーブBluetoothアドレス、接続状況を有する。スレーブBluetoothアドレスは、接続しているスレーブ側の装置のBluetoothアドレスを示す。接続状況は、スレーブ側の装置との通信の状態を示す。接続スレーブ情報送信時のペイロード62の接続状況は、図6において後述する接続スレーブ情報として機能する。
【0049】
切断要求送信時のペイロード63は、スレーブ側の装置(ヘッドホン500)との接続を要求するマスター側の装置(情報処理装置100)から、現在接続しているマスター側の装置(情報処理装置200)に対してスレーブ側の装置との切断を要求する切断要求を送信する。切断要求送信時のペイロード63は、要求マスターBluetoothアドレス、要求マスターBluetoothクロック、要求マスターBluetoothサービスを有する。要求マスターBluetoothアドレスは、スレーブ側の装置との接続を要求するマスター側の装置のBluetoothアドレスを示す。要求マスターBluetoothクロックは、スレーブ側の装置との接続を要求するマスター側の装置におけるBluetoothクロックを示す。要求マスターBluetoothサービスは、スレーブ側の装置との接続を要求するマスター側の装置におけるBluetoothサービスを示す。また、切断要求送信時のペイロード63は、切断要求を有する。この切断要求は、現在接続スレーブ側の装置と接続しているマスター側の装置に対してスレーブ側の装置との切断を要求するものである。切断要求送信時のペイロード63の要求マスターBluetoothアドレスは、図6において後述するマスター情報として機能する。
【0050】
切り替え要求時のペイロード64は、現在接続しているマスター側の装置からスレーブ側の装置に対して、現在の接続を切断すると共にスレーブ側の装置との接続を要求するマスター側の装置に接続の切り替えを要求する切り替え要求を送信する。切り替え要求時のペイロード64は、切り替え要求、要求マスターBluetoothアドレスを有する。切り替え要求は、現在接続しているマスター側の装置からスレーブ側の装置に対して、現在の接続の切断と、接続を要求するマスター側の装置との接続への切り替えを要求する。要求マスターBluetoothアドレスは、スレーブ側の装置との接続を要求するマスター側の装置のBluetoothアドレスを示す。切り替え要求時のペイロード64の要求マスターBluetoothアドレスは、図6において後述するマスター情報として機能する。
【0051】
準備完了通知時のペイロード65は、スレーブ側の装置から現在接続しているマスター側の装置に対して、現在の接続の切断および接続を要求するマスター側装置との接続の準備が完了した旨を通知する準備完了通知を送信する。
【0052】
なお、上記のパケットのデータ構造は、種々に変形されてもよい。例えば、本実施の形態に示したもの以外の情報が付加されてもよい。一方、本実施の形態に示した情報の一部が省略されてもよい。
【0053】
図6は、第2の実施の形態の情報処理装置およびヘッドホンの機能を示すブロック図である。本実施の形態の無線通信システムは、情報処理装置100,200のいずれか1つがヘッドホン500と排他的に接続される。
【0054】
情報処理装置100は、ヘッドホン500とBluetoothを用いた無線通信により接続可能である。情報処理装置100は、制御部111、マスター情報記憶部151、アンテナ107aを有する。
【0055】
制御部111は、接続対象であるヘッドホン500と接続する際に、まず、ヘッドホン500に接続要求を送信する。制御部111は、ヘッドホン500から接続要求に対する接続拒否を受信した場合、ヘッドホン500との接続の状態を確認する接続スレーブ情報要求を、送信先のマスター側の装置を指定せずに送信する。接続スレーブ情報は、ヘッドホン500と現在接続されているマスター側の装置との間の接続について、ヘッドホン500と他のマスター側の装置(本例では情報処理装置200等)との接続に切り替え可能であるか否かを示す。接続スレーブ情報要求を受信した各マスター側の装置は、情報処理装置100による接続の要求の対象であるヘッドホン500と接続している場合、情報処理装置100に対して、ヘッドホン500との通信の接続の状態を示す接続スレーブ情報を送信する。
【0056】
次に、制御部111は、ヘッドホン500と接続中の情報処理装置200から送信された接続スレーブ情報を受信する。制御部111は、受信した接続スレーブ情報の接続の状態がヘッドホン500と情報処理装置100との接続に切り替え可能である旨を示すときには、情報処理装置200に対してヘッドホン500との接続の切断を要求する切断要求を送信する。このとき、制御部111は、マスター情報記憶部151に記憶されているマスター情報を切断要求に含める。切断要求を受信した情報処理装置200は、切断要求に含まれるマスター情報をヘッドホン500に送信する。
【0057】
そして、制御部111は、ヘッドホン500からヘッドホン500との接続要求を受信したときには、ヘッドホン500と接続する。このヘッドホン500との接続要求は、情報処理装置200から送信された情報処理装置100のマスター情報を受信したヘッドホン500から送信される。
【0058】
制御部111は、後述する制御部211と同一の機能を有する。これにより、情報処理装置100は、ヘッドホン500と接続している場合に、情報処理装置200等の他のマスター側の装置からヘッドホン500との接続の切り替え要求を受け、要求に応じて接続の切り替えを行うことができる。
【0059】
マスター情報記憶部151は、情報処理装置100を識別するマスター情報を記憶する。マスター情報は、例えば、情報処理装置100のBluetoothアドレス等であればよい。情報処理装置200、ヘッドホン500は、マスター情報を用いて情報処理装置100と無線通信を行う。また、情報処理装置200、ヘッドホン500についても、同様にそれぞれマスター情報が設定されている。情報処理装置100,200、ヘッドホン500は、情報処理装置100,200、ヘッドホン500のマスター情報を用いて無線通信の制御および通信を行う。
【0060】
アンテナ107aは、情報処理装置200およびヘッドホン500との間の無線通信における電波の送受信に使用される。
情報処理装置200は、ヘッドホン500と無線通信により接続可能である。情報処理装置200は、制御部211、マスター情報記憶部251、アンテナ207aを有する。
【0061】
制御部211は、ヘッドホン500と接続している場合において、情報処理装置100から接続スレーブ情報要求を受信したときには、まず、情報処理装置100に対してヘッドホン500との接続の状態が情報処理装置100の接続に切り替え可能であるか否かを示す接続スレーブ情報を送信する。ここでの接続スレーブ情報要求は、ヘッドホン500と情報処理装置100との接続に切り替え可能であるか否かを示す接続スレーブ情報の送信を要求するものである。
【0062】
