説明

電気係合装置、システム、及び方法

第1の電気コネクタを第2の電気コネクタに固定する装置であって、ブラケット本体と、このブラケット本体から第2の電気コネクタへと延在し、かつ第2の電気コネクタの部分に連結する、少なくとも1つの係合部と、を含む、装置。1つの電気コネクタを別の電気コネクタに固定する方法、並びに、第1のコネクタ、第2のコネクタ、第3のコネクタ、及び係合装置を含む、相互接続システムをも、提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は装置、特に、1つの電気コネクタを別の電気コネクタに固定する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ハードディスクドライブ(HDD)は、デジタルデータコンテンツを使用中のラップトップ、デスクトップコンピュータ、サーバー及び他の電子デバイスに保存するために使用されている。
【0003】
各HDDインターフェースは、コンピュータ入力/出力(I/O)バスを介してコンピュータの残りの部分と通信する。インターフェースは、それを介してデータとしてのデータフローがHDDから読み出される又はHDDに書き込まれる通信チャネルである。多くのタイプのHDDインターフェースがあり、それらにはIDE(Integrated Drive Electronics)、ATA(Advanced Technology Attachment)、SCSI(Small Computer System Interface)、シリアル(Serial)ATA(SATA)、SAS(Serial Attached SCSI)、及びファイバーチャンネルなどが挙げられる。この項で記載されたHDDインターフェースのリストは完全ではなく、HDD及びそれらのインターフェースの仕様を指示する、刻々と変化する電子デバイスの要求に対応するために常に増加している。
【0004】
SATAインターフェース及びSASインターフェースの2つはHDD生産業界において今日最も普通に用いられているインターフェースである。SATAヘッダは、しばしばラップトップ及びデスクトップコンピュータに適したHDD上で使用され、その一方で、SASヘッダは企業のサーバーシステムに適したHDD上で使用される。
【0005】
今日、HDDの販売開始前にHDDの信頼性を試験する用途に特化した生産試験装置が市販されている。しかしながら、これらの試験装置の大半は、特定のタイプのインターフェースを有するHDD用に設計されたものである。
【0006】
HDD上のヘッダをHDD生産試験装置上のソケットに嵌合させ、また離脱させることを繰り返すことで、HDD生産試験装置上のソケットは、その生産試験装置上のソケットの仕様に応じた所定のサイクル数の後、摩耗してしまう。このHDD生産試験装置上のソケットの交換は面倒で時間がかかることが多く、HDD生産を休止させる結果となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここに述べた2つの問題を解決するために、中間コネクタ(以下、犠牲的コネクタと称する)を使用し、HDD上のヘッダを犠牲的コネクタのソケット端に嵌合させかつHDD生産試験装置上のソケットを犠牲的コネクタのヘッダ端に嵌合させることにより、HDD上のヘッダをHDD生産試験装置上のソケットに連結する。これにより、HDDのHDD生産試験装置に対する接続及び断絶が犠牲的コネクタを介して行われることとなるため、嵌合と離脱行為の繰り返しによるいかなる摩損も、HDD生産試験装置上のソケットではなく犠牲的コネクタ上で生じることになる。
【0008】
この解決策では、HDDを犠牲的コネクタを介してHDD生産試験装置に嵌合させまた同装置から離脱させる際に、犠牲的コネクタをHDD生産試験装置上のソケットに固定しておくことが必要となる。
【0009】
1つのコネクタを別のコネクタに容易に固定するために使用し得る装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、第1の電気コネクタを第2の電気コネクタに固定する装置であって、第1の電気コネクタを少なくとも部分的に包囲するブラケット本体と、このブラケット本体から第2の電気コネクタへと延在し、かつ第2の電気コネクタの部分に連結する、少なくとも1つの係合部と、を含む、装置が提供される。
【0011】
