説明

電子部品包装用カバーテープ

【課題】剥離強度のシール温度依存性、経時変化が小さく、シール性が安定していて、カバーテープ−電子部品間の摩擦により帯電した電子部品からの静電誘導現象を抑制する摩擦電子部品包装用カバーテープを提供する
【解決手段】基材層はポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン等の二軸延伸フィルムを積層したフィルムであり、中間層のうち、ヒートシーラント層と隣り合う層が凝集破壊をおこし、ヒートシーラント層を除くいずれかの層間のみに表面抵抗値1010Ω/□以下(23℃−15%RH環境下)である層を挿入し、ヒートシーラント面の表面抵抗値が104〜1012Ω/□である電子部品包装用カバーテープ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子部品の保管、輸送、装着に際し、電子部品を汚染から保護し、電子回路基板に実装するために整列させ、取り出せる機能を有する包装体のうち、ヒートシールされ得る電子部品包装用カバーテープに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ICを始めとして、トランジスター、ダイオード、コンデンサー、圧電素子レジスターなどの表面実装用電子部品は、電子部品の形状に合わせて、収納しうるエンボス成形されたポケットを有するトレーやポケットを連続的に形成したキャリアテープとキャリアテープにヒートシールしうるカバーテープとからなる包装体に包装されて供給されている。電子部品を包装したキャリアテープは通常、紙製或いはプラスチック製のリールに巻かれ、実装工程迄、その状態が維持される。内容物の電子部品はカバーテープを剥離した後のキャリアテープより、自動的に取り出され電子回路基板に表面実装されている。
【0003】
近年、総じて電子部品の小型化・高機能化が進むにつれて、静電気敏感性部品が増加し、静電気に起因する工程トラブルが生じている。電子部品の中でも特に半導体部品分野においては、高集積化・微細化、低動作電圧化に伴い、従来の静電気破壊特性を維持することが困難になってきている。その為、半導体部品メーカーの生産工程内や半導体部品ユーザーの組み立て工程内において、静電気放電(ELECTRO STATIC DISCHARGE、以下ESDという。)に起因する部品の破壊が問題となっている。
【0004】
半導体部品分野以外においてはESDに起因する電子部品の破壊はまれであったが、近年の電子機器の小型化・高機能化に伴い、実装される電子部品についても小型化・軽量化が急激に進んでおり、電子部品によっては搬送中の摩擦によるカバーテープと部品との間の帯電や、カバーテープを剥離する際に発生する静電気によって、帯電したカバーテープに電子部品が付着してしまい、ピックアップ不良等の工程トラブルを引き起こすことが問題となってきている。
【0005】
これらで問題となっている静電気については特許文献1にあるように、樹脂配合を調整してある一定の配合で、あるデバイスを対象に剥離時の帯電を抑えようとする方法もある。しかし、カバーテープが接触するのはデバイスのみではなく、シールする対象であるキャリアテープについても考慮する必要があるが、帯電系列の考え方から、異種物質が接触する時にはその組み合わせよって生じる帯電圧が変わるため、たとえば、カバーテープをシールするキャリアテープの素材によって、その効果にバラツキが生じてしまい、使用するキャリアテープによっては静電気による問題が解決できない。また、特許文献2では、中間層に界面活性剤等を練り込むことを前提として、外部帯電物からの静電誘導現象防止を図る手法をとっているが、この方法であるとフィルムの保管環境によっては中間層からの界面活性剤のブリード等がフィルム自体の物性に影響を及ぼし、シール性を悪くする。
また、特許文献3にあるように、親水基を有するポリマーを主とするイオン導電性の層を層間に挿入し静電防止を図る手法もあるがこの方法であると、上記親水基を有するポリマー間を水分で繋ぐ必要があるため、ある程度の湿度が無いと効果を発現しない。さらには特許文献4ではカバーテープの基材層の上面および下面にπ電子共役系導電性ポリマー層を設けているが、該導電性ポリマー層をカバーテープの上面に積層した場合にはカバーテープをシールする際にシール条件によっては熱コテの熱によって導電層が剥がれてしまい、また、下面に積層した場合にはシール性に影響を及ぼしてしまう。
