説明

電気光学素子

本発明は、経済的で、単純な方法により平坦な電気光学素子を生産する方法に関するものであり、定められている、とりわけ、均質な機能分布を有する機能表面を備える。前記方法は、基板を用意する工程、第1の電極層を施す工程、少なくとも1つの機能層を施す工程、第2の電極層を施す工程、および層の平面に沿って少なくとも1つの水平方向で変化する電気的抵抗を有し、層の平面に垂直な方向にある、少なくとも1つの抵抗調節層を施す工程を含む。本発明は、さらに、電気光学素子を生産するためにコーティングされた基板を生産する方法に関する。本発明は、さらに、それに対応して生産される電気光学素子、コーティングされた基板、電気光学素子を生産するためのコーティングされた基板の使用、および電気光学素子の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、平坦であるか、または少なくとも部分領域において平坦である電気光学素子に関するものであり、特に、特定の機能分布、とりわけ機能表面上で規則正しい機能分布を有する平坦な電気光学素子、さらにはその生産のための基板および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気光学素子は、エレクトロクロミック素子、液晶素子、または光電子センサ用に、さまざまな形態で、例えば、光電池素子として使用することができる。他の特に有益な使用分野としては、有機電気光学素子、特に有機発光ダイオードがある。
【0003】
エレクトロクロミック効果は、機能層複合体の内側の電荷が適当な電圧を印加することにより移動されると、この複合体の光学特性、例えば、透過率が変化するという事実によるものである。この効果は、例えば、自動車産業における電気的調光可能ルームミラー、または大表面表示パネルに利用される。エレクトロクロミック層に基づく切り替え可能な光沢も、スラット・ブラインド、ローラー・ブラインド、またはオーニングの代わりに、日射を制御するために建物の中に次第に使用されるようになりつつある。
【0004】
光起電力素子は、典型的には、表面に入射した光を電力に変換するために、適当にドープされた半導体を使用する。これらの素子は、太陽電池として広く用いられている。
【0005】
センサ技術に対し、さまざまな電気光学効果を利用することができる。下に置かれている発光ダイオードの配列から出される光を電圧に応じて放射する層システムは、例えば、指紋認識に使用することができる。また、例えばデジタル・カメラで使用されているような、光起電性反応に基づくCMOSまたはCCDセンサが広く行き渡っている。
【0006】
特に有益な一使用分野は、有機電気光学素子の分野である。有機電気光学素子、特に有機発光ダイオード(OLED)は、一般に、少なくとも1つの有機電界発光の発光団(luminophore)を含む、間に有機層が配列されている2つの電極層からなる。これらの層は、典型的には透明な、担持物質(基板)上に施される。ガラス基板は、この目的での使用に好ましい。基板側のコンポーネントから光を放射するように、基板に面している電極、典型的には陽極も、同様に、透明にしておかなければならない。高導電性の半導体層、例えば透明な導電性酸化物(TCO)、特にITO(インジウム・スズ酸化物)は、一般に、材料として使用される。OLEDは、電流駆動コンポーネントである、つまり、動作中に、定められた電流が電極層を流れ、その結果、電極層の有限な抵抗性インピーダンスがあるため横方向電位差を生じる。電極層間の横方向電流は、有機発光層内を流れ、電流密度に比例する光を発生する。したがって、電流密度の局所的な差が、局所的に異なる発光を生じさせる。
【0007】
発光または照明素子について、一様なまたは特異的な輝度分布を有する平坦な大表面光源が必要である。典型的には、これらのコンポーネントは、エッジ領域においてのみ接触させることができる。しかし、透明電極層を形成することについて現在のところ最もよく知られている物質の導電性は、電極層をコンポーネント設計の等電位面と考えられるほど十分ではない。電極の局所抵抗が著しい大きさであると、電極層に電圧降下が生じ、これにより、電極層間に異なる電圧差が生じる。したがって、異なる局所的電流密度は、発光層に対し横方向にセットアップされ、これは、外部から制御することはできず、局所的に異なる輝度を生じる。発光面が広いほど、輝度分布の望ましくない不均質が大きくなる。
【0008】
したがって、表面抵抗が最小の電極だと望ましく、これは、有機層の抵抗と比較して等電位層としてみなすことが可能である。この場合、機能層の一様な構成により、光を均一に放射するOLEDコンポーネントが得られる。さらに、電極中の電流の抵抗損は、それに対応して小さくなる。これは、典型的には金属層として構成される陰極について実質的に達成される。しかし、透明層は、理想的状態から著しくずれる。
【0009】
したがって、層の厚さを大きくすることで電極層の表面抵抗を減らす試みがなされてきた。典型的には、OLEDにおいて陽極として使用される場合、ITO層は、約100nmの層厚さ、および10〜20オームの表面抵抗を有する。層厚さを増やすと、一般的に、透明電極層内の吸収損失が増大し、したがって放射光が少なくなる。さらに、ITO層がもっと厚い場合、干渉効果の変動のため同様に強度減少または局所的不均質をもたらしうる干渉構造が形成されうる。厚い層の蒸着も、処理時間を長引かせ、したがって、コンポーネント生産コストを上昇させる。
【0010】
また、他の方法で透明電極層の導電性を高めることも試みられている。しかし、導電性を十分に高めると、常に、透明電極層内の吸収損失が著しく増大し、したがって放射光が大幅に減少する。このことには、コンポーネントの効率が受け入れがたいほどになるか、所望の輝度を得るための電力消費量が受け入れがたいほどになることが伴う。
【0011】
国際公開第00/17911A1号から、導電性透明付加層により電極の表面抵抗を低減することが知られている。しかし、このような付加層は、生産工程の複雑さを増し、したがって、コスト増大を引き起こす。他の短所としては、このような対策は、特定のコンポーネントの輝度分布の一様性を改善することにしか適していないという点である。発光表面が拡大されるか、または全体的な輝度が増大するとすぐに、電圧降下のせいでかなり大きな不均質性が再び生じ、その結果電極が生じる。付加層は、それ自体、さらに、可視スペクトル中に実質的な吸収を示してはならない。
【0012】
欧州特許第969517A1号から、メッシュ間隔が狭い金属グリッドでさらにコーティングすることにより電極の電極抵抗を低減することが知られている。このアプローチの欠点は、第1に、ここでもまた、付加的コーティングにより生産工程の複雑さが著しく増大し、したがって、OLEDコンポーネントのコストも増大するという点である。さらに、OLEDコンポーネント生産の他のプロセスは、金属グリッドにより大きく損なわれることがある。例えば、PVD作業中に影ができたり、例えば、スピン・コーティングまたはディップ・コーティングを使って、液相からコーティングする作業中に帯または轍が形成されたりすることがある。電極間に短絡が生じる、したがってコンポーネントが完全に破壊される危険性も、増大しうる。さらに、グリッド構造は、グリッド構造の真下からは光が放射され得ないため、コンポーネントの発光面に暗領域を形成する。
【0013】
輝度分布の均質性を改善するために、欧州特許第997058A1号では、透明電極と表面抵抗比が約1である金属電極とを組み合わせることを提案している。透明電極の表面抵抗は、同時に増大する光損失でのみ低くできるため、この表面抵抗比は、金属電極の表面抵抗を高くすることにより得られる。しかし、これにより、コンポーネントの内部線路抵抗の著しい増大、これから2倍程度の抵抗損の増大が生じる。必要な動作電圧も上昇する。さらに、表面抵抗を等化すると、非常に特殊な接触構成でのみ輝度不均質性に対する軽減効果をもたらすが、コンポーネントの相互接続が対称的である場合には、抵抗比は、全く効果を有しない。さらに、不均質は、欧州特許第997058A1号によりマッチングする陽極と陰極の抵抗により完全には取り除けず、対照的に、これらは、拡張されたコンポーネントの場合なおいっそう顕著である。
【0014】
また、より均質な輝度分布は、コンポーネントの発光表面を独立の小さな発光領域に細分することにより得られる。この原理に従って作成されたOLEDは、例えば、米国特許第6,515,417B1号から知られている。しかし、この解決方法だと、生産工程の複雑さが著しく増大し、したがって、OLEDコンポーネントのコストが増える。
【0015】
【特許文献1】国際公開第00/17911A1号
【特許文献2】欧州特許第969517A1号
【特許文献3】欧州特許第997058A1号
【特許文献4】米国特許第6,515,417B1号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、本発明の目的は、定められた、とりわけ均質な機能分布を有する機能表面を備える、経済的にまた単純に生産可能な、改善された電気光学素子を実現する方法を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
したがって、電気光学コンポーネントを生産するための本発明による方法は、基板を備えることと、第1の電極層を施すことと、少なくとも1つの機能層を施すことと、第2の電極層を施すことと、層平面に沿って少なくとも1つの水平方向で変化する層平面に垂直な方向に電気的抵抗を有する、少なくとも1つの抵抗マッチング層を施すこととを含む。
【0018】
この方法は、特に、有機電気光学素子、とりわけ有機発光ダイオードの生産に都合よく適合される。この目的のために、機能層を施すことは、有機電気光学物質を含む少なくとも1つの層を施すことを含む。
【0019】
この方法は、さらに、エレクトロクロミック素子、例えば、エレクトロクロミック窓素子またはエレクトロクロミック鏡を生産するように適合することができ、この場合、機能層を施すことは、少なくとも1つのエレクトロクロミック層を施すことを含む。エレクトロクロミック層に適している物質は、例えば、WO、NiO、VO、またはNbOである。
【0020】
この方法は、さらに、光起電力層を施すこともできる。機能層は、好ましくは、さらに、少なくとも1つのドープ半導体層、とりわけ、pドープ半導体層およびnドープ半導体層を有する二層システムを含む。このような機能層は、さまざまな電気光学素子、例えば、光起電力素子または光電子センサを生産するために使用することができる。
【0021】
例えば、層厚さまたは導電率が局所的に変化する追加の局所的可変抵抗マッチング層を挿入することにより、広い範囲で指定されている機能プロファイル、とりわけ一様な機能分布が容易に得られる。この目的のために、抵抗マッチング層は、原理的に、それぞれの層スタックの内側の任意の位置に配列することができる。
【0022】
とりわけ、層(典型的には寸法0.1μmの長さ)に対し横方向の有機電気光学素子の層の抵抗は、典型的には層(典型的には寸法100μmの長さ)に沿った抵抗よりもかなり小さく、したがって、電流輸送は、主に、層に対し横方向にのみ発生する。
【0023】
この方法は、第1の電極層と第2の電極層との間に電圧を印加するか、またはタップするために、第1および第2の電極層上に、好ましくは層のエッジ領域に接触面を施すことを都合よく含む。接触面は、好ましくは、例えば透明電極層を通して光が出入りできるように、電極層のエッジ領域内に配置される。
【0024】
この方法によれば、機能分布および電気光学素子の動作電圧は、有利に指定され、指定された動作電圧が第1の電極層と第2の電極層との間に印加されたときに電気光学素子が本質的に指定された機能分布を有するように少なくとも1つの抵抗マッチング層が施される。動作中、動作電圧の指定された値からのずれを、約±10%以内とすることができ、しかもこのことが指定された機能分布を本質的に損なわない。
【0025】
この方法によれば、少なくとも1つの抵抗マッチング層は、第1の電極層と第2の電極層との間に電圧が印加されたときに電気光学素子の光出または光入表面が本質的に一様な機能分布を有するように特に有利に施される。一様な機能分布という用語は、機能表面、典型的には光出または光入表面上で本質的に一定である機能分布を意味することが意図されている。例えば、機能分布は、発光素子の輝度分布、エレクトロクロミック素子の透過率の分布、または感光性分布であると都合がよい。
【0026】
特定の、とりわけ一様な機能分布を得るため抵抗マッチング層の抵抗プロファイルは、電気光学コンポーネントの幾何学的形状、電極層の接触の種類、および場合によっては、電気光学コンポーネントの動作パラメータに依存する。
【0027】
電気光学コンポーネントの幾何学的形状が単純である場合、例えば、とりわけ対向するエッジに沿って接触が設けられる矩形または楕円形の幾何学的形状では、抵抗マッチング層の抵抗プロファイルは、単純な数学的関係式の助けを借りて得られる。
【0028】
したがって、この方法によれば、抵抗マッチング層は、都合よく、抵抗が層平面に垂直な方向で層平面の少なくとも一点において最小であり、少なくとも一点から層に沿って少なくとも1つの水平方向で本質的に増大するように施すことができる。
【0029】
層平面に垂直な抵抗マッチング層の抵抗は、特に有利には、本質的に距離の二乗に比例して最小の抵抗を有する少なくとも一点から層のエッジに向かって増大する。
【0030】
この方法によれば、発光表面および特定のとりわけ特定の対称的幾何学的形状上で一様な表面抵抗を有する電極層については、抵抗マッチング層は、抵抗マッチング層の抵抗が層平面に垂直な方向で、本質的に
【数1】