本発明の別の実施形態によれば、中間電気コネクタをプリント回路基板上の電気コネクタに固定する装置であって、中間電気コネクタを少なくとも部分的に包囲するブラケット本体と、このブラケット本体からプリント回路基板上の電気コネクタへと延在し、かつプリント回路基板上の電気コネクタの部分に連結する、少なくとも1つの係合部と、を含む、装置が提供される。
【0012】
本発明の別の実施形態によれば、1つの電気コネクタを別の電気コネクタに固定する方法であって、第1の電気コネクタを第2のコネクタに連結することと、第1の電気コネクタを第2の電気コネクタに固定する装置であって、この装置が、ブラケット本体、及びこのブラケット本体から延在する係合部であって、装置が第1のコネクタに嵌合した時にブラケット本体が第1のコネクタを少なくとも部分的に包囲し、かつ係合部が第2の電気コネクタへと延在して第2の電気コネクタの部分に連結するように、延在する、少なくとも1つの係合部を含む、装置を用いることと、を含む、方法が提供される。
【0013】
本発明の別の実施形態によれば、第1のコネクタ、第2のコネクタ、第3のコネクタ、及び係合装置を含む、相互接続システムであって、第1のコネクタが第2のコネクタに第2のコネクタの第1の端部で嵌合し、第3のコネクタが第2のコネクタに第2のコネクタの第2の端部で嵌合し、係合装置が第2のコネクタを第3のコネクタに固定し、係合装置が、ブラケット本体と、このブラケット本体から延在する係合部であって、係合装置が第2のコネクタに嵌合した時にブラケット本体が第2のコネクタを少なくとも部分的に包囲しかつ係合部が第3のコネクタへと延在して第3のコネクタの部分に連結するように、延在する、少なくとも1つの係合部と、を更に含む、システムが提供される。
【0014】
本発明は更に、本明細書に記載されるか又は添付図面に示される部品又は特性の、あらゆる代替的な組み合わせにおいても記述され得る。明示的には記載されていない、これらの部品又は特性の既知の同等物も、やはり含まれると見なされる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の例示の形態は、これより添付の図面を参照して記載される。
【図1】犠牲的コネクタを、ハードディスクドライブ(HDD)生産試験装置のバックプレーンプリント回路基板(PCB)に連結することが意図される第1の相補的コネクタと、更にHDDに連結される別のプリント回路基板(PCB)に連結することが意図される第2の相補的コネクタとの関係において示す。
【図2】犠牲的コネクタを、第1の相補的コネクタとの関係において示す。
【図3】別の犠牲的コネクタを、別の第1の相補的コネクタとの関係において示す。
【図4】犠牲的コネクタ及び第1の相補的コネクタとともに係合位置にあるハウジング突出部の垂直断面の部分拡大図を示す。
【図5】犠牲的コネクタに嵌合した第1の相補的コネクタとともに係合前の位置にある本発明の代表的な係合装置の斜視図。
【図6A】本発明の係合装置、犠牲的コネクタ、及び第1の相補的コネクタとともに係合位置にあるハウジング突出部の垂直断面の拡大斜視図を示す。
【図6B】本発明の係合装置、犠牲的コネクタ、及び第1の相補的コネクタとともに係合位置にあるハウジング突出部の水平断面の拡大上面図を示す。
【図7A】犠牲的コネクタに嵌合した別のプリント回路基板(PCB)に連結した別の第1の相補的コネクタとともに係合前の位置にある、本発明の別の代表的な係合装置の斜視図。
【図7B】犠牲的コネクタ及び第1の相補的コネクタに係合した係合装置を示す。
【図7C】犠牲的コネクタ及び第1の相補的コネクタに係合し、更に複数の固定装置により固定された係合装置を示す。
【図8A】犠牲的コネクタに嵌合した別のプリント回路基板(PCB)に連結した別の第1の相補的コネクタとともに係合前の位置にある、本発明の別の代表的な係合装置の斜視図。
【図8B】犠牲的コネクタ及び第1の相補的コネクタに係合した係合装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、犠牲的コネクタ10を、ハードディスクドライブ(HDD)生産試験装置(図示せず)のバックプレーンプリント回路基板(PCB)40に連結することが意図される第1の相補的コネクタ20と、更にHDD(図示せず)に連結されるPCB 45に連結することが意図される第2の相補的コネクタ30との関係において示す。これはシンガポール特許出願第200701728−8「Connector Apparatus」に開示されている。図2は、犠牲的コネクタ10を第1の相補的コネクタ20との関係において示す。例示の目的のため、図1及び図2のいずれにおいても、第1の相補的コネクタ20はソケットとして、また第2の相補的コネクタ30はヘッダとして表している。