【0006】
カバーテープの剥離機構も界面や転写による機構である場合、上記と同様に異種物質間での剥離となるため、剥離時の帯電圧が大きくなってしまい、ESDに起因する電子部品の破壊をもたらしたり、帯電したカバーテープに電子部品が付着してしまい、ピックアップ不良を引き起こしたり等の工程トラブルの原因になる場合がある。
【特許文献1】特開2003‐128132号公報
【特許文献2】特開2000‐142786号公報
【特許文献3】特開平08‐127755号公報
【特許文献4】特開2001‐301819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前述の様な静電気に起因する電子部品の貼り付きや破壊の問題を解決すべく、カバーテープと電子部品との間の摩擦による帯電や、カバーテープをキャリアテープから剥離する際の帯電を、フィルムの吸湿状態、キャリアテープの素材に依存することなく抑えることの出来るカバーテープを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
(1)基材層、中間層、接着層、ヒートシーラント層の少なくとも4層からなるカバーテープであり、前記ヒートシーラント層が最外層にあり、前記ヒートシーラント層と前期基材層との間に前記中間層があり、前記接着層は前記ヒートシーラント層以外の層の層間にあり、前記ヒートシーラント層面の表面抵抗値が104〜1012Ω/□(23℃−15%RH環境下)であり、前記接着層の表面抵抗値が1010Ω/□以下(23℃−15%RH環境下)であり、前記ヒートシーラント層面に5kvを印加して帯電させた時に帯電圧が1%以下となる減衰時間が0.1秒以下であり、前記カバーテープを電子部品が収納されるキャリアテープとヒートシーラント層を介してヒートシールした後300mm/minで前記キャリアテープから剥離した際の剥離時に発生する帯電圧の絶対値が100V以下であることを特徴とする電子部品包装用カバーテープである。
更に好ましい形態としては、
(2)前記基材層がポリエステル、ポリプロピレン、ナイロンの二軸延伸フィルムの内、少なくとも1種以上のフィルムである(1)に記載の電子部品包装用カバーテープであり、
(3)前記ヒートシーラント層が酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、カーボンの内のいずれか1種以上を含む(1)または(2)に記載の電子部品包装用カバーテープであり、
(4)前記剥離が中間層の凝集破壊により起こる(1)、(2)または(3)に記載の電子部品包装用カバーテープであり、
(5)前記カバーテープと電子部品を300rpmで1分間摩擦させた時のカバーテープ側の帯電圧が50V以下である電子部品包装用カバーテープである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に従うと、摩擦等によって帯電した電子部品からのカバーテープに対する静電誘導現象を湿度に依存することなく防止することが出来る。また、カバーテープについても凝集破壊機構による剥離となる為、キャリアテープの素材に左右されることなく、安定した剥離帯電抑制効果を得ることが出来るようになり、両者の効果によって、剥離時における電子部品の貼り付き及びESDによる電子部品の破壊を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のカバーテープの層構成を示す断面図であり、一例である。
【図2】本発明のカバーテープをキャリアテープにヒートシールし、その使用状態を示す断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明のカバーテープ1の構成要素を図で説明する。図1は本発明のカバーテープの層構成の一例を示す断面図である。図2は本発明のカバーテープをキャリアテープ6にヒートシールし、その使用状態を示す断面図である。
【0012】
本発明において、電子部品とは、例えば、ICを始めとする、トランジスター、ダイオード、コンデンサー、圧電素子レジスター等である。
図1において、基材層2は、カバーテープに剛性や耐引裂き性が必要な場合には、それらの性能を付与するために、複数のフィルムを積層しても良い。厚みは5〜30μmの透明で剛性の高いフィルムが好ましい。厚みが5μm以下では剛性がなくなり、カバーテープが切れやすくなる。30μmを越えると硬すぎてシールが不安定となる可能性がある。