に比例する層平面に沿った少なくとも1つの水平方向のプロファイルを有するように有利に施され、ただし、式中、
A:陽極として備えられている電極層の一様な表面抵抗であり、
K:陰極として備えられている電極層の一様な表面抵抗であり、
r:層平面内の突出した点または突出した曲線までの層平面に沿った距離であり、ただし、層平面に垂直な方向の抵抗マッチング層の抵抗は突出した点で、または突出した点に沿って最小であり、
n:n>0、とりわけn=2の指数であり、
m:電極抵抗の相対的重み、とりわけm=1である。
【0031】
抵抗マッチング層は、さらに、層上に抵抗一定成分を有することがあり、したがって、層平面に垂直な方向の抵抗マッチング層の抵抗は、本質的に式
【数2】

で記述される層平面に沿った少なくとも1つの水平方向のプロファイルを有し、
ただし、式中、
R:層平面に垂直な方向の抵抗マッチング層の局所電気的抵抗であり、
、C:距離rとは無関係の定数であり、
A、K、r、n、およびmについては上記のとおりである。
【0032】
電極が知られている対称的不均質、例えば金属陰極の蒸着誘導変動を有している場合、これらは、同様に、抵抗マッチング層の実施形態を適当に選択することにより低減またはさらには実質的に補正することができる。
【0033】
任意の非対称形状およびサイズまたは対称摂動接触、例えば、矩形の機能表面上の点接触の場合、抵抗マッチング層の抵抗プロファイルに対し単純な解析表示を求めることは一般的にはできない。これらの場合、抵抗プロファイルは、数値解析法またはシミュレーションを使って決定することができる。この目的のために、例えば、「有限要素」法または場の方程式系の逆問題解析(inversion)を使用することができる。
【0034】
少なくとも1つの抵抗マッチング層を施すことは、有利には、流体コーティング物質を、例えば、スピン・コーティングまたはディップ・コーティングを使って施すことを含む。
【0035】
単純で経済的な方法で抵抗マッチング層の意図的な局所的変化を引き起こすことができる本発明の構成は、特に有利である。印刷技術は、特に層厚さの変化をもたらすのに適しており、例えば、フレキソ印刷、スクリーン印刷、または電子写真印刷がある。インクジェット法または他のスプレー法も、特に適している。
【0036】
したがって、流体コーティング物質を施すために、この方法は、有利には、コンピュータ制御印字ヘッド、とりわけインクジェット印字ヘッドを使った印刷、スクリーン印刷による印刷、フレキソ印刷またはグラビア印刷による印刷、またはマスクを通したスプレーを含む。
【0037】
前記印刷技術のほかに、知られているすべての蒸着法も、抵抗マッチング層を施すために原理的に使用することができる。
【0038】
したがって、この方法は、有利には、物理的気相蒸着法、とりわけ蒸発またはスパッタリングによる、または化学気相蒸着法、とりわけプラズマ誘導化学気相蒸着法による層の蒸着を含む。また、インピーダンスマッチング層を施すためにさまざまな方法を組み合わせることもできる。
【0039】
抵抗マッチング層の抵抗を変化させることについてはさまざまな可能性がある。したがって、少なくとも1つの抵抗マッチング層を施すことは、有利には、異なる層厚さおよび/または異なる層組成および/または異なる層形態を持つ層領域を施すことを含む。
【0040】
最も単純で、最も容易に制御可能な種類の抵抗変化は、局所的横方向抵抗が、どこでも均質であり層厚さに無関係な層の抵抗性に基づき局所的層厚さに直接比例するため、層厚さを変化させることである。印刷技術またはスプレー技術などの前記コーティング法は、直接的な方法で層厚さを変化させることを可能にするので、これに特に適している。
【0041】
層厚さの変化は、追加の光学的効果、例えば、吸収または干渉効果をもたらしうる。この効果は、同様に、機能分布、特に輝度分布の変化をもたらしうる。
【0042】
この効果には、電気光学コンポーネントの機能分布を変調する他の可能性もある。この効果を利用することにより特異的機能分布を生じさせるための抵抗マッチング層の抵抗プロファイルは、微視的物質特性、輸送、組み換え、および発光プロセスを考慮し結合された電気光学的シミュレーションを使って決定することができる。
【0043】
特定の抵抗プロファイルは、さらに、導電性に影響を及ぼす物質とともに、導電性抵抗マッチング層の適当な横方向に異なるドープにより調節することもできる。これらの物質は、抵抗マッチング層の蒸着の際に加えるか、またはその後、拡散プロセスを介して層内に導入することができる。後者は、熱転写、局所的活性化により、例えば、温度、光、または機械的エネルギー入力、印刷などを介して行うことができる。層厚さは、有利には、ここでは実質的に一定に保つことができ、したがって、有害な局所的干渉効果を大幅に抑制することができる。本発明により、コンポーネントの長期安定性を確実なものとするために、完成コンポーネントでは、拡散プロセスを継続しない。
【0044】
抵抗の変化も、抵抗マッチング層の形態を、特にポリマー層の場合に変化させることにより得られるが、それは、形態は局所抵抗性、したがって局所的横方向抵抗に影響を及ぼすからである。格子変化は、焼き付けのときの熱入力プロファイルを介して、例えば温度、光、機械的エネルギー入力、または化学活性剤による局所的活性化を介して、または特定の物質組成を介して、調節することができる。
【0045】
もちろん、抵抗マッチング層の抵抗を変化させる説明されている方法は、さらに、互いに組み合わせることもできる。
【0046】
光出力および/または光入力については、第1および/または第2の電極層を施すことは、有利には、とりわけITO(インジウム・スズ酸化物)を含む、少なくとも部分的に透明な導電層を施すことを含む。ITOは高価な物質であるため、第1または第2の電極層は、少なくとも光出力および/または光入力が不要な電気光学素子の側に金属層として施されると有利である。
【0047】
さらに、電気光学素子の第1および第2の電極層は、有利には、異なる仕事関数を持つ。
【0048】
抵抗マッチング層は、さらに、有利には、仕事関数ポテンシャルが、層の機能の電気的要件、つまり有機電気光学素子の場合に電界発光層スタックの電気的要件に適合されるように施される。
【0049】
電気光学コンポーネントの層順序における抵抗マッチング層の位置に応じて、抵抗マッチング層の透明度には異なる要件がありうる。
【0050】
さらに、抵抗マッチング層の物質および生産方法は、有利には、例えば、温度制約条件または溶媒抵抗に関する、電気光学素子の要件に適合し、コンポーネントの電界発光特性を損なうことがない。
【0051】
原理上、これらの制約条件を満たすすべての導電性層物質が適している。好適な無機物質の実施例は、ITO(インジウム・スズ酸化物)、SnO、InO、ZnO、TiO、a:C−H、さらにはドープSiを含む。とりわけ有機電気光学素子に好適な有機物質は、例えば、PEDOT(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン))、PEDOT/PSS(PSS:ポリ(スチレンスルホン酸))、PANI(ポリアニリン)、アントラセン、Alq(トリス(8−オキシキノリン)アルミニウム)、TDP(トリフェニレンジアミン)、CuPc(銅フタロシアニン)、NPD(N,N’−ビス(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン)、さらには、文献に記載されているPEDOTの代替え物質と呼ばれるすべての物質である。
【0052】
有機電気光学素子の場合、抵抗マッチング層は、ホール輸送層として、とりわけPEDOTまたはPANI層として、特に有利に施されるが、それは、このような層は、典型的にはすでに、例えばポリマーOLEDの一部であり、したがって、抵抗マッチング層により得られる補正関数は、特に単純に、また経済的に、1つの作業工程でホール輸送機能とともに生成できるからである。
【0053】
この方法は、さらに有利には、1つまたは複数の機能層、例えば正孔注入層、電子遮断層、正孔遮断層、電子輸送層、正孔輸送層、および/または電子注入層を施すことを含むことができる。この方法は、さらに、少なくとも1つのイオン輸送層および/またはイオン蓄積層を施すことを含むこともできる。
【0054】
この方法は、特に有利には、光吸収特性が層平面に沿って変化する光吸収層、とりわけ、無彩色光吸収層を施すことを含む。
【0055】
光吸収層を施すことは、特に好ましくは、感光層を施すこと、感光層を露光すること、および感光層を現像することを含む。
【0056】
変調技術、例えば、シンボルまたはテキストまたは彩色を表すための一様な発光層のマスキングは、意図された機能分布、とりわけ輝度分布を調節するために使用することができる。この目的のために、光吸収層は、コンポーネント上に直接施すことができる。
【0057】
統計的に分布している局所的差異を補正するために、それぞれの個別コンポーネントについて発光コンポーネントの光プロファイルの自己制御最適化を個別に行うことは、特に有利である。
【0058】
光プロファイルの自己制御最適化は、まず感光層、例えば感光乳剤を施し、発光電気光学コンポーネントを適宜スイッチオンすることにより露光させ、現像し、それにより、それをコーティング欠陥または短絡などの局所的欠陥のところでそれぞれの個別コンポーネントに合わせて最適になるように適合させることにより達成することができる。これに続いて、感光層を定着させ、都合よく保護コーティングを例えばラッカーとともに施す。
【0059】
したがって、この方法は、特に有利には、電気光学素子を特定の期間の間スイッチオン状態にすることにより感光層を露光することを含み、これは、第1の電極層と第2の電極層との間に特定の電圧を印加することによりオンにされる。
【0060】
光プロファイルを最適化する他の変更形態は、能動的に制御される個別コーティングである。この目的のために、電気光学コンポーネントの出口発光面の輝度分布は、適当な検出器システム、例えば画像処理機能を持つカメラ・システムを使って記録され、格納される。記録された輝度分布から、輝度プロファイルの最適な局所的補正に対する吸収密度分布が計算される。計算された吸収密度分布により、局所的可変吸収層は、光出口表面上に、例えばスプレーまたは印刷プロセス、例えばインクジェット印刷または電子写真印刷を使って施される。次に、この後に、保護コーティングを固定し、都合よく施す。さまざまな有機および無機物質を吸収層、例えば熱硬化性樹脂、熱可塑性プラスチック、ゾルゲル溶液、またはインクに対し使用することができる。
【0061】
さらに他の変更形態は、能動的に制御される個別マスキングにあり、そこでは、別々のマスクがガラスまたはポリマー基板上に生成され、コンポーネントの前側に固定される。
【0062】
吸収プロファイルを生成する方法の他の変更形態は、例えば、未処理の輝度が記録され、補正が計算され、感光乳剤が、例えば、誘導光線を使って露光される能動的に制御される個別コーティングだけでなく、未処理の輝度が記録され、補正が計算され、コンポーネント表面上のコーティングが吸収コーティングを固定し形成するために露光される吸収物質の能動的に制御される個別の固定を含む。
【0063】
他の変更形態は、自己調節屈光性コーティングを施すことを含む。
光吸収層を施すための説明されているすべての方法は、それぞれの個別コンポーネントが指定された輝度分布に関して最適化できるという利点を有する。
【0064】
代替えとして、吸収補正層もコンポーネントに組み込むことができる。しかし、層順序内の位置に応じて、層は、さらに、導電性を有し、干渉光学的にまたは光反射プロファイルにおいて適合されなければならない。ここで再び、局所的吸収プロファイルの個別調節は、屈光性コーティングを施すか、または外部エネルギー入力を介して、例えばレーザーを使って吸収率を調節することにより可能である。
【0065】
生産されるコンポーネントの目的に応じて、この方法は、さらに、有利には、少なくとも部分的に反射する層または少なくとも部分的に反射する層システムを施す工程、および/または少なくとも部分的に反射防止する層または少なくとも部分的に反射防止する層システムを施す工程を含むことができる。
【0066】
本発明は、さらに、上述の方法により生産することができる、電気光学素子に関する。
したがって、本発明による電気光学素子は、基板と、第1の電極層と、少なくとも1つの機能層と、第2の電極層と、層平面に沿って少なくとも1つの水平方向で変化する層平面に垂直な方向に電気的抵抗を有する、少なくとも1つの抵抗マッチング層とを備える。
【0067】
本発明による電気光学素子は、さらに、例えば共通基板上に配列されている、複数の、または多数の別々の平坦な部分素子で構成することもできる。
【0068】
素子は、好ましくは、有機電気光学素子、とりわけ有機発光ダイオードとして設計され、その場合、機能層は、少なくとも1つの有機電気光学物質を含む。
【0069】
本発明による素子の他の有利な実施形態は、少なくとも1つの機能層が少なくとも1つのエレクトロクロミック層を含む、エレクトロクロミック素子である。エレクトロクロミック層は、好ましくは、WOを含むが、当業者に知られている他の物質、例えばNiO、VO、またはNbOも本発明の範囲内にある。
【0070】
機能層は、さらに、好ましくは、光起電力層を含むことができる。多くの目的に関して、少なくとも1つのドープ半導体層、とりわけ、pドープ半導体層およびnドープ半導体層を有する二層システムを含む、機能層も有利である。
【0071】
典型的には、陽極として作用する電極層は、基板上に配列され、陰極として作用する電極層は、間に置かれている層システム上に配列される。もちろん、陰極が基板上に設けられ、陽極が間にある層システム上に施される反転システムは、それにもかかわらず、本発明の範囲内にある。
【0072】
本発明による素子の第1および/または第2の電極層は、電圧を印加する、および/または電圧をタップするために、有利には、エッジ領域内に接触面を有する。許容差±10%の範囲内の指定動作電圧に対応する電圧が、第1の電極層と第2の電極層との間に印加された場合、素子の光出および/または光入表面は、有利なことに、本質的に特異的機能分布を有し、この機能分布は光出および/または光入表面上の一様な分布に特に有利に対応する。
【0073】
抵抗マッチング層の抵抗は、特に有利には、この方法について上で説明されているようなプロファイルを有する。したがって、層平面に垂直な方向の抵抗は、好ましくは、最小抵抗の一点から層のエッジに向かって、とりわけ二乗に比例して増大する。
【0074】
層平面に垂直な方向の抵抗マッチング層の抵抗は、特に好ましくは、式
【数3】