【0017】
犠牲的コネクタ10がなければ、HDD生産試験装置上におけるいずれの試験手順を接続されたHDD上で実行するにも、その前に、PCB 45を介してHDDに連結する第2の相補的コネクタ30を、PCB 40を介してHDD生産試験装置に連結する第1の相補的コネクタ20に、直接差し込まなければならない。その後、試験手順が完了した後で、第2の相補的コネクタ30を第1の相補的コネクタ20から抜き取る。第2の相補的コネクタ30を第1の相補的コネクタ20に差し込んでまた第1の相補的コネクタ20から抜き取ることは各々、嵌合サイクルとして知られている。
【0018】
PCB 40上における第1の相補的コネクタ20の性能は、嵌合サイクルの増大とともに低下する。PCB 40上の第1の相補的コネクタ20は、嵌合サイクルが第1の相補的コネクタ20の製造者によって特定された数に達した時点で、遅滞なく交換される。PCB 40上の第1の相補的コネクタ20を交換するには、HDDを試験のためにHDD生産試験装置に連結する前に、PCB 40から第1の相補的コネクタ20の半田を外し、次いで新たなコネクタをPCB 40に再度半田付けしなければならい。これには時間がかかり、またコネクタ20のPCB 40に対する半田外し及び再度の半田付けを繰り返すことにより、PCB 40を損傷することにもなりかねない。
【0019】
第1の相補的コネクタ20と第2の相補的コネクタ30との間に、犠牲的コネクタ10がインターフェースとして介在することにより、第1の相補的コネクタ20の有効寿命が引き延ばされる。これにより第2の相補的コネクタ30の嵌合及び離脱が犠牲的コネクタ10との間で行われるため、嵌合及び離脱の繰り返しによるいかなる摩損も、HDD生産試験装置のPCB 40上の第1の相補的コネクタ20ではなく、犠牲的コネクタ上で生じることになる。この解決策では、犠牲的コネクタ10をHDD生産試験装置のPCB 40上の第1の相補的コネクタ20に固定して、第2の相補的コネクタ30を犠牲的コネクタ10に係合させまた同コネクタから分離させる際に犠牲的コネクタ10の第1の相補的コネクタ20への係合が外れるのを防ぐことが必要となる。犠牲的コネクタ10は、少なくとも4ニュートン(N)の分離力に耐える程度に、第1の相補的コネクタ20に固定できることが好ましい。ここで、分離力とは、犠牲的コネクタ10を第1の相補的コネクタ20から分離するために必要な力を指す。
【0020】
例示の目的のため、図2に示した犠牲的コネクタ10は、細長い絶縁性のハウジング2であって、長手方向のベース4と、ハウジング2内に受容された複数の接点とを備えたハウジングを含む。ハウジング2は、第1の嵌合面6及び第2の嵌合面8を形成する。第1の相補的コネクタ20はその嵌合面においてソケットであり、第2の相補的コネクタ30はその嵌合面においてヘッダであるため、犠牲的コネクタ10は、その第1の嵌合面6にヘッダ、及び第2の嵌合面8にソケットを有する。
【0021】
犠牲的コネクタ10の各端部には、結合装置14が設けられている。結合装置14は、各嵌合サイクル中に、第2の相補的コネクタ30を第2の嵌合面8において電気コネクタ10に差し込み、また電気コネクタ10から抜き取る際に、第1の嵌合面6において第1の相補的コネクタ20に関して所定の位置に犠牲的コネクタ10を一時的に保持することができる任意のデバイスであってよい。
【0022】
結合装置14は、図2に例示するように、ラッチ解除部12と、第1の嵌合面6の方向に延在するラッチ部材16と、ラッチ部材16内の孔18とを有するラッチ装置である。第1の嵌合面6で犠牲的コネクタ10が第1の相補的コネクタ20と嵌合する時、ラッチ部材16が突出部22の傾斜の上に乗り上げる時に、第1の相補的コネクタ20上の端壁に連結された突出部22はラッチ部材16を第1の相補的コネクタ20の端壁から離れるように外側に押す。ラッチ部材16が突出部22の頂部を通過すると同時に、ラッチ部材16内の孔18は、ラッチ部材16をその本来の水平位置に戻しながら、第1の相補的コネクタ16の突出部22と係合する。これはラッチ装置のロックされた位置であり、コネクタ10は第1の相補的コネクタ20に係合する。犠牲的コネクタ10を第1の相補的コネクタ20から分離するには、ラッチ解除部12をコネクタ20のハウジング2に向けて内側に押す。そうすることで、ラッチ部材16内の孔18が第1の相補的コネクタ20上の突出部22から分離し、2つのコネクタ10、20は、犠牲的コネクタ10を第1の相補的コネクタ20から離れる方向に引くことにより容易に分離させことができる。
