説明

電気化学エネルギーセルシステム

電位を生成する金属ハロゲン電気化学エネルギーセルシステムを提供する。このシステムの一実施形態は、少なくとも1つの正電極と少なくとも1つの負電極とを含む少なくとも1つのセルと、少なくとも1つの電解質と、その電解質をハロゲン反応物と混合する混合ベンチュリと、ハロゲン反応物と混合された電解質を正電極を通して金属電極を横切らせて運ぶ循環ポンプとを含む。好ましくは、正電極は多孔性炭質材料を含み、負電極は亜鉛を含み、金属は亜鉛を含み、ハロゲンは塩素を含み、電解質は水性塩化亜鉛電解質を含み、ハロゲン反応物は塩素反応物を含む。また、システムの変化形およびそれらのシステムのための動作方法をも含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属ハロゲン電気化学エネルギーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
1つのタイプの電気化学エネルギーシステムは、通常正の電極で還元されるハロゲン成分と、電気化学システムの通常ディスパッチ(normal dispatch) 中に酸化されるようになっている酸化可能な金属とを使用する。ハロゲン成分が正電極で還元されるときにハロゲン成分の供給を補充するために水性電解質が使用される。電解質は、酸化された金属および還元されたハロゲンの溶解イオンを含み、正電極で消費されるべく電極領域とリザーバ領域と元素状ハロゲン注入および混合領域との間を循環させられる。このようなシステムの一例は、亜鉛および塩素のシステムを使用する。
【0003】
このような電気化学エネルギーシステムは、米国特許第3,713,888号(特許文献1)、第3,993,502号(特許文献2)、第4,001,036号(特許文献3)、第4,072,540号(特許文献4)、第4,146,680号(特許文献5)、および第4,414,292号(特許文献6)を含む先行特許に記載されている。このようなシステムは、エレクトリック・パワー・リサーチ・インスティテュートにより発行された1979年4月付けのEPRIレポートEM−1051(パート1〜3)(EPRI Report EM-1051 (Parts 1-3) dated April 1979, published by the Electric Power Research Institute)にも記載されている。前に引用された参考文献の具体的な教示は、本願明細書において参照により援用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第3,713,888号
【特許文献2】米国特許第3,993,502号
【特許文献3】米国特許第4,001,036号
【特許文献4】米国特許第4,072,540号
【特許文献5】米国特許第4,146,680号
【特許文献6】米国特許第4,414,292号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】EPRI Report EM-1051 (Parts 1-3) dated April 1979, published by the Electric Power Research Institute
【発明の概要】
【0006】
先行する電気化学エネルギーシステムには待機アプリケーションのために一定の弱点あるいは不利な点がある。それは、次のものを含むが、それらに限定はされない。
●放電済み状態にある間の利用可能性を除外して、システムを充電することを必要とせずに充分なエネルギーを蓄積することができないこと。
●放電中に能動的冷却システムを必要とするという複雑さおよび非能率があり、それが容量をさらに減少させる可能性があること。
●故障の兆候の診断に曖昧性があり、それが故障の確率を顕著に高める可能性があること。
●水素が発生し、それが顕著で高価な安全問題であり得ること。
【0007】
待機アプリケーションに関しての、先行する金属ハロゲンシステムの具体的な弱点あるいは不利益な点は、次のものを含むが、それらに限定はされない。
●自己放電に起因する顕著な容量ロスを伴わずに即応状態を維持することができないこと。
●電位の異なるセル同士の間の内部シャントカレントからの亜鉛金属の不良分布が、利用し得る容量をさらに減少させること。
●作動中のシャントカレントを最少化するために必要とされる長い小直径チャネルが、ポンプ損失によりシステム容量をさらに減少させること。
●充電モード中の金属デンドライト成長が金属ハロゲンシステムを永久的に損傷させて早期の危険な故障状態に至る可能性があること。
【0008】
本発明は、これらの弱点および不利な点のうちの幾つかあるいは全部に対処しようと試みる。本発明は、実際にこれらの弱点および不利な点に対処する実施形態に限定されない。
これらの弱点および不利な点のうちの幾つかあるいは全部に対処しようと試みる本発明の幾つかの実施形態は、金属ハロゲン電気化学エネルギーセルシステムである。これらの実施形態は、好ましくは、少なくとも1つの正電極および少なくとも1つの負電極と、その正電極および負電極の間の反応ゾーンと、金属およびハロゲンを含む少なくとも1つの電解質と、その電解質を反応ゾーンを通して運ぶ循環ポンプであって、ポンプの前で、このポンプにおいて、またはポンプの後で電解質とハロゲン反応物とが混合される循環ポンプと、を備える。好ましくは、正電極は多孔性炭質材料から作られ、負電極は亜鉛から作られ、金属は亜鉛を含み、ハロゲンは塩素を含み、電解質は水性塩化亜鉛電解質を含み、ハロゲン反応物は塩素反応物を含む。この構成の1つの効果は、電位の生成である。
【0009】