(使用される量については上記を参照)で本質的に記述されている層平面に沿った少なくとも1つの水平方向のプロファイルを有する。
【0075】
抵抗マッチング層は、有利には、
−スピン・コーティング、
−ディップ・コーティング、
−インクジェット印刷ヘッドを使った印刷、
−スクリーン印刷による印刷、フレキソ印刷またはグラビア印刷を使った印刷、
−マスクを通したスプレー、
−物理的気相蒸着、とりわけ蒸発またはスパッタリング、または
−化学気相蒸着、とりわけプラズマ誘導化学気相蒸着のうちの1つを使って施される。
【0076】
抵抗マッチング層は、好ましくは、異なる層厚さおよび/または異なる層組成および/または異なる層形態を有する領域を含む。
【0077】
抵抗マッチング層の適当な物質の実施例は、この方法に関して上で言及されているものである。
【0078】
本発明による素子の電極層は、第1および第2の電極層が異なる仕事関数を有するように有利に設計される。さらに、第1および/または第2の電極層は、好ましくは少なくとも部分的に透明であり、とりわけインジウム・スズ酸化物を含む。それとは別に、第1および/または第2の電極層は、有利には、金属層として設計される。片側光出力および/または光入力については、電極層の一方は、有利には、透明なITO層として、他方は、金属層として設計される。
【0079】
有利なことに、この素子はさらに、少なくとも1つの正孔注入層および/または1つの電子遮断層および/または1つの正孔遮断層および/または1つの電子輸送層および/または1つの正孔輸送層および/または1つの電子注入層および/または1つのイオン輸送層および/または1つのイオン蓄積層を含む。
【0080】
本発明による素子の特に好ましい一実施形態は、上述のように特に生産される、光吸収特性が層平面に沿って変化する光吸収層、とりわけ、無彩色光吸収層を含む。
素子は、さらに、有利には、他の機能層、例えば反射防止層を備える。
【0081】
本発明による素子の光出および/または光入表面の形状は、特に有利に本質的に対称的であり、とりわけ矩形、丸形、または卵形である。
【0082】
例えば自動車産業における特別な目的のために、光出および/または光入表面は、有利には、少なくとも1つの鋭角領域を含む。これは、例えば、丸い扇形の表面の場合である。
【0083】
特に対称的形状の場合、抵抗マッチング層は、次いで上記の式1により解析表示することができる抵抗プロファイルを有する。
【0084】
目的に応じて、本発明による素子の光出および/または光入表面は、さらに、自由非対称形状を有することもできる。これらの場合、抵抗マッチング層の抵抗プロファイルは、一般に、単純な解析表示では示されず、数値解析法またはシミュレーションの、例えば、「有限要素」法または場の方程式系の逆問題解析の結果で示される。
【0085】
本発明は、さらに、コーティングされた基板を生産する方法であって、
−基板を備える工程と、
−少なくとも1つの電極層を施す工程と、
−層平面に沿って水平方向に変化する層平面に垂直な方向に電気的抵抗を有する、少なくとも1つの抵抗マッチング層を基板上に施す工程とを含み、
電極層の少なくとも1つの部分表面は、接触面として備えられ、抵抗マッチング層の抵抗プロファイルは、電極層の表面抵抗および少なくとも1つの接触表面の配列に依存する、方法に関する。
【0086】
少なくとも1つの電極層を施すことは、有利には、とりわけインジウム・スズ酸化物を含む、少なくとも部分的に透明な導電層を施すことを含む。
【0087】
それに応じて、本発明は、さらに、層平面に沿って水平方向で変化する層平面に垂直な方向で電気的抵抗を有する、少なくとも1つの電極層および少なくとも1つの抵抗マッチング層を含む、電気光学素子、とりわけ光起電力素子、エレクトロクロミック素子、またはとりわけ上述のような方法で生産されるOLEDもしくはPLEDを生産するためのコーティングされた基板にも関係する。
【0088】
さまざまな物質、例えばガラス、とりわけソーダ石灰ガラス、ガラスセラミック、および/またはプラスチック、とりわけバリアコーティング・プラスチック、および/またはそれらの組み合わせは、コーティング基板の基板材料として適当である。
【0089】
コーティング基板の電極層は、好ましくは少なくとも部分的に透明であり、とりわけインジウム・スズ酸化物を含む。
【0090】
説明されている方法では、一様な機能分布、とりわけ一様な輝度分布を得るために使用できる事前補正基板を備えることができる。
【0091】
基板は、他の機能層、例えば反射防止層を補うことができる。
【0092】
抵抗マッチング層は、別のコーティング工程で蒸着するか、または例えば、例えばPEDOTコーティングとして設計されている、有機電気光学素子向きの正孔輸送層に組み込むことができる。PEDOTコーディングに組み込むことには、抵抗補正層が仕事関数に関して陽極に非常にうまく適合されるという他の利点もある。
【0093】
抵抗マッチング層は、有利には、後続のクリーニング・プロセスにより劣化しないように設計される。さらに、抵抗マッチング層は、有利には、他の液体コーティングの溶媒に対し本質的に耐性がある(例えば、ポリマーOLEDの場合)。抵抗マッチング層は、さらに有利には、気密であり、また干渉もしくは吸収に関して実質的に光学不活性である。
【0094】
本発明は、同様に、電気光学素子、とりわけ光起電力素子、エレクトロクロミック素子、またはOLEDもしくはPLEDを生産するために上述のような基板を使用すること、さらには上述のような電気光学素子を、
−発光手段として、
−照明手段として、
−サイン・パネルまたは発光パネルとして、
−可変標識板として、
−スイッチまたはセンサ照明として、
−高解像度または低解像度ディスプレイとして、
−デジタルポスター画面または広告パネルとして、
−照明床またはライト・デスクとして、
−周囲照明用の光表面として、
−ディスプレイの背景照明用、
−特殊照明用、特に顕微鏡において、
−信号伝達または照明用、特に自動車、航空、海事、または家庭部門において、
−光起電力素子として、
−光電子センサとして、
−液晶素子として、
−エレクトロクロミック窓素子として、または
−エレクトロクロミック鏡として、使用することに関する。
【0095】
本発明は、OLEDの実施例を使用する好ましい実施形態の助けを借りて、また付属の図面を参照しつつ、以下でさらに詳しく説明される。同じ参照番号は、図面中の同一または類似の部分を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0096】
図1aおよび1bは、従来技術による矩形OLEDコンポーネント100の概略を示している。図1は、斜視図であり、図2は、コンポーネント100を通る断面図である。この例示的な実施形態のOLEDコンポーネント100は、ポリマーOLED(PLED)として設計され、したがって、2つの有機層130および140を含む。
【0097】
透明な基板110、例えば、ガラス基板、またはそれに対応して不動態化されたポリマー基板上で、透明な導電性電極層121が陽極として施される。
【0098】
この後に、この例示的な実施形態では正孔輸送層(HTL)として作用する、基板の凸凹を補正する補正層130が続く。この後に、例えば発光ポリマー(LEP)、例えばPPV(ポリ−パラ−フェニレン・ベニレン/poly-para-phenylene-venylene)またはパラレン/paralene、または短鎖有機分子、例えば対応するドーパントを有するAlqを含む電界発光層140(EL層)が続く。ポリマーは、典型的には、液相から蒸着され、短鎖有機分子は、熱蒸発により気相から蒸着される。
【0099】
OLED層順序は、陰極層122により完了する。表されている例示的な実施形態は、対称的相互接続をもたらす。したがって、コンポーネント100を接触させるために、接触表面151および152は、陽極層121の2つの対向する側に配列され、接触表面153および154は、陰極層122の2つの対向する側に配列される。DC電圧源10および対応する線路20との相互接続は、図1bに表されている。
【0100】
典型的には、環境からの酸素または水による破壊から機能層を保護するためカプセル化を行った。
【0101】
図1cは、図1aおよび1bで表されているOLEDコンポーネントの等価抵抗回路網を示している。この理想化された回路網では、有機層の内側の抵抗は、長さスケールがμmからmmまでの範囲であれば、これらは、典型的には、電極層の表面抵抗または典型的な層厚さが100nmの範囲内である層の横方向の局所抵抗よりもかなり大きいので、無視される。
【0102】
有機層を通る局所的横方向抵抗は、以下のようにHTLおよびEL層を通る横方向抵抗の総和によって与えられ、
(2) R=RHTL,i+REL,i(I)、i=1,...,n、
ただし、EL層の抵抗値は、流れる電流強度Iに依存する。陽極の層抵抗Aおよび陰極のKとともに、個々の分岐内の電流強度Iおよび電極間の結果として得られる電位差を計算することができる。電極層の層抵抗は、一般に、層平面に沿って一定であると仮定することができる。局所的放射輝度は、同様に、優勢な電流強度により決定される。電流強度REL(I)およびLEL(I)に対するEL層の抵抗および輝度の依存関係は、実験して、横方向に小さなコンポーネント(ピクセル・デバイス)について直接決定することができる。個々の電流強度I自体、したがってREL(I)は未知であるため、回路網の計算は、反復実行される。
【0103】
本発明の特に有利な実施形態の基本的概念は、抵抗マッチング層による補正を行うことであり、これにより、好ましくは、OLEDコンポーネントの発光表面全体の輝度を一定にできる。
【0104】
現在の近似における抵抗マッチング層の寸法決定は、2つの電極層の表面抵抗にのみ依存することが判明している。以下の放物線型抵抗プロファイルは、図2で表されている両側対称的相互接続の場合に層に対し適用され、
【数4】

ただし、
A=A=定数、K=K=定数、i=∈{1,...,n−1}、および
=A=2*A、K=K=2*K
である。
【0105】
図3から6は、電流を表し、したがって、さまざまな接触OLEDコンポーネントについて設定されている輝度分布を表している。従来技術によるOLEDコンポーネントでは、輝度の不均質は常に見られる。それに対応して長いコンポーネントおよび/または大きな輝度、つまり、大きな電流密度、したがって大きな電圧降下がある場合には、相互接続アプローチを用いる従来技術では一様な輝度分布を得ることはできない。
【0106】
図3〜6に表されている相互接続の実施例および計算された分布は、それぞれ、対応する相互接続を使用する対応する矩形OLEDコンポーネントに対する図2で表されているような等価抵抗回路網に基づく。図2のように、コンポーネントは、それぞれの場合において、基板を上にして表される(図1aおよび1bとの比較で、図は180°回転されている)。相互接続は、図3a、3d、4a、4d、5a、5d、6a、および6dの対応する矢印によりそれぞれ表されている。
【0107】
結果を比較しやすくするため、横方向抵抗は、それぞれ、一定であり、また等しいと仮定する。これらの計算は、さらに1オームの一定の陰極抵抗K、10オームの一定の陽極抵抗A、300オームの一定の横方向抵抗、A=A=2・AおよびK=K=2・Kの線路および接触抵抗、さらにはコンポーネントを通る全電流100mAに基づく。この全電流にそれぞれ必要な動作電圧Uは、それぞれ指定されている。
【0108】
図3aは、両側で対称的に相互接続されている、例えば図1aに表されているように従来技術によるLEDコンポーネントを示している。光出方向は上方向を指し、基板110は、それに対応して、コンポーネントの上側に置かれる。HTL層130およびEL層140は、透明陽極層121と陰極層122との間に配列される。
【0109】
図3bは、それぞれ、陽極および陰極層のポテンシャル・プロファイル310および320を表している。その結果得られる電流密度分布330は、図3cに表されている。
【0110】
逆に、図3dは、両側で同様に対称的に相互接続されているが、図3aに表されているコンポーネントとは対照的に、基板210、電極層221および222、さらにはHTLおよびEL層230および240に加えて、抵抗マッチング層262を含むLEDコンポーネントを示している。
【0111】
抵抗マッチング層262は、上の式(3)に対応する横方向に変化する抵抗プロファイルを有する。陽極および陰極層の対応するポテンシャル・プロファイル410および420は、それぞれ、図3eに表されている。本発明による抵抗マッチング層262のおかげで、図3fに表されている均質な電流密度分布430が得られる。したがって、この方法で補正されたOLEDコンポーネントは、均質な輝度分布を有する。
【0112】
以下の図4a〜f、5a〜f、および6a〜fは、OLEDコンポーネントのそれぞれ異なる相互接続だけが図3a〜fと異なる。
【0113】
図4a〜4fに表されているように、OLEDコンポーネントの対角線上の相互接続に対する補正は、同様に、式
【数5】