基材層に用いられる材質としては、例えば、二軸延伸したポリエステル系フィルム、ナイロン系フィルム、ポリオレフィン系フィルムが挙げられるが、ヒートシール時の耐熱性から二軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。なお、基材層が2層以上の場合は、異なる材質であっても良い。
【0013】
ヒートシーラント層4はカバーテープの最外層にあり、通常は1層のみである。ヒートシーラント層は、例えば、アクリル系樹脂またはポリエステル系樹脂に、帯電防止剤として、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、カーボン等の金属フィラー及びポリオキシエチレンアルキルアミン、第四級アンモニウム、アルキルスルホネート等の界面活性剤の中から選ばれるいずれか一種またはそれらの混合物を添加し、表面抵抗値で104〜1012Ω/□(23℃−15%RH)になるように調整する。ただし上記の内、カーボンにはカーボンブラック、ホワイトカーボン、カーボン繊維、カーボンチューブ等の炭素からなる種々の形状のフィラーを含む。ブロッキング防止のためにケイ素、マグネシウム、カルシウムのいずれかを主成分とする酸化物粒子、例えば、シリカ、タルク等、又はポリエチレン粒子、ポリアクリレート粒子、ポリスチレン粒子の内、いずれか1種もしくはこれらのアロイを上記配合に添加しても良い。該層の形成方法としてはグラビュアコーティング法が望ましい。
【0014】
ヒートシーラント層面の表面抵抗値が104Ω/□未満であると、テーピング品(キャリアテープにカバーテープをシールしたもの)の外部で電荷が生じた際に抵抗が低すぎて、テーピング品の内部にある電子部品へ電気を伝導するために静電破壊を生じる恐れがあり、また、1012Ω/□を超えると静電気拡散性能が十分でなく、目的とする除電性能が発揮されずにカバーテープが帯電してしまい、トラブルの原因となる。
【0015】
前記ヒートシーラント層と基材層の間に中間層がある。中間層は少なくとも1層以上であり、ヒートシール後に剥離される時に凝集破壊をおこす層であり、ヒートシーラント層と隣接していることが好ましい。中間層の材質としては、たとえば、ポリエチレンとスチレンのアロイ等の相溶性の良くない樹脂のアロイが挙げられる。なお、剥離強度調整のために相溶化剤等を添加しても良い。中間層の厚みは5〜50μmである。中間層の形成方法については押出ラミネート法が安価で効率面から見て望ましい。
【0016】
前記ヒートシーラント層以外の層の間に接着層がある。接着層は、表面抵抗値が1010Ω/□以下(23℃−15%RH環境下)であり、図1および2は本発明の一例で、基材層と中間層の間に設けているが、実際には基材層や中間層が2層以上からなる場合、いずれかの層間のみに設ければ良い。接着層は、樹脂と導電性物質とを含み、樹脂の材質としては、たとえば、ウレタン系のドライラミネート用あるいはアンカーコート用接着樹脂が挙げられ、一般にポリエステルポリオールやポリエーテルポリオール等のポリエステル組成物とイソシアネート化合物を組み合わせたものである。導電性物質としては酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、カーボン等の金属フィラーおよび導電性ポリマー等の有機導電物のいずれかまたはそれらの混合物やそれらを含有する物質である。なお、カーボンにはカーボンブラック、ホワイトカーボン、カーボン繊維、カーボンチューブ等の炭素からなる種々形状フィラーを含む。導電性物質はポリエステル組成物とイソシアネート化合物を混合後に添加しても良いが、反応条件の安定を考えると、いずれかの樹脂に予め添加しおく方が好ましい。接着層の形成としてはコーティング等が挙げられる。
【0017】
接着層の表面抵抗値は1010Ω/□以下である。接着層の表面抵抗値が1010Ω/□を超えると、電気伝導性が十分でなく、後に記す静電誘導現象防止効果が発揮されず、カバーテープが帯電してしまい、ESDやピックアップ不良等のトラブルの原因となることを見出した。また、カバーテープを剥離する生産工程の環境は冬場には乾燥状態になることもあることから低湿度下においても表面抵抗値を1010Ω/□以下に保つ必要がある。
