説明

電極用収納体

【課題】開封しないで内容物を目視により確認できる上に、環境への負荷が小さい電極用収納体を提供する。
【解決手段】電極用収納体1は、物質の特性を測定する電極100が収納されており、一端に開口部が形成された有底筒状の一対の透明樹脂製容器(第1の透明樹脂製容器10a,第2の透明樹脂製容器10b)が接続されて一体化されている。さらに、一方の透明樹脂製容器(第1の透明樹脂製容器10a)に、他方の透明樹脂製容器(第2の透明樹脂製容器10b)の開口部11b側末端が挿入されていてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物質の特性を測定する電極が収納された電極用収納体に関する。
【背景技術】
【0002】
物質の特性、例えば、pH、酸化還元電位、イオン濃度や気中のガス濃度などの特性は、電極を用いて広く測定されており、測定対象に応じた多種類の電極が用いられている。
従来、このような電極を運搬または保管する際には、破損防止のために、紙製の箱に収納するのが一般的であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、紙製の箱は不透明であり、内容物を透視できないため、目視によって電極の種類の確認や付属品梱包の確認を行えなかった。したがって、製品出荷時には、箱を開封して確認作業をしなければならないため、確認作業に手間を要する上に、箱が損傷するという問題があった。そこで、電極の収納体の材質を紙から透明樹脂に置き換えることが考えられるが、紙に比べて樹脂は廃棄の際の環境への負荷が大きいという問題がある。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、開封しないで内容物を目視により確認できる上に、環境への負荷が小さい電極用収納体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の電極用収納体は、物質の特性を測定する電極が収納された電極用収納体であって、一端に開口部が形成された有底筒状の一対の透明樹脂製容器が接続されて一体化されていることを特徴とする。
本発明の電極用収納体においては、一方の透明樹脂製容器に、他方の透明樹脂製容器の開口部側末端が挿入されていることが好ましい。
また、本発明の電極用収納体においては、一対の透明樹脂製容器の間に、両端に開口部が形成された筒状の接続部材が介在しており、少なくとも一方の透明樹脂製容器に接続部材の末端が挿入されていることも好ましい。
さらに、本発明の電極収納体においては、一対の透明樹脂製容器の間に、両端に開口部が形成された筒状の接続部材が介在しており、少なくとも一方の透明樹脂製容器の開口部側末端が接続部材に挿入されていることも好ましい。
【発明の効果】
【0005】
本発明の電極用収納体は、開封しないで内容物を目視により確認できる。また、本発明の電極用収納体は、収納の目的以外にも、測定するサンプルや校正用の標準液を入れる容器として利用できるから、資源を有効に利用することができ、環境への負荷を小さくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(第1の実施形態)
本発明の電極用収納体の第1の実施形態について説明する。
図1および図2に、本実施形態の電極用収納体を示す。この電極用収納体1は、物質の特性を測定する電極100が収納されたものであり、一端に開口部11aが形成された有底円筒状の第1の透明樹脂製容器10a(図3参照)と、一端に開口部11bが形成された有底円筒状の第2の透明樹脂製容器10b(図4参照)とを有し、これらが一体化されたものである。
電極収納体1における第1の透明樹脂製容器10aの開口部11a近傍には、2つの凹部A,Aおよび2つの凸部B,Bを有する凹凸部12aが形成され、第2の透明樹脂製容器10bの開口部11b近傍には、2つの凹部C,Cおよび凸部D,Dを有する凹凸部12bが形成されている。また、凹凸部12a,12bの形状は略同一になっている。ここでいう、凹部、凸部は、第1の透明樹脂製容器10aまたは第2の透明樹脂製容器10bを外側から見た際の形状のことである。
そして、第1の透明樹脂製容器10aに形成された凹凸部12aの凸部Bの裏面に、第2の透明樹脂製容器10bに形成された凹凸部12bの凸部Dの表面が接するように、第1の透明樹脂製容器10aに第2の透明樹脂製容器10bの開口部11b側末端が挿嵌されている(図2参照)。
また、電極用収納体1では、第2の透明樹脂製容器10bより外側にある第1の透明樹脂製容器10aの開口部11a側末端を覆うように、熱収縮した熱収縮性樹脂フィルム20が被覆されている。
【0007】
第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器10bは、内部が視認できる程度の透明性を有していればよく、いわゆる半透明であってもよいし、着色されていても構わない。
