説明

電気−伝導性基質の製造方法

本発明の電気−伝導性基質は、ダイオリフィスから押し出されたフィラメントおよび同じダイ装置の第二オリフィスから気体または液体担体を用いて投与された少なくとも1種の金属粉末を含んでなりうる。重合体フィラメントがダイから押し出されるにつれて、1種もしくはそれ以上の金属粉末が同時に投与されてフィラメントの表面をコーティングしうる。重合体溶融物および金属粉末が押し出されるにつれて、空気圧が金属粉末と衝突して粉末を押し出されたフィラメントに向ける。金属粉末は溶融重合体にそれがダイから押し出されるにつれて付着して、フィラメントの表面をコーティングする。金属粉末を重合体溶融物の中に押し出し前に加えることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には電気−伝導性基質に、そしてより具体的には少なくとも1種の金属粉末を含んでなる電気−伝導性フィラメントおよびフィルムの連続的押し出し方法並びにそれらの製品に、関する。
【背景技術】
【0002】
電気−伝導性の布は帯電防止性能が必要な場合にしばしば使用される。コンピューター製造もしくは貯蔵施設、情報技術室、および電子メディア質を包含する電子装置を収容する領域は静電気の存在下で悪影響を受ける。この理由のために、これらの領域に導入される布はしばしば電気−伝導性繊維より構成されるかまたは電気−伝導化学法で処理される布である。
【0003】
最適な性能のためには、電気−伝導性材料はフィラメントまたは繊維の表面の上または近くに置かれる。結合剤を含んでいてもよい水溶液をフィラメント上に噴霧するかまたは詰めることにより局部的に適用される水溶液に伝導性材料が加えられている電気−伝導性フィラメントまたは繊維を製造する試みがこれまでになされてきたが、局部適用は製造工程に追加段階を付加すると同時に結合剤の使用が工程の費用に加わる。さらに別の方法は、1種もしくはそれ以上の伝導性材料が充填された中空繊維または伝導性材料で処理された二成分繊維の芯の使用を含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行技術による試みにもかかわらず、帯電防止材料が最適な性能のためにフィラメント、繊維、またはフィルムの表面に付けられた電気−伝導性基質の安価な製造方法に関する要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の要旨
本発明は電気−伝導性基質に、そしてより具体的には少なくとも1種の金属粉末を含んでなる電気−伝導性フィラメントおよびフィルムの連続的押し出し方法並びにそれらの製品に、関する。
【0006】
本発明によると、例えば両者とも引用することにより本発明の内容となる米国特許第4,041,203号明細書および第3,338,992号明細書に開示されたような従来の連続的フィラメント紡糸技術を利用することができる。さらに、成形されたプレートが向かい合って並置積層されている個別に成形されたダイプレートを利用できると考えられている。単一ダイプレートは制限された幾何学的関係を示し、それはまた個別に成形されたダイプレートの曲げ変形耐性を与え、そして逆に、モジュラーダイ装置の変動性に対する改良された抵抗およびそれを用いて形成される重合体材料の強められそして予測できる成形特性を与える。モジュラーダイ装置を形成するスタック内の該単一ダイプレートの各々はx−方向、y−方向、およびz−方向を有し、ここで該単一ダイプレートのいずれか1個は合計平面連続性(planar continuity)の少なくとも50%の平面連続性を有することを示す。上記のスタックプレートダイ形成は出願継続中の出願番号第60/462,054号明細書に開示されており、そして引用することにより本発明の内容となる。
【0007】
本発明の電気−伝導性基質はダイオリフィスから押し出されたフィラメントおよび同じ
