説明

電文配信装置、電文配信方法、および電文配信プログラム

【課題】保護者が在宅していなかったり、登録者が一人暮らしをしている場合等であっても、その登録者についての安全確認が迅速に行える電文配信装置を提供する。
【解決手段】配信装置1は、見守りサービスを開始する旨の入力を受け付けると、登録者によって設定された自宅到着予定時刻に達するのを待つ。配信装置1は、自宅到着予定時刻に達すると、メール送信部13から到着確認メールを送信し、この到着確認メールを送信した登録者に対して完了タイミングを決定する。配信装置1は、アクセス受付部14で到着確認メールを送信した携帯電話6によるアクセスを受け付けるか、完了タイミングに達するのを待つ。配信装置1は、到着確認メールを送信した携帯電話6によるアクセスを受け付けることなく、完了タイミングに達すると、この登録者が事件や事故等に巻き込まれた可能性があると判断し、登録者の到着未確認メールを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、登録者が事件や事故等に巻き込まれた可能性があるときに、その旨を、その登録者が予め設定している保護者や知人に電子メール等の電文を利用して通知する電文配信装置、電文配信方法、および電文配信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道の駅において、自動改札機を通過した利用者に対して、情報を配信する装置があった(特許文献1参照)。この特許文献1では、利用者が乗車券として利用できる媒体を所持している。この媒体には、識別番号が記録されている。センタには、乗車券の識別番号毎に、その乗車券を所持している利用者のメールアドレスや、配信を希望する情報の種類(例えばファッション、音楽、スポーツ)等、が登録されている。利用者が乗車券を利用して自動改札機を通過すると、この自動改札機から乗車券の識別コードを含む通過情報がセンタに通知される。センタは、受信した通過情報に含まれている媒体の識別コードから、自動改札機を通過した利用者を特定し、この利用者が配信を希望する種類の情報を電子メールで送信する。したがって、利用者は、自動改札機を通過する毎に、自分の趣味嗜好にあった情報を取得することができる。
【0003】
また、自動改札機における子供の通過情報を、その子供の保護者に電子メールで通知する装置も提案されている(特許文献2参照)。この特許文献2では、子供が自動改札機を通過した駅や、入場または出場等を保護者に通知する。これにより、保護者は、子供の行動や安全の確認が行え、子供が事件や事故等に巻き込まれた可能性があるときには、迅速に対応できる。例えば、保護者は、子供が自宅最寄り駅を出場した旨の通知を受信すると、自宅最寄り駅から自宅までの移動にかかる所要時間から、子供が帰宅する時間を推定することができる。したがって、保護者は、推定した時間を過ぎても子供が帰宅しないときに、事件や事故等に巻き込まれた可能性を考慮した行動が迅速に行える。
【特許文献1】特許第3912285号公報
【特許文献2】特開2002−197495号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2は、子供が自宅に帰ってくるのを、保護者が自宅で待っていることを前提にしており、保護者が外出していたり、子供が独り暮らしをしている場合についてまで考慮されていなかった。具体的には、保護者が自宅で子供の帰りを待っているときは、上述したように、子供が自宅最寄り駅を出場した旨の通知から推定した帰宅時間を過ぎても戻らないときには、事件や事故等に巻き込まれた可能性を考慮した行動が迅速に行える。一方、保護者が外出していたり、子供が独り暮らししている場合には、子供が自宅最寄り駅を出場した旨の通知から帰宅時間を推定することはできるが、実際に子供が自宅に戻ったかどうかを確認するには、子供に電話をかける等して連絡を取る必要がある。また、自宅に戻った子供が、お風呂に入っている等して連絡が取れないこともある。このため、保護者は、子供が実際に自宅に戻っているかどうか確認できるまでに長い時間を要する。したがって、子供が事件や事故等に巻き込まれ、自宅に戻っていないときに、迅速な対応がとれないという問題があった。
【0005】