次に、制御部211は、ヘッドホン500に対して、切り替え要求を送信する。ここでの切り替え要求は、ヘッドホン500と情報処理装置200との接続の切断およびヘッドホン500と情報処理装置100との接続を要求するものである。このとき、制御部211は、ヘッドホン500に対して情報処理装置100から送信されたマスター情報を切り替え要求に含める。
【0063】
一方、制御部211は、ヘッドホン500と接続していない場合において、情報処理装置100から接続スレーブ情報要求を受信したときには、情報処理装置100に対して接続スレーブ情報を送信しない。
【0064】
また、制御部211は、前述した制御部111と同一の機能を有する。これにより、情報処理装置200は、情報処理装置100等の他のマスター側の装置と接続しているヘッドホン500と接続するときに、その他のマスター側の装置に対して接続の切り替えを要求できる。
【0065】
マスター情報記憶部251は、マスター情報記憶部151と同様、情報処理装置200を識別するマスター情報を記憶する。
アンテナ207aは、情報処理装置100およびヘッドホン500との間の無線通信における電波の送受信に使用される。
【0066】
ヘッドホン500は、情報処理装置100,200と無線通信により接続可能である。ヘッドホン500は、制御部501、接続マスター情報記憶部551、アンテナ502aを有する。
【0067】
制御部501は、情報処理装置200から切り替え要求を受信した場合において、ヘッドホン500と情報処理装置200との接続の切断が完了したときには、切り替え要求に含まれている情報処理装置100を識別するマスター情報に基づき情報処理装置100に対して情報処理装置100との接続を要求する接続要求を送信する。
【0068】
アンテナ502aは、情報処理装置100および情報処理装置200との間の無線通信における電波の送受信に使用される。
接続マスター情報記憶部551は、図11および図12を用いて後述する接続マスター情報を記憶する。接続マスター情報は、ヘッドホン500とのペアリングが完了しているマスター側の装置の接続の優先順位を示す。また、接続マスター情報は、接続マスターテーブルに通信の接続の優先順位と関連付けて設定される。ヘッドホン500は、接続マスターテーブルに基づいてマスター側の装置との接続を制御する。
【0069】
なお、図6は、スレーブ側の装置である1つのヘッドホン500と、情報処理装置100,200の2つのマスター側の装置とを切り替えて接続する場合を説明している。しかしながら、これに限らず、1つのスレーブ側の装置に対して3つ以上のマスター側の装置を切り替えて接続してもよい。さらに、2つ以上のスレーブ側の装置に対して2つ以上のマスター側の装置を切り替えて接続してもよい。
【0070】
図7から図9は、第2の実施の形態における接続の切り替え時のマスター側の装置とスレーブ側の装置との接続状態を示す図である。
図7は、マスター側の装置の1つであるマスター2(例えば、情報処理装置200)とスレーブ側の装置であるスレーブ(例えば、ヘッドホン500)とが接続されていると共にマスター2とスレーブとの間で通信が行われている状態を示す。図7は、マスター1(例えば、情報処理装置100)、マスター2、マスター3(例えば、音楽プレーヤ300)、マスター4(携帯電話機400)の各マスター側の装置とスレーブとの接続状態を示す。なお、図7から図9のいずれの状態でも、各マスター側の装置とスレーブとはペアリングが完了しているものとする。
【0071】
図7において、“ペアリング済”欄は各マスター側の装置とスレーブ側の装置のペアリング完了状態を示し、“○”はペアリング完了、“×”はペアリング未了を示す。“接続中”欄は各マスター側の装置とスレーブ側の装置の接続状態を示し、“○”は接続中、“×”は未接続を示す。“通信中”欄はマスター側の装置とスレーブ側の装置の通信状態を示し、“○”は通信中、“×”は非通信状態を示す。
【0072】
すなわち、図7に示すように、マスター2は、スレーブと接続されていると共にスレーブとの間で通信が行われている。一方、他のマスター1,3,4は、スレーブと接続されておらず、かつ、通信も行われていない。また、前述したように、各マスター1〜4はスレーブとのペアリングを完了している。
【0073】
スレーブと接続されているマスター側の装置とが通信中である場合、他のマスター側の装置から接続の切り替えの要求があっても、接続しているマスター側の装置は、通信の切断を拒否する。通信が終了して接続の状態が通信中から非接続状態の接続中に移行した場合、スレーブ側の装置と接続しているマスター側の装置は、他のマスター側の装置の要求に応じて接続の切り替えを行う。図7の状態では、マスター2がスレーブと通信中であるため、他のマスター1,3,4が接続要求を送信してもマスター2はスレーブとの接続の切断を拒否する。そのため、他のマスター1,3,4はスレーブと接続することができない。
【0074】
図8は、マスター2とスレーブとが接続されているが通信が行われていない状態を示す。図8に示すように、マスター2は、スレーブと接続されているがスレーブとの間で通信を行っていない。他のマスター1,3,4は、スレーブと接続されておらず、かつ、通信も行われていない。また、前述したように各マスター1〜4は、スレーブとのペアリングを完了している。
【0075】
図8の状態では、マスター2がスレーブと通信中でないため、他のマスターが接続要求を送信すると、マスター2はスレーブとの接続を切断し、スレーブに対して接続要求を送信した他のマスターと接続するように接続の切り替えを要求する。これにより、他のマスターはスレーブと接続することができる。
【0076】
図9は、マスター2とスレーブとの接続が切断されると共に、マスター1とスレーブとが接続されていると共に通信が行われている状態を示す。図9に示すように、マスター1は、スレーブと接続されていると共にスレーブとの間で通信を行っている。一方、他のマスター2〜4は、スレーブと接続されず、かつ、通信も行われていない。また、前述したように各マスター1〜4は、スレーブとのペアリングを完了している。
【0077】
図9の状態は、図8の状態からマスター2とスレーブとの接続が切断されると共に、マスター1とスレーブとが接続され、通信が行われていることを示す。
図10は、第2の実施の形態の無線通信システムにおける接続時の手順を示す図である。図10に示すように、本実施形態の無線通信システムでは、各装置間でBluetoothによる無線通信が行われており、マスター側の装置の接続の要求に応じてスレーブ側の装置と接続されるマスター側の装置が切り替えられる。以下に、図10に従って、ヘッドホン500が情報処理装置200と接続されているときに、情報処理装置100からの接続の要求により、ヘッドホン500と情報処理装置100とが接続される場合の処理について説明する。
【0078】
まず、情報処理装置100は、接続対象のヘッドホン500に対して接続要求を送信する(図10における(1))。ヘッドホン500は、情報処理装置200とBluetooth通信により接続中であるため、情報処理装置100からの接続要求に対して、情報処理装置100に接続拒否を応答する(図10における(2))。
【0079】
