説明

電気エネルギーへの後続変換のための熱エネルギー蓄積装置

本発明は、少なくとも1個の入熱および圧力リザーバ・モジュールを備える、熱エネルギーを別のエネルギー形態(14、6)に変換するための装置で、それぞれが入熱伝達装置(1)と圧力リザーバ(2)を備え、前記装置(1)と圧力リザーバ(2)は流体(30)交換のため互いに接続され、流体交換のため入熱および圧力リザーバ・モジュール(100)の圧力リザーバ(2)に接続されたエネルギー変換装置(5、6;14、17)によって、入熱および圧力リザーバ・モジュール(100)において流体圧力の形態で蓄積されたエネルギーを前記他のエネルギー形態(14、6)に変換できる装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気エネルギーへの後続変換のための熱エネルギーの蓄積装置に関し、詳細には、本発明は、太陽エネルギーのエネルギー蓄積のための発熱および発電複合装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術は、電気エネルギーを生成するための各種の個別解決手段を開示している。これらは、再充電可能バッテリに保存する電気エネルギーを生成するための太陽光電池モジュールを具備することが多い。もう1つの個別解決手段も自動車で、この場合、バッテリは、車両を動かすモータのVベルトを介して駆動される発電機によって充電される。
【0003】
現代のハイブリッド自動車の場合、バッテリから必要な電気エネルギーを取り出す電気モータ/発電機が、内燃機関に加えて駆動支援として、周知のように設置される。発電機運転中、これらのバッテリはバッファ蓄電装置として充電される。車両におけるこれらバッテリの数は、必要とする空間の量および主にその大重量のために非常に厳しく制約され、これが車両の範囲を大きく狭めることになっている。さらに、バッテリは環境(処分)に対して有害であり、比較的短命である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような先行技術を背景として、本発明は使用するエネルギーの利用比率を改善した冒頭に述べるタイプの装置を特定することを目的とする。
本発明のさらなる目的は装置の特定であり、この場合、熱エネルギーを、特に周知の解決手段に従って必要な再充電可能バッテリに保存するために、または少なくともバッテリの容量を小さくできるように、熱エネルギーをバッファ蓄積することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1の特徴により本発明によって達成される。
【0006】
本発明に係る装置は、エネルギー変換装置を利用し、この装置は、流体交換のための入熱および蓄熱器モジュールの蓄熱器に接続される。たとえば、油圧モータは入熱および蓄熱器モジュールから加えられた流体圧力を、ついでポテンシャルエネルギーとしての別のエネルギー形態に変換することができる。そのため、従来の再充電可能のバッテリベースの個別解決手段の短所は、単純で機械的な方法で回避される。
【0007】
複合ハイブリッド技術を用いた周知の車両は、本発明に従い、長期にわたり実証された構成要素を用いたより単純な技術により置き換えられる。
さらなる有利な改良は従属項に特徴付けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を、代表的な実施例を用いて添付の図面を参照し、例としてより詳しく説明する。
【0009】
図1は、本発明の代表的な1実施例による発熱および発電複合装置のブロック回路図を示す。この場合、図1は、太陽エネルギーのポテンシャルエネルギー保存の代表的な実施例を示す。下記に述べる原理はまた、後述する他の代表的な実施例に転化可能である。
【0010】
図1に示す装置は、太陽集熱器1からなり、太陽集熱器は、入射日光により加熱される、その中を流れる流体を有する。放射された太陽熱エネルギーは太陽集熱器1の前記流体によって吸収され、流体の温度が上がる。概ねこれと関連した体積の膨張は、パイプ30のシステムによって回避され、圧力上昇に変換される。温度センサ31は装置の電子制御装置20に接続され、装置の安全および監視のために用いられる。太陽集熱器上の素子SZは、放射強度の急激な変化を感知するための太陽電池である。流体はパイプライン30を通って蓄積装置2に入り、圧力エネルギーとしてそこで予備蓄積される。圧力制限弁32は、仕様を超える過剰圧力に対して装置を保護し、流体を蓄積装置19に直接導くことが可能である。
