電気コネクタ
【課題】第1コネクタを備える回路ユニットと電気的に接続される待受型の電気コネクタにおいて、第1コネクタとカバー部内に収容された第2コネクタとの半嵌合を確実に防止することができる待受型の電気コネクタを提供する。
【解決手段】待受型の電気コネクタ20は、回路ユニット10を受容して所定位置に案内するカバー部21と、カバー部21内に収容されると共に係止手段26によってカバー部21に係止され、回路ユニット10が第1位置まで挿入されたときに、第1コネクタ12との嵌合が完了する第2コネクタ30と、第1コネクタ12と第2コネクタ30との嵌合が完了したときに、第1コネクタ12と第2コネクタ30とをロック完了とするロック手段33と、回路ユニット10がさらに奥側位置まで挿入されたときに、第2コネクタ30への係止解除を開始する係止解除手段27とを具備する。
【解決手段】待受型の電気コネクタ20は、回路ユニット10を受容して所定位置に案内するカバー部21と、カバー部21内に収容されると共に係止手段26によってカバー部21に係止され、回路ユニット10が第1位置まで挿入されたときに、第1コネクタ12との嵌合が完了する第2コネクタ30と、第1コネクタ12と第2コネクタ30との嵌合が完了したときに、第1コネクタ12と第2コネクタ30とをロック完了とするロック手段33と、回路ユニット10がさらに奥側位置まで挿入されたときに、第2コネクタ30への係止解除を開始する係止解除手段27とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタ(第1コネクタ)を備える回路ユニットと電気的に接続する待受型の電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、手を差し入れて嵌合作業を行うことができない箇所や、嵌合状態を目視することができない箇所では、互いに嵌合する1対の電気コネクタが半嵌合状態にされてしまうことがある、という問題があった。自動車用途では、スペースの制約が厳しいために嵌合作業時にこの問題が発生しやすく、1対の電気コネクタが半嵌合状態にあると振動によって接続不良を起こすため、半嵌合を解決することが求められている。
【0003】
そこで、この問題点を解決するために、接続対象物を押し込むだけで軸(芯)合わせされて「いわゆるブラインド接続」を可能にする「待受型コネクタ」が提案されている。この待受型の電気コネクタとして、従来、例えば、図38乃至図47に示すものが知られている(特許文献1参照)。図38は、従来例の待受型の電気コネクタを有するコネクタ装置の組立斜視図である。図39は、図38に示すコネクタ装置において、第1コネクタとともに、待受部に第2コネクタを収容した状態を示す断面図である。図40は、図39における40−40線に沿う断面図である。図41は、図40に示したコネクタ装置の嵌合途中の説明図である。図42は、図41における42−42線に沿う断面図である。図43は、図41に示したコネクタ装置の嵌合途中の説明図である。図44は、図43における44−44線に沿う断面図である。図45は、図43に示したコネクタ装置の嵌合完了状態の説明図である。図46は、第1コネクタと待受部と第2コネクタとの間における係止手段と係止解除手段との関係を示す説明図である。図47は、第1コネクタと第2コネクタとをロックするロック手段とロック解除手段との関係を示す説明図である。
【0004】
図38に示すコネクタ装置101は、第1コネクタ102を備える回路ユニット等の第1構造体(図示せず)と、この第1構造体と電気的に接続する待受型の電気コネクタ105とを備えている。
第1コネクタ102は、扁平の略矩形形状に形成され、図39に示すように、前端(図39における左端)に第2コネクタ104の嵌合部104aを受容する開口102aを有している。第1コネクタ102の上下両面の前端には、それぞれ1対の係止解除キー(係止解除手段)102bが設けられている。また、第1コネクタ102の両側面には、図38及び図39に示すように、1対のロック解除リブ(ロック解除手段)102dが設けられている。各ロック解除リブ102dは、後端側から中央に向かって延びる上下1対のリブ102eと、これらリブ102eの前端部を連結するとともに半円形状に外方に突出した突起102fとにより構成されている。また、第1コネクタ102の両側面には、ロック解除リブ102dの突起102fと対応して開口102a内に開口する係合用窓102gが設けられている。さらに、第1コネクタ102の後端部の四隅には、第1構造体への取付部102hが設けられている。
【0005】
また、待受型の電気コネクタ105は、第2構造体(図示せず)に固定された待受部103と、待受部103に収容され、第1構造体と第2構造体とが組みつけられるときに第1コネクタ102に嵌合接続する第2コネクタ104とを具備している。
ここで、第2コネクタ104は、図38及び図39に示すように、第1コネクタ102の開口102aに受容される略矩形形状の嵌合部104aと、嵌合部104aの後部(図39における右部)に設けられたフランジ部104bとを備えている。第2コネクタ104は、待受部103の貫通孔103a内に後方から装着されるようになっている。フランジ部104bの上下の各中央部には、2つの係止解除キー102bが通過可能な切欠104cが形成されている。また、第2コネクタ104の上下両面の切欠104c近傍には、それぞれ係止部104dが突設されている。係止部104dは、2つの係止解除キー102b間を通過可能とされている。さらに、第2コネクタ104の嵌合部104aの両側面には、それぞれ第1コネクタ102の係合用窓102gに係合して第1コネクタ102と第2コネクタ104とをロックするロック部材(ロック手段)104eが設けられている。第2コネクタ104のフランジ部104bの両側面には、1対の突起104fが突設されている。
【0006】
また、待受部103は、図38及び図39に示すように、略矩形形状に形成され、内部に第2コネクタ104を収容する前後方向(図39における左右方向)に貫通する貫通孔103aが形成されている。待受部103の上下両面の中央には、相互に対向する1対の係止ばねリブ(係止手段)103bが設けられている。各係止ばねリブ103bの後端には、図40及び図46に示すように、係止爪103cが内方に向かって突設されている。また、待受部103の両側壁の各内面には、図39及び図47に示すように、ロック解除手段としての突起103dが設けられている。また、待受部103の両側壁の下端部には、第2構造体への取付部103eが設けられている。また、待受部103の両側壁の後面には、第2コネクタ104の突起104fが係止される1対の切欠103fが形成されている。
【0007】
次に、コネクタ装置101における各構成要素の作用について説明する。
図39及び図40に示すように、待受部103の後端から貫通孔103a内に第2コネクタ104を挿入すると、第2コネクタ104の係止部104dが待受部103の係止ばねリブ103bを押し拡げて係止部104dの先端が係止爪103cにより係止されるとともに、第2コネクタ104の突起104fが待受部103の切欠103fに係止される。これにより、第2コネクタ104が待受部103の貫通孔103a内に収容されて保持され、待受型の電気コネクタ105が完成する。
【0008】
そして、第1コネクタ102を備える第1構造体が図39及び図40に示す矢印A方向に移動すると、第1コネクタ102の前端が待受型電気コネクタ105の待受部103の貫通孔103a内に挿入され、その一方、第2コネクタ104のロック部材104eが第1コネクタ102の開口102a内に挿入され、第1コネクタ102が貫通孔102a内をスライドし、両コネクタ102,104の嵌合が開始する。そして、第1コネクタ102が貫通孔102a内をさらにスライドして、第1コネクタ102及び第2コネクタ104は、図41及び図42に示す嵌合完了の前の状態になる。この状態では、図46(b)に示すように、第1コネクタ102の係止解除キー102bが、待受部103の係止爪103cに当接したばかりで、図46(a)に示すように、第2コネクタ104の係止部104dは、待受部103の係止爪103cにより係止されたままであり、第2コネクタ104が待受部103の貫通孔103a内に収容されて保持されたままである。また、この状態では、第1コネクタ102のロック解除リブ102dの突起102fが、図47(a)に示すように、待受部103の突起103dにより内方に押圧され、これにより第2コネクタ104のロック部材104eが内方に変位されてロック部材104eは係合用窓102gに係合されきっていない。従って、第1コネクタ102と第2コネクタ104とはロックされていない。
【0009】
この状態から第1コネクタ102を備える第1構造体が図39及び図40に示す矢印A方向にさらに図47(b)におけるギャップgだけ移動すると、第1コネクタ102及び第2コネクタ104は、図43及び図44に示す嵌合完了の直前の状態になる。この状態では、図46(d)に示すように、第1コネクタ102の係止解除キー102bが、待受部103の係止ばねリブ103bを外方に押し拡げ、図46(c)に示すように、待受部103の係止爪103cによる第2コネクタ104の係止部104dに対する係止解除がなされる。また、この状態では、第1コネクタ102のロック解除リブ102dの突起102fが、図47(b)に示すように、未だに待受部103の突起103dにより内方に押圧され、これにより第2コネクタ104のロック部材104eが内方に変位されてロック部材104eは係合用窓102gに係合されきっていない。従って、第1コネクタ102と第2コネクタ104とはロックされていない。
【0010】
そして、第1コネクタ102を備える第1構造体が図39及び図40に示す矢印A方向にさらに移動すると、図47(c)に示すように、待受部103の突起103dによるロック解除リブ102dの突起102fへの押圧状態が解除され、第2コネクタ104のロック部材104eが完全に係合用窓102gに係合し、第1コネクタ102と第2コネクタ104とがロックされ、両コネクタ102,104の嵌合が完了する。そして、第1コネクタ102の前端が第2コネクタ104のフランジ部104bを押圧し、図45に示す状態となる。この図45に示す状態では、第2コネクタ104は待受部103の内壁面から離隔されているので、待受部103に取り付けられた第2構造体側の振動が第2コネクタ104に伝わることが完全に防止され、振動ストレスや、振動に起因する異音の発生が防止されることになる。
【特許文献1】特開2002−246106号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、この従来の待受型の電気コネクタ105にあっては、以下の問題点があった。
即ち、第1コネクタ102と待受部103内に収容された第2コネクタ104とがロックされ、両コネクタ102,104の嵌合が完了する前に、図46(d)に示すように、第1コネクタ102の係止解除キー102bが、第2コネクタ104の係止爪103cを外方に押し拡げ、図46(c)に示すように、待受部103の係止爪103cによる第2コネクタ104の係止部104dに対する係止解除がなされ、第2コネクタ104が移動可能となっている。このため、第1コネクタ102が第2コネクタ104に完全に嵌合されずに、いわゆる半嵌合となってしまうことがあった。
【0012】
また、待受型の電気コネクタ105と第1コネクタ102を備える第1構造体が接続されていない状態から、図39及び図40に示すように、第1コネクタ102を備える第1構造体が図39及び図40に示す矢印A方向に移動すると、第1コネクタ102の前端が電気コネクタ105の待受部103の貫通孔103a内に挿入されることになるが、待受部103に第1コネクタ102を案内する機能がない。このため、第1コネクタ102と待受部103内に収容された第2コネクタ104とは、軸(芯)が一致せずに衝突してしまうため、一動作で嵌合させることができなかった。
【0013】
更に、待受型の電気コネクタ105において、第1構造体に取り付けられた第1コネクタ102が表裏逆さまにされて第1コネクタ102が待受部103の貫通孔103a内に挿入されたとき、すなわち第1コネクタ102が誤挿入されたときであっても、第1コネクタ102が待受部103の貫通孔102a内を移動し、第1コネクタ102が第2コネクタ104に誤装着されてしまうことがあった。
【0014】
従って、本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、第1コネクタを備える回路ユニットと電気的に接続される待受型の電気コネクタにおいて、第1コネクタとカバー部内に収容された第2コネクタとの半嵌合を確実に防止することができる電気コネクタを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、第1コネクタを備える回路ユニットと電気的に接続する待受型の電気コネクタにおいて、回路ユニットをカバー部で案内するようにすることにより、第1コネクタとカバー部内に収容された第2コネクタとを一動作で嵌合させることができる電気コネクタを提供することにある。
【0015】
更に、本発明の他の目的は、第1コネクタを備える回路ユニットと電気的に接続する待受型の電気コネクタにおいて、回路ユニットが表裏逆さまにされて第1コネクタが表裏逆さまに誤挿入されたときに第1コネクタとカバー部内に収容された第2コネクタとの嵌合を阻止でき、回路ユニットが誤挿入されたことを容易に検知することができる電気コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記問題を解決するため、本発明のうち請求項1に係る電気コネクタは、第1コネクタを備える回路ユニットと電気的に接続する待受型の電気コネクタであって、前記回路ユニットを受容して所定位置に案内するカバー部と、該カバー部内に収容されると共に係止手段によって前記カバー部に係止され、受容した前記回路ユニットが第1位置まで挿入されたときに、前記第1コネクタとの嵌合が完了する第2コネクタと、前記回路ユニットが前記第1位置まで挿入されて前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合が完了したときに、前記第1コネクタと前記第2コネクタとをロック完了とするロック手段と、前記回路ユニットが前記第1位置からさらに奥側位置まで挿入されたときに、前記係止手段による前記第2コネクタへの係止解除を開始する係止解除手段とを具備し、該係止解除手段によって前記第2コネクタへの係止解除が完了されたときに、前記第2コネクタが前記カバー部内で回路ユニット挿抜方向にスライド可能となることを特徴としている。
【0017】
また、本発明のうち請求項2に係る電気コネクタは、請求項1記載の電気コネクタにおいて、前記回路ユニットが表裏逆さまにされて前記第1コネクタが表裏逆さまに前記カバー部内に挿入されたときに、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合を阻止する嵌合阻止手段を備えることを特徴としている。
更に、本発明のうち請求項3に係る電気コネクタは、請求項1又は2記載の電気コネクタにおいて、前記回路ユニットが前記第1位置から前記奥側位置を経てさらに第2位置にまで挿入されたときに、前記回路ユニットを前記カバー部に保持する保持手段を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明のうち請求項1に係る電気コネクタによれば、受容した回路ユニットが第1位置まで挿入されたときに、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了するように第2コネクタをカバー部内に収容して係止し、回路ユニットが第1位置まで挿入されて第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了したときに、第1コネクタと第2コネクタとをロック完了とするロック手段を設け、回路ユニットが第1位置からさらに奥側位置まで挿入されたときに、第2コネクタへの係止解除を開始する係止解除手段を備えているので、第1コネクタと第2コネクタとのロックが完了し、両コネクタの嵌合が完了した後に、係止解除手段によって、カバー部に係止された第2コネクタへの係止解除がなされる。このため、第1コネクタがカバー部内に収容された第2コネクタに対して半嵌合となることはない。即ち、回路ユニットが所定位置にまで挿入されたときには、第1コネクタと第2コネクタは必ず嵌合完了していることになる。従って、第1コネクタを備える回路ユニットと電気的に接続する待受型の電気コネクタにおいて、第1コネクタとカバー部内に収容された第2コネクタとの半嵌合を確実に防止することができる電気コネクタとすることができる。
また、カバー部は第1コネクタを備える回路ユニットを受容して所定位置まで案内するようになっているので、第1コネクタを備える回路ユニットと電気的に接続する待受型の電気コネクタにおいて、第1コネクタとカバー部内に収容された第2コネクタとは、軸(芯)が一致して嵌合され、一動作で嵌合することができる。
【0019】
また、本発明のうち請求項2に係る電気コネクタによれば、請求項1記載の電気コネクタにおいて、前記回路ユニットが表裏逆さまにされて前記第1コネクタが表裏逆さまに前記カバー部内に挿入されたときに、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合を阻止する嵌合阻止手段を備えるので、第1コネクタが表裏逆さまにされて回路ユニットが誤挿入されたときに第1コネクタと第2コネクタとの嵌合を阻止でき、回路ユニットが嵌合完了位置である第1位置まで挿入できない。このため、回路ユニットが誤挿入されたことを容易に検知することができる。
【0020】