ダイ装置の第二オリフィスから気体または液体担体を用いて投与される少なくとも1種の金属粉末を含んでなりうる。重合体フィラメントがダイから押し出されるにつれて、1種もしくはそれ以上の金属粉末が同時に投与されてフィラメントの表面をコーティングしうる。重合体溶融物および金属粉末が押し出されるにつれて、空気圧が金属粉末に衝突して粉末を押し出されたフィラメントに向ける。金属粉末は溶融した重合体にそれがダイから押し出されるにつれて付着して、フィラメントの表面をコーティングする。金属粉末を押し出し前に重合体溶融物に導入することもできる。場合により、真空システムを利用して周囲環境内に投与された過剰の金属粉末を捕獲することもできる。さらに、廃棄物を最少にするために集められた粉末をダイ内に再充填することもできる。
【0008】
さらに、生じた金属コーティングされたフィラメントをコロナ放電でまたは静電バー、プラズマ、熱、超音波、もしくはマイクロ波への露呈で活性化するが、ここで活性化処理は生ずる布全体に影響を与えるかまたは布の中の区域だけに影響を与えることができる。さらに、電気−伝導性フィラメントは、均質な、二成分性の、および/または多成分性のプロファイル、性能改質用添加物もしくは性能改質剤、美的改質用添加物もしくは美的改質剤、並びにそれらの混合物を含んでなりうる。さらに、電気−伝導性ステープルファイバーを使用できる場合にはフィラメントを制限されたステープル長さに切断しそして利用することもできる。
【0009】
電気−伝導性フィラメントは押し出され、集められ、そして常磁性を示す不織布、例えば紡糸結合されたまたは溶融吹き付けされた布、に固められる。1.0ミクロンより小さい断面値を示す、以後ナノ−デニール繊維およびフィラメントと称する押し出しフィラメントを形成することができる。適するナノ−デニール連続的フィラメント層はナノ−デニールフィラメントの直接的な紡糸により、または多成分フィラメントの形成の後沈着前にナノ−デニールに分割することにより形成しうる。引用することにより本発明の内容となる米国特許第5,678,379号明細書および第6,114,017号明細書は本発明を支援するために実行可能な直接的な紡糸工程を例示している。ナノ−デニールフィラメントへの分割と一体化された多成分フィラメント紡糸は両者とも引用することにより本発明の内容となる米国特許第5,225,018号明細書および第5,783,503号明細書の教示に従い実施できる。連続的フィラメントを紡糸しそして集めた後に、引用することにより本発明の内容となる出願継続中の米国特許出願番号第09/287,673号明細書に開示されているように集められたフィラメントを空気圧または水圧ジェットにより絡み合わせることができる。
【0010】
本発明によると、多成分フィラメント中への1種もしくはそれ以上の金属粉末の導入が、生ずる分割度を高める。金属含有フィラメントを、例えば水圧ジェットの如き機械的衝撃にかける前に、それを超音波に露呈することが、フィラメントを前処理して分裂させると考えられている。前処理された多成分フィラメントの絡み合い時に、生ずる機械的分裂度は高められ、より良好なフィラメント被覆率(filamentary coverage)を有する生じた不織ウエブを与える。
【0011】
不織ウエブの他に、重合体溶融物をフィルムカーテンとして押し出しそして集めることもでき、ここではフィルムを冷却してロール状に良好に巻くこともできまたは直接的に二次基質上に押し出すこともできる。電気−伝導性フィルムを、常磁性を有するリボンまたはテープに裂くこともできる。生ずるフィルムまたはテープは化学的および/または機械的な後処理により影響を受けることもでき、或いは内部溶融添加剤で処理して所望する最終用途性能を与えることもできる。
【0012】
電気−伝導性フィラメントの連続的トウを紡糸しそしてトウを制限された長さに切断することにより電気−伝導性ステープルファイバーを形成しうると考えられている。制限さ
れたステープルファイバーが形成されたら、繊維をカード処理、交差−積層、または他の方法で処理して所望する最終製品を得ることができる。フィラメントの連続的トウまたは制限されたステープルファイバーを種々の性能改質用局部剤で処理することおよび/またはクリンプを与えるとも考えられている。
【0013】
本発明の他の特徴および利点は、下記の詳細な記述、添付図面、および添付された特許請求の範囲から容易に明らかになるであろう。
【0014】
詳細な記述
