説明

電気機械の整流子

絶縁性の成型材からなる支持部材(1)と、その周りに整流子軸(2)を中心にして配置された金属製の複数の導体セグメント(3)ならびにその上に配置された回転子巻線のための接続要素と、導体セグメント(3)が電気的に接続され導体セグメント(3)の数に相当する個々の混信排除要素(10)を含んでいる混信排除装置(9,9′)とからなり、ここで導体セグメント(3)はその底部(19)から離間した位置の対応する接触点(23)上において2つの隣接する混信排除要素(10)の近接する接触電極(24)に接続されている接触スタッド(18)を有する、電気機械の整流子である。ここで、接触スタッド(18)を放射方向にバネ支持して構成するとともに、これをそれぞれその底点(19)と接触点(23)との間の領域においてこの接触スタッド(18)のそれに隣接した硬質の整流子部材に対する相対位置が熱膨張に相関して変化し得るような形態で隣接する硬質の整流子部材に対して離間させる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
この発明は、絶縁性の成型材からなる支持部材と、その周りに整流子軸を中心にして配置された金属製の複数の導体セグメントならびにその上に配置された回転子巻線のための接続要素と、導体セグメントが電気的に接続され導体セグメントの数に相当する個々の混信排除要素を含んでいる混信排除装置とからなり、ここで導体セグメントはその底部から離間した位置の対応する接触点上において2つの隣接する混信排除要素の近接する接触電極に接続されている接触スタッドを有する、電気機械の整流子に関する。
【0002】
異なった構成形式(ドラム型整流子、平形整流子)の整流子が多様な構成形態によって知られている。特にドラム型整流子としての構成形態において、該当する電気機械の近傍に設置された電気部品が整流子上の電波生成によって影響を受けることを防止するために、電波抑制装置を装備した整流子が増えている。
【0003】
この種の混信排除装置は、従来電波依存型抵抗を有する材料からなるリング形状の混信排除盤として構成されることが知られており、これは導体セグメントと導電的に接続されている。該当する混信排除盤は、ブラシ滑走面の放射方向外側(例えば、米国特許第5895990A号公報、米国特許第5717270A号公報、英国特許第2183933A号公報、ならびに米国特許第5796203A号公報参照)に配置するか、あるいはブラシ滑走面の放射方向内側(例えば、米国特許第6285106B1号公報、ドイツ国特許第19953231A1号公報参照)に配置することができる。加えて、導体セグメントが外側のシリンダ状混信排除スリーブ上に配置されている混信排除された特殊形式のドラム型整流子が知られている(ドイツ国特許第2055648号公報ならびにドイツ国特許3614869C2号公報)。欧州特許第364292B1号公報には、接続ラグの半径方向下側に混信排除被覆を有するかあるいは独立した混信排除リングが隣接して配置された耐熱性の補強リングが設けられた熱可塑性材料から形成された支持部材を有するドラム型整流子が記載されており;この補強リングは必要に応じて設けられる独立した混信排除リングと同様に支持部材の台座上に配置されており、そこで導体セグメントから突出している固定リンクによって支持されている。
【0004】
それぞれの特定の混信排除盤の構成にかかわらず、混信排除装置がリング形状の混信排除盤からなる全ての整流子において、混信排除装置のコストが大きな問題となる。これは、通常この種の混信排除盤が形成されるセラミック材料が極めて高価であり;多層構造金属−セラミック板からこれを切り出すことによる混信排除盤の製造に際して多量の廃棄物が発生する。
【0005】
加えて、多くの実用上の適用に際して整流子が使用できる空間が限られているため、混信排除盤を使用して混信排除する既知のドラム型整流子のうちブラシ滑走面の半径方向内側に配置された混信排除盤を有する小型の整流子のみが使用可能である。ブラシ滑走面の放射方向内側に配置された混信排除リングを有するこの種のドラム型整流子の別の問題点は、通常セラミック材料から形成される混信排除盤と該当する整流子のその他の構成要素との間の異なった熱特性によるものである。特別な処置が施されない限り、熱応力によって破損した混信排除盤および/または導体セグメントと混信排除盤との間の接続の破壊のため早期の整流子の故障が発生し得る。この問題を解決するため、ドイツ国特許出願公開第19953231号公報においては、可塑性の接着剤を使用して混信排除盤を支持部材に接合し導体セグメントは細い線を介して混信排除盤に接続し、この線は一方で該当する導体セグメントの接続ラグにハンダ付けし他方で該当する混信排除盤の金属化ゾーンにハンダ付けすることが提案されている。これに対して、前述した種類のドラム型整流子を開示している米国特許第6285106B1号公報によれば、導体セグメントを混信排除盤と電気的に接触させるために板バネが設けられており、これは支持部材と導体セグメントと環状蓋部材によって仕切られるとともにその中にさらに混信排除盤も収容されている環状中空部内に配置されている。板バネは混信排除盤とその他の整流子構成部分において異なった放射方向の熱膨張に対応するものであり、これは特に環状蓋部材上に固定することができる。
