説明

電極製造方法及び電極の補修剤

【課題】補修部分が再度欠落するのを抑制する。
【解決手段】本発明は、集電体14と、前記集電体14上に形成された電極層22と、を備える電極の補修方法であって、電極に電極層22が欠落した欠落部分があるときは、電極層14を構成する電極材に溶媒を含ませた電極混練物をゲル化した補修剤50をその欠落部分に注入し、その補修剤50を乾燥させることで補修電極層51を形成してその欠落部分を補修する補修工程を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電極製造方法及び電極の補修剤に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、集電体に電極混練物を塗布する塗布工程、電極混練物を乾燥させて集電体上に電極層を形成する乾燥工程等を経て電極を製造するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−064524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
製造された電極の中には、種々の要因により電極層の一部が集電体から欠落したものが混在する。このような電極を使用して二次電池を製造してしまうと、電池性能を悪化させるおそれがある。そのため、電極層の一部が欠落した電極については、欠落部分を補修することが望ましい。
【0005】
しかしながら、欠落部分に単に電極混練物を注入して補修する方法では、欠落部分の周囲の電極層や集電体との密着性が十分に確保できず、補修部分が再度欠落してしまうという問題点があった。
【0006】
本発明はこのような問題点に着目してなされたものであり、補修部分が再度欠落しないように電極を補修することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、集電体と、前記集電体上に形成された電極層と、を備える電極の補修方法である。そして、電極に電極層が欠落した欠落部分があるときは、電極層を構成する電極材に溶媒を含ませた電極混練物をゲル化した補修剤をその欠落部分に注入し、その補修剤を乾燥させることで補修電極層を形成してその欠落部分を補修する補修工程を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、電極材と溶媒とを混練させたスラリー状の電極混練物をゲル化させた上で電極の電極層欠落部分に注入される電極の補修剤である。
【0009】
また、本発明は、電極材と溶媒とを混練させたスラリー状の電極混練物を集電体上に塗布し、その電極混練物から溶媒を揮発させて集電体上に電極層を形成することで電極を形成し、電極に電極層が欠落した欠落部分があるときは、その欠落部分に電極混練物をゲル化した補修剤を注入し、その補修剤を乾燥させることで補修電極層を形成してその欠落部分を補修する電極製造方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、集電体に塗布される電極混練物よりも接着力の増したゲル化電極混練物を欠落部分に注入して補修電極層を形成するので、補修電極層と電極層及び集電体との接着力を向上させることができる。したがって、補修電極層が再度欠落するのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】リチウムイオン二次電池の概略図である。
【図2】電極製造装置の概略構成図である。
【図3】本発明の一実施形態による電極の補修方法について説明する図である。
【図4】本発明とは異なる比較例として、電極混練物を注入して補修したときの問題点について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面等を参照して本発明の一実施形態について説明する。
【0013】
図1は、リチウムイオン二次電池1の概略図である。図1(A)はリチウムイオン二次電池1の斜視図であり、図1(B)は図1(A)のB−B断面図である。
【0014】
図1(A)及び図1(B)に示すように、リチウムイオン二次電池1は、蓄電要素2と、蓄電要素2を収容する外装ケース3と、を備える。
【0015】
蓄電要素2は、正極4、電解質層としてのセパレータ5、及び負極6を順次積層した積層体として構成される。正極4は板状の正極集電体4aの両面に正極層4bを有しており、負極6は板状の負極集電体6aの両面に負極層6bを有している。なお、蓄電要素2の最外層に配置される正極4については、正極集電体4aの片面にのみ正極層4bが形成される。
【0016】
隣接する正極4、セパレータ5、及び負極6が一つの単位電池7を構成しており、リチウムイオン電池1は積層された複数の単位電池7をそれぞれ電気的に並列接続して構成される。
【0017】
外装ケース3は、アルミニウム等の金属をポリプロピレンフィルム等の絶縁体で被覆した高分子−金属複合ラミネートフィルムのシート材からなる。外装ケース3は、蓄電要素2を収納した状態で、ケース外周部が熱融着によって接合される。この外装ケース3には、蓄電要素2からの電力を外部に取り出すため、外部端子としての正極タブ8及び負極タブ9が設けられる。
【0018】
