説明

電極触媒層の製造方法

【課題】触媒を担持した導電性の触媒担体を有する電極触媒層の製造工程の簡略化を図る。
【解決手段】触媒としての白金を担持したPt担持CNT14cを有する電極触媒層10を得るには、まず、カーボンナノチューブ14が略垂直に配向して基板表面に付着済みの基板12を準備する。ついで、その準備した基板12を加熱することで、カーボンナノチューブ14の温度を上昇させ、カーボンナノチューブ14をPt錯体が分散した超臨界トリフルオロメタンの封止環境下に置く。これにより、カーボンナノチューブ14をその表面に白金粒子16が担持したPt担持CNT14cとする。次いで、これを、電解質樹脂18が分散した超臨界トリフルオロメタンの封止環境下に置き、電解質樹脂18で被覆する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒を担持済みの導電性の触媒担体を有する電極触媒層の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料電池において、電解質膜の両面に電極触媒層が接合された膜電極接合体(MEA:Membrane−Electrode Assembly)が用いられているものがある。電極触媒層は、触媒を担持済みの導電性の触媒担体と、電解質樹脂とを備える。電極反応は、ガスの流路と、電解質樹脂と、触媒担持済みの触媒担体とが接する、いわゆる三相界面で、触媒を介して起こる。そのため、触媒が三相界面上にあることが好ましい。従って、触媒担持の様子が触媒担体において偏在させない手法が要望されている。
【0003】
導電性の触媒担体としては、カーボンブラック等の粒子の他、近年になり、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」とも称する)がその垂直配向性や形成手法の確立等から注目され、MEAの電極触媒層に多用されつつある。そして、このCNTにおける触媒担持の偏在を抑制する手法が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。こうした手法では、超臨界流体に分散した触媒をCNT担体に担持させることで、触媒を偏在させず、且つCNTの構造に影響を与えないように担持したCNT担体を提供できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−273613号公報
【特許文献2】特表2007−529627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、触媒担持済みのCNT担体を有する電極触媒層を得るには、CNT担体を電解質樹脂で被覆するプロセスが必要である。このプロセスは、電解質樹脂をアルコールに溶解した電解質溶液をCNT担体に塗布等した後に乾燥させるという触媒担持とは関連性のないものであるため、電極触媒層の製造の上での煩雑さおよび元のCNTの構造の破壊の可能性が指摘されるに到った。
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、触媒を担持した導電性の触媒担体を有する電極触媒層の製造工程の簡略化を図ることをその目的とする。
【0007】
なお、このような課題は、担体としてCNTを用いる場合に限らず、例えば、担体としてカーボンブラック等の粒子状の触媒担体を電極触媒層形成に用いる場合にも共通する課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明では、以下の構成を採用した。
【0009】
[適用1:電極触媒層の製造方法]
触媒を担持した導電性の触媒担体を有する電極触媒層の製造方法であって、
前記触媒担体を表面に付着済みで前記電極触媒層の形成用の基材となる基板を、前記触媒が分散した超臨界流体の封止環境下に置いた上で前記基板の温度を変化させ、前記基板に付着済みの前記触媒担体に前記超臨界流体を接触させて、前記触媒を前記触媒担体に担持する工程(1)と、
前記触媒担体が前記触媒を担持済みの状態とされた前記基板を、前記電解質樹脂が分散した超臨界流体であって前記工程(1)と同一の超臨界流体の封止環境下に置いた上で前記基板の温度を変化させ、前記触媒を担持済みの前記触媒担体に前記同一の超臨界流体を接触させて、前記電解質樹脂と前記触媒を担持済みの前記触媒担体とを有する前記電極触媒層を前記基板の表面に形成する工程(2)とを備える、
ことを要旨とする。
【0010】
上記構成を備える電極触媒層の製造方法では、触媒担体への触媒の担持を超臨界流体の封止環境下において図った後に、触媒担持済みの触媒担体への電解質樹脂の接触を経た触媒担体の電解質樹脂による被覆を、触媒担体の際と同一の超臨界流体の封止環境下において図る。このため、電極触媒層の形成に当たって前後する触媒担持プロセスと電解質樹脂被覆プロセスとを共通化できるので、製造設備の共用および同一の超臨界流体の使用により、プロセスの簡便化に加え、コスト低減を図ることができる。この場合、触媒担持は、基板に付着済みの触媒担体に超臨界流体が接触し、触媒担体に接触した超臨界流体に分散していた触媒が触媒担体に析出することでなされる。触媒担体の電解質樹脂被覆にあっても、触媒担持済みの触媒担体に超臨界流体が接触し、この触媒担体に接触した超臨界流体に分散していた電解質樹脂が触媒担体に析出することでなされる。こうした析出は、基板の温度制御を経た触媒担体の温度変化により起きる。