【0006】
前述した導体セグメントの放射方向内側に配置された混信排除盤を備えた両方のドラム型整流子において特に問題なことは、ドラム型整流子の競争力を低下させる高い製造コストであり、これは特に欧州特許第364292B1号公報による整流子においては混信排除盤の高い製造コスト(上記参照)に加えて接合する構成要素の数が多いことによって理由付けられる。さらに、欧州特許第364292B1号公報による整流子において、板バネの接合圧力のみでは導体セグメント上および混信排除盤上に生じる接触効果が持続的に安定したものではなく、例えば腐食によって影響を受ける可能性がある点である。
【0007】
ドイツ国特許出願公開第4338345号公報には、支持体内に埋め込まれた個別の混信排除要素からなる混信排除装置を備えた前述した種類のドラム型整流として構成された整流子が開示されている。各導体セグメントは、該当する導体セグメントを固定するための支持部材内に埋め込まれた2本の支持棒を介してそれぞれ互いに隣接する混信排除要素に接続されている。この整流子において、前述した環状混信排除盤の加工に伴った大きなコストは発生しないが、ドイツ国特許出願公開第4338345号公報による整流子においては前述した材料によって異なる熱膨張係数のため導体セグメントと混信排除要素との間の接触が極限られた寿命しか期待できない。
【0008】
従って、本発明の目的は、前述した従来の技術の観点から、少ない製造労力をもって低コストに加工することができ、長寿命かつ信頼性の高い前述した種類の混信排除された整流子を提供することであり、この際混信排除されていない同様な設計の整流子と実質的に同等な寸法からなる混信排除された整流子を製造し得ることが好適である。
【0009】
前記の課題は、本発明に従って、接触スタッドを放射方向にバネ支持して構成するとともに、それぞれその底点と接触点との間の領域において接触スタッドのそれに隣接した硬質の整流子部材に対する相対位置が熱膨張に相関して変化し得るように隣接する硬質の整流子部材に対して離間させることによって解決される。
【0010】
従って、本発明に係る整流子の第1の典型的な特徴は、混信排除装置が環状の混信排除盤からなるのではなく、導体セグメントの数に相当する個々の混信排除要素からなり;この種の個々の混信排除要素は特に平行六面体形状を有する多層コンデンサとして形成され、多層金属−セラミック板材から切削屑を伴わずに従って極めて低コストに製造することができる。さらに、本発明に係る整流子において、導体セグメントの内蔵構成要素、すなわち導体セグメントの別の部分と一体的に製造された接触スタッドが導体セグメントと混信排除要素との間の直接的な接触を成すよう作用し;従来の技術において導体セグメントと混信排除盤との接触のために設けられたワイヤまたはバネ板等のような独立した追加的な構成要素は本発明に係る整流子は備えていない。接触スタッドとそれぞれ2つの隣接した混信排除要素の接触電極との間の“接続”としては任意の導電性の接触であると理解され;特にハンダ等の接着材料が不可欠となることはない。導体セグメント上に一体的に成形された接触スタッドと混信排除要素との間の整流子の寿命に悪影響を与えることが無い直接的な接触は、個々の整流子構成部材の異なった熱膨張特性を補償するために接触スタッドが変形可能であることによって達成される。これに対して、接触スタッドの変形性は一方でそのバネ支持された構成によって得られ、ここで接触スタッドが混信排除要素と接続する接触点は接触スタッドが固定的な締付けの方式によってこれに連接している導体セグメントの領域に交接しているこの接触スタッドの底点から離間し、他方で接触スタッドの変形性は隣接する構成部材に対する接触スタッドの分離によって得られ、従って接触スタッドは自由な膨張補償を妨げることがない。特に、本発明に係る整流子において、バネ支持された接触スタッドがその放射方向内側面上においてこの接触スタッドの放射方向内側に隣接する構成部材に対してこの該当する構成部材に対する接触スタッドの距離が熱膨張に従って変化し得るように離間している。