本実施形態では、第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器10bは、凹凸部12aが形成された第1の透明樹脂製容器10aへの第2の透明樹脂製容器10bの挿入を容易にするために、弾性の高い透明樹脂から構成されている。ここで、弾性の高い透明樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、透明ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられる。
第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器10bの材質は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0008】
第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器10bの底面13a,13bは、開口部11a,11bを上に向けた際に第1の透明樹脂製容器10a、第2の透明樹脂製容器10bがそれぞれ自立できる形状になっていることが好ましい。
第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器10bの高さおよび直径は、電極用収納体1内に電極100および必要に応じて付属品を収納できる範囲であることが好ましく、具体的には、第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器10bの高さが15〜30cm、直径が5〜8cmであることが好ましい。
【0009】
第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器10bには所定の位置に目盛り線を形成しておくことが好ましい。目盛り線を形成しておけば、第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器10bを計量容器として利用できる。
目盛り線としては、第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器10bの所定の位置の周面に沿って形成された凸条または溝などが挙げられる。
【0010】
熱収縮性樹脂フィルム20としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン、多層ポリオレフィンなどの樹脂フィルムが挙げられる。高い熱収縮性を得るためには、前記樹脂フィルムをあらかじめ延伸しておくことが好ましい。
この熱収縮性樹脂フィルム20には、開封を容易にするために、ミシン目21が形成されていることが好ましい。
【0011】
電極用収納体1への電極100の収納は、例えば、以下のようにして行われる。まず、第1の透明樹脂製容器10a内に電極100および必要に応じて取扱説明書、検査合格証や電極内部液等の付属品を入れる。その後、第1の透明樹脂製容器10aに、第2の透明樹脂製容器10bを開口部11b側末端から挿入し、第1の透明樹脂製容器10aに形成された凹凸部12aの凸部Bに、第2の透明樹脂製容器10bに形成された凹凸部12bの凸部Dを嵌め込む。次に、第1の透明樹脂製容器10aの開口部11a側末端およびその周辺を、熱収縮していない熱収縮性樹脂フィルムで覆った後、加熱して熱収縮性樹脂フィルムを収縮させて第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器10bに密着させる。これにより、電極用収納体1を形成しつつ、電極用収納体1内に電極100を収納することができる。
【0012】
電極用収納体1に収納される電極100としては、例えば、pH測定用の電極、酸化還元電位または酸化還元電流測定用の電極、イオン濃度測定用の電極、溶存酸素濃度測定用の電極、あるいは、ガス濃度測定用の電極などが挙げられる。電極100の形状としては、図1に示すように、棒状のものでもよいが、他の形状であっても構わない。
【0013】
以上説明した電極用収納体1は、第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器10bが接続されて一体化されたものであるから、開封しなくても内容物を目視により確認することができる。
また、上述した電極用収納体1では、第1の透明樹脂製容器10aの凹凸部12aに第2の透明樹脂製容器10bの凹凸部12bが挿嵌されており、第1の透明樹脂製容器10aから第2の透明樹脂製容器10bが抜き出にくくなっている。そのため、一体化した第1の透明樹脂製容器10aと第2の透明樹脂製容器10bとが分離しにくくなっており、例えば、輸送時等、激しく振動する場合でも分離しにくい。
さらに、上述した電極用収納体1では、第1の透明樹脂製容器10aの開口部11a側末端を覆うように、熱収縮した熱収縮性樹脂フィルム20が被覆されており、第1の透明樹脂製容器10aと第2の透明樹脂製容器10bの一体化を補助している。したがって、一体化した第1の透明樹脂製容器10aと第2の透明樹脂製容器10bとがより分離しにくくなっている。しかも、このような熱収縮性樹脂フィルム20の被覆は封印の役割を果たすため、未開封か開封済みかを目視により容易に判断できる。
【0014】