【0011】
上記した電極触媒層の製造方法は、次のような態様とすることができる。例えば、前記工程(1)、(2)における前記超臨界流体を、トリフルオロメタンの超臨界流体とし、前記工程(1)においては、前記封止環境下での前記超臨界流体の温度を、前記触媒を含む触媒錯体の分解温度以下に維持した上で、前記基板に付着済みの前記触媒担体の温度を前記基板の加熱により前記触媒錯体の分解温度以上に維持するようにできる。こうすれば、超臨界流体としてのトリフルオロメタンに触媒錯体を分解させずに分散させ、当該触媒錯体を基板に付着済みの触媒担体に接触させた上で、その接触した触媒錯体を基板に付着済みの触媒担体において分解できる。よって、基板に付着済みの触媒担体への触媒担持の実効性を高めることができる。
【0012】
また、前記触媒担体を、前記基板上に略垂直に形成された垂直配向材料、例えば、垂直配向カーボンナノチューブとすることができる。このようにすると、工程(1)において、垂直配向材料の周囲に触媒が析出して触媒担持がなされ、その上で、工程(2)では、触媒担持済みの垂直配向材料の周囲に電解質樹脂が析出して、電解質樹脂で触媒担持済みの垂直配向材料を被覆できる。また、垂直配向材料を用いることにより、反応ガスは、複数の垂直配向材料で形成される空隙を流通するため、三相界面付近に配置されている触媒に反応ガスが良好に供給される。その結果、触媒の有効利用率を向上させることができる。
【0013】
なお、本発明は種々の形態で実現することが可能である。例えば、膜電極接合体の製造方法に適用するには、上記のようにして、基板表面に形成した電極触媒層を電解質膜の膜面に転写すればよい。また、燃料電池の製造方法に適用するには、基板表面に形成した電極触媒層の転写済みの電解質膜の両面に、電極触媒層における電気化学反応に供される反応ガスの流路を形成する反応ガス流路形成部材を配置すればよい。この他、燃料電池を備えた燃料電池システム、燃料電池システムを搭載した車両等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例としての燃料電池100の断面構成を概略的に示す断面図である。
【図2】図1におけるX1部を拡大して示す拡大断面図である。
【図3】電極触媒層10の製造装置を模式的に示す模式図である。
【図4】トリフルオロメタンの状態変化を示す説明図である。
【図5】電極触媒層の製造工程の全体の流れを示す工程図である。
【図6】触媒担持プロセスの詳細を示す工程図である。
【図7】触媒担持プロセスの様子を概念的に示す説明図である。
【図8】トリフルオロメタンの圧力と誘電率の関係を示すグラフである。
【図9】電解質樹脂被覆プロセスの詳細を示す工程図である。
【図10】電解質被覆プロセスの様子を概念的に示す説明図である。
【図11】トリフルオロメタンと二酸化炭素について圧力と白金粒子(Pt粒子)の担持粒子密度との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、その実施例を図面に基づき説明する。図1は本発明の実施例としての燃料電池100の断面構成を概略的に示す断面図、図2は図1におけるX1部を拡大して示す拡大断面図である。燃料電池100は、固体高分子型の燃料電池であり、水素と空気とを用いて発電を行う。
【0016】
燃料電池100は、図1に示すように、シール部材一体型MEA(Membrane‐Electrode Assembly:膜電極接合体)300のアノード側に、アノード側ガス拡散層410と、アノード側セパレータ500が、その順に積層され、カソード側に、カソード側ガス拡散層430とカソード側セパレータ600が、その順に積層された構成を成している。この両ガス拡散層は、電極触媒層10における電気化学反応に供される反応ガスの流路を形成する。図1では、複数のシール部材一体型MEA300、アノード側ガス拡散層410、アノード側セパレータ500、カソード側ガス拡散層430、およびカソード側セパレータ600が積層された部分の一部を抜き出して示しており、他は図示を省略している。以下、アノード側セパレータ500とカソード側セパレータ600とを、まとめて、セパレータ500、600ともいう。
【0017】
なお、冷却水を流すための冷却水流路が形成された冷却水セパレータが、所定の間隔で、アノード側セパレータ500とカソード側セパレータ600との間に配設されている(図示しない)。冷却水セパレータ内部を冷却水が流通することにより、燃料電池100の電極反応に伴って生成される熱を取り除き、燃料電池100の内部温度を所定の範囲内に保っている。