【0023】
犠牲的コネクタ10に連結した結合装置14がない場合、及び/又は、犠牲的コネクタ10上の結合装置14に係合して、第2の相補的コネクタ30を犠牲的コネクタ10から離脱させる際に犠牲的コネクタ10を第1の相補的コネクタ20に固定するための、対応する装置が第1の相補的コネクタ20上にない場合には、犠牲的コネクタ10を第1の相補的コネクタ20に固定するための、別個の係合装置が必要となる。
【0024】
図3は、別の犠牲的コネクタ100を別の第1の相補的コネクタ200との関係において示す。犠牲的コネクタ100は、細長い絶縁性のハウジング110で、長手方向のベース103と、ハウジング110内に受容された複数の接点とを備えたハウジングを含む。ハウジング110は、第1の嵌合面106及び第2の嵌合面108を形成する。
【0025】
犠牲的コネクタ100のハウジング110の1端にはハウジング拡張部120が設けられ、更にこのハウジング拡張部120は、第2の嵌合面108から最も遠いハウジング拡張部120の1端にフック123を含む。犠牲的コネクタ100のハウジング110の各端ごとに1つのハウジング拡張部120を設けることが好ましい。
【0026】
第1の相補的コネクタ200は、ハウジング210であって、このハウジング210の1端にハウジング突出部220が設けられたハウジングを含む。第1の相補的コネクタ200のハウジング210の各端ごとに1つのハウジング突出部220を設けることが好ましい。ハウジング突出部220は更に、犠牲的コネクタ100のハウジング拡張部120に合わせて配置した水平貫通孔240、及び垂直トンネル230を含む。トンネル230は貫通孔240に垂直に製作されることが好ましいが、必ずしもそうでなくてもよい。トンネル230は、ハウジング突出部220の第1の表面231からハウジング突出部220の第2の表面232へと延在することが好ましい。
【0027】
図4は、犠牲的コネクタ100及び第1の相補的コネクタ200とともに係合位置にあるハウジング突出部220の垂直断面の部分拡大図を示す。犠牲的コネクタ100のハウジング拡張部120と、第1の相補的コネクタ200のハウジング突出部220の貫通孔240との間の接触領域には摩擦抵抗が存在するものの、この摩擦抵抗は、第2の相補的コネクタ(図示せず)を犠牲的コネクタ100から離脱させる際に、犠牲的コネクタ100が第1の相補的コネクタ200から分離するのを防ぐには、とりわけ、分離力が4ニュートン(N)より大きい場合には、不十分である恐れがある。ここで、分離力とは、犠牲的コネクタ100を第1の相補的コネクタ200から分離するために必要な力を指す。
【0028】
図5は、犠牲的コネクタ100に嵌合した第1の相補的コネクタ200とともに係合前の位置にある本発明の代表的な係合装置300の斜視図である。係合装置300は、係合時に犠牲的コネクタ100を少なくとも部分的に包囲するブラケット本体310と、このブラケット本体310から第1の相補的コネクタ200へと延在しかつ第1の相補的コネクタ200の部分に連結する、少なくとも1つの係合部320とを含む。
【0029】
図6Aは、係合装置300、犠牲的コネクタ100、及び第1の相補的コネクタ200とともに係合位置にあるハウジング突出部220の垂直断面の拡大斜視図を示す。図6Bは、係合装置300、犠牲的コネクタ100、及び第1の相補的コネクタ200とともに係合位置にあるハウジング突出部220の水平断面の拡大斜視図を示す。係合位置において、係合装置300の係合部320は、図6Aに示すようにハウジング突出部220のトンネル230内に嵌合する。係合装置300がなければ、第2の相補的コネクタ(図示せず)を犠牲的コネクタ100から離脱させる際、分離力(通常は4ニュートンより大きい)が犠牲的コネクタ100に加わり、これによって犠牲的コネクタ100が第1の相補的コネクタ200から分離してしまう恐れがある。しかしながら、係合装置300が犠牲的コネクタ100及び第1の相補的コネクタ200と係合し、係合装置300の係合部320がフック123の動きを妨げることにより、犠牲的コネクタ100のハウジング拡張部120が動くのを防ぎ、これによって犠牲的コネクタ100が第1の相補的コネクタ200から分離するのを防ぐ。
