説明

電気光学装置及び電子機器

【課題】 有機EL装置等の電気光学装置において、画素部の輝度バラツキを低減する。
【解決手段】 形成領域81の複数の凹部71に有機EL材料を塗布することにより、各発光部80を構成する有機EL層50の膜厚を各発光部80内の夫々で、平均化できる。これにより、画素部70に対応する画素領域間における輝度ムラを低減でき、高品位の画像を表示できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、塗布法で形成されるEL装置等の電気光学装置及びこれを備えた電子機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
EL装置等の電気光学装置では、画素領域内における発光層の膜厚バラツキは画素領域内の輝度バラツキの原因の一つになる。よって、EL装置等の電気光学装置では、一つの画素領域内における有機・無機EL材料の塗布ムラ或いは蒸着ムラを解消するために、発光材料の塗布工程或いは蒸着工程で各種工夫がなされている。
【0003】
また、EL装置等の電気光学装置の画質を向上させることを目的として、塗布ムラ或いは蒸着ムラに限定されることなく様々な観点から電気光学装置の改良が検討されている。例えば、特許文献1は、製造工程の観点から輝度ムラを改善する技術を提供している。より具体的には、特許文献1は、画素部が発光しない原因の一つであるダークスポットの進行を抑制する技術を開示している。ダークスポットとは、有機層にその膜厚と同程度若しくはそれ以上のサイズのゴミが有機層成膜前にその下層に付着していた場合に、有機層の上層の電極と下層の電極とが短絡することによって生じる欠陥であり、この欠陥を含む画素部は電流を供給しても発光することがなく、画像表示領域内の他の領域より暗い点として表示される。特許文献1に開示された技術によれば、欠陥が生じた部分、即ちゴミが付着した部分をレーザリペア装置によって焼き切り、画素分割構造体によりその周辺の有機層と下層電極との剥離の進行を防ぐことを可能にしている。
【0004】
特許文献2は、画素部の駆動回路、即ちトランジスタ回路の構成の観点から画質の向上を可能にする技術を開示している。より具体的には、特許文献2に開示された技術は、隣接する2つ以上の単位画素で表示画素を構成し、単位画素毎にトランジスタのゲート電極長さと幅の比とを異なるように構成している点に特徴を有する。これにより、特許文献2に開示された技術は、検定電流回路を用いた駆動回路において、トランジスタ等スイッチング素子の特性バラツキの影響や素子サイズの増大等の問題を解決し、良好な階調表示及びカラー表示を可能にしている。
【0005】
特許文献3は、ピンホールを含む素子の正常な点灯及び消灯を可能にするために、画素部の構成及び駆動方法の観点から画質の向上を図っている。より具体的には、特許文献3に開示された技術によれば、画素領域内に複数の副画素を有し、且つこれら副画素に複数の配線を介して同一の信号を供給している。
【0006】
【特許文献1】特開2000−195677号公報
【特許文献2】特開2002−287664号公報
【特許文献3】特開2001−257080号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、塗布法によって発光材料が塗布されるEL装置では、各画素領域内における発光層の膜厚バラツキが大きくなり、これに伴い各画素領域内の輝度ムラが増大してしまう問題点がある。特に、画素領域或いは複数の画素領域を備える画像表示領域の面積を大きくした場合、発光層の膜厚を均一にすることは困難であり、各画素部で均一の輝度を得ることが難しい問題点がある。更に、画質を向上させるために解像度を高めた場合、すべての画素領域内に夫々均一な膜厚を有する発光層を形成することが難しいうえ、発光層が薄いことによって画素領域内の陽極及び陰極が導通した部分を含む発光層は発光層として機能しなくなる問題点がある。
【0008】
特許文献1乃至3は、画素毎に所望の輝度表示を可能にすること、或いは欠陥を低減することに着眼した技術を開示しているが、画素領域内の輝度ムラを低減することに対する問題意識が見られない。更に、特許文献1乃至3に開示された技術によれば、画素部及び駆動回路の構成が煩雑になることに加え、これら構成を作り込むための製造工程も装置構成同様に煩雑になり、製造プロセスにおける装置の歩留まりの低下を招く問題点がある。
【0009】
よって、本発明は上記問題点等に鑑みてなされたものであり、例えば、歩留まりを向上させつつ、画素領域内の輝度ムラを低減できるEL装置等の電気光学装置及びこれを備えた電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る電気光学装置は上記課題を解決するために、画像表示領域を構成する複数の画素領域の各々内に設けられた複数の凹部を規定する隔壁部と、前記複数の凹部の各々内に塗布された発光材料からなる発光部と、前記発光部を発光させる駆動手段とを備える。