【0018】
燃料電池100は、以下の工程により製造される。まず、後述する電極触媒層の製造方法により製造された電極触媒層10を電解質膜20の両面に転写することによりMEA30を製造する。MEA30の外周にシール部材32を形成することにより、シール部材一体型MEA(Membrane‐Electrode Assembly:膜電極接合体)300を製造する。シール部材一体型MEA300のアノード側に、アノード側ガス拡散層410と、アノード側セパレータ500が、その順に積層され、カソード側に、カソード側ガス拡散層430とカソード側セパレータ600が、その順に積層された構成を成す燃料電池モジュールが、複数(例えば、400枚)積層され、その両端に集電板(図示しない)、絶縁板(図示しない)、エンドプレート(図示しない)の順に積層されるように、各構成部材を配置する。そして、燃料電池100を構成する各構成部材を、テンションプレート、テンションロッド等により、積層方向に所定の押圧力がかかった状態で締結して、燃料電池100の積層状態を保持することにより、燃料電池100が完成する。
【0019】
アノード側セパレータ500には、アノード側ガス拡散層410と対向する面に複数の凹凸状のリブ510が形成されている。同様に、カソード側セパレータ600には、カソード側ガス拡散層430と対向する面に複数の凹凸が設けられ、これによりリブ610が形成されている。セパレータ500、600が、MEA30を両側から挟み込むことによって、アノードガスとしての水素、カソードガスとしての空気が流れる流路が、それぞれ、形成される。
【0020】
燃料電池100に供給された空気は、カソード側セパレータ600のリブ610によって形成される流路を通って、カソード側ガス拡散層430に流入し、カソード側ガス拡散層430内を流通しつつ、MEA30に供給されて電極反応に利用される。同様に、燃料電池100に供給された水素は、アノード側セパレータ500のリブ510によって形成される流路を通って、アノード側ガス拡散層410に流入し、アノード側ガス拡散層410内を流通しつつ、燃料電池100内を流通して電極反応に利用される。
【0021】
なお、本実施例において、セパレータ500、600はステンレス鋼製の平板を用いるものとするが、チタンやアルミニウム等、他の金属製の平板を用いるものとしてもよいし、カーボン製の平板を用いるものとしてもよい。また、セパレータ500、600の形状は、上記したリブを備える形状に限定されない。
【0022】
また、本実施例において、アノード側ガス拡散層410およびカソード側ガス拡散層430としては、撥水加工が施されたカーボンフェルトを用いている。なお、本実施例において、MEA30とセパレータ500、600との間に、アノード側ガス拡散層410、カソード側ガス拡散層430が、それぞれ、配置される構成を例示しているが、アノード側ガス拡散層410、カソード側ガス拡散層430を備えない構成、すなわち、MEA30とセパレータ500、600とが当接する構成にしてもよい。
【0023】
図2に示すように、MEA30は、電解質膜20の両面に電極触媒層10が積層されている。本実施例において、電解質膜20としては、プロトン伝導性の固体高分子材料としてのフッ素系スルホン酸ポリマーにより形成された高分子電解質膜(ナフィオン(登録商標)膜:NRE212)を、用いている。なお、高分子電解質膜としては、ナフィオン(登録商標)に限定されず、例えば、アシプレックス(登録商標)、フレミオン(登録商標)等の他のフッ素系スルホン酸膜を用いてもよい。また、例えば、フッ素系ホスホン酸膜、フッ素系カルボン酸膜、フッ素炭化水素系グラフト膜、炭化水素系グラフト膜、芳香族膜等を用いてもよい。また、PTFE、ポリイミド等の補強材を含む、機械的特性を強化した複合高分子膜を用いてもよい。
【0024】
電極触媒層10は、触媒としての白金粒子16(以下、「Pt粒子16」ともいう)と、触媒を担持する導電性の触媒担体としてのカーボンナノチューブ14(以下、「CNT14」ともいう)と、電解質樹脂18と、を備える。電極触媒層10は、Pt粒子16が担持されたCNT14(以下、「Pt担持CNT14c」とも称する)を、電解質樹脂18で被覆して成る。本実施例において、電解質樹脂18としてナフィオン(登録商標)を用いている。カーボンナノチューブ14への白金粒子16の担持、および電解質樹脂18によるカーボンナノチューブ14の被覆については後述する。
【0025】
本実施例において、導電性の触媒担体として直線状のCNT14を用いているため、被担持面の面積を広く確保して触媒(Pt粒子16)を高密度に担持させることが可能である。また、Pt担持CNT14cが電解質樹脂18で被覆されており、図2に示すように、そのCNT14が電解質膜20に対して略垂直に配向されている。反応ガスは、複数のCNT14で形成される空隙を流通するため、三相界面付近に配置されている触媒(Pt粒子16)に反応ガスが良好に供給される。その結果、触媒の有効利用率を向上させることができる。