更に、本発明のうち請求項3に係る電気コネクタによれば、請求項1又は2記載の電気コネクタにおいて、前記回路ユニットが前記第1位置から前記奥側位置を経てさらに第2位置にまで挿入されたときに、前記回路ユニットを前記カバー部に保持する保持手段を備えるので、回路ユニットをカバー部で保持でき、回路ユニットを保持する別個の回路ユニット保持部材(ボックス)を設ける必要はない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る待受型の電気コネクタの第1実施形態とこの待受型の電気コネクタに嵌合し電気的に接続する回路ユニットとからなるコネクタ装置の分解斜視図であり、待受型の電気コネクタを背面側から、回路ユニットを正面側から見ている。図2は、図1のコネクタ装置の分解斜視図であり、待受型の電気コネクタを正面側から、回路ユニットを背面側から見ている。図3は、図1に示すコネクタ装置を待受型の電気コネクタの背面側から見た図である。
また、図4は、図3におけるA−A線に沿う断面図であって回路ユニットと待受型の電気コネクタとが嵌合されていない状態を示している。図5は、図3におけるB−B線に沿う断面図であって第1コネクタと第2コネクタとが嵌合されていない図4と対応した状態を示している。
【0022】
図1乃至図3において、コネクタ装置1は、回路ユニット10と、この回路ユニット10と嵌合し電気的に接続する待受型の電気コネクタ20とを具備している。以後、回路ユニット10においては、正面側から見て前側(図4における右側)を「前側」、正面側から見て後側を「後側」、正面側から見て上側(図5における上側)を「上側」、正面側から見て下側を「下側」、正面側から見て右側(図3における右側、図4における上側)を「右側」、正面側から見て左側を「左側」とする。また、待受型の電気コネクタ20においては、正面側から見て前側(図4における左側)を「前側」、正面側から見て後側を「後側」、正面側から見て上側(図5における上側)を「上側」、正面側から見て下側を「下側」、正面側から見て右側(図3における左側、図4における下側)を「右側」、正面側から見て左側を「左側」とする。
【0023】
ここで、回路ユニット10は、図1及び図4に示すように、略扁平の角筒形状の筐体11と、この筐体11の前端(図4における右端)に固定された第1コネクタ12とを備えている。第1コネクタ12は、筐体11の前端に固定される略扁平の角筒形状のハウジング13を有している。第1コネクタ12のハウジング13の幅は、図4に示すように、筐体11の幅よりも小さくなっている。ハウジング13の内部には、図1及び図4に示すように、後述する電気コネクタ20のコネクタ収容部24を受容する前面に開口した凹部13aが形成されている。そして、この凹部13aの内部には、図4に示すように、ハウジング13の幅方向に延びる略矩形形状のコンタクト固定部14が凹部13aの底から前方に突出するように設けられている。このコンタクト固定部14には、図示しない複数列状のコンタクトが取り付けられている。また、ハウジング13の後部には、筐体11内に固定された図示しない回路基板上にハウジング13を固定するための1対の固定部15が設けられている。前述した各コンタクトは、その後端部が回路基板に半田接続されるようになっている。また、コンタクト固定部14の上下両面には、それぞれ1対のロック部16がコンタクト固定部14から前方に突出するように設けられている。各ロック部16には、開口16aが形成されている。また、コンタクト固定部14の幅方向両側面には、それぞれ1対の第1係止解除突起17が上下両端に設けられている。また、コンタクト固定部14の前面の幅方向略中央部であって上下方向やや上側からは誤嵌合阻止板18が前方に向けて延びている。更に、ハウジング13の上下両壁内面の略中央部には、それぞれ1対の押圧突起19が設けられている。
【0024】
一方、待受型の電気コネクタ20は、第1コネクタ12を備える回路ユニット10を受容して図21に示す所定位置に案内するカバー部21と、カバー部21内に収容され、第1コネクタ12と嵌合する第2コネクタ30とを備えている。ここで、「所定位置」とは、図21乃至図23に詳細に示すように、回路ユニット10が最終的に挿入された位置で、回路ユニット10をこれ以上挿入できない位置である。
【0025】
カバー部21は、略扁平の角筒形状をなし、前部(図4における左部)に回路ユニット10の筐体11を受容する筐体受容凹部22を設け、後部に第1コネクタ12のハウジング13を受容するハウジング受容凹部23を設けている。このハウジング受容凹部23内には、第2コネクタ30を収容する略矩形形状のコネクタ収容部24が設けられている。コネクタ収容部24内には、第2コネクタ30を収容する前後方向に貫通する貫通孔24aが設けられている。また、コネクタ収容部24の幅方向の両側壁には、1対のラッチアーム25が設けられている。各ラッチアーム25は、コネクタ収容部24の幅方向の側壁後方部から前方に向けて延びる方持ち梁状に形成され、先端近傍が貫通孔24a内に突出するようになっている。そして、各ラッチアーム25の先端の上下方向中央部には、第2コネクタ30をコネクタ収容部24内に係止するための第1突起(係止手段)26が貫通孔24a内に向けて突出形成され、また、ラッチアーム25の先端の上下方向両端には、第1突起26による第2コネクタ30への係止解除を行うための1対の第2係止解除突起(係止解除手段)27が貫通孔24a内に向けて突出形成されている。また、コネクタ収容部24の上下両壁の前端部には、それぞれ1対のストッパ突起29(図5参照)が設けられている。そして、カバー部21の上下両壁には、コネクタ収容部24の後端部近傍から前端部近傍に至るまで延びる方持ち梁状の1対の支持アーム28が設けられている。
【0026】
また、第2コネクタ30は、略矩形形状のハウジング31と、ハウジング31に複数列状に取り付けられ、前側の部分で第1コネクタ12のコンタクトに接触するコンタクト(図示せず)とを備えている。各コンタクトは、その後側の部分で電線(図示せず)に接続されている。第2コネクタ30は、ワイヤハーネス(電線)端に取り付けられた後に、カバー部21のコンタクト収容部24の貫通孔24a内にカバー部21の後方から収容されるようになっている。第2コネクタ30のハウジング31の幅方向両端面には、コネクタ収容部24に設けられた第1突起26に係止される1対の第2突起32が形成されている。第2コネクタ30は、コネクタ収容部24の貫通孔24a内にカバー部21の後方から収容され、図4に示すように、第2突起32が第1突起26を乗り越えてその第1突起26の前方に位置することにより、後方への移動が規制されるようになっている。このように第2突起32が第1突起26を乗り越えたときには、第2コネクタ30のハウジング31の前端面がコネクタ収容部24の前端面とほぼ一致する位置になる。この第2コネクタ30が係止される位置は、回路ユニット10が図12に示す第1位置に挿入されたときに、第1コネクタ12と第2コネクタ30との嵌合が完了する位置である。また、第2コネクタ30のハウジング31の上下両面には、それぞれ前後方向に延びる1対の突条34(図4参照)が突出形成されており、これら突条34の前端面がコネクタ収容部24に設けられたストッパ突起29の後端面に当接することにより、第2コネクタ30の前方への移動が規制されるようになっている。また、第2コネクタ30のハウジング31の上下両面の前端部近傍には、それぞれ第1コネクタ12のロック部16の開口16aに入り込んで第1コネクタ12と第2コネクタ30とをロックする1対のロック突起33(ロック手段)が突出形成されている。また、第2コネクタ30のハウジング31の前面の幅方向略中央部であって上下方向やや上側からは、図5に示すように、第1コネクタ12に設けられた誤嵌合阻止板18が嵌入される誤嵌合阻止用孔35(嵌合阻止手段)が穿設されている。
【0027】
次に、回路ユニット10と電気コネクタ20との嵌合作用について、図4乃至図23を参照して説明する。図6は、図3におけるA−A線に沿う断面図であって第1コネクタと第2コネクタとの嵌合途中の状態を示している。図7は、図3におけるB−B線に沿う断面図であって図6と対応した状態を示している。図8は、図6及び図7における主要部の詳細を示し、(A)は図7における矢印8Aで示す部分の拡大図、(B)は図6における矢印8Bで示す部分の拡大図である。図9は、図3におけるA−A線に沿う断面図であって第1コネクタと第2コネクタとの嵌合完了直前の状態を示している。図10は、図3におけるB−B線に沿う断面図であって図9と対応した状態を示している。図11は、図9及び図10における主要部の詳細を示し、(A)は図10における矢印11Aで示す部分の拡大図、(B)は図9における矢印11Bで示す部分の拡大図、(C)は図10における矢印11Cで示す部分の拡大図である。図12は、図3におけるA−A線に沿う断面図であって、回路ユニットが第1位置に挿入され、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態を示している。図13は、図3におけるB−B線に沿う断面図であって図12と対応した状態を示している。図14は、図12及び図13における主要部の詳細を示し、(A)は図13における矢印14Aで示す部分の拡大図、(B)は図12における矢印14Bで示す部分の拡大図、(C)は図13における矢印14Cで示す部分の拡大図、(D)は図12における矢印14Dで示す部分の拡大図である。図15は、図3におけるA−A線に沿う断面図であって第1コネクタと第2コネクタとが嵌合完了してから第2コネクタへの係止解除が開始された状態を示している。図16は、図3におけるB−B線に沿う断面図であって図15と対応した状態を示している。図17は、図15及び図16における主要部の詳細を示し、(A)は図16における矢印17Aで示す部分の拡大図、(B)は図15における矢印17Bで示す部分の拡大図、(C)は図16における矢印17Cで示す部分の拡大図、(D)は図15における矢印17Dで示す部分の拡大図である。図18は、図3におけるA−A線に沿う断面図であって第2コネクタへの係止解除が完了された状態を示している。図19は、図3におけるB−B線に沿う断面図であって図18と対応した状態を示している。図20は、図18における主要部の詳細を示し、(A)は図18における矢印20Aで示す部分の拡大図、(B)は図18における矢印20Bで示す部分の拡大図である。図21は、図3におけるA−A線に沿う断面図であって回路ユニットが所定位置まで挿入された状態を示している。図22は、図3におけるB−B線に沿う断面図であって図21と対応した状態を示している。図23は、図21及び図22における主要部の詳細を示し、(A)は図21における矢印23Aで示す部分の拡大図、(B)は図22における矢印23Bで示す部分の拡大図である。
【0028】
先ず、図4及び図5に示す回路ユニット10と電気コネクタ20とが嵌合されていない状態から、図4及び図5に示す矢印X方向に回路ユニット10を前進させ、回路ユニット10の第1コネクタ12のハウジング13を、カバー部21のハウジング受容凹部23内に挿入し、回路ユニット10の筐体11を、カバー部21の筐体受容凹部22内に挿入する。この際に、回路ユニット10の第1コネクタ12のハウジング13は、カバー部21のハウジング受容凹部23の内壁に沿って案内され、また、回路ユニット10の筐体11は、カバー部21の筐体受容凹部22の内壁に沿って案内される。このため、第1コネクタ12とコネクタ収容部24内に収容された第2コネクタ30とは、軸(芯)が一致して嵌合され、一動作で嵌合することができる。ここで、回路ユニット10の挿入に際し、第1コネクタ12がある側と反対側から回路ユニット10をカバー部21内に挿入すると、回路ユニット10の筐体11がカバー部21内のハウジング受容凹部23と筐体受容凹部22との境にある段差部に当接し、回路ユニット10の前後逆さまにした誤挿入が防止される。
【0029】
そして、第1コネクタ12を先頭にした回路ユニット10の挿入が行われると、図7に示すように、第1コネクタ12に設けられた誤嵌合阻止板18が第2コネクタ30に設けられた誤嵌合阻止用孔35に入り込んで、第1コネクタ12と第2コネクタ30との嵌合が開始され、図6に示すように、第1コネクタ12と第2コネクタ30とが嵌合途中の状態になる。このとき、図8(B)に示すように、第2コネクタ30の第2突起32は第1突起26の前方に位置したままで係止状態にあり、第2コネクタ30後方への移動が規制されている。一方、この状態では、図8(A)に示すように、第1コネクタ12に設けられた各押圧突起19がカバー部21に設けられた各支持アーム28に当接する。なお、図6及び図7に示す状態では、第1コネクタ12に設けられたコンタクトと第2コネクタ30に設けられたコンタクトとは未だ接触してない。
【0030】
ここで、図4及び図5に示す状態から、回路ユニット10が表裏逆さまにされて第1コネクタ12が表裏逆さまにカバー部21内に挿入されると、第1コネクタ12に設けられた誤嵌合阻止板18が、第2コネクタ30に設けられた誤嵌合阻止用孔35に入り込まずに、第2コネクタ30のハウジング31の前端面に当接する。誤嵌合阻止板18がコンタクト固定部14の前面の上下方向やや上側に設けられ、また、誤嵌合阻止板18が嵌入される誤嵌合阻止用孔35が第2コネクタ30のハウジング31の前面の上下方向やや上側に設けられており、第1コネクタ12が表裏逆さまにされると、誤嵌合阻止板18が上下方向のやや下側に位置することになるからである。従って、回路ユニット10が表裏逆さまにされて第1コネクタ12が表裏逆さまにカバー部21内に挿入されたときには、誤嵌合阻止板18及び誤嵌合阻止用孔35により、第1コネクタ12と第2コネクタ30との嵌合が阻止される。このため、回路ユニット10を嵌合完了位置まで挿入できず、回路ユニット10が表裏逆さまに誤挿入されたことを容易に検知することができる。
【0031】
次いで、図6及び図7に示す状態から回路ユニット10を更に前進させると、図9及び図10に示すように、第1コネクタ12と第2コネクタ30とが嵌合完了直前の状態となる。この際に、回路ユニット10のハウジング13は、カバー部21のハウジング受容凹部23の内壁に沿って案内され、また、筐体11は、カバー部21の筐体受容凹部22の内壁に沿って案内される。この状態では、図11(A)に示すように、第1コネクタ12の上側に設けられた押圧突起19がカバー部21の上側に設けられた支持アーム28を下方向(図11(A)における矢印方向)に押圧し、第1コネクタ12の下側に設けられた押圧突起19がカバー部21の下側に設けられた支持アーム28を上方向に押圧し、これら上下の支持アーム28により第2コネクタ30を挟み込んで固定する。また、図11(B)に示すように、第2コネクタ30の第2突起32は第1突起26の前方に位置したままで係止状態にあり、第2コネクタ30後方への移動が規制されている。そして、第1コネクタ12に設けられたコンタクトと第2コネクタ30に設けられたコンタクトとが接触する。これらコンタクトの接触に際して、第2コネクタ30は、上下の支持アーム28により固定されているので、コンタクト同士の接触が確実に行われる。これにより、回路ユニット10と電気コネクタ20とが電気的に接続されることになる。なお、この状態では、図11(C)に示すように、第1コネクタ12のロック部16が第2コネクタ30のロック突起33に当接する。
【0032】
そして、図9及び図10に示す状態から回路ユニット10を更に前進させると、図12及び図13に示すように、回路ユニット10が第1位置に挿入され、第1コネクタ12と第2コネクタ30との嵌合が完了した状態となる。この際に、回路ユニット10のハウジング13は、カバー部21のハウジング受容凹部23の内壁に沿って案内され、また、筐体11は、カバー部21の筐体受容凹部22の内壁に沿って案内される。この状態では、図14(A)に示すように、第1コネクタ12の上側に設けられた押圧突起19がカバー部21の上側に設けられた支持アーム28を未だに下方向(図14(A)における矢印方向)に押圧し、第1コネクタ12の下側に設けられた押圧突起19がカバー部21の下側に設けられた支持アーム28を未だに上方向に押圧し、これら上下の支持アーム28により第2コネクタ30を挟み込んで固定している。また、図14(B)に示すように、第2コネクタ30の第2突起32は第1突起26の前方に位置したままで係止状態にあり、第2コネクタ30後方への移動が未だに規制されている。そして、この状態では、図14(C)に示すように、第1コネクタ12のロック部16が第2コネクタ30のロック突起33を乗り越えてロック突起33が開口16aに入り込み、第1コネクタ12と第2コネクタ30とのロックが完了する。なお、この状態では、図14(D)に示すように、第1コネクタ12に設けられた第1係止解除突起17は、カバー部21のラッチアーム25に設けられた第2係止解除突起27に当接する。
【0033】
更に、図12及び図13に示す状態から回路ユニット10を前進させると、図15及び図16に示すように、回路ユニット10が第1位置からさらに奥側位置に挿入された状態となる。この際に、回路ユニット10のハウジング13は、カバー部21のハウジング受容凹部23の内壁に沿って案内され、また、筐体11は、カバー部21の筐体受容凹部22の内壁に沿って案内される。この状態では、図17(A)に示すように、第1コネクタ12の上側に設けられた押圧突起19による上側支持アーム28に対する押圧が解除され、第1コネクタ12の下側に設けられた押圧突起19による下側支持アーム28に対する押圧が解除される。また、図17(D)に示すように、第1コネクタ12の正面側から見て右側(図15における上側)に設けられた第1係止解除突起17は、カバー部21の正面側から見て左側(図15における上側)のラッチアーム25に設けられた第2係止解除突起27を介してそのラッチアーム25を左方向(図17(D)に示す矢印方向)に押し拡げ、第1コネクタ12の正面側から見て左側に設けられた第1係止解除突起17は、カバー部21の正面側から見て右側のラッチアーム25に設けられた第2係止解除突起27を介してそのラッチアーム25を右方向に押し拡げる。これにより、第1突起26による第2コネクタ30への係止解除が開始する。即ち、図17(B)に示すように、カバー部21の正面側から見て右側のラッチアーム25が右方向(図17(B)に示す矢印方向)に押し拡げられることにより、このラッチアーム25に設けられた第1突起26も右方向に移動し、この第1突起26による第2コネクタ30に設けられた正面側から見て右側の第2突起32への係止解除が開始される。また、カバー部21の正面側から見て左側のラッチアーム25が左方向に押し拡げられることにより、このラッチアーム25に設けられた第1突起26も左方向に移動し、この第1突起26による第2コネクタ30に設けられた正面側から見て左側の第2突起32への係止解除が開始される。なお、この状態では、図17(C)に示すように、第1コネクタ12のロック部16は、第2コネクタ30のロック突起33を乗り越えてロック突起33が開口16aに入り込んでおり、第1コネクタ12と第2コネクタ30とのロック状態は維持されている。