【0011】
制御および調整装置20は、スイッチ21のスイッチ設定を含み、装置全体を監視する。スイッチ21が「電流および熱の生成」優先の位置に設定されておらず、システム条件(限定されないが、特に、弁状態、温度および圧力、制御装置の自己試験等をチェック可能)が満たされている場合、遮断弁4は圧力エネルギーをバッファ蓄積装置11内へ導く。蓄積装置2(P2)の圧力値がバッファ蓄積装置11(P11)の圧力値より小さい時、弁4のスイッチを切る。制御/調整装置20は、蓄積装置2(P2)の圧力値がバッファ蓄積装置11(P11)の圧力値より大きくなり、圧力条件が満たされた時のみ、弁4を再びオンに、すなわち、開に切り替える。圧力エネルギーは油圧ハウジング18のピストン室17に与えられ、その結果生じる圧力は、ピストン17(K17)の力がおもり14(K14)の力より大きいという力条件を満たす限り、昇降ピストン16の助けによりおもり14を上に駆動する。K17=K14の場合、弁4はオフに、すなわち、閉に切り替えられる。おもり14は、たとえば電気昇降磁石(鋸歯保護)を介してロッキングイン・ラッチ要素15の助けによりおもり14を導く2本のガイドレール13に段階的にラッチされるのが有利である。
【0012】
別の解決手段として、図1の右側の箱に示し、ねじ山付きガイドロッド121と、フランジ接続減速ギア122を有する油圧モータ123を具備する昇降装置120を用いることもできる。
【0013】
さらに、フライホイールで駆動するトルク蓄積装置を接続することもできる。
【0014】
引上げたおもり14は、垂直汲み上げ液体に置き換えることも可能で、この場合、液体は別の接続の発電機6を直接駆動することができる。特に、油圧モータ5を、油圧ポンプ/モータの組み合わせとしてこの目的に用いることもできる。
【0015】
代表的な本実施例の実施においては、圧力の形態で存在する熱エネルギーをポテンシャルエネルギーに変換することが本質的である。原則として、これは排水質量、張力をかけたバネ、圧縮ガス容量またはその他ポテンシャルエネルギーの変態でよい。
【0016】
一方、スイッチ21を「交互動作」の交互位置に設定した場合、システムは、以下に述べる条件を満たしているかにより、上述の2つの動作モードの間を切り替わる。言い換えると、システムのオペレータが一時的に電流および熱の生成を必要としない場合、オフピークの電流生成など、できるだけ多くのポテンシャルエネルギーを生成するために制御/調整装置20は常に自動的に「エネルギー蓄積」動作モードに変わる。
【0017】
夜間または、光需要等に応じて、電気器具のスイッチを入れた場合、対応するセンサがその需要を制御/調整装置20に信号を送り、安全機能(たとえば、圧力、温度および弁状態など、上述に対応する)について試験を実行すると、需要に基づき、2つのロッキングイン・ラッチ要素を周期的に離間する。この場合、おもり14が下がり、ピストン室17を押圧する結果、圧力エネルギーを生成する。
【0018】
一定の動作条件(特にインバータの準備状態と配電箱の切替状態)が満たされると、遮断弁7は加圧流体を油圧モータ5に導く。これが発電機6を駆動すると電気が生成される。ついで、このように生成された電気エネルギーがバッファ蓄積され、ヘビーデューティコンデンサ蓄積装置において平滑化される。おもり14の減速は、システムの引き出す電気エネルギー量に依存する。
【0019】
要約すると、本装置の次の利点を挙げることができる。上述の代表的な実施例は、一時的エネルギー蓄積の形態で太陽の助けにより取得したエネルギーの蓄積に対し最適の解決手段を可能にする。全個別システムの場合、これは信頼性高く、かつ経済的に従来の電気バッテリに取って代わり、これらに関連する特に次のような不利を回避する。
これらは環境に対し有害で(腐食性ガスの形成、重金属含有等)、
処分が複雑で(エネルギーを浪費するため、高いコストを必要とする)、
比較的高い容量(たとえば、50Ah以上)で非常に重く(25から100キログラム以上)、扱いにくくなり、
比較的高い電力のために相当量のスペースを必要とし、
メンテナンスも、比較的大型の個別システムの場合は定期的メンテナンスを必要とし、
単位重量または体積当りの電力量が比較的低く(W/Kg)、
その寿命は充電/放電サイクル数に大きく依存し、
その寿命は流れる電流量に非常に大きく依存し、
比較的高価で、
時期尚早に不良バッテリを交換すると、新しいバッテリはシステムの他の部分によって「経時変化」してしまう。