1つの好ましい実施形態は、電解質およびハロゲン反応物を混合する混合ベンチュリと、ハロゲン反応物の混合ベンチュリへの流れを制御するメータリングバルブまたは容積式ポンプとを備える。
電解質の流れは、好ましくは、反応ゾーンを通して運ばれる前に並列の1次、2次、および3次の二分割を受け、これにより反応ゾーンへの別々の経路のために同じ流動抵抗を提供する。
システムの好ましい実施形態は、電解質が循環ポンプによりそこからセルに運ばれると共に電解質がセルからそこに戻るところのリザーバと、セルからのガスのパージを容易にするための上昇流動電解質リターンマニホールドと、電解質がそれを通ってセルからリザーバに戻るところのリターンパイプとをも備える。
【0010】
ハロゲン反応物は、好ましくは外部ソースから供給され、好ましくは加圧されて供給される。この文脈において、「外部」はシステムにとっての外部を指す。外部ソースからのハロゲンの膨張のエンタルピーはシステムを冷却するように作用する傾向を有する。あるいは、ハロゲン反応物をシステムの中のソースから供給することができる。
システムは好ましくは複数のそのようなセルを備え、その各々は水平であって、複数のものがシステムにおいて垂直に積み重ねられる。セルのジオメトリーにおける垂直のステップは、複数のセルの各々の中で電解質流動経路が遮られるという結果をもたらすのに役立ち、これにより、そうでなければ電解質の流れが止まった後に生じ続けるであろうシャントカレントを遮る。
【0011】
複数のセルは、好ましくは複数のセルフレームを備える。セルフレームは、複数のセルの圧力コンテナ内への挿入を容易にするために円形であることができる。好ましい形のセルフレームは、それぞれ、フィードマニホールドエレメントと、分配チャネルと、流れ分割ノードと、スペーサレッジと、合流ノードと、コレクションチャネルと、リターンマニホールドエレメントとを備える。この形を有するセルフレームが積み重ねられる時、これらの構造はシステム内に付加的な構造を形成する。具体的には次のとおりである。
●複数のセルフレームの各々のフィードマニホールドエレメントは、セルフレームのうちの他のもののフィードマニホールドエレメントと整列し、これによりフィードマニホールドを形成する。
●セルフレームの各々の分配チャネルおよび流れ分割ノードは、セルフレームのうちの他のものの分配チャネルおよび流れ分割ノードと整列し、これにより分配ゾーンを形成する。
●各セルのための正電極は、各セルのための負電極の上または下でセルフレームのスペーサレッジに座し、これにより正電極および負電極の交互の層を形成する。
●複数のセルフレームの各々の合流ノードおよびコレクションチャネルは、セルフレームのうちの他のものの合流ノードおよびコレクションチャネルと整列し、これによりコレクションゾーンを形成する。
●セルフレームの各々のリターンマニホールドエレメントは、セルフレームのうちの他のもののリターンマニホールドエレメントと整列し、これによりリターンマニホールドを形成する。
【0012】
セルフレームは、流体流動および電気ワイヤまたはケーブルのためのバイパス導管エレメントを備えることができ、好ましくは、セルフレーム同士を互いに整列させ固定するために整列クランピングエレメントのためのパススルー(pass-through)を提供する。
本発明は、セルフレームを含むセルを有するシムに限定されない。
セルフレームが使われても使われなくても、システムの好ましい実施形態は、複数のセルへの電解質のためのフィードマニホールドおよび分配ゾーンと、複数のセルからの電解質のためのコレクションゾーンおよびリターンマニホールドとを備える。各セル内の正電極および負電極は、好ましくは、電解質の流れが止まってフィードマニホールド、分配ゾーン、コレクションゾーン、およびリターンマニホールドの内容物が捌ける時に各セル内の電解質のプールとの接触を保つように構成される。
或る実施形態では、システムが待機またはステイシス(stasis)モードである時に電気化学反応を抑制し、それによりシステムの利用可能性を維持するためにバランシング電圧が加えられ得る。システム内での逆電流の流れを抑制するためにシステムの出力端子にブロッキングダイオードを付けることもできる。
【0013】
システムの好ましい実施形態の基本的な動作は次のとおりである。元素状塩素などのハロゲンが計量されて電解質に入れられる混合ベンチュリを通してリザーバから水性電解質が吸い上げられる。ハロゲンは電解質と混合して溶解し、同時にその液化の潜熱は混合物を冷却する。冷却されたハロゲン化された水性電解質はポンプを通過してスタックアセンブリ内の正電極に運ばれる。正電極は、好ましくは、多孔性グラファイト−塩素(porous graphite-chlorine)などの多孔性炭質材料から作られる。電解質は正電極を通過し、溶解したハロゲンを還元する。ハロゲンイオンに富む電解質は、その後、好ましくは亜鉛などの金属から作られた1つまたはそれ以上の負電極のそばを通り過ぎ、そこで電極溶解が起こる。これらの反応は電極スタック端子から電力を生じさせ、金属とハロゲンとの反応によって電解質中に金属−ハロゲンが形成される。
本発明は、本発明による金属ハロゲン電気化学エネルギーセルシステムの実施形態によって実行されるプロセスと、他のシステムおよびプロセスも含む。
【0014】
この簡単な要約は、本発明の本質が直ぐに理解され得るように提供されている。本発明の他の目的、特徴、および利点は、本願明細書の記述、好ましい実施形態を示す図面、および特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に従う金属ハロゲン電気化学エネルギーセルシステムを示す。
【図2】図1に示されているシステムの実施形態のセルプレートを通る電解質の流動経路を示す。
