説明

電子装置用接触復帰システムおよび方法

低電力消費の装置向けのスリープモードからの復帰信号生成システムを提供する。このシステムは、ユーザーが装置の特定の場所付近に指または手を置いて、該装置に触れた場合にキャパシタンスが変化するコンデンサを含んでいる。このコンデンサは、所定の値まで充電され、その後放電されるというサイクルを繰り返す。上記サイクルが行われるのにかかる時間は、コンデンサのサイズの関数である。言い換えると、上記サイクルが行われるのにかかる時間は、操作者が装置に触れているかどうかに依存する関数である。所定の期間中に生じた充電−放電のサイクルの数はカウントされる。サイクルの数が比較的少ない場合、それはユーザーが装置に触れているということを示し、復帰信号が生成される。サイクルの数が比較的多い場合、それはユーザーが装置に触れていないということを示し、復帰信号は生成されない。示されている実施形態では、操作者が装置に触れると復帰信号が生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置に関し、より詳しくは電子装置を復帰させるための方法およびシステムに関する。
【発明の背景】
【0002】
多くの電子装置においては、消費電力を低減することが必要となる。特に、電池駆動式の携帯用装置では、使用できる電力が限られている。消費電力を低減するためによく用いられる技術の一つには、低電力モードを設ける技術がある。このような低電力モードは、多くの場合「スリープモード」と呼ばれる。
【0003】
通常、装置がスリープモードにある場合、その装置内の構成要素の多くは停止している。この場合、デバイスが大きく遅れることなく完全に使用可能な状態を再開するのに必要となる構成要素のみがアクティブな状態となっている。スリープモードが設けられている装置は、装置をスリープモードから動作状態へ復帰させるために何らかの機構を備えていなければならない。通常、装置をスリープモードから動作モードへ復帰させることを、装置を復帰(再開)させる(waking)という。
【0004】
電子装置をスリープモードから復帰させるための既存の機構は複数ある。最も単純なものは、機械的なスイッチまたはボタンで、それらが押されたときに装置を復帰させるものである。他の既知のデバイスとしては、光学的もしくは機械的なモーションセンサなどがある。このようなモーションセンサは、例えば、電池駆動式の無線マウスが動かされたときにそれを復帰させるのに用いられる。手動の電池駆動式の装置を復帰させるための既存のデバイスには、複数の欠点がある。例えば、ボタンまたはスイッチは、操作者側にボタンまたはスイッチを押すという特定の物理的な動作を要求する。また、モーションセンサの多くは、追加のハードウェアを必要とする。最後に、既存のデバイスの多くは、電力消費が極めて少ない電子装置にとっては多量の電力を消費することになる。
【0005】
以下、手動式の電子装置をスリープモードから復帰させるための、改良された方法、システムおよびデバイスを説明する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以下、無線マウスのような低電力消費の電子装置に対してスリープモードからの復帰信号(wakeup signal)を生成するシステムおよび方法を説明する。ここで説明するシステムによると、前記電子装置は、操作者(ユーザー)がそれに触れるとすぐに復帰する。このシステムは、操作者がその装置に触れるとキャパシタンスが変化するコンデンサを含んでいる。金属ストリップ(コンデンサの一電極として接続されている)は、その装置を使用しようとしている操作者が該装置の金属ストリップ付近に触れるように設けられている。しかしながら、この金属ストリップと操作者が触れる表面との間には薄い絶縁層(例えばマウスケーシングなど)があってもよい。前記装置がスリープモードにある場合、キャパシタンス値は、一定期間ごとに測定される。そのキャパシタンス値が比較的大きいと判定された場合、それは操作者が当該装置に触れているということを意味し、スリープモードからの復帰信号が生成される。したがって、操作者が当該装置に触れると復帰信号が生成される。
【好適実施形態の詳細な説明】
【0007】
添付図面と関連して本発明の好適実施形態について説明する。本発明の他の複数の実施形態もまた実現可能であり実用化可能である。本発明は、多くの異なる形態で実施可能である。また、本発明は、ここで開示されている実施形態に限定されるようには解釈すべきではない。
【0008】