に対応する抵抗マッチング層の放物型抵抗プロファイルを使って実行され、
ただし、
A=A=定数、K=K=定数、i=∈{1,...,n−1}、および
=A=2・A、K=K=2・K
である。
【0114】
パラメータiにより定められる、放物線の頂点は、陽極抵抗Aが陰極抵抗Kよりも大きい場合についてコンポーネントの真ん中から、コンポーネントの陰極ターミナル側上の領域までずらされる。
【0115】
この場合も、補正抵抗プロファイルの強度は、陽極と陰極の表面抵抗によってのみ決定され、全電流または他の均質な抵抗層、とりわけEL層の値とは無関係である。しかし、頂点iの位置は、電極抵抗の比に依存する。そのため、その場合、A=Kは、対称的相互接続の場合と同様にコンポーネントの真ん中にあり、A>>Kでは、コンポーネントは、図5a〜5fで表されているように片側接触の場合と同様に振る舞う、つまり、頂点は、陰極接点のある端面側に向かってずれる。A>Kでは、iは、これら両極端の間に位置する。この位置は、全電流および他の均質設計のEL層の挙動とは無関係である。
【0116】
言い換えると、OLEDコンポーネントの片側相互接続は、図5a〜5fに表されているように、図3dに表されている対称的相互接続に対応する半側コンポーネントに回路技術に関して対応し、したがって、放物線の頂点(i)が接触側の反対側の端面側に置かれている場合に関係式(4)による同じ放物型プロファイルで補正することができる。
【0117】
式(3)から明らかなように、対称的に構成された抵抗回路網を両側で接触させると、頂点は、コンポーネントの真ん中にある、つまり
【数6】

であり、nは、横方向抵抗の個数を示す。片側で接触している抵抗回路網では、対称平面は、最後の反対側にある横方向抵抗の少し外にあるが(余分な距離
【数7】

)、それは、他の場合だと、この抵抗は、それ自身の上へ反射され、抵抗値の半分しか表さないからである。
【0118】
この場合も、補正抵抗プロファイルの強度は、陽極と陰極の表面抵抗によってのみ決定され、全電流または他の均質な抵抗層、とりわけEL層の値とは無関係である。頂点の位置は、電極抵抗に無関係である。
【0119】
陽極層の両側接触および陰極の片側接触を持つ図6a〜6fに表されている相互接続では、抵抗マッチング層の抵抗プロファイルは、式(4)による基本放物型プロファイルに従い、電極抵抗AおよびKにのみ依存する。A<<Kについては、この相互接続に対する抵抗プロファイルは、図3a〜3fに対応する対称的相互接続のものと同じであり、頂点iは、コンポーネントの真ん中にある。比A/Kが小さくなるにつれ、頂点は、陰極接点からコンポーネントの他方の側の方向にずれる。
【0120】
この場合も、補正抵抗プロファイルの強度は、陽極と陰極の表面抵抗によってのみ決定され、全電流または他の均質な抵抗層、とりわけEL層の値とは無関係である。
【0121】
図7aおよび7bは、抵抗マッチング層を使って補正される対称的相互接続OLEDコンポーネントに対し20から500mAまでの異なる全電流強度で得られるようなポテンシャル・プロファイルおよび電流分布をそれぞれ表す。特に、図7aは、ポテンシャル・プロファイル502を表し、図7bは、50mAの電流強度に対する輝度プロファイル512を表し、図7aは、ポテンシャル・プロファイル504を表し、図7bは、100mAの電流強度に対する輝度プロファイル514を表し、図7aは、ポテンシャル・プロファイル506を表し、図7bは、200mAの電流強度に対する輝度プロファイル516を表し、図7aは、ポテンシャル・プロファイル508を表し、図7bは、500mAの電流強度に対する輝度プロファイル518を表す。
【0122】
これらの計算は、1オームの一定の陰極抵抗K、10オームの一定の陽極抵抗A、300オームの一定の横方向抵抗、AおよびKの大きさの2倍であるA、K、A、およびKを持つ線路および接触抵抗、さらにはコンポーネントを通る100mAの全電流に基づく。これらの計算は、さらに、実際のOLED特性に基づく。
【0123】
抵抗マッチング層のプロファイルは、全電流強度とは無関係であることが判明している。さらに、望ましい他の層も、抵抗マッチング層上に施すことができる(PEDOT、EL、など)。これらの層が合わせて同じ電流依存性を持つ一様な横方向抵抗を有する限り、横方向電流の一様性に変わりはない。一様な電流分布とともに、他の層の一様な抵抗により、表面上で一定である2つの電極層の間でポテンシャルが増大する。
【0124】
抵抗マッチング層を使った一様な発光表面の生成は、局所的コンポーネント特性の摂動に関してロバストである。補正抵抗値およびOLED特性において「雑音」が±5%になる場合でも、非摂動の場合の値を中心に局所的輝度の変動が生じるだけであり、一様性から有意な系統的偏差を生じない。対応する計算の結果は、図8に示されており、そこでは、さまざまな輝度プロファイル370が、±15%だけ摂動された補正抵抗値またはOLED特性について表されている。それぞれの平均値380および統計的平均390は、同様に表される。
【0125】
矩形のコンポーネントについては、ディスクリート抵抗を含む上述の回路網は、式(4)による補正抵抗プロファイルに対する離散的関係式を一般化
【数8】

