説明

電気モジュール及び電気モジュールの製造方法

【課題】本発明は、電気モジュールの電極間の短絡を効果的に防止し、かつ、電気モジュールの製造工程時に電極部材に与えるダメージを軽減することのできる電気モジュール又は電気モジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】第1の基板21に透明電極膜22を設け、該透明電極膜22に半導体層23が設けられた半導体電極24と、半導体電極24に対向配置される対向電極膜25が第2の基板26に設けられた対極27と、透明電極膜22又は対向電極膜25の外周に沿って設けられ半導体電極24と対極27との間に内部空間Sを有するセルCを形成する封止材29と、内部空間Sに充填される電解質30とを備えた電気モジュール20Aであって、半導体電極24と対極27との間には、半導体電極24と対極27とを分離するシート状のセパレータ28が配され、該セパレータ28は、その両面が封止材29に挟み込まれて固定されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュール等の電気モジュール及び電気モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、化石燃料に代わるクリーンエネルギーの発電装置として太陽電池が注目され、シリコン(Si)系太陽電池、および色素増感型太陽電池の開発が進められている。
とりわけ色素増感型太陽電池は、安価で量産しやすいものとして注目されているが、シリコン系太陽電池に比べ光電変換率が低いことから、複数のセルを直列接続してモジュール化することにより光電変換効率を高め、かつ製造コストを抑えるための開発がなされている。従来より、かかる太陽電池モジュールとしては、例えば下記特許文献1に記載されたものが提案されている。
【0003】
図7に示すように、特許文献1の太陽電池モジュールは、光入射側から順に、一の基板1上に透明電極膜2、半導体層3、電解質溶液4、セパレータ5、対極6を積層して構成されている。
そして、この太陽電池モジュールのセパレータ5は熱圧着により対極6と一体化され、封止材7によって封止されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−182457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで上記特許文献1の太陽電池モジュールは、セパレータ5が対極6の表面に直に触れるように配され、セパレータ5の上方から封止材7を配してセパレータ5と共に封止材の下方で固定した構成とされている。しかし、セパレータ5を対極6に直に配した構成であるため、セパレータ5と対極6との間に隙間が形成されてしまい、この隙間から電解質溶液4が漏れ出て隣り合う電極同士が短絡してしまうという問題があった。
また、セパレータ5が対極6に直に配されているため、セパレータ5が対極6に設けられた電極膜を傷付けてしまい、太陽電池モジュールの発電効率を低下させるという問題があった。
また、封止材7をセパレータ5の上面側、すなわちセパレータ5の一方の面から浸透させた場合、封止材7の浸透に時間を要するため生産効率が悪いという問題があった。
また、封止材7の形成を熱プレスを用いて行う場合、熱プレスを行う時間が長くなることから、該熱プレスによる電極部材へのダメージが生じやすいという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みて、電気モジュールの電極間の短絡を効果的に防止し、かつ、電気モジュールの製造工程時に電極部材に与えるダメージを軽減することのできる電気モジュール又は電気モジュールの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、第1の基板に透明電極膜を設け、該透明電極膜に半導体層が設けられた半導体電極と、前記半導体電極に対向配置される対向電極膜が第2の基板に設けられた対極と、前記透明電極膜又は前記対向電極膜の外周に沿って設けられ前記半導体電極と前記対極との間に内部空間を有するセルを形成する封止材と、前記内部空間に充填される電解質とを備えた電気モジュールであって、前記半導体電極と前記対極との間には、これら半導体電極と対極とを分離するシート状のセパレータが配され、該セパレータは、その両面が前記封止材に挟み込まれて固定されていることを特徴とする。
本発明では、セパレータは、その両面が封止材に挟み込まれて固定されているため、セパレータに封止材が浸透しこれらセパレータと封止材とが密に結合してセパレータ又はその表面部分で隙間が形成されず、セパレータを配したことによる電解質の漏洩を防止することができる。
また、セパレータの両面が前記封止材に挟み込まれて固定されているため、セパレータが透明電極膜、半導体電極又は対向電極膜と接し難くなり、セパレータがこれらの電極膜と摩擦することによる傷の発生を防止することができる。
また、セパレータの両面から封止材を浸透させることで短時間でセパレータにこの封止材を浸透させることができる。
また更に、熱プレスを用いて封止材の形成を行う場合に、該熱プレスをかける時間を短縮することができる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の電気モジュールであって、前記セパレータは、前記透明電極膜及び前記対向電極膜から離間した位置に配されていることを特徴とする。
