説明

電気接続箱

【課題】部品点数の増加を招くことなく、基板端子の半田付け部におけるクラックの発生を抑えることの出来る、新規な構造の電気接続箱を提供すること。
【解決手段】基板端子12を、複数の該基板端子12が連結部20で連結されてなる連鎖状端子22から前記連結部20を切断して形成すると共に、該連結部20の残部によって、前記基板端子12において電気部品と接続する接続部38の突出方向でケース16と当接する突部36a,36bを形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等に配設される電気接続箱に係り、特に、基板端子が半田付けされたプリント基板をケース内に収容し、該基板端子において電気部品と接続される接続部がケースの端子挿通孔を通じてケース外に突出された電気接続箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車などの車両において、ジャンクションボックス等の電気接続箱が用いられている。このような電気接続箱は、特開2003−217437号公報(特許文献1)に記載されているように、内部回路としてプリント基板をケース内に収容すると共に、プリント基板に半田付けされた基板端子が、ケースに設けられた端子挿通孔を通じてケース外に突出されて、コネクタやヒューズなどの電気部品と接続可能とされている。
【0003】
ところで、基板端子には、電気部品を抜去する際に、プリント基板から離隔する引張方向の外力が及ぼされる。この外力により、基板端子の半田付け部に応力が及ぼされてクラックを生じるおそれがあり、電気的接続の信頼性を損なうおそれがあった。
【0004】
そこで、特許文献1に記載の電気接続箱は、合成樹脂製の台座で複数の基板端子を保持して、基板端子に引張力が及ぼされた場合には、基板端子を台座に係止させて支持するようにされている。しかし、特許文献1に記載の如き構造では、多数の基板端子に応じて多数の台座が必要となって、部品点数の増加や、組立工数の増加を招くという問題があった。また、台座とプリント基板との熱膨張差により、基板端子の半田付け部にクラックを生じるおそれもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−217437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、部品点数の増加を招くことなく、基板端子の半田付け部におけるクラックの発生を抑えることの出来る、新規な構造の電気接続箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の態様は、基板端子が半田付けされたプリント基板がケース内に収容されていると共に、前記基板端子において電気部品と接続する接続部が前記ケースの端子挿通孔を通じて前記ケースの外部に突出されている電気接続箱において、前記基板端子は、複数の該基板端子が連結部で連結されてなる連鎖状端子から前記連結部が切断されて切り離されたものであり、前記基板端子の側面には、切断された前記連結部の残部によって、前記接続部の突出方向で前記ケースと当接する突部が形成されていることを、特徴とする。
【0008】
本発明に従う構造とされた電気接続箱においては、基板端子の側面に突部が形成されており、該突部が基板端子の接続部の突出方向でケースに当接される。これにより、基板端子に接続されたコネクタやヒューズ等の抜去に際して、基板端子に引張力が及ぼされた場合には、基板端子の突部がケースに接触することにより、基板端子を支持することが出来る。その結果、基板端子の半田付け部への応力を軽減して、半田クラックの発生を低減し、電気的接続の信頼性を向上することが出来る。
【0009】
特に、基板端子においてケースに接触する突部が、連鎖状端子において基板端子を互いに連結する連結部の残部によって構成されている。これにより、特別な加工や、台座等の特別な部品を要することもなく、基板端子を引張力に対して支持することが可能とされており、部品点数の削減を図ることが出来ると共に、台座への基板端子の組み付け作業を要すること無しに、半田クラックのおそれを軽減することが出来る。また、台座が不要とされることから、台座とプリント基板との熱膨張差に起因して基板端子が位置ずれすることによる半田クラックの発生のおそれも回避することが出来る。
【0010】
なお、基板端子の突部がケースに接触される接続部の突出方向とは、必ずしもプリント基板に対する垂直方向に限定されない。例えば、基板端子がL字の屈曲形状を有し、接続部がプリント基板に対して平行に突出されるものに本発明を適用することも可能であり、そのような場合には、ケースの側面に対して基板端子の突部を当接させることにより、プリント基板に対する平行方向で基板端子の突部とケースを当接させて半田付け部への応力を軽減するようにしても良い。