で置き換えることにより連続層モデルに変換することができ、
ただし、式中、
corr:層平面に垂直な方向の抵抗マッチング層の局所電気的抵抗であり、
A:陽極として備えられている電極層の一様な表面抵抗であり、
K:陰極として備えられている電極層の一様な表面抵抗であり、
:抵抗プロファイルの頂点の位置であり、
x:ターミナル側の間の層平面に沿った座標であり、
、C:定数であり、
n:n>0、とりわけn=2の指数であり、
m:電極抵抗の相対的重み、とりわけm=1である。
【0126】
定数Cは、例えばコーティング技術による、抵抗の基本的寄与が一定であることを記述する。例えば、抵抗マッチング層は、一般に、頂点において0よりも大きな最小厚さを有する。
【0127】
上記の方程式の適用可能であることの前提条件は、接触がコンポーネント側の長さ全体にわたって生じるか、または接触領域の表面抵抗が電極層の典型的抵抗に比較して小さいというものである。
【0128】
接触領域において電圧降下が生じるため、対策を講じない場合、輝度一様性の摂動は、局所的、例えば本質的に点状の接点で予想される。しかし、この効果は、抵抗マッチング層の実施形態の適当な選択により補正することもできる。
【0129】
図9は、本発明による矩形のOLEDコンポーネント202の概略斜視図である。この例示的な実施形態では、対称的相互接続に関して反対側に接触部251および252を有する、陽極として備えられている第1の電極層221は、基板210上に配列される。電極層221は、好ましくは、基板を通る光出力用の透明ITO層として設計される。この例示的な実施形態のOLEDコンポーネントは、PLEDとして設計され、したがって、正孔輸送層230および電界発光層240を含む。抵抗マッチング層262は、電極層221と正孔輸送層230との間に配列される。OLED層順序は、対称的相互接続について反対側に接触部253および254を有する、陰極として用意されている電極層222により完了する。したがって、図9に表されているOLEDコンポーネントは、図1aのコンポーネントと本質的に同じであり、さらに、抵抗マッチング層262を含む。
【0130】
図9に表されている例示的な実施形態では、抵抗マッチング層262は、電気的抵抗が層厚さの変動により変化するように設計される。抵抗プロファイルは、上の式(5)によるプロファイルに対応し、xは層平面に沿った軸上の座標であり、接触部251および252を接続し、主軸に垂直方向に延び、xは層の真ん中に置かれる。したがって、OLEDコンポーネント202は、本質的に均質な輝度分布を光出表面全体にわたって有する。
【0131】
層厚さを変える代わりに、他の方法、例えば、層組成および/または層形態を変えることにより、抵抗マッチング層の抵抗を変化させることもできる。これは、図10に表されているように、本発明によるOLEDコンポーネント204の実施形態において行われる。この実施形態204は、図9に表されている実施形態202に対応し、抵抗マッチング層264は層262と同じ抵抗プロファイルを有するが、違う点は、層264が、層厚さが一定の層平面に沿って変化する層組成を有する点である。例えば、層組成は、適当な印刷方法により異なる組成は異なる抵抗性を有する層物質の異なる組成を施すことにより変化させることができる。
【0132】
図11および12は、本発明によるOLEDコンポーネント206および208の好ましい実施形態を表し、そこでは、HTL層および抵抗マッチング層は、補正されたHTL層232または234を形成するようにそれぞれ組み合わされる。これには、抵抗マッチング層を施すのに、追加の作業工程を必要としないという特別な利点がある。
【0133】
図11に表されている補正されたHTL層232は、層平面に沿って変化する層厚さを有し、OLEDコンポーネントの均質な輝度分布はそのプロファイルに得られ、これはさらに式(5)に対応する。図12に表されている例示的な実施形態では、補正されたHTL層234の抵抗プロファイルは、層組成および/または層形態を変えることにより与えられる。
【0134】
もちろん、他の設計も、図9から12に表されている矩形OLEDコンポーネント202から208に加えて本発明の範囲内にある。
【0135】
図13は、本発明による丸形のOLEDコンポーネント600の一実施形態の概略斜視図である。このコンポーネント600は、陽極層621が表面幅にわたって配列されている、丸形基板610を備える。陽極層621のエッジ領域では、円環状接触表面651が接触するように用意されている。陽極層621と上に配列されている陰極層622との間に、補正されたHTL層634と電界発光層640が配列される。この例示的な実施形態では、陰極層622は、円環状接触表面652を有する。補正されたHTL層634は、層平面に沿って適当な抵抗プロファイルを有し、これは、層の真ん中からエッジに向かって増大し、OLEDコンポーネント600は、均質な輝度分布を有する。
【0136】
図14に表されている丸形OLEDコンポーネント700は、同様に、基板710を含み、この上に、円環状接触表面751を有する陽極層721が配列される。補正されたHTL層734およびEL740は、陽極層721上に配列される。次いで、層順序は、陰極層722により完了する。図13に表されている実施形態600とは対照的に、コンポーネント700の陰極層722は、層の真ん中に配列された接触表面752を有する。本質的に点状または小面積接触表面752により、コンポーネント700の接触が簡素化される。
【0137】
図15および16は、図14に表されているコンポーネント700のそれぞれ断面図および平面図の概略を示している。同様に、それぞれの場合において表されているのは、電圧源10で、これには、OLEDコンポーネント700が接続される。層組成および/または層形態を変えることによりこの実施形態において生成される、補正されたHTL層734の抵抗プロファイルは、図15の対応する陰影により示される。層平面に対し横方向の抵抗は、この例示的な実施形態では本質的に直線的に、層の真ん中からエッジに向かって増大する。
【0138】
図17は、本発明によOLEDコンポーネント900の特に好ましい実施形態を示しており、鋭角設計となっている。コンポーネント900では、別のHTL層930および抵抗マッチング層964が備えられる。これとは別に、OLEDコンポーネント900は、本質的に、図14から16で表されている丸形OLEDコンポーネント700のセグメントを表す。したがって、OLEDコンポーネント900は、基板910、およびその上に、エッジのところに配列されている接触表面951とともに配列されている陽極層921、さらには、抵抗マッチング層964およびHTL層930の上に配列されているEL層940を備える。次いで、層順序は、この実施形態では、小面積接触部952を有する、陰極層922により完了する。
【0139】
図1cに表されている等価抵抗回路網と同様に、図18は、図17に表されているOLEDコンポーネント900の等価栄光回路網を示しているが、抵抗マッチング層964なしである。
【0140】
有機層を通る局所的横方向抵抗は、上の式(2)によるHTLおよびEL層を通る横方向抵抗の総和により与えられ、また、ELの抵抗値は流れる電流強度Iに依存する。陽極層の層抵抗Aおよび陰極層のKとともに、印加される電圧Uおよび全電流Iに基づき、個々の分岐内の電流強度Iおよび電極間の結果として得られる電位差を反復計算することができる。
【0141】
これらの計算から、このコンポーネントの均質な輝度分布を得るためにiの値を増やしてゆくと、図19で表されている接触抵抗
【数9】

(i=1,...,n)の直線的またはほぼ直線的な減少が得られる。
【0142】
OLEDコンポーネントの均質な輝度分布に対する抵抗マッチング層の抵抗プロファイルは、例えば図7bに表されているように、電流強度に無関係であるため、本発明は、特に有利には、抵抗マッチング層でコーティングされている事前補正基板を実現する。
【0143】
本発明によるこのような基板のさまざまな実施形態は、図20から23に表されている。それぞれ表されている基板802、804、806、および808は、好ましくはITO層として設計され、接触表面851および852を有する、電極層821が上に施されている基板810を含む。
【0144】
基板802は、層厚さが層平面に沿って変化する、好ましくは透明ITO層として同様に設計される、抵抗マッチング層862を有する。抵抗マッチング層862は、図20に表されているように、例えば、PEDOT層として好ましくは設計することができるHTL層830でコーティングすることもできる。
【0145】
図21に表されている実施形態では、抵抗マッチング層864は、層平面に沿った抵抗変化が層組成および/または層形態および/または層厚さを一定とした層の密度を変化させることにより生成される。HTL層830は、さらに、この例示的な実施形態でも実現される。
【0146】
抵抗マッチング層は、さらに、有利には、例えば、PEDOT層として設計されている、HTLコーティング内に組み込むことができる。本発明によるコーティングされた基板806および808の対応する実施形態は、図22および23にそれぞれ表されている。基板806は、層厚さを変化させることにより事前補正されたHTL層832を備え、基板808は、例えば層形態を変化させることにより事前補正されたHTL層834を備える。
【0147】
抵抗マッチング層862または864、または事前補正されたHTL層832または834は、有利には、その後のクリーニング・プロセスにより劣化せず、また他の液体コーティングの溶媒に対し本質的に耐性を有するように設計される。抵抗マッチング層は、さらに有利には、気密であり、また干渉もしくは吸収に関して実質的に光学不活性である。
【0148】