【0026】
また、本実施例における導電性の触媒担体としてのCNT14は、上述のとおり、電解質膜20に対して略垂直に配向している。そのため、反応ガスの供給性だけでなく、電気化学反応によって生成された生成水の排出性も良好となる。本実施例では、基板上に略垂直に配向された、垂直配向CNTを用いることにより、導電性の触媒担体としてのCNT14が電解質膜20に対して略垂直に配向するMEA30を製造している。
【0027】
MEA30を構成する電極触媒層10の形成には、電極触媒層形成用の基材となる後述の基板12を用いる。垂直配向CNTは、化学的気相成長(CVD)法によって、基板12上に形成される。本実施例において、基板12の材料としては、シリコンを用いているが、シリコンに限定されず、ステンレス鋼、アルミニウム等、基板12上に略垂直にCNTを成長させるのに適した他の材料を用いてもよい。なお、垂直配向CNTは、アーク放電法、レーザー蒸着法、気相流動法によって生成された単体のCNTを、基板上に垂直に配向させることにより生成してもよい。
【0028】
なお、本実施例において、触媒として白金(Pt粒子16)を用いているが、その他、ロジウム、パラジウム、イリジウム、オスミニウム、ルテニウム、レニウム、金、銀、ニッケル、コバルト、リチウム、ランタン、ストロンチウム、イットリウム等の種々の金属のうち、1種または2種以上を用いることができる。また、これらの2種類以上を組み合わせた合金も、用いることができる。また、電解質樹脂18として、電解質膜20と同じ高分子樹脂(ナフィオン(登録商標))を用いているが、電解質膜20と異なる高分子樹脂を用いてもよい。
【0029】
次に、電極触媒層10の製造手法について説明する。図3は電極触媒層10の製造装置を模式的に示す模式図である。電極触媒層製造装置200は、密閉容器としてのリアクター112と、トリフルオロメタン(CHF)供給系120と、トリフルオロメタン排出回収系130と、圧力計140と、加熱冷却装置116と、温度センサー118と、温度制御部150と、を備える。リアクター112は、蓋部114によって密閉され、内部をトリフルオロメタンの封止領域とし、底部に分散対象溶液が注入されるトレー117を備える。本実施例において、リアクター112としてオーエムラボテック社製SCW−95を用いているが、その他のリアクターを用いてもよい。
【0030】
トリフルオロメタン供給系120は、トリフルオロメタンタンク122と、トリフルオロメタンガス供給路124と、トリフルオロメタンガス供給路124上に設けられた圧力調整弁128と、を主に備える。トリフルオロメタンタンク122は、遮断弁126を備え、遮断弁126を開閉することによって、トリフルオロメタンガスの供給・停止を行う。
【0031】
トリフルオロメタンタンク122に貯蔵されるトリフルオロメタンガスは、トリフルオロメタンタンク122に接続するトリフルオロメタンガス供給路124に放出された後、圧力調整弁128によって所定の圧力に調整されて、リアクター112に供給される。
【0032】
トリフルオロメタン排出回収系130は、トリフルオロメタンガス排出路131と、トリフルオロメタンガス排出路131上に設けられた排気弁132とを備える。後述するように、基板12上に電極触媒層10が形成された後、排気弁132を開弁することにより、リアクター112内のトリフルオロメタンが、トリフルオロメタンガスとして、リアクター112外に排出される。こうして排出されたトリフルオロメタンは、図示しない設備領域に設置された回収容器に回収される。
【0033】
本実施例において、リアクター112にトリフルオロメタンガスを充填する場合には、最初、系内を真空にした後に、トリフルオロメタンガスをリアクター112内に導入するとともに、排気弁132を開弁して、リアクター112内の空気をトリフルオロメタンに置換する。また、本実施例において、電極触媒層10を製造する製造者は、圧力計140を視認しながら、リアクター112内の圧力を所定の圧力に調節する。なお、リアクター112内の圧力を自動的に制御できる構成にしてもよい。
【0034】
温度センサー118は、熱電対を備え、CNT14の温度を計測して、温度計測信号を、温度制御部150に出力する。リアクター112は、底部側に加熱冷却装置116を備え、当該装置上面を基板12のセット箇所とする。加熱冷却装置116は、セラミックヒーターを有するヒーター部とペルチェ素子を有するクーラー部を備え、温度制御部150からの制御により、基板12、延いてはこの基板12に形成されたカーボンナノチューブ14を加熱或いは冷却する。この他、加熱冷却装置116を、オイル等の冷温媒の循環にて、基板12のカーボンナノチューブ14を加熱或いは冷却する構成とすることもできる。温度制御部150は、温度センサー118から入力された温度計測信号に基づいて、カーボンナノチューブ14の温度が所定の温度になるように、加熱冷却装置116を制御する。なお、基板12は、MEA30における電極面に相当する広さの表面を有するものとされている。