【0030】
図7Aは、別のプリント回路基板(PCB)40に連結した別の第1の相補的コネクタ250に係合している犠牲的コネクタ10に係合する前の位置にある、本発明の別の代表的な係合装置400の斜視図である。図7Aに示したように、犠牲的コネクタ10は、犠牲的コネクタ10の各端に連結した結合装置14を有する。第1の相補的コネクタ250はハウジング255、ハウジング255の両端に連結したハウジング突出部260、及びハウジング255から延在する少なくとも1つのノブ270を含む。第1の相補的コネクタ250上には、犠牲的コネクタ10上の結合装置14と係合するための、対応する装置がないために、第2の相補的コネクタ(図示せず)を犠牲的コネクタ10から離脱させる際、犠牲的コネクタ10が第1の相補的コネクタ250から分離してしまう恐れがある。
【0031】
係合装置400は、図7Aに示すように、係合時に犠牲的コネクタ10を少なくとも部分的に包囲するブラケット本体410と、このブラケット本体410から第1の相補的コネクタ250へと延在する、少なくとも1つの係合部420とを含む。係合装置400は更に、第1の相補的コネクタ250のハウジング255上の少なくとも1つのノブ270に従って配置され、係合装置400の犠牲的コネクタ10及び第1の相補的コネクタ250への係合時にハウジング255上の少なくとも1つのノブ270に連結する、少なくとも1つの孔425を係合部420上に含む。ハウジング255から複数のノブ270が延在し、係合装置400の係合部420上に複数の孔425があることが好ましい。図7Bは犠牲的コネクタ10及び第1の相補的コネクタ250に係合した係合装置400を示す。図7Cは、少なくとも1つの固定装置275(例えばねじが挙げられるがこれに限定はされない)によって、第1の相補的コネクタ250に更に固定された係合装置400を示す。図7A,7B,7Cでは、犠牲的コネクタ10の2端に連結した結合装置14があることを示しているが、この例では、第1の相補的コネクタ250上には、結合装置14と係合する、対応する装置がないことから、結合装置14をなくすことも可能である。
【0032】
図8Aは、別のプリント回路基板(PCB)40に連結した別の第1の相補的コネクタ280に係合した犠牲的コネクタ10に係合する前の位置にある、本発明の別の代表的な係合装置500の斜視図である。係合装置500は、係合時に犠牲的コネクタ10を少なくとも部分的に包囲するブラケット本体510と、このブラケット本体510から第1の相補的コネクタ280へと延在する、少なくとも1つの係合部520とを含む。係合装置500は更に、係合装置500が犠牲的コネクタ10及び第1の相補的コネクタ280に係合した時に第1の相補的コネクタ280の少なくとも一部分に引っかかる少なくとも1つの係合リップ530を、係合部520の端に含む。図8Bは犠牲的コネクタ10及び第1の相補的コネクタ280に係合した係合装置500を示す。図8A及び8Bでは、犠牲的コネクタ10の2端に連結した結合装置14があることを示しているが、この例では、第1の相補的コネクタ280上には、結合装置14と係合する、対応する装置がないことから、結合装置14をなくすことも可能である。
【0033】
本発明の好ましい実施形態の前述の説明は、例示及び説明の目的で提示してきたものである。以上の教示を考慮すれば、多くの修正形態及び変形形態が可能であるため、それは、包括的であることも、開示されたまさにその形態に本発明を限定することも意図していない。かかる修正形態及び変形形態のすべてが、本発明の範囲内である。本明細書に記載の実施形態は、本発明の原理及びその実際的な用途の最良の説明を提供し、それによって当業者が本発明を様々な実施形態で、また企図される特定の用途に適するように様々な修正を行って利用できるように、選択され説明された。合法的に、公正に権利を与えられる範囲に従って解釈される時、本発明の範囲は、本明細書に添付される請求項により定義されると意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電気コネクタを第2の電気コネクタに固定する装置であって、前記第1の電気コネクタを少なくとも部分的に包囲するブラケット本体と、該ブラケット本体から前記第2の電気コネクタへと延在し、かつ該第2の電気コネクタの部分に連結する、少なくとも1つの係合部と、を含む、装置。