また、本実施形態のように、第1の透明樹脂製容器10aと第2の透明樹脂製容器10bの凹凸部12a,12bに凹部および凸部がそれぞれ2以上形成されている場合には、第1の透明樹脂製容器10aに第2の透明樹脂製容器10bを挿入する際の挿入深さを、凹部および凸部の数に応じて複数選択でき、電極用収納体1の長さを容易に変更できる。例えば、図5に示すように、第1の透明樹脂製容器10aに形成された凹凸部12aの凸部Bの裏面に、第2の透明樹脂製容器10bに形成された凹凸部12bの凸部Dの表面が接するまで(第1の透明樹脂製容器10aに形成された凹凸部12aの凹部Aの裏面に、第2の透明樹脂製容器10bに形成された凹凸部12bの凹部Cの表面が接するまで)、第1の透明樹脂製容器10aに第2の透明樹脂製容器10bの開口部11b側末端を挿入すれば、電極用収納体1を短くできる。このように長さの調節が可能であれば、種々の長さの電極に対応できるため、電極用収納体の種類を少なくでき、コストダウンや在庫管理の容易化を図ることができる。また、長さの調節が可能であれば、短い電極はそれに応じた短い電極用収納体に収納することができるため、保管や輸送時のスペースを小さくすることができる。
【0015】
電極用収納体1において、第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器10bを構成する透明樹脂は弾性が高いものであるため、外部から衝撃が加えられても緩和することができ、内部に衝撃を伝達しにくい。したがって、例えば、電極100が収納された電極用収納体1を床に落とした場合でも衝撃が緩和され、電極100の破損を防ぐことができる。
【0016】
また、電極用収納体1は、開封され、電極100が取り出された後に、第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器10bを収納の目的外の容器として利用できる。例えば、電極100を校正する標準液を入れるための容器として利用できる。したがって、資源を有効に利用できるため、環境への負荷が小さい。
【0017】
なお、本発明の電極用収納体は上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した実施形態では、第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器10bが円筒状の容器、すなわち、長さ方向に直交する断面の形状が円形の容器であったが、他の形状であっても構わない。例えば、長さ方向に直交する断面の形状が、三角形、四角形等の多角形、半円形、半楕円形、星形等である容器であっても構わない。断面形状が円形以外である場合には、電極用収納体が転倒した状態でも転がりにくい。また、容器の断面が多角形や星形など角を有する形状の場合には、その角が曲線化されていても構わない。
第1の透明樹脂製容器10aおよび/または第2の透明樹脂製容器10bには、図6に示すように、底面13aの周囲に、転倒を防止する転倒防止手段14が設けられていてもよい。ここで、転倒防止手段14は、透明樹脂製容器(第1の透明樹脂製容器10a)と一体であってもよいし、別体であってもよい。
【0018】
さらに、上述した実施形態の電極用収納体1では、第1の透明樹脂製容器10aの開口部11a側末端およびその周辺を覆うように、熱収縮した熱収縮性樹脂フィルム20が被覆されていたが、電極用収納体1の全体を覆うように、熱収縮した熱収縮性樹脂フィルム20が被覆されていてもよい。あるいは、第1の透明樹脂製容器10aの開口部11a側末端に、熱収縮した熱収縮性樹脂フィルム20が被覆されていなくてもよい。
【0019】
熱収縮性樹脂フィルム20のミシン目21の形成方向は、電極用収納体1の長手方向であったが、それ以外の方向でもよく、周方向でも構わない。例えば、熱収縮性樹脂フィルムに3〜5mm程度の間隔を有して平行な2本のミシン目を周方向に形成してもよい。このように2本のミシン目を周方向に形成する場合には、2本のミシン目の間の中央付近が第1の透明樹脂製容器10aの開口部11a側末端付近になるように位置合わせをして、第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器10bを熱収縮性樹脂フィルムで被覆することが好ましい。2本のミシン目の間の中央付近が第1の透明樹脂製容器10aの開口部11a側末端付近に位置していれば、開封後に第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器10bをビーカー代わりの容器として利用するのに便利であるばかりでなく、熱収縮性樹脂フィルムが廃棄されることが防止されるため、環境への負荷がより小さくなる。
また、測定者にとって便利であることから、熱収縮性樹脂フィルムに、収納する電極100の種類に応じた有用な情報(例えば、pH計の校正用標準液の温度特性表や溶存酸素計の校正時に有用な酸素飽和度の温度特性表等)をあらかじめ印刷しておくことが好ましい。熱収縮性樹脂フィルムには、容器に対応した目盛り線をあらかじめ印刷してもよいが、その場合には、熱収縮性樹脂フィルムの被覆する際、位置合わせの正確性を高くすることが好ましい。