正極タブ8の一端は外装ケース3の外側にあり、正極タブ8の他端は外装ケース3の内部で各正極集電体4aの集合部に接続する。負極タブ9の一端は外装ケース3の外側にあり、負極タブ9の他端は外装ケース3の内部で各負極集電体6aの集合部に接続する。
【0019】
次に、電極(正極4又は負極6)の一般的な製造方法及び製造装置について簡単に説明する。
【0020】
一般的に電極は、電極材と溶媒とを混練させたスラリー状の電極混練物を集電体(正極集電体4a又は負極集電体6a)に塗布する塗布工程の後に、電極混練物の溶媒を揮発させて固形分100%の電極層(正極層4b又は負極層6b)を形成する乾燥工程などを経て製造される。
【0021】
図2は、リチウムイオン電池1の電極製造時に使用する本実施形態による電極製造装置100の概略構成図である。
【0022】
電極製造装置100は、搬送装置10と、混練装置20と、塗布装置30と、乾燥装置40と、を備える。
【0023】
電極製造装置100は、搬送装置10によって搬送される金属箔14の表面に、混練装置20で混練した電極混練物21を塗布装置30によって塗布し、乾燥装置40によって電極混練物21を乾燥させて電極を製造する装置である。
【0024】
搬送装置10は、引取ロール11と、巻取ロール12と、サポートロール13と、を備える。搬送装置10は、ロールトゥロール方式によって正極集電体4a又は負極集電体6aとなる薄い膜状の金属箔(厚さ10[μm]〜40[μm])14を引取ロール11から巻取ロール12へと搬送する。
【0025】
本実施形態では、正極4を製造する場合には正極集電体4aとなる金属箔14としてアルミニウム箔を使用し、負極6を製造する場合には負極集電体6aとなる金属箔14として銅箔を使用するが、これに限られるものではない。
【0026】
引取ロール11には、金属箔14が巻かれる。引取ロール11は制動機構15を備えており、この制動機構15によって引取ロール11の回転が適宜規制され、金属箔14に所定の張力が付与される。
【0027】
巻取ロール12は、駆動モータ16によって回転駆動され、引取ロール11から引き取った金属箔14を巻き取る。
【0028】
サポートロール13は、引取ロール11と巻取ロール12との間の金属箔搬送経路に複数設けられ、搬送中の金属箔14の下面を保持する。
【0029】
混練装置20は二軸混練機であり、電極材を溶媒中で均一に分散させて、所定の粘度[Pa・s]に調整されたスラリー状の電極混練物21を製造する装置である。混練装置20は二軸混練機に限られるものではなく、例えば遊星式ミキサやニーダを用いても良い。
【0030】
電極混練物21には、正極4を製造する場合に製造される正極混練物と、負極6を製造する場合に製造される負極混練物と、がある。
【0031】
正極混練物を製造する場合は、混練装置20に電極材としての正極活物質、導電助剤、及びバインダ(結着剤)が投入され、これらが溶媒中で均一に分散させられる。負極混練物を製造する場合は、混練装置20に電極材としての負極活物質、導電助剤、及びバインダが投入され、これらが溶媒中で均一に分散させられる。
【0032】
正極活物質は、リチウム金属酸化物などのリチウムイオンを吸蔵・放出する物質である。本実施形態では、正極活物質としてマンガン酸リチウムを使用する。
【0033】
負極活物質は、リチウム金属酸化物やハードカーボン、グラファイトなどのリチウムイオンを放出・吸蔵する物質である。本実施形態では、負極活物質としてハードカーボンを使用する。
【0034】
導電助剤は、カーボン材料(カーボン粉末やカーボンファイバ)などの導電性を高める物質である。カーボン粉末としては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、及びケッチェンブラックなどの種々のカーボンブラックや、グラファイト粉末を使用することができる。本実施形態では、正極混練物を製造する場合も負極混練物を製造する場合も共に、導電助剤としてカーボンブラックを使用する。
【0035】
バインダは、活物質微粒子同士を結び付ける物質である。本実施形態では、正極混練物を製造する場合も負極混練物を製造する場合も共に、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を使用するが、これに限られるものではない。
【0036】
溶媒は、電極材を溶かす液体である。本実施形態では、正極混練物を製造する場合も負極混練物を製造する場合も共に、溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)を使用するが、これに限られるものではない。
【0037】
塗布装置30は、混練装置20で製造された電極混練物21を金属箔14の表面に塗布する装置であって、ギヤポンプ31と、スリットダイ32と、を備える。
【0038】
ギヤポンプ31は、混練装置20とスリットダイ32との間に設けられ、混練装置20で製造された電極混練物21を加圧してスリットダイ32へ送り込む。
【0039】
スリットダイ32は、ギヤポンプ31から送り込まれた電極混練物21を、先端部に形成されたスリット33から押し出して搬送途中の金属箔14の表面に塗布する。スリットダイ32は、金属箔14の搬送方向に所定の間隔を空けながら電極混練物21を押し出して塗布する。
【0040】