【0035】
また、電極触媒層製造装置200は、リアクター112に、内部温度センサー151と、ヒーター152とを備える。温度制御部150は、内部温度センサー151の検出したリアクター内部温度に基づいてヒーター152を制御することで、後述の触媒担持プロセスおよび電解質樹脂被覆プロセスにおいて、リアクター112の内部温度、即ち超臨界状態のトリフルオロメタンの温度を制御する。
【0036】
図4はトリフルオロメタンの状態変化を示す説明図である。超臨界状態とは、臨界点以上の温度・圧力下においた物質の状態である。超臨界流体は、気体の性質(拡散性)と液体の性質(溶解性)とを兼ね備える。本実施例における電極触媒層10の製造方法では、超臨界状態のトリフルオロメタン(以下、「超臨界トリフルオロメタン」とも称する)に、後述の触媒錯体或いは電解質樹脂を分散させる。図に矢印で示すように、超臨界トリフルオロメタンの温度を下げると、超臨界状態を脱して、トリフルオロメタンの液体になる。超臨界トリフルオロメタンが気体の性質下で溶解していた電解質樹脂は、トリフルオロメタンの液体には溶解しないため、トリフルオロメタンが接触した非接触物の表面に析出する。
【0037】
次に、電極触媒層10の製造工程について説明する。図5は電極触媒層の製造工程の全体の流れを示す工程図、図6は触媒担持プロセスの詳細を示す工程図、図7は触媒担持プロセスの様子を概念的に示す説明図である。
【0038】
図5に示すように、電極触媒層10を得るには、カーボンナノチューブ14が略垂直に配向して基板表面に付着済みの基板12を準備する工程(ステップS100)と、その準備した基板12のカーボンナノチューブ14の表面に白金粒子16を担持してカーボンナノチューブ14をPt担持CNT14c(図2参照)とする工程(ステップS200)と、Pt担持CNT14cを電解質樹脂18で被覆する工程(ステップS300)とを行う。
【0039】
ステップS100では、既述したように化学的気相成長(CVD)法により基板12の表面にカーボンナノチューブ14を略垂直に配向させて形成するほか、アーク放電法、レーザー蒸着法、気相流動法によって生成された単体のCNTを、基板12の表面に略垂直に配向させつつ形成すればよい。この他、カーボンナノチューブ14が略垂直に配列済みの基板12を入手してもよい。
【0040】
ステップS200では、図6に示すように、まず、触媒未担持のカーボンナノチューブ14が略垂直に配向された基板12とPt錯体溶液とをリアクター112に入れ、これらをリアクター112において封止する(ステップS202)。この様子を図でもって説明する。ステップS100で準備した基板12、即ち、図7(A)に示すようにカーボンナノチューブ14の略垂直配向済みの基板12を加熱冷却装置116の上に載置すると共に、トレー117に分散対象溶液であるPt錯体溶液を注入する。本実施例では、カーボンナノチューブ14に白金粒子16を担持すべく、白金(Pt)の錯体であるメチルシクロペンタジエニル白金或いはトリメチルシクロペンタジエニル白金を、白金粒子の量が担持量に相当する量となるようヘキサンで希釈し、この希釈溶液をトレー117に注入した。基板12の載置と希釈溶液注入後には、蓋部114によりリアクター112を密閉する。
【0041】
続くステップS204では、遮断弁126(図3)を開弁し、圧力調整弁128を調節して、所定の圧力で、トリフルオロメタンガスをリアクター112内に導入するとともに、排気弁132を開弁して、リアクター112内の空気をトリフルオロメタンに置換する。なお、所定の時間が経過して、リアクター112がトリフルオロメタンで満たされると、排気弁132が閉弁される。
【0042】
ステップS206では、リアクター112内の圧力を5MPaまで加圧した後、トリフルオロメタンの温度を60℃に上昇させる。トリフルオロメタンは、臨界点が25.9℃、4.8MPaであるため、ステップS206において、トリフルオロメタンは、超臨界状態(超臨界トリフルオロメタン)になる。ここで、トリフルオロメタンの圧力と誘電率の関係とPt錯体の分散性について説明する。図8はトリフルオロメタンの圧力と誘電率の関係を示すグラフである。上記したように、トリフルオロメタンの臨界点は25.9℃、4.8MPaであることから、図示する30〜60℃の各温度において、トリフルオロメタンは、4.8MPa以上では超臨界状態である。超臨界トリフルオロメタンにおいて、圧力が等しい場合には、温度が高いほど誘電率および極性は低下する。図示する各温度は、上記したPt錯体の分解温度(約169℃)より低いために、ステップS206において、Pt触媒は、リアクター112の内部で、超臨界トリフルオロメタンに分解することなく分散する(図7(B))。つまり、超臨界トリフルオロメタンは、Pt錯体を分散させた状態で、基板12から略垂直に配向したそれぞれのカーボンナノチューブ14の表面に接触することになる。この場合、リアクター112の内部を60℃とすることで超臨界トリフルオロメタンの誘電率および極性を小さくしたので、非極性のPt錯体の分散をできるだけ阻害しないようにして、Pt錯体の分散の実効性を高めることができる。Pt錯体の溶媒であるヘキサンも非極性であることから、Pt錯体は溶媒と共に分散することになる。なお、図8には、二酸化炭素についての圧力と誘電率の関係も示されている。