【0034】
次いで、図15及び図16に示す状態から回路ユニット10を更に前進させると、図18及び図19に示すように、回路ユニット10がさらに奥側の位置に挿入された状態となる。この際に、回路ユニット10のハウジング13は、カバー部21のハウジング受容凹部23の内壁に沿って案内され、また、筐体11は、カバー部21の筐体受容凹部22の内壁に沿って案内される。この状態では、図20(B)に示すように、第1コネクタ12の正面側から見て右側に設けられた第1係止解除突起17は、カバー部21の正面側から見て左側のラッチアーム25に設けられた第2係止解除突起27を乗り越え、そのラッチアーム25は図20(B)に示す矢印方向に動いて元の位置に復帰する。また、第1コネクタ12の正面側から見て左側に設けられた第1係止解除突起17は、カバー部21の正面側から見て右側のラッチアーム25に設けられた第2係止解除突起27を乗り越え、そのラッチアーム25も同様に元の位置に復帰する。そして、図20(A)に示すように、第2コネクタ30の正面側から見て右側の第2突起32は第2コネクタ30とともに後方へ移動して、カバー部21の正面側から見て右側のラッチアーム25に設けられた第1突起26の後側に位置する。また、第2コネクタ30の正面側から見て左側の第2突起32は第2コネクタ30とともに後方へ移動して、カバー部21の正面側から見て左側のラッチアーム25に設けられた第1突起26の後側に位置する。これにより、第1突起26による第2コネクタ30への係止解除が完了する。なお、言うまでもないが、この状態では、第2コネクタ12のロック部16は、第2コネクタ30のロック突起33を乗り越えてロック突起33が開口16aに入り込んでおり、第1コネクタ12と第2コネクタ30とのロック状態は維持されている。第1突起26による第2コネクタ30への係止解除が完了されると、第2コネクタ30がコネクタ収容部24内で回路ユニット挿抜方向にスライド可能となる。
【0035】
そして、図18及び図19に示す状態から回路ユニット10を更に前進させると、図21及び図22に示すように、回路ユニット10が最終的な所定位置まで挿入された状態状態となる。この際に、回路ユニット10の第1コネクタ12のハウジング13は、カバー部21のハウジング受容凹部23の内壁に沿って案内され、また、筐体11は、カバー部21の筐体受容凹部22の内壁に沿って案内される。また、第2コネクタ30はコネクタ収容部24の最後端近傍位置まで後退する。そして、回路ユニット10が所定位置まで挿入された状態では、図23(A),(B)に示すように、第1コネクタ12のハウジング13の凹部13aの底部が、カバー部21に設けられたコネクタ収容部24の前端面に当接する。なお、言うまでもないが、この状態では、第1コネクタ12のロック部16は、第2コネクタ30のロック突起33を乗り越えてロック突起33が開口16aに入り込んでおり、第1コネクタ12と第2コネクタ30とのロック状態は維持されている。また、第1コネクタ12に設けられたコンタクトと第2コネクタ30に設けられたコンタクトとの接触状態は維持されている。回路ユニット10が最終的な所定位置まで挿入されることにより、回路ユニット10と電気コネクタ20との嵌合が完了する。
【0036】
この回路ユニット10と電気コネクタ20との嵌合過程においては、図12乃至図14に示すように、第1コネクタ12と第2コネクタ30とのロックが完了し、両コネクタ12,30の嵌合が完了した後に、図15乃至図17に示すように、第1係止解除突起17及び第2係止解除突起27によって、第1突起26による第2コネクタ30の第2突起32への係止解除が開始されるとともに、図18乃至図20に示すように、その係止解除が完了する。このため、第1コネクタ12が第2コネクタ30に対して半嵌合となることはない。即ち、回路ユニット10が図21乃至図23に示す所定位置にまで挿入されたときには、両コネクタ12,30は必ず嵌合完了していることになる。従って、第1コネクタ12を備える回路ユニット10と電気的に接続する待受型の電気コネクタ20において、第1コネクタ12とカバー部21内に収容された第2コネクタ30との半嵌合を確実に防止することができる電気コネクタ20とすることがてきる。
【0037】
なお、回路ユニット10と電気コネクタ20との嵌合を解除するときには、図21及び図22に示す状態から回路ユニット10を図4及び図5に示す矢印X方向と反対方向に引っ張って後退させればよい。これにより、図4乃至図23で示した動作と反対の動作がなされて、図4及び図5に示すように、回路ユニット10と電気コネクタ20との嵌合が解除されることになる。
【0038】
次に、本発明に係る待受型の電気コネクタの第2実施形態について説明する。図24は、本発明に係る待受型の電気コネクタの第2実施形態とこの待受型の電気コネクタに電気的に接続する回路ユニットとからなるコネクタ装置を、待受型の電気コネクタの背面側から見た図である。
また、図25は、図24におけるC−C線に沿う断面図であって回路ユニットと待受型の電気コネクタとの嵌合途中の状態を示している。図26は、図24におけるD−D線に沿う断面図であって図25と対応した状態を示している。図27は、図24におけるC−C線に沿う断面図であって第1コネクタと第2コネクタとの嵌合完了直前の状態を示している。図28は、図24におけるD−D線に沿う断面図であって図27と対応した状態を示している。図29は、図28における矢印29で示す部分の拡大図である。図30は、図24におけるC−C線に沿う断面図であって、回路ユニットが第1位置に挿入され、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態を示している。図31は、図24におけるD−D線に沿う断面図であって図30と対応した状態を示している。図32は、図24におけるC−C線に沿う断面図であって第1コネクタと第2コネクタとが嵌合完了してから第2コネクタへの係止解除が開始された状態を示している。図33は、図24におけるD−D線に沿う断面図であって図32と対応した状態を示している。図34は、図24におけるC−C線に沿う断面図であって第2コネクタへの係止解除が完了された状態を示している。図35は、図24におけるD−D線に沿う断面図であって図34と対応した状態を示している。図36は、図24におけるC−C線に沿う断面図であって回路ユニットが所定位置まで挿入された状態を示している。図37は、図24におけるD−D線に沿う断面図であって図36と対応した状態を示している。
【0039】
図24乃至図26において、コネクタ装置51は、図1乃至図23に示したコネクタ装置1と同様に、回路ユニット60と、この回路ユニット60と嵌合するいわゆる待受型の電気コネクタ70とを具備している。以後、回路ユニット60においては、正面側から見て前側(図25における右側)を「前側」、正面側から見て後側を「後側」、正面側から見て上側(図26における上側)を「上側」、正面側から見て下側を「下側」、正面側から見て右側(図24における右側、図25における上側)を「右側」、正面側から見て左側を「左側」とする。また、待受型の電気コネクタ70においては、正面側から見て前側(図25における左側)を「前側」、正面側から見て後側を「後側」、正面側から見て上側(図26における上側)を「上側」、正面側から見て下側を「下側」、正面側から見て右側(図24における左側、図25における下側)を「右側」、正面側から見て左側を「左側」とする。
【0040】
ここで、回路ユニット60は、図25及び図26に示すように、図1及び図2に示す回路ユニット10と異なり、上面に傾斜部61aを設けて前側(図26における右側)を厚くし後側を薄くした角筒形状の筐体61と、この筐体61の前端に固定された第1コネクタ62とを備えている。第1コネクタ62は、筐体61の前端に固定される略扁平の角筒形状のハウジング63を有している。第1コネクタ62のハウジング63の幅は、第1コネクタ12のハウジング13の幅と異なり、図25示すように、筐体61の幅と同一となっている。ハウジング63の内部には、図25及び図26に示すように、後述する電気コネクタ80のコネクタ収容部74を受容する前面に開口した凹部63aが形成されている。そして、この凹部63aの内部には、図25に示すように、ハウジング63の幅方向に延びる略矩形形状のコンタクト固定部64が凹部63aの底から前方に突出するように設けられている。このコンタクト固定部64には、複数列状のコンタクト68が取り付けられている。また、ハウジング63の後部には、筐体61内に固定された回路基板PCB上にハウジング63を固定するための1対の固定部65が設けられている。前述した各コンタクト68は、その後端部が回路基板PCBに例えば半田接続等によって電気的に接続されるようになっている。また、コンタクト固定部64の上下両面には、それぞれ1対のロック部66がコンタクト固定部64から前方に突出するように設けられている。各ロック部66には、開口66aが形成されている。また、コンタクト固定部64の幅方向両側面には、それぞれ1対の第1係止解除突起67が上下両端に設けられている。また、ハウジング63の上下両壁内面の略中央部には、それぞれ1対の押圧突起69が設けられている。
【0041】
一方、待受型の電気コネクタ70は、図1に示す電気コネクタ20と同様に、第1コネクタ62を備える回路ユニット60を受容して図36に示す所定位置に案内するカバー部71と、カバー部71内に収容される第2コネクタ80とを備えている。
カバー部71は、図25に示すように、略扁平の角筒形状をなし、内部に回路ユニット60の第1コネクタ62及び筐体61の双方を受容する回路ユニット受容凹部72を前面(図25における左面)に開口するように設けている。この回路ユニット受容凹部72内の後部には、第2コネクタ80を収容する略矩形形状のコネクタ収容部74が設けられている。コネクタ収容部74内には、第2コネクタ80を収容する前後方向に貫通する貫通孔74aが設けられている。また、コネクタ収容部74の幅方向の両側壁には、1対のラッチアーム75が設けられている。各ラッチアーム75は、コネクタ収容部74の幅方向の側壁後方部から前方に向けて延びる方持ち梁状に形成され、先端近傍が貫通孔74a内に突出するようになっている。そして、各ラッチアーム75の先端の上下方向中央部には、第2コネクタ80をコネクタ収容部74内に係止するための第1突起(係止手段)76が貫通孔74a内に向けて突出形成され、また、ラッチアーム75の先端の上下方向両端には、第1突起76による第2コネクタ80への係止解除を行うための1対の第2係止解除突起(係止解除手段)77が貫通孔74a内に向けて突出形成されている。また、コネクタ収容部74の上下両壁の前端部には、それぞれ1対のストッパ突起79が設けられている。そして、カバー部71の上下両壁には、コネクタ収容部74の後端部近傍から前端部近傍に至るまで延びる方持ち梁状の1対の支持アーム78が設けられている。
【0042】
また、第2コネクタ80は、第1実施形態の第2コネクタ30と同様に、略矩形形状のハウジング81と、ハウジング81に複数列状に取り付けられ、前側の部分で第1コネクタ62のコンタクト68に接触するコンタクト85とを備えている。各コンタクト85は、その後側の部分で電線86(図26参照)に接続されている。第2コネクタ80は、ワイヤハーネス(電線86)端に取り付けられた後に、カバー部71のコンタクト収容部74の貫通孔74a内にカバー部71の後方から収容されるようになっている。第2コネクタ80のハウジング81の幅方向両端面には、コネクタ収容部74に設けられた第1突起76に係止される1対の第2突起82が形成されている。第2コネクタ80は、コネクタ収容部74の貫通孔74a内にカバー部71の後方から収容され、図25示すように、第2突起82が第1突起76を乗り越えてその第1突起76の前方に位置することにより、後方への移動が規制されるようになっている。このように第2突起82が第1突起76を乗り越えたときには、第2コネクタ80のハウジング81の前端面がコネクタ収容部74の前端面とほぼ一致する位置になる。この第2コネクタ80が係止される位置は、回路ユニット60が図30に示す第1位置に挿入されたときに、第1コネクタ62と第2コネクタ80との嵌合が完了する位置である。また、第2コネクタ80のハウジング81の上下両面には、図24及び図25に示すように、それぞれ前後方向に延びる1対の突条84が突出形成されている。図25に示すように、これら突条84の前端面がコネクタ収容部74に設けられたストッパ突起79の後端面に当接することにより、第2コネクタ80の前方への移動が規制されるようになっている。また、第2コネクタ80のハウジング81の上下両面の前端部近傍には、図30に示すように、それぞれ第1コネクタ62のロック部66の開口66aに入り込んで第1コネクタ62と第2コネクタ80とをロックする1対のロック突起83(ロック手段)が突出形成されている。
【0043】
なお、待受型の電気コネクタ70においては、図1に示す電気コネクタ20と異なり、図36に示すように、回路ユニット60が所定位置まで挿入されたときに、回路ユニット60をカバー部71に保持する1対の方持ち梁状の保持アーム(保持手段)91をカバー部71の両側壁に設けている。各保持アーム91は、その固定端から後方に向けて片持ち梁状に延び、先端に回路ユニット受容凹部72内に突出する係止突起が設けられている。各保持アーム91の係止突起は、図36に示すように、回路ユニット60が所定位置まで挿入されたときに、第1コネクタ62のハウジング63の両側壁に設けられた開口部92に入り込んで係止し、回路ユニット60をカバー部71に保持するようになっている。
【0044】
次に、回路ユニット60と電気コネクタ70との嵌合作用について、図25乃至図37を参照して説明する。
先ず、回路ユニット60と電気コネクタ70とが嵌合されていない状態から、図25及び図26に示す矢印Y方向に回路ユニット60を前進させ、回路ユニット60の第1コネクタ62のハウジング63を、カバー部71の回路ユニット受容凹部72内に挿入する。この際に、回路ユニット60の第1コネクタ62のハウジング63は、回路ユニット受容凹部72の内壁に沿って案内される。このため、第1コネクタ62とコネクタ収容部74内に収容された第2コネクタ80とは、軸(芯)が一致して嵌合され、一動作で嵌合することができる。ここで、回路ユニット60の挿入に際し、第1コネクタ62がある側と反対側の筐体61の後部から回路ユニット60をカバー部71内に挿入すると、回路ユニット60の筐体61の後部は前側に対して薄くなっているから、回路ユニット60を回路ユニット受容凹部72の内壁に沿って円滑に案内できない。従って、回路ユニット60の前後逆さまの誤挿入を早期に検知することができる。
【0045】
そして、第1コネクタ62を先頭にした回路ユニット60の挿入が行われると、図25及び図26に示すように、第1コネクタ62と第2コネクタ70とが嵌合途中の状態になる。このとき、図25に示すように、第2コネクタ80の第2突起82は第1突起76の前方に位置したままで係止状態にあり、第2コネクタ80の後方への移動が規制されている。一方、この状態では、図26に示すように、第1コネクタ62に設けられた各押圧突起69がカバー部71に設けられた各支持アーム78に当接する。なお、図25及び図26に示す状態では、第1コネクタ62に設けられたコンタクト68と第2コネクタ80に設けられたコンタクト85とは未だ接触してない。
【0046】
次いで、図25及び図26に示す状態から回路ユニット60を更に前進させると、図27及び図28に示すように、第1コネクタ62と第2コネクタ80とが嵌合完了直前の状態となる。この際に、回路ユニット60の第1コネクタ62のハウジング63及び筐体61は、回路ユニット受容凹部72の内壁に沿って案内される。この状態では、図28に示すように、第1コネクタ62の上側に設けられた押圧突起69がカバー部71の上側に設けられた支持アーム78を下方向に押圧し、図示はしないが第1コネクタ62の下側に設けられた押圧突起69がカバー部71の下側に設けられた支持アーム78を上方向に押圧し、これら上下の支持アーム78により第2コネクタ80を挟み込んで固定する。また、図27に示すように、第2コネクタ80の第2突起82は第1突起76の前方に位置したままで係止状態にあり、第2コネクタ80後方への移動が規制されている。そして、図29に示すように、第1コネクタ62に設けられたコンタクト68と第2コネクタ80に設けられたコンタクト85とが接触する。これらコンタクト68,85の接触に際して、第2コネクタ80は、上下の支持アーム78により固定されているので、コンタクト68,85同士の接触が確実に行われる。これにより、回路ユニット60と電気コネクタ70とが電気的に接続されることになる。なお、この状態では、図28に示すように、第1コネクタ62のロック部66が第2コネクタ80のロック突起83に当接する。
【0047】