情報処理装置100は、ヘッドホン500から接続拒否を受信したことを契機に、他のすべてのマスター側の装置に対して接続スレーブ情報要求を送信する(図10における(3))。この接続スレーブ情報要求は、前述のように、ヘッドホン500と接続しているマスター側の装置による応答および接続状態の通知を要求するものである。
【0080】
情報処理装置200、音楽プレーヤ300、携帯電話機400は、情報処理装置100からの接続スレーブ情報要求を受信し、ヘッドホン500と接続している場合、情報処理装置100に対して接続スレーブ情報を送信する(図10における(4))。図10において、情報処理装置200は、ヘッドホン500と接続しているため、情報処理装置100に対して接続スレーブ情報を送信する。一方、音楽プレーヤ300および携帯電話機400は、ヘッドホン500と接続していないため、情報処理装置100からの接続スレーブ情報要求に応答しない。
【0081】
情報処理装置100は、情報処理装置200からの接続スレーブ情報を受信し、情報処理装置200に対して切断要求を送信する(図10における(5))。切断要求には、情報処理装置100を識別する要求マスターBluetoothアドレス(マスター情報)が含まれる。
【0082】
情報処理装置200は、情報処理装置100からの切断要求を受信し、ヘッドホン500との接続を切断する場合、ヘッドホン500に対して、接続を切断すると共に、ヘッドホン500と情報処理装置100との接続を要求する切り替え要求を送信する(図10における(6))。切り替え要求には、接続の切り替えを要求する情報処理装置100のマスター情報が含まれる。これにより、情報処理装置200からヘッドホン500に対して情報処理装置100のマスター情報が送信される。なお、要求マスター情報は、情報処理装置200からヘッドホン500に対して切り替え要求とは別個に送信されてもよい。一方、情報処理装置200は、ヘッドホン500と通信中等によりヘッドホン500との接続の切断を行わない場合、情報処理装置100に対して切断拒否を送信する。
【0083】
ヘッドホン500は、情報処理装置200からの要求マスター情報および切り替え要求を受信した場合、情報処理装置200との接続の切断および情報処理装置100との接続の準備が完了すると、情報処理装置200に対して準備完了通知を送信する(図10における(7))。
【0084】
情報処理装置200は、ヘッドホン500からの準備完了通知を受信し、ヘッドホン500との接続を切断する(図10における(8))。ヘッドホン500は、情報処理装置200との接続が切断されたことを受け、情報処理装置100に対して接続要求を送信する(図10における(9))。情報処理装置100は、ヘッドホン500からの接続要求を受信し、ヘッドホン500と接続する。これにより、情報処理装置200とヘッドホン500との接続が切断され、情報処理装置100とヘッドホン500との接続に切り替えられる。
【0085】
図11および図12は、第2の実施の形態の接続マスターテーブルを示す図である。図11および図12に示す接続マスターテーブル551a,551bは、制御部501によって作成および管理される。また、接続マスターテーブル551a,551bは、接続マスター情報記憶部551として機能する制御部501が有するフラッシュメモリに格納される。接続マスターテーブル551a,551bは、ヘッドホン500とのペアリングが完了しているマスター側の装置の接続の優先順位を示す接続マスター情報を格納するテーブルである。
【0086】
接続マスターテーブル551a,551bは、“優先順位”、“名称”の各項目を備える。各項目の情報が互いに関連付けられて、接続マスター情報を構成する。
優先順位は、ペアリングが完了しているマスター側の装置の優先順位を示す値である。優先順位の値が小さいマスター側の装置の方が優先的に接続される。名称は、ペアリングが完了しているマスター側の装置を一意に識別可能な名称である。
【0087】
ヘッドホン500は、マスター側の装置とのペアリング時に、ペアリングしたマスター側の装置の接続マスター情報を接続マスターテーブル551aに設定する。
また、ヘッドホン500は、マスター側の装置との接続の際に、接続対象のマスター側の装置の優先順位が“1”(最優先)になるように、接続マスターテーブル551a,551bにおける接続マスター情報の順位を変更する。例えば、図11に示すように、ヘッドホン500がマスター2と接続されている場合、接続マスターテーブル551aは、優先順位1に対してマスター2が設定される。ここで、スレーブ側接続応答処理によりヘッドホン500の接続対象がマスター2(例えば、情報処理装置200)からマスター1(例えば、情報処理装置100)に切り替えられると、接続マスター情報の優先順位が変更され、図12に示すように、接続マスターテーブル551bの優先順位1には、マスター1が示される。なお、ヘッドホン500によるマスター側の装置との接続は、スレーブ側接続応答処理、ユーザの指示等のその他の契機により行われる。
【0088】
また、ヘッドホン500は、電源投入時には、接続マスター情報に基づき、最も優先順位が高いマスター側の装置との接続を試みる。ヘッドホン500は、最も優先順位が高いマスター側の装置との接続に失敗した場合、優先順位に従って各マスター側の装置との接続を試みる。
【0089】
また、ヘッドホン500は、切り替え要求に含まれているマスター情報に基づいて、切り替え要求を送信したマスター側の装置を特定する。ヘッドホン500は、特定したマスター側の装置について、接続マスターテーブルに格納されている接続マスター情報を確認する。その確認の結果、切り替え要求を送信したマスター側の装置が接続マスターテーブルに設定されていない場合には、ヘッドホン500は通信の接続を行わない。これにより、ペアリングが完了していない不正なマスター側の装置によるヘッドホン500との接続が防止される。
【0090】
図13および図14は、第2の実施の形態の接続要求処理を示すフローチャートである。接続要求処理はマスター側の装置がスレーブ側の装置と接続する処理である。以下では、図13および図14に示す接続要求処理をフローチャートのステップ番号に沿って説明する。ここでは、スレーブ側の装置がヘッドホン500とする。また、この処理開始前に、ヘッドホン500は、マスター側の装置の1つである情報処理装置200と接続されているものとする。接続要求処理は、マスター側の装置がスレーブ側の装置と接続する際に実行される。
【0091】
[ステップS11]情報処理装置100の制御部111は、スレーブ側の装置であるヘッドホン500に対して接続要求を送信する。
[ステップS12]制御部111は、接続要求に対するヘッドホン500からの応答を受信し、その応答内容を確認する。応答が接続拒否であれば(ステップS12 YES)、処理はステップS13に進められる。一方、応答内容が接続拒否でなければ(ステップS12 NO)、処理はステップS25(図14)に進められる。接続拒否の応答は、ヘッドホン500が他のマスター側の装置と接続され、使用中であることに起因する。
【0092】