乾燥装置40は例えば熱風乾燥炉であり、金属箔搬送経路に設けられる。乾燥装置40は、装置内の温度を所定温度に保ちつつ電極混練物21に熱風を吹き付け、電極混練物21中の溶媒を揮発させて固形分100%の電極層22を形成する。
【0041】
ここで、塗布工程中に電極混練物21の内部に空気が混入したり、乾燥工程後に何らかの理由によって電極層22に傷が入ったりすると、金属箔14から電極層22の一部が剥がれ落ちることがある。電極層22の一部が欠落した電極を用いてリチウムイオン二次電池1を製造してしまうと、内部短絡を起こすなど電池性能の悪化につながる。
【0042】
そのため、材料費の無駄を無くすためには、リチウムイオン二次電池1の製造前に電極の検査を行い、電極層22が欠落している場合には欠落部分を補修することが望ましい。しかしながら、単純に欠落部分に電極混練物21を注入して補修しようとすると、以下のような問題があることがわかった。
【0043】
図4は、単純に欠落部分に電極混練物21を注入して補修した場合の問題を説明する図である。図4(A)は補修前の電極を示す図であり、図4(B)は補修後の電極を示す図である。
【0044】
電極層22の欠落部分の大きさは微細(例えば5[mm]×5[mm])な場合が多く、そのような場合は金属箔14が剥き出しになっている部分の表面積、及び欠落部分の周囲の電極層22の表面積も小さくなる。そのため、注入した電極混練物21と、剥き出しになっている金属箔14及び欠落部分の周囲の電極層22と、の密着力が小さくなる。その結果、その後に電極混練物21を乾燥させて補修が完了した後に、補修部分が再度欠落するという問題がある。
【0045】
また、注入した電極混練物21が剥き出しになっている金属箔14まで届かず、内部に空隙が残って不完全な補修が行われるという問題がある。
【0046】
そこで本実施形態では、乾燥工程後に電極層23に欠落部分がないかを検査し、欠落部分がある場合にはその欠落部分を補修する補修工程を設ける。そして、その補修工程においてゲル化させた電極混練物(以下「ゲル化電極混練物」という。)を希釈して欠落部分に注入することでこのような問題点を解決することとした。
【0047】
ゲル化とは、経時的な化学変化に起因して電極混練物21の粘度が上昇する現象のことをいい、活物質に含まれるリチウム塩(アルカリ)によるポリフッ化ビニリデンの脱フッ化水素反応によって、架橋反応を生じさせる現象をいう。簡単には、ポリフッ化ビニリデンの脱フッ化水素反応→ポリエン形成→酸素付加による共役鎖切断→架橋進行・官能基付加という一連の流れによって粘度が上昇する現象が生じている状態である。
【0048】
なお、本実施形態で説明するゲル化電極混練物とは、混練装置20で製造されてから約72時間以上経過し、粘度が製造直後の5倍から10倍程度、かつ、弱アルカリ性を示すものをいう。具体的には、製造直後の電極混練物21が粘度700[Pa・s]〜1000[Pa・s](=7000[cP(センチポアズ)]〜10000[cP])、ペーハー値(ph値)7以下の弱酸性を示すのに対し、ゲル化電極混練物は粘度5000[Pa・s]〜10000[Pa・s]、ペーハー値が8から10程度の弱アルカリ性を示す。
【0049】
以下、本実施形態による欠落部分の補修方法について説明する。図3は、本実施形態による欠落部分の補修方法について説明する図である。
【0050】
まず、ゲル化電極混練物の重量パーセント濃度が3[wt%]から30[wt%]となるように、例えばNMPなどの溶媒でゲル化電極混練物を希釈し、補修用の希釈ゲル化電極混練物50を作成する。本実施形態では、粘度9000[Pa・s]、ph値8.7のゲル化電極混練物を、重量パーセント濃度が5[wt%]となるようにNMPで希釈し、粘度が350[Pa・s]の希釈ゲル化電極混練物50を作成している。
【0051】
このように、ゲル化電極混練物を希釈することで表面張力を低下させることができるので、欠落部分に注入したときに、剥き出しになった金属箔14や欠落部分の周囲の電極層22との濡れ性が良くなる。
【0052】
次に、図3(A)及び図3(B)に示すように、電極層22が欠落した電極に対し、希釈ゲル化電極混練物50を電極層22の高さの半分程度まで注入する。そして、図3(C)に示すように、金属箔14側から遠赤外線ヒータなどで希釈ゲル化電極混練物50を100[℃]から120[℃]程度まで加熱し、希釈ゲル化電極混練物50中の溶媒を揮発させて補修電極層51を形成する。
【0053】
その後、図3(D)に示すように、補修した部分に希釈ゲル化電極混練物50を電極層22の高さまで再度注入する。そして、図3(E)に示すように、今度は、電極層22側から温風を吹き付けて希釈ゲル化電極混練物50を120[℃]程度まで加熱し、希釈ゲル化電極混練物50中の溶媒を揮発させて補修電極層51を形成する。これにより補修が完了する。
【0054】
なお、このようにして補修した電極を用いて製造したリチウムイオン二次電池1の性能(初充電率、放電率、内部抵抗など)を充放電試験機にて確認した結果、欠落部分が無かった電極を用いて製造したリチウムイオン二次電池1と同等の性能が得られることを確認している。
【0055】