そして、図28及び図29に示す状態から回路ユニット60を更に前進させると、図30及び図31に示すように、回路ユニット60が第1位置に挿入され、第1コネクタ62と第2コネクタ80との嵌合が完了した状態となる。この際に、回路ユニット60の第1コネクタ62のハウジング63及び筐体61は、回路ユニット受容凹部72の内壁に沿って案内される。この状態では、図31に示すように、第1コネクタ62の上側に設けられた押圧突起69がカバー部71の上側に設けられた支持アーム78を未だに下方向に押圧し、図示はしないが第1コネクタ62の下側に設けられた押圧突起69がカバー部71の下側に設けられた支持アーム78を未だに上方向に押圧し、これら上下の支持アーム78により第2コネクタ80を挟み込んで固定している。また、図30に示すように、第2コネクタ80の第2突起82は第1突起76の前方に位置したままで係止状態にあり、第2コネクタ80の後方への移動が未だに規制されている。そして、この状態では、図31に示すように、第1コネクタ62のロック部66が第2コネクタ80のロック突起83を乗り越えてロック突起83が開口66aに入り込み、第1コネクタ62と第2コネクタ80とのロックが完了する。なお、この状態では、図30に示すように、第1コネクタ62に設けられた第1係止解除突起67は、カバー部71のラッチアーム75に設けられた第2係止解除突起77に当接する。
【0048】
更に、図30及び図31に示す状態から回路ユニット60を前進させると、図32及び図33に示すように、回路ユニット60が第1位置からさらに奥側位置に挿入された状態となる。この際に、回路ユニット60の第1コネクタ62のハウジング63及び筐体61は、回路ユニット受容凹部72の内壁に沿って案内される。この状態では、図33に示すように、第1コネクタ62の上側に設けられた押圧突起69による上側支持アーム78に対する押圧が解除され、図示はしないが第1コネクタ62の下側に設けられた押圧突起69による下側支持アーム78に対する押圧が解除される。また、図32に示すように、第1コネクタ62の正面側から見て右側(図32における上側)に設けられた第1係止解除突起67は、カバー部71の正面側から見て左側(図32における上側)のラッチアーム75に設けられた第2係止解除突起77を介してそのラッチアーム25を左方向に押し拡げ、第1コネクタ62の正面側から見て左側に設けられた第1係止解除突起67は、図示はしないがカバー部71の正面側から見て右側のラッチアーム75に設けられた第2係止解除突起77を介してそのラッチアーム75を右方向に押し拡げる。これにより、第1突起76による第2コネクタ80への係止解除が開始する。即ち、図示はしないが、カバー部71の正面側から見て右側のラッチアーム75が右方向に押し拡げられることにより、このラッチアーム75に設けられた第1突起76も右方向に移動し、この第1突起76による第2コネクタ80に設けられた正面側から見て右側の第2突起82への係止解除が開始される。また、図32に示すように、カバー部71の正面側から見て左側のラッチアーム75が左方向に押し拡げられることにより、このラッチアーム75に設けられた第1突起76も左方向に移動し、この第1突起76による第2コネクタ80に設けられた正面側から見て左側の第2突起82への係止解除が開始される。なお、この状態では、図33に示すように、第1コネクタ62のロック部66は、第2コネクタ80のロック突起83を乗り越えてロック突起83が開口66aに入り込んでおり、第1コネクタ62と第2コネクタ80とのロック状態は維持されている。
【0049】
次いで、図32及び図33に示す状態から回路ユニット60を更に前進させると、図34及び図35に示すように、回路ユニット60がさらに奥側の位置に挿入された状態となる。この際に、回路ユニット60の第1コネクタ62のハウジング63及び筐体61は、回路ユニット受容凹部72の内壁に沿って案内される。この状態では、図34に示すように、第1コネクタ62の正面側から見て右側に設けられた第1係止解除突起67は、カバー部71の正面側から見て左側のラッチアーム75に設けられた第2係止解除突起77を乗り越え、そのラッチアーム75は元の位置に復帰する。また、図示はしないが第1コネクタ62の正面側から見て左側に設けられた第1係止解除突起67は、カバー部71の正面側から見て右側のラッチアーム75に設けられた第2係止解除突起77を乗り越え、そのラッチアーム75も同様に元の位置に復帰する。そして、図34に示すように、第2コネクタ80の正面側から見て右側の第2突起82は第2コネクタ80とともに後方へ移動して、カバー部71の正面側から見て右側のラッチアーム75に設けられた第1突起76の後側に位置する。また、図示はしないが第2コネクタ80の正面側から見て左側の第2突起82は第2コネクタ80とともに後方へ移動して、カバー部71の正面側から見て左側のラッチアーム75に設けられた第1突起76の後側に位置する。これにより、第1突起76による第2コネクタ80への係止解除が完了する。また、図34に示すように、カバー部71の両側壁に設けられた保持アーム91の係止突起が第1コネクタ62のハウジング63の両側壁上に乗り上げる。なお、言うまでもないが、この状態では、図35に示すように、第1コネクタ62のロック部66は、第2コネクタ80のロック突起83を乗り越えてロック突起83が開口66aに入り込んでおり、第1コネクタ62と第2コネクタ80とのロック状態は維持されている。そして、係止突起76による第2コネクタ80への係止解除が完了されると、第2コネクタ80がコネクタ収容部74内で回路ユニット挿抜方向にスライド可能となる。
【0050】
そして、図34及び図35に示す状態から回路ユニット60を更に前進させると、図36及び図37に示すように、回路ユニット60が最終的な所定位置まで挿入された状態状態となる。この際に、回路ユニット60の第1コネクタ62のハウジング63及び筐体61は、回路ユニット受容凹部72の内壁に沿って案内される。また、第2コネクタ80はコネクタ収容部74の最後端近傍位置まで後退する。そして、回路ユニット60が所定位置まで挿入された状態では、図36及び図37に示すように、第1コネクタ62のハウジング63の凹部63aの底部が、カバー部71に設けられたコネクタ収容部74の前端面に当接する。また、図36に示すように、カバー部71の両側壁に設けられた保持アーム91の係止突起が、第1コネクタ62のハウジング63に設けられた開口部92に入り込んで係止し、回路ユニット60をカバー部71に保持する。
【0051】
このように、保持アーム91の係止突起は、回路ユニット60が所定位置まで挿入されたときに、第1コネクタ62のハウジング63の両側壁に設けられた開口部92に入り込んで係止し、回路ユニット60をカバー部71に保持するので、回路ユニット60を保持する別個の回路ユニット保持部材(ボックス)を設ける必要はない。
なお、言うまでもないが、図36及び図37に示す状態では、第1コネクタ62のロック部66は、第2コネクタ80のロック突起83を乗り越えてロック突起83が開口66aに入り込んでおり、第1コネクタ62と第2コネクタ80とのロック状態は維持されている。また、第1コネクタ62に設けられたコンタクト68と第2コネクタ80に設けられたコンタクト85との接触状態は維持されている。回路ユニット60が最終的な所定位置まで挿入されることにより、回路ユニット60と電気コネクタ70との嵌合が完了する。
【0052】
この回路ユニット60と電気コネクタ70との嵌合過程においても、第1コネクタ62と第2コネクタ80とのロックが完了し、両コネクタ62,80の嵌合が完了した後に、図32及び図33に示すように、第1係止解除突起67及び第2係止解除突起77によって、第1突起76による第2コネクタ80の第2突起82への係止解除が開始されるとともに、図34乃至図35に示すように、その係止解除が完了する。このため、第1コネクタ62が第2コネクタ80に対して半嵌合となることはない。即ち、回路ユニット60が図36及び図37に示す所定位置にまで挿入されたときには、両コネクタ62,80は必ず嵌合完了していることになる。従って、第1コネクタ62を備える回路ユニット60と電気的に接続する待受型の電気コネクタ70において、第1コネクタ62とカバー部71内に収容された第2コネクタ80との半嵌合を確実に防止することができる電気コネクタ70とすることができる。
【0053】
なお、回路ユニット60と電気コネクタ70との嵌合を解除するときには、図36及び図37に示す状態から回路ユニット60を図25及び図26に示す矢印Y方向と反対方向に引っ張って後退させればよい。これにより、図25乃至図37示した動作と反対の動作がなされて、図25及び図26に示すように、回路ユニット60と電気コネクタ70との嵌合が解除されることになる。
【0054】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、図24乃至図37に示す待受型の電気コネクタ70において、第2コネクタ80には、第2コネクタ30に設けられた誤嵌合阻止用孔35と同様の誤嵌合阻止用孔はなく、また、第1コネクタ62には、第1コネクタ12に設けられた誤嵌合阻止板18と同様の誤嵌合阻止板はないが、第2コネクタ80及び第1コネクタ62のそれぞれにこれらと同様の誤嵌合阻止用孔及び誤嵌合阻止板を設けてもよい。
【0055】
また、待受型の電気コネクタ70において、1対の方持ち梁状の保持アーム(保持手段)91は、回路ユニット60が図36に示す所定位置まで挿入されたときに、第1コネクタ62のハウジング63の両側壁に設けられた開口部92に入り込んで係止し、回路ユニット60をカバー部71に保持するようになっているが、回路ユニット60が前記所定位置及び図30に示す第1位置とは異なる第2位置まで挿入されたときに、回路ユニット60をカバー部71に保持するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に係る待受型の電気コネクタの第1実施形態とこの待受型の電気コネクタに嵌合し電気的に接続する回路ユニットとからなるコネクタ装置の分解斜視図であり、待受型の電気コネクタを背面側から、回路ユニットを正面側から見ている。
【図2】図1のコネクタ装置の分解斜視図であり、待受型の電気コネクタを正面側から、回路ユニットを背面側から見ている。
【図3】図1に示すコネクタ装置を待受型の電気コネクタの背面側から見た図である。
【図4】図3におけるA−A線に沿う断面図であって回路ユニットと待受型の電気コネクタとが嵌合されていない状態を示している。
【図5】図3におけるB−B線に沿う断面図であって第1コネクたと第2コネクタとが嵌合されていない図4と対応した状態を示している。
【図6】図3におけるA−A線に沿う断面図であって第1コネクタと第2コネクタとの嵌合途中の状態を示している。
【図7】図3におけるB−B線に沿う断面図であって図6と対応した状態を示している。
【図8】図6及び図7における主要部の詳細を示し、(A)は図7における矢印8Aで示す部分の拡大図、(B)は図6における矢印8Bで示す部分の拡大図である。
【図9】図3におけるA−A線に沿う断面図であって第1コネクタと第2コネクタとの嵌合完了直前の状態を示している。
【図10】図3におけるB−B線に沿う断面図であって図9と対応した状態を示している。
【図11】図9及び図10における主要部の詳細を示し、(A)は図10における矢印11Aで示す部分の拡大図、(B)は図9における矢印11Bで示す部分の拡大図、(C)は図10における矢印11Cで示す部分の拡大図である。
【図12】図3におけるA−A線に沿う断面図であって、回路ユニットが第1位置に挿入され、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態を示している。
【図13】図3におけるB−B線に沿う断面図であって図12と対応した状態を示している。
【図14】図12及び図13における主要部の詳細を示し、(A)は図13における矢印14Aで示す部分の拡大図、(B)は図12における矢印14Bで示す部分の拡大図、(C)は図13における矢印14Cで示す部分の拡大図、(D)は図12における矢印14Dで示す部分の拡大図である。
【図15】図3におけるA−A線に沿う断面図であって第1コネクタと第2コネクタとが嵌合完了してから第2コネクタへの係止解除が開始された状態を示している。
【図16】図3におけるB−B線に沿う断面図であって図15と対応した状態を示している。
【図17】図15及び図16における主要部の詳細を示し、(A)は図16における矢印17Aで示す部分の拡大図、(B)は図15における矢印17Bで示す部分の拡大図、(C)は図16における矢印17Cで示す部分の拡大図、(D)は図15における矢印17Dで示す部分の拡大図である。
【図18】図3におけるA−A線に沿う断面図であって第2コネクタへの係止解除が完了された状態を示している。
【図19】図3におけるB−B線に沿う断面図であって図18と対応した状態を示している。
【図20】図18における主要部の詳細を示し、(A)は図18における矢印20Aで示す部分の拡大図、(B)は図18における矢印20Bで示す部分の拡大図である。
【図21】図3におけるA−A線に沿う断面図であって回路ユニットが所定位置まで挿入された状態を示している。
【図22】図3におけるB−B線に沿う断面図であって図21と対応した状態を示している。
【図23】図21及び図22における主要部の詳細を示し、(A)は図21における矢印23Aで示す部分の拡大図、(B)は図22における矢印23Bで示す部分の拡大図である。
【図24】本発明に係る電気コネクタの第2実施形態とこの電気コネクタに電気的に接続する回路ユニットとからなるコネクタ装置を、電気コネクタの背面側から見た図である。
【図25】図24におけるC−C線に沿う断面図であって回路ユニットと電気コネクタとの嵌合途中の状態を示している。
【図26】図24におけるD−D線に沿う断面図であって図25と対応した状態を示している。
【図27】図24におけるC−C線に沿う断面図であって第1コネクタと第2コネクタとの嵌合完了直前の状態を示している。
【図28】図24におけるD−D線に沿う断面図であって図27と対応した状態を示している。
【図29】図28における矢印29で示す部分の拡大図である。
【図30】図24におけるC−C線に沿う断面図であって、回路ユニットが第1位置に挿入され、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態を示している。
【図31】図24におけるD−D線に沿う断面図であって図30と対応した状態を示している。
【図32】図24におけるC−C線に沿う断面図であって第1コネクタと第2コネクタとが嵌合完了してから第2コネクタへの係止解除が開始された状態を示している。
【図33】図24におけるD−D線に沿う断面図であって図32と対応した状態を示している。
【図34】図24におけるC−C線に沿う断面図であって第2コネクタへの係止解除が完了された状態を示している。
【図35】図24におけるD−D線に沿う断面図であって図34と対応した状態を示している。
【図36】図24におけるC−C線に沿う断面図であって回路ユニットが所定位置まで挿入された状態を示している。
【図37】図24におけるD−D線に沿う断面図であって図36と対応した状態を示している。
【図38】従来例の待受型の電気コネクタを有するコネクタ装置の組立斜視図である。
【図39】図38に示すコネクタ装置において、第1コネクタとともに、待受部に第2コネクタを収容した状態を示す断面図である。
【図40】図39における40−40線に沿う断面図である。
【図41】図40に示したコネクタ装置の嵌合途中の説明図である。
【図42】図41における42−42線に沿う断面図である。
【図43】図41に示したコネクタ装置の嵌合途中の説明図である。
【図44】図43における44−44線に沿う断面図である。
【図45】図43に示したコネクタ装置の嵌合完了状態の説明図である。
【図46】第1コネクタと待受部と第2コネクタとの間における係止手段と係止解除手段との関係を示す説明図である。
【図47】第1コネクタと第2コネクタとをロックするロック手段とロック解除手段との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
【0057】
1 コネクタ装置
10,60 回路ユニット
12,62 第1コネクタ
20,70 待受型の電気コネクタ
21,71 カバー部
26,76 第1突起(係止手段)
27,77 第2係止解除突起(係止解除手段)
30,80 第2コネクタ
33,83 ロック突起(ロック手段)
35 誤嵌合阻止用孔(嵌合阻止手段)
91 保持アーム
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタ(第1コネクタ)を備える回路ユニットと電気的に接続する待受型の電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、手を差し入れて嵌合作業を行うことができない箇所や、嵌合状態を目視することができない箇所では、互いに嵌合する1対の電気コネクタが半嵌合状態にされてしまうことがある、という問題があった。自動車用途では、スペースの制約が厳しいために嵌合作業時にこの問題が発生しやすく、1対の電気コネクタが半嵌合状態にあると振動によって接続不良を起こすため、半嵌合を解決することが求められている。
【0003】
そこで、この問題点を解決するために、接続対象物を押し込むだけで軸(芯)合わせされて「いわゆるブラインド接続」を可能にする「待受型コネクタ」が提案されている。この待受型の電気コネクタとして、従来、例えば、図38乃至図47に示すものが知られている(特許文献1参照)。図38は、従来例の待受型の電気コネクタを有するコネクタ装置の組立斜視図である。図39は、図38に示すコネクタ装置において、第1コネクタとともに、待受部に第2コネクタを収容した状態を示す断面図である。図40は、図39における40−40線に沿う断面図である。図41は、図40に示したコネクタ装置の嵌合途中の説明図である。図42は、図41における42−42線に沿う断面図である。図43は、図41に示したコネクタ装置の嵌合途中の説明図である。図44は、図43における44−44線に沿う断面図である。図45は、図43に示したコネクタ装置の嵌合完了状態の説明図である。図46は、第1コネクタと待受部と第2コネクタとの間における係止手段と係止解除手段との関係を示す説明図である。図47は、第1コネクタと第2コネクタとをロックするロック手段とロック解除手段との関係を示す説明図である。