【図3】図1および図2に示されているシステムにおいて使用され得るセルフレームを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
電解質エネルギーセルシステム
図1は、本発明に従う金属ハロゲン電気化学エネルギーセルシステムを示す。
これらの弱点および不利な点のうちの幾つかあるいは全部に対処しようと試みる本発明の一実施形態は、金属ハロゲン電気化学エネルギーセルシステムである。この実施形態は、少なくとも1つの正電極および少なくとも1つの負電極と、その正電極および負電極の間の反応ゾーンと、金属およびハロゲンを含む少なくとも1つの電解質と、その電解質を反応ゾーンを通して運ぶ循環ポンプとを備える。ポンプの前で、ポンプにおいて、またはポンプの後で、例えば混合ベンチュリを用いて、電解質とハロゲン反応物とが混合され得る。好ましくは、正電極は多孔性炭質素材から作られ、負電極は亜鉛から作られ、金属は亜鉛を含み、ハロゲンは塩素を含み、電解質は水性塩化亜鉛電解質を含み、ハロゲン反応物は塩素反応物を含む。この構成の1つの効果は、電位の生成である。
【0017】
この実施形態の基本的な動作は次のとおりである。元素状塩素などのハロゲンが計量されて電解質に入れられる混合ベンチュリを通してリザーバから水性電解質が吸い上げられる。ハロゲンは電解質と混合して溶解し、同時にその液化の潜熱は混合物を冷却する。冷却されハロゲン化された水性電解質はポンプを通過してスタックアセンブリ内の正電極に運ばれる。正電極は、好ましくは、多孔性グラファイト−塩素などの多孔性炭質材料から作られる。電解質は正電極を通過し、溶解したハロゲンを還元する。ハロゲンイオンに富む電解質は、その後、好ましくは亜鉛などの金属から作られた1つまたはそれ以上の負電極のそばを通り過ぎ、そこで電極溶解が起こる。これらの反応は電極スタック端子から電力を生じさせ、金属とハロゲンとの反応によって電解質中に金属−ハロゲンが形成される。
【0018】
図1は、前述したものを達成するために設計されたコンテナ11に収容された電気化学エネルギーシステムを示す。図2のシステムは、図1に示されているように、2つの基本的な部分、すなわちスタックアセンブリ12およびリザーバ19を含む。
スタックアセンブリ12は、少なくとも1つの多孔性電極および少なくとも1つの金属電極を含む複数のセルまたはセルアセンブリ13から構成される。セルは好ましくは垂直に積み重ねられる。加圧されたハロゲン反応物が、フィードパイプ15を介してシステム外のソースからメータリングバルブ17を通して混合ベンチュリ18に供給される。循環ポンプ16は、電解質をリザーバ19から混合ベンチュリ18を通して、スタックアセンブリ12を通して、そしてリターンパイプを通してリザーバ19に循環させる。電解質中に、それがセルからリザーバに戻る時に、多少のハロゲン反応物が残っている可能性があることに留意するべきである。
【0019】
1つの好ましい実施形態では、多孔性電極は炭質材料を含み、金属は亜鉛を含み、金属電極は亜鉛を含み、ハロゲンは塩素を含み、電解質は水性塩化亜鉛電解質を含み、ハロゲン反応物は塩素反応物を含む。
1つの好ましい実施形態では、この構成は2ボルトの電位を各々有するセルをもたらし、21個のセルを有するスタック構成に42ボルトの電位を与える。外部ソースからのハロゲンの膨張のエンタルピーは好ましくはシステムを冷却する。従って、過剰な熱を生じさせることなく強い電位が提供され得る。
【0020】
電解質流動
図2は、図1に示されているシステムの1つの実施形態のセルプレートを通る電解質の流動経路を示す。この図において、電解質流動経路28は矢印により表されている。これらの経路は、フィードマニホールド21から、分配ゾーン22へ、多孔性電極23を通り、金属電極25の上をコレクションゾーン26へ、リターンマニホールド27を通り、リターンパイプ29へ存在している。
1つの好ましい実施形態では、金属電極25の底面上の膜24は、多孔性電極を通過する前の電解質の流れを金属電極に接触させないように遮る。これらの膜は、好ましくは、接着剤で金属電極の底に固定されたプラスチック膜である。他の方法で固定された他のタイプの膜も使用され得る。あるいは、この膜は省略されてもよい。
【0021】
図2に示されている構成では、各セル内の多孔性電極および金属電極は、電解質の流れが止まってフィードマニホールド、分配ゾーン、コレクションゾーン、およびリターンマニホールドの内容物が捌ける時に各セル内の電解質のプールとの接触を保つように構成されている。
さらに、垂直に積み重ねられたセルとセルのジオメトリーとは、そうでなければ電解質の流れが止まった時に生じるであろうシャントカレントを遮るのに役立つ電解質の流動経路を複数のセルの各々の中にもたらす。これらのシャントカレントは、使用可能な電位を全く生じさせずに金属プレートを腐食させるプレート間の反応に至る可能性を有するので、望ましくない。
多孔性電極を通して運ばれる前に、ハロゲン反応物と混合された電解質は、好ましくは、多孔性電極への別々の経路のために同じ流動抵抗を提供するために1次、2次、および3次の分割を受ける。各分割は、好ましくは流れを二分割するが、必ずしもそうでなくてもよい。図3は、これらの分割を達成できる1つの可能なセルデザインを示す。
【0022】
セルフレーム
図3は、図2に示されている構造および流れを達成するためにセルフレームを使用するセルデザインを示す。これらのセルフレームは、好ましくは、フィードマニホールドエレメント31と、分配チャネル32と、流れ分割ノード33と、スペーサレッジ35と、合流ノード36と、コレクションチャネル37と、リターンマニホールドエレメント38と、バイパス導管エレメント34とを備える。