この発明の目的は、保護者が在宅していなかったり、登録者が一人暮らしをしている場合等であっても、その登録者についての安全確認が迅速に行える電文配信装置、電文配信方法、および電文配信プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の電文配信装置は、上記課題を解決し、その目的を達するために以下のように構成している。
【0007】
送信先記憶手段には、媒体の識別コード毎に、第1の送信先のアドレス、および第2の送信先のアドレスが対応付けて記憶されている。第1の送信先のアドレスは、媒体の所有者(以下、登録者と言う。)の連絡先であり、例えば登録者の携帯電話のメールアドレスである。また、第2の送信先のアドレスは、登録者の保護者や知人等の連絡先であり、登録者の保護者や知人等の携帯電話のメールアドレスである。
【0008】
利用情報受信手段が、媒体が利用された装置から、利用された媒体の識別コードを含む利用情報を受信する。この利用情報によって、今回利用された媒体の所有者である登録者の行動や、居場所等が特定できる。例えば、媒体が乗車券である場合には、登録者がどこの駅で入場、または出場したのか特定できる。また、媒体がクレジットカードである場合には、登録者がどこの店舗で、どのような取引(買い物)をしたのか特定できる。電文送信手段が、前記利用情報受信手段が受信した利用情報に含まれている識別コードに対応付けられている第1の送信先のアドレスを前記送信先記憶手段から読み出し、ここでアドレスを読み出した第1の送信先に対して確認要求電文を送信する。この確認要求電文は、例えば。登録者に対して自宅に到着したかどうかの確認入力を要求する電文であったり、その登録者が無事に目的地についたかどうかの確認入力を要求する電文である。
【0009】
また、完了タイミング決定手段が、前記電文送信手段が前記確認要求電文を送信した第1の送信先に対して完了タイミングを決定する。そして、前記電文送信手段が、さらに、前記完了タイミング決定手段が完了タイミングを決定した第1の送信先から、この完了タイミングに達するまでの間に、完了通知にかかる応答がなければ、この第1の送信先に対応する第2の送信先のアドレスを前記送信先記憶手段から読み出し、ここでアドレスを読み出した第2の送信先に対して未確認通知電文を送信する。すなわち、登録者が先に送信した確認要求電文に対して完了通知にかかる応答が行えない状況であるとき、その登録者について予め設定されている保護者や知人等に対して、その旨を通知する電文(未確認通知電文)が速やかに送信される。登録者が先に送信した確認要求電文に対して完了通知にかかる応答が行えない状況は、この登録者が事件や事故等に巻き込まれた可能性がある。したがって、その登録者の保護者や知人等は、自分の居場所に関係なく、未確認通知電文を受信することができ、登録者が事件や事故等に巻き込まれた可能性があれば、迅速に対応できる。
【0010】
また、完了タイミングについては、前記利用情報受信手段が利用情報を受信したときに、該当する利用者に対して、完了タイミングを決定するのに用いる時間情報を入力させる構成としてもよいし、前記利用情報受信手段における利用情報の受信タイミングを基準にして、予め設定している時間情報に基づいて決定してもよい。
【0011】
さらに、媒体の識別コード毎に、前記電文送信手段による電文の送信を有効にする時間帯、曜日、駅、店舗等の条件が設定できるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、保護者が在宅していなかったり、登録者が一人暮らしをしている場合等であっても、その登録者についての安全確認が迅速に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明の実施形態について説明する。
【0014】
図1は、電文配信システムの構成を示す概略図である。この電文配信システムは、登録者が自宅最寄り駅を出場してから、自宅に到着するまでの間に、事件や事故等に巻き込まれなかったかどうかを見守るサービスを提供する。登録者が事件や事故等に巻き込まれた可能性があるときには、その旨を、その登録者について予め設定されている保護者や知人に通知する。
【0015】