【0004】
図38に示すコネクタ装置101は、第1コネクタ102を備える回路ユニット等の第1構造体(図示せず)と、この第1構造体と電気的に接続する待受型の電気コネクタ105とを備えている。
第1コネクタ102は、扁平の略矩形形状に形成され、図39に示すように、前端(図39における左端)に第2コネクタ104の嵌合部104aを受容する開口102aを有している。第1コネクタ102の上下両面の前端には、それぞれ1対の係止解除キー(係止解除手段)102bが設けられている。また、第1コネクタ102の両側面には、図38及び図39に示すように、1対のロック解除リブ(ロック解除手段)102dが設けられている。各ロック解除リブ102dは、後端側から中央に向かって延びる上下1対のリブ102eと、これらリブ102eの前端部を連結するとともに半円形状に外方に突出した突起102fとにより構成されている。また、第1コネクタ102の両側面には、ロック解除リブ102dの突起102fと対応して開口102a内に開口する係合用窓102gが設けられている。さらに、第1コネクタ102の後端部の四隅には、第1構造体への取付部102hが設けられている。
【0005】
また、待受型の電気コネクタ105は、第2構造体(図示せず)に固定された待受部103と、待受部103に収容され、第1構造体と第2構造体とが組みつけられるときに第1コネクタ102に嵌合接続する第2コネクタ104とを具備している。
ここで、第2コネクタ104は、図38及び図39に示すように、第1コネクタ102の開口102aに受容される略矩形形状の嵌合部104aと、嵌合部104aの後部(図39における右部)に設けられたフランジ部104bとを備えている。第2コネクタ104は、待受部103の貫通孔103a内に後方から装着されるようになっている。フランジ部104bの上下の各中央部には、2つの係止解除キー102bが通過可能な切欠104cが形成されている。また、第2コネクタ104の上下両面の切欠104c近傍には、それぞれ係止部104dが突設されている。係止部104dは、2つの係止解除キー102b間を通過可能とされている。さらに、第2コネクタ104の嵌合部104aの両側面には、それぞれ第1コネクタ102の係合用窓102gに係合して第1コネクタ102と第2コネクタ104とをロックするロック部材(ロック手段)104eが設けられている。第2コネクタ104のフランジ部104bの両側面には、1対の突起104fが突設されている。
【0006】
また、待受部103は、図38及び図39に示すように、略矩形形状に形成され、内部に第2コネクタ104を収容する前後方向(図39における左右方向)に貫通する貫通孔103aが形成されている。待受部103の上下両面の中央には、相互に対向する1対の係止ばねリブ(係止手段)103bが設けられている。各係止ばねリブ103bの後端には、図40及び図46に示すように、係止爪103cが内方に向かって突設されている。また、待受部103の両側壁の各内面には、図39及び図47に示すように、ロック解除手段としての突起103dが設けられている。また、待受部103の両側壁の下端部には、第2構造体への取付部103eが設けられている。また、待受部103の両側壁の後面には、第2コネクタ104の突起104fが係止される1対の切欠103fが形成されている。
【0007】
次に、コネクタ装置101における各構成要素の作用について説明する。
図39及び図40に示すように、待受部103の後端から貫通孔103a内に第2コネクタ104を挿入すると、第2コネクタ104の係止部104dが待受部103の係止ばねリブ103bを押し拡げて係止部104dの先端が係止爪103cにより係止されるとともに、第2コネクタ104の突起104fが待受部103の切欠103fに係止される。これにより、第2コネクタ104が待受部103の貫通孔103a内に収容されて保持され、待受型の電気コネクタ105が完成する。
【0008】
そして、第1コネクタ102を備える第1構造体が図39及び図40に示す矢印A方向に移動すると、第1コネクタ102の前端が待受型電気コネクタ105の待受部103の貫通孔103a内に挿入され、その一方、第2コネクタ104のロック部材104eが第1コネクタ102の開口102a内に挿入され、第1コネクタ102が貫通孔102a内をスライドし、両コネクタ102,104の嵌合が開始する。そして、第1コネクタ102が貫通孔102a内をさらにスライドして、第1コネクタ102及び第2コネクタ104は、図41及び図42に示す嵌合完了の前の状態になる。この状態では、図46(b)に示すように、第1コネクタ102の係止解除キー102bが、待受部103の係止爪103cに当接したばかりで、図46(a)に示すように、第2コネクタ104の係止部104dは、待受部103の係止爪103cにより係止されたままであり、第2コネクタ104が待受部103の貫通孔103a内に収容されて保持されたままである。また、この状態では、第1コネクタ102のロック解除リブ102dの突起102fが、図47(a)に示すように、待受部103の突起103dにより内方に押圧され、これにより第2コネクタ104のロック部材104eが内方に変位されてロック部材104eは係合用窓102gに係合されきっていない。従って、第1コネクタ102と第2コネクタ104とはロックされていない。
【0009】
この状態から第1コネクタ102を備える第1構造体が図39及び図40に示す矢印A方向にさらに図47(b)におけるギャップgだけ移動すると、第1コネクタ102及び第2コネクタ104は、図43及び図44に示す嵌合完了の直前の状態になる。この状態では、図46(d)に示すように、第1コネクタ102の係止解除キー102bが、待受部103の係止ばねリブ103bを外方に押し拡げ、図46(c)に示すように、待受部103の係止爪103cによる第2コネクタ104の係止部104dに対する係止解除がなされる。また、この状態では、第1コネクタ102のロック解除リブ102dの突起102fが、図47(b)に示すように、未だに待受部103の突起103dにより内方に押圧され、これにより第2コネクタ104のロック部材104eが内方に変位されてロック部材104eは係合用窓102gに係合されきっていない。従って、第1コネクタ102と第2コネクタ104とはロックされていない。
【0010】
そして、第1コネクタ102を備える第1構造体が図39及び図40に示す矢印A方向にさらに移動すると、図47(c)に示すように、待受部103の突起103dによるロック解除リブ102dの突起102fへの押圧状態が解除され、第2コネクタ104のロック部材104eが完全に係合用窓102gに係合し、第1コネクタ102と第2コネクタ104とがロックされ、両コネクタ102,104の嵌合が完了する。そして、第1コネクタ102の前端が第2コネクタ104のフランジ部104bを押圧し、図45に示す状態となる。この図45に示す状態では、第2コネクタ104は待受部103の内壁面から離隔されているので、待受部103に取り付けられた第2構造体側の振動が第2コネクタ104に伝わることが完全に防止され、振動ストレスや、振動に起因する異音の発生が防止されることになる。
【特許文献1】特開2002−246106号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、この従来の待受型の電気コネクタ105にあっては、以下の問題点があった。
即ち、第1コネクタ102と待受部103内に収容された第2コネクタ104とがロックされ、両コネクタ102,104の嵌合が完了する前に、図46(d)に示すように、第1コネクタ102の係止解除キー102bが、第2コネクタ104の係止爪103cを外方に押し拡げ、図46(c)に示すように、待受部103の係止爪103cによる第2コネクタ104の係止部104dに対する係止解除がなされ、第2コネクタ104が移動可能となっている。このため、第1コネクタ102が第2コネクタ104に完全に嵌合されずに、いわゆる半嵌合となってしまうことがあった。
【0012】
また、待受型の電気コネクタ105と第1コネクタ102を備える第1構造体が接続されていない状態から、図39及び図40に示すように、第1コネクタ102を備える第1構造体が図39及び図40に示す矢印A方向に移動すると、第1コネクタ102の前端が電気コネクタ105の待受部103の貫通孔103a内に挿入されることになるが、待受部103に第1コネクタ102を案内する機能がない。このため、第1コネクタ102と待受部103内に収容された第2コネクタ104とは、軸(芯)が一致せずに衝突してしまうため、一動作で嵌合させることができなかった。
【0013】
更に、待受型の電気コネクタ105において、第1構造体に取り付けられた第1コネクタ102が表裏逆さまにされて第1コネクタ102が待受部103の貫通孔103a内に挿入されたとき、すなわち第1コネクタ102が誤挿入されたときであっても、第1コネクタ102が待受部103の貫通孔102a内を移動し、第1コネクタ102が第2コネクタ104に誤装着されてしまうことがあった。
【0014】
従って、本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、第1コネクタを備える回路ユニットと電気的に接続される待受型の電気コネクタにおいて、第1コネクタとカバー部内に収容された第2コネクタとの半嵌合を確実に防止することができる電気コネクタを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、第1コネクタを備える回路ユニットと電気的に接続する待受型の電気コネクタにおいて、回路ユニットをカバー部で案内するようにすることにより、第1コネクタとカバー部内に収容された第2コネクタとを一動作で嵌合させることができる電気コネクタを提供することにある。
【0015】
更に、本発明の他の目的は、第1コネクタを備える回路ユニットと電気的に接続する待受型の電気コネクタにおいて、回路ユニットが表裏逆さまにされて第1コネクタが表裏逆さまに誤挿入されたときに第1コネクタとカバー部内に収容された第2コネクタとの嵌合を阻止でき、回路ユニットが誤挿入されたことを容易に検知することができる電気コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記問題を解決するため、本発明のうち請求項1に係る電気コネクタは、第1コネクタを備える回路ユニットと電気的に接続する待受型の電気コネクタであって、前記回路ユニットを受容して所定位置に案内するカバー部と、該カバー部内に収容されると共に係止手段によって前記カバー部に係止され、受容した前記回路ユニットが第1位置まで挿入されたときに、前記第1コネクタとの嵌合が完了する第2コネクタと、前記回路ユニットが前記第1位置まで挿入されて前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合が完了したときに、前記第1コネクタと前記第2コネクタとをロック完了とするロック手段と、前記回路ユニットが前記第1位置からさらに奥側位置まで挿入されたときに、前記係止手段による前記第2コネクタへの係止解除を開始する係止解除手段とを具備し、該係止解除手段によって前記第2コネクタへの係止解除が完了されたときに、前記第2コネクタが前記カバー部内で回路ユニット挿抜方向にスライド可能となることを特徴としている。
【0017】
また、本発明のうち請求項2に係る電気コネクタは、請求項1記載の電気コネクタにおいて、前記回路ユニットが表裏逆さまにされて前記第1コネクタが表裏逆さまに前記カバー部内に挿入されたときに、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合を阻止する嵌合阻止手段を備えることを特徴としている。
更に、本発明のうち請求項3に係る電気コネクタは、請求項1又は2記載の電気コネクタにおいて、前記回路ユニットが前記第1位置から前記奥側位置を経てさらに第2位置にまで挿入されたときに、前記回路ユニットを前記カバー部に保持する保持手段を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明のうち請求項1に係る電気コネクタによれば、受容した回路ユニットが第1位置まで挿入されたときに、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了するように第2コネクタをカバー部内に収容して係止し、回路ユニットが第1位置まで挿入されて第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了したときに、第1コネクタと第2コネクタとをロック完了とするロック手段を設け、回路ユニットが第1位置からさらに奥側位置まで挿入されたときに、第2コネクタへの係止解除を開始する係止解除手段を備えているので、第1コネクタと第2コネクタとのロックが完了し、両コネクタの嵌合が完了した後に、係止解除手段によって、カバー部に係止された第2コネクタへの係止解除がなされる。このため、第1コネクタがカバー部内に収容された第2コネクタに対して半嵌合となることはない。即ち、回路ユニットが所定位置にまで挿入されたときには、第1コネクタと第2コネクタは必ず嵌合完了していることになる。従って、第1コネクタを備える回路ユニットと電気的に接続する待受型の電気コネクタにおいて、第1コネクタとカバー部内に収容された第2コネクタとの半嵌合を確実に防止することができる電気コネクタとすることができる。
また、カバー部は第1コネクタを備える回路ユニットを受容して所定位置まで案内するようになっているので、第1コネクタを備える回路ユニットと電気的に接続する待受型の電気コネクタにおいて、第1コネクタとカバー部内に収容された第2コネクタとは、軸(芯)が一致して嵌合され、一動作で嵌合することができる。
【0019】
また、本発明のうち請求項2に係る電気コネクタによれば、請求項1記載の電気コネクタにおいて、前記回路ユニットが表裏逆さまにされて前記第1コネクタが表裏逆さまに前記カバー部内に挿入されたときに、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合を阻止する嵌合阻止手段を備えるので、第1コネクタが表裏逆さまにされて回路ユニットが誤挿入されたときに第1コネクタと第2コネクタとの嵌合を阻止でき、回路ユニットが嵌合完了位置である第1位置まで挿入できない。このため、回路ユニットが誤挿入されたことを容易に検知することができる。
【0020】
更に、本発明のうち請求項3に係る電気コネクタによれば、請求項1又は2記載の電気コネクタにおいて、前記回路ユニットが前記第1位置から前記奥側位置を経てさらに第2位置にまで挿入されたときに、前記回路ユニットを前記カバー部に保持する保持手段を備えるので、回路ユニットをカバー部で保持でき、回路ユニットを保持する別個の回路ユニット保持部材(ボックス)を設ける必要はない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る待受型の電気コネクタの第1実施形態とこの待受型の電気コネクタに嵌合し電気的に接続する回路ユニットとからなるコネクタ装置の分解斜視図であり、待受型の電気コネクタを背面側から、回路ユニットを正面側から見ている。図2は、図1のコネクタ装置の分解斜視図であり、待受型の電気コネクタを正面側から、回路ユニットを背面側から見ている。図3は、図1に示すコネクタ装置を待受型の電気コネクタの背面側から見た図である。
また、図4は、図3におけるA−A線に沿う断面図であって回路ユニットと待受型の電気コネクタとが嵌合されていない状態を示している。図5は、図3におけるB−B線に沿う断面図であって第1コネクタと第2コネクタとが嵌合されていない図4と対応した状態を示している。
【0022】
図1乃至図3において、コネクタ装置1は、回路ユニット10と、この回路ユニット10と嵌合し電気的に接続する待受型の電気コネクタ20とを具備している。以後、回路ユニット10においては、正面側から見て前側(図4における右側)を「前側」、正面側から見て後側を「後側」、正面側から見て上側(図5における上側)を「上側」、正面側から見て下側を「下側」、正面側から見て右側(図3における右側、図4における上側)を「右側」、正面側から見て左側を「左側」とする。また、待受型の電気コネクタ20においては、正面側から見て前側(図4における左側)を「前側」、正面側から見て後側を「後側」、正面側から見て上側(図5における上側)を「上側」、正面側から見て下側を「下側」、正面側から見て右側(図3における左側、図4における下側)を「右側」、正面側から見て左側を「左側」とする。
【0023】
ここで、回路ユニット10は、図1及び図4に示すように、略扁平の角筒形状の筐体11と、この筐体11の前端(図4における右端)に固定された第1コネクタ12とを備えている。第1コネクタ12は、筐体11の前端に固定される略扁平の角筒形状のハウジング13を有している。第1コネクタ12のハウジング13の幅は、図4に示すように、筐体11の幅よりも小さくなっている。ハウジング13の内部には、図1及び図4に示すように、後述する電気コネクタ20のコネクタ収容部24を受容する前面に開口した凹部13aが形成されている。そして、この凹部13aの内部には、図4に示すように、ハウジング13の幅方向に延びる略矩形形状のコンタクト固定部14が凹部13aの底から前方に突出するように設けられている。このコンタクト固定部14には、図示しない複数列状のコンタクトが取り付けられている。また、ハウジング13の後部には、筐体11内に固定された図示しない回路基板上にハウジング13を固定するための1対の固定部15が設けられている。前述した各コンタクトは、その後端部が回路基板に半田接続されるようになっている。また、コンタクト固定部14の上下両面には、それぞれ1対のロック部16がコンタクト固定部14から前方に突出するように設けられている。各ロック部16には、開口16aが形成されている。また、コンタクト固定部14の幅方向両側面には、それぞれ1対の第1係止解除突起17が上下両端に設けられている。また、コンタクト固定部14の前面の幅方向略中央部であって上下方向やや上側からは誤嵌合阻止板18が前方に向けて延びている。更に、ハウジング13の上下両壁内面の略中央部には、それぞれ1対の押圧突起19が設けられている。