【0011】
本発明に係る電気光学装置によれば、画素領域内に設けられた複数の凹部に発光材料を塗布することによって、画素領域内に複数の発光部が設けられていることになり、これら発光部を駆動手段によって発光させることによって各画素領域内における輝度ムラを低減できる。より具体的には、画素領域内に複数形成された発光部は、例えば画素領域内における複数のサブ画素部を夫々構成し、これら複数のサブ画素部を発光させることによって各画素領域内における輝度ムラを低減できる。
【0012】
画素領域内の発光部の厚みにバラツキが生じていた場合でも、各画素領域内では複数のサブ画素間の輝度ムラが平均化され、複数の画素領域間で輝度を均一化することが可能になる。例えば輝度が高いサブ画素部や輝度が低いサブ画素部が存在しても、一つの画素領域内では平均化されるので、サブ画素部の輝度の高さや低さがそのまま、一つの画素領域における輝度の高さや低さとなることはない。よって、画素領域間で輝度のバラツキは、数学的或いは統計学的に考えて、サブ画素部間における輝度のバラツキと比べて顕著に低減されることになる。特に、視聴者により視認される単位は、画素領域の単位であるので、各画素領域における輝度は、平均化された輝度ということになり、その最大値や最小値は関係ない。仮に、サブ画素部なる構成が存在しないとすれば、輝度が高い画素部や輝度が低い画素部が存在する場合、そのまま画素部の輝度の高さや低さが一つの画素領域における輝度の高さや低さになってしまう。よって、画素領域間での輝度の相異が顕著になってしまうのである。特に、視聴者により視認される単位は、画素領域の単位であるので、画素領域における輝度の最大値や最小値が直接に輝度ムラにつながる訳である。加えて特に、同一画素領域内のサブ画素部では全て同一色で発光する構成を採れば、同一画素領域内におけるサブ画素部間の輝度のバラツキが、画素領域間における輝度ムラにつながることは殆どない。
【0013】
尚、本発明の「発光部」とは、発光層のみを含む場合、或いは発光層を挟むように形成された正孔注入層及び電子注入層等を含む場合の両方の構造を含む意味である。したがって、例えば発光部がこれら複数の層からなる多層構造を有している場合でも、複数の画素領域間における輝度が均一化される。
【0014】
また、一つの画素領域内に複数の凹部を具体的に幾つ設けるかについては、このような本発明の効果たる平均化された輝度における均一性を確保する観点から決定すればよい。基本的に、同一画素領域内における輝度ムラの分布は、例えばガウス分布を呈するので、各画素領域内に、より多数の凹部を設ければ設ける程、複数の画素領域間における平均輝度の相異が低減され、よって輝度ムラが低減されることになる。従って、要求される輝度の均一性や装置仕様に応じて且つ製造技術における凹部をパターニングする際の実践的な解像度に応じて、実験的、経験的、シミュレーション、理論的、数学的等に、一つの画素領域内に具体的に幾つの凹部を設ければよいかを決定すればよい。
【0015】
このように、本発明に係る電気光学装置は、上述の特許文献1乃至3に記載された技術から発想を転換し、逆に、画素領域内に発光材料を均一に塗布するのではなく、画素領域内を複数の発光部、即ちサブ画素部に分割する本願発明者の発想に基づいてなされたものである。本発明に係る電気光学装置によれば、従来の塗布法をそのまま用いて発光部を形成した場合でも、画素領域内の輝度ムラが低減された高画質の画像を表示でき、歩留まりに優れた高性能の電気光学装置を提供することが可能である。
【0016】
本発明に係る電気光学装置の一の態様においては、前記隔壁部は、テーパ形状を有していてもよい。
【0017】
この態様によれば、発光材料を各凹部に均一の膜厚を有するように塗布できる。ここで、本発明の「テーパを有する」とは、例えば、基板の基板面に交わる方向で切った断面における隔壁部の形状がテーパ形状であることを意味する。更に、テーパは、下側の幅より上側の幅が狭い順テーパでもよいし、その逆の形状である逆テーパでもよい。発光材料をより均一に塗布するためには、逆テーパより順テーパがより好ましい。また、テーパを有さなくとも、本発明による前述の作用効果は、相応に奏される。
【0018】
本発明に係る電気光学装置の他の態様においては、前記駆動手段は、前記複数の画素領域のうち同一画素領域に係る前記発光部をまとめて発光させてもよい。
【0019】
この態様によれば、同一画素領域内に係る発光部をまとめて発光させることにより、例えば画素領域毎に発光させるための駆動回路等の構成を大きくすることなく、画素領域内の輝度ムラを低減できる。本発明の「同一画素領域」とは、例えば、基板上の複数の画素領域のうち任意の画素領域を指し、駆動手段は任意の画素領域内に含まれる複数の発光部をまとめて発光させる。これにより、複数の発光部毎の輝度にバラツキがあった場合でも、これら複数の発光部を含む任意の画素領域内では輝度を一定に維持できる。これにより、これら複数の画素領域から構成される画像表示領域全体で高画質の画像を表示することが可能になる。