エネルギー蓄積のための太陽集熱器の利用のさらなる利点は次の通りである。
無料の太陽エネルギーを利用し、
従来のバッテリに比べて、環境をほとんど害せず、
「実用」効率はバッテリの100%以上優れており、
高電力でも比較的小さいスペースしか必要とせず、
装置にはほとんどメンテナンスが要らず、信頼性が高く、
単位重量当りの電力量が高く、
寿命が長く(20年以上)、
その寿命は事実上、支配している負荷に依存せず、
装置は、長期にわたり実証されている構成要素を用いてコスト効果高く実現することが可能で、
コスト/利用比率が非常に高く、
比較的少ない複雑性で環境保護に真に貢献する。
【0020】
パイプ30のシステムに保持され、真空管太陽集熱器1を介して加熱される液体は、その結果、比較的高温および比較的高圧となる。この場合、制御および調整装置20に接続された圧力ゲージ33もある。パイプおよび蓄積装置2のシステムに加えて、液体は油圧衝撃を回避するためブラダー蓄積装置34にも保持される。
【0021】
油圧モータ5の動作中、次の詳細に留意する必要がある。油圧モータ5の排水量または昇降量は、装置の蓄積容量に合わせて調整可能である(図2に示す巡回路のスケール効果も参照)。油圧モータ5は発電機6を駆動し、その下流には、一般に、発生した電流を平滑化および安定させるためのコンデンサ(図示せず、図2ではコンデンサ蓄積装置KS)を配置する。この負荷に加えて、特に装置の起動期間を橋渡しするために1個以上のバックアップバッテリを緊急電源として設けることができる。専用24ボルトシステムによってシステム電圧を供給することができ、この24ボルトシステムは装置によって有利に充電される。
【0022】
油圧モータを出た後、オイルは逆止弁RK1を通って熱交換器35に流れるが、ここを別の流体が低温でパイプ36を介して通過し、外に導かれて加熱される。温度センサ37(温度差を測定するため4個ある)が制御ユニット20に接続され、とりわけ、後続の弁38も制御する。交点39では、油圧モータ5の直接上流を、バイパス弁10を介して迂回する配管が熱交換器を通過した液体と出会う。
【0023】
油圧モータ5の上流と下流の圧力比が等しい場合、分配ユニット40の上流の弁41は閉じる。弁はそれぞれ電磁的作動弁であることが有利である。
【0024】
システムは、エネルギーの蓄積、または電流/熱の生成のいずれかの一つの選択を提供するスイッチ21によって制御されるのが有利である。
【0025】
液体は弁42とリターンパイプ43を通って収集タンク55のリターン室19に流れる。このタンク55は減少板44によって2部に分かれ、吸引室である第2室では、吸引パイプ45が減少した液体を取り出し、フィルタ46と切替弁47を通って循環ポンプ9に導く。
【0026】
循環ポンプ9は出力側で2個の弁48および49に接続され、高温の液体を、弁49を通って二次蓄積装置50に導き、ここから液体はサイクル中のライン51を通って、液体が冷却され、油圧モータ下流の必要な圧力低下が下がるまで熱交換器35に導かれる。ついで、循環ポンプ9をオフにする。電磁弁38、42は開で、他のすべての隣接する弁10、47、48、49は閉のままである。大幅に予冷された液体の表面張力はさらに減少し、液体はリターン室19内へ流れる。
【0027】
循環ポンプ9は、熱交換器35の二次側の温度差が所定の低い値に達した時のみオフとされる。循環ポンプ9の動作時間は特に使用する液体に依存し、一次側のオイルの比熱は熱交換器35の二次側の水の比熱の半分の大きさとなっている。
【0028】
液体または必要な初期圧力がバッファ蓄積装置と一次蓄積装置2で固有の値未満に下がっている場合、弁52を開き、二次蓄積装置50はバッファ蓄積装置53とさらなる弁54を介して太陽集熱器モジュール1に接続される。
【0029】
低温状態と高温状態の2つの状態がある。低温状態では、液体は要素53、1および2に存在する。ポンプ側の弁49、48、38、10および42と、コレクタ側の弁52、54、41、4は閉じている。制御/調整装置20はまず弁47を開にする。ポンプ9の最小静的初期圧力に達した直後、ポンプ9と、少し遅れて弁48とがオンになる。液体はタンク53に入り、少し遅れて、弁54が開とされる。ついで、弁41、8、38が次々にこの順序で開き、ポンプ9がオフにされるのと同時に弁48と47が閉じる。液体が油圧モータ5、逆止弁RK1、弁8、熱交換器35、弁38を通って交点39のポイントまで流れる間、弁42がオンにされる。ついで、液体の一部は収集タンク55に戻る。このプロセスを短期の間隔で、たとえば3回から5回反復し、起動段階のシステムの完全な通気を可能にする。