本発明は種々の形態の態様が可能であるが、以下に現在好ましい態様が記載されており、この開示は発明の例示として考えるべきであると理解され、そして発明をここに開示された具体的な態様に限定しようとするものではない。
【0015】
本発明は、ステープルファイバー基質、フィラメント基質、フィルム基質およびそれらの組み合わせを包含する押し出された電気−伝導性基質の製造方法に関する。本発明によると、電気−伝導性基質は少なくとも1種の金属粉末を含んでなりそして場合により他の局部および/または内部性能および美的改質用添加剤を包含しうる。本発明に従い製造される電気−伝導性基質は、熱および圧力下で押し出される重合体材料より構成される。熱の適用により流動性にされる適する例示化合物は、ポリオレフィン類、ポリアミド類、およびポリエステル類よりなる熱可塑性重合体の群から選択され、ここでポリオレフィン類はポリプロピレン、ポリエチレン、並びにそれらの組み合わせおよび改質物質よりなる群から選択される。
【0016】
本発明によると、上記の重合体材料はダイ装置から押し出される間に、微細な金属粉末が同時に同じダイ装置から液体または気体担体を用いて、またはそうでない場合には粉末を重合体溶融物内に加えることにより投与される。本発明で利用される金属粉末は25ミクロンより小さい直径を示す微細な第一鉄粉末であり、それは押し出された基質内で常磁性を与える。本発明で利用される粉末の製造に適する技術は両者とも引用することにより本発明の内容となる米国特許第4,626,278号明細書または第5,294,242号明細書に開示されている。
【0017】
本発明で利用されるダイ装置は、引用することにより本発明の内容となる米国特許第3,338,992号明細書に開示されているような従来の溶融押し出し技術、並びに出願継続中の出願番号第60/462,054号明細書に開示されているモジュラーダイ装置を包含しうる。出願継続中の出願番号第60/462,054号明細書は複数の個別に成形されたプレートを含んでなり、ここで成形されたプレートは向かい合って並置積層されており、そしてそのような並置が、これまで先行技術の実施法によっては得られなかった有用な重合体形成属性を示す。単一ダイプレートはプレートが制限された幾何学的関係を示すように形成され、それは個別に成形されたダイプレートの曲げ変形耐性を与え、そして逆に、モジュラーダイ装置の変動性に対する改良された抵抗およびそれを用いて形成される重合体材料の強められそして予測できる成形特性を与える。モジュラーダイ装置を形成するスタック内の該単一ダイプレートの各々はx−方向、y−方向、およびz−方向を有し、ここで該単一ダイプレートのいずれか1個は合計平面連続性の少なくとも50%の平面連続性を有することを示す。
【0018】
個別に成形されたダイプレートは表面凹凸、突起、空所およびそのようなプレートの1つもしくはそれ以上が向かい合って並置される時に成形されたプレートが特定の相対的方向に調節可能にする平面形状における他の逸脱を含んでなりうる。さらに、モジュラーダイ内の個別に成形されたプレートの組み合わせは、ダイプレート内に共有して規定される特定の空所の中に伸びる内部装置、ダイプレート内に共有して規定される溝または他のそ
のような主要通路と共働する外部装置、ダイプレートのスタックにより規定される1つもしくはそれ以上の表面周辺に伸びる外部装置、およびそれらの組み合わせの使用を包含しうる。本発明のフィラメントまたは繊維の全体的形状または幾何学的形状は、直線で囲まれた形、円形、正六面体、斜方形、台形、立方形、および円錐形を包含しうるが、フィラメントの全体的形状は本発明の限定事項ではない。
【0019】