この電文配信システムは、センタに設置された配信装置1と、各駅に設置された通過検知サーバ2と、を備えている。各駅には、自動改札機5や、図示していない券売機、精算機等の駅務機器が設置されている。改札口に設置されている自動改札機5は、通過検知サーバ2を介して、鉄道会社の駅サーバ(不図示)に接続されている。自動改札機5は、利用者が改札通路を通行する毎に、その利用者の通過情報を通過検知サーバ2を介して駅サーバに通知する。この通過情報には、利用者が改札通路を通行するのに利用した乗車券を識別する識別コード、通過駅(自動改札機5の設置駅)を示す駅コード、入出場の種別、通過時刻等が含まれている。また、駅サーバには、自動改札機5だけでなく、券売機や精算機等の駅務機器も接続されている。駅サーバは、各駅務機器から送信されてきた処理情報を集計し、管理する。また、駅サーバは、公衆回線網等を介して鉄道会社のセンタ装置(不図示)に接続されている。センタ装置は、各駅の駅サーバから送信されてきた情報を集計し、管理する。自動改札機5等の駅務機器、駅サーバ、センタ装置によって公知の駅務システムが構成される。駅務システムの詳細な説明については省略する。
【0016】
通過検知サーバ2は、自動改札機5から送られてきた通過情報毎に、その通過情報が本システムにより見守りサービスを提供する登録者の通過情報であるかどうかを判定する。自動改札機5で生成される通過情報には、上述したように、改札通路を通行した通過者が利用した乗車券の識別コードが含まれている。通過検知サーバ2は、登録者毎にその登録者の乗車券の識別コードを記憶している。通過検知サーバ2は、自動改札機5から送られてきた通過情報に含まれている乗車券の識別コードが、記憶しているいずれかの登録者の乗車券の識別コードと一致すれば、その通過情報を配信装置1に通知し、記憶しているいずれの登録者の識別コードとも一致しなければ、その通過情報を配信装置1に通知しない。このように、通過検知サーバ2は、登録者の通過情報でなければ、この通過情報を無視し、反対に登録者の通過情報であれば、この通過情報を配信サーバ1に通知する。
【0017】
なお、ここでは、無用な通過情報(未登録者の通過情報)が配信装置1に通知されるのを防止するために、通過検知サーバ2を設けているが、通過検知サーバ2を無くし、登録者であるかどうかにかかわらず、全ての通過者の通過情報を配信装置1に通知する構成としてもよい。この場合には、配信装置1が、通知された通過情報毎に、その通過情報が登録者の通過情報であるかどうかを判定すればよい。
【0018】
配信装置1は、登録者や、この登録者について設定されている保護者や知人等の携帯電話6等に対して電子メールを送信する機能を有している。図2は、この配信装置の主要部の構成を示す図である。配信装置1は、制御部10と、通過情報受信部11と、登録者情報記憶部12と、メール送信部13と、アクセス受付部14と、を備えている。制御部10は、配信装置1本体各部の動作を制御する。通過情報受信部11は、公衆回線網等を介して通過検知サーバ2と接続され、この通過検知サーバ2から送られてきた通過情報を受信する。この通過情報が、この発明で言う利用情報に相当する。登録者情報記憶部12は、本システムの登録者毎に、登録者の氏名、乗車券の識別コード、自宅最寄り駅、サービス提供希望時間帯、サービス提供希望曜日、第1のメールアドレス、第2のメールアドレス等を対応付けた登録者情報を記憶している(図3参照)。自宅最寄り駅は、登録者の自宅最寄り駅であり、登録者が本システムによる見守りサービスの提供が受けられる駅である。サービス提供希望時間帯は、登録者が本システムによるサービスの提供希望する時間帯である。サービス提供希望曜日は、登録者が本システムによるサービスの提供を希望する曜日である。第1のメールアドレスは、通常、本サービスの提供を受ける登録者の携帯電話6に設定されているメールアドレスである。また、第2のメールアドレスは、通常、本サービスの提供を受ける登録者の保護者や知人等の携帯電話6に設定されているメールアドレスである。登録者情報として登録されている各項目は、その登録者が登録時等に指定した内容である。
【0019】
メール送信部13は、登録者情報に含まれている第1のメールアドレスや、第2のメールアドレスを宛先とした電子メールを作成し、送信する。メール送信部13は、所謂メールサーバの機能を有する。アクセス受付部14は、利用者の携帯電話6等によるアクセスを受け付ける。アクセス受付部14は、例えばWebサーバの機能を有し、携帯端末6によりアクセス可能なページをネットワーク上で公開している。アクセス受付部14は、このページにアクセスした携帯電話6による入力を受け付ける。