添付されている図は、本発明の好適実施形態およびこれらの実施形態の動作を示している。これらの図では、ボックス(ブロック)のサイズは、様々な物理的な構成要素のサイズを表そうとしているのではない。複数の図の中の同一の構成要素を示すために、同一の符号を用いている。
【0009】
様々なユニットの、当業者が本実施形態を理解するのに必要な部分だけを示しかつ説明している。従来と同じであって当技術分野で既知の部分および構成要素は示していない。
【0010】
図1は、バッテリ12によって電池駆動する無線コンピュータマウス10を示している。従来どおり、マウス10は、プラスチックのシェルまたはケーシング10Aと、図でLBと表されている左ボタンと、同じくRBと表されている右ボタンと、を有する。マウス10は、マウス10が所定の期間使われていない場合に、それを低電力のスリープモードに移行させる従来の回路13を有する。このような、装置をスリープモードに移行させる回路は、電力消費を低減させることが重要な装置においては標準的なものとなっている。通常の稼動状態(normal wake mode)においては、マウス10は、無線信号を生成してホストと通信する。スリープモードでは、トランスミッタ(送信機)は電源を切られ、それによって電力を節約する。
【0011】
マウス10は、以下でより詳しく説明する特殊な回路14を有する。この回路は、ユーザー(以下において、「操作者」ともいう)が少しでもマウスに触れると、マウス10を復帰させる信号を生成する。マウス10は、以下で説明するやり方で(スリープモードからの)復帰回路(wakeup circuit)を作動させる導電性ストリップ11を有する。
【0012】
他の実施形態では、装置10は無線マウス以外の装置であってもよいということが理解できるであろう。例えば、装置10は、携帯電話または携帯型メディアプレイヤーであってもよい。そして、以下で説明する回路は、ディスプレイをアクティブにするために用いたり、ディスプレイのバックライトをオンにするために用いたりしてもよい。
【0013】
導電性パッド11は、マウスケーシング10Aの内側で、通常ユーザーが装置の使用中にケーシング上に指を置くところに設けられる。マウスケーシング10Aは、厚さ約1ミリメーターの従来のプラスチックのマウスケーシングである。導電性パッド11は、コンデンサとして機能する。このコンデンサのキャパシタンスは、ユーザーの指がケースのストリップが設けられている場所に触れたときに変化する。
【0014】
この第一の実施形態は導電性パッド11を一つ備えているが、他の実施形態は、通常ユーザーが装置の使用中に指を置くところに、このような導電性パッドを二つ以上備えている。
【0015】
装置10内の復帰信号生成回路(wakeup signaling circuitry)は、図2A、2Bおよび2Cに示されているようにコンデンサおよびスイッチを備えており、図3に示されているように制御回路および論理回路(control and logical circuitry)を備えている。図5は、装置の動作を示すフローチャートである。まず、図2A、2Bおよび2Cと関連して、動作の基本原理の一部を説明し、その後、図4および5と関連して、システムの実際の動作を説明する。
【0016】
図2A、2Bおよび2Cは、可変コンデンサ21(導電性ストリップ11によって形成されている)と、スイッチ23と、電圧電源(voltage supply)25と、電圧測定回路(voltage measuring circuit)24を示している。
【0017】
コンデンサ21は、操作者がマウス10のパッド11が設けられている場所に触れたときにそのキャパシタンスが変化する可変コンデンサである。導電性ストリップ11はコンデンサとして機能する。オペレーターの指がマウス10の導電性ストリップ11付近に触れると、コンデンサ21のキャパシタンス値は増加する。
【0018】
コンデンサ21の第二の電極は、図に示されているようにグラウンド26に接続されている。スイッチ23は、コンデンサ21の第一の電極を、電源(voltage source)25とグラウンド26のどちらか一方に接続することができる。コンデンサ21が電源25に接続された場合、コンデンサは充電される。コンデンサがグラウンド26に接続された場合、コンデンサは放電される。スイッチ23は従来のトランジスタスイッチであることに注意されたし。
【0019】