【0023】
電極が正しい位置に置かれてこれらのセルフレームが垂直に積み重ねられた時、これらのエレメントは結合して、次のように図2に示されているエレメントを形成する。
●複数のセルフレームの各々のフィードマニホールドエレメントは、セルフレームのうちの他のもののフィードマニホールドエレメントと整列し、これによりフィードマニホールドを形成する。
●セルフレームの各々の分配チャネルおよび流れ分割ノードは、セルフレームのうちの他のものの分配チャネルおよび流れ分割ノードと整列し、これにより分配ゾーンを形成する。
●各セルのための多孔性電極は、各セルのための金属電極の上または下でセルフレームのスペーサレッジに座し、これにより多孔性電極および金属電極の交互の層を形成する。
●複数のセルフレームの各々の合流ノードおよびコレクションチャネルは、セルフレームのうちの他のものの合流ノードおよびコレクションチャネルと整列し、これによりコレクションゾーンを形成する。
●セルフレームの各々のリターンマニホールドエレメントは、セルフレームのうちの他のもののリターンマニホールドエレメントと整列し、これによりリターンマニホールドを形成する。
●セルフレームの各々のバイパス導管エレメントは、セルフレームのうちの他のもののバイパス導管エレメントと整列し、これにより流体の流れおよび/または電気ワイヤまたはケーブルのためのバイパス導管を形成する。
【0024】
セルフレームは、好ましくは、コンテナ11などの圧力コンテナへの複数のセルの挿入を容易にするために円形である。
セルフレームを基礎とするデザインは、一様な分布を有する低損失の電解質の流れ、二極性電気デザイン、製造容易性、内部バイパス経路、および動作ステイシスモード(以下で記述される)の達成を可能にするエレメントを容易にする。セルフレームの新機軸は、反応ゾーンへのセルあたりに8個のフィードチャネルを与えるための流れチャネルにおける1次、2次、および3次の分割を含む分配ゾーンの流れ分割デザインを含むが、これに限定はされない。このデザインは、反応ゾーンへの各出口が同じ長さのチャネル、同じ数および半径のベンドを通過し、至る所に層流が存在しかつ各分割の前に一様な層流が存在するということを保証しようと試みる。このデザインは、電解質において、流速と無関係にフローボリュームの分割を等しく促進し、粘度の均一性、あるいは濃度の均一性を促進する。気相および液相の混合物がシステムを通して送られる時にこれらの特徴が特に重要であることが見出されている。
あるいは、同じタイプの構造および流れ(すなわち、図2に示されているもの)がセルフレームを用いずに達成され得る。
【0025】
動作のモード
本発明に従うエネルギーセルシステムは、好ましくは、3つの動作モード、すなわちオフモードと、パワーモードと、ステイシスモードとを有する。これらのモードは、以下で亜鉛−塩素システムの文脈で記述される。しかし、モードは他の金属−ハロゲンシステムを用いても実現され得る。
オフモードは、通例、保管または運送のために使用される。オフモード中は、循環ポンプはオフである。スタックアセンブリ内の少量の元素状塩素は還元され、亜鉛イオンと化合して塩化亜鉛を形成する。スタック端子は、好ましくは、短絡抵抗器を介して接続され、ゼロボルトのスタック電位を生じさせる。外部電圧源を介してシステムを通る逆電流を遮断するために、好ましくはブロッキングダイオードが使用される。
【0026】
パワーモード中は、電解質循環ポンプは噛み合わされる。溶解した塩素を含む陰極液は、亜鉛陽極プレートを含むスタックアセンブリを通して循環させられる。好ましくはセルあたりに2.02ボルトの電位を伴って電子は亜鉛イオンが形成される時に放出されて塩素イオンが形成される時に捕捉され、これにより、好ましくはスタックアセンブリの各端部に置かれたコレクタプレートの端子から電力を生じさせる。システムからの電力に対する需要は、塩素を消費してリザーバ内の圧力を低下させ、メータリングバルブをしてより高い圧力の塩素を混合ベンチュリ内に放出せしめる。このデザインの特徴は、塩素ガスの電解質中への溶解を促進すると共に注入箇所での凍結の危険なしで電解質を一様に冷却するのに役立つ。注入速度は、好ましくは、スタックアセンブリ内での電気化学反応速度により決定される。メータリングバルブと循環ポンプとは、好ましくは、急速に変動する瞬時電力需要に釣り合う充分な応答速度を提供する。圧縮された塩素がシステム中に放出される時、その膨張のエンタルピーは、エネルギーセルを熱的作動限界内に保つために充分な熱を吸収するべきである。
【0027】
ステイシスあるいは待機モード中は、電解質の流れあるいは塩素の注入は殆どあるいは全く存在するべきでない。システムの利用可能性は、好ましくは、システムの利用可能性を維持するために加えられるバランシング電圧を介して維持される。このバランシング電圧は、循環ポンプがオフの状態にあるときに生じる可能性のある電気化学的反応力(electrochemical reaction force)を打ち消す正確な電位をセルスタックにおいて維持することによって自己放電を防止するのに役立つ。セルプレートの特別なデザインは、二極電極プレートを通してのセル間の電気的導通を維持すると同時に、他の場合にフィードマニホールドおよびリターンマニホールドを通って流れるであろうシャントカレントを遮るのに役立つ。
これらは好ましい動作のモードであるが、本発明はこれらのモードあるいはこれらのモードの細目には限定されない。それどころか、或る実施形態は、これらのモードのうちの或るものを有するかも知れず、あるいはこれらのモードのうちのいずれをも有しないかも知れず、あるいは異なる動作モードを有するかもしれない。