【0020】
以下、この配信システムの動作について説明する。
【0021】
各駅の自動改札機5は、利用者が通過する毎に、通過情報を通過検知サーバ2を介して駅サーバに通知する。また、通過検知サーバ2は、自動改札機5から送られてきた通過情報が登録者の通過情報であるかどうかを判定し、登録者の通過情報であれば、この通過情報を配信装置1に通知する。
【0022】
図4は、配信装置の動作を示すフローチャートである。配信装置1は、通過検知サーバ2から通知された通過情報を受信すると、その通過情報が自宅最寄り駅を出場した登録者の通過情報であるかどうかを判定する(s1)。s1では、今回受信した通過情報に含まれている入出場の種別が入場であれば、本処理を終了する。一方、今回受信した通過情報に含まれている入出場の種別が出場であれば、該当する登録者の登録者情報を登録者情報記憶部12から読み出す。そして、今回受信した通過情報に含まれる通過駅の駅コードが、該当する利用者について登録されている自宅最寄りであるかどうかを判定する。配信装置1は、今回受信した通過情報が自宅最寄り駅を出場した登録者の通過情報でなければ、本処理を終了する。
【0023】
配信装置1は、今回受信した通過情報が自宅最寄り駅を出場した登録者の通過情報であれば、現時点が、この登録者について設定されている見守りサービスの提供を希望する曜日、および時間帯であるかどうかを判定する(s2、s3)。上述したように、登録者毎に、見守りサービスの提供を希望する曜日、および時間帯は登録者情報として登録されている。配信装置1は、該当する登録者について、登録されている曜日、または時間帯の少なくとも一方が異なれば、本処理を終了する。配信装置1は、例えば、見守りサービスの提供を希望する曜日が月曜から金曜の平日で、時間帯が19時から23時までの時間帯である登録者であれば、通過情報を受信した曜日が土曜や日曜であったときや、通過情報を受信した時刻が10時であったとき等に、本処理を終了する。
【0024】
配信装置1は、現時点が、この登録者について登録されている見守りサービスを提供を希望する曜日、および時間帯であると判定すると、メール送信部13において、見守りサービスの提供を実行するかどうかを問い合わせる開始確認メールを送信する(s4)。s4で送信する開始確認メールの宛先は、この登録者について登録されている第1のメールアドレスである。すなわち、登録者自身に対して、見守りサービスの提供を実行するかどうかを問い合わせる開始確認メールを送信する。また、s4で送信する開始確認メールは、アクセス受付部14がネットワーク上で公開しているページへのリンクを含んでいる。
【0025】
図5は、配信装置がs4で送信した開始確認メールを受信した携帯電話の表示画面例を示す図である。配信装置1は、s4で開始確認メールを送信すると、アクセス受付部14でメールを送信した携帯電話6によるアクセスを受け付けるか、s4にかかるメールの送信から予め定められた第1の時間(例えば、1〜2分)経過するのを待つ(s5、s6)。配信装置1は、アクセス受付部14でメールを送信した携帯電話6によるアクセスを受け付けることなく、s4にかかるメールの送信から第1の時間(例えば、1〜2分)経過すると、本処理を終了する。
【0026】
配信装置1は、アクセス受付部14で開始確認メールを送信した携帯電話6によるアクセスを受け付けると、見守りサービスを実行するかどうか、および見守りサービスを実行する場合には自宅到着予定時刻の設定にかかる入力を受け付ける。開始確認メールを受信した登録者は、この開始確認メールに含まれているリンクを選択することによって、配信装置1にアクセスできる。
【0027】
図6は、s4で受信した開始確認メールに含まれているリンクを選択し、該当するページにアクセスした携帯電話6の表示画面例を示している。メールアドレスについては、自動的に入力される構成であってもよいし、登録者が入力する構成であってもよい。このメールアドレスは、アクセスしている登録者の識別に用いることができる。登録者は、ここで見守りサービスを実行するかどうかや、自宅到着予定時刻(現時点からの所要時間)の設定にかかる入力操作を行う。登録者は、この入力操作を完了すると、配信装置1に対するアクセスを終了する。配信装置1は、アクセス受付部14で見守りサービスを開始しない旨の入力を受け付けると(s7)、本処理を終了する。