【0030】
高温状態では、ポンプ9は一次蓄積装置2から二次蓄積装置50を通って失われた液体分を運ぶが、これは、油圧モータ5を通って出力したか、または「失った」ものである。弁38、10、42、47、49、48、52、54および41は閉じている。制御/調整装置20はまず、弁47をオンにし、ついでポンプ9をオンにする。その後、弁49、52、54、41、8および38をこの順序で連続してオンにする。比較的高温の液体が二次蓄積装置50からタンク53、1および2に流入する。二次蓄積装置50は同時に収集タンク55によって弁49を介して補充される。この間断的充填プロセスは、一次蓄積装置2と二次蓄積装置50の圧力値が等しくなるまで続く。その後、弁41、54、52、48、49、38、ポンプ9および弁47を連続してオフにする。タンク1および2に存在する液体は、新しいサイクルを可能とするように満たされ、太陽熱放射によって再び加熱することができる。
【0031】
この動作方法は、必要な1および2の容量の加熱が、放射の種類によって加速されるか、あるいは油圧モータ5の停止時間が短くなるという利点も有する。
【0032】
高レベルの放射では、蓄積装置50と熱交換器35とを介したサイクルは、より高い圧力格差が形成されるためにより長い間オープンになる。低レベルの放射では、より短期間で集熱器1より緩やかな加熱を達成するため、高温液体が蓄積装置50に残る。
【0033】
この装置の動作モードは間断的であり、対応する圧力が太陽集熱器を介して蓄積された時のみ、油圧モータ5が動作可能、あるいはポテンシャルエネルギー14を介して蓄積装置を前向きに駆動することができる。熱放射レベルが高いほど、サイクルはより迅速に連続することができる。
【0034】
図2は、複数の太陽集熱器および蓄熱器モジュールを有し、たとえば1平方メートルあたり50から500ワットの弱いエネルギー入力で特に利用することのできるブロック回路図を示す。
【0035】
図2は、3個の太陽集熱器および蓄熱器モジュール100を示し、これらはそれぞれすべて図1に示すような対応する配管および巡回路を持つ太陽集熱器1および蓄熱器2を有する。出力側では弁41が重要である。各種モジュール100の弁41はすべて分配ユニット40の各入力に接続される。油圧モータ5、発電機6および熱交換器35と共に、この装置は変換モジュール200を形成する。
【0036】
機械的エネルギーの形式のポテンシャルエネルギーのための蓄積装置に代わり、図2は、従来の負荷回路を示すが、これは最終的に負荷60を駆動する。参照番号61は一体型ボイラー付き加熱蓄積装置を指し、その温水はシャワー62として出力することができ、および/または加熱要素63を通って流れることができる。特に、リターン室19および二次蓄積装置50は1回だけのために設ける。
【0037】
個々のモジュール100の直列接続とは、油圧モータ5が連続して動作できることを意味する。モジュール100の数は当然、自由に増減することができる。この場合、制御回路20は、またモジュール100も制御し、圧力ゲージ33により、どのモジュールの圧力が最大かを監視して、弁41を開くことによりモジュールを常に選択することができる。
【0038】
液体温度が高くなるほど、集熱器1の効率は下がる。そのため、最大動作温度は80から95の範囲に限定される。1平方メートルあたり800から1000ワットの充分な放射では、この場合、3個のモジュール100が重なるように、すなわち互いと重なる(弁41をふさがない)動作段階で動作するのが有利である。熱交換器35は、準備時間ができるだけ短くなるよう、迅速に液体温度を生成することができるのが重要である。当業者は、圧力低下、液体温度、電流レベル、放熱温度差(冷却)の各測定値が絶え間なく動作が連続するために正しい比率で設定されるよう調整する。比較的低い放射値では、液体吸い上げが低く、そのため流量が少ない太陽集熱器を利用することができる。
【0039】
3個のモジュール100の周知設計の太陽集熱器面積1の約4.5平方メートルにおいて、3.3キロワットの熱接続パワーおよび1.5キロワットのピークを有する1.3キロワットの電気接続パワーがある。年間230ボルトの交流電流生産は1500キロワット時である。
【0040】
図3は、本発明の第2の実施例に従った発熱および発電複合装置の回路図を示す。本明細書に示す別の代表的な実施例は、内燃機関からの熱損失と車両の減速エネルギーを用いたエネルギー生成に関する。この場合、太陽集熱器の代わりに車両の内燃機関を用いる。