【0020】
この態様においては、前記駆動手段は、前記複数の画素領域の各々に対して一つずつ設けられた複数の画素電極を含み、前記同一画素領域に係る前記発光部は、前記複数の画素電極のうち同一画素電極に共通に接続されていてもよい。
【0021】
この態様によれば、画素領域に含まれる複数の発光部を共通の画素電極を介して発光させることができる。したがって、駆動手段を煩雑な構成にすることなく、発光部を発光させることが可能になる。より具体的には、例えば、駆動電流が供給されることによって発光する発光部のうち同一画素領域に含まれる発光部にまとめて駆動電流及び各種信号を供給できる。
【0022】
この態様においては、前記発光部は、前記画素電極の表面に形成されており、前記隔壁部の前記発光材料に対する親和性は、前記画素電極の前記発光材料に対する親和性より低くてもよい。
【0023】
この態様によれば、発光部の厚みバラツキを低減でき、画素領域内の輝度ムラをより効果的に低減することが可能である。本発明の「親和性」とは、発光材料を塗布した際に、発光材料及び発光材料が塗布される塗布表面等とのなじみ具合を意味し、より具体的には濡れ性を指す。発光材料及び隔壁部間の親和性が発光材料及び画素電極間の親和性より低い場合には、画素電極表面に均一な厚みの発光部を形成できる。
【0024】
本発明に係る電気光学装置の他の態様においては、前記発光部は、前記同一画素領域内において均一に分散するように配置されていてもよい。
【0025】
この態様によれば、発光部の位置のバラツキによって生じる画素領域内の輝度ムラを低減できる。本発明の「均一に分散するように」とは、数学的や光学的等に均一に配置されている場合を意味し、より具体的には、例えば発光部が互いに等間隔で画素領域に配置されている場合や、視聴者により隣接画素間の干渉像を視認されないように配置されている場合を意味する。このような配置としては、例えば発光部が画素領域内に仮想的に形成された格子の格子点に位置する場合等が挙げられる。このような発光部の配置により、画素領域内における輝度ムラをより効果的に低減できる。また、このように発光部が同一画素領域内において均一に分散するように配置されていれば、同一画素領域内における凹部の個数を減らすことも可能である。逆に言えば、同一画素領域内における凹部の個数が多ければ、同一画素領域内において要求される発光部の分布の均一性は、相対的には低くてよい。
【0026】
本発明に係る電気光学装置の他の態様においては、前記凹部は、前記隔壁部によって規定されており、互いに同一の大きさを有していてもよい。
【0027】
この態様によれば、発光効率が異なった発光材料を用い、カラー表示等の電気光学装置を製造する際、例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色の光が発生する各画素の表示面積を異なるように形成しても、膜厚が同じで発光輝度の均一性に優れた電気光学装置を得ることが出来る。例えばインクジェット法を用いて発光材料を塗布する際には、異なる色の光が発生する各画素の大きさに合わせて液滴の大きさ、即ち、インクの塗布量を変化させて塗布を行う。通常発光材料の乾燥後には各画素間で膜厚が不均一となり、輝度ムラの原因となる場合が多いが、本発明に係る電気光学装置によれば、各画素内に設けられた複数の凹部を全て同一の大きさとし、全ての塗布条件、より具体的には例えば液滴の大きさを同一にすれば、膜厚の均一性に優れた電気光学装置を提供できる。
【0028】
本発明に係る電気光学装置の他の態様においては、前記発光材料は、EL材料を含んでいてもよい。
【0029】
この態様によれば、例えば、通常塗布法によって形成される有機EL層の膜厚バラツキが画素領域内で大きい場合でも、画素領域内の輝度バラツキを低減できる。したがって、従来の塗布法によって、例えば有機EL材料を複数の凹部に塗布した場合でも画素領域内の輝度バラツキを低減できる。尚、本発明に係る「EL材料」は、有機EL材料及び無機EL材料のどちらであってもよく、塗布法によって成膜可能な発光材料であればよい。
【0030】
本発明に係る電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置を備えている。
【0031】
本発明に係る電子機器によれば、上述した本発明に係る電気光学装置を具備してなるので、高品位の表示が可能な、投射型表示装置、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明に係る電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置等も実現することが可能である。更には電気光学装置を露光用ヘッドとして用いたプリンタ、コピー、ファクシミリ等の画像形成装置などの各種電子機器を実現できる。
【0032】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、図面を参照しながら本発明に係る電気光学装置及び電子機器の各態様を説明する。