【0028】
一方、配信装置1は、見守りサービスを開始する旨の入力を受け付けると、設定された自宅到着予定時刻に達するのを待つ(s8)。配信装置1は、設定された自宅到着予定時刻に達すると、メール送信部13から到着確認メールを送信する(s9)。この到着確認メールが、この発明で言う確認要求電文に相当する。s9で送信する到着確認メールの宛先は、この登録者について登録されている第1のメールアドレスである。また、また、s9で送信する到着確認メールも、上述した開始確認メールと同様に、アクセス受付部14がネットワーク上で公開しているページへのリンクを含んでいる。
【0029】
図7は、配信装置がs9で送信した到着確認メールを受信した携帯電話の表示画面例を示す図である。配信装置1は、s9で到着確認メールを送信すると、この到着確認メールを送信した登録者に対して完了タイミングを決定する(s10)。s10では、例えば、到着確認メールを送信した時刻から、予め定めた第2の時間(例えば、1〜2分)経過した時刻を、完了タイミングに設定する。
【0030】
配信装置1は、アクセス受付部14で到着確認メールを送信した携帯電話6によるアクセスを受け付けるか、s10で決定した完了タイミングに達するのを待つ(s11、s12)。配信装置1は、アクセス受付部14で到着確認メールを送信した携帯電話6によるアクセスを受け付けると、この登録者が事件や事故等に巻き込まれることなく、自宅に到達したとみなし、本処理を終了する。一方、配信装置1は、到着確認メールを送信した携帯電話6によるアクセスを受け付けることなく、完了タイミングに達すると、この登録者が自宅に戻れない状況、すなわち事件や事故等に巻き込まれた可能性があると判断し、登録者の到着未確認メールを送信し(s13)、本処理を終了する。この到着未確認メールの宛先は、この登録者について登録されている第2のメールアドレスである。すなわち、この登録者について登録されている保護者や、知人等に対して、到着未確認メールを配信する。
【0031】
このように、配信装置1は、登録者が自宅最寄り駅を出場したタイミングで、この登録者に対して見守りサービスの実行の要否を確認する。したがって、登録者は、そのときの状況に応じて、見守りサービスを実行するかどうかの選択が行える。例えば、友人等の複数人のグループで自宅に向かっているときに、見守りサービスを実行しない選択が行える。また、配信装置1は、登録者に対して送信した到着確認メールに対して、この登録者からのアクセスがなければ、予め設定されている第2のメールアドレスを宛先にした、到着未確認メールを送信するので、登録者が一人暮らしであったり、また同居している保護者等が外出していても、登録者が事件や事故に巻き込まれた可能性があることを、保護者や知人に通知できる。したがって、登録者が事件や事故に巻き込まれた可能性がある場合に、その登録者の保護者や知人が迅速に対応できる。
【0032】
また、上記実施形態では、登録者が自宅最寄り駅を出場したタイミングが、見守りサービスの提供を受けるタイミングであれば、その登録者に対して見守りサービスを実行するかどうかを確認する開始確認メールを送信するとしたが、この開始確認メールを送信しない構成としてもよい。この場合には、登録者情報記憶部12が記憶する登録者情報に、予め自宅最寄り駅から自宅に到着するまでに要する所要時間を加える。また、配信装置1は、図8に示す処理を行う。図8では、図4と同じ処理については、同じステップ番号を付与している。
【0033】
この配信装置1は、上述したs1〜s3の処理を行い、現時点が、この登録者について登録されている見守りサービスの提供を希望する曜日、および時間帯であると判定すると、到着予定時刻を算出する(s21)。s21では、今回の通過情報の受信時刻から、この登録者について登録されている自宅最寄り駅から自宅までの所要時間経過した時刻を、到着予定時刻として算出する。そして、配信装置1は、s21で到着予定時刻を算出すると、上述したs8以降の処理を行う。
【0034】
これにより、配信装置1が登録者に対して配信するメールの総数を抑えることができ、配信装置1の処理負荷が抑えられる。また、登録者は、見守りサービスの開始を要求するための操作を行わなくてもよいので、登録者の手間が削減され、利便性の向上が図れる。