本発明では、セパレータが、前記透明電極膜及び前記対向電極膜から離間した位置に配されているため、セパレータがこれらの電極膜と摩擦することによる傷の発生を防止することができる。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の電気モジュールであって、前記セパレータは、前記内部空間において前記透明電極膜及び対向電極膜を完全に覆うように配されていることを特徴とする。
本発明では、透明電極膜と対向電極膜とを隙間なく分離することができる。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の電気モジュールであって、前記第1の基板に透明電極膜及び半導体層が複数形成されるとともに、これら複数の前記透明電極膜及び前記半導体層は、それぞれ第1の封止材により囲繞され、前記第2の基板の前記透明電極膜に対向する位置に前記対向電極膜が複数形成されるとともに、これら複数の対向電極膜は、それぞれ第2の封止材により囲繞され、前記第1の封止材と前記第2の封止材との間には、前記第1の封止材及び第2の封止材により囲繞された複数の領域に亘って配された前記セパレータが挟み込まれるとともに、前記第1の封止材と前記セパレータと前記第2の封止材とが結合して複数のセルを形成していることを特徴とする。
本発明では、第1の基板と第2の基板との間に複数のセルが形成され、これら複数のセルに跨って配されたセパレータが第1の基板側の封止材と第2の基板側の封止材とにより挟み込まれて固定されているため、各セルを確実に封止して電解質の漏洩を防止できる。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の電気モジュールであって、前記封止材は、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、もしくはこれら双方を合わせた樹脂の少なくともいずれか一つを含んだ樹脂材料により形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、容易にセルの内部空間を封止することができる。
【0012】
請求項6の発明は、第1の基板に透明電極膜を設け、該透明電極膜に半導体層を設けた半導体電極を形成する工程と、前記半導体電極に対向配置される対向電極膜が第2の基板に設けられた対極を形成する工程と、前記透明電極膜の外周に沿って前記第1の基板上に第1の封止材を設けるとともに、前記対向電極膜の外周に沿って前記第2の基板上に第2の封止材を設ける工程と、前記第1の封止材と前記第2の封止材とを対向させ、これらの間に前記半導体電極と前記対極とを分離するセパレータを挟み込み、前記第1の封止材と前記セパレータと前記第2の封止材とを結合して、前記半導体電極と前記対極との間に内部空間を有するセルを形成する工程と、前記内部空間に電解質を充填する工程とを備えたことを特徴とする。
本発明では、第1の封止材と第2の封止材とを対向させて重ね合わせ、半導体電極と対極とを分離するセパレータを第1の封止材と第2の封止材との間に挟み込むとともに、半導体電極と対極との間に内部空間を有するセルを形成する封止材を形成する工程を備えて電気モジュールを形成しているため、セパレータの両面から封止材を浸透させることができ、セパレータと透明電極膜又はセパレータと対向電極膜との間に隙間が形成されず、セパレータを配したことによる電解質の漏洩を防止することができる。
また、セパレータの両面から封止材が浸透するため短時間でセパレータに封止材を浸透させることができる。
また更に、封止材の形成を熱プレスを用いて行う場合に、該熱プレスをかける時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る電気モジュール及び電気モジュールの製造方法によれば、セパレータに封止材が浸透しこれらセパレータと封止材とが密に結合するので、セパレータ又はその表面部分で隙間が形成されず、電解質の漏洩を防止することができ、電気モジュールの電極同士の短絡を効果的に防止することができるという効果を奏する。
また、セパレータが透明電極膜及び対向電極膜と摩擦することによる透明電極膜及び対向電極膜の傷の発生を防止することができるため、品質の高い電気モジュールとすることができるという効果を奏する。
また、セパレータの両面から封止材を浸透させることで短時間でセパレータに封止材を浸透させることができるため、電気モジュールの製造効率が高いという効果を奏する。
また更に、封止材の形成を熱プレスを用いて行う場合に、該熱プレスをかける時間を短縮することができるため、電気モジュールへの熱プレスによる部品のダメージを低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】は、本発明の第1の実施形態として示した電気モジュールの断面図である。
【図2】は、本発明の第1の実施形態として示した電気モジュールの製造工程を示した断面図である。
【図3】は、本発明の第2の実施形態として示した電気モジュールの断面図である。
【図4】は、本発明の第2の実施形態として示した電気モジュールの製造工程の一部を示した斜視図である。
【図5】は、本発明の第2の実施形態として示した電気モジュールの製造工程の一部を示す断面図である。
【図6】は、本発明の第2の実施形態として示した電気モジュール製造工程の一部で各部材を上面視した図である。