【0041】
この場合、エネルギーは、入熱を伝達する装置としての内燃機関からの出力熱を用いて生成される。
【0042】
現代の内燃機関で消費される燃料の60から70%は出力熱として失われることは周知の事実である。前進運動のために使われるエネルギーに変換されないこれら燃料のコストに加えて、地球温暖化と、その付随要因として自然災害の形としての因果関係も看過できない。
【0043】
図3に示すハイブリッドモータ24は、ガス、ガソリン、ディーゼル燃料または菜種油などの代替燃料を用いる周知の内燃機関21の駆動構成要素と、駆動支援要素としての油圧モータドライブ22とからなる。共通のトランスミッション18は2個のドライブを結合させ、これらを同期させる。
【0044】
2個のユニット21および22を囲む断熱材26は、従来の内燃機関に比べて出力放射損失を大幅に防ぐ。断熱材26の中に組み入れられた媒熱液25は、燃焼熱の大部分を蓄積する。温度センサ23によって設定されたある一定温度以上で、媒熱液25に蓄積された燃焼熱は、熱交換器79を介してポンプ80によって循環される。別の流体、特にオイルは、ポンプ77によって対流方式を用いて二次側で循環され、この液体は主にエンジンから燃焼熱を吸収する。温度上昇と共に比較的大きく膨張した液体は、望ましくは車両床下に配置されるバッファ蓄積装置73に予備蓄積される。制御および調整装置27は装置と安全基準を監視する。圧力ゲージ67によって記録される特定の圧力値以上で遮断弁68がオンにされる。油圧液体は比較的高い流速で、同様に車両床下に固定されるスチールの耐圧瓶60、61および62に流入する。
【0045】
流入段階中、弁64は適正な時点で解除され、圧量ゲージ66で測定される比較的低圧で、正確に測った量のオイルが、望ましくは車両床下に同様に配置された収集および補償タンク65の吸引力によってバッファ蓄積装置73に流入し、液体を補充する。弁68は再びブロックされる。
【0046】
上述の加熱および蓄熱段階を、耐圧瓶60から62において、圧力ゲージ63によって設定された必要な圧力値に達するまで反復する。回路の故障を別の回路で補償できるよう、望ましくは複数、特に二重の代替性を持たせた制御および調整装置27は、他方の代表的な実施例に関して述べた安全機能について試験を実施した後、動作シーケンス(特に、のろのろ運転、下方移動または制動、スイッチオフしたモータ)を考慮して、弁74をオンにする。
【0047】
瓶60、61および62から流出するオイルは、比較的高圧かつ充分な量で油圧モータ22を流れ、新しいサイクルを再開するために収集および補償タンク65に戻る。油圧モータ22はこれに伴って回転し、その駆動エネルギーをトランスミッション18に伝達し、その動作は間隔を変化させながら継続する。決定的パラメータは圧力と量である。
【0048】
太陽エネルギーによる入熱の変わりに、この場合は従来型機関の出力熱を利用する。これは図1および図2に示す代表的な実施例と同じ手順に対応し、そこでの説明の原理のすべてもここで適用可能で、逆もまた同様である。特に、複数の別個耐圧瓶60、61および62をチャージし、蓄積した圧力を、分配ユニットを介して油圧モータ22にアクセス可能とすることができる。車両の電気を生成するため、発電機を油圧モータ22に接続することができる。
【0049】
当然ながら用途は自動車に限られない。鉄道車両、船舶または航空機に同様に適用することができる。実施例としては、エネルギー変換に関してそれ自体が代表的な「アイランド」となり、島のように点在し独立した変換ユニットである自動車が、特に有利である。
【0050】
さらに、自動車の場合、制動エネルギーを利用してエネルギーを生成することも可能である。自動車の場合、モータが燃料供給を経験しない、すなわち、特にアクセルが作動されず、そのため、エンジンブレーキが機能するときの、制動エネルギーの存在が話題になる。
【0051】
この種のエネルギー生成を、エンジン熱損失を利用したエネルギー生成に、望ましい追加として選択的に用いてよい。移動遅延は、周知の通り、道路交通に悪影響を生じさせることが多い。これは通常、下り坂移動の時、ガスを抜く時、車両を制動する時に発生する。この有益なエネルギー成分は今日まで、軽車両の場合機械的に破壊されているため、未使用で失われていた。
【0052】
本発明はこれらエネルギー成分をエネルギーと経済の点で都合よい方法で利用することを可能にする。代表的な1実施例に従った対応する装置の動作モードは次の通りである。