ここで説明している特定の実施形態では、電源25は3ボルトの電源である。コンデンサ21のキャパシタンス値は、ストリップ11のサイズに依存する。この回路の動作にとって重要なのは、操作者が、装置のストリップ11付近に触れたときの当該キャパシタンスの変化量である。ここで説明している特定の実施形態では、ストリップ11は長さ1インチ(2.54 cm)、幅0.5インチ(1.27 cm)で、コンデンサ21に対する誘電体を成すケーシング11Aは厚さ1ミリメートルである。このような構成では、操作者が装置に指を置いたとき、コンデンサ21のキャパシタンスは、約2倍になる。しかし、正確なキャパシタンスの値がどう決まるかは、工学的設計の問題である。
【0020】
上で与えられた数値は、単に典型的な名目値であるということに注意されたし。この装置が適切に動作する上で重要なのは、操作者が装置に指を置いたときに、コンデンサ21のキャパシタンスが大きく変化することである。
【0021】
この装置は以下のように動作する。第一のステップは、リセットステップである。このステップの間に、コンデンサ21は放電される。短絡スイッチ(closing switch)23はコンデンサ21の両電極をグラウンド26に接続し、コンデンサ21は放電される。図2Aは、スイッチ23がコンデンサ21の放電位置に来ている状態の回路を示している。
【0022】
次のステップでは、スイッチ23は、正の電圧の電源25に接続される。図2Bには、スイッチ23が電源25に接続されている状態の回路が示されている。スイッチ23が電源25に接続されると、コンデンサ21は充電される。スイッチ23が電源25に接続されたときにコンデンサ21に蓄えることができる電荷の量はコンデンサ21のサイズによって決まる。従って、このコンデンサを所定の値まで充電するのに必要となる時間もコンデンサ21のサイズによって決まる。すなわち、操作者がストリップ11の近くに指を置くと、それによってコンデンサ21のキャパシタンスが大きくなり、より多くの電荷がコンデンサ21に蓄えられるので、コンデンサ21を充電するのにより多くの時間が必要となる。電圧検知器(voltage detector)24は、コンデンサ21の電圧が、コンデンサが充電されたことを示す所定の値に到達した時点を検出する。例えば、電源25の電圧が3.3ボルトであるとき、回路24によって検出される所定の値は3ボルトに設定することができる。
【0023】
オペレーションの第三のステップでは、スイッチ23はグラウンド26に接続される。このとき、コンデンサ21は放電される。通常、コンデンサ21のキャパシタンスが大きくなっている場合、コンデンサを放電するのにはより多くの時間が必要となる。回路24は、コンデンサ21がほぼ完全に放電され、該コンデンサの端子の電圧がほぼ0になったとき、コンデンサが放電されたことを検出する。正確に完全に放電された状態の電圧の値をどのように決めるかは、工学的設計の問題である。一般的に、その値は0ボルトよりわずかに大きくなる。
【0024】
コンデンサ21が放電された後、スイッチ23は、図2Bに示されているように電源25に再接続される。コンデンサ21が再充電されると、スイッチ23は、コンデンサ21が再放電されるように、再び図2Cに示されている状態に切り替えられる。
【0025】
このプロセスは、何回も繰り返される。つまり、スイッチ23は、所定の期間中、図2Bに示された状態と図2Cに示された状態との間を繰り返し遷移する。例えば、このサイクルを3ミリ秒で繰り返してもよい。
【0026】
所定の期間中に生じたサイクルの数から、操作者の指が、装置の導電性ストリップ11の設けられたところに位置しているかどうかがわかる。
【0027】
コンデンサ21のキャパシタンス値は、操作者が指(または手)を導電性ストリップ11の近くに置いているかどうかによって決まる。したがって、操作者が指または手を導電性ストリップ11の近くに置いている場合、コンデンサ21は比較的大きなキャパシタンス値を持ち、所定の期間中に生じるサイクルの数は少なくなる。
【0028】
所定の期間に生じるサイクルの数をカウントすることで、システムは、操作者が指で導電性ストリップ11に触れているかどうか判定することができる。装置10が低電力のスリープモードにある状態で、システムが、操作者は導電性ストリップ11に指を置いていると判定した場合、復帰信号が生成される。
【0029】
図3には、スイッチ23を制御する回路が示されている。この回路は、カウンタ31と、状態マシンおよび制御論理(state machine and control logic)32と、クロック33と、を含んでいる。この状態マシンおよび制御論理32は、スイッチ23を制御する出力および復帰信号の出力を有している。この復帰信号は、従来の復帰論理により処理される。