[ステップS13]制御部111は、ヘッドホン500と接続されている可能性がある他のマスター側の装置に対して、自己(ここでは情報処理装置100)を示すマスター情報および接続スレーブ情報要求を、送信先を指定せずに送信する。ここでの他のマスター側の装置は、例えば、情報処理装置200、音楽プレーヤ300、携帯電話機400等である。接続スレーブ情報要求は、ヘッドホン500と接続されているマスター側の装置に対して、ヘッドホン500との接続状態の送信を要求するものである。情報処理装置200は、情報処理装置100からの接続スレーブ情報要求を受信し、ヘッドホン500と接続されている場合には、情報処理装置100に対して情報処理装置200とヘッドホン500との接続の状態を示す接続スレーブ情報を送信する。接続スレーブ情報は、ヘッドホン500が情報処理装置200と通信中であるか否かを示す情報を含む。ヘッドホン500が情報処理装置200と通信中である場合、情報処理装置200は、ヘッドホン500との接続の切断が不可能であり、接続の切り替えを拒否する状態にある。
【0093】
[ステップS14]制御部111は、情報処理装置200からヘッドホン500の接続スレーブ情報を受信したか否かを判定する。接続スレーブ情報が受信された場合(ステップS14 YES)、処理はステップS21(図14)に進められる。一方、接続スレーブ情報が受信されていなければ(ステップS14 NO)、ステップS14の処理が繰り返される。
【0094】
[ステップS21]制御部111は、接続スレーブ情報に基づいて、ヘッドホン500と情報処理装置200が通信中であるか否かを判定する。ヘッドホン500と情報処理装置200が通信中であれば(ステップS21 YES)、情報処理装置100はヘッドホン500と接続されることなく、処理は終了される。一方、ヘッドホン500と情報処理装置200が通信中でなければ(ステップS21 NO)、処理はステップS22に進められる。
【0095】
[ステップS22]制御部111は、情報処理装置200に対してヘッドホン500との接続の切断を要求する切断要求を送信する。このとき、制御部111は、マスター情報記憶部151に記憶されている、情報処理装置100を識別するマスター情報を、切断要求に含める。
【0096】
[ステップS23]制御部111は、切断要求に対する応答を確認する。応答内容としてヘッドホン500との接続の切断を拒否する切断拒否を受信した場合(ステップS23 YES)、情報処理装置100はヘッドホン500と接続されることなく、処理は終了される。一方、応答内容として切断拒否を受信していなければ(ステップS23 NO)、処理はステップS24に進められる。
【0097】
[ステップS24]制御部111は、ヘッドホン500から情報処理装置100との通信の接続を要求する接続要求を受信したか否かを判定する。接続要求を受信した場合(ステップS24 YES)、処理はステップS25に進められる。一方、接続要求を受信していなければ(ステップS24 NO)、処理はステップS23に進められる。
【0098】
[ステップS25]制御部111は、ヘッドホン500との通信を接続する。その後、処理は終了される。
図15および図16は、第2の実施の形態のマスター側接続応答処理を示すフローチャートである。マスター側接続応答処理は、スレーブ側の装置と接続されているマスター側の装置が、他のマスター側の装置からの要求に応じて、スレーブ側の装置との接続を切断し、スレーブ側の装置を他のマスター側の装置と接続させる処理である。マスター側接続応答処理は、スレーブ側の装置と接続されているマスター側の装置において常にまたは定期的に実行されている。以下では、図15および図16に示すマスター側接続応答処理をフローチャートのステップ番号に沿って説明する。ここでは、前述のように、スレーブ側の装置がヘッドホン500であり、情報処理装置200がスレーブ側の装置と接続されているマスター側の装置とする。また、ヘッドホン500は情報処理装置200と接続されており、情報処理装置100がヘッドホン500との通信の接続を要求しているものとする。
【0099】
[ステップS31]情報処理装置200の制御部211は、他のマスター側の装置(例えば、情報処理装置100)からの接続スレーブ情報要求を受信したか否かを判定する。ここでの接続スレーブ情報要求は、ヘッドホン500との通信の接続状態の通知を要求するものである。接続スレーブ情報要求が受信された場合(ステップS31 YES)、処理はステップS32に進められる。一方、接続スレーブ情報要求が受信されていなければ(ステップS31 NO)、処理はステップS33に進められる。
【0100】
ここで、スレーブ側の装置と接続されているマスター側の装置は、自身が接続していないスレーブ側の装置の接続スレーブ情報要求を受信した場合、いずれのスレーブ側の装置の接続スレーブ情報も送信しない。
【0101】
例えば、スレーブ側の装置が複数種類同時に存在している(例えば、ヘッドホン500および図示しないスピーカ)ものとする。また、このとき、ヘッドホン500のみと接続されている情報処理装置200に対して、スピーカとの接続を求める音楽プレーヤ300からスピーカとの通信の接続状態を要求する接続スレーブ情報要求を受信したものとする。この場合、情報処理装置200は、音楽プレーヤ300の要求に対して、ヘッドホン500およびスピーカのいずれに関する接続スレーブ情報も送信しない。なお、この場合において、ヘッドホン500との接続スレーブ情報要求を受信したときは、情報処理装置100に対してヘッドホン500との接続スレーブ情報を送信する。
【0102】
[ステップS32]制御部211は、情報処理装置100に対して、接続先であるヘッドホン500と通信中であるか否かを示す接続スレーブ情報を送信する。その後、処理は終了される。
【0103】
[ステップS33]制御部211は、情報処理装置100等の他のマスター側の装置からのヘッドホン500との接続の切断を要求する切断要求を受信したか否かを判定する。切断要求が受信された場合(ステップS33 YES)、処理はステップS41(図16)に進められる。一方、切断要求が受信されていなければ(ステップS33 NO)、処理はステップS31に進められる。前述したように、切断要求には、ヘッドホン500との接続の切り替えを要求する情報処理装置100のマスター情報が含まれている。
【0104】
[ステップS41]制御部211は、情報処理装置200とヘッドホン500との接続の切断を許可するか否かについて判定する。ヘッドホン500との接続の切断を許可する場合(ステップS41 YES)、処理はステップS42に進められる。一方、情報処理装置200がヘッドホン500との通信中である場合や、通信を継続する場合等、ヘッドホン500との接続の切断を許可しない場合(ステップS41 NO)、処理はステップS45に進められる。
【0105】
[ステップS42]制御部211は、ヘッドホン500に対して切り替え要求を送信する。切り替え要求は、情報処理装置100を示す接続マスター情報、ヘッドホン500と情報処理装置200との接続をヘッドホン500と情報処理装置100との接続に切り替える旨を含む。
【0106】