接着層については挿入される層間が延伸フィルム−延伸フィルム間であれば、ドライラミネート接着剤として挿入されている。延伸フィルム−中間層間であればアンカーコート剤として挿入されている。
【0018】
現在、上市されているカバーテープの内、キャリアテープから剥離される時の機構は界面剥離タイプ、転写剥離タイプ、凝集破壊タイプの3つに分類される。界面剥離タイプとは、カバーテープとキャリアテープのシール面が剥離されるものであり、転写剥離タイプとは剥離時にヒートシーラント材層自身がキャリアテープに転写されるものであり、凝集破壊タイプとはヒートシーラント材層とは異なる別の層或いはヒートシーラント層自身が破れる事により剥離されるタイプのものである。それぞれのタイプで一長一短あるがキャリアテープにヒートシールされたカバーテープを剥離する際の帯電に関する部分を比較す
ると、凝集破壊機構であると他の界面剥離機構や転写剥離機構と比べて同じ配合の樹脂間で剥離するために、帯電系列の考え方から、帯電しにくく、カバーテープとして好ましい。300mm/minでキャリアテープからカバーテープを剥離した際、剥離時に発生する帯電圧の絶対値が100V以下に抑えることが好ましい。また、常に同じ凝集破壊層で剥離するためにキャリアテープ素材による剥離帯電圧の差も生じにくい。
【0019】
静電誘導とは、絶縁体に帯電物が接近した時に絶縁体面に反対電荷が発生すること(誘導帯電)であり、この時、帯電物−絶縁体間には電気力線が生じる。これが、静電気発生の一要因であるが、その間に良誘電体を挿入すると該誘電体内には反対の電気力線が生じ、総合的に見ると電気力線を打ち消すことが出来、静電気の発生を抑制することが出来る。
電子部品の高速実装化が進む今日において、この静電誘導防止効果は良誘電体の誘電性に比例しており誘電性が低い(表面抵抗値が高い)と防止効果が弱まり、打消し時間(帯電の減衰時間)が長くなってしまうという問題が出現した。本発明では、表面抵抗値が1010Ω/□以下である接着層を積層することによって、ヒートシーラント層面に5kvを印加して帯電させた時に、帯電圧が1%になる時間が0.1秒以下にすることができ、静電誘導防止効果を発揮させることができた。
【0020】
この静電誘導防止効果を持つ層を挿入することによって、キャリアテープとカバーテープで電子部品を梱包し搬送する際に電子部品−カバーテープ間の摩擦によって帯電した電子部品からのカバーテープへの静電誘導現象を防止することができ、300往復/分で電子部品(サイズ:12mm×12mm、パッケージ:PLCC(プラスチックパッケージ)タイプ)と1分間摩擦させた時のカバーテープ側の帯電圧の絶対値を50V以下とすることが出来る。
【実施例】
【0021】
本発明の実施例を以下に示すがこれらの実施例によって本発明は何ら限定されるものではない。
<実施例1> 基材層として膜厚25μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを用い、接着層としてウレタン系接着剤に酸化亜鉛(添加量20%)を添加した塗料を用い、中間層としてポリエチレンとポリスチレンのアロイを用いて押出しラミネート法(押出し温度:280℃)により膜厚30μmに製膜した。アクリル樹脂に酸化錫(添加量20%)を添加したヒートシーラント層をグラビュアコーティング法により膜厚1μmで、前述の製膜したフィルム上に製膜して、図1に示した層構成のカバーテープを得た。
【0022】
得られたカバーテープを13.5mm幅にスリット後、16mm幅のPSキャリアテープ(素材:カーボン練りこみポリスチレン)に前記電子部品を挿入し、剥離時の強度(剥離速度:300mm/min)が40cNとなるようにヒートシール温度を調整してカバーテープをヒートシール(0.4mm巾×8mm長 2列・2度打ち)してサンプルを調整した。300往復/分の振動を1分間与え、デバイスを除いた後のカバーテープ上の帯電圧を測定した(摩擦後のカバーテープ表面電圧)。また、剥離した際の剥離機構を観察し、剥離時に発生する剥離帯電圧を測定した。帯電圧は絶対値で示した。表裏面の表面抵抗値はカバーテープをスリットする前に測定した。また、接着層の表面抵抗についてはフィルムを作成する途中で接着層を製膜し、樹脂を積層する前に測定した。
【0023】
<実施例2〜3及び比較例1〜5> 実施例1と同様にして、表1及び表2に記載の構成のカバーテープを作成し、実施例1と同様の評価を行った。
【0024】