【0034】
先ず、図1を参照しながら本発明に係る電気光学装置の一態様である有機EL装置1の構成を説明する。図1は、有機EL装置1の電気的な接続構成を示すブロック図である。
【0035】
図1において、有機EL装置1は、駆動回路内蔵型のアクティブマトリクス駆動方式で駆動される表示装置であり、各画素部70に有機EL素子72を備えている。有機EL装置1における画像表示領域110には、縦横に配線されたデータ線114及び走査線112が設けられており、それらの交点に対応する各画素部70はマトリクス状に配列される。更に、画像表示領域110には各データ線114に対して配列された画素部70に対応する電源供給線117が設けられている。
【0036】
画像表示領域110の周辺に位置する周辺領域には、走査線駆動回路130及びデータ線駆動回路150が設けられている。走査線駆動回路130は複数の走査線112に走査信号を順次供給する。データ線駆動回路150は、画像表示領域110に配線されたデータ線114に画像信号を供給する。尚、走査線駆動回路130の動作とデータ線駆動回路150の動作とは、外部回路から供給される同期信号160によって相互に同期が図られる。電源供給線117には、外部回路から画素駆動用電源が供給される。図1中、一つの画素部70に着目すれば、画素部70には、有機EL素子72が設けられると共に、例えばTFTを用いて構成されるスイッチング用トランジスタ76及び駆動用トランジスタ74、並びに保持容量78が設けられている。後述するように、本実施形態の有機EL素子72は、複数の発光部を備えている。スイッチング用トランジスタ76のゲート電極には走査線112が電気的に接続されており、スイッチング用トランジスタ76のソース電極にはデータ線114が電気的に接続され、スイッチング用トランジスタ76のドレイン電極には駆動用トランジスタ74のゲート電極が電気的に接続されている。駆動用トランジスタ74のソースドレイン電極には、電源供給線117が電気的に接続されており、駆動用トランジスタ74のドレインソース電極には有機EL素子72の陽極が電気的に接続されている。尚、図1に例示した画素部70の画素回路の構成の他にも、電流プログラム方式の画素回路、電圧プログラム方式の画素回路、電圧比較方式の画素回路、サブフレーム方式の画素回路等の各種方式の画素回路を採用することが可能である。
【0037】
次に、図2乃至図3を参照しながら画素部70の構成を詳細に説明する。図2は画素部70の構成の一例を示す平面図である。図3は、図2のA−A´線断面図である。尚、図2及び図3においては、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。図2では、説明の便宜上図3に示す陰極49を省略し、図3では有機EL素子72を封止する封止基板の図示を省略している。
【0038】
図2及び図3において、画素部70は、有機EL素子72、駆動用トランジスタ74、スイッチング用トランジスタ76及び保持容量78を備えて構成されている。例えば透明樹脂やガラス基板等の透明部材により構成される基板10上には、スイッチング用トランジスタ76及び駆動用トランジスタ74の半導体層3が形成されている。半導体層3は例えば低温ポリシリコン技術を用いて形成されている。半導体層3上には、半導体層3を埋め込んで、スイッチング用トランジスタ76及び駆動用トランジスタ74のゲート絶縁層2が形成されている。ゲート絶縁層2上に、駆動用トランジスタ74のゲート電極3a及び走査線112が形成されている。走査線112の一部は、スイッチング用トランジスタ76のゲート電極として形成されている。ゲート電極3a及び走査線112は、Al(アルミニウム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、Ti(チタン)、銅(Cu)等のうち少なくとも一つを含む金属材料を用いて形成されている。
【0039】
走査線112や駆動用トランジスタ74のゲート電極3aを埋め込んで、ゲート絶縁層2上には層間絶縁層41が形成されている。層間絶縁層41及びゲート絶縁層2は例えばシリコン酸化膜から構成されている。
【0040】
層間絶縁層41上には、例えばアルミニウム(Al)又はITO(Indium Tin Oxide)を含む導電材料から夫々構成される、データ線114及び電源供給線117、更には駆動用トランジスタ74のドレイン電極42が形成されている。層間絶縁層41には、層間絶縁層41の表面から層間絶縁層41及びゲート絶縁層2を貫通して、駆動用トランジスタ74の半導体層3に至るコンタクトホール501及び502が形成されている。図3に示すように、電源供給線117及びドレイン電極42を構成する導電膜は、コンタクトホール501及び502の各々の内壁に沿って半導体層3の表面に至るように連続的に形成されている。
【0041】