[ステップS43]制御部211は、切り替え要求に対する応答として準備完了通知を受信したか否かを判定する。準備完了通知は、通信の切り替えの準備が完了した旨を示す。準備完了通知が受信された場合(ステップS43 YES)、処理はステップS44に進められる。一方、準備完了通知が受信されていなければ(ステップS43 NO)、ステップS43の処理が繰り返される。
【0107】
[ステップS44]制御部211は、ヘッドホン500との接続を切断する。その後、処理は終了される。
[ステップS45]制御部211は、情報処理装置200にヘッドホン500との接続の切断を拒否する切断拒否を送信する。その後、処理は終了される。
【0108】
図17および図18は、第2の実施の形態のスレーブ側接続応答処理を示すフローチャートである。スレーブ側接続応答処理は、スレーブ側装置が、マスター側の装置からの接続要求に応じて接続動作を行う際に実行される処理である。スレーブ側接続応答処理は、スレーブ側の装置において常にまたは定期的に実行されている。以下では、図17および図18に示すスレーブ側接続応答処理をフローチャートのステップ番号に沿って説明する。ここでは、前述のように、スレーブ側の装置がヘッドホン500であり、情報処理装置200がスレーブ側の装置と接続されているマスター側の装置とする。また、ヘッドホン500は情報処理装置200と接続されており、情報処理装置100がヘッドホン500との通信の接続を要求しているものとする。
【0109】
[ステップS51]ヘッドホン500の制御部501は、マスター側の装置(例えば、情報処理装置100)からの接続要求を受信したか否かを判定する。接続要求が受信された場合(ステップS51 YES)、処理はステップS52に進められる。一方、接続要求が受信されていなければ(ステップS51 NO)、処理はステップS55に進められる。
【0110】
[ステップS52]制御部501は、情報処理装置100以外のマスター側の装置と接続されている接続中であるか否かを判定する。ヘッドホン500が情報処理装置200と接続中であれば(ステップS52 YES)、情報処理装置200との接続は維持され、処理は終了される。一方、ヘッドホン500が情報処理装置200と接続中でなければ(ステップS52 NO)、処理はステップS53に進められる。
【0111】
[ステップS53]制御部501は、接続要求を送信した情報処理装置100が最優先となるように接続マスターテーブルの優先順位を変更する。
[ステップS54]制御部501は、接続マスターテーブルの優先順位に基づいて、最優先のマスター側の装置である情報処理装置100と接続する。その後、処理は終了される。
【0112】
[ステップS55]制御部501は、情報処理装置200等の接続中のマスター側の装置からの切り替え要求を受信したか否かを判定する。ここでの切り替え要求は、情報処理装置200との接続から情報処理装置100等の接続を要求するマスター側の装置との接続への切り替えを要求するものである。切り替え要求が受信された場合(ステップS55 YES)、処理はステップS61(図18)に進められる。一方、切り替え要求が受信されていなければ(ステップS55 NO)、処理はステップS51に進められる。前述したように、切り替え要求には、ヘッドホン500との接続の切り替えを要求する情報処理装置100のマスター情報が含まれている。
【0113】
[ステップS61]制御部501は、接続要求を送信した情報処理装置100が最優先となるように接続マスターテーブルの優先順位を変更する。
[ステップS62]制御部501は、情報処理装置200に対して接続の切断の準備が完了した旨を示す準備完了通知を送信する。
【0114】
[ステップS63]制御部501は、情報処理装置200との接続を切断する。
[ステップS64]制御部501は、接続マスターテーブルの優先順位に基づいて、最優先のマスター側の装置である情報処理装置100に対して接続要求を送信する。
【0115】
[ステップS65]制御部501は、接続要求に対する情報処理装置100からの応答を受信すると、情報処理装置100と接続する。その後、処理は終了される。
以上、第2の実施の形態によれば、マスター側の装置である情報処理装置100,200とスレーブ側の装置であるヘッドホン500との無線通信による接続の切り替えが自動化される。これにより、ヘッドホン500と接続されるマスター側の装置の情報処理装置200から情報処理装置100への切り替えが容易に行われる。
【0116】
また、ヘッドホン500が、情報処理装置100からのマスター情報について、接続マスターテーブルの接続マスター情報で情報処理装置100を確認する。これにより、不正なマスター側の装置によるヘッドホン500との接続が防止される。
【0117】
制御部111は、接続拒否を受信した場合に、情報処理装置100のマスター情報を含めて情報処理装置200に対して切断要求を送信する。情報処理装置200は、その切断要求に基づいて、情報処理装置100のマスター情報を切り替え要求と共にヘッドホン500に送信する。ヘッドホン500は、受信した情報処理装置100のマスター情報に基づいて、情報処理装置100に接続要求を送信する。これにより、情報処理装置200とヘッドホン500との接続が、情報処理装置100とヘッドホン500との接続に、容易に切り替えられる。
【0118】
制御部111は、接続の切り替えが可能である旨を示す接続スレーブ情報を受信すると、情報処理装置200に対して切断要求を送信する。これにより、情報処理装置200とヘッドホン500とが通信中である場合等、接続の切り替えが不可能な場合には切断要求が送信されず、無駄な切断要求の送信が抑制される。
【0119】
制御部111は、マスター情報を切断要求に含めて情報処理装置200に送信する。これにより、制御信号の送受信の効率化が図られる。
制御部211は、情報処理装置100から送信されたマスター情報およびヘッドホン500と情報処理装置200との接続についてヘッドホン500と情報処理装置100との接続に切り替える切り替え要求をヘッドホン500に対して送信する。これにより、容易に接続が切り替えられる。
【0120】
制御部211は、ヘッドホン500と接続している場合において、情報処理装置100からの接続スレーブ情報要求を受信した場合に、情報処理装置100に対してヘッドホン500との接続の状態および接続の切り替えが可能であるか否かを示す接続スレーブ情報を送信する。これにより、接続の切り替えが可能であるか否かが情報処理装置100に通知され、接続の切り替えが不可能な場合に、情報処理装置100は切り替えを断念する。そのため、無駄な処理の抑制や、処理の遅滞の抑制が図られる。
【0121】
制御部211は、情報処理装置100のマスター情報を切り替え要求に含めてヘッドホン500に送信する。これにより、制御信号の送受信の効率化が図られる。
制御部211は、ヘッドホン500と接続していない場合において、情報処理装置100から送信された接続スレーブ情報要求を受信したときには、情報処理装置100に対して接続スレーブ情報を送信しない。これにより、ヘッドホン500と接続しているマスター側の装置のみが情報処理装置100に対して接続スレーブ情報を送信することになり、制御信号の送受信の効率化および制御処理の効率化が図られる。
【0122】