【0053】
ポンピング動作、すなわち、常に優先順位に従って発生するアキュムレータ60、61、62のチャージは、自動車の運転者がアクセルから足を離したときである。調整および制御装置27は連続して機能的シーケンスを監視する。ある動作条件、たとえば油圧モータ22の温度、油圧モータのオーバフローオイルラインの圧力、油圧モータの回転速度、瓶60、61および62の圧力の条件が満たされ、たとえば5秒後、ブレーキペダルが作動されないと、油圧モータ22は油圧ポンプとして動作するよう切り替えられる。続いて、非常に短時間後、遮断弁74が解除される。収集および補償タンク5にあるオイルは圧力によって吸引され、スチール耐圧瓶60、61および62に導入される。
【0054】
この場合、3個の耐圧瓶の中身の圧縮性は主にハイブリッド駆動の回転速度とポンピング持続時間で決まる。300バール以上の所望の充填圧力に達するか、この動作シーケンスがやむを得ず中断されると、まず弁74、そして非常に短時間後に、油圧ポンプ22をオフにする。このプロセスのブラダー蓄積装置76は大幅に油圧衝撃を取り除く。上述の動作モードは、本発明の代表的な1実施例のエネルギー回収にとって最も効率がよいとみなされる解決手段である。
【0055】
内燃機関からの熱損失と同車両からの制動エネルギーの利用を組み合わせたエネルギー回収によって、次のような大きな利点を持つ新しい地平線が開ける。
エンジンの出力熱を便宜に利用し、
車両からの制動エネルギーを効率的に利用し、
そのため、エンジンの総効率が相当上がり、
同じパワーで燃料消費量を相当減らすことができるため環境保護やCO排出量削減に有利な影響を与え、
1キロメートルあたりのコストまたは移動コストが大幅に減少し、
車両の制動応答が改善され、
ブレーキとクラッチの寿命を延ばし、
時期と大気温度により、自動車エンジンがワーム走行段階(5から約15分持続)で最高300パーセント以上燃料を消費するため、エンジンの静止熱が効率的に蓄積されるので、エンジンの消費と磨耗の減少に関してコールド走行特性が大幅に改善され、
交通渋滞または歩行ペースでの市内ののろのろ運転の場合、エンジン走行時間、または始動および停止の回数(環境保護と修理作業に対する影響に関する消費と磨耗の減少)が減少する。
【0056】
本発明の代表的な実施例に従ったエネルギー回収により、上述の不利がすべて回避される。
【0057】
各種タイプのオイルと液体が油圧液体として考慮される。HLおよびHLPクラスの油圧オイルとDIN51502に従った油圧液体(HFC、HFAおよびHFDグループ)および熱交換器オイルを非制約的選択として挙げる。原則として、この装置は気体形式の流体を用いて動作することもできる。しかしながら、この場合、効率が下悪い。
【0058】
液体の粘度範囲は、例えば最小10cStから最大300cSt(1cSt=1mm/s)の間でよい。しかしながら、400cSt以上の粘度の液体も利用可能である。
【0059】
一次サイクルの液体は、各種圧力範囲で動作可能で、代表的な実施例では次の圧力範囲で利用されている。太陽熱と組み合わせた発電装置の太陽集熱器による代表的な実施例では、15から200バールの間、エネルギー蓄積装置の場合、15から250バールの間の圧力を用いることができる。エネルギー回収の場合、特に50から300バールの圧力を利用することが可能である。
【0060】
油圧モータとしては広範囲な種類が利用可能で、例えば、排水量範囲1.2から5cm/回転(システムのサイズによる)の外部ギアモータ、または排水量範囲5.1から10cm/回転(システムのサイズによる)の内部ギアモータ/ポンプ等、エネルギー回収の場合は、10cm/回転以上の容量を利用可能である。他の用途として、アキシャルピストンモータも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1の実施例による発熱および発電複合装置のブロック回路図である。
【図2】図1に示す複数の太陽集熱器および蓄熱器モジュールを有するブロック回路図である。
【図3】本発明の第2の実施例による発熱および発電複合装置のブロック回路図である。
【符号の説明】
【0062】
1 太陽集熱器
2 一次蓄積装置
4 遮断弁、弁
5 油圧モータ
6 発電機
7 遮断弁
8 弁
9 循環ポンプ
10 バイパス弁
11 バッファ蓄積装置
13 ガイドレール
14 おもり、ポテンシャルエネルギー