【図7】は、従来の太陽電池モジュールを示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図を参照して本発明の第1の実施形態について説明する。図1は本実施形態の電気モジュール20Aを示した図であり、図2は、本実施形態の電気モジュール20Aの製造工程を示した断面図である。
図1に示すように、本実施形態の電気モジュール20Aは、第1の基板21、透明電極膜22及び半導体層23を具備した半導体電極24と、半導体電極24に対向配置され、対向電極膜25及び第2の基板26を具備した対極27と、透明電極膜22と対向電極膜25との間に配されるセパレータ28と、半導体電極24と対極27との間を封止する封止材29と、電解液30とを備えている。
【0016】
第1の基板21は、半導体電極24の基台となる部材であり、例えば、透明ガラス板、又はポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド等の透明の樹脂材料により硬質の平板状、又は可撓性のあるフィルム状に形成されるものである。
【0017】
透明電極膜22は、いわゆる第1電極となるものである。この透明電極膜22には酸化スズ(ITO)、酸化亜鉛等が用いられ、スパッタリングや印刷法により第1の基板21の上面全体に成膜されるものである。
【0018】
半導体層23は、後述する増感色素から電子を受け取り輸送する機能を有するものであり、金属酸化物からなる半導体により略矩形に形成される。金属酸化物としては、例えば、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、等が用いられる。
【0019】
半導体層23には、増感色素が担持されている。増感色素は、有機色素または金属錯体色素で構成されている。有機色素として、例えば、クマリン系、ポリエン系、シアニン系、ヘミシアニン系、チオフェン系、等の各種有機色素を用いることができる。金属錯体色素としては、例えば、ルテニウム錯体等、が好適に用いられる。
【0020】
第2の基板26は、対極27の基板となる部材であり、第1の基板21と同様の材質により硬質の平板状、又は可撓性のあるフィルム状に形成されている。
【0021】
対向電極膜25は、いわゆる第2電極となるものであり、半導体電極24と間隙を隔てて透明導電膜22と対向するように配置されている。
この対向電極膜25には、例えば、酸化スズ(ITO)、プラチナ、ポリアニリン、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、カーボン等が用いられ、スパッタリングや印刷により第2の基板26に成膜される。
【0022】
セパレータ28は、透明電極膜22と対向電極膜25とが接触しないように分離させる厚みを有するとともに、封止材29及び電解液30を保持し得る孔(不図示)を有した不織布等のシート材により形成されている。セパレータ28の厚みは、例えば1μm〜30μmとされ、孔によるセパレータ28の通気度は、例えば20〜300cm3/cm2/秒であることが望ましい。
【0023】
封止材29は、半導体層23を囲繞してセルCを形成するものである。この封止材29は、透明電極膜22及び半導体層23と対向電極膜25との間に間隙を形成するとともに、これら半導体電極24と対極27とを接着しセルCを密閉して内部空間Sを形成している。封止材29の材料には、例えば、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂を含んだ樹脂等、一時的に流動性を有し、固化されるものが用いられる。
【0024】
電解液30としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等の非水系溶剤;ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム又はヨウ化ブチルメチルイミダゾリウム等のイオン液体などの液体成分に、ヨウ化リチウム等の支持電解質とヨウ素とが混合された溶液等の液体が挙げられる。また、電解液30は、逆電子移動反応を防止するため、t−ブチルピリジンを含むものでもよい。
また、電解液30に代えて、電気モジュールの耐久性を向上させるため、高分子電解質(メトキシプロピオニトリル(MPN)等)、凝固体又は固体電解質を用いることもできる。
【0025】
次に、電気モジュール20Aの製造方法について説明する。
図2(a)〜(d)に示すように、電気モジュール20Aは、(I)基板形成工程:第1の基板21に透明電極膜22を設け、該透明電極膜22に半導体層23を設けた半導体電極24を形成する工程と、半導体電極24に対向配置される対向電極膜25が第2の基板26に設けられた対極27を形成する工程と、(II)封止材配置工程:透明電極膜22の外周に沿って第1の基板21上に第1の封止材29aを設けるとともに、対向電極膜25の外周に沿って第2の基板26上に第2の封止材29bを設ける工程と、(III)セパレータ配置及び基板貼り合わせ工程:第1の封止材29aと第2の封止材29bとを対向させ、これらの間に半導体電極24と対極27とを分離するセパレータ28を挟み込み、第1の封止材29aとセパレータ28と第2の封止材29bとを結合して、半導体電極24と対極27との間に内部空間Sを有するセルCを形成する工程と、(IV)電解質充填工程:内部空間Sに電解液30を充填する工程とを備えている。
【0026】
(I)基板形成工程