保持容量78の下部容量電極は、走査線112と同一の層に、例えば同様の材料を用いて形成され、電源供給線117の一部が保持容量78の上部容量電極として形成されている。層間絶縁層41は誘電体膜として形成されており、層間絶縁層41の一部分が下部容量電極及び上部容量電極の間に挟持される。
【0042】
層間絶縁層41上には、電源供給線117及びドレイン電極42を埋め込んで、保護層45として例えばシリコン窒化膜(SiN)が形成されている。保護層45上には、例えばシリコン酸化膜よりなる第1バンク層46が形成され、更に第1バンク層46上に第2バンク層47が形成されている。
【0043】
有機EL素子72は、複数の発光部80、本発明に係る「隔壁部」の夫々一例である第1バンク層46及び第2バンク層47、並びに陽極34、及び陰極49を備えて構成されている。
【0044】
第1バンク層46及び第2バンク層47は、有機EL素子72における形成領域81で複数の発光部80を形成するための凹部71を規定する。第1バンク層46及び第2バンク層47は、図中上側に向かって先細りとなるテーパ形状を有しており、第1バンク層46及び第2バンク層47に囲まれている。有機EL層50は、第2バンク層47の上面より窪んだ凹部71に形成されている。有機EL層50を形成する際には、例えば、インクジェット法等の塗布法によって有機EL材料を含むインクを塗布する。第1バンク層46及び第2バンク層47がテーパ形状を有していることにより、第1バンク層46及び第2バンク層47で囲まれた凹部71に有機EL材料が自己形成的に塗布され、有機EL層50を複数の発光部80に均一の膜厚で塗布することが可能である。これにより有機EL層50の乾燥後の膜厚を一定にすることが可能である。ここで、「自己形成的に」とは、有機EL素子72の全体に渡って連続した有機EL層を形成する場合に比べて、形成領域81を細かく区切った複数の凹部71に有機EL材料を塗布することにより、各発光部80を構成する有機EL層50の膜厚を各発光部80内の夫々で均一にできることを意味する。したがって、各発光部80に含まれる有機EL層50の膜厚が過剰に薄くなることを抑制でき、有機EL層50が薄すぎることによって陰極49及び陽極34間が導通することを抑制することが可能である。その結果、複数の発光部80のうち発光しない発光部或いは発光時の輝度が不十分な発光部の個数を低減でき、有機EL層50の膜厚バラツキによって生じる有機EL素子72の輝度の低下を抑制することが可能である。
【0045】
発光部80を構成する有機EL層50は、無機EL材料を凹部71にインクジェット法等の塗布法によって形成される無機EL層であってもよい。無機EL材料を用いて発光部80を形成する場合であっても、有機EL材料を用いて発光部80を形成する場合と同様の効果が得られる。また、第1バンク層46及び第2バンク層47の形状がテーパ形状である場合に限定されず、断面上において矩形状であってもよく、上述した有機EL層50の膜厚を均一に形成することに関して相応の効果があることは言うまでもない。
【0046】
発光部80は、図2に示すように、形成領域81内で格子状に配置されている。図中縦方向及び横方向に沿って隣接する発光部80間の間隔は夫々等しく、複数の発光部80は、形成領域81内で均一に分散するように配置されている。より具体的には、発光部80は、形成領域81内に2個から100個程度均一に配置されている。即ち、発光部80は形成領域81内に略等間隔で複数形成されていればよい。このように配置された発光部80を含む有機EL素子72によれば、画素部70における輝度ムラを低減することが可能である。より具体的には、複数の発光部80のうち有機EL装置1の駆動時に何らかの原因によって発光しない発光部80、即ち欠陥を有する発光部80が存在したとしても、この欠陥を有する発光部80に隣接する発光部80が、欠陥を有する発光部80が担うはずの輝度を補完し、一の画素部70内で輝度が均一化される。
【0047】
このように、有機EL素子72に含まれる複数の発光部80を一つの集合体として発光させることにより、画素部70全体で輝度ムラを低減でき、有機EL装置1の表示性能を向上させることが可能である。有機EL素子72を一つの発光部、即ち、分割されていない有機EL層で発光部を形成した場合には、製造プロセス等において発光部に生じた欠陥によって一つの有機EL素子72が発光しないことになり、有機EL装置1の歩留まりを低下させてしまうことになることになる。しかしながら、本実施形態に示すように有機EL素子72が複数の発光部80を備えていることにより、複数の発光部によって輝度を補完しあうことができる。これにより、複数の発光部のうち任意の個数の発光部が発光しない場合であっても、有機EL素子72、即ち画素部70は発光していることになり、一の画素部70を含む画素領域内の輝度ムラが低減される。本実施形態に係る有機EL装置1によれば、製造プロセスにおける歩留まりを向上させることが可能であることに加え、画像表示領域が大きい大画面の有機EL装置1の画質を高めることができる。
【0048】