【0043】
ステップS208では、ステップS206にてリアクター112の内部温度(超臨界トリフルオロメタンの温度)が60℃とされた状況下で、CNT14の温度が180℃になるまで、基板12を加熱冷却装置116によって昇温させる。CNT14は、熱伝導率が高いため、基板12の昇温に伴って180℃まで昇温する。CNT14の昇温温度(180℃)は、Pt錯体の分解温度(約169℃)より高いため、カーボンナノチューブ14に接触した超臨界トリフルオロメタンに分散していたPt錯体は、カーボンナノチューブ14の熱を受けて分解し、Pt錯体に含まれる触媒としての白金粒子16がカーボンナノチューブ14の表面に担持されることになる。
【0044】
その後30分間、CNT14の温度を180℃に保つ。このように、CNT14の温度を、Pt錯体の分解温度(約169℃)より高い温度に保つことにより、白金粒子16が、徐々にCNT14の表面に担持される。これにより、図7(C)に示すように、基板12の表面では、カーボンナノチューブ14の表面に白金粒子16が担持したPt担持CNT14cが略垂直に配向した状態で形成されることになる。
【0045】
ステップS210では、排気弁132を開弁して、トリフルオロメタンをリアクター112から排出して外部の図示しない回収容器に回収する。ステップS212では、トリフルオロメタン排出によりリアクター112が大気圧となった状況下で養生し、リアクター112の内部が室温まで降下するまで待機する。この場合、冷風の吹き付け等により、リアクター112を冷却することもできる。そして、リアクター112の冷却後、次のプロセス(電解質樹脂被覆:図5/ステップS300)に進む。
【0046】
次に、ステップS300の電解質樹脂被覆について説明する。図9は電解質樹脂被覆プロセスの詳細を示す工程図、図10は電解質被覆プロセスの様子を概念的に示す説明図である。
【0047】
図9に示す電解質樹脂被覆プロセスでは、まず、上記した触媒担持プロセスで得られたPt担持CNT14cが略垂直に配向された基板12と電解質樹脂であるナフィオン溶液とをリアクター112において封止する(ステップS302)。この様子を図でもって説明する。上記した触媒担持プロセスで基板12は既にPt担持CNT14cが形成済みで加熱冷却装置116に設置済みであることから、ステップS302では、図10(A)に示すようにトレー117に分散対象溶液であるナフィオン溶液(電解質樹脂18の溶液)を注入する。本実施例では、ナフィオン溶液DE2020CSを、ナフィオンの濃度が3wt%になるようにエタノールで希釈し、この希釈したナフィオン溶液をトレー117に注入した。基板12の載置と希釈溶液注入後には、蓋部114によりリアクター112を密閉する。
【0048】
続くステップS304では、遮断弁126(図3)を開弁し、圧力調整弁128を調節して、所定の圧力で、トリフルオロメタンガスをリアクター112内に導入するとともに、排気弁132を開弁して、リアクター112内の空気をトリフルオロメタンに置換する。なお、所定の時間が経過して、リアクター112がトリフルオロメタンで満たされると、排気弁132が閉弁される。
【0049】
ステップS306では、リアクター112内の圧力を30MPaまで加圧した後、トリフルオロメタンの温度を60℃に上昇させる。トリフルオロメタンは、臨界点が25.9℃、4.8MPaであるため、既述したように、トリフルオロメタンは、超臨界状態(超臨界トリフルオロメタン)になる。そして、上記温度(60℃)では、図8に示すように、超臨界トリフルオロメタンは、誘電率が上昇し極性が高くなるため、ナフィオン(電解質樹脂18)を溶解することが可能となる。したがって、超臨界トリフルオロメタンに溶解した電解質樹脂18cは、リアクター112内に分散している(図10(B))。
【0050】
ステップS308では、Pt担持CNT14c、詳しくはCNT14の温度が20℃になるまで、加熱冷却装置116によって基板12を冷却する。CNT14は、熱伝導率が高いため、基板12を冷却することにより、CNT14も冷却される。CNT14がトリフルオロメタンの臨界点以下に冷却されると、Pt担持CNT14cの周辺のトリフルオロメタンが超臨界状態から液体状態になる(図4)。電解質樹脂18は、トリフルオロメタンの液体には溶解されないため、Pt担持CNT14c上に析出する。
【0051】