モジュラーダイ装置を利用するかまたは別の方法で組み入れることができる技術は、連続的フィラメント不織布、ステープルファイバー不織布、連続的フィラメントもしくはステープルファイバー織物(編み物を包含する)、およびフィルムを形成するもののような例を包含する。これらの技術は、モジュラーダイ装置を含んでなる1つもしくはそれ以上の個別に成形された流体通路を利用することができる。流体通路は、1種もしくはそれ以上の流体、半流体、(または熱および/もしくは圧力の適用により流体になりうる他の化合物および剤)並びに粒子、コロイド懸濁液、制限されたステープル長さの天然および/または合成繊維、フォーム並びにゲルの表現で使用できる。本発明に従うモジュラーダイから形成される繊維および/またはフィラメントは、均質であるかまたは混合繊維長さ(fiber length)の天然もしくは合成組成物から選択される。場合により、形成されたダイプレートを同時に組み合わせて1個もしくはそれ以上の共通押し出し空隙、並びに1個もしくはそれ以上の連続的フィラメントおよび/または断片的フィラメント押し出しオリフィスを形成できる。適する天然繊維は木綿、木質パルプおよびビスコースナイロンを包含するが、それらに限定されない。全体的にまたは部分的に配合しうる合成繊維は熱可塑性および熱硬化性重合体を包含する。モジュラーダイ内での使用に適する熱可塑性重合体はポリオレフィン類、ポリアミド類およびポリエステル類を包含する。熱可塑性重合体は、ホモ重合体、共重合体、共役体および並びに導入される溶融添加剤または表面−活性剤を有する熱可塑性重合体を包含する他の誘導体からさらに選択されうる。
【0020】
一般的に、連続的なフィラメント不織布形成は引用することにより本発明の内容となる米国特許第4,041,203号明細書に記載されている紡糸結合(spunbond)工程の実施を包含する。紡糸結合工程は溶融重合体の供給を包含しており、それを次に圧力下で多数のオリフィスを通して押し出す。生じた連続的フィラメントを急冷(quench)しそして例えばスロット延伸システム、減衰銃、またはゴデット(Godet)ロールの如き多くの方法のいずれかにより延伸する。連続的フィラメントは移動しているワイヤーメッシュコンベアベルトの如き有孔性表面下でルーズウエブとして集められる。1個より多いダイが多層布の形成目的のために使用される時には、その次のウエブは前に形成されたウエブの最上部表面の下で集められる。ウエブを次に少なくとも一時的に、一般的には熱および圧力を含む手段により、例えば熱点結合により、固める。この手段を用いて、ウエブまたはウエブの層を2つの熱金属ロールの間に通し、それらの一方は所望する点結合度、一般的には結合される合計表面積の10〜40%の程度、を付与しそして達成するための浮き彫り(embossed)パターンを有する。
【0021】
押し出された電気−伝導性フィラメントは、均質な、二成分性の、および/または多成分性のプロファイル、性能改質用添加物もしくは性能改質剤、美的改質用添加物もしくは美的改質剤、並びにそれらの混合物を含んでなりうる。本発明によると、多成分フィラメント中への1種もしくはそれ以上の金属粉末の導入が、生ずる分割度を高める。例えば水圧ジェットの如きフィラメントへの機械的衝撃前に金属含有フィラメントを超音波に露呈することが分裂のためのフィラメントの前処理と考えられている。前処理された多成分フィラメントの絡み合いで、生ずる機械的分裂度が高められて、結果としてより良好なフィラメント被覆率を有する不織ウエブを与える。
【0022】
不織布の層を形成するための紡糸結合工程の関連手段は溶融吹き付け工程である。ここでも、溶融重合体は圧力下でオリフィスを通って紡糸器(spinneret)またはダ
イの中に押し出される。高速空気が衝突しそしてフィラメントをそれがダイから出るにつれて絡ませる。この段階のエネルギーは、形成されるフィラメントの直径が大きく減じられそして破壊されて制限された長さの微細繊維が製造されるようなものである。これは、フィラメントの連続性が保有される紡糸結合工程とは異なる。単一層または多層の布のいずれかを形成するための工程は連続的であり、すなわち、工程段階は結合されたウエブがロール中に巻き取られるまで第一層を形成するためのフィラメントの押し出しを妨害しない。これらのタイプの布の製造方法は引用することによりこれまでに本発明の内容となっている米国特許第4,041,203号に記載されている。溶融吹き付け工程並びに紡糸結合されたフィラメントもしくは溶融吹き付けされた微細繊維の断面プロファイルは本発明の実施にとって重要な限定事項ではない。
【0023】