15 ロッキングイン・ラッチ要素
16 昇降ピストン
17 ピストン室、ピストン
18 油圧ハウジング、トランスミッション
19 リターン室
20 制御/調整装置
21 スイッチ、ユニット
22 油圧モータ
23 温度センサ
24 ハイブリッドモータ
25 媒熱液
26 断熱材
27 制御/調整装置
30 パイプ、パイプライン
31 温度センサ
32 圧力制限弁
33 圧力ゲージ
34 ブラダー蓄積装置
35 熱交換器
36 パイプ
37 温度センサ
38 電磁弁
39 交点
40 分配ユニット
41 弁
42 電磁弁
43 リターンパイプ
44 減少板
45 吸引パイプ
46 フィルタ
47 切替弁
48 弁
49 弁
50 二次蓄積装置
51 ライン
52 弁
53 バッファ蓄積装置
54 弁
55 タンク
60 耐圧瓶(図3)、負荷(図2)
61 耐圧瓶(図3)、参照番号(図2)
62 耐圧瓶(図3)、シャワー(図2)
63 加熱要素
63 圧力ゲージ
64 弁
65 補償タンク
66 圧量ゲージ
67 圧力ゲージ
68 遮断弁
73 バッファ蓄積装置
74 弁
76 ブラダー蓄積装置
77 ポンプ
79 熱交換器
80 循環ポンプ
100 蓄熱器モジュール
120 昇降装置
121 ガイドロッド
122 フランジ接続減速ギア
123 油圧モータ
200 変換モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個の入熱および蓄熱器モジュール(100)を有し、モジュールはそれぞれ、
入熱を伝達するための装置(1;21)と、
蓄熱器(2;60、61、62)と、を有し、
前記装置(1;21)と蓄熱器(2;60、61、62)は流体交換のために互い(30)に接続され、
エネルギー変換装置(5、6;14、17;22)を有し、エネルギー変換装置は流体交換のために入熱および蓄熱器モジュール(100)の蓄熱器(2;60、61、62)に接続され、エネルギー変換装置により、入熱および蓄熱器モジュール(100)において流体圧力として蓄積可能なエネルギーを別のエネルギー形態(14;6;22)に変換することの可能な、
熱エネルギーを別のエネルギー形態(14;6;22)に変換するための装置。
【請求項2】
分配ユニット(40)に接続した複数の入熱および蓄熱器モジュール(100)を設け、これにより個々の入熱および蓄熱器モジュール(100)をエネルギー変換装置(5、6;14、17)に間断的に接続することが可能であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
エネルギー変換装置は油圧モータ(5;22)であり、選択的には発電目的で前記油圧モータに接続される発電機(6)も含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
エネルギー変換装置は油圧昇降装置(17,14)、またはトルク蓄積装置であることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項5】
熱交換器(35;79)がエネルギー変換装置に接続され、熱交換器(35;79)は循環ポンプ(9;80)を介して入熱を伝達する装置(1;21)に接続されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
消泡および脱湿リザーバ(19)を熱交換器(35)と循環ポンプ(9)との間に設けることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
入熱を伝達する装置(1;21)は太陽集熱器(1)であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
入熱を伝達する装置(1;21)は内燃機関(21)であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−529664(P2007−529664A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503171(P2007−503171)
【出願日】平成16年3月15日(2004.3.15)
【国際出願番号】PCT/CH2004/000153
【国際公開番号】WO2005/088123
【国際公開日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(506310175)
【Fターム(参考)】