本発明に係る「画素電極」の一例である陽極34は、有機EL層50の形成領域の保護層45上に、その表面が露出するように形成されている。陽極34は、透明性導電材料として例えばITOを用いて、有機EL層50の形成領域から延びてドレイン電極42の一部と重畳するように形成されている。陽極34は、有機EL素子72毎に設けられている。より具体的には、発光部80の形成領域81内に平面的に延在されており、一つの有機EL素子72に含まれる複数の発光部80のアノード側に共通に電気的に接続されている。したがって、画素部70を含む画素領域において、一の画素領域に形成された陽極34からこの一の画素領域に含まれる複数の発光部80にまとめて駆動電流が供給されることになる。即ち、走査線駆動回路及びデータ線駆動回路を含む駆動手段は、一の画素部70に含まれる複数の発光部80をまとめて発光させることが可能である。このように一つの画素部70に含まれる複数の発光部80にまとめて駆動電流を供給することによって、上述したように複数の発光部80が互いに輝度を補完するように発光し、画素部70内の輝度ムラを低減できる。
【0049】
陰極49は、図中上側、即ち有機EL層50のカソード側に電気的に接続されるように形成されている。陰極49は、有機EL装置1全体の画素部70で共通であり、各画素部70に含まれる有機EL素子72のカソード側に共通に接続されている。陰極49は、例えばアルミニウム(Al)を含む金属材料を用いて形成されるか、又はカルシウム(Ca)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ストロンチウム(SrF2)、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)等のうち少なくとも一つを含む金属材料を用いて形成された導電膜の積層膜として形成されている。
【0050】
発光部80が有する有機EL層50は、陽極34上に形成されている。有機EL層50は、例えば、発光層50a、正孔注入層又は正孔輸送層(以下適宜、正孔注入/輸送層と称する)50b、及び電子注入層又は電子輸送層(以下適宜、電子注入/輸送層と称する)50cを含む。有機EL層50において、例えば、基板10上に、正孔注入/輸送層50b、発光層50a、電子注入/輸送層50cは、この順に順次積層されている。尚、有機EL層50は、発光層50aのみを含むようにしてもよいし、発光層50aに加えて、正孔注入/輸送層50b及び電子注入/輸送層50cのいずれかを含むようにしてもよい。
【0051】
有機EL装置1の駆動時、走査線112を介して走査信号が供給されることにより、スイッチング用トランジスタ76がオン状態になる。スイッチング用トランジスタ76がオン状態となると、データ線114より画像信号が保持容量78に書き込まれる。この保持容量78に書き込まれた画像信号の電流に応じて、駆動用トランジスタ74の電気的な導通状態が決まる。駆動用トランジスタ74のチャネルを介して電源供給線117より、保持容量78に書き込まれた画像信号に応じた駆動電流が有機EL素子72の陽極34に供給されると、供給された駆動電流に応じて有機EL層50における発光層50aが発光する。これにより、画素部70に含まれる発光部80がまとめて発光する。本実施形態では、図3中、矢印Xで示すように、有機EL素子72で発生した光を基板10側から表示光として出射させるボトムエミッション型として、有機EL装置は構成されている。尚、有機EL素子72は、図中上側、即ち封止基板側から表示光を出射するトップエミッション型の有機EL素子であってもよい。
【0052】
次に、図4及び図5を参照しながら発光部のレイアウトの他の例を説明する。図4は発光部80aのレイアウトの一例を示す平面図であり、図5は発光部80bのレイアウトの他の例を示す平面図である。図2、図4及び図5で共通する部分については、共通の参照符号を付している。
【0053】
図4において、発光部80aの平面形状は矩形状であり、複数の発光部80aが有機EL素子72における形成領域81に千鳥格子状に配置されている。発光部80aを千鳥格子状に配置することによって、図2に示した発光部80と同様に一つの画素部内に均一に発光部が配置されていることになる。これにより、一の画素部を含む画素領域内で輝度ムラを低減できると共に有機EL装置の歩留まりを向上させることが可能である。
【0054】
図5において、複数の発光部80bは、有機EL素子72における形成領域81で蜂の巣構造を有する格子の各格子点に当たる位置に夫々配置されている。このような配置によれば、形成領域81内で隣接する発光部80b間の距離は、発光部80bが形成される面内方向で同一であり、図2及び図4に示した発光部の配置に比べてより画素領域内における輝度ムラを低減できる。また、発光部の平面形状は、図2及び図4に示したように矩形状である場合に限定されず、発光部80bのように円形であってもよいし、その他の形状であってもよいが、発光部は周囲に均一に光を出射することが望ましいため、発光部の平面形状は、その中心を基準として対称な形状であることが好ましい。