【0035】
また、図8では、開始確認メールを送信しない構成としたが、到着確認メールを送信しない構成としてもよい。図9は、この場合の配信装置の動作を示すフローチャートである。配信装置1は、上述したs1〜s7にかかる処理を行う。このとき、配信装置1は、s4で送信する開始確認メールにおいて、上述した、見守りサービスを実行するかどうか、および見守りサービスを実行する場合には自宅到着予定時刻の設定にかかる入力を要求するだけでなく、自宅到着後に再度アクセスし、完了通知にかかるアクセスを要求する(図10参照)。すなわち、ここでは開始確認メールを、上述した開始確認メール、および到着確認メールとして利用している。
【0036】
配信装置1は、s7で見守りサービスを開始すると判定すると、s10で完了タイミングを決定し、s11以降の処理を行う。s10では、利用者によって設定された自宅到着予定時刻から数分経過したタイミングを完了タイミングに決定する。
【0037】
この場合も、配信装置1が登録者に対して配信するメールの総数を抑えることができ、配信装置1の処理負荷が抑えられる。
【0038】
また、図11に示すs22を加えて、見守りサービスを実行した登録者が自宅に到達したことが確認できたときに、その登録者が自宅に到着したことを通知する到着通知メールを、この登録者や保護者や知人に送信する構成としてもよい。
【0039】
なお、上記の説明では、自宅最寄り駅を出場した登録者が、自宅に到着するまでを見守るサービスを提供するものとして、本願発明を説明したが、店舗で買い物した登録者が目的地に到達するまでを見守るサービスや、銀行等の金融期間で出金取引を行った登録者が目的地に到達するまでを見守るサービスを提供することもできる。また、ここで言う目的地は、自宅であってもよいし、他の場所であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】電文配信システムの構成を示す概略図である。
【図2】配信装置の主要部の構成を示す図である。
【図3】登録者情報を示す図である。
【図4】配信装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】配信装置がs4で送信したメールを受信した携帯電話における表示画面例を示す図である。
【図6】s4で受信したメールにリンク付けされているページにアクセスした携帯電話における表示画面例を示している。
【図7】配信装置がs9で送信したメールを受信した携帯電話における表示画面例を示す図である。
【図8】別の例にかかる配信装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】別の例にかかる配信装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】配信装置がs4で送信したメールを受信した携帯電話における表示画面例を示す図である。
【図11】別の例にかかる配信装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0041】
1−配信装置
2−通過検知サーバ
5−自動改札機
6−携帯電話
10−制御部
11−通過情報受信部
12−登録者情報記憶部
13−メール送信部
14−アクセス受付部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体の識別コード毎に、第1の送信先のアドレス、および第2の送信先のアドレスを対応付けて記憶する送信先記憶手段と、
媒体が利用された装置から、利用された媒体の識別コードを含む利用情報を受信する利用情報受信手段と、
前記利用情報受信手段が受信した利用情報に含まれている識別コードに対応付けられている第1の送信先のアドレスを前記送信先記憶手段から読み出し、ここでアドレスを読み出した第1の送信先に対して確認要求電文を送信する電文送信手段と、
前記電文送信手段が前記確認要求電文を送信した第1の送信先に対して完了タイミングを決定する完了タイミング決定手段と、を備え、