前記のバネ支持された接触スタッドのそれぞれこれに隣接する整流子のその他の構成部材に対する分離は、支持部材の適宜なカットアウト内における接触スタッドの自由な配置を含むものであり、それによってその底点ならびにその接触点を除いて空気によって包囲されており;勿論バネ支持された接触スタッドを完全にあるいは部分的に弾力的な材料に埋め込むことも考えられる。バネ支持された接触スタッドのこれの放射方向内側に隣接した整流子の硬質構成部材に対する分離によって、接触スタッドは個々の構成部材のそれぞれの熱膨張に相関してその放射方向内側に隣接している硬質の構成部材、特に成形材料からなる支持部材に対していくらか大きな放射方向の距離を有する。さらに、接触スタッドの変形性によってこの接触スタッドと混信排除要素との間の強固な接続の領域に作用する圧力はこの接続上の損傷が防止される程度に低減される。従って、接触スタッドは特に簡便なハンダ付けあるいは導電性の接着結合によって接触点の領域において永久的に混信排除要素と結合することができる。
【0011】
従って、本発明の適用により、本発明に係る整流子の特徴の組み合わせのため、最小限の加工労力により極めて低コスト、超寿命かつ小型の混信排除された整流子を製造することができる。
【0012】
本発明に係る整流子の第1の好適な追加構成によれば、混信排除要素は平行六面体形状の多層コンデンサとして構成されるとともに同一面の多角形の縁部に沿って整流子軸周りに配置され、この際互いに隣接する2つの導体セグメント間の間隙部に配置することが好適である。これによって方法として簡便であり従って低コストである本発明に係る整流子の製造が可能になる。
【0013】
別の好適な構成形態によれば、本発明に係る整流子において周囲方向に沿って計測したバネ支持された接触スタッドの幅は導体セグメントの幅よりも短くなる。また、接触スタッドの長さもその幅に比べて大幅に大きくなるとともに接触スタッドの厚みよりも大きいものとなる。このことによって、一方でバネ支持による接触スタッドの弾力性の観点における利点があり;さらに、この方式によって、接触スタッドがいずれも互いに隣接する2つの混信排除要素の接触電極間に突出し該当する接触電極と共に両方の隣接した混信排除要素の接触電極間の空間を架橋するように接触領域を形成するような、好適な混信排除要素の構成形態が達成される。
【0014】
本発明の基盤となる概念は多様な形式の整流子(ドラム型整流子、平形整流子)において利点をもたらすが、シリンダ形状のブラシ滑走面を有するドラム型整流子としての整流子の構成の場合に本発明によって達成される利点が特に顕著に現れる。特に、この種のドラム型整流子として構成された本発明に係る整流子において、本発明の特に好適な追加構成によれば接触スタッドは導体セグメントの内側放射面から分岐している。これにより、ブラシ滑走面が軸方向に向かって混信排除装置から突出して延在するため、極めて小型の構造が達成される。
【0015】
接触電極の領域における接触スタッドと混信排除要素との間の導電性の接続のためには多様な可能性が考えられる。接触スタッドを対応する混信排除要素の接触電極にハンダ付けすることが特に好適である。しかしながら、導電性の接着接続も好適に使用することができる。それどころか、特別な条件下においては例えばハンダまたは接着剤等の独立した接着材料を省略することができ、接触スタッドを混信排除要素の接触電極に予荷重をかけて着合することによって接触スタッドと混信排除要素のとの間の導電性の接触を達成することができる。
【0016】
接続要素の構成の観点において、さらに別の本発明の好適な追加構成は、整流子をドラム型整流子として構成した際に混信排除装置の反対側の整流子の端面の領域に配置される接続ラグとして接続要素を形成することを特徴とする。この場合、回転子巻線の接続ラグへの溶着中に接触スタッドと混信排除要素との接続が破損する危険性が最小限となる。
【0017】
混信排除要素は、その位置を保持するために支持部材内に軸方向に没入されている収容部内に挿入することが好適である。この種の収容部の仕切り壁は該当する混信排除要素を放射方向、周囲方向ならびに軸方向において向かい側の混信排除要素の放射方向内側および外側表面ならびに前端面に対して支持するように作用する。この収容は、放射方向内側および周囲方向に対してそれぞれリブリングによってまた放射方向外側に対して支持部材の成形突出部によって仕切ることが特に好適である。ここで、混信排除要素の各側面は当然リブリングのリブによって一部のみが遮蔽されており、それによって導電性の接触スタッドの混信排除要素への接続のために充分なスペースが提供される。
【0018】