卵形設計の一実施例は、図24および25に表されている。楕円形OLEDコンポーネントは、図24および25において断面図および平面図として概略が表されており、陽極層721が配列され、そのエッジに接触表面751が設けられている、基板710を備える。補正されたHTL層734およびEL層740は、陽極層721上に配列されている。層順序は、陰極層722により完了する。コンポーネントの陰極層722は、楕円の焦点のところにそれぞれ配列されている表面752と接触しなければならない。本質的に点状または小面積接触表面752により、コンポーネント700の接触が簡素化される。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1a】従来技術によるOLEDコンポーネントの斜視図である。
【図1b】従来技術によるOLEDコンポーネントの断面図である。
【図1c】図1aおよび1bのOLEDコンポーネントの等価抵抗回路網の図である。
【図2】本発明によるOLEDコンポーネントの等価抵抗回路網の図である。
【図3】対称的接触している抵抗マッチング層を有する、また有しないOLEDコンポーネントの比較の図である。
【図4】対角線上で接触している抵抗マッチング層を有する、また有しないOLEDコンポーネントの比較の図である。
【図5】片側接触している抵抗マッチング層を有する、また有しないOLEDコンポーネントの比較の図である。
【図6】陽極では両側接触し、陰極では片側接触している抵抗マッチング層を有する、また有しないOLEDコンポーネントの比較の図である。
【図7a】さまざまな電流強度に関して抵抗マッチング層および対称的接触を有するOLEDコンポーネントにおけるポテンシャル・プロファイルを示す図である。
【図7b】さまざまな電流強度に関して抵抗マッチング層および対称的接触を有するOLEDコンポーネントの輝度を示す図である。
【図8】抵抗マッチング層の抵抗値の無作為化された偏差を有するOLEDコンポーネントの輝度分布を示す図である。
【図9】本発明による第1の矩形のOLEDコンポーネントの斜視図である。
【図10】本発明による第2の矩形のOLEDコンポーネントの斜視図である。
【図11】本発明による第3の矩形のOLEDコンポーネントの斜視図である。
【図12】本発明による第4の矩形のOLEDコンポーネントの斜視図である。
【図13】本発明による第1の丸形のOLEDコンポーネントの斜視図である。
【図14】本発明による第2の丸形のOLEDコンポーネントの斜視図である。
【図15】図14のOLEDコンポーネントの断面図である。
【図16】図14のOLEDコンポーネントの平面図である。
【図17】本発明による鋭角のOLEDコンポーネントの斜視図である。
【図18】抵抗マッチング層のない図17のOLEDコンポーネントの等価抵抗回路網の図である。
【図19】抵抗マッチング層のある図17のOLEDコンポーネントの等価抵抗回路網の図である。
【図20】本発明による第1の基板の斜視図である。
【図21】本発明による第2の基板の斜視図である。
【図22】本発明による第3の基板の斜視図である。
【図23】本発明による第4の基板の斜視図である。
【図24】楕円形OLEDコンポーネントの断面図である。
【図25】図24のOLEDコンポーネントの平面図である。
【符号の説明】
【0150】
10 電圧源
20 ターミナル線
100 OLEDコンポーネント
110 基板
121、122 電極層
130 正孔輸送層
140 電界発光層
151〜154 接触部
202〜208 矩形設計を使用する本発明によるOLEDコンポーネント
210 基板
221、222 電極層
230 正孔輸送層
232、234 補正された正孔輸送層
240 電界発光層
251〜254 接触部
262、264 抵抗マッチング層
310 未補正コンポーネントに対する陽極層に沿ったポテンシャル・プロファイル
320 未補正コンポーネントに対する陰極層に沿ったポテンシャル・プロファイル
330 未補正コンポーネントに対する電極層に沿った位置の関数としての層平面に対し横方向の電流強度のプロファイル
370 ±5%だけ摂動された補正抵抗値またはOLED特性に対する輝度プロファイル
380 摂動された輝度プロファイルの平均値
390 統計的平均
410 補正されたコンポーネントに対する陽極層に沿ったポテンシャル・プロファイル
420 補正されたコンポーネントに対する陰極層に沿ったポテンシャル・プロファイル
430 補正されたコンポーネントに対する電極層に沿った位置の関数としての層平面に対し横方向の電流強度のプロファイル
502 電流強度を50mAとする補正されたコンポーネントに対するポテンシャル・プロファイル
504 電流強度を100mAとする補正されたコンポーネントに対するポテンシャル・プロファイル
506 電流強度を200mAとする補正されたコンポーネントに対するポテンシャル・プロファイル
508 電流強度を500mAとする補正されたコンポーネントに対するポテンシャル・プロファイル
512 電流強度を50mAとする補正されたコンポーネントに対する輝度プロファイル
514 電流強度を100mAとする補正されたコンポーネントに対する輝度プロファイル
516 電流強度を200mAとする補正されたコンポーネントに対する輝度プロファイル
518 電流強度を500mAとする補正されたコンポーネントに対する輝度プロファイル
600 丸形設計のOLEDコンポーネント
610 基板
621、622 電極層
634 補正された正孔輸送層
640 電界発光層
651、652 接触部
700 丸形設計のOLEDコンポーネント
710 基板
721、722 電極層
734 補正された正孔輸送層
740 電界発光層
751、752 接触部
802〜808 矩形設計を使用する本発明によるOLEDコンポーネント
810 基板
821 電極層
830 正孔輸送層
832、834 補正された正孔輸送層
851、852 接触部
862、864 抵抗マッチング層
900 鋭角断面を持つOLEDコンポーネント
910 基板
921、922 電極層
930 正孔輸送層
964 抵抗マッチング層
940 電界発光層
951、952 接触部
〜A 陽極抵抗
〜K 陰極抵抗
〜R 局所層抵抗
〜I 局所電流強度
HTL,1〜RHTL,n 正孔輸送層の局所抵抗
EL,1〜REL,n 電界発光層の局所抵抗
陽極と陰極との間に印加される電圧
コンポーネントを通る全電流強度
〜R 抵抗マッチング層の局所抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気光学素子を生産する方法であって、
基板を備える工程と、
第1の電極層を施す工程と、
とりわけ少なくとも1つの電気光学的に使用可能な物質を含む、少なくとも1つの機能層を施す工程と、
第2の電極層を施す工程とを含み、
層平面に沿って少なくとも1つの水平方向に変化する前記層平面に垂直な方向に電気的抵抗を有する、少なくとも1つの抵抗マッチング層を施す工程を特徴とする方法。
【請求項2】
有機電気光学素子、とりわけ有機発光ダイオードを生産するための方法であって、少なくとも1つの機能層を施すことは、少なくとも1つ有機電気光学物質を含む少なくとも1つの層を施すことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
エレクトロクロミック素子を生産するための方法であって、少なくとも1つの機能層を施すことは、少なくとも1つのエレクトロクロミック層を施すことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記エレクトロクロミック層は、WO、NiO、VO、および/またはNbOを含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの機能層を施すことは、少なくとも1つの光起電力層を施すことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの機能層は、少なくとも1つのドープ半導体層、とりわけ、pドープ半導体層およびnドープ半導体層を有する二層システムを含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
さらに、第1の電極層と第2の電極層との間に電圧を印加またはタップするために前記第1および第2の電極層のエッジ領域内に接触表面を施すことを含む請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
方法であって、
前記電気光学素子の少なくとも1つの表面の機能分布を指定する工程と、
前記電気光学素子の動作電圧を指定する工程と、
前記第1の電極層と第2の電極層との間に指定された動作電圧±10%の値を持つ電圧が印加されたときに前記電気光学素子の前記少なくとも1つの表面が本質的に指定された機能分布を有するように前記少なくとも1つの抵抗マッチング層を施す工程とを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記電気光学素子の光出および/または光入表面が本質的に一様な機能分布を有するように前記少なくとも1つの抵抗マッチング層を施すことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記機能分布は、輝度分布である請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記層平面に垂直な方向の前記抵抗マッチング層の前記抵抗は、前記層平面の少なくとも一点において最小であり、前記少なくとも一点から少なくとも1つの水平方向に前記層の前記エッジに向かって本質的に増大する請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記層平面に垂直な方向の前記抵抗マッチング層の前記抵抗は、前記層平面の少なくとも一点において最小であり、前記少なくとも一点から少なくとも1つの水平方向で前記少なくとも一点から前記層の前記エッジに向かって本質的に距離の二乗に比例して増大する請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記層平面に垂直な方向の前記抵抗マッチング層の前記抵抗は、本質的に
【数1】