【0011】
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載のものにおいて、前記プリント基板には複数の前記基板端子が前記突部を突き合わせる方向で相互に隙間を隔てて並列されている一方、前記ケースには、隣接する前記基板端子の間に入り込んで前記基板端子の前記突部と当接する当接絶縁壁が形成されているものである。
【0012】
本態様においては、ケースから突出された当接絶縁壁を基板端子の突部に接触させることによって、基板端子を引張力に対して支持することが出来る。そして、当接絶縁壁が、隣接する基板端子の間に介在されている。従って、隣接する基板端子間において当接絶縁壁で相互の絶縁性を確保することが出来る。その結果、隣接する基板間端子をより接近して配設することが可能であり、例えば複数のヒューズ等をより挟ピッチで配設することが可能であり、絶縁性を確保しつつ、配設スペースの向上を図ることが出来る。また、当接絶縁壁がケース側から突出されることにより、基板端子における突部の形成位置をプリント基板側に近づけて、基板端子における接続部の突部からの突出長さをより大きく確保することも出来ることから、電気部品との接続安定性の向上を図ることも出来る。
【0013】
本発明の第三の態様は、前記第二の態様に記載のものにおいて、前記基板端子には、両側の前記側面から前記突部がそれぞれ突出されていると共に、それら両側の突部の前記側面からの突出寸法が互いに異ならされている一方、隣接する前記基板端子間で、一方の前記基板端子に設けられた突出寸法の大きな前記突部と他方の前記基板端子に設けられた突出寸法の小さな前記突部が突き合わされていると共に、前記当接絶縁壁が、前記突出寸法の大きな前記突部に対して当接されるようになっているものである。
【0014】
本態様においては、基板端子から突出する突部の突出寸法が基板端子の両側で異ならされており、隣接する基板端子間において、一方の基板端子における突出寸法の大きな方の突部と、他方の基板端子における突出寸法の小さな方の突部が突き合わされている。これにより、限定された基板端子間の隣接スペース内で、少なくとも突出寸法の大きな方の突部に当接絶縁壁を確実に接触させることが出来、当接絶縁壁による支持効果を確実に発揮することが出来る。
【0015】
本発明の第四の態様は、前記第一〜第三の何れか1つの態様に記載のものにおいて、前記基板端子にはクランク状部が形成されており、前記突部が前記クランク状部よりも前記接続部側に形成されているものである。
【0016】
クランク形状を有する基板端子は、電気部品の抜去などによりプリント基板から離隔する引張方向の力が及ぼされた場合には、半田付け部を支点としてクランク状部を腕長とする回転モーメントにより、半田付け部に応力が集中し易い。しかし、本態様によれば、クランク状部よりも接続部側に突部が形成されており、クランク状部よりもケース側で突部がケースに接触されて基板端子の回転が効果的に抑えられることから、半田付け部への応力の集中を効果的に軽減することが出来て、半田クラックの発生のおそれをより効果的に低減することが出来る。
【発明の効果】
【0017】
本発明においては、連鎖状端子において基板端子を連結する連結部の残部によって突部を構成し、該突部を基板端子の接続部の突出方向でケースに当接させるようにした。これにより、基板端子を電気部品の抜去方向の引張力に対してケースで支持することが出来、台座等の特別な部品点数の増加を招くことなく、半田クラックの発生のおそれを軽減して、電気的接続の信頼性を向上することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態としての電気接続箱の要部の分解斜視図。
【図2】基板端子の正面図。
【図3】図2に示した基板端子の側面図。
【図4】図2に示した基板端子を有する連鎖状端子を部分的に示す正面図。
【図5】図4に示した連鎖状端子のリールへの巻回態様を示す説明図。
【図6】図1に示した電気接続箱の、組付状態におけるコネクタ装着部の断面説明図。
【図7】図2に示した基板端子と異なる基板端子の正面図。
【図8】図7に示した基板端子の側面図。
【図9】図7に示した基板端子を有する連鎖状端子を部分的に示す正面図。
【図10】図1に示した電気接続箱の、組付状態におけるヒューズ装着部の断面説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
先ず、図1に、本発明の一実施形態としての電気接続箱10の要部を示す。電気接続箱10は、複数の基板端子12a,12bが半田付けされたプリント基板14が、ケースとしての合成樹脂製のアッパケース16とロアケース18(図6等参照)内に収容された構造とされている。なお、図1においては、プリント基板14のスルーホールを省略して図示している。