【0055】
尚、図4及び図5に示すように、各発光部80a及び80bは、互いに同一のサイズ及び形状、或いは同一に準じたサイズ及び形状に互いに形成されていてもよい。このような発光部80a及び80bによれば、有機EL層50の膜厚を均一にできる。より具体的には、例えば、第1バンク層46及び第2バンク層47によって規定される凹部71を互いに同一のサイズ及び形状に形成しておき、これら凹部71のサイズ及び形状に合わせて有機材料を含むインクを塗布すれば、凹部71に塗布されたインクの液滴を乾燥した後の有機EL層50の膜厚を均一にできる。また、全ての塗布条件、より具体的には例えば液滴の大きさを同一にこれにより、発光部80a及び80bにおける輝度バラツキをより効果的に低減することも可能である。
【0056】
次に、図6及び図7を参照しながら、凹部71に形成された有機EL層50の形状の変化を説明する。尚、図6及び図7においても、図2と共通する部分について共通の参照符号を付している。図6は有機EL材料が乾燥される前の有機EL層50の形状を示す断面図であり、図7は乾燥後の有機EL層50の形状を示す断面図である。尚、本実施形態では有機EL材料を例に挙げて説明するが、有機EL層50の形状の変化は無機EL材料を凹部71に塗布した場合でも有機EL材料を塗布した場合と同様に説明できる。
【0057】
図6において、凹部71に有機EL材料を含むインクを塗布することによって形成された液滴90は、有機EL材料を溶かし込んだ溶媒が蒸発していないため、表面張力によってドーム形状を有することになる。インクの塗布前において、陽極34の表面、凹部71の内壁、即ち第1バンク層46及び第2バンク層47には有機EL材料を含むインクとの親和性を高めるための親液化処理がなされている。より具体的には、例えばヘリウム及び酸素の混合ガスを用いた大気圧プラズマ処理を行うことによって、陽極34の表面、第1バンク層46及び第2バンク層47の側面が親液化処理される。陽極34の表面、第1バンク層46及び第2バンク層47の側面が酸素のラジカルと反応し、インクとの親和性が高まることにより、陽極34の表面、及び第1バンク層46及び第2バンク層47の側面に対するインクの濡れ性が向上する。また、第2バンク層47の上面に有機EL材料を含むインクとの親和性を低下させるための撥液化処理がなされている。例えば、ヘリウム及びCF4(テトラフルオロメタン)ガスの混合ガスを用いて、第2バンク層47の上面に大気圧プラズマ処理を施すことによって撥液化処理が行われる。このようなガスを用いて大気圧プラズマ処理を行うことにより、陽極34の表面、第1バンク層46及び第2バンク層47に対してフッ素のラジカルが反応し、第2バンク層47の上面に対するインクの親和性を低下させることが可能である。尚、撥液化処理及び親液化処理の両方を行うことなく、例えば、親和性の低い材料を選択して第2バンク層47を形成しておけば、凹部71の内壁及び陽極34の表面に親液化処理を施すだけで上述の親液化処理及び撥液化処理の両方を行った場合と同様の効果を得ることが可能である。
【0058】
図7において、液滴90を乾燥させることによって凹部71内に有機EL層50を備えた発光部80が形成される。図6に示すように液滴90は、凹部71の内壁、及び陽極34の表面との親和性が高められているため、凹部71の内壁及び陽極34の表面に対する液滴34の濡れ性が向上しており、液滴90を均一に乾燥させることによって最終的に凹部71内に均一な膜厚を有する有機EL層50を形成できる。
【0059】
図6及び図7を参照しながら説明したように、本実施形態に係る有機EL装置1においては、凹部71に均一に有機EL層50が形成されるため、有機EL装置1の製造プロセスにおける歩留まりを高めることが可能であることに加え、画素部70が形成された画素領域内の夫々において輝度ムラが低減され、画質を高めることが可能である。尚、有機EL層50が複数の層で構成されている場合でも、繰り返し各層を塗布法によって形成すれば有機EL層50全体の膜厚を均一にでき、上述した効果と同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0060】
(電子機器)
次に、図8及び図9を参照しながら、上述した有機EL装置を備えた電子機器の各態様を説明する。
【0061】
<A:モバイル型コンピュータ>
図8を参照しながらモバイル型のパーソナルコンピュータに上述した有機EL装置の一例である有機EL装置1を適用した例について説明する。図8は、コンピュータ1200の構成を示す斜視図である。
【0062】
図8において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、図示しない有機EL装置1を用いて構成された表示部1005を有する表示ユニット1206とを備えている。表示部1005は、上述の有機EL装置を備えているため、画像表示領域における輝度ムラが低減されており、高品位の画像を表示できる。表示部1005が備える複数の有機ELディスプレイ基板に赤、緑、青の光の三原色の光を発光する有機EL素子を形成しておくことによって、該表示部1005はフルカラー表示で画像表示を行うことができる。