【0024】
一方、待受型の電気コネクタ20は、第1コネクタ12を備える回路ユニット10を受容して図21に示す所定位置に案内するカバー部21と、カバー部21内に収容され、第1コネクタ12と嵌合する第2コネクタ30とを備えている。ここで、「所定位置」とは、図21乃至図23に詳細に示すように、回路ユニット10が最終的に挿入された位置で、回路ユニット10をこれ以上挿入できない位置である。
【0025】
カバー部21は、略扁平の角筒形状をなし、前部(図4における左部)に回路ユニット10の筐体11を受容する筐体受容凹部22を設け、後部に第1コネクタ12のハウジング13を受容するハウジング受容凹部23を設けている。このハウジング受容凹部23内には、第2コネクタ30を収容する略矩形形状のコネクタ収容部24が設けられている。コネクタ収容部24内には、第2コネクタ30を収容する前後方向に貫通する貫通孔24aが設けられている。また、コネクタ収容部24の幅方向の両側壁には、1対のラッチアーム25が設けられている。各ラッチアーム25は、コネクタ収容部24の幅方向の側壁後方部から前方に向けて延びる方持ち梁状に形成され、先端近傍が貫通孔24a内に突出するようになっている。そして、各ラッチアーム25の先端の上下方向中央部には、第2コネクタ30をコネクタ収容部24内に係止するための第1突起(係止手段)26が貫通孔24a内に向けて突出形成され、また、ラッチアーム25の先端の上下方向両端には、第1突起26による第2コネクタ30への係止解除を行うための1対の第2係止解除突起(係止解除手段)27が貫通孔24a内に向けて突出形成されている。また、コネクタ収容部24の上下両壁の前端部には、それぞれ1対のストッパ突起29(図5参照)が設けられている。そして、カバー部21の上下両壁には、コネクタ収容部24の後端部近傍から前端部近傍に至るまで延びる方持ち梁状の1対の支持アーム28が設けられている。
【0026】
また、第2コネクタ30は、略矩形形状のハウジング31と、ハウジング31に複数列状に取り付けられ、前側の部分で第1コネクタ12のコンタクトに接触するコンタクト(図示せず)とを備えている。各コンタクトは、その後側の部分で電線(図示せず)に接続されている。第2コネクタ30は、ワイヤハーネス(電線)端に取り付けられた後に、カバー部21のコンタクト収容部24の貫通孔24a内にカバー部21の後方から収容されるようになっている。第2コネクタ30のハウジング31の幅方向両端面には、コネクタ収容部24に設けられた第1突起26に係止される1対の第2突起32が形成されている。第2コネクタ30は、コネクタ収容部24の貫通孔24a内にカバー部21の後方から収容され、図4に示すように、第2突起32が第1突起26を乗り越えてその第1突起26の前方に位置することにより、後方への移動が規制されるようになっている。このように第2突起32が第1突起26を乗り越えたときには、第2コネクタ30のハウジング31の前端面がコネクタ収容部24の前端面とほぼ一致する位置になる。この第2コネクタ30が係止される位置は、回路ユニット10が図12に示す第1位置に挿入されたときに、第1コネクタ12と第2コネクタ30との嵌合が完了する位置である。また、第2コネクタ30のハウジング31の上下両面には、それぞれ前後方向に延びる1対の突条34(図4参照)が突出形成されており、これら突条34の前端面がコネクタ収容部24に設けられたストッパ突起29の後端面に当接することにより、第2コネクタ30の前方への移動が規制されるようになっている。また、第2コネクタ30のハウジング31の上下両面の前端部近傍には、それぞれ第1コネクタ12のロック部16の開口16aに入り込んで第1コネクタ12と第2コネクタ30とをロックする1対のロック突起33(ロック手段)が突出形成されている。また、第2コネクタ30のハウジング31の前面の幅方向略中央部であって上下方向やや上側からは、図5に示すように、第1コネクタ12に設けられた誤嵌合阻止板18が嵌入される誤嵌合阻止用孔35(嵌合阻止手段)が穿設されている。
【0027】
次に、回路ユニット10と電気コネクタ20との嵌合作用について、図4乃至図23を参照して説明する。図6は、図3におけるA−A線に沿う断面図であって第1コネクタと第2コネクタとの嵌合途中の状態を示している。図7は、図3におけるB−B線に沿う断面図であって図6と対応した状態を示している。図8は、図6及び図7における主要部の詳細を示し、(A)は図7における矢印8Aで示す部分の拡大図、(B)は図6における矢印8Bで示す部分の拡大図である。図9は、図3におけるA−A線に沿う断面図であって第1コネクタと第2コネクタとの嵌合完了直前の状態を示している。図10は、図3におけるB−B線に沿う断面図であって図9と対応した状態を示している。図11は、図9及び図10における主要部の詳細を示し、(A)は図10における矢印11Aで示す部分の拡大図、(B)は図9における矢印11Bで示す部分の拡大図、(C)は図10における矢印11Cで示す部分の拡大図である。図12は、図3におけるA−A線に沿う断面図であって、回路ユニットが第1位置に挿入され、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態を示している。図13は、図3におけるB−B線に沿う断面図であって図12と対応した状態を示している。図14は、図12及び図13における主要部の詳細を示し、(A)は図13における矢印14Aで示す部分の拡大図、(B)は図12における矢印14Bで示す部分の拡大図、(C)は図13における矢印14Cで示す部分の拡大図、(D)は図12における矢印14Dで示す部分の拡大図である。図15は、図3におけるA−A線に沿う断面図であって第1コネクタと第2コネクタとが嵌合完了してから第2コネクタへの係止解除が開始された状態を示している。図16は、図3におけるB−B線に沿う断面図であって図15と対応した状態を示している。図17は、図15及び図16における主要部の詳細を示し、(A)は図16における矢印17Aで示す部分の拡大図、(B)は図15における矢印17Bで示す部分の拡大図、(C)は図16における矢印17Cで示す部分の拡大図、(D)は図15における矢印17Dで示す部分の拡大図である。図18は、図3におけるA−A線に沿う断面図であって第2コネクタへの係止解除が完了された状態を示している。図19は、図3におけるB−B線に沿う断面図であって図18と対応した状態を示している。図20は、図18における主要部の詳細を示し、(A)は図18における矢印20Aで示す部分の拡大図、(B)は図18における矢印20Bで示す部分の拡大図である。図21は、図3におけるA−A線に沿う断面図であって回路ユニットが所定位置まで挿入された状態を示している。図22は、図3におけるB−B線に沿う断面図であって図21と対応した状態を示している。図23は、図21及び図22における主要部の詳細を示し、(A)は図21における矢印23Aで示す部分の拡大図、(B)は図22における矢印23Bで示す部分の拡大図である。
【0028】
先ず、図4及び図5に示す回路ユニット10と電気コネクタ20とが嵌合されていない状態から、図4及び図5に示す矢印X方向に回路ユニット10を前進させ、回路ユニット10の第1コネクタ12のハウジング13を、カバー部21のハウジング受容凹部23内に挿入し、回路ユニット10の筐体11を、カバー部21の筐体受容凹部22内に挿入する。この際に、回路ユニット10の第1コネクタ12のハウジング13は、カバー部21のハウジング受容凹部23の内壁に沿って案内され、また、回路ユニット10の筐体11は、カバー部21の筐体受容凹部22の内壁に沿って案内される。このため、第1コネクタ12とコネクタ収容部24内に収容された第2コネクタ30とは、軸(芯)が一致して嵌合され、一動作で嵌合することができる。ここで、回路ユニット10の挿入に際し、第1コネクタ12がある側と反対側から回路ユニット10をカバー部21内に挿入すると、回路ユニット10の筐体11がカバー部21内のハウジング受容凹部23と筐体受容凹部22との境にある段差部に当接し、回路ユニット10の前後逆さまにした誤挿入が防止される。
【0029】
そして、第1コネクタ12を先頭にした回路ユニット10の挿入が行われると、図7に示すように、第1コネクタ12に設けられた誤嵌合阻止板18が第2コネクタ30に設けられた誤嵌合阻止用孔35に入り込んで、第1コネクタ12と第2コネクタ30との嵌合が開始され、図6に示すように、第1コネクタ12と第2コネクタ30とが嵌合途中の状態になる。このとき、図8(B)に示すように、第2コネクタ30の第2突起32は第1突起26の前方に位置したままで係止状態にあり、第2コネクタ30後方への移動が規制されている。一方、この状態では、図8(A)に示すように、第1コネクタ12に設けられた各押圧突起19がカバー部21に設けられた各支持アーム28に当接する。なお、図6及び図7に示す状態では、第1コネクタ12に設けられたコンタクトと第2コネクタ30に設けられたコンタクトとは未だ接触してない。
【0030】
ここで、図4及び図5に示す状態から、回路ユニット10が表裏逆さまにされて第1コネクタ12が表裏逆さまにカバー部21内に挿入されると、第1コネクタ12に設けられた誤嵌合阻止板18が、第2コネクタ30に設けられた誤嵌合阻止用孔35に入り込まずに、第2コネクタ30のハウジング31の前端面に当接する。誤嵌合阻止板18がコンタクト固定部14の前面の上下方向やや上側に設けられ、また、誤嵌合阻止板18が嵌入される誤嵌合阻止用孔35が第2コネクタ30のハウジング31の前面の上下方向やや上側に設けられており、第1コネクタ12が表裏逆さまにされると、誤嵌合阻止板18が上下方向のやや下側に位置することになるからである。従って、回路ユニット10が表裏逆さまにされて第1コネクタ12が表裏逆さまにカバー部21内に挿入されたときには、誤嵌合阻止板18及び誤嵌合阻止用孔35により、第1コネクタ12と第2コネクタ30との嵌合が阻止される。このため、回路ユニット10を嵌合完了位置まで挿入できず、回路ユニット10が表裏逆さまに誤挿入されたことを容易に検知することができる。
【0031】
次いで、図6及び図7に示す状態から回路ユニット10を更に前進させると、図9及び図10に示すように、第1コネクタ12と第2コネクタ30とが嵌合完了直前の状態となる。この際に、回路ユニット10のハウジング13は、カバー部21のハウジング受容凹部23の内壁に沿って案内され、また、筐体11は、カバー部21の筐体受容凹部22の内壁に沿って案内される。この状態では、図11(A)に示すように、第1コネクタ12の上側に設けられた押圧突起19がカバー部21の上側に設けられた支持アーム28を下方向(図11(A)における矢印方向)に押圧し、第1コネクタ12の下側に設けられた押圧突起19がカバー部21の下側に設けられた支持アーム28を上方向に押圧し、これら上下の支持アーム28により第2コネクタ30を挟み込んで固定する。また、図11(B)に示すように、第2コネクタ30の第2突起32は第1突起26の前方に位置したままで係止状態にあり、第2コネクタ30後方への移動が規制されている。そして、第1コネクタ12に設けられたコンタクトと第2コネクタ30に設けられたコンタクトとが接触する。これらコンタクトの接触に際して、第2コネクタ30は、上下の支持アーム28により固定されているので、コンタクト同士の接触が確実に行われる。これにより、回路ユニット10と電気コネクタ20とが電気的に接続されることになる。なお、この状態では、図11(C)に示すように、第1コネクタ12のロック部16が第2コネクタ30のロック突起33に当接する。
【0032】
そして、図9及び図10に示す状態から回路ユニット10を更に前進させると、図12及び図13に示すように、回路ユニット10が第1位置に挿入され、第1コネクタ12と第2コネクタ30との嵌合が完了した状態となる。この際に、回路ユニット10のハウジング13は、カバー部21のハウジング受容凹部23の内壁に沿って案内され、また、筐体11は、カバー部21の筐体受容凹部22の内壁に沿って案内される。この状態では、図14(A)に示すように、第1コネクタ12の上側に設けられた押圧突起19がカバー部21の上側に設けられた支持アーム28を未だに下方向(図14(A)における矢印方向)に押圧し、第1コネクタ12の下側に設けられた押圧突起19がカバー部21の下側に設けられた支持アーム28を未だに上方向に押圧し、これら上下の支持アーム28により第2コネクタ30を挟み込んで固定している。また、図14(B)に示すように、第2コネクタ30の第2突起32は第1突起26の前方に位置したままで係止状態にあり、第2コネクタ30後方への移動が未だに規制されている。そして、この状態では、図14(C)に示すように、第1コネクタ12のロック部16が第2コネクタ30のロック突起33を乗り越えてロック突起33が開口16aに入り込み、第1コネクタ12と第2コネクタ30とのロックが完了する。なお、この状態では、図14(D)に示すように、第1コネクタ12に設けられた第1係止解除突起17は、カバー部21のラッチアーム25に設けられた第2係止解除突起27に当接する。
【0033】
更に、図12及び図13に示す状態から回路ユニット10を前進させると、図15及び図16に示すように、回路ユニット10が第1位置からさらに奥側位置に挿入された状態となる。この際に、回路ユニット10のハウジング13は、カバー部21のハウジング受容凹部23の内壁に沿って案内され、また、筐体11は、カバー部21の筐体受容凹部22の内壁に沿って案内される。この状態では、図17(A)に示すように、第1コネクタ12の上側に設けられた押圧突起19による上側支持アーム28に対する押圧が解除され、第1コネクタ12の下側に設けられた押圧突起19による下側支持アーム28に対する押圧が解除される。また、図17(D)に示すように、第1コネクタ12の正面側から見て右側(図15における上側)に設けられた第1係止解除突起17は、カバー部21の正面側から見て左側(図15における上側)のラッチアーム25に設けられた第2係止解除突起27を介してそのラッチアーム25を左方向(図17(D)に示す矢印方向)に押し拡げ、第1コネクタ12の正面側から見て左側に設けられた第1係止解除突起17は、カバー部21の正面側から見て右側のラッチアーム25に設けられた第2係止解除突起27を介してそのラッチアーム25を右方向に押し拡げる。これにより、第1突起26による第2コネクタ30への係止解除が開始する。即ち、図17(B)に示すように、カバー部21の正面側から見て右側のラッチアーム25が右方向(図17(B)に示す矢印方向)に押し拡げられることにより、このラッチアーム25に設けられた第1突起26も右方向に移動し、この第1突起26による第2コネクタ30に設けられた正面側から見て右側の第2突起32への係止解除が開始される。また、カバー部21の正面側から見て左側のラッチアーム25が左方向に押し拡げられることにより、このラッチアーム25に設けられた第1突起26も左方向に移動し、この第1突起26による第2コネクタ30に設けられた正面側から見て左側の第2突起32への係止解除が開始される。なお、この状態では、図17(C)に示すように、第1コネクタ12のロック部16は、第2コネクタ30のロック突起33を乗り越えてロック突起33が開口16aに入り込んでおり、第1コネクタ12と第2コネクタ30とのロック状態は維持されている。
【0034】
次いで、図15及び図16に示す状態から回路ユニット10を更に前進させると、図18及び図19に示すように、回路ユニット10がさらに奥側の位置に挿入された状態となる。この際に、回路ユニット10のハウジング13は、カバー部21のハウジング受容凹部23の内壁に沿って案内され、また、筐体11は、カバー部21の筐体受容凹部22の内壁に沿って案内される。この状態では、図20(B)に示すように、第1コネクタ12の正面側から見て右側に設けられた第1係止解除突起17は、カバー部21の正面側から見て左側のラッチアーム25に設けられた第2係止解除突起27を乗り越え、そのラッチアーム25は図20(B)に示す矢印方向に動いて元の位置に復帰する。また、第1コネクタ12の正面側から見て左側に設けられた第1係止解除突起17は、カバー部21の正面側から見て右側のラッチアーム25に設けられた第2係止解除突起27を乗り越え、そのラッチアーム25も同様に元の位置に復帰する。そして、図20(A)に示すように、第2コネクタ30の正面側から見て右側の第2突起32は第2コネクタ30とともに後方へ移動して、カバー部21の正面側から見て右側のラッチアーム25に設けられた第1突起26の後側に位置する。また、第2コネクタ30の正面側から見て左側の第2突起32は第2コネクタ30とともに後方へ移動して、カバー部21の正面側から見て左側のラッチアーム25に設けられた第1突起26の後側に位置する。これにより、第1突起26による第2コネクタ30への係止解除が完了する。なお、言うまでもないが、この状態では、第2コネクタ12のロック部16は、第2コネクタ30のロック突起33を乗り越えてロック突起33が開口16aに入り込んでおり、第1コネクタ12と第2コネクタ30とのロック状態は維持されている。第1突起26による第2コネクタ30への係止解除が完了されると、第2コネクタ30がコネクタ収容部24内で回路ユニット挿抜方向にスライド可能となる。
【0035】