【0021】
図2および図3に、基板端子12aを示す。基板端子12aは、図4に示すように、複数の基板端子12aが連結部20を介して並列状に連結された連鎖状端子22aから連結部20において切り離されて得られたものである。連鎖状端子22aは、基板端子12a間の連結部20で屈曲容易とされており、図5に示すように、リール24に巻回されて梱包可能とされている。
【0022】
そして、リール24から巻き出された連鎖状端子22aが、図4に示す連結部20の切断線26で切断されることにより、基板端子12aが連鎖状端子22aから切り離されている。基板端子12aは電気部品としてのコネクタと接続されるものであり、一方の端部には、平板タブ形状の接続部28が形成されている。また、他方の端部には、プリント基板14のスルーホールに挿通されて半田付けされる複数(本実施形態においては、3つ)の脚部30が形成されている。更に、図3から明らかなように、接続部28と脚部30の間には、クランク状部32が形成されている。
【0023】
基板端子12aには、切断された連結部20の残部によって、基板端子12aの両側面から幅方向(図2中、左右方向)の両外側に突出する突部34a,34bが形成されている。突部34a,34bは、それぞれ、接続部28の幅方向(図2中、左右方向)の両側面36a,36bよりも幅方向の外方に突出されている。基板端子12aは、連鎖状端子22aから切り離されるに際して、連結部20の中央を通る切断線26で切断されている。これにより、両突部34a,34bにおける接続部28の両側面36a、36bからの突出寸法:DlとDrは互いに等しくされている。また、両突部34a,34bは、基板端子12aの上下方向(図2中、上下方向)で互いに等しい位置に形成されており、クランク状部32よりも接続部28側で、且つ接続部28におけるクランク状部32寄りに位置して形成されている。
【0024】
このような基板端子12aは、図6に示すように、脚部30がプリント基板14のスルーホール(図示省略)に挿通されて半田付けされる。そして、プリント基板14の上方(図6中、上方)からアッパケース16が重ね合わされると共に、プリント基板14の下方(図6中、下方)からロアケース18が重ね合わされて、プリント基板14がアッパケース16とロアケース18の間に収容される。
【0025】
アッパケース16には、コネクタ装着部38が形成されている。コネクタ装着部38には、端子挿通孔40が貫設されており、アッパケース16がプリント基板14に重ね合わされるに際して、プリント基板14に突設された基板端子12aの接続部28が端子挿通孔40に挿通されて、端子挿通孔40を通じてコネクタ装着部38内でアッパケース16の外部空間に突出される。そして、コネクタ装着部38に収容される電気部品としてのコネクタ39が、接続部28と接続されるようになっている。
【0026】
端子挿通孔40の幅寸法(図6中、左右方向寸法)は、接続部28の幅寸法よりも僅かに大きい程度に設定されている。これにより、アッパケース16の組み付け状態において、接続部28よりも外方に突出された突部34a,34bは、接続部28の突出方向(図6中、上下方向)で、アッパケース16の底面42と対向位置されている。なお、突部34a,34bは、アッパケース16の組み付け状態で底面42と接触状態とされていても良いし、アッパケース16の成形上の寸法公差等を考慮して、底面42と僅かに隙間を隔てて対向位置されていても良い。
【0027】
さらに、プリント基板14には、基板端子12bが半田付けされている。図7および図8に、基板端子12bを示す。なお、理解を容易とするために、以下の説明において、前記基板端子12aと同様の部位には、適宜に前記基板端子12aと同一の符号を用いて説明する。基板端子12bは、前記基板端子12aと同様、図9に示すように、複数の基板端子12bが連結部20を介して並列状に連結された連鎖状端子22bから連結部20において切り離されて得られたものである。なお、連鎖状端子22bは、前記連鎖状端子22aと同様、リールに巻回されて梱包可能とされている。
【0028】
そして、連鎖状端子22bが、図9に示す連結部20の切断線26で切断されることにより、基板端子12bが連鎖状端子22bから切り離されている。基板端子12bは電気部品としてのヒューズと接続されるものであり、一方の端部には、一対の圧接刃44,44が対向して形成された接続部28が形成されている。また、他方の端部には、複数(本実施形態においては、2つ)の脚部30が形成されている。更に、図8から明らかなように、基板端子12bにおいても、基板端子12aと同様に、接続部28と脚部30の間に、クランク状部32が形成されている。