【0028】
発明の概論
この出願は、可能な最も一般的な形で読まれるべきである。これは、限定なしで、次のものを含む。
●具体的な技術への言及は、特に発明の態様を、または発明品がどのように作られあるいは使用され得るかということを論じる時には、代わりの技術およびより一般的な技術を含む。
●「好ましい」技術への言及は、発明者がそれらの技術を使用することを意図し、それらが意図された応用のために最善であると発明者が考えていることを一般的に意味する。これは、発明のための他の技術を排除せず、また、これらの技術が必然的に不可欠であることあるいはあらゆる事情の下で好ましいであろうということを意味しない。
●幾つかの実施例についての熟慮されている原因および効果への言及は、他の実施例で生じるかもしれない他の原因および効果を排除しない。
●特定の技術を用いる理由への言及は、述べられた理由または技術が同様に適切ではないことを事情が示す場合には、たとえ正反対であっても、他の理由あるいは技術を排除しない。
【0029】
さらに、本発明は、本願明細書で開示された特定の実施形態および例の細目には決して限定されない。本発明の内容、範囲および真意の中に留まる他の多くの変化形が可能であり、それらの変化形は当業者にはこの出願の熟読後に明らかになるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのセルを含む、電位が生成される金属ハロゲン電気化学エネルギーシステムであって、前記セルは、
少なくとも1つの正(多孔性=多孔性炭質材料)電極と、
少なくとも1つの負(金属=亜鉛)電極と、
前記正電極および前記負電極の間の反応ゾーンと、
金属およびハロゲンを含む少なくとも1つの電解質と、
前記電解質を前記反応ゾーンを通して運ぶ循環ポンプであって、前記電解質およびハロゲン反応物は前記ポンプの前で、前記ポンプにおいて、または前記ポンプの後で混合される循環ポンプと、
を備えるシステム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記正電極は、多孔性炭質材料を含むシステム。
【請求項3】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記負電極は亜鉛を含み、前記金属は亜鉛を含み、前記ハロゲンは塩素を含み、前記電解質は水性塩化亜鉛電解質を含み、前記ハロゲン反応物は塩素反応物を含むシステム。
【請求項4】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記電解質および前記ハロゲン反応物を混合する混合ベンチュリをさらに備えるシステム。
【請求項5】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記反応ゾーンを通して運ばれる前に、前記電解質の流れは、前記反応ゾーンへの別々の経路のために同じ流動抵抗を提供するために並列の1次、2次、および3次の二分割を受けるシステム。
【請求項6】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記電解質が前記循環ポンプによりそこから前記セルに運ばれると共に前記電解質が前記セルからそこに戻るところのリザーバをさらに備えるシステム。
【請求項7】
請求項6記載のシステムにおいて、
前記セルからのガスのパージを容易にするための上昇流動電解質リターンマニホールドをさらに備えるシステム。
【請求項8】
請求項6記載のシステムにおいて、
前記電解質がそれを通って前記セルから前記リザーバに戻るところのリターンパイプをさらに備えるシステム。
【請求項9】
請求項6記載のシステムにおいて、
前記ハロゲン反応物は、外部ソースから供給されるシステム。
【請求項10】
請求項6記載のシステムにおいて、
前記ハロゲン反応物は加圧されて供給され、前記外部ソースからの前記ハロゲンの膨張のエンタルピーは前記システムを冷却するように作用するシステム。
【請求項11】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記ハロゲン反応物の流れを制御するメータリングバルブまたは容積式ポンプをさらに備えるシステム。
【請求項12】
請求項1記載のシステムにおいて、
複数のそのようなセルをさらに備えるシステム。
【請求項13】
請求項12記載のシステムにおいて、
前記システムにおいて複数の水平のそのようなセルが垂直に積み重ねられるシステム。
【請求項14】
請求項12記載のシステムにおいて、
前記複数のセルは、複数のセルフレームをさらに備えるシステム。
【請求項15】
請求項14記載のシステムにおいて、
前記セルフレームは、前記複数のセルの圧力コンテナへの挿入を容易にするために円形であるシステム。
【請求項16】
請求項14記載のシステムにおいて、
前記圧力コンテナをさらに備えるシステム。
【請求項17】
請求項14記載のシステムにおいて、
前記セルフレームの各々は、フィードマニホールドエレメントと、分配チャネルと、流れ分割ノードと、スペーサレッジと、合流ノードと、コレクションチャネルと、リターンマニホールドエレメントとをさらに備えるシステム。
【請求項18】
請求項17記載のシステムにおいて、
前記複数のセルフレームの各々のフィードマニホールドエレメントは、前記セルフレームのうちの他のもののフィードマニホールドエレメントと整列し、これによりフィードマニホールドを形成し、
前記セルフレームの各々の分配チャネルおよび流れ分割ノードは、前記セルフレームのうちの他のものの分配チャネルおよび流れ分割ノードと整列し、これにより分配ゾーンを形成し、