制御部501は、情報処理装置200から送信された情報処理装置100のマスター情報および切り替え要求を受信した場合において、情報処理装置200との接続の切断が完了したときには、マスター情報に基づき情報処理装置100に対して接続要求を送信する。これにより、情報処理装置100,200、ヘッドホン500の各装置間における接続の切り替えが容易に行われる。
【0123】
本実施の形態では、情報処理装置およびヘッドホンを挙げて説明したが、これは例示であり、あらゆる電子装置に適用可能である。適用可能な電子装置として、例えば、携帯型テレビ、携帯型ゲーム機、電子辞書装置、PDA等の携帯端末装置、イヤホン、スピーカ、マイクロホン等の音響機器、プリンタ、スキャナ、外部記憶装置、リモートコントローラ、マウス、キーボード、トラックボール、デジタイザ、タッチパネル、タッチペン等の周辺機器を挙げるが、必ずしもこれらに限らない。
【0124】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現される。その場合、情報処理装置100,200、ヘッドホン500が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておけばよい。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、例えば、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等である。磁気記憶装置は、ハードディスク装置、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等である。光ディスクは、DVD、DVD−RAM、CD−ROM/RW等である。光磁気記録媒体は、MO(Magneto-Optical disk)等である。
【0125】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0126】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行してもよい。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。
【0127】
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
【0128】
以上、開示の電子装置および無線通信制御プログラムを、図示の実施の形態に基づいて説明したが、上記については単に本発明の原理を示すものである。開示の技術は、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、各部の構成は同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、開示の技術に他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。また、開示の技術は前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成を組み合わせたものであってもよい。また、開示の技術に対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
【0129】
以上説明した第1の実施の形態、第2の実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1) 接続対象の電子装置と無線通信により接続する電子装置であって、
自装置を識別する識別情報を記憶する記憶部と、
前記接続対象の電子装置と接続する際に、前記接続対象の電子装置が他の電子装置と接続されている場合には、前記他の電子装置に対して前記自装置の識別情報を送信し、前記他の電子装置から送信された前記自装置の識別情報を受信した前記接続対象の電子装置からの前記接続対象の電子装置との接続要求を受信したときには、前記接続対象の電子装置と接続する制御部と、
を有することを特徴とする電子装置。
【0130】
(付記2) 前記制御部は、前記接続対象の電子装置に接続要求を送信し、前記接続要求に対する接続拒否を受信した場合には、前記他の電子装置に対して前記自装置の識別情報を送信することを特徴とする付記1記載の電子装置。
【0131】
(付記3) 前記制御部は、前記他の電子装置から接続情報を受信し、前記接続情報が前記接続対象の電子装置と当該電子装置との接続に切り替え可能である旨を示すときには、前記他の電子装置に対して前記接続対象の電子装置との接続の切断を要求する切断要求を送信することを特徴とする付記1記載の電子装置。
【0132】
(付記4) 前記制御部は、前記他の電子装置に対して前記自装置の識別情報を前記切断要求に含めて送信することを特徴とする付記3記載の電子装置。
(付記5) 前記制御部は、前記接続対象の電子装置が前記他の電子装置と接続されている場合には、前記接続情報の要求を送信することを特徴とする付記3記載の電子装置。
【0133】
(付記6) 前記制御部は、前記接続情報の要求を、送信先の電子装置を指定せずに送信することを特徴とする付記5記載の電子装置。
(付記7) 前記接続対象の電子装置と、前記他の電子装置または前記自装置とは、排他的に接続されることを特徴とする付記1記載の電子装置。
【0134】
(付記8) 接続対象の電子装置と無線通信により接続する電子装置であって、
前記接続対象の電子装置と接続している場合において、他の電子装置から送信された前記他の電子装置を識別する識別情報を受信したときには、前記他の電子装置の識別情報と、前記接続対象の電子装置と当該電子装置との接続の切断と、前記接続対象の電子装置と前記他の電子装置との接続とを要求する切り替え要求とを、前記接続対象の電子装置に対して送信する制御部を有することを特徴とする電子装置。
【0135】
(付記9) 前記制御部は、前記接続対象の電子装置と接続している場合において、前記他の電子装置から接続情報の送信を要求する接続情報要求を受信したときには、前記他の電子装置に対して前記接続対象の電子装置との接続の状態が前記他の電子装置の接続に切り替え可能であるか否かを示す接続情報を送信することを特徴とする付記8記載の電子装置。
【0136】
(付記10) 前記制御部は、前記他の電子装置の識別情報を前記切り替え要求に含めることを特徴とする付記8記載の電子装置。
(付記11) 前記制御部は、前記接続対象の電子装置と接続していない場合において、前記他の電子装置から前記接続情報要求を受信したときには、前記接続情報を送信しないことを特徴とする付記9記載の電子装置。
【0137】
(付記12) 電子装置と無線通信により接続する電子装置であって、
自装置と接続中の電子装置から送信された、他の電子装置を識別する識別情報と、前記自装置と前記接続中の電子装置との接続の切断と、前記自装置と前記他の電子装置との接続とを要求する切り替え要求とを受信した場合において、前記接続中の電子装置との接続の切断が完了したときには、前記他の電子装置の識別情報に基づき前記他の電子装置に対して前記他の電子装置との接続を要求する接続要求を送信する制御部を有することを特徴とする電子装置。