前述したリブリングは、特に混信排除装置に向いている整流子の端面上において実質的に混信排除要素を超えて突立しているリブ外被内に延長することができ、この際リブ外被の放射方向寸法はリブリングの放射方向寸法に比べてこれと等しいかあるいは小さいものとなる。該当するリブ外被は回転子のアンカ角度位置を感知するよう作用する特にフェライト、希土類あるいはコバルト系磁性材料からなるリング要素のための支持体を形成する。本発明の別の好適な追加構成形態によれば、磁性材料からなるリング要素をリブ外被上に設置することに代えて支持部材から軸方向に離間している心出し突出部上に設置することもでき;これによってリング要素を任意の回転角度位置をもって支持部材上に固定することが可能になる。
【0019】
次に、本発明の好適な実施例につき、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
図1ないし図3に示されているドラム型整流子は、主要な構成部材として絶縁性の成形材から形成された支持部材1と整流子軸2の周りに均等に配置された10個の導体セグメント3とを備え、この導体セグメントの周囲面がブラシ滑走面4を定義している。支持部材1は軸2と同心である孔部5を備えており、これは整流子の構成において回転子軸として機能する。
【0021】
導体セグメント3の電機子部分6は支持部材1の成形材料内に埋め込まれ、これによって導体セグメントが高い回転数においてもその際発生する慣性力にもかかわらず安定的に固定される。導体セグメント3の末端側には接続ラグ7が設けられており、これは既知のものと同様な方式で巻線を整流子へ接続するよう機能する。
【0022】
前述した範囲内において図1ないし図3に示された整流子は従来の技術によるものと同様であり、従ってその詳細な説明は省略する。
【0023】
接続ラグ7の反対側の端面8の領域内において整流子は混信排除装置9を備えている。これは等しい形態で整流子軸2の周りに配置されたセラミック材料製の10個の平行6面体形の個別混信排除要素10を備えている。ここで、混信排除要素10は導体セグメント3に対して間隙をもって配置されている。これらはいずれもコンデンサ機能を備えるとともにそれぞれ2つの対向する端面上に金属化層11を有している。各混信排除要素は支持部材1の袋状収容部12内に収容されている。この収容部12は放射方向内側ならびに周囲方向において周囲面13または支持部材1の一部であるリブリング15の2つのリブ14によって仕切られており;放射方向外側に対してはそれぞれ支持部材1の成形突出部16が混信排除要素10の収容部12を仕切っている。混信排除要素10はその位置を保持するために収容部12内に接着されている。
【0024】
整流子8の端面に面した導体セグメント3の端部の近くにその放射方向内側面17上にバネ支持された接触スタッド18が形成されている。接触スタッド18はその底点19から整流子の隣接する端面8の方向に向かって斜め内側に延在している。接触スタッド18は支持部材1の成形材料内に埋め込まれておらず、従って変形が可能である。
【0025】
導体セグメント3のバネ支持している接触スタッド18はその自由端部20をもっていずれも2つの隣接する混信排除要素10の間に突立している。相関している接触領域22について該当する接触スタッド18の自由端上に配置された導体セグメント3の接触点23ならびにこれと隣接しいずれも金属化層11によって形成された接合している混信排除要素10の接触電極24の両方を把持するハンダ接続21によって、接触スタッドが恒久的に隣接する混信排除要素と導電接続される。ハンダ接続21に対して充分な空間を形成するために、リブリング15のリブ14と支持部材1の成形材突出部16との間にいずれも間隙25が存在している。
【0026】
図4および図5に示された本発明に係る整流子の実施例はその主要な構成要素の観点から図1ないし図3に示された実施例と同等である。従って、説明の繰り返しを避けるために前述した説明を参考にする。唯一の重要な相違点は、リブリング15が混信排除装置9に対応している整流子の端面8上で混信排除要素10を超えて突立しているリブ外被26内まで延長していることである。リブ外被26上に磁性材料(例えばフェライト、希土類、あるいはコバルト系磁性材料)からなるリング要素27が取り付けられリブ外被に接着されている。
【0027】
図6ないし図8に示されているような、本発明に従って構成された平形整流子において、8個の混信排除要素10を備えた混信排除装置9′はブラシ滑走面4と反対側の整流子端面の領域内に配置されている。混信排除装置自体については図1ないし図3の実施例と同様であり、従って説明の繰り返しを省略するため前記の図面に関する説明を参考にする。前述したドラム型整流子の場合、図には1つの接触スタッド(のみ)について示されているが、接触スタッド18の接触点23はハンダ接続21を介して隣接する両方の混信排除要素10と結合されている。さらに、本発明に係る混信排除装置の構成は、ブラシ滑走面が導体セグメント自体によって定義されるかあるいは炭素材セグメントによって定義されるかにかかわらず、平形整流子においても実施可能である。