図2(a)、(b)に示すように、基板形成工程においては、半導体電極24と対極27とを形成する。
半導体電極24は、図2(a)に示すように、第1の基板21として、PENフィルムやガラス基板等を用い、該PENフィルム等の上面に透明電極膜22となるITOやFTO等をスパッタリングし透明電極膜22を成膜する。
【0027】
透明電極膜22上には、焼成が可能な酸化チタン含有ペーストをマスクや印刷法により塗布し、酸化チタン含有ペーストの溶媒が揮発する温度で加熱処理し、多孔質の半導体層23を単数もしくは複数形成する。
【0028】
半導体層23を形成した後、図2(b)に示すように、増感色素を溶剤に溶かした増感色素溶液に半導体層23を浸漬し、該半導体層23に増感色素を担持させる。なお、半導体層23に増感色素を担持させる方法は、上記に限定されず、増感色素溶液中に半導体層23を移動させながら連続的に投入・浸漬・引き上げを行う方法なども採用される。
【0029】
対極27は、第2の基板26としてポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムやガラス基板等を用い、この基板26に例えばプラチナ(Pt)ポリアニリン、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、カーボン等をスパッタリングして対向電極膜25を成膜する。
【0030】
(II)封止材配置工程
この工程では、図2(c)に示すように、透明電極膜22の外周に沿って半導体層23を囲繞するように第1の基板21の透明電極膜22上に第1の封止材29aを設けるとともに、対向電極膜25の外周に沿って第2の基板26の対向電極膜25上に第2の封止材29bを設ける。
この際、封止材29a、29bは、次工程で互いに結合された際に透明電極膜22と対向電極膜25との間に間隙を形成してこれらを接着し得るように、所定の厚みをもって設ける。
【0031】
(III)セパレータ配置及び基板貼り合せ工程
図2(d)に示すように、基板貼り合せ工程においては、封止材配置工程において形成された透明電極膜22と対向電極膜25との間にセパレータ28を配し、半導体電極24に設けられた封止材29aと対極27に設けられた封止材29bとによってセパレータ28の端部を挟み込み熱プレスを行う。この熱プレスによって、封止材29a、29bを溶融してセパレータ28の孔内に封止材29a、29bを浸透させるとともにこれら封止材29a、29b及びセパレータ28の端部を融着結合させて封止材29とし、セパレータ28を固定する。この基板貼り合せ工程により内部空間Sが封止されセルCが完成する。
(IV)電解質充填工程
最後に、予め形成しておいた電解質注入口(不図示)から内部空間Sに電解液30を注入し、注入口を封止して、図1に示す電気モジュール20Aが完成する。
【0032】
上述の電気モジュール20Aによれば、セパレータ28の両面から該セパレータ28の孔に封止材29a、29bが浸透し、セパレータ28と封止材29とが密に結合してセルCの内部空間Sを封止できる。したがって、セパレータ28及びその表面部分において電解液30を漏洩させる隙間が形成されることを防止して、電解液30が漏れることによる短絡を効果的に防止することができるという効果を奏する。
【0033】
また、セパレータ28が透明電極膜22及び対向電極膜25と摩擦することによる透明電極膜22及び対向電極膜25の傷の発生を防止することができるため、品質の高い電気モジュール20Aを作製することができるという効果を奏する。
【0034】
また、セパレータ28の両面から封止材29a、29bが浸透するため、片面側にのみ封止材29を配してセルCを封止する場合に比べて短時間でセパレータ28に封止材29a、29bを浸透させることができるため、電気モジュール20Aの製造の作業効率がよいという効果を奏する。
【0035】
また更に、上記のとおり封止材29a、29bを結合させて半導体電極24と対極27とを貼り合わせる基板貼り合わせを短時間で行うことができるため、熱プレスを用いて封止材29の形成を行う場合に、熱をかける時間を短縮することができ、電気モジュール20Aへの熱プレスによる部品のダメージを低減することができるという効果を奏する。
【0036】
次に、図3〜図6を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態において、第1の実施形態の電気モジュール20Aと同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、第1の実施形態と異なる構成についてのみ説明する。
図3に示すように、第2の実施形態の電気モジュール20Bは、同一の基板上に複数のセルCを形成した点で第1の実施形態の電気モジュール20Aと異なっている。
【0037】
第1の基板21上には、複数の透明電極膜22及び半導体層23が形成され、第2の基板26上には、複数の対向電極膜25が形成されている。これらの半導体電極24と対極27との間には、1枚のセパレータ28が配され、封止材29a、29bに挟み込まれて固定されている。
【0038】
次に、電気モジュール20Bの製造方法について説明する。
図4及び図5(a)〜(d)に示すように、電気モジュール20Bは、電気モジュール20Aと略同様にして、(I)基板形成工程と、(II)封止材配置工程と、(III)セパレータ配置及び基板貼り合わせ工程と、(IV)電解質充填工程とを備えているが、(I)基板形成工程において、透明電極膜22及び対向電極膜25のそれぞれに溝35,36を形成するパターニングが行われる点で電気モジュール20Aの製造方法と異なっている。