に比例する前記層平面に沿って少なくとも1つの水平方向のプロファイルを有し、
ただし、式中、
A:前記陽極として備えられている電極層の一様な表面抵抗であり、
K:前記陰極として備えられている前記電極層の一様な表面抵抗であり、
r:前記層平面内の突出した点または突出した曲線までの前記層平面に沿った距離であり、ただし、前記層平面に垂直な方向の前記抵抗マッチング層の前記抵抗は前記突出した点で、または前記突出した点に沿って最小であり、
n:n>0、とりわけn=2の指数であり、
m:前記電極抵抗の相対的重み、とりわけm=1である請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記層平面に垂直な方向の前記抵抗マッチング層の前記抵抗は、本質的に式
【数2】

で記述される前記層平面に沿って少なくとも1つの水平方向のプロファイルを有し、ただし、式中、
R:前記層平面に垂直な方向の前記抵抗マッチング層の局所電気的抵抗であり、
A:前記陽極として備えられている電極層の一様な表面抵抗であり、
K:前記陰極として備えられている前記電極層の一様な表面抵抗であり、
r:前記層平面内の突出した点または突出した曲線までの前記層平面に沿った距離であり、ただし、前記層平面に垂直な方向の前記抵抗マッチング層の前記抵抗は前記突出した点で、または前記突出した点に沿って最小であり、
、C:距離rとは無関係の定数であり、
n:n>0、とりわけn=2の指数であり、
m:前記電極抵抗の相対的重み、とりわけm=1である請求項1乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの抵抗マッチング層を施すことは、流体コーティング物質を施すことを含む請求項1乃至14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記流体コーティング物質を施すことは、スピン・コーティングまたはディップ・コーティングを使って実行される請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記流体コーティング物質を施すことは、
コンピュータ制御印字ヘッドを使って、とりわけインクジェット印字ヘッドを使って印刷する工程、
フレキソ印刷またはグラビア印刷により印刷する工程、
スクリーン印刷により印刷する工程、または
マスクを通じてスプレーする工程のうちの少なくとも1つを含む請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの抵抗マッチング層を施すことは、物理的気相蒸着法、とりわけ蒸発またはスパッタリングによる、または化学気相蒸着法、とりわけプラズマ誘導化学気相蒸着法による層の蒸着を含む請求項1乃至17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの抵抗マッチング層を施すことは、異なる層厚さおよび/または異なる層組成および/または異なる層形態を持つ層領域を施すことを含む請求項1乃至18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの抵抗マッチング層を施すことは、物質ITO、SnO、InO、ZnO、TiO、a:C−H、ドープSi、PEDOT、PEDOT/PSS、PANI、アントラセン、Alq、TDP、CuPu、またはNPDのうちの少なくとも1つを施すことを含む請求項1乃至19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つの抵抗マッチング層は、正孔輸送層として施される請求項1乃至20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記第1および第2の電極層は、異なる仕事関数を有する請求項1乃至21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記第1および/または第2の電極層を施すことは、とりわけインジウム・スズ酸化物を含む、少なくとも部分的に透明な導電層を施すことを含む請求項1乃至22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記第1および/または第2の電極層を施すことは、金属層を施すことを含む請求項1乃至23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
少なくとも1つの正孔注入層および/または電子遮断層および/または正孔遮断層および/または電子輸送層および/または正孔輸送層および/または電子注入層を施す工程を特徴とする請求項1乃至24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
少なくとも1つのイオン輸送層および/または1つのイオン蓄積層を施す工程を特徴とする請求項1乃至25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
光吸収特性が前記層平面に沿って変化する光吸収層、とりわけ、無彩色光吸収層を施すことを特徴とする請求項1乃至26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記光吸収層を施すことは、
感光層を施す工程と、
感光層を露光する工程と、
感光層を現像する工程とを含む請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記電気光学素子は、発光素子として設計され、前記感光層は、特定の期間の間スイッチオン状態にすることにより露光され、これは、前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に特定の電圧を印加することによりオンにされる請求項27に記載の方法。
【請求項30】
少なくとも部分的に反射する層または少なくとも部分的に反射する層システムを施す工程を特徴とする請求項1乃至29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
少なくとも部分的に反射防止の層または少なくとも部分的に反射防止の層システムを施す工程を特徴とする請求項1乃至30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
電気光学素子であって、
基板と、
第1の電極層と、
少なくとも1つの機能層と、
第2の電極層とを備え、
層平面に沿って少なくとも1つの水平方向に変化する前記層平面に垂直な方向に電気的抵抗を有する、少なくとも1つの抵抗マッチング層を特徴とする請求項1乃至31のいずれか1項に記載の方法によりとりわけ生産される電気光学素子。
【請求項33】
有機電気光学素子、とりわけ有機発光ダイオードとして設計され、前記機能層は、少なくとも1つの有機電気光学物質を含む請求項32に記載の素子。
【請求項34】
エレクトロクロミック素子として設計され、前記少なくとも1つの機能層は、少なくとも1つのエレクトロクロミック層を含む請求項32に記載の素子。
【請求項35】
前記エレクトロクロミック層は、WO、NiO、VO、および/またはNbOを含む請求項34に記載の素子。
【請求項36】
前記少なくとも1つの機能層は、少なくとも1つの光起電力層を含む請求項32に記載の素子。
【請求項37】
前記少なくとも1つの機能層は、少なくとも1つのドープ半導体層、とりわけ、pドープ半導体層およびnドープ半導体層を有する二層システムを含む請求項32に記載の素子。
【請求項38】
前記第1および/または第2の電極層は、電圧を印加するか、または電圧をタップするために、前記エッジ領域内に接触面を有する請求項1乃至37のいずれか1項に記載の素子。
【請求項39】
前記素子の前記光出および/または光入表面は、指定された動作電圧±10%の値を持つ電圧が前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に印加されたときに特定の機能分布を有する請求項1乃至38のいずれか1項に記載の素子。
【請求項40】
前記素子の前記光出および/または光入表面は、本質的に一様な機能分布を有する請求項1乃至39のいずれか1項に記載の素子。
【請求項41】
前記機能分布は、輝度分布である請求項1乃至40のいずれか1項に記載の素子。
【請求項42】
前記層平面に垂直な方向の前記抵抗マッチング層の前記抵抗は、前記層平面の少なくとも一点において最小であり、前記少なくとも一点から少なくとも1つの水平方向に前記層のエッジに向かって本質的に増大する請求項1乃至41のいずれか1項に記載の素子。
【請求項43】
前記層平面に垂直な方向の前記抵抗マッチング層の前記抵抗は、前記層平面の少なくとも一点において最小であり、前記少なくとも一点から少なくとも1つの水平方向で前記少なくとも一点から前記層の前記エッジに向かって本質的に距離の二乗に比例して増大する請求項1乃至42のいずれか1項に記載の素子。
【請求項44】
前記層平面に垂直な方向の前記抵抗マッチング層の前記抵抗は、本質的に
【数3】