その後30分間、CNT14の温度を20℃に保つ。このように、CNT14の温度を、所定の時間、トリフルオロメタンの臨界点以下に保つことにより、電解質樹脂18が、徐々にPt担持CNT14c上に析出して、Pt担持CNT14c上に所望の厚さの電解質樹脂層を形成することができる(図10(C))。そして、基板12では、Pt担持CNT14cを電解質樹脂18で被覆した電極触媒層10が形成されることになる。
【0052】
ステップS310では、排気弁132を開弁して、トリフルオロメタンをリアクター112から排出して外部の図示しない回収容器に回収する.ステップS312では、トリフルオロメタン排出によりリアクター112が大気圧となった状況下での養生と、リアクター112の内部が室温まで降下するまでの待機とを経て、電極触媒層10の形成済みの電極触媒基材10bを、リアクター112から取り出す。
【0053】
こうして得られた電極触媒基材10bの電極触媒層10を電解質膜20の両面に転写することによりMEA30が得られ、既述したように、このMEA30の外周へのシール部材32の形成を経て、シール部材一体型MEA300を製造できる。そして、このシール部材一体型MEA300のアノード側およびカソード側への既述したガス拡散層の積層等を経て、燃料電池100を製造できる。
【0054】
以上説明したように、本実施例における電極触媒層10の製造方法では、リアクター112を、カーボンナノチューブ14への白金粒子16の担持と、白金粒子16を担持済みのPt担持CNT14cの電解質樹脂18による被覆とに共通して用いる。つまり、カーボンナノチューブ14への白金粒子16の担持を、白金粒子16を含むPt錯体が分散した超臨界トリフルオロメタンのリアクター112での封止環境において図った後に(ステップS202〜208)、白金粒子16を担持済みのPt担持CNT14cの電解質樹脂18による被覆を、触媒担体の際と同一の超臨界トリフルオロメタンのリアクター112での封止環境下において図ることとした(ステップS302〜308)。このため、電極触媒層10の形成に当たって前後する触媒担持プロセスと電解質樹脂被覆プロセスとを、その用いる装置(リアクター112)および使用する副材料(トリフルオロメタン)を共通化して実施できるので、プロセスの簡便化に加え、コスト低減を図ることができる。
【0055】
また、本実施例における電極触媒層10の製造方法では、上記した電極触媒層の製造方法は、カーボンナノチューブ14への白金粒子16の担持に用いる超臨界流体と、白金粒子16を担持済みのPt担持CNT14cの電解質樹脂18による被覆に用いる超臨界流体とを、共にトリフルオロメタン(超臨界トリフルオロメタン)とした上で、カーボンナノチューブ14への白金粒子担持に当たっては、超臨界トリフルオロメタンの温度を、触媒としての白金粒子16を含むPt錯体の分解温度より低温度に維持しつつ、基板12に付着済みのカーボンナノチューブ14の温度を加熱冷却装置116による基板加熱によりPt錯体の分解温度以上に維持した(ステップS206〜208)。このため、超臨界トリフルオロメタンにPt錯体を分解させずに分散させ、その分散したPt錯体を基板12に付着済みのカーボンナノチューブ14に接触させた上で、その接触したPt錯体をカーボンナノチューブ14の表面に分解して析出できる。よって、基板12に付着済みのカーボンナノチューブ14には、高い実効性で白金粒子16を担持できる。
【0056】
また、白金粒子16の触媒担体をカーボンナノチューブ14としたので、基板12に略垂直に配向したこのカーボンナノチューブ14に白金粒子16を担持させ、その上で、白金粒子16の担持済みカーボンナノチューブ14(Pt担持CNT14c)を電解質樹脂18による被覆できる。そして、触媒担持と電解質樹脂被膜に共通する超臨界流体(超臨界トリフルオロメタン)は拡散性がよいため、カーボンナノチューブ14が長い場合や、隣接するカーボンナノチューブ14の距離が短い場合であっても、カーボンナノチューブ14の基板12の側基部から十分に触媒担持と電解質樹脂被膜を図ることができ、電極触媒層10の性能を高めることができる。
【0057】
また、超臨界トリフルオロメタンを用いることで、次のような利点もある。図11はトリフルオロメタンと二酸化炭素について圧力と白金粒子(Pt粒子)の担持粒子密度との関係を示すグラフである。トリフルオロメタンと二酸化炭素とでは、図8に示したように、圧力に応じた誘電率に差があることから、Pt粒子の分散粒子数密度には差が生じ図示するように担持粒子密度にも差が生じるものの、トリフルオロメタンの方が二酸化炭素よりその臨界圧力は低い。よって、図11に示すように、トリフルオロメタンを超臨界流体として用いれば、低い圧力下でPt粒子の分散、延いてはカーボンナノチューブ14への触媒担持を図ることができる。
【0058】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記した実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。例えば、次のような変形も可能である。