本発明によると、溶融重合体がダイの第一オリフィスを通って押し出されるにつれて、金属粉末または金属粉末の配合物が同じダイ装置の第二オリフィスから液体または気体担体を用いて投与される。粉末がダイから投与されるにつれて、空気圧が粉末に衝突して押し出されたフィラメントを粉末でコーティングする。場合により、真空システムを利用して周囲環境内に投与されるいずれかの過剰の金属粉末を捕獲することができる。さらに、廃棄物を最少にするために集められた粉末をダイに充填することもできる。金属粉末を直接重合体溶融物に加えることも考えられている。集められそして不織布として固められたら、自己−結合性の電気−伝導性フィラメントを全体的にまたは部分的にコロナ放電、静電バー、プラズマ、熱、超音波、またはマイクロ波への露呈で活性化して、それにより布に常磁性を与えうる。
【0024】
本発明の押し出されたフィラメントは、以後ナノ−デニール繊維およびフィラメントと称するフィラメントが1.0ミクロンより小さい断面値を示すように成形できる。適するナノ−デニール連続的フィラメント層は、ナノ−デニールフィラメントの直接的紡糸により、または多成分フィラメントの形成の後沈着前にナノ−デニールフィラメントに分割することにより、形成されうる。両者とも引用することにより本発明の内容となる米国特許第5,678,379号明細書および第6,114,017号明細書は、本発明を支援するために実施可能な直接的な紡糸工程を例示している。ナノ−デニールフィラメントへの分割と一体化された多成分フィラメント紡糸は両者とも引用することにより本発明の内容となる米国特許第5,225,018号明細書および第5,783,503号明細書の教示に従い実施することができる。
【0025】
場合により、連続的に押し出されたトウを束ねるか、包むか、ねじるかまたは種々の寸法の構成物中に組み込む(braided)ことができる。例えば、小さい束または撚糸は織物および編み物の製造において使用される糸に成形することができる。複数の小さい束または撚糸を引き続き他の束または撚糸として一体化して物理的能力が増加したロープを形成しうる。電気−伝導性フィラメントの連続的トウを紡糸することにより電気−伝導性ステープルファイバーを形成しうることも本発明の範囲内である。フィラメントの連続的トウを種々の性能改質用局部剤で処理しおよび/またはクリンプを付与し、そして次に制限された繊維長さに切断することができる。
【0026】
集められた電気−伝導性基質は、フィラメント基質、ステープルファイバー基質、またはフィルム基質でありうる。押し出された電気−伝導性フィルムは、単独押し出し、共押し出し、または複数回共押し出しすることができる。1種もしくはそれ以上の電気−伝導性基質を組み合わせてラミネート構造を形成することができる。さらに、本発明の電気−伝導性を1種もしくはそれ以上の非−電気−伝導性基質と組み合わせることもでき、そこでは追加層は不織布、織物、スクリム、フィルム、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択できる。
【0027】
1つもしくはそれ以上の布層を種々の性能改質用局部剤で処理することは本発明の範囲内である。不織布が1つもしくはそれ以上の三次元像を含んでなることも本発明の範囲内であり、そこでは有孔性表面上での水絡み合い(hydroentanglement)によりまたは有孔性表面上へのフィラメントの直接的押し出しにより像が付与される。適する有孔性表面はワイヤースクリーン、有孔ドラム、開放織りメッシュ、三次元的に表面処理されたベルト、または三次元像転移装置を包含する。
【0028】
本発明の布は、帯電防止性能が要求される種々の最終用途、例えば濾過部品、家具カバー布、または静電気の存在下で悪影響を受けるコンピューター製造もしくは貯蔵施設、情報技術室、および電子メディア室を包含する電子装置を収容する特殊な領域内で利用される除塵部品、に適する。さらに、電気−伝導性布を基質内のスクリム材料として利用して基質の性能属性を高めることもできる。
【0029】
本発明の新規な概念の真の精神および範囲から逸脱せずに前記からの多くの改変を行うことができる。ここに開示された具体的な態様に関する何らかの限定を意図または推論すべきでないことは理解される。この開示は、全てのそのような改変が添付された特許請求の範囲により請求の範囲内に入ることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第一および第二オリフィスを含んでなる溶融押し出し装置を準備し、