各セルのための前記正電極は、各セルのための前記負電極の上または下で前記セルフレームのスペーサレッジに座し、これにより正電極および負電極の交互の層を形成し、
前記複数のセルフレームの各々の合流ノードおよびコレクションチャネルは、前記セルフレームのうちの他のものの合流ノードおよびコレクションチャネルと整列し、これによりコレクションゾーンを形成し、
前記セルフレームの各々のリターンマニホールドエレメントは、前記セルフレームのうちの他のもののリターンマニホールドエレメントと整列し、これによりリターンマニホールドを形成するシステム。
【請求項19】
請求項17記載のシステムにおいて、
前記セルフレームの各々は、流体流動および電気ワイヤまたはケーブルのためのバイパス導管エレメントをさらに備えるシステム。
【請求項20】
請求項17記載のシステムにおいて、
前記セルフレームの各々は、前記セルフレーム同士を互いに整列させ固定するための整列クランピングエレメントのためのパススルーをさらに提供し、前記整列クランピングエレメントをさらに備えるシステム。
【請求項21】
請求項12記載のシステムにおいて、
セルのジオメトリーにおける垂直のステップは前記複数のセルの各々の中で電解質流動経路が遮られるという結果をもたらし、これにより、そうでなければ電解質の流れが止まった後に生じ続けるであろうシャントカレントを遮るシステム。
【請求項22】
請求項12記載のシステムにおいて、
前記複数のセルへの前記電解質のためのフィードマニホールドおよび分配ゾーンと、
前記複数のセルからの前記電解質のためのコレクションゾーンおよびリターンマニホールドと、
をさらに備えるシステム。
【請求項23】
請求項22記載のシステムにおいて、
各セル内の前記正電極および前記負電極は、電解質の流れが止まって前記フィードマニホールド、前記分配ゾーン、前記コレクションゾーン、および前記リターンマニホールドの内容物が捌ける時に各セル内の電解質のプールとの接触を保つように構成されるシステム。
【請求項24】
請求項22記載のシステムにおいて、
前記電解質が前記循環ポンプによりそこから前記フィードマニホールドに運ばれると共に前記電解質が前記リターンマニホールドからそこに戻るところのリザーバをさらに備えるシステム。
【請求項25】
請求項24記載のシステムにおいて、
前記セルからのガスのパージを容易にするための上昇流動電解質リターンマニホールドをさらに備えるシステム。
【請求項26】
請求項24記載のシステムにおいて、
前記電解質がそれを通って前記セルから前記リザーバに戻るところの、前記セルフレームの中に存在するリターンパイプをさらに備えるシステム。
【請求項27】
金属ハロゲン電気化学エネルギーセルシステムであって、
正電極と、負電極と、前記正電極および前記負電極の間の反応ゾーンと、流れ分配ゾーンとを含む少なくとも1つのセルと、
前記金属および前記ハロゲンを含む水性電解質と、
前記電解質が集められるリザーバと、
前記電解質を前記システムを通して運ぶ循環ポンプと、を備え、
前記流れ分配ゾーンは、前記反応ゾーンへの別々の経路のために同じ流動抵抗を提供するために流動チャネルがそこで並列に繰り返し二分割されるところの流れ分割ノードを含むシステム。
【請求項28】
請求項27記載のシステムにおいて、
前記負電極は亜鉛を含み、前記ハロゲンは塩素を含み、前記正電極は多孔性炭質材料を含み、前記電解質は水性塩化亜鉛電解質を含み、前記ハロゲン反応物は塩素反応物を含むシステム。
【請求項29】
金属ハロゲン電気化学エネルギーセルシステムであって、
正電極と、負電極と、前記正電極および前記負電極の間の反応ゾーンとを含む少なくとも1つのセルと、
前記金属および前記ハロゲンを含む水性電解質と、
前記電解質が集められるリザーバと、
前記電解質を前記システムを通して運ぶ循環ポンプと、
前記ハロゲンがそれによって外部ソースから補充されるところのハロゲンメータリングエレメントと、
を備えるシステム。
【請求項30】
請求項29記載のシステムにおいて、
前記負電極は亜鉛を含み、前記金属は亜鉛を含み、前記ハロゲンは塩素を含み、前記正電極は炭質材料を含み、前記電解質は水性塩化亜鉛電解質を含み、前記ハロゲン反応物は塩素反応物を含むシステム。
【請求項31】
請求項29記載のシステムにおいて、
前記ハロゲンメータリングエレメントは、バルブまたは容積式ポンプであるシステム。
【請求項32】
請求項29記載のシステムにおいて、
塩素は、前記外部ソースから前記ハロゲンメータリングエレメントに供給されるシステム。
【請求項33】
請求項29記載のシステムにおいて、
前記外部ソースからの前記ハロゲンの膨張のエンタルピーは、前記システムを冷却するシステム。
【請求項34】
金属ハロゲン電気化学エネルギーセルシステムであって、
正電極と、負電極と、前記正電極および前記負電極の間の反応ゾーンとを含む少なくとも1つのセルと、
金属およびハロゲンを含む水性電解質と、
前記電解質が集められるリザーバと、
前記電解質を前記システムを通して運ぶ循環ポンプと、を備え、
前記システムが待機またはステイシスモードである時に電気化学反応を抑制し、それによりシステムの利用可能性を維持するためにバランシング電圧が加えられるシステム。
【請求項35】
請求項34記載のシステムにおいて、
前記負電極は亜鉛を含み、前記ハロゲンは塩素を含み、前記正電極は炭質材料を含み、前記電解質は水性塩化亜鉛電解質を含み、前記ハロゲン反応物は塩素反応物を含むシステム。
【請求項36】
金属ハロゲン電気化学エネルギーセルシステムであって、
正電極と、負電極と、前記正電極および前記負電極の間の反応ゾーンとを含む少なくとも1つのセルと、
前記金属および前記ハロゲンを含む水性電解質と、