【0039】
(I)基板形成工程
まず、半導体電極24の基板を形成するために、第1の基板21に透明電極膜22を成膜し、図4に示すように、例えば透明電極膜22を長手方向に5つに分割する位置で該透明電極膜22の短手方向にケガキ線を引き、溝35を形成する。
また、対極27を形成するために、第2の基板26に対向電極膜25を成膜し、対向電極膜25を半導体電極24で分割された透明電極膜22に対応するように分割する。この際、対向電極膜25の短手方向の一端p1から他端p2に向かって透明電極状の溝35に対向するようケガキ線を引いた後、他端p2側近傍で隣接する対向電極膜25側に寄せて形成された溝36を形成する。このようにして、対向電極膜25の一部が互いに隣り合う2つの透明電極膜22に跨って対向し、図5(c)に示す隣り合うセルCを直列に接続する連結部25aが形成される。
そして、図5(a)に示すように、第1の基板21において分割された各透明電極膜22,22・・に、半導体層23を形成し、同図(b)に示すように、半導体層に増感色素を担持させる。
【0040】
(II)封止材配置工程においては、図5(c)、図6に示すように、透明電極膜22,22・・の外周に沿って各半導体層23を囲繞するように封止材29aを配し、また各対向電極膜25を矩形形状に囲繞するように封止材29bを配して、連結部25aを隣り合うセルC側に突出させる。
【0041】
次に、図5(d)に示すように、(III)セパレータ配置及び基板貼り合わせ工程において半導体電極24と対極27との間に1枚の不織布からなるセパレータ28を配置し、半導体電極24と対極27とを対向させて封止材29a、29bを融着し、内部空間Sを形成する。
最後に(IV)電解質充填工程において、不図示の注入口から内部空間Sに電解液30を充填して、該注入口を封止して、図3に示す電気モジュール20Bが完成する。
【0042】
以上のように、電気モジュール20Bを作製した場合、各セルC、C・・が連結部25aで接続されているので全体が直列に接続され、セルCで生じた起電力が順次加算されながら図示しない端子に集まり出力される。
【0043】
このようにして作製された電気モジュール20Bによれば、電気モジュール20Aと同様の効果が得られるとともに、第1の基板21又は第2の基板26と同等の大きさを有するセパレータ28を用いて第1の基板21及び第2の基板26に設けられた複数のセルCに一度にセパレータ28を配することができるという効果が得られる。
【実施例】
【0044】
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。
1.電気モジュールの作製
[実施例1]
<半導体電極> 透明電極膜として酸化スズ(ITO)をスパッタリング法でPEN上に成膜したPEN基板(ペクセルテクノロジー製 PECF−IP)のITO層上に、TiO2ペースト(ソラロニクス社製 ソラロニクスD−L)をスクリーン印刷にて塗布し、130℃で15分間電気炉を用いて加熱処理した。その後、色素となるMK−2(綜研化学製)をトルエン(関東化学製トルエン(脱水))中に色素濃度が0.2mM〜0.5mMとなるよう溶かし、同溶液中に加熱処理した前記基板を10分間浸漬した。
<対極> ITOを塗布したPEN基板(ペクセルテクノロジー製PECF−IP)に、CO2レーザー(日立ビアメカニクス社製)を用いて電解液抽出用に2か所穴を貫通させた。ITO層上に、カーボンペースト(JELCOM CH−8、十条ケミカル製)をアプリケーターで印刷法により塗布し、120℃で3分間電気炉を用いて加熱処理した。
<封止材>
封止材としては、熱融着フィルム(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製 ハイミラン)を用い、溝35を覆う場合は、溝35を中心として左右1mm(合計2mm幅)になるようにした。また半導体電極及び対極を封止する場合は、外枠は半導体電極及び対極以上の寸法とし、内枠は電極と接触しない寸法とした。また、外枠から内枠方向への前記封止材の幅は3mm〜10mmとした。
上記のようにして得られた半導体電極と対極とを、それぞれの電極のTiO2層とカーボンペースト層とが向き合うように配置し、半導体電極−熱融着フィルム−不織布(廣瀬製紙製)− 熱融着フィルム−対極の順に積層し、120℃、1KN、90秒の条件でShinto社製 Digital Pressにより熱プレスを掛けてセルCを封止した。
その後、半導体電極と対極と熱融着した封止材との間に2箇所に貫通させたうちの1の穴から、ピペットを用いて電解液(ソラロニクス製Iodolyte AN−50)を注入し、その後フォトレック(積水化学社製)を用いて、2か所の穴を封止した。
【0045】
[実施例2]
<半導体電極> 透明電極としてITOをスパッタリング法でPEN上に成膜したPEN基板(ペクセルテクノロジー製PECF−IP)のITO層にCO2レーザー(日立ビアメカニクス社製)を用いて、等間隔で4本のケガキ線を引き、該ITO層を5つに分割した。5つに分割されたITO層のそれぞれの表面にTiO2ペースト(ソラロニクス社製ソラロニクスD−L)を塗布し、130℃で15分間電気炉を用いて加熱処理した。その後、色素となるMK−2(綜研化学製)をトルエン(関東化学製 トルエン(脱水))中に色素濃度が0.2mM〜0.5mMとなるよう溶かし、同溶液中に加熱処理した前記基板を10分間浸漬した。