【0138】
(付記13) 接続対象の電子装置と無線通信により接続する電子装置を制御する無線通信制御プログラムであって、
電子装置を、
接続対象の電子装置と接続する際に、前記接続対象の電子装置が他の電子装置と接続されている場合には、前記他の電子装置に対して記憶部に記憶されている自装置を識別する識別情報を送信し、前記他の電子装置から送信された前記自装置の識別情報を受信した前記接続対象の電子装置からの前記接続対象の電子装置との接続要求を受信したときには、前記接続対象の電子装置と接続する制御部として機能させることを特徴とする無線通信制御プログラム。
【0139】
(付記14) 接続対象の電子装置と無線通信により接続する電子装置を制御する無線通信制御方法であって、
電子装置が、
接続対象の電子装置と接続する際に、前記接続対象の電子装置が他の電子装置と接続されている場合には、前記他の電子装置に対して記憶部に記憶されている自装置を識別する識別情報を送信し、
前記他の電子装置から送信された前記自装置の識別情報を受信した前記接続対象の電子装置からの前記接続対象の電子装置との接続要求を受信したときには、前記接続対象の電子装置と接続する、
ことを特徴とする無線通信制御方法。
【0140】
(付記15) 電子装置同士を無線通信により接続する無線通信システムであって、
第1の電子装置と、
前記第1の電子装置および他の電子装置と接続可能な第2の電子装置と、
を有し、
前記第1の電子装置は、前記第2の電子装置と接続している場合において、前記他の電子装置から送信された前記他の電子装置を識別する識別情報を受信したときには、前記他の電子装置の識別情報と、前記第2の電子装置と当該第1の電子装置との接続の切断と、前記第2の電子装置と前記他の電子装置との接続とを要求する切り替え要求とを、前記第2の電子装置に対して送信する第1の制御部を有し、
前記第2の電子装置は、自装置と接続中である前記第1の電子装置から送信された、前記他の電子装置の識別情報と、前記切り替え要求とを受信した場合において、前記第1の電子装置との接続の切断が完了したときには、前記他の電子装置の識別情報に基づき、前記他の電子装置に対して前記他の電子装置との接続を要求する接続要求を送信する第2の制御部を有する、
ことを特徴とする無線通信システム。
【0141】
(付記16) 電子装置同士を無線通信により接続する無線通信制御方法であって、
第1の電子装置が、他の電子装置と接続可能な第2の電子装置と接続している場合において、前記他の電子装置から送信された前記他の電子装置を識別する識別情報を受信したときには、前記他の電子装置の識別情報と、前記第2の電子装置と当該第1の電子装置との接続の切断と、前記第2の電子装置と前記他の電子装置との接続とを要求する切り替え要求とを、前記第2の電子装置に対して送信し、
前記第1の電子装置および前記第2の電子装置が、自装置と接続中である前記第1の電子装置から送信された、前記他の電子装置の識別情報と、前記切り替え要求とを受信した場合において、前記第1の電子装置との接続の切断が完了したときには、前記他の電子装置の識別情報に基づき、前記他の電子装置に対して前記他の電子装置との接続を要求する接続要求を送信する、
ことを特徴とする無線通信制御方法。
【0142】
(付記17) 電子装置同士を無線通信により接続する無線通信システムであって、
第1の電子装置と、
第2の電子装置と、
前記第1の電子装置および前記第2の電子装置と接続可能な第3の電子装置と、
を有し、
前記第1の電子装置は、
自装置を識別する識別情報を記憶する記憶部と、
前記第3の電子装置と接続する際に、前記第3の電子装置が前記第2の電子装置と接続されている場合には、前記第2の電子装置に対して前記自装置の識別情報を送信し、前記第2の電子装置から送信された前記自装置の識別情報を受信した前記第3の電子装置からの前記第3の電子装置との接続要求を受信したときには、前記第3の電子装置と接続する第1の制御部と、
を有し、
前記第2の電子装置は、前記第3の電子装置と接続している場合において、前記第1の電子装置から送信された前記第1の電子装置の識別情報を受信したときには、前記第1の電子装置の識別情報と、前記第3の電子装置と当該第2の電子装置との接続の切断と、前記第3の電子装置と前記第1の電子装置との接続とを要求する切り替え要求とを、前記第3の電子装置に対して送信する第2の制御部を有し、
前記第3の電子装置は、自装置と接続中である前記第2の電子装置から送信された、前記第1の電子装置の識別情報と、前記切り替え要求とを受信した場合において、前記第2の電子装置との接続の切断が完了したときには、前記第1の電子装置の識別情報に基づき前記第1の電子装置に対して前記第1の電子装置との接続を要求する接続要求を送信する第3の制御部を有する、
ことを特徴とする無線通信システム。
【0143】
(付記18) 電子装置同士を無線通信により接続する無線通信制御方法であって、
第1の電子装置が、第3の電子装置と接続する際に、前記第3の電子装置が第2の電子装置と接続されている場合には、前記第2の電子装置に対して記憶部に記憶されている自装置を識別する識別情報を送信し、
前記第2の電子装置が、前記第3の電子装置と接続している場合において、前記第1の電子装置から送信された前記第1の電子装置の識別情報を受信したときには、前記第1の電子装置の識別情報と、前記第3の電子装置と当該第2の電子装置との接続の切断と、前記第3の電子装置と前記第1の電子装置との接続とを要求する切り替え要求とを、前記第3の電子装置に対して送信し、
前記第1の電子装置および前記第2の電子装置と接続可能な前記第3の電子装置が、
自装置と接続中である前記第2の電子装置から送信された、前記第1の電子装置の識別情報と、前記切り替え要求とを受信した場合において、前記第2の電子装置との接続の切断が完了したときには、前記第1の電子装置の識別情報に基づき前記第1の電子装置に対して前記第1の電子装置との接続を要求する接続要求を送信し、
前記第1の電子装置が、前記第2の電子装置から送信された前記自装置の識別情報を受信した前記第3の電子装置からの前記第3の電子装置との接続要求を受信したときには、前記第3の電子装置と接続する、
ことを特徴とする無線通信制御方法。
【符号の説明】
【0144】
1,2,3 電子装置
1a,2a,3a 制御部
1a1,2a1,3a1 アンテナ
1b マスター情報記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続対象の電子装置と無線通信により接続する電子装置であって、
自装置を識別する識別情報を記憶する記憶部と、
前記接続対象の電子装置と接続する際に、前記接続対象の電子装置が他の電子装置と接続されている場合には、前記他の電子装置に対して前記自装置の識別情報を送信し、前記他の電子装置から送信された前記自装置の識別情報を受信した前記接続対象の電子装置からの前記接続対象の電子装置との接続要求を受信したときには、前記接続対象の電子装置と接続する制御部と、