そして、図18及び図19に示す状態から回路ユニット10を更に前進させると、図21及び図22に示すように、回路ユニット10が最終的な所定位置まで挿入された状態状態となる。この際に、回路ユニット10の第1コネクタ12のハウジング13は、カバー部21のハウジング受容凹部23の内壁に沿って案内され、また、筐体11は、カバー部21の筐体受容凹部22の内壁に沿って案内される。また、第2コネクタ30はコネクタ収容部24の最後端近傍位置まで後退する。そして、回路ユニット10が所定位置まで挿入された状態では、図23(A),(B)に示すように、第1コネクタ12のハウジング13の凹部13aの底部が、カバー部21に設けられたコネクタ収容部24の前端面に当接する。なお、言うまでもないが、この状態では、第1コネクタ12のロック部16は、第2コネクタ30のロック突起33を乗り越えてロック突起33が開口16aに入り込んでおり、第1コネクタ12と第2コネクタ30とのロック状態は維持されている。また、第1コネクタ12に設けられたコンタクトと第2コネクタ30に設けられたコンタクトとの接触状態は維持されている。回路ユニット10が最終的な所定位置まで挿入されることにより、回路ユニット10と電気コネクタ20との嵌合が完了する。
【0036】
この回路ユニット10と電気コネクタ20との嵌合過程においては、図12乃至図14に示すように、第1コネクタ12と第2コネクタ30とのロックが完了し、両コネクタ12,30の嵌合が完了した後に、図15乃至図17に示すように、第1係止解除突起17及び第2係止解除突起27によって、第1突起26による第2コネクタ30の第2突起32への係止解除が開始されるとともに、図18乃至図20に示すように、その係止解除が完了する。このため、第1コネクタ12が第2コネクタ30に対して半嵌合となることはない。即ち、回路ユニット10が図21乃至図23に示す所定位置にまで挿入されたときには、両コネクタ12,30は必ず嵌合完了していることになる。従って、第1コネクタ12を備える回路ユニット10と電気的に接続する待受型の電気コネクタ20において、第1コネクタ12とカバー部21内に収容された第2コネクタ30との半嵌合を確実に防止することができる電気コネクタ20とすることがてきる。
【0037】
なお、回路ユニット10と電気コネクタ20との嵌合を解除するときには、図21及び図22に示す状態から回路ユニット10を図4及び図5に示す矢印X方向と反対方向に引っ張って後退させればよい。これにより、図4乃至図23で示した動作と反対の動作がなされて、図4及び図5に示すように、回路ユニット10と電気コネクタ20との嵌合が解除されることになる。
【0038】
次に、本発明に係る待受型の電気コネクタの第2実施形態について説明する。図24は、本発明に係る待受型の電気コネクタの第2実施形態とこの待受型の電気コネクタに電気的に接続する回路ユニットとからなるコネクタ装置を、待受型の電気コネクタの背面側から見た図である。
また、図25は、図24におけるC−C線に沿う断面図であって回路ユニットと待受型の電気コネクタとの嵌合途中の状態を示している。図26は、図24におけるD−D線に沿う断面図であって図25と対応した状態を示している。図27は、図24におけるC−C線に沿う断面図であって第1コネクタと第2コネクタとの嵌合完了直前の状態を示している。図28は、図24におけるD−D線に沿う断面図であって図27と対応した状態を示している。図29は、図28における矢印29で示す部分の拡大図である。図30は、図24におけるC−C線に沿う断面図であって、回路ユニットが第1位置に挿入され、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態を示している。図31は、図24におけるD−D線に沿う断面図であって図30と対応した状態を示している。図32は、図24におけるC−C線に沿う断面図であって第1コネクタと第2コネクタとが嵌合完了してから第2コネクタへの係止解除が開始された状態を示している。図33は、図24におけるD−D線に沿う断面図であって図32と対応した状態を示している。図34は、図24におけるC−C線に沿う断面図であって第2コネクタへの係止解除が完了された状態を示している。図35は、図24におけるD−D線に沿う断面図であって図34と対応した状態を示している。図36は、図24におけるC−C線に沿う断面図であって回路ユニットが所定位置まで挿入された状態を示している。図37は、図24におけるD−D線に沿う断面図であって図36と対応した状態を示している。
【0039】
図24乃至図26において、コネクタ装置51は、図1乃至図23に示したコネクタ装置1と同様に、回路ユニット60と、この回路ユニット60と嵌合するいわゆる待受型の電気コネクタ70とを具備している。以後、回路ユニット60においては、正面側から見て前側(図25における右側)を「前側」、正面側から見て後側を「後側」、正面側から見て上側(図26における上側)を「上側」、正面側から見て下側を「下側」、正面側から見て右側(図24における右側、図25における上側)を「右側」、正面側から見て左側を「左側」とする。また、待受型の電気コネクタ70においては、正面側から見て前側(図25における左側)を「前側」、正面側から見て後側を「後側」、正面側から見て上側(図26における上側)を「上側」、正面側から見て下側を「下側」、正面側から見て右側(図24における左側、図25における下側)を「右側」、正面側から見て左側を「左側」とする。
【0040】
ここで、回路ユニット60は、図25及び図26に示すように、図1及び図2に示す回路ユニット10と異なり、上面に傾斜部61aを設けて前側(図26における右側)を厚くし後側を薄くした角筒形状の筐体61と、この筐体61の前端に固定された第1コネクタ62とを備えている。第1コネクタ62は、筐体61の前端に固定される略扁平の角筒形状のハウジング63を有している。第1コネクタ62のハウジング63の幅は、第1コネクタ12のハウジング13の幅と異なり、図25示すように、筐体61の幅と同一となっている。ハウジング63の内部には、図25及び図26に示すように、後述する電気コネクタ80のコネクタ収容部74を受容する前面に開口した凹部63aが形成されている。そして、この凹部63aの内部には、図25に示すように、ハウジング63の幅方向に延びる略矩形形状のコンタクト固定部64が凹部63aの底から前方に突出するように設けられている。このコンタクト固定部64には、複数列状のコンタクト68が取り付けられている。また、ハウジング63の後部には、筐体61内に固定された回路基板PCB上にハウジング63を固定するための1対の固定部65が設けられている。前述した各コンタクト68は、その後端部が回路基板PCBに例えば半田接続等によって電気的に接続されるようになっている。また、コンタクト固定部64の上下両面には、それぞれ1対のロック部66がコンタクト固定部64から前方に突出するように設けられている。各ロック部66には、開口66aが形成されている。また、コンタクト固定部64の幅方向両側面には、それぞれ1対の第1係止解除突起67が上下両端に設けられている。また、ハウジング63の上下両壁内面の略中央部には、それぞれ1対の押圧突起69が設けられている。
【0041】
一方、待受型の電気コネクタ70は、図1に示す電気コネクタ20と同様に、第1コネクタ62を備える回路ユニット60を受容して図36に示す所定位置に案内するカバー部71と、カバー部71内に収容される第2コネクタ80とを備えている。
カバー部71は、図25に示すように、略扁平の角筒形状をなし、内部に回路ユニット60の第1コネクタ62及び筐体61の双方を受容する回路ユニット受容凹部72を前面(図25における左面)に開口するように設けている。この回路ユニット受容凹部72内の後部には、第2コネクタ80を収容する略矩形形状のコネクタ収容部74が設けられている。コネクタ収容部74内には、第2コネクタ80を収容する前後方向に貫通する貫通孔74aが設けられている。また、コネクタ収容部74の幅方向の両側壁には、1対のラッチアーム75が設けられている。各ラッチアーム75は、コネクタ収容部74の幅方向の側壁後方部から前方に向けて延びる方持ち梁状に形成され、先端近傍が貫通孔74a内に突出するようになっている。そして、各ラッチアーム75の先端の上下方向中央部には、第2コネクタ80をコネクタ収容部74内に係止するための第1突起(係止手段)76が貫通孔74a内に向けて突出形成され、また、ラッチアーム75の先端の上下方向両端には、第1突起76による第2コネクタ80への係止解除を行うための1対の第2係止解除突起(係止解除手段)77が貫通孔74a内に向けて突出形成されている。また、コネクタ収容部74の上下両壁の前端部には、それぞれ1対のストッパ突起79が設けられている。そして、カバー部71の上下両壁には、コネクタ収容部74の後端部近傍から前端部近傍に至るまで延びる方持ち梁状の1対の支持アーム78が設けられている。
【0042】
また、第2コネクタ80は、第1実施形態の第2コネクタ30と同様に、略矩形形状のハウジング81と、ハウジング81に複数列状に取り付けられ、前側の部分で第1コネクタ62のコンタクト68に接触するコンタクト85とを備えている。各コンタクト85は、その後側の部分で電線86(図26参照)に接続されている。第2コネクタ80は、ワイヤハーネス(電線86)端に取り付けられた後に、カバー部71のコンタクト収容部74の貫通孔74a内にカバー部71の後方から収容されるようになっている。第2コネクタ80のハウジング81の幅方向両端面には、コネクタ収容部74に設けられた第1突起76に係止される1対の第2突起82が形成されている。第2コネクタ80は、コネクタ収容部74の貫通孔74a内にカバー部71の後方から収容され、図25示すように、第2突起82が第1突起76を乗り越えてその第1突起76の前方に位置することにより、後方への移動が規制されるようになっている。このように第2突起82が第1突起76を乗り越えたときには、第2コネクタ80のハウジング81の前端面がコネクタ収容部74の前端面とほぼ一致する位置になる。この第2コネクタ80が係止される位置は、回路ユニット60が図30に示す第1位置に挿入されたときに、第1コネクタ62と第2コネクタ80との嵌合が完了する位置である。また、第2コネクタ80のハウジング81の上下両面には、図24及び図25に示すように、それぞれ前後方向に延びる1対の突条84が突出形成されている。図25に示すように、これら突条84の前端面がコネクタ収容部74に設けられたストッパ突起79の後端面に当接することにより、第2コネクタ80の前方への移動が規制されるようになっている。また、第2コネクタ80のハウジング81の上下両面の前端部近傍には、図30に示すように、それぞれ第1コネクタ62のロック部66の開口66aに入り込んで第1コネクタ62と第2コネクタ80とをロックする1対のロック突起83(ロック手段)が突出形成されている。
【0043】
なお、待受型の電気コネクタ70においては、図1に示す電気コネクタ20と異なり、図36に示すように、回路ユニット60が所定位置まで挿入されたときに、回路ユニット60をカバー部71に保持する1対の方持ち梁状の保持アーム(保持手段)91をカバー部71の両側壁に設けている。各保持アーム91は、その固定端から後方に向けて片持ち梁状に延び、先端に回路ユニット受容凹部72内に突出する係止突起が設けられている。各保持アーム91の係止突起は、図36に示すように、回路ユニット60が所定位置まで挿入されたときに、第1コネクタ62のハウジング63の両側壁に設けられた開口部92に入り込んで係止し、回路ユニット60をカバー部71に保持するようになっている。
【0044】
次に、回路ユニット60と電気コネクタ70との嵌合作用について、図25乃至図37を参照して説明する。
先ず、回路ユニット60と電気コネクタ70とが嵌合されていない状態から、図25及び図26に示す矢印Y方向に回路ユニット60を前進させ、回路ユニット60の第1コネクタ62のハウジング63を、カバー部71の回路ユニット受容凹部72内に挿入する。この際に、回路ユニット60の第1コネクタ62のハウジング63は、回路ユニット受容凹部72の内壁に沿って案内される。このため、第1コネクタ62とコネクタ収容部74内に収容された第2コネクタ80とは、軸(芯)が一致して嵌合され、一動作で嵌合することができる。ここで、回路ユニット60の挿入に際し、第1コネクタ62がある側と反対側の筐体61の後部から回路ユニット60をカバー部71内に挿入すると、回路ユニット60の筐体61の後部は前側に対して薄くなっているから、回路ユニット60を回路ユニット受容凹部72の内壁に沿って円滑に案内できない。従って、回路ユニット60の前後逆さまの誤挿入を早期に検知することができる。
【0045】
そして、第1コネクタ62を先頭にした回路ユニット60の挿入が行われると、図25及び図26に示すように、第1コネクタ62と第2コネクタ70とが嵌合途中の状態になる。このとき、図25に示すように、第2コネクタ80の第2突起82は第1突起76の前方に位置したままで係止状態にあり、第2コネクタ80の後方への移動が規制されている。一方、この状態では、図26に示すように、第1コネクタ62に設けられた各押圧突起69がカバー部71に設けられた各支持アーム78に当接する。なお、図25及び図26に示す状態では、第1コネクタ62に設けられたコンタクト68と第2コネクタ80に設けられたコンタクト85とは未だ接触してない。
【0046】
次いで、図25及び図26に示す状態から回路ユニット60を更に前進させると、図27及び図28に示すように、第1コネクタ62と第2コネクタ80とが嵌合完了直前の状態となる。この際に、回路ユニット60の第1コネクタ62のハウジング63及び筐体61は、回路ユニット受容凹部72の内壁に沿って案内される。この状態では、図28に示すように、第1コネクタ62の上側に設けられた押圧突起69がカバー部71の上側に設けられた支持アーム78を下方向に押圧し、図示はしないが第1コネクタ62の下側に設けられた押圧突起69がカバー部71の下側に設けられた支持アーム78を上方向に押圧し、これら上下の支持アーム78により第2コネクタ80を挟み込んで固定する。また、図27に示すように、第2コネクタ80の第2突起82は第1突起76の前方に位置したままで係止状態にあり、第2コネクタ80後方への移動が規制されている。そして、図29に示すように、第1コネクタ62に設けられたコンタクト68と第2コネクタ80に設けられたコンタクト85とが接触する。これらコンタクト68,85の接触に際して、第2コネクタ80は、上下の支持アーム78により固定されているので、コンタクト68,85同士の接触が確実に行われる。これにより、回路ユニット60と電気コネクタ70とが電気的に接続されることになる。なお、この状態では、図28に示すように、第1コネクタ62のロック部66が第2コネクタ80のロック突起83に当接する。
【0047】
そして、図28及び図29に示す状態から回路ユニット60を更に前進させると、図30及び図31に示すように、回路ユニット60が第1位置に挿入され、第1コネクタ62と第2コネクタ80との嵌合が完了した状態となる。この際に、回路ユニット60の第1コネクタ62のハウジング63及び筐体61は、回路ユニット受容凹部72の内壁に沿って案内される。この状態では、図31に示すように、第1コネクタ62の上側に設けられた押圧突起69がカバー部71の上側に設けられた支持アーム78を未だに下方向に押圧し、図示はしないが第1コネクタ62の下側に設けられた押圧突起69がカバー部71の下側に設けられた支持アーム78を未だに上方向に押圧し、これら上下の支持アーム78により第2コネクタ80を挟み込んで固定している。また、図30に示すように、第2コネクタ80の第2突起82は第1突起76の前方に位置したままで係止状態にあり、第2コネクタ80の後方への移動が未だに規制されている。そして、この状態では、図31に示すように、第1コネクタ62のロック部66が第2コネクタ80のロック突起83を乗り越えてロック突起83が開口66aに入り込み、第1コネクタ62と第2コネクタ80とのロックが完了する。なお、この状態では、図30に示すように、第1コネクタ62に設けられた第1係止解除突起67は、カバー部71のラッチアーム75に設けられた第2係止解除突起77に当接する。
【0048】
更に、図30及び図31に示す状態から回路ユニット60を前進させると、図32及び図33に示すように、回路ユニット60が第1位置からさらに奥側位置に挿入された状態となる。この際に、回路ユニット60の第1コネクタ62のハウジング63及び筐体61は、回路ユニット受容凹部72の内壁に沿って案内される。この状態では、図33に示すように、第1コネクタ62の上側に設けられた押圧突起69による上側支持アーム78に対する押圧が解除され、図示はしないが第1コネクタ62の下側に設けられた押圧突起69による下側支持アーム78に対する押圧が解除される。また、図32に示すように、第1コネクタ62の正面側から見て右側(図32における上側)に設けられた第1係止解除突起67は、カバー部71の正面側から見て左側(図32における上側)のラッチアーム75に設けられた第2係止解除突起77を介してそのラッチアーム25を左方向に押し拡げ、第1コネクタ62の正面側から見て左側に設けられた第1係止解除突起67は、図示はしないがカバー部71の正面側から見て右側のラッチアーム75に設けられた第2係止解除突起77を介してそのラッチアーム75を右方向に押し拡げる。これにより、第1突起76による第2コネクタ80への係止解除が開始する。即ち、図示はしないが、カバー部71の正面側から見て右側のラッチアーム75が右方向に押し拡げられることにより、このラッチアーム75に設けられた第1突起76も右方向に移動し、この第1突起76による第2コネクタ80に設けられた正面側から見て右側の第2突起82への係止解除が開始される。また、図32に示すように、カバー部71の正面側から見て左側のラッチアーム75が左方向に押し拡げられることにより、このラッチアーム75に設けられた第1突起76も左方向に移動し、この第1突起76による第2コネクタ80に設けられた正面側から見て左側の第2突起82への係止解除が開始される。なお、この状態では、図33に示すように、第1コネクタ62のロック部66は、第2コネクタ80のロック突起83を乗り越えてロック突起83が開口66aに入り込んでおり、第1コネクタ62と第2コネクタ80とのロック状態は維持されている。