<対極> ITOを塗布したPEN基板(ペクセルテクノロジー製PECF−IP)のITO層にCO2レーザー(日立ビアメカニクス社製)を用いて、等間隔で4本のケガキ線を引き、ITO層を5つに分割した。この際、ITO層の一部が隣り合うセルC側に突出するようにケガキ線の一端側を隣り合うセルC側に寄せて引いた。その上で、分割された各ITO層を塗布したPEN基板(ペクセルテクノロジー製PECF−IP)に、CO2レーザー(日立ビアメカニクス社製)を用いて電解液注入用に2か所穴を貫通させた。そして、分割されたITO層上に、カーボンペースト(JELCOM CH−8、十条ケミカル製)をアプリケーターで印刷法により塗布し、120℃で3分間電気炉を用いて加熱処理した。
<封止材>
封止材としては、熱融着フィルム(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製 ハイミラン)を用い、溝35を覆う場合は、溝35を中心として左右1mm(合計2mm幅)になるようにした。また半導体電極及び対極を封止する場合は、外枠は半導体電極及び対極以上の寸法とし、内枠は電極と接触しない寸法とした。また、外枠から内枠方向への前記封止材の幅は3mm〜10mmとした。
上記のようにして得られた半導体電極と対極とを、それぞれの電極のTiO2層とカーボンペースト層とが向き合うように配置し、半導体電極−熱融着フィルム−不織布(廣瀬製紙製)− 熱融着フィルム−対極の順に積層し、120℃、1KN、90秒の条件でShinto社製 Digital Pressにより熱プレスを掛けてセルCを封止した。
その後、半導体電極と対極と熱融着した封止材との間に2箇所に貫通させたうちの1の穴から、ピペットを用いて電解液(ソラロニクス製Iodolyte AN−50)を半導体電極と対極と熱融着した封止材との間に注入し、その後フォトレック(積水化学社製)を用いて、2か所の穴を封止し、得られた基材の端部に銀ペーストを塗布した。
【0046】
[比較例1]
<半導体電極> 透明電極としてITOをスパッタリング法でPEN上に成膜したPEN基板(ペクセルテクノロジー製PECF−IP)のITO層上に、TiO2ペースト(ソラロニクス社製ソラロニクスD−L)をスクリーン印刷にて塗布し、150℃で15分間電気炉を用いて加熱処理した。その後、色素となるMK−2(綜研化学製)をトルエン(関東化学製 トルエン(脱水))中に色素濃度が0.2mM〜0.5mMとなるよう溶かし、同溶液中に加熱処理した前記基板を10分間浸漬した。
<対極> ITOを塗布したPEN基板(ペクセルテクノロジー製PECF−IP)のITO層上に、CO2レーザー(日立ビアメカニクス社製)を用いて電解液抽出用に2か所穴を貫通させた。カーボンペースト(JELCOM CH−8、十条ケミカル製)をアプリケーターで印刷法により塗布し、120℃で3分間電気炉を用いて加熱処理した。
<封止材>
封止材としては、熱融着フィルム(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製 ハイミラン)を用い、溝35を覆う場合は、溝35を中心として左右1mm(合計2mm幅)になるようにした。また半導体電極及び対極を封止する場合は、外枠は半導体電極及び対極以上の寸法とし、内枠は電極と接触しない寸法とした。また、外枠から内枠方向への前記封止材の幅は3mm〜10mmとした。
上記のようにして得られた半導体電極と対極とを、それぞれの電極のTiO2層とカーボン層とが向き合うように配置し、半導体電極−不織布(廣瀬製紙製)−熱融着フィルム−対極の順に積層し、120℃、1KN、90秒の条件でShinto社製 Digital Pressにより熱プレスを掛けてセルCを封止した。
その後、半導体電極と対極と熱融着した封止材との間に2箇所に貫通させたうちの1の穴から、ピペットを用いて電解液(ソラロニクス製Iodolyte AN−50)を注入し、その後フォトレック(積水化学社製)を用いて、2か所の穴を封止した。
【0047】
[比較例2]
<半導体電極> 透明電極としてITOをスパッタリング法でPEN上に成膜したPEN基板(ペクセルテクノロジー製PECF−IP)のITO層上に、TiO2ペースト(ソラロニクス社製ソラロニクスD−L)をスクリーン印刷にて塗布し、130℃で15分間電気炉を用いて加熱処理した。その後、色素となるMK−2(綜研化学製)をトルエン(関東化学製 トルエン(脱水))中に色素濃度が0.2mM〜0.5mMとなるよう溶かし、同溶液中に加熱処理した前記基板を10分間浸漬した。
<対極> ITOを塗布したPEN基板(ペクセルテクノロジー製PECF−IP)に、CO2レーザー(日立ビアメカニクス社製)を用いて電解液抽出用に2か所穴を貫通させた。ITO層上に、カーボンペースト(JELCOM CH−8、十条ケミカル製)をアプリケーターで印刷塗布し、120℃で3分間電気炉を用いて加熱処理した。
<封止材>
封止材としては、熱融着フィルム(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製 ハイミラン)を用い、溝35を覆う場合は、溝35を中心として左右1mm(合計2mm幅)になるようにした。また半導体電極及び対極を封止する場合は、外枠は半導体電極及び対極以上の寸法とし、内枠は電極と接触しない寸法とした。また、外枠から内枠方向への前記封止材の幅は3mm〜10mmとした。