<比較例6> 実施例2と同様の構成で、PEとPSのアロイよりなる中間層にノニオン系帯電防止剤を1重量部練りこんだ構成体を作成した。実施例2と比較例6のサンプルにて、環境保管テスト(保管環境:60℃、1週間)を実施した。環境保管前には、実施例2と比較例6ともヒートシール温度:180℃で40cNの強度が得られていたが、保管後では実施例2の構成体では変化が無かったが、比較例6の構成体では180℃のシールでは10cNの強度しか得られなかった。
【0025】
剥離時・摩擦時の帯電圧の測定はTREK株式会社製の表面電位計を用いて、サンプルとプローブとの間の距離を1mmに設定して実施した。
表面抵抗値の測定は、SIMCO社製の表面抵抗測定器を用いて、測定を実施した。
5kvに帯電させた時にカバーテープの帯電圧が1%に減少する時の減衰時間測定はETS株式会社製の静電気減衰測定器を用いて、測定を実施した。
実施例及び比較例の評価結果を表1及び表2に示す。
【0026】
【表1】

【0027】
【表2】

【0028】
なお、表1、表2中の記号及び表示物名は以下のものを示す。
o−PET :二軸延伸ポリエチレンテレフタレート
o−Ny :ニ軸延伸ナイロン
PE :ポリエチレン
PS :ポリスチレン
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は電子部品の保管、輸送、装着に際し、電子部品を汚染から保護し、電子回路基板に実装するために整列させ、取り出せる機能を有する包装体のうち、ヒートシールされ得るカバーテープとして使用ができ、特に剥離時や摩擦後に発生する静電気に注意した構成となっていることから、近年増加する傾向にある静電気敏感性デバイスをキャリアテープに梱包する際に使用するカバーテープとして適する。
【符号の説明】
【0030】
1 カバーテープ
2 基材層
3 中間層
4 ヒートシーラント層
5 接着層
6 キャリアテープ
7 電子部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層、中間層、接着層、ヒートシーラント層の少なくとも4層からなるカバーテープであり、前記ヒートシーラント層が最外層にあり、前記ヒートシーラント層と前期基材層との間に前記中間層があり、前記接着層は前記ヒートシーラント層以外の層の層間にあり、前記ヒートシーラント層面の表面抵抗値が104〜1012Ω/□(23℃−15%RH環境下)であり、前記接着層の表面抵抗値が1010Ω/□以下(23℃−15%RH環境下)であり、前記ヒートシーラント層面に5kvを印加して帯電させた時に帯電圧が1%以下となる減衰時間が0.1秒以下であり、前記カバーテープを電子部品が収納されるキャリアテープとヒートシーラント層を介してヒートシールした後300mm/minで前記キャリアテープから剥離した際の剥離時に発生する帯電圧の絶対値が100V以下であることを特徴とする電子部品包装用カバーテープ。
【請求項2】
前記基材層がポリエステル、ポリプロピレン、ナイロンの二軸延伸フィルムの内、少なくとも1種以上のフィルムである請求項1に記載の電子部品包装用カバーテープ。
【請求項3】
前記ヒートシーラント層が酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、カーボンの内のいずれか1種以上を含む請求項1または2に記載の電子部品包装用カバーテープ。
【請求項4】
前記剥離が中間層の凝集破壊により起こる請求項1、2または3に記載の電子部品包装用カバーテープ。
【請求項5】
前記カバーテープと電子部品を300rpmで1分間摩擦させた時のカバーテープ側の帯電圧が50V以下である請求項1、2、3または4に記載の電子部品包装用カバーテープ。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−30897(P2012−30897A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243051(P2011−243051)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【分割の表示】特願2006−103904(P2006−103904)の分割
【原出願日】平成18年4月5日(2006.4.5)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】