【0049】
次いで、図32及び図33に示す状態から回路ユニット60を更に前進させると、図34及び図35に示すように、回路ユニット60がさらに奥側の位置に挿入された状態となる。この際に、回路ユニット60の第1コネクタ62のハウジング63及び筐体61は、回路ユニット受容凹部72の内壁に沿って案内される。この状態では、図34に示すように、第1コネクタ62の正面側から見て右側に設けられた第1係止解除突起67は、カバー部71の正面側から見て左側のラッチアーム75に設けられた第2係止解除突起77を乗り越え、そのラッチアーム75は元の位置に復帰する。また、図示はしないが第1コネクタ62の正面側から見て左側に設けられた第1係止解除突起67は、カバー部71の正面側から見て右側のラッチアーム75に設けられた第2係止解除突起77を乗り越え、そのラッチアーム75も同様に元の位置に復帰する。そして、図34に示すように、第2コネクタ80の正面側から見て右側の第2突起82は第2コネクタ80とともに後方へ移動して、カバー部71の正面側から見て右側のラッチアーム75に設けられた第1突起76の後側に位置する。また、図示はしないが第2コネクタ80の正面側から見て左側の第2突起82は第2コネクタ80とともに後方へ移動して、カバー部71の正面側から見て左側のラッチアーム75に設けられた第1突起76の後側に位置する。これにより、第1突起76による第2コネクタ80への係止解除が完了する。また、図34に示すように、カバー部71の両側壁に設けられた保持アーム91の係止突起が第1コネクタ62のハウジング63の両側壁上に乗り上げる。なお、言うまでもないが、この状態では、図35に示すように、第1コネクタ62のロック部66は、第2コネクタ80のロック突起83を乗り越えてロック突起83が開口66aに入り込んでおり、第1コネクタ62と第2コネクタ80とのロック状態は維持されている。そして、係止突起76による第2コネクタ80への係止解除が完了されると、第2コネクタ80がコネクタ収容部74内で回路ユニット挿抜方向にスライド可能となる。
【0050】
そして、図34及び図35に示す状態から回路ユニット60を更に前進させると、図36及び図37に示すように、回路ユニット60が最終的な所定位置まで挿入された状態状態となる。この際に、回路ユニット60の第1コネクタ62のハウジング63及び筐体61は、回路ユニット受容凹部72の内壁に沿って案内される。また、第2コネクタ80はコネクタ収容部74の最後端近傍位置まで後退する。そして、回路ユニット60が所定位置まで挿入された状態では、図36及び図37に示すように、第1コネクタ62のハウジング63の凹部63aの底部が、カバー部71に設けられたコネクタ収容部74の前端面に当接する。また、図36に示すように、カバー部71の両側壁に設けられた保持アーム91の係止突起が、第1コネクタ62のハウジング63に設けられた開口部92に入り込んで係止し、回路ユニット60をカバー部71に保持する。
【0051】
このように、保持アーム91の係止突起は、回路ユニット60が所定位置まで挿入されたときに、第1コネクタ62のハウジング63の両側壁に設けられた開口部92に入り込んで係止し、回路ユニット60をカバー部71に保持するので、回路ユニット60を保持する別個の回路ユニット保持部材(ボックス)を設ける必要はない。
なお、言うまでもないが、図36及び図37に示す状態では、第1コネクタ62のロック部66は、第2コネクタ80のロック突起83を乗り越えてロック突起83が開口66aに入り込んでおり、第1コネクタ62と第2コネクタ80とのロック状態は維持されている。また、第1コネクタ62に設けられたコンタクト68と第2コネクタ80に設けられたコンタクト85との接触状態は維持されている。回路ユニット60が最終的な所定位置まで挿入されることにより、回路ユニット60と電気コネクタ70との嵌合が完了する。
【0052】
この回路ユニット60と電気コネクタ70との嵌合過程においても、第1コネクタ62と第2コネクタ80とのロックが完了し、両コネクタ62,80の嵌合が完了した後に、図32及び図33に示すように、第1係止解除突起67及び第2係止解除突起77によって、第1突起76による第2コネクタ80の第2突起82への係止解除が開始されるとともに、図34乃至図35に示すように、その係止解除が完了する。このため、第1コネクタ62が第2コネクタ80に対して半嵌合となることはない。即ち、回路ユニット60が図36及び図37に示す所定位置にまで挿入されたときには、両コネクタ62,80は必ず嵌合完了していることになる。従って、第1コネクタ62を備える回路ユニット60と電気的に接続する待受型の電気コネクタ70において、第1コネクタ62とカバー部71内に収容された第2コネクタ80との半嵌合を確実に防止することができる電気コネクタ70とすることができる。
【0053】
なお、回路ユニット60と電気コネクタ70との嵌合を解除するときには、図36及び図37に示す状態から回路ユニット60を図25及び図26に示す矢印Y方向と反対方向に引っ張って後退させればよい。これにより、図25乃至図37示した動作と反対の動作がなされて、図25及び図26に示すように、回路ユニット60と電気コネクタ70との嵌合が解除されることになる。
【0054】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、図24乃至図37に示す待受型の電気コネクタ70において、第2コネクタ80には、第2コネクタ30に設けられた誤嵌合阻止用孔35と同様の誤嵌合阻止用孔はなく、また、第1コネクタ62には、第1コネクタ12に設けられた誤嵌合阻止板18と同様の誤嵌合阻止板はないが、第2コネクタ80及び第1コネクタ62のそれぞれにこれらと同様の誤嵌合阻止用孔及び誤嵌合阻止板を設けてもよい。
【0055】
また、待受型の電気コネクタ70において、1対の方持ち梁状の保持アーム(保持手段)91は、回路ユニット60が図36に示す所定位置まで挿入されたときに、第1コネクタ62のハウジング63の両側壁に設けられた開口部92に入り込んで係止し、回路ユニット60をカバー部71に保持するようになっているが、回路ユニット60が前記所定位置及び図30に示す第1位置とは異なる第2位置まで挿入されたときに、回路ユニット60をカバー部71に保持するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に係る待受型の電気コネクタの第1実施形態とこの待受型の電気コネクタに嵌合し電気的に接続する回路ユニットとからなるコネクタ装置の分解斜視図であり、待受型の電気コネクタを背面側から、回路ユニットを正面側から見ている。
【図2】図1のコネクタ装置の分解斜視図であり、待受型の電気コネクタを正面側から、回路ユニットを背面側から見ている。
【図3】図1に示すコネクタ装置を待受型の電気コネクタの背面側から見た図である。
【図4】図3におけるA−A線に沿う断面図であって回路ユニットと待受型の電気コネクタとが嵌合されていない状態を示している。
【図5】図3におけるB−B線に沿う断面図であって第1コネクたと第2コネクタとが嵌合されていない図4と対応した状態を示している。
【図6】図3におけるA−A線に沿う断面図であって第1コネクタと第2コネクタとの嵌合途中の状態を示している。
【図7】図3におけるB−B線に沿う断面図であって図6と対応した状態を示している。
【図8】図6及び図7における主要部の詳細を示し、(A)は図7における矢印8Aで示す部分の拡大図、(B)は図6における矢印8Bで示す部分の拡大図である。
【図9】図3におけるA−A線に沿う断面図であって第1コネクタと第2コネクタとの嵌合完了直前の状態を示している。
【図10】図3におけるB−B線に沿う断面図であって図9と対応した状態を示している。
【図11】図9及び図10における主要部の詳細を示し、(A)は図10における矢印11Aで示す部分の拡大図、(B)は図9における矢印11Bで示す部分の拡大図、(C)は図10における矢印11Cで示す部分の拡大図である。
【図12】図3におけるA−A線に沿う断面図であって、回路ユニットが第1位置に挿入され、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態を示している。
【図13】図3におけるB−B線に沿う断面図であって図12と対応した状態を示している。
【図14】図12及び図13における主要部の詳細を示し、(A)は図13における矢印14Aで示す部分の拡大図、(B)は図12における矢印14Bで示す部分の拡大図、(C)は図13における矢印14Cで示す部分の拡大図、(D)は図12における矢印14Dで示す部分の拡大図である。
【図15】図3におけるA−A線に沿う断面図であって第1コネクタと第2コネクタとが嵌合完了してから第2コネクタへの係止解除が開始された状態を示している。
【図16】図3におけるB−B線に沿う断面図であって図15と対応した状態を示している。
【図17】図15及び図16における主要部の詳細を示し、(A)は図16における矢印17Aで示す部分の拡大図、(B)は図15における矢印17Bで示す部分の拡大図、(C)は図16における矢印17Cで示す部分の拡大図、(D)は図15における矢印17Dで示す部分の拡大図である。
【図18】図3におけるA−A線に沿う断面図であって第2コネクタへの係止解除が完了された状態を示している。
【図19】図3におけるB−B線に沿う断面図であって図18と対応した状態を示している。
【図20】図18における主要部の詳細を示し、(A)は図18における矢印20Aで示す部分の拡大図、(B)は図18における矢印20Bで示す部分の拡大図である。
【図21】図3におけるA−A線に沿う断面図であって回路ユニットが所定位置まで挿入された状態を示している。
【図22】図3におけるB−B線に沿う断面図であって図21と対応した状態を示している。
【図23】図21及び図22における主要部の詳細を示し、(A)は図21における矢印23Aで示す部分の拡大図、(B)は図22における矢印23Bで示す部分の拡大図である。
【図24】本発明に係る電気コネクタの第2実施形態とこの電気コネクタに電気的に接続する回路ユニットとからなるコネクタ装置を、電気コネクタの背面側から見た図である。
【図25】図24におけるC−C線に沿う断面図であって回路ユニットと電気コネクタとの嵌合途中の状態を示している。
【図26】図24におけるD−D線に沿う断面図であって図25と対応した状態を示している。
【図27】図24におけるC−C線に沿う断面図であって第1コネクタと第2コネクタとの嵌合完了直前の状態を示している。
【図28】図24におけるD−D線に沿う断面図であって図27と対応した状態を示している。
【図29】図28における矢印29で示す部分の拡大図である。
【図30】図24におけるC−C線に沿う断面図であって、回路ユニットが第1位置に挿入され、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が完了した状態を示している。
【図31】図24におけるD−D線に沿う断面図であって図30と対応した状態を示している。
【図32】図24におけるC−C線に沿う断面図であって第1コネクタと第2コネクタとが嵌合完了してから第2コネクタへの係止解除が開始された状態を示している。
【図33】図24におけるD−D線に沿う断面図であって図32と対応した状態を示している。
【図34】図24におけるC−C線に沿う断面図であって第2コネクタへの係止解除が完了された状態を示している。
【図35】図24におけるD−D線に沿う断面図であって図34と対応した状態を示している。
【図36】図24におけるC−C線に沿う断面図であって回路ユニットが所定位置まで挿入された状態を示している。
【図37】図24におけるD−D線に沿う断面図であって図36と対応した状態を示している。
【図38】従来例の待受型の電気コネクタを有するコネクタ装置の組立斜視図である。
【図39】図38に示すコネクタ装置において、第1コネクタとともに、待受部に第2コネクタを収容した状態を示す断面図である。
【図40】図39における40−40線に沿う断面図である。
【図41】図40に示したコネクタ装置の嵌合途中の説明図である。
【図42】図41における42−42線に沿う断面図である。
【図43】図41に示したコネクタ装置の嵌合途中の説明図である。
【図44】図43における44−44線に沿う断面図である。
【図45】図43に示したコネクタ装置の嵌合完了状態の説明図である。
【図46】第1コネクタと待受部と第2コネクタとの間における係止手段と係止解除手段との関係を示す説明図である。
【図47】第1コネクタと第2コネクタとをロックするロック手段とロック解除手段との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
【0057】
1 コネクタ装置
10,60 回路ユニット
12,62 第1コネクタ
20,70 待受型の電気コネクタ
21,71 カバー部
26,76 第1突起(係止手段)
27,77 第2係止解除突起(係止解除手段)
30,80 第2コネクタ
33,83 ロック突起(ロック手段)
35 誤嵌合阻止用孔(嵌合阻止手段)
91 保持アーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コネクタを備える回路ユニットと電気的に接続する待受型の電気コネクタであって、
前記回路ユニットを受容して所定位置に案内するカバー部と、
該カバー部内に収容されると共に係止手段によって前記カバー部に係止され、受容した前記回路ユニットが第1位置まで挿入されたときに、前記第1コネクタとの嵌合が完了する第2コネクタと、
前記回路ユニットが前記第1位置まで挿入されて前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合が完了したときに、前記第1コネクタと前記第2コネクタとをロック完了とするロック手段と、
前記回路ユニットが前記第1位置からさらに奥側位置まで挿入されたときに、前記係止手段による前記第2コネクタへの係止解除を開始する係止解除手段とを具備し、
該係止解除手段によって前記第2コネクタへの係止解除が完了されたときに、前記第2コネクタが前記カバー部内で回路ユニット挿抜方向にスライド可能となることを特徴とする電気コネクタ。
【請求項2】
前記回路ユニットが表裏逆さまにされて前記第1コネクタが表裏逆さまに前記カバー部内に挿入されたときに、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合を阻止する嵌合阻止手段を備えることを特徴とする請求項1記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記回路ユニットが前記第1位置から前記奥側位置を経てさらに第2位置にまで挿入されたときに、前記回路ユニットを前記カバー部に保持する保持手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の電気コネクタ。
【請求項1】
第1コネクタを備える回路ユニットと電気的に接続する待受型の電気コネクタであって、
前記回路ユニットを受容して所定位置に案内するカバー部と、
該カバー部内に収容されると共に係止手段によって前記カバー部に係止され、受容した前記回路ユニットが第1位置まで挿入されたときに、前記第1コネクタとの嵌合が完了する第2コネクタと、
前記回路ユニットが前記第1位置まで挿入されて前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合が完了したときに、前記第1コネクタと前記第2コネクタとをロック完了とするロック手段と、
前記回路ユニットが前記第1位置からさらに奥側位置まで挿入されたときに、前記係止手段による前記第2コネクタへの係止解除を開始する係止解除手段とを具備し、
該係止解除手段によって前記第2コネクタへの係止解除が完了されたときに、前記第2コネクタが前記カバー部内で回路ユニット挿抜方向にスライド可能となることを特徴とする電気コネクタ。
【請求項2】
前記回路ユニットが表裏逆さまにされて前記第1コネクタが表裏逆さまに前記カバー部内に挿入されたときに、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合を阻止する嵌合阻止手段を備えることを特徴とする請求項1記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記回路ユニットが前記第1位置から前記奥側位置を経てさらに第2位置にまで挿入されたときに、前記回路ユニットを前記カバー部に保持する保持手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の電気コネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【公開番号】特開2007−265785(P2007−265785A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−88880(P2006−88880)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000227995)タイコエレクトロニクスアンプ株式会社 (340)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000227995)タイコエレクトロニクスアンプ株式会社 (340)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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