を有することを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記接続対象の電子装置に接続要求を送信し、前記接続要求に対する接続拒否を受信した場合には、前記他の電子装置に対して前記自装置の識別情報を送信することを特徴とする請求項1記載の電子装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記他の電子装置から接続情報を受信し、前記接続情報が前記接続対象の電子装置と当該電子装置との接続に切り替え可能である旨を示すときには、前記他の電子装置に対して前記接続対象の電子装置との接続の切断を要求する切断要求を送信することを特徴とする請求項1記載の電子装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記他の電子装置に対して前記自装置の識別情報を前記切断要求に含めて送信することを特徴とする請求項3記載の電子装置。
【請求項5】
接続対象の電子装置と無線通信により接続する電子装置であって、
前記接続対象の電子装置と接続している場合において、他の電子装置から送信された前記他の電子装置を識別する識別情報を受信したときには、前記他の電子装置の識別情報と、前記接続対象の電子装置と当該電子装置との接続の切断と、前記接続対象の電子装置と前記他の電子装置との接続とを要求する切り替え要求とを、前記接続対象の電子装置に対して送信する制御部を有することを特徴とする電子装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記接続対象の電子装置と接続している場合において、前記他の電子装置から接続情報の送信を要求する接続情報要求を受信したときには、前記他の電子装置に対して前記接続対象の電子装置との接続の状態が前記他の電子装置の接続に切り替え可能であるか否かを示す接続情報を送信することを特徴とする請求項5記載の電子装置。
【請求項7】
電子装置と無線通信により接続する電子装置であって、
自装置と接続中の電子装置から送信された、他の電子装置を識別する識別情報と、前記自装置と前記接続中の電子装置との接続の切断と、前記自装置と前記他の電子装置との接続とを要求する切り替え要求を受信した場合において、前記接続中の電子装置との接続の切断が完了したときには、前記他の電子装置の識別情報に基づき前記他の電子装置に対して前記他の電子装置との接続を要求する接続要求を送信する制御部を有することを特徴とする電子装置。
【請求項8】
接続対象の電子装置と無線通信により接続する電子装置を制御する無線通信制御プログラムであって、
電子装置を、
接続対象の電子装置と接続する際に、前記接続対象の電子装置が他の電子装置と接続されている場合には、前記他の電子装置に対して記憶部に記憶されている自装置を識別する識別情報を送信し、前記他の電子装置から送信された前記自装置の識別情報を受信した前記接続対象の電子装置からの前記接続対象の電子装置との接続要求を受信したときには、前記接続対象の電子装置と接続する制御部として機能させることを特徴とする無線通信制御プログラム。
【請求項1】
接続対象の電子装置と無線通信により接続する電子装置であって、
自装置を識別する識別情報を記憶する記憶部と、
前記接続対象の電子装置と接続する際に、前記接続対象の電子装置が他の電子装置と接続されている場合には、前記他の電子装置に対して前記自装置の識別情報を送信し、前記他の電子装置から送信された前記自装置の識別情報を受信した前記接続対象の電子装置からの前記接続対象の電子装置との接続要求を受信したときには、前記接続対象の電子装置と接続する制御部と、
を有することを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記接続対象の電子装置に接続要求を送信し、前記接続要求に対する接続拒否を受信した場合には、前記他の電子装置に対して前記自装置の識別情報を送信することを特徴とする請求項1記載の電子装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記他の電子装置から接続情報を受信し、前記接続情報が前記接続対象の電子装置と当該電子装置との接続に切り替え可能である旨を示すときには、前記他の電子装置に対して前記接続対象の電子装置との接続の切断を要求する切断要求を送信することを特徴とする請求項1記載の電子装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記他の電子装置に対して前記自装置の識別情報を前記切断要求に含めて送信することを特徴とする請求項3記載の電子装置。
【請求項5】
接続対象の電子装置と無線通信により接続する電子装置であって、
前記接続対象の電子装置と接続している場合において、他の電子装置から送信された前記他の電子装置を識別する識別情報を受信したときには、前記他の電子装置の識別情報と、前記接続対象の電子装置と当該電子装置との接続の切断と、前記接続対象の電子装置と前記他の電子装置との接続とを要求する切り替え要求とを、前記接続対象の電子装置に対して送信する制御部を有することを特徴とする電子装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記接続対象の電子装置と接続している場合において、前記他の電子装置から接続情報の送信を要求する接続情報要求を受信したときには、前記他の電子装置に対して前記接続対象の電子装置との接続の状態が前記他の電子装置の接続に切り替え可能であるか否かを示す接続情報を送信することを特徴とする請求項5記載の電子装置。
【請求項7】
電子装置と無線通信により接続する電子装置であって、
自装置と接続中の電子装置から送信された、他の電子装置を識別する識別情報と、前記自装置と前記接続中の電子装置との接続の切断と、前記自装置と前記他の電子装置との接続とを要求する切り替え要求を受信した場合において、前記接続中の電子装置との接続の切断が完了したときには、前記他の電子装置の識別情報に基づき前記他の電子装置に対して前記他の電子装置との接続を要求する接続要求を送信する制御部を有することを特徴とする電子装置。
【請求項8】
接続対象の電子装置と無線通信により接続する電子装置を制御する無線通信制御プログラムであって、
電子装置を、
接続対象の電子装置と接続する際に、前記接続対象の電子装置が他の電子装置と接続されている場合には、前記他の電子装置に対して記憶部に記憶されている自装置を識別する識別情報を送信し、前記他の電子装置から送信された前記自装置の識別情報を受信した前記接続対象の電子装置からの前記接続対象の電子装置との接続要求を受信したときには、前記接続対象の電子装置と接続する制御部として機能させることを特徴とする無線通信制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−80284(P2012−80284A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−223018(P2010−223018)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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