【請求項2】
ブラケット本体が、該ブラケット本体の2箇所から延在し、かつ前記第2の電気コネクタの2つ以上の部分に連結する、2つ以上の係合部を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
中間電気コネクタをプリント回路基板上の電気コネクタに固定する装置であって、
前記中間電気コネクタを少なくとも部分的に包囲するブラケット本体と、
前記ブラケット本体から前記プリント回路基板上の前記電気コネクタへと延在し、かつ前記プリント回路基板上の前記電気コネクタの部分に連結する、少なくとも1つの係合部と、を含む、装置。
【請求項4】
前記ブラケット本体が、該ブラケット本体の2箇所から延在し、かつ前記プリント回路基板上の電気コネクタの2つ以上の部分に連結する、2つ以上の係合部を有する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
1つの電気コネクタを別の電気コネクタに固定する方法であって、
第1の電気コネクタを第2のコネクタに連結することと、
前記第1の電気コネクタを前記第2の電気コネクタに固定する装置であって、該装置が、ブラケット本体、及び該ブラケット本体から延在する係合部であって、前記装置が前記第1のコネクタに嵌合した時に前記ブラケット本体が前記第1のコネクタを少なくとも部分的に包囲しかつ前記係合部が前記第2の電気コネクタへと延在し、かつ該第2の電気コネクタの部分に連結するように、延在する、少なくとも1つの係合部を含む、装置を用いることと、を含む、方法。
【請求項6】
第1のコネクタ、第2のコネクタ、第3のコネクタ、及び係合装置を含む、相互接続システムであって、
前記第1のコネクタが前記第2のコネクタに該第2のコネクタの第1の端部で嵌合し、前記第3のコネクタが前記第2のコネクタに該第2のコネクタの第2の端部で嵌合し、前記係合装置が前記第2のコネクタを前記第3のコネクタに固定し、
前記係合装置が、ブラケット本体と、該ブラケット本体から延在する係合部であって、前記係合装置が前記第2のコネクタに嵌合した時に前記ブラケット本体が前記第2のコネクタを少なくとも部分的に包囲しかつ前記係合部が前記第3の電気コネクタへと延在し、かつ該第3の電気コネクタの部分に連結するように、延在する、少なくとも1つの係合部と、を更に含む、システム。
【請求項7】
前記第3のコネクタが、該第3のコネクタの少なくとも1つの面上に少なくとも1つの突出部を更に含み、前記係合装置の前記係合部が、少なくとも1つの貫通孔を更に含み、前記係合装置が前記第2のコネクタを前記第3のコネクタに固定する位置にある時に、該第3のコネクタの前記突出部が、前記係合装置の前記係合部の前記貫通孔に連結する、請求項6に記載の相互接続システム。
【請求項8】
前記第2のコネクタが、結合装置により前記第3のコネクタに結合され、かつ前記係合装置の前記係合部が、前記第2のコネクタが前記第3のコネクタに結合する箇所で前記第3のコネクタに連結する、請求項6に記載の相互接続システム。
【請求項9】
前記係合装置がラッチ装置であり、前記係合装置の前記係合部が突出部であり、前記係合部が前記第3のコネクタに連結する前記第3のコネクタの箇所に貫通孔があり、かつ前記係合装置が前記第2のコネクタを前記第3のコネクタに固定する位置にある時に、前記突出部が前記貫通孔内に嵌合して前記ラッチ装置に係合する、請求項8に記載の相互接続システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【公表番号】特表2011−523176(P2011−523176A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512503(P2011−512503)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【国際出願番号】PCT/US2009/043522
【国際公開番号】WO2009/148770
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】