前記電文送信手段は、前記完了タイミング決定手段が完了タイミングを決定した第1の送信先から、この完了タイミングに達するまでの間に、完了通知にかかる応答がなければ、この第1の送信先に対応する第2の送信先のアドレスを前記送信先記憶手段から読み出し、ここでアドレスを読み出した第2の送信先に対して未確認通知電文を送信する手段である、電文配信装置。
【請求項2】
前記利用情報受信手段が受信した利用情報に含まれている識別コードに対応付けられている第1の送信先から、前記完了タイミングを決定するのに用いる時間情報の入力を受け付ける時間情報受付手段を備え、
前記完了タイミング決定手段は、前記時間情報受付手段が受け付けた時間情報に基づいて、該当する第1の送信先に対する完了タイミングを決定する手段である、請求項1に記載の電文配信装置。
【請求項3】
前記電文送信手段は、前記利用情報受信手段が利用情報を受信したときに、この利用情報に含まれている識別コードに対応付けられている第1の送信先に対して、前記確認要求電文を送信するタイミングを指定する時間情報の入力を要求する電文を送信する手段であり、
前記完了タイミング決定手段は、前記確認要求電文の送信から予め定めた一定時間経過したタイミングを、前記完了タイミングに決定する手段である、請求項2に記載の電文配信装置。
【請求項4】
前記送信先記憶手段は、媒体の識別コード毎に、前記電文送信手段による電文の送信を有効にする時間帯も対応付けて記憶する手段である、請求項1〜3のいずれかに記載の電文配信装置。
【請求項5】
前記利用情報受信手段は、駅の自動改札機で使用された乗車券の識別コードを含む通過情報を利用情報として受信する手段である、請求項1〜4のいずれかに記載の電文配信装置。
【請求項6】
前記送信先記憶手段は、乗車券の識別コード毎に、前記電文送信手段による電文の送信を有効にする駅も対応付けて記憶する手段である、請求項5に記載の電文配信装置。
【請求項7】
送信先記憶手段には、媒体の識別コード毎に、第1の送信先のアドレス、および第2の送信先のアドレスが対応付けて記憶されており、
利用情報受信手段が、媒体が利用された装置から、利用された媒体の識別コードを含む利用情報を受信し、
電文送信手段が、前記利用情報受信手段が受信した利用情報に含まれている識別コードに対応付けられている第1の送信先のアドレスを前記送信先記憶手段から読み出し、この読み出したアドレスに対して確認要求電文を送信し、
完了タイミング決定手段が、前記電文送信手段が前記確認要求電文を送信した第1の送信先に対して完了タイミングを決定し、
前記完了タイミング決定手段が完了タイミングを決定した第1の送信先から、この完了タイミングに達するまでの間に、完了通知にかかる応答がなければ、この第1の送信先に対応する第2の送信先のアドレスを前記送信先記憶手段から読み出し、ここでアドレスを読み出した第2の送信先に対して未確認通知電文を送信する、電文配信方法。
【請求項8】
送信先記憶手段には、媒体の識別コード毎に、第1の送信先のアドレス、および第2の送信先のアドレスが対応付けて記憶されており、
利用情報受信手段が、媒体が利用された装置から、利用された媒体の識別コードを含む利用情報を受信する第1のステップと、
電文送信手段が、前記利用情報受信手段が受信した利用情報に含まれている識別コードに対応付けられている第1の送信先のアドレスを前記送信先記憶手段から読み出し、この読み出したアドレスに対して確認要求電文を送信する第2のステップと、
完了タイミング決定手段が、前記電文送信手段が前記確認要求電文を送信した第1の送信先に対して完了タイミングを決定する第3のステップと、
前記完了タイミング決定手段が完了タイミングを決定した第1の送信先から、この完了タイミングに達するまでの間に、完了通知にかかる応答がなければ、この第1の送信先に対応する第2の送信先のアドレスを前記送信先記憶手段から読み出し、ここでアドレスを読み出した第2の送信先に対して未確認通知電文を送信する第4のステップと、をコンピュータに実行させる電文配信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−288821(P2009−288821A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−137349(P2008−137349)
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】