上記のようにして得られた半導体電極と対極とを、それぞれの電極のTiO2層とカーボンペースト層とが向き合うように配置し、半導体電極−不織布(廣瀬製紙製)−熱融着フィルム−対極の順に積層し、120℃、1KN、120秒の条件でShinto社製 Digital Pressにより熱プレスを掛けてセルCを封止した。
その後、半導体電極と対極と熱融着した封止材との間に2箇所に貫通させたうちの1の穴から、ピペットを用いて電解液(ソラロニクス製Iodolyte AN−50)を注入し、その後フォトレック(積水化学社製)を用いて、2か所の穴を封止した。
【0048】
[比較例3]
<半導体電極> 透明電極としてITOをスパッタリング法でPEN上に成膜したPEN基板(ペクセルテクノロジー製PECF−IP)のITO層にCO2レーザー(日立ビアメカニクス社製)を用いて、等間隔で4本のケガキ線を引き、該ITO層を5つに分割した。5つに分割されたITO層のそれぞれの面にTiO2ペースト(ソラロニクス社製ソラロニクスD−L)を塗布し、130℃で15分間電気炉を用いて加熱処理した。その後、色素となるMK−2(綜研化学製)をトルエン(関東化学製 トルエン(脱水))中に色素濃度が0.2mM〜0.5mMとなるよう溶かし、同溶液中に加熱処理した前記基板を10分間浸漬した。
<対極> ITOを塗布したPEN基板(ペクセルテクノロジー製PECF−IP)のITO層にCO2レーザー(日立ビアメカニクス社製)を用いて、等間隔で4本のケガキ線を引き、ITO層を5つに分割した。この際、ITO層の一部が隣り合うセルC側に突出するようにケガキ線の一端側を隣り合うセルC側に寄せて引いた。その上で、分割された各ITO層を塗布したPEN基板(ペクセルテクノロジー製PECF−IP)に、CO2レーザー(日立ビアメカニクス社製)を用いて電解液注入用に2か所穴を貫通させた。
そして、分割されたITO層上に、カーボンペースト(JELCOM CH−8、十条ケミカル製)をアプリケーターで印刷法により塗布し、120℃で3分間電気炉を用いて加熱処理した。
<封止材>
封止材としては、熱融着フィルム(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製 ハイミラン)を用い、溝35を覆う場合は、溝35を中心として左右1mm(合計2mm幅)になるようにした。また半導体電極及び対極を封止する場合は、外枠は半導体電極及び対極以上の寸法とし、内枠は電極と接触しない寸法とした。また、外枠から内枠方向への前記封止材の幅は3mm〜10mmとした。
上記のようにして得られた半導体電極と対極とを、それぞれの電極のTiO2層とカーボン層とが向き合うように配置し、半導体電極−不織布(廣瀬製紙製)− 熱融着フィルム−対極の順に積層し、120℃、1KN、90秒の条件でShinto社製 Digital Pressにより熱プレスを掛けてセルCを封止した。
その後、半導体電極と対極と熱融着した封止材との間に2箇所に貫通させたうちの1の穴から、ピペットを用いて電解液(ソラロニクス製Iodolyte AN−50)を半導体電極と対極と熱融着した封止材との間に注入し、その後フォトレック(積水化学社製)を用いて、2か所の穴を封止し、得られた基材の端部に銀ペーストを塗布した。
【0049】
[比較例4]
<半導体電極> 透明電極としてITOをスパッタリング法でPEN上に成膜したPEN基板(ペクセルテクノロジー製PECF−IP)のITO層にCO2レーザー(日立ビアメカニクス社製)を用いて、等間隔で4本のケガキ線を引き、該ITO層を5つに分割した。5つに分割されたITO層のそれぞれの面にTiO2ペースト(ソラロニクス社製ソラロニクスD−L)を塗布し、130℃で15分間電気炉を用いて加熱処理した。その後、色素となるMK−2(綜研化学製)をトルエン(関東化学製 トルエン(脱水))中に色素濃度が0.2mM〜0.5mMとなるよう溶かし、同溶液中に加熱処理した前記基板を10分間浸漬した。
<対極> ITOを塗布したPEN基板(ペクセルテクノロジー製PECF−IP)のITO層にCO2レーザー(日立ビアメカニクス社製)を用いて、等間隔で4本のケガキ線を引き、ITO層を5つに分割した。この際、ITO層の一部が隣り合うセルC側に突出するようにケガキ線の一端側を隣り合うセルC側に寄せて引いた。その上で、分割された各ITO層を塗布したPEN基板(ペクセルテクノロジー製PECF−IP)に、CO2レーザー(日立ビアメカニクス社製)を用いて電解液注入用に2か所穴を貫通させた。更に、分割されたITO層上に、カーボンペースト(JELCOM CH−8、十条ケミカル製)をアプリケーターで印刷法により塗布し、120℃で3分間電気炉を用いて加熱処理した。
<封止材> 封止材としては、熱融着フィルム(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製 ハイミラン)を用い、溝35を覆う場合は、溝35を中心として左右1mm(合計2mm幅)になるようにした。また半導体電極及び対極を封止する場合は、外枠は半導体電極及び対極以上の寸法とし、内枠は電極と接触しない寸法とした。また、外枠から内枠方向への前記封止材の幅は3mm〜10mmとした。
上記のようにして得られた半導体電極と対極とを、それぞれの電極のTiO2層とカーボンペースト層とが向き合うように配置し、半導体電極−不織布(廣瀬製紙製)− 熱融着フィルム−対極の順に積層し、120℃、1KN、120秒の条件でShinto社製 Digital Pressにより熱プレスを掛けてセルCを封止した。