【0059】
上記の実施例において、導電性の触媒担体として垂直配向CNTを例示したが、導電性を有する種々の担体を用いることができる。例えば、垂直配向カーボンナノウォールを用いてもよい。また、カーボン以外の垂直ナノ材料、例えば、金属酸化物(TiN:窒化チタン,TiB:ホウ化チタン,Nb:三酸化ニオブ,ZnO:酸化亜鉛)を用いてもよい。さらに、垂直配向の担体でなく、カーボンブラック、天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)等の炭素材料を用いてもよい。このような導電性の触媒担体を用いる場合にも、上記のように、触媒担持と電解質樹脂による被膜とを、共通するリアクター112にて実行することができる。
【0060】
上記の実施例において、基板12の温度を変化させることによって、CNT14を加熱或いは冷却して、触媒担持と電解質樹脂18による被覆を図ったが、その際に採用した温度は上記実施例の温度に限定されない。また、電解質樹脂18によるPt担持CNT14cの被覆に当たっては、基板12を冷却するようにして、トリフルオロメタンを超臨界状態から脱するようにしたが、基板12を加熱するようにすることもできる。この場合には、電解質樹脂18を分散したトリフルオロメタンが超臨界状態を維持したまま、基板12の加熱を通してPt担持CNT14cの温度を上昇させ、その周辺の超臨界トリフルオロメタンの溶解度を低下させればよい。こうすれば、温度変化により溶解されなくなった電解質樹脂18がPt担持CNT14c表面に析出し、温度変化後の温度を維持する時間を調節することによって、容易に所望の厚さの電解質樹脂18をPt担持CNT14c表面に被覆させることができる。
【符号の説明】
【0061】
10…電極触媒層
10b…電極触媒基材
12…基板
14…カーボンナノチューブ
Pt担持CNT…14c
16…白金粒子
18…電解質樹脂
18c…電解質樹脂
20…電解質膜
30…MEA
32…シール部材
100…燃料電池
112…リアクター
114…蓋部
116…加熱冷却装置
117…トレー
118…温度センサー
120…トリフルオロメタン供給系
122…トリフルオロメタンタンク
124…トリフルオロメタンガス供給路
126…遮断弁
128…圧力調整弁
130…トリフルオロメタン排出回収系
131…トリフルオロメタンガス排出路
132…排気弁
140…圧力計
150…温度制御部
151…内部温度センサー
152…ヒーター
200…電極触媒層製造装置
300…シール部材一体型MEA
410…アノード側ガス拡散層
430…カソード側ガス拡散層
500…アノード側セパレータ
510…リブ
600…カソード側セパレータ
610…リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒を担持した導電性の触媒担体を有する電極触媒層の製造方法であって、
前記触媒担体を表面に付着済みで前記電極触媒層の形成用の基材となる基板を、前記触媒が分散した超臨界流体の封止環境下に置いた上で前記基板の温度を変化させ、前記基板に付着済みの前記触媒担体に前記超臨界流体を接触させて、前記触媒を前記触媒担体に担持する工程(1)と、
前記触媒担体が前記触媒を担持済みの状態とされた前記基板を、前記電解質樹脂が分散した超臨界流体であって前記工程(1)と同一の超臨界流体の封止環境下に置いた上で前記基板の温度を変化させ、前記触媒を担持済みの前記触媒担体に前記同一の超臨界流体を接触させて、前記電解質樹脂と前記触媒を担持済みの前記触媒担体とを有する前記電極触媒層を前記基板の表面に形成する工程(2)と
を備える電極触媒層の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の電極触媒層の製造方法であって、
前記工程(1)、(2)における前記超臨界流体は、トリフルオロメタンの超臨界流体であり、
前記工程(1)においては、前記封止環境下での前記超臨界流体の温度を、前記触媒を含む触媒錯体の分解温度以下に維持した上で、前記基板に付着済みの前記触媒担体の温度を前記基板の加熱により前記触媒錯体の分解温度以上に維持する、
電極触媒層の製造方法。
【請求項3】
前記触媒担体は、前記基板上に略垂直に形成された垂直配向材料とされている請求項1または請求項2に記載の電極触媒層の製造方法。
【請求項4】
前記垂直配向材料は、垂直配向カーボンナノチューブである請求項3に記載の電極触媒層の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−53991(P2012−53991A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193172(P2010−193172)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(504139662)国立大学法人名古屋大学 (996)
【Fターム(参考)】