前記電解質と混合されるハロゲン反応物と、
前記電解質が集められるリザーバと、
前記電解質を前記システムを通して運ぶ循環ポンプと、
少なくとも前記セルに接続された出力端子と、
前記システム内での逆電流の流れを抑制するために前記出力端子に付けられたブロッキングダイオードと、
を備えるシステム。
【請求項37】
請求項36記載のシステムにおいて、
前記負電極は亜鉛を含み、前記金属は亜鉛を含み、前記ハロゲンは塩素を含み、前記正電極は炭質材料を含み、前記電解質は水性塩化亜鉛電解質を含み、前記ハロゲン反応物は塩素反応物を含むシステム。
【請求項38】
金属ハロゲン電気化学エネルギーシステムを用いて電位を生成する方法であって、
金属とハロゲンとを含む電解質をハロゲン反応物と混合するステップと、
少なくとも1つの正電極と少なくとも1つの負電極とを含む少なくとも1つのセルを通して前記電解質を運ぶステップであって、前記電解質は前記正電極を通過し前記負電極を横切って進むものである運ぶステップと、
を含む方法。
【請求項39】
請求項38記載の方法において、
前記正電極は、多孔性炭質材料を含む方法。
【請求項40】
請求項38記載の方法において、
前記負電極は亜鉛を含み、前記金属は亜鉛を含み、前記ハロゲンは塩素を含み、前記電解質は水性塩化亜鉛電解質を含み、前記ハロゲン反応物は塩素反応物を含む方法。
【請求項41】
請求項38記載の方法において、
前記電解質と前記ハロゲン反応物とは混合ベンチュリによって混合される方法。
【請求項42】
請求項38記載の方法において、
前記正電極を通って運ばれる前の前記電解質の流れに並列の1次、2次、および3次の分割を受けさせ、これにより、前記正電極と前記負電極との間の反応ゾーンへの別々の経路のために同じ流動抵抗を提供するステップをさらに含む方法。
【請求項43】
請求項38記載の方法において、
前記電解質は、リザーバから前記セルへ循環させられて前記セルから前記リザーバに戻る方法。
【請求項44】
請求項43記載の方法において、
前記セルからのガスのパージを容易にするためにリターンマニホールド内で前記電解質を上方に流すステップをさらに含む方法。
【請求項45】
請求項43記載の方法において、
パイプを通して前記電解質を前記リザーバに戻すステップをさらに含む方法。
【請求項46】
請求項43記載の方法において、
前記ハロゲン反応物を外部ソースから前記システムに供給するステップをさらに含む方法。
【請求項47】
請求項43記載の方法において、
前記外部ソースからの前記ハロゲンの膨張のエンタルピーは、前記システムを冷却するように作用する方法。
【請求項48】
請求項38記載の方法において、
メータリングバルブまたは容積式ポンプを用いて前記ハロゲン反応物の流れを制御するステップをさらに含む方法。
【請求項49】
請求項38記載の方法において、
前記少なくとも1つのセルを通して前記電解質を運ぶステップは、前記電解質を複数のそのようなセルを通して運ぶステップをさらに含む方法。
【請求項50】
請求項49記載の方法において、
前記複数の水平なセルは、前記システムにおいて垂直に積み重ねられる方法。
【請求項51】
請求項49記載の方法において、
前記複数のセルは、複数のセルフレームをさらに備える方法。
【請求項52】
請求項51記載の方法において、
前記複数のセルの圧力コンテナへの挿入を容易にするために前記セルフレームは円形である方法。
【請求項53】
請求項51記載の方法において、
前記複数のセルは、圧力コンテナに収容される方法。
【請求項54】
請求項51記載の方法において、
前記複数のセルフレームを通して前記電解質を運ぶステップは、前記電解質をフィードマニホールドエレメント、分配チャネル、流れ分割ノード、スペーサレッジ、合流ノード、コレクションチャネル、およびリターンマニホールドエレメントを通して運ぶステップをさらに含む方法。
【請求項55】
請求項54記載の方法において、
前記複数のセルフレームの各々のフィードマニホールドエレメントは、前記セルフレームのうちの他のもののフィードマニホールドエレメントと整列し、これによりフィードマニホールドを形成し、
前記セルフレームの各々の分配チャネルおよび流れ分割ノードは、前記セルフレームのうちの他のものの分配チャネルおよび流れ分割ノードと整列し、これにより分配ゾーンを形成し、
各セルのための前記正電極は、各セルのための前記負電極の上または下で前記セルフレームの前記スペーサレッジに座し、これにより正電極および負電極の交互の層を形成し、
前記複数のセルフレームの各々の合流ノードおよびコレクションチャネルは、前記セルフレームのうちの他のものの合流ノードおよびコレクションチャネルと整列し、これによりコレクションゾーンを形成し、
前記セルフレームの各々のリターンマニホールドエレメントは、前記セルフレームのうちの他のもののリターンマニホールドエレメントと整列し、これによりリターンマニホールドを形成する方法。
【請求項56】
請求項54記載の方法において、
前記セルフレームの各々は、流体流動および電気ワイヤまたはケーブルのためのバイパス導管エレメントをさらに備える方法。
【請求項57】
請求項54記載の方法において、
前記セルフレームの各々は、前記セルフレーム同士を互いに整列させ固定するための整列クランピングエレメントのためのパススルーをさらに提供し、前記整列クランピングエレメントをさらに備える方法。
【請求項58】
請求項49記載の方法において、
前記複数のセルの各々の中で前記電解質の流動経路を遮るためにセルジオメトリにおいて垂直のステップを用い、そうでなければ電解質の流れが止まった後に生じ続けるであろうシャントカレントを遮るステップをさらに含む方法。