その後、半導体電極と対極と熱融着した封止材との間に2箇所に貫通させたうちの1の穴から、ピペットを用いて電解液(ソラロニクス製Iodolyte AN−50)を半導体電極と対極と熱融着した封止材との間に注入し、その後フォトレック(積水化学社製)を用いて、2か所の穴を封止し、得られた基材の端部に銀ペーストを塗布した。
【0050】
2.評価結果
上記実施例1,2及び比較例1〜4の電気モジュールをソーラーシュミレーターを用いて1SUN条件で発電評価したところ、実施例1については、開放電圧Vocは0.6V、短絡電流Iscは1mAであった。実施例2については、開放電圧Vocは3V、短絡電流Iscは1mAとなり、いずれについても良好な結果が得られた。
これに対し、比較例1の場合、同様の発電評価をしたところ、開放電圧Vocは0.64V、短絡電流Iscは0.9mAであった。また、比較例2〜4について同様にして発電評価をしたところ、比較例2については、開放電圧Vocは0.66V短絡電流Iscは0.9mAであり、比較例3については、開放電圧Vocは1.1V、短絡電流Iscは0.02mAであり、比較例4については、開放電圧Vocは1.3V、短絡電流Iscは0.05mAであり、いずれも実施例1,2に比べて発電率が低かった。
【符号の説明】
【0051】
20A,20B 電気モジュール
21 第1の基板
22 透明電極膜
23 半導体層
25 対向電極膜
26 第2の基板
28 セパレータ
29a 封止材
29b 封止材
30 電解液
C セル
S 内部空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板に透明電極膜を設け、該透明電極膜に半導体層が設けられた半導体電極と、前記半導体電極に対向配置される対向電極膜が第2の基板に設けられた対極と、前記透明電極膜又は前記対向電極膜の外周に沿って設けられ前記半導体電極と前記対極との間に内部空間を有するセルを形成する封止材と、前記内部空間に充填される電解質とを備えた電気モジュールであって、
前記半導体電極と前記対極との間には、これら半導体電極と対極とを分離するシート状のセパレータが配され、
該セパレータは、その両面が前記封止材に挟み込まれて固定されていることを特徴とする電気モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の電気モジュールであって、
前記セパレータは、前記透明電極膜及び前記対向電極膜から離間した位置に配されていることを特徴とする電気モジュール。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電気モジュールであって、
前記セパレータは、前記内部空間において前記透明電極膜及び対向電極膜を完全に覆うように配されていることを特徴とする電気モジュール。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の電気モジュールであって、
前記第1の基板に透明電極膜及び半導体層が複数形成されるとともに、これら複数の前記透明電極膜及び前記半導体層は、それぞれ第1の封止材により囲繞され、
前記第2の基板の前記透明電極膜に対向する位置に前記対向電極膜が複数形成されるとともに、これら複数の対向電極膜は、それぞれ第2の封止材により囲繞され、
前記第1の封止材と前記第2の封止材との間には、前記第1の封止材及び第2の封止材により囲繞された複数の領域に亘って配された前記セパレータが挟み込まれるとともに、前記第1の封止材と前記セパレータと前記第2の封止材とが結合して複数のセルを形成していることを特徴とする電気モジュール。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の電気モジュールであって、
前記封止材は、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、もしくはこれら双方を合わせた樹脂の少なくともいずれか一つを含んだ樹脂材料により形成されていることを特徴とする電気モジュール。
【請求項6】
第1の基板に透明電極膜を設け、該透明電極膜に半導体層を設けた半導体電極を形成する工程と、
前記半導体電極に対向配置される対向電極膜が第2の基板に設けられた対極を形成する工程と、
前記透明電極膜の外周に沿って前記第1の基板上に第1の封止材を設けるとともに、前記対向電極膜の外周に沿って前記第2の基板上に第2の封止材を設ける工程と、
前記第1の封止材と前記第2の封止材とを対向させ、これらの間に前記半導体電極と前記対極とを分離するセパレータを挟み込み、前記第1の封止材と前記セパレータと前記第2の封止材とを結合して、前記半導体電極と前記対極との間に内部空間を有するセルを形成する工程と、
前記内部空間に電解質を充填する工程とを備えたことを特徴とする電気モジュールの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−54825(P2013−54825A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190157(P2011−190157)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】