【0030】
図4の表は、状態マシンおよび制御論理32の制御下でのこの回路の動作のサイクルを示している。回路32内の論理回路および状態マシンは、従来どおりのものである。図4に示されている表は、三つの列をもつ。第一の列は、ユニット32内の状態マシンの状態のステップを示している。スイッチ23に関連する列は二つある。スイッチ23と書かれた箇所の下側の第一の列(電源(power)の列)は、スイッチ23が電源25に接続されているかどうかを示している。この第一の列の中に示されている「1」は、スイッチ23は電源25に接続されており、したがってコンデンサ21は充電中であるということを示している。この第一の列の中に示されている「0」は、スイッチ23は電源25に接続されていないということを示している。
【0031】
スイッチ23と書かれた箇所の下側の第二の列 (放電(discharge)の列)は、スイッチ23がグラウンド26に接続されているかどうかを示している。この第二の列の中に示されている「1」は、スイッチ23はグラウンド26に接続されているということを示している。同時に、これは、電荷がコンデンサ21からグラウンドに流れ、コンデンサ21が放電されているということを示している。この第二の列の中に示されている「0」は、スイッチ23はグラウンド26に接続されていないということを示している。
【0032】
サイクルは、リセットステップ(図4の表の第一のラインで示されている)から開始される。このステップの間、コンデンサ21は放電される。
【0033】
これに、図4でステップ「1」から「x」と示されている一連のステップが続く。この間、スイッチ23は、電源25に接続された状態と、グラウンド26に接続された状態との間を交互に遷移する。これらの各々のステップの間、まずコンデンサ21は充電され、続くステップで、コンデンサ21上の電荷はグラウンド26に送られる。
【0034】
検知器24は、コンデンサ21が完全に充電されると、それを検出し、各充電ステップを終わらせる。同様に、検知器24は、コンデンサ21が放電されると、それを検出し、各放電ステップを終わらせる。カウンタ31は、クロック回路33によって示される所定の時間内に生じたステップの数およびサイクルの数をカウントする。所定の期間内にカウンタ31によってカウントされたサイクルの数が比較的少なくなっている場合、それはコンデンサ21のキャパシタンスが比較的大きくなっているということを示す。これは操作者の指がパッド11の付近もしくはその上に置かれているということを意味する。一方、カウンタ31によってカウントされたサイクルの数が比較的多くなっている場合、それはコンデンサ21のキャパシタンスが比較的小さくなっていることを示す。これは操作者の指がパッド11の付近にはないということを意味する。
【0035】
好適実施形態では、パッド11のキャパシタンスは毎秒3回チェックされる。また、チェックは、1回につき約3マイクロ秒かかる。したがって、マウスがスリープモードにある場合、回路は1秒当たり、約9マイクロ秒だけアクティブ状態となる。マウスがスリープモードにない場合、チェックは行われない。
【0036】
図5は、この回路の動作を示すフローチャートである。この動作は連続的であり、上述したように、1/3秒ごとに新しいサイクルが開始される。すなわち、このオペレーションは1秒間で3サイクル行われる。クロック回路33は、この動作を従来どおりのやり方で制御する。ブロック501は、サイクルの開始を示している。予備(初期)ステップとして、ブロック502に示されているように、スイッチ23は、グラウンド26に接続され、コンデンサ21は放電される。コンデンサ21を放電するのに十分な時間だけ、スイッチ23は閉じたままにされる。このリセットステップの間に、カウンタ31も同様に0へ設定される。
【0037】
続いて、ブロック503に示されているように、スイッチ23は電源25に接続される。これにより、コンデンサ21を充電させる。スイッチ23は、コンデンサ21が完全に充電されるのに十分な時間、電源25に接続される。検知器24は、コンデンサが完全に充電されたことを検出する。検知器24が、コンデンサ21は完全に充電されていると判定したら、プロセスは、次のステップへ進む。
【0038】
次に、スイッチ23は、ブロック504に示されているように、グラウンド26に接続される。これにより、電荷が、コンデンサ21からグラウンド26へ運ばれ、コンデンサ21は放電される。この場合も再びスイッチ23は、検知器24が放電完了と判定するまでの間、グラウンド26に接続されたままとなる。したがって、検知器24が、コンデンサ21は放電し終わったと判定すると、システムは次のステップへ進むことができる。