以上説明した本実施形態によれば、希釈して濡れ性を良くした希釈ゲル化電極混練物50を欠落部分に注入するので、欠落部分が小さい場合であっても、希釈ゲル化電極混練物50を剥き出しになった金属箔14の表面まで行き届かせることができる。また、欠落部分の周囲の電極層22に浸透(相溶)させることができる。
【0056】
そのため、希釈ゲル化電極混練物50と金属箔14又は電極層22との間に空隙が生じるのを抑制できる。そして、ゲル化電極混練物は、ゲル化による架橋反応と官能基付加によって科学的な接着力が製造直後のものより増加しているので、金属箔14及び電極層22との密着力を確保できる。これにより、乾燥後の再欠落を抑制することができる。
【0057】
また、希釈ゲル化電極混練物50を2回に分けて注入することとし、1回目の注入で希釈ゲル化電極混練物50を電極層22の高さの半分程度まで注入し、100[℃]から120[℃]程度に加熱して乾燥させることとした。この温度範囲で乾燥させることで、溶媒の揮発速度を制限し、急激な溶媒揮発による気泡の発生を抑制することができるとともに、補修電極層51の急激な収縮による亀裂の発生を防止することができる。
【0058】
そして、2回目の注入で希釈ゲル化電極混練物50を電極層22の高さまで注入し、今度は120[℃]程度まで加熱して乾燥させることとした。電極層22と補修電極層51との密着力の大部分はバインダ樹脂であるポリフッ化ビニリデンの結晶化によって生じるが、このポリフッ化ビニリデンの結晶化速度は約120[℃]付近で最大となることが発明者らの鋭意研究によりわかっている。そのため、120[℃]程度で乾燥させることで、ポリフッ化ビニリデンの結晶化を促進することができるので、電極層22と補修電極層51との密着力を確保することができる。
【0059】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【0060】
例えば、上記実施形態では、希釈ゲル化電極混練物50を2段階に分けて注入したが、もっと細かく分けても良いし、段階に分けず一気に注入しても良い。
【符号の説明】
【0061】
14 金属箔(集電体)
21 電極混練物
22 電極層
50 希釈ゲル化電極混練物(補修剤)
51 補修電極層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集電体と、前記集電体上に形成された電極層と、を備える電極の補修方法であって、
前記電極に前記電極層が欠落した欠落部分があるときは、前記電極層を構成する電極材に溶媒を含ませた電極混練物をゲル化した補修剤をその欠落部分に注入し、その補修剤を乾燥させることで補修電極層を形成してその欠落部分を補修する補修工程を備える、
ことを特徴とする電極の補修方法。
【請求項2】
前記補修工程は、
前記欠落部分に前記補修剤を注入し、その補修剤を乾燥させることで前記電極層の厚さよりも薄い厚さの第1補修電極層を形成する第1補修工程と、
第1補修工程後に、第1補修電極層の上から前記電極層の表面高さまで前記補修剤を注入し、その補修剤を乾燥させることで第2補修電極層を形成する第2補修工程と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電極の補修方法。
【請求項3】
前記第1補修工程において、前記補修剤を前記集電体側から加熱して乾燥させ、
前記第2補修工程において、前記補修剤を前記電極層の表面側から加熱して乾燥させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の電極の補修方法。
【請求項4】
前記第1補修工程において、前記補修剤を100℃から120℃の温度範囲で加熱して乾燥させる、
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の電極の補修方法。
【請求項5】
前記第2補修工程において、前記電極材中の結着剤の結晶化速度が相対的に速くなる温度範囲で前記補修剤を乾燥させる、
ことを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか1つに記載の電極の補修方法。
【請求項6】
電極材と溶媒とを混練させたスラリー状の電極混練物をゲル化させて、電極の電極層欠落部分に注入される電極の補修剤。
【請求項7】
ゲル化させた電極混練物の粘度は、前記電極材と前記溶媒とを混練させて製造した直後の電極混練物よりも高い、
ことを特徴とする請求項6に記載の電極の補修剤。
【請求項8】
電極材と溶媒とを混練させたスラリー状の電極混練物を集電体上に塗布し、その電極混練物から溶媒を揮発させて前記集電体上に電極層を形成することで電極を形成する電極形成工程と、
前記電極に前記電極層が欠落した欠落部分があるときは、その欠落部分に前記電極混練物をゲル化した補修剤を注入し、その補修剤を乾燥させることで補修電極層を形成してその欠落部分を補修する補修工程と、
を備えることを特徴とする電極製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−89335(P2012−89335A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234712(P2010−234712)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】