【0029】
基板端子12bには、切断された連結部20の残部によって、基板端子12bの両側面から幅方向(図7中、左右方向)の両外側に突出する突部34a,34bが形成されている。特に、基板端子12bの連結部20の切断線26(図9参照)は、基板端子12bの並列方向(図9中、左右方向)で連結部20の中央から片方(図9においては、左方)に偏倚されている。これにより、基板端子12bの突部34a,34bは、接続部28の側面36a,36bからの突出寸法:DlとDrが互いに異ならされており、突部34aにおける側面36aからの突出寸法:Dlが、突部34bにおける側面36bからの突出寸法:Drよりも大きくされている。なお、両突部34a,34bは、前記基板端子12aと同様に、基板端子12bの上下方向(図7中、上下方向)で互いに等しい位置に形成されており、クランク状部32よりも接続部28側で、且つ接続部28におけるクランク状部32寄りに位置して形成されている。
【0030】
このような基板端子12bは、図10に示すように、脚部30がプリント基板14のスルーホール(図示省略)に挿通されて半田付けされている。一方、アッパケース16には、複数のヒューズ装着部46が隣接して形成されており、ヒューズ装着部46に貫設された端子挿通孔48を通じて、接続部28がヒューズ装着部46内でアッパケース16の外部空間に突出される。そして、ヒューズ装着部46に収容される電気部品としてのヒューズ50が、接続部28と接続されるようになっている。
【0031】
アッパケース16に複数のヒューズ装着部46が隣接して形成されていることに対応して、プリント基板14には、複数の基板端子12bが、一方の基板端子12bの突部34aと他方の基板端子12bの突部34bを突き合わせる方向で相互に隙間を隔てて並列して突設されている。即ち、各基板端子12bの両側面から幅方向(図10中、左右方向)の両外方に突出する突部34aと34bが、各基板端子12bの幅方向で隣接配置された他の基板端子12bの突部34bと34aにそれぞれ隙間を隔てて対向配置されているのである。一方、アッパケース16において、隣接するヒューズ装着部46,46の間には、底面42からプリント基板14側に向けて突出する当接絶縁壁52が一体形成されている。そして、アッパケース16の組み付け状態において、当接絶縁壁52が隣接する基板端子12b、12bの間に入り込んで、互いに突き合わされた一方の基板端子12bの突部34aと、他方の基板端子12bの突部34bのうち、少なくとも突出寸法の大きな一方の基板端子12bの突部34aに対して、接続部28の突出方向(図10中、上下方向)で当接絶縁壁52と対向位置される。なお、突部34aと当接絶縁壁52は、アッパケース16の組み付け状態で、互いに接触状態とされていても良いし、僅かな隙間を隔てて対向位置されていても良い。
【0032】
このような構造とされた電気接続箱10によれば、図6において、基板端子12aに接続されたコネクタ39が抜去されるに際して、基板端子12aに接続部28の突出方向(図6中、上方)へ向かう引張力が及ぼされた場合には、基板端子12aの突部34a,34bがアッパケース16の底面42に接触する。これにより、基板端子12aをアッパケース16で支持して、基板端子12aの脚部30におけるプリント基板14への半田付け部に及ぼされる応力を軽減することが出来る。その結果、基板端子12aの半田付け部におけるクラックの発生を抑えることが出来て、電気的接続の信頼性を向上することが出来る。同様に、図10において、基板端子12bに接続されたヒューズ50が抜去される場合には、基板端子12bの突部34aが当接絶縁壁52に接触することにより、基板端子12bをアッパケース16で支持することが出来て、脚部30における半田付け部のクラックの発生を抑えることが出来る。
【0033】
特に、本実施形態における基板端子12a,12bは、何れもクランク形状とされている。それ故、接続部28に引張力が及ぼされた場合には、脚部30を支点として、クランク状部32を腕長とする回転モーメントが及ぼされて、脚部30における半田付け部に応力が集中し易い。しかし、本実施形態によれば、突部34a,34bがクランク状部32よりも接続部28側に形成されてアッパケース16に接触することから、脚部30を支点とする回転が抑えられて、脚部30への応力の伝達を効果的に抑制することが出来る。
【0034】