【0039】
その後、所定の期間が終了したかどうか判定するために(回路32によって)テストが行われる。所定の期間が終了していない場合、プロセスは、ブロック503へ戻る。所定の期間が終了している場合、ブロック506によって示されているように、カウンタ31の値が読み取られる。ブロック507示されているように、カウンタ31の値が所定の高い値に到達しているかどうか判定するためのテストが行われる。カウンタ31の値が、高い値に到達している場合、それは操作者が装置に触れていなかったということを意味するので、プロセスはブロック501に戻る。
【0040】
カウンタ31のカウント値が比較的小さい場合、それは操作者がストリップ11付近で装置に触れているということを意味するので、ブロック508に示されているように復帰信号が生成される。
【0041】
一例として、操作者がストリップ11の設けられているところの近くに指または手を置いている場合のカウント値と、手が置かれていない場合のカウント値は、手が置かれていることによってキャパシタンスが倍となるとすると、それぞれカウント値100とカウント値200になるかもしれない。
【0042】
ここで、「操作者の指」という単語は操作者の手の任意の部分を意味するために用いられているということに注意されたし。したがって、「操作者の指」という単語は、装置10のストリップ11付近に置かれた操作者の手の任意の部分を意味する。復帰信号は、操作者の体の任意の部分が装置10のストリップ11付近に置かれた場合にも、上記回路によって生成される。本実施形態では、操作者は、手の任意の部分を装置10のストリップ11付近に置いて装置に触れる。複数のストリップを有している別の実施形態では、操作者は、手の任意の部分を装置の複数のストリップのうちのどれか一つの近くに置いて装置に触れる。
【0043】
上述した実施形態は、キャパシタンスを測定するのに特定の方法を利用している。他の実施形態では、キャパシタンスを測定するのに別の技術が利用されてもよいということに注意されたし。
【0044】
本発明は、その好適実施形態に関して、記載しかつ説明したが、本発明の範囲および精神から逸脱することなく他の多種多様な実施形態が実現可能であるということを理解されたし。本発明の範囲は、添付の請求項によってのみ制限される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】第一の実施形態の全体図である。
【図2A】第一の実施形態内のコンデンサおよびスイッチを示している。
【図2B】第一の実施形態内のコンデンサおよびスイッチを示している。
【図2C】第一の実施形態内のコンデンサおよびスイッチを示している。
【図3】スイッチに対する制御論理を示している。
【図4】複数のステップにおけるスイッチの状態を示す表である。
【図5】第一の実施形態の動作を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者が装置に触れたときに、該装置をスリープ状態から復帰させる復帰信号を生成する復帰システムであって、
前記装置の、該装置を使用中の操作者が触れる領域に設けられている導電性ストリップと、
電源と、
操作者が前記装置に触れるとキャパシタンスが増加するコンデンサを形成している前記導電性ストリップとの接続部、
前記コンデンサを前記電源に接続した状態と該コンデンサをグラウンドに接続した状態の二つの状態を取ることができるスイッチであって、それによって前記コンデンサが交互に充電と放電を繰り返す前記スイッチと、
前記コンデンサが所定の充電量に到達したかどうかと前記コンデンサが完全に放電されたかどうかを判定するための検知器と、
前記検知器に応じて前記スイッチの状態を周期的に切り替えるための制御回路であって、この切り替えが、前記コンデンサが前記所定の充電量に到達したときと前記コンデンサが完全に放電されたときにいつも行われる前記制御回路と、
所定の期間中に繰り返された前記スイッチのサイクル数をカウントするためのカウンタと、
前記所定の期間中の前記サイクル数が所定の数を下回った場合に前記起復帰信号を生成する回路と、
を有する前記復帰システム。
【請求項2】
前記装置が電池駆動式である請求項1に記載の復帰システム。
【請求項3】
前記装置が電池駆動式のマウスである請求項1に記載の復帰システム。
【請求項4】