【0020】
上述した実施形態では、第1の透明樹脂製容器10aに第2の透明樹脂製容器10bの開口部11b末端が挿入されていたが、第2の透明樹脂製容器10bに第1の透明樹脂製容器10aの開口部11a側末端が挿入されていても構わない。
【0021】
上述した実施形態では、第1の透明樹脂製容器10a凹凸部12aには、2つの凹部A,A、凸部B,Bが形成され、第2の透明樹脂製容器10bの凹凸部12bには、2つの凹部C,C、凸部D,Dが形成されていたが、凹部および凸部がそれぞれ3以上形成されていても構わないし、凹部および凸部がそれぞれ1つ形成されていても構わない。凹部および凸部がそれぞれ3以上形成されている場合も電極用収納体の長さを調節できる。また、第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器10bのいずれか一方のみが凹部および凸部を2以上有していてもよい。第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器10bのいずれか一方のみが凹部および凸部を2以上有する場合も、電極用収納体1の長さの調節が可能である。また、上記実施形態では、凹凸部が各透明樹脂製容器の開口部末端側に形成されていたが、全体に形成されていてもよい。凹凸部が全体に形成されている場合には凹凸部を目盛り線として利用できる。
さらに、凹凸部の代わりに、凹部または凸部が1つ形成されていても構わない。
【0022】
上述した実施形態では、第1の透明樹脂製容器10aの凹凸部12aに第2の透明樹脂製容器10bの凹凸部12bが挿嵌されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器1の凹凸部をそれぞれねじ状とし、その凹凸部同士を螺合して第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器10bを一体化させてもよい。
【0023】
上述した実施形態では、第1の透明樹脂製容器10aの開口部11a近傍および第2の透明樹脂製容器10bの開口部11b近傍に凹凸部12a,12bが形成されていたが、凹凸部12a,12bが形成されていなくても構わない。凹凸部12a,12bが形成されていない場合には、透明樹脂として、上述したような弾性の高い透明樹脂以外に、弾性の低い透明樹脂を使用することもできる。弾性の低い透明樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、アクリル樹脂、ポリカーボネートなどが挙げられる。
【0024】
(第2の実施形態)
図7および図8に、本発明の電極用収納体の第2の実施形態を示す。なお、本実施形態において第1の実施形態と同じ構成のものは図1〜図4と同じ符号を付して説明を省略する。
本実施形態の電極用収納体2は、第1の透明樹脂製容器10aと第2の透明樹脂製容器10bとの間に、両端に開口部31a,31bが形成された円筒状の透明樹脂製の接続部材30が介在して一体化されたものである。
【0025】
本実施形態における接続部材30の材質としては、第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器10bの材質と同じものが挙げられる。
また、接続部材30には、凹部E〜Eおよび凸部F〜Fを有する凹凸部32が形成されている(図9参照)。ここで、凹部、凸部とは、接続部材30を外側から見た際の形状のことである。
そして、接続部材30に形成された凹凸部32の凸部Fの裏面に第1の透明樹脂製容器10aに形成された凹凸部12aの凸部Bの表面が接するように、接続部材30に第1の透明樹脂製容器10aの開口部11a側末端が挿嵌されている。また、接続部材30に形成された凹凸部32の凸部Fの裏面に第2の透明樹脂製容器10bに形成された凹凸部12bの凸部Dの表面が接するように、接続部材30に第2の透明樹脂製容器10bの開口部11b側末端が挿嵌されている。
また、接続部材30の開口部31a側末端および開口部31b側末端を共に覆うように、熱収縮した熱収縮性樹脂フィルム20が被覆されている。
【0026】
電極用収納体2への電極100の収納は、例えば、以下のようにして行われる。まず、接続部材30の一端に第1の透明樹脂製容器10aの開口部11a末端を挿入し、接続部材30に形成された凹凸部32の凸部Fに、第1の透明樹脂製容器10aに形成された凹凸部12aの凸部Bを嵌め込む。次いで、第1の透明樹脂製容器10aおよび接続部材30内に電極100および必要に応じて取扱説明書、検査合格証や電極内部液等の付属品を入れる。次いで、接続部材30の他端に第2の透明樹脂製容器10bの開口部11b側末端を挿入し、接続部材30に形成された凹凸部32の凸部Fに、第2の透明樹脂製容器10bに形成された凹凸部12bの凸部Dを嵌め込む。そして、接続部材30の末端およびその周辺を、熱収縮していない熱収縮性樹脂フィルムで覆った後、加熱して熱収縮性樹脂フィルムを収縮させて接続部材30と第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器10bとに密着させる。これにより、電極用収納体2を形成しつつ、電極用収納体2内に電極100を収納することができる。