【請求項59】
請求項49記載の方法において、
前記電解質を前記複数のセルを通して運ぶステップは、前記電解質をフィードマニホールドおよび分配ゾーンを通して前記複数のセルへ、そして前記複数のセルからコレクションゾーンおよびリターンマニホールドを通して運ぶステップをさらに含む方法。
【請求項60】
請求項59記載の方法において、
電解質の流れが止まって前記フィードマニホールド、前記分配ゾーン、前記コレクションゾーン、および前記リターンマニホールドの内容物が捌ける時に各セル内の電解質のプールとの接触を保つステップをさらに含む方法。
【請求項61】
請求項59記載の方法において、
前記電解質を前記複数のセルを通して運ぶステップは、前記電解質をリザーバから前記フィードマニホールドへ、そして前記リターンマニホールドから前記リザーバへ運ぶステップをさらに含む方法。
【請求項62】
請求項61記載の方法において、
前記セルからのガスのパージを容易にするために前記リターンマニホールド内で電解質を上方に流すステップをさらに含む方法。
【請求項63】
請求項61記載の方法において、
前記電解質を前記セルフレームの中のパイプを通して前記リザーバに戻すステップをさらに含む方法。
【請求項64】
金属ハロゲン電気化学エネルギーシステムを用いて電位を生成する方法であって、
前記金属および前記ハロゲンを含む水性電解質を、正電極と、負電極と、前記正電極および前記負電極の間の反応ゾーンと、流れ分配ゾーンとを含む少なくとも1つのセルを通して運ぶステップと、
前記電解質をリザーバに集めるステップと、を含み、
前記流れ分配ゾーンは、前記反応ゾーンへの別々の経路のために同じ流動抵抗を提供するために流動チャネルがそこで並列に繰り返し二分割されるところの流れ分割ノードを含む方法。
【請求項65】
請求項64記載の方法において、
前記負電極は亜鉛を含み、前記金属は亜鉛を含み、前記ハロゲンは塩素を含み、前記正電極は炭質材料を含み、前記電解質は水性塩化亜鉛電解質を含み、前記ハロゲン反応物は塩素反応物を含む方法。
【請求項66】
金属ハロゲン電気化学エネルギーシステムを用いて電位を生成する方法であって、
前記金属および前記ハロゲンを含む水性電解質を、正電極と、負電極と、前記正電極および前記負電極の間の反応ゾーンとを含む少なくとも1つのセルを通して運ぶステップと、
前記電解質をリザーバに集めるステップと、
ハロゲンメータリングエレメントを用いて外部ソースから前記ハロゲンを補充するステップと、
を含む方法。
【請求項67】
請求項66記載の方法において、
前記負電極は亜鉛を含み、前記金属は亜鉛を含み、前記ハロゲンは塩素を含み、前記正電極は炭質材料を含み、前記電解質は水性塩化亜鉛電解質を含み、前記ハロゲン反応物は塩素反応物を含む方法。
【請求項68】
請求項66記載の方法において、
前記ハロゲンメータリングエレメントは、バルブまたは容積式ポンプである方法。
【請求項69】
請求項66記載の方法において、
前記外部ソースから前記ハロゲンメータリングエレメントに塩素が供給される方法。
【請求項70】
請求項66記載の方法において、
前記外部ソースからの前記ハロゲンの膨張のエンタルピーは、前記システムを冷却するように作用する方法。
【請求項71】
金属ハロゲン電気化学エネルギーシステムを用いて電位を生成する方法であって、
金属およびハロゲンを含む水性電解質を、正電極と、負電極と、前記正電極および前記負電極の間の反応ゾーンとを含む少なくとも1つのセルを通して運ぶステップと、
前記電解質をリザーバに集めるステップと、
前記システムが待機またはステイシスモードである時に電気化学反応を抑制し、それによりシステムの利用可能性を維持するためにバランシング電圧を加えるステップと、
を含む方法。
【請求項72】
請求項71記載の方法において、
前記負電極は亜鉛を含み、前記金属は亜鉛を含み、前記ハロゲンは塩素を含み、前記正電極は炭質材料を含み、前記電解質は水性塩化亜鉛電解質を含み、前記ハロゲン反応物は塩素反応物を含む方法。
【請求項73】
金属ハロゲン電気化学エネルギーセルシステムを用いて電位を生成する方法であって、
金属およびハロゲンを含む水性電解質を、正電極と、負電極と、前記正電極および前記負電極の間の反応ゾーンとを含む少なくとも1つのセルを通して運ぶステップと、
ハロゲン反応物を前記電解質と混合するステップと、
前記電解質をリザーバに集めるステップと、
前記システム内での逆電流の流れを抑制するために前記システムの出力端子にブロッキングダイオードを付けるステップと、
を含む方法。
【請求項74】
請求項73記載の方法において、
前記負電極は亜鉛を含み、前記金属は亜鉛を含み、前記ハロゲンは塩素を含み、前記正電極は炭質材料を含み、前記電解質は水性塩化亜鉛電解質を含み、前記ハロゲン反応物は塩素反応物を含む方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate


【公表番号】特表2010−517210(P2010−517210A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545732(P2009−545732)
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【国際出願番号】PCT/US2008/051111
【国際公開番号】WO2008/089205
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(509198192)プリマス パワー コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】