また、ヒューズ50が接続される基板端子12b(図10参照)においては、隣接する基板端子12b,12b間に当接絶縁壁52が介在されている。これにより、両基板端子12b,12b間をより確実に絶縁することが出来て、両基板端子12b,12bをより接近して並列することが出来る。その結果、よりスペース効率良く多数のヒューズ装着部46を形成することが出来る。更に、当接絶縁壁52がプリント基板14側に突出されていることによって、突部34a,34bの形成位置を脚部30側に近づけることが出来る。その結果、相対的に接続部28の長さ寸法を大きく確保することが出来て、ヒューズ50との接続信頼性を確保することが出来る。更にまた、基板端子12bは、左右の突部34a,34bの突出寸法:Dl,Drが異ならされている。これにより、互いに突き合わされた一方の基板端子12bの突部34aと、他方の基板端子12bの突部34bにおいて、少なくとも突出寸法の大きな突部34aを当接絶縁壁52に確実に接触させることが出来て、アッパケース16による支持効果を確実に得ることが出来る。
【0035】
そして、基板端子12a,12bにおける突部34a,34bは、何れも、連鎖状端子22a,22bにおける連結部20の残部を用いて形成されている。これにより、基板端子12a,12bに特別な加工を要することもなく、極めて簡易な構成で、半田クラックの抑制効果を得ることが出来る。また、台座等の特別な部品を要することも無いことから、部品点数の増加を招くことも無いと共に、多数の基板端子を多数の台座に組み付けるような作業工数の増加を招くことも無しに、作業工数の大幅な削減を図りつつ、半田クラックの抑制効果を得ることが出来る。
【0036】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、基板端子の具体的形状が前記実施形態の如き形状に限定されないことは勿論であって、接続部の形状は接続される電気部品に応じて各種の形状が適宜に採用可能であるし、基板端子は必ずしもクランク形状に限定されるものではなく、クランク形状を有さずにストレートに突出されるものでも良い。また、基板端子として、L字状に屈曲されて接続部がプリント基板と平行に突出されるものに本発明を適用して、基板端子に形成された突部をプリント基板と平行方向でケースに係止させて支持する等しても良い。
【0037】
また、前記実施形態における当接絶縁壁52は必ずしも必要ではなく、例えば前記基板端子12bの突部34a,34bをアッパケース14の底面42に接触させるようにしても良い。更にまた、前記基板端子12bにおいて、左右の突部34a,34bの突出寸法:Dl,Drは、互いに等しくされていても良い。
【符号の説明】
【0038】
10:電気接続箱、12a,b:基板端子、14:プリント基板、16:アッパケース(ケース)、20:連結部、22a,b:連鎖状端子、28:接続部、30:脚部、32:クランク状部、34a,b:突部、36a,b:側面、39:コネクタ(電気部品)、40,48:端子挿通孔、50:ヒューズ(電気部品)、52:当接絶縁壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板端子が半田付けされたプリント基板がケース内に収容されていると共に、前記基板端子において電気部品と接続する接続部が前記ケースの端子挿通孔を通じて前記ケースの外部に突出されている電気接続箱において、
前記基板端子は、複数の該基板端子が連結部で連結されてなる連鎖状端子から前記連結部が切断されて切り離されたものであり、
前記基板端子の側面には、切断された前記連結部の残部によって、前記接続部の突出方向で前記ケースと当接する突部が形成されている
ことを特徴とする電気接続箱。
【請求項2】
前記プリント基板には複数の前記基板端子が前記突部を突き合わせる方向で相互に隙間を隔てて並列されている一方、前記ケースには、隣接する前記基板端子の間に入り込んで前記基板端子の前記突部と当接する当接絶縁壁が形成されている
請求項1に記載の電気接続箱。
【請求項3】
前記基板端子には、両側の前記側面から前記突部がそれぞれ突出されていると共に、それら両側の突部の前記側面からの突出寸法が互いに異ならされている一方、隣接する前記基板端子間で、一方の前記基板端子に設けられた突出寸法の大きな前記突部と他方の前記基板端子に設けられた突出寸法の小さな前記突部が突き合わされていると共に、前記当接絶縁壁が、前記突出寸法の大きな前記突部に対して当接されるようになっている
請求項2に記載の電気接続箱。
【請求項4】
前記基板端子にはクランク状部が形成されており、前記突部が前記クランク状部よりも前記接続部側に形成されている
請求項1〜3の何れか1項に記載の電気接続箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−48505(P2013−48505A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185597(P2011−185597)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】