前記装置がケーシングを有するマウスであり、かつ前記導電性ストリップが前記ケーシングの内側に設けられている請求項1に記載の復帰システム。
【請求項5】
前記ケーシングがプラスチック製である請求項4に記載の復帰システム。
【請求項6】
前記装置がコンピュータマウスであり、かつ前記導電性ストリップが該マウスの側部に設けられている請求項1に記載の復帰システム。
【請求項7】
前記コンデンサを形成している複数の導電性ストリップを有する請求項1に記載の復帰システム。
【請求項8】
前記所定の充電量が3ボルトの電圧を発生させる充電量である請求項1に記載の復帰システム。
【請求項9】
前記制御回路がクロックと、カウンタと、状態マシンと、を有する請求項1に記載の復帰システム。
【請求項10】
前記装置がプラスチック製のケーシングを有するコンピュータマウスであり、かつ前記導電性ストリップが該ケーシングの内側に設けられている請求項1に記載の復帰システム。
【請求項11】
低電力消費の装置に対して復帰信号を生成する方法であって、
操作者が前記装置に触れたときに、コンデンサのキャパシタンス値を比較的小さい値から比較的大きい値に変化させるステップと、
前記コンデンサのキャパシタンス値を一定期間ごとに測定するステップと、
前記コンデンサが比較的大きいキャパシタンス値を持っている場合、前記装置に対して復帰信号を生成するステップと、
を含む前記方法。
【請求項12】
前記装置が、所定の期間動かされないとスリープ状態へ移行する電池駆動式の無線コンピュータマウスである請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記装置が電池駆動式のマウスである請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記装置がケーシングを有するマウスであり、かつ前記導電性ストリップが該ケーシングの内側に設けられている請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ケーシングがプラスチック製である請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記コンピュータマウスが非導電性のケーシングを有しており、かつ前記コンデンサが、該ケーシングの内側に設けられた導電性ストリップによって形成されている請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記装置が、前記コンデンサを形成している複数の導電性ストリップを有する請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記装置がプラスチック製のケーシングを有するコンピュータマウスであり、かつ前記コンデンサが、前記ケーシングの内側に設けられている導電性ストリップから成る請求項11に記載の方法。
【請求項19】
装置をスリープ状態から復帰させる復帰信号を生成する復帰システムであって、
コンデンサを形成している導電性手段と、
前記コンデンサのキャパシタンス値を測定するための測定手段と、
前記コンデンサが比較的大きいキャパシタンス値を持っている場合に、前記測定手段に応じて、前記復帰信号を生成する回路手段と、を有し、
前記導電性手段が、操作者が前記装置に触れると該導電性手段のキャパシタンスが比較的小さい値から比較的大きい値に増加するように設けられていることを特徴とする前記復帰システム。
【請求項20】
前記装置がケーシングを有する電池式の無線マウスであり、かつ前記導電性手段が前記ケーシングの内側であって、通常操作者が前記マウスの使用時に前記マウスに触れる前記ケーシングの部分に設けられている請求項19に記載の復帰システム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−547107(P2008−547107A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518133(P2008−518133)
【出願日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際出願番号】PCT/US2006/009572
【国際公開番号】WO2007/001520
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(301020237)サイプレス セミコンダクター コーポレイション (18)
【Fターム(参考)】