【0063】
<B:携帯型電話機>
更に、上述した有機EL装置1を携帯型電話機に適用した例について、図9を参照して説明する。図9は、携帯型電話機1300の構成を示す斜視図である。
【0064】
図9において、携帯型電話機1300は、複数の操作ボタン1302と共に、本発明の一実施形態である有機EL装置を有する表示部1305を備えるものである。
【0065】
表示部1305は、上述の表示部1005と同様の構成を有しているため、高品位の画像を表示できることに加え、携帯型電話機として重要な携帯性が損なわれることもない。また、表示部1305が備える複数の有機EL素子が夫々赤、緑、青の光の三原色の光を発光することによって、該表示部1305はフルカラー表示で画像表示を行うこともできる。
【0066】
尚、本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う有機EL装置等の電気光学装置、及び有機EL装置等の電気光学装置を備えて構成される電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本実施形態に係る有機EL装置の電気的な接続構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る有機EL装置の画素部の平面図である。
【図3】図2のA−A´線断面図である。
【図4】発光部の配置の一例を示す平面図である。
【図5】発光部の配置の他の例を示す平面図である。
【図6】発光材料を塗布した状態を説明するための図である。
【図7】発光材料を乾燥させた状態を説明するための図である。
【図8】本実施形態に係る電子機器の一例を示す斜視図である。
【図9】本実施形態に係る電子機器の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0068】
1・・・有機EL装置、34・・・陽極、49・・・陰極、50・・・有機EL層、70・・・画素部、71・・・凹部、80・・・発光部、130・・・走査線駆動回路、150・・・データ線駆動回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示領域を構成する複数の画素領域の各々内に設けられた複数の凹部を規定する隔壁部と、
前記複数の凹部の各々内に塗布された発光材料からなる発光部と、
前記発光部を発光させる駆動手段と
を備えたことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記隔壁部は、テーパを有すること
を特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記駆動手段は、前記複数の画素領域のうち同一画素領域に係る前記発光部をまとめて発光させること
を特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記駆動手段は、前記複数の画素領域の各々に対して一つずつ設けられた複数の画素電極を含み、
前記同一画素領域に係る前記発光部は、前記複数の画素電極のうち同一画素電極に共通に接続されていること
を特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記発光部は、前記画素電極の表面に形成されており、
前記隔壁部の前記発光材料に対する親和性は、前記画素電極の前記発光材料に対する親和性より低いこと
を特徴とする請求項4に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記発光部は、前記同一画素領域内において均一に分散するように配置されていること
を特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記凹部は、前記隔壁部によって規定されており、互いに同一の大きさを有すること
を特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記発光材料は、EL材料を含むこと
を特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の電気光学装置。
【請求項9】
請求項1から8の何れか一項に記載の電気光学装置を具備してなることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−164864(P2006−164864A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−357683(P2004−357683)
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】