【0027】
本実施形態の電極用収納体2では、第1の透明樹脂製容器10aと第2の透明樹脂製容器10bとが接続部材30を介して一体化したものであるから、開封しなくても内容物を目視により確認することができる。
また、上述した電極用収納体2では、第1の透明樹脂製容器10aの凹凸部12aおよび第2の透明樹脂製容器10bの凹凸部12bが接続部材30の凹凸部32に挿嵌されており、接続部材30から第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器10bが抜き出にくくなっている。そのため、一体化した第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器10bと接続部材30とが分離しにくくなっている。
さらには、接続部材30の末端を覆うように、熱収縮した熱収縮性樹脂フィルム20が被覆されているから、一体化した第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器10bと接続部材30とがより分離しにくくなっている。
しかも、本実施形態では、接続部材30の長さによって電極用収納体2の長さを適宜調節できる。
【0028】
また、電極用収納体2では、第1の実施形態と同様に、第1の透明樹脂製容器10aおよび第2の透明樹脂製容器10bを収納目的外の容器としても利用でき、資源を有効に利用できるため、環境への負荷が小さい。
【0029】
なお、上述した第2の実施形態では、接続部材30に第1の透明樹脂製容器10aの開口部11a側末端および第2の透明樹脂製容器10bの開口部11b側末端が挿入されていたが、本発明では、接続部材30の末端が、第1の透明樹脂製容器10aの開口部11a側末端および/または第2の透明樹脂製容器10bの開口部11b側末端に挿入されていてもよい。その場合には、接続部材30の末端が挿入された第1の透明樹脂製容器10aの開口部11a側末端および/または第2の透明樹脂製容器10bの開口部11b側末端を覆うように、熱収縮した熱収縮性樹脂フィルム20が被覆されていることが好ましい。
また、上記第2の実施形態では、接続部材30が透明樹脂製であったが、接続部材は透明樹脂製に限定されず、それ以外の材質、例えば、不透明な樹脂、紙、金属などであってもよい。接続部材が不透明な材質から構成されていても、透明樹脂製容器を介して内部を見ることができるから、本発明の効果が損なわれることはない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の電極用収納体を示す斜視図である。
【図2】図1の電極用収納体の要部を示す縦断面図である。
【図3】図1の電極用収納体を構成する第1の透明樹脂製容器を示す側面図である。
【図4】図1の電極用収納体を構成する第2の透明樹脂製容器を示す側面図である。
【図5】図1の電極用収納体の変形例の要部を示す縦断面図である。
【図6】本発明の電極用収納体を構成する透明樹脂製容器の他の例を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る第2の実施形態の電極用収納体を示す斜視図である。
【図8】図7の電極用収納体の要部を示す縦断面図である。
【図9】図7の電極用収納体を構成する接続部材を示す側面図である。
【符号の説明】
【0031】
1,2 電極用収納体
10a 第1の透明樹脂製容器
10b 第2の透明樹脂製容器
11a,11b 開口部
12a,12b 凹凸部
13a,13b 底面
14 転倒防止手段
20 熱収縮性樹脂フィルム
21 ミシン目
30 接続部材
31a,31b 開口部
32 凹凸部
100 電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物質の特性を測定する電極が収納された電極用収納体であって、一端に開口部が形成された有底筒状の一対の透明樹脂製容器が接続されて一体化されていることを特徴とする電極用収納体。
【請求項2】
一方の透明樹脂製容器に、他方の透明樹脂製容器の開口部側末端が挿入されている請求項1に記載の電極用収納体。
【請求項3】
一対の透明樹脂製容器の間に、両端に開口部が形成された筒状の接続部材が介在しており、少なくとも一方の透明樹脂製容器の開口部側末端が接続部材に挿入されている請求項1に記載の電極用収納体。
【請求項4】
一対の透明樹脂製容器の間に、両端に開口部が形成された筒状の接続部材が介在しており、少なくとも一方の透明樹脂製容器に接続部材の末端が挿入されている請求項1に記載の電極用収納体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−15753(P2007−15753A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−201583(P2005−201583)
【出願日】平成17年7月11日(2005.7.11)
【出願人】(000219451)東亜ディーケーケー株式会社 (204)
【Fターム(参考)】