少なくとも1種の熱可塑性溶融物を準備し、
約25ミクロンに等しいかもしくはそれより小さい直径を有する少なくとも1種の第一鉄金属粉末を準備し、
空気源を準備し、
該熱可塑性溶融物を該装置の第一オリフィスを通して押し出して連続的フィラメントを形成しながら、同時に該金属粉末を該装置の第二オリフィスを通して投与し、そして該粉末に空気を衝突させて該押し出されたフィラメントの表面を該粉末でコーティングし、そして
該基質中で該フィラメントを集めそして固める
段階を含んでなる電気−伝導性基質の製造方法。
【請求項2】
該方法が過剰の粉末を集めるために真空を組み入れる、請求項1に記載の電気−伝導性基質の製造方法。
【請求項3】
該フィラメントがコロナ放電、静電バー、プラズマ、熱、超音波、マイクロ波、またはそれらの組み合わせにより活性化される、請求項1に記載の電気−伝導性基質の製造方法。
【請求項4】
該フィラメントが全体的にまたは部分的に活性化される、請求項4に記載の電気−伝導性基質の製造方法。
【請求項5】
該溶融押し出し装置がスタックプレートダイ装置である、請求項1に記載の電気−伝導性基質の製造方法。
【請求項6】
側部ダイのダイプレートが種々のデニールのフィラメントを形成するように動揺する、請求項5に記載の電気−伝導性基質の製造方法。
【請求項7】
該フィラメントを有孔性基質上に沈着させる、請求項1に記載の電気−伝導性基質の製造方法。
【請求項8】
該有孔性表面が開放織りメッシュである、請求項7に記載の電気−伝導性基質の製造方法。
【請求項9】
該有孔性表面が三次元表面である、請求項7に記載の電気−伝導性基質の製造方法。
【請求項10】
該熱可塑性溶融物が溶融添加剤を含んでなる、請求項1に記載の電気−伝導性基質の製造方法。
【請求項11】
該フィラメントが約200マイクロメートルに等しいかもしくはそれより小さい直径を有する、請求項1に記載の電気−伝導性基質の製造方法。
【請求項12】
該フィラメントが約20マイクロメートルに等しいかもしくはそれより小さい直径を有する、請求項1に記載の電気−伝導性基質の製造方法。
【請求項13】
該フィラメントが約1.0マイクロメートルに等しいかもしくはそれより小さい直径を有する、請求項1に記載の電気−伝導性基質の製造方法。
【請求項14】
該フィラメントが連続的トウに形成される、請求項1に記載の電気−伝導性基質の製造方法。
【請求項15】
該フィラメントが不織布内に合体される、請求項1に記載の電気−伝導性基質の製造方法。
【請求項16】
該フィラメントが織物製品に織られる、請求項1に記載の電気−伝導性基質の製造方法。
【請求項17】
溶融押し出しダイ装置を準備し、
少なくとも1種の熱可塑性溶融物を準備し、
約25ミクロンに等しいかもしくはそれより小さい直径を有する少なくとも1種の第一鉄金属粉末を準備し、
該金属粉末を該熱可塑性溶融物と一緒にし、
該熱可塑性溶融物をフィルムの連続的カーテンとして押し出し、そして
該フィルムのカーテンを集める
段階を含んでなる電気−伝導性基質の製造方法。
【請求項18】
該フィルムカーテンがテープに裂かれる、請求項17に記載の電気−伝導性基質の製造方法。
【請求項19】
該テープが織られる、請求項18に記載の電気−伝導性基質の製造方法。

【公表番号】特表2007−532796(P2007−532796A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508406(P2007−508406)
【出願日】平成17年4月12日(2005.4.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/012023
【国際公開番号】WO2005/099995
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(506298150)ポリマー・グループ・インコーポレーテツド (4)
【Fターム(参考)】