に比例する前記層平面に沿って少なくとも1つの水平方向のプロファイルを有し、ただし、式中、
A:前記陽極として備えられている電極層の一様な表面抵抗であり、
K:前記陰極として備えられている前記電極層の一様な表面抵抗であり、
r:前記層平面内の突出した点または突出した曲線までの前記層平面に沿った距離であり、ただし、前記層平面に垂直な方向の前記抵抗マッチング層の前記抵抗は前記突出した点で、または前記突出した点に沿って最小であり、
n:n>0、とりわけn=2の指数であり、
m:前記電極抵抗の相対的重み、とりわけm=1である請求項1乃至43のいずれか1項に記載の素子。
【請求項45】
前記層平面に垂直な方向の前記抵抗マッチング層の前記抵抗は、本質的に式
【数4】

で記述される前記層平面に沿って少なくとも1つの水平方向のプロファイルを有し、ただし、式中、
R:前記層平面に垂直な方向の前記抵抗マッチング層の局所電気的抵抗であり、
A:前記陽極として備えられている電極層の一様な表面抵抗であり、
K:前記陰極として備えられている前記電極層の一様な表面抵抗であり、
r:前記層平面内の突出した点または突出した曲線までの前記層平面に沿った距離であり、ただし、前記層平面に垂直な方向の前記抵抗マッチング層の前記抵抗は前記突出した点で、または前記突出した点に沿って最小であり、
、C:距離rとは無関係の定数であり、
n:n>0、とりわけn=2の指数であり、
m:前記電極抵抗の相対的重み、とりわけm=1である請求項1乃至44のいずれか1項に記載の素子。
【請求項46】
前記少なくとも1つの抵抗マッチング層は、流体コーティング物質を使って施される請求項1乃至45のいずれか1項に記載の素子。
【請求項47】
前記少なくとも1つの抵抗マッチング層は、スピン・コーティングまたはディップ・コーティングを使って施される請求項46に記載の素子。
【請求項48】
前記少なくとも1つの抵抗マッチング層は、
インクジェット印刷ヘッドを使った印刷、
フレキソ印刷またはグラビア印刷による印刷、
スクリーン印刷による印刷、または
マスクを通してのスプレーにより施される請求項46に記載の素子。
【請求項49】
前記少なくとも1つの抵抗マッチング層は、物理的気相蒸着法、とりわけ蒸発またはスパッタリングにより、または化学気相蒸着法、とりわけプラズマ誘導化学気相蒸着法により施される請求項1乃至48のいずれか1項に記載の素子。
【請求項50】
前記少なくとも1つの抵抗マッチング層は、異なる層厚さおよび/または異なる層組成および/または異なる層形態を持つ領域を含む請求項1乃至49のいずれか1項に記載の素子。
【請求項51】
前記少なくとも1つの抵抗マッチング層は、物質ITO、SnO、InO、ZnO、TiO、a:C−H、ドープSi、PEDOT、PEDOT/PSS、PANI、アントラセン、Alq、TDP、CuPu、またはNPDのうちの少なくとも1つを含む請求項1乃至50のいずれか1項に記載の素子。
【請求項52】
前記少なくとも1つの抵抗マッチング層は、正孔輸送層として設計される請求項1乃至51のいずれか1項に記載の素子。
【請求項53】
前記第1および第2の電極層は、異なる仕事関数を有する請求項1乃至52のいずれか1項に記載の素子。
【請求項54】
前記第1および/または第2の電極層は、少なくとも部分的に透明であり、とりわけインジウム・スズ酸化物を含む請求項1乃至53のいずれか1項に記載の素子。
【請求項55】
前記第1および/または第2の電極層は、金属層として設計される請求項1乃至54のいずれか1項に記載の素子。
【請求項56】
少なくとも1つの正孔注入層および/または電子遮断層および/または正孔遮断層および/または電子輸送層および/または正孔輸送層および/または電子注入層を特徴とする請求項1乃至55のいずれか1項に記載の素子。
【請求項57】
少なくとも1つのイオン輸送層および/または1つのイオン蓄積層を特徴とする請求項1乃至56のいずれか1項に記載の素子。
【請求項58】
光吸収特性が前記層平面に沿って変化する光吸収層、とりわけ、無彩色光吸収層を特徴とする請求項1乃至57のいずれか1項に記載の素子。
【請求項59】
少なくとも部分的に反射する層または少なくとも部分的に反射する層システムを特徴とする請求項1乃至58のいずれか1項に記載の素子。
【請求項60】
少なくとも部分的に反射防止の層または少なくとも部分的に反射防止の層システムを特徴とする請求項1乃至59のいずれか1項に記載の素子。
【請求項61】
光出および/光入表面の本質的に対称的な、とりわけ矩形、丸形、または卵形の形状を特徴とする請求項1乃至60のいずれか1項に記載の素子。
【請求項62】
自由な非対称形状を有する光出および/または光入表面を特徴とする請求項1乃至61のいずれか1項に記載の素子。
【請求項63】
少なくとも1つの鋭角領域を備える光出および/または光入表面を特徴とする請求項61および62のいずれか1項に記載の素子。
【請求項64】
方法であって、
基板を備える工程と、
少なくとも1つの電極層を施す工程と、
前記層平面に沿って水平方向に変化する前記層平面に垂直な方向に電気的抵抗を有する、少なくとも1つの抵抗マッチング層を前記基板上に施す工程とを含み、
前記電極層の少なくとも1つの部分表面は、接触面として備えられ、前記抵抗マッチング層の前記抵抗プロファイルは、前記電極層の前記表面抵抗および前記少なくとも1つの接触表面の配列に依存する、コーティングされた基板を生産するための方法。
【請求項65】
前記少なくとも1つの電極層を施すことは、とりわけインジウム・スズ酸化物を含む、少なくとも部分的に透明な導電層を施すことを含む請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記層平面に沿って水平方向で変化する前記層平面に垂直な方向で電気的抵抗を有する、少なくとも1つの電極層および1つの抵抗マッチング層を特徴とする請求項64および65のいずれか1項に記載の方法によりとりわけ生産される、電気光学素子を生産するためのコーティングされた基板。
【請求項67】
前記基板は、ガラス、とりわけソーダ石灰ガラス、ガラスセラミック、および/またはプラスチック、とりわけバリアコーティング・プラスチック、またはそれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項66に記載のコーティングされた基板。
【請求項68】
前記電極層は、少なくとも部分的に透明であり、とりわけインジウム・スズ酸化物を含む請求項1乃至67のいずれか1項に記載のコーティングされた基板。
【請求項69】
電気光学素子、とりわけ光起電力素子、フォトクロミック素子、光電子センサ、OLED、またはPLEDを生産するための請求項66乃至68のいずれか1項に記載の基板の使用。
【請求項70】
電気光学素子を使用することであって、
発光手段として、または
照明手段として、または
サイン・パネルまたは発光パネルとして、または
可変標識板として、または
スイッチまたはセンサ照明として、または
高解像度または低解像度ディスプレイとして、または
デジタルポスター画面または広告パネルとして、または
照明床またはライト・デスクにおいて、または
周囲照明用の光表面として、または
ディスプレイの背景照明用、または
特殊照明用、特に顕微鏡において、
信号伝達または照明用、特に自動車、航空、海事、または家庭部門において、
光起電力素子として、
光電子センサとして、
液晶素子として、
エレクトロクロミック窓素子として、または
エレクトロクロミック鏡として、請求項32乃至63のいずれか1項に記載の電気光学素子を使用すること。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公表番号】特表2008−529205(P2008−529205A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−551620(P2007−551620)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【国際出願番号】PCT/EP2006/000502
【国際公開番号】WO2006/077136
【国際公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(504299782)ショット アクチエンゲゼルシャフト (346)
【氏名又は名称原語表記】Schott AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr.10,D−55122 Mainz,Germany
【Fターム(参考)】