【0028】
図9に示されたドラム型整流子は、その主要な構造特性の点において図1ないし図3に示されたドラム型整流子と同様であり、従って説明の繰り返しは省略する。ここでもドラム型整流子は、図4および図5の整流子と同様に、端面側に磁性材料からなるリング要素27を備えている。しかしながら、これはリブ外被上に取り付けられず;むしろ図9のドラム型整流子においては支持部材1が軸方向に突立している心出し突起部28まで延長されている。その上に磁性材料からなるリング要素27が取り付けられている。心出し突起部28の端面29の領域内に配置された接着部30によってリング要素27が整流子の支持部材1と固定的に結合されている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に従って構成されたドラム型整流子を示す軸方向断面図である。
【図1a】図1の整流子の拡大図である。
【図2】図1の整流子の線II−IIに沿った断面図である。
【図2a】図2の整流子の拡大図である。
【図3】図1および図2の整流子の線III−IIIに沿った断面図である。
【図4】図1ないし図3の実施形態とは異なった本発明に係るドラム型整流子の別の実施例を示す軸方向断面図である。
【図5】図4の整流子の線V−Vに沿った断面図である。
【図6】本発明に従って構成された平形整流子を示す断面図である。
【図7】図6の平形整流子の線VII−VIIに沿った断面図である。
【図8】図6および図7の平形整流子の線VIII−VIIIに沿った軸方向断面図である。
【図9】図4および図5のドラム型整流子の変更例の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性の成型材からなる支持部材(1)と、その周りに整流子軸(2)を中心にして配置された金属製の複数の導体セグメント(3)ならびにその上に配置された回転子巻線のための接続要素と、導体セグメント(3)が電気的に接続され導体セグメント(3)の数に相当する個々の混信排除要素(10)を含んでいる混信排除装置(9,9′)とからなり、ここで導体セグメント(3)はその底部(19)から離間した位置の対応する接触点(23)上において2つの隣接する混信排除要素(10)の近接する接触電極(24)に接続されている接触スタッド(18)を有する、電気機械の整流子であり、
接触スタッド(18)を放射方向にバネ支持して構成するとともに、これをそれぞれその底点(19)と接触点(23)との間の領域においてこの接触スタッド(18)のそれに隣接した硬質の整流子部材に対する相対位置が熱膨張に相関して変化し得るような形態で隣接する硬質の整流子部材に対して離間させることを特徴とする整流子。
【請求項2】
混信排除要素(10)は平行六面体形状の多層コンデンサとして構成することを特徴とする請求項1記載の整流子。
【請求項3】
接触スタッド(18)は互いに隣接する2つの混信排除要素(10)の接触電極(24)の間に突立し、ここで接触スタッド(18)はいずれも両方の隣接する混信排除要素(10)の接触電極(24)の間の間隙を架橋することを特徴とする請求項1または2記載の整流子。
【請求項4】
混信排除要素(10)は整流子軸(2)の周りにおいて等辺多角形の縁部に沿って均等に配置されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の整流子。
【請求項5】
バネ支持された接触スタッド(18)の周囲方向において計測した幅が導体セグメント(3)の幅よりも小さいことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の整流子。
【請求項6】
接触スタッド(18)の長さはその幅に比べて著しく大きいものであるとともにさらにこの幅が接触スタッド(18)の厚みに比べて著しく大きいものであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の整流子。
【請求項7】
シリンダ形状のブラシ滑走面(4)を有するドラム型整流子として構成することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の整流子。
【請求項8】
接触スタッド(18)は導体セグメント(3)の内側放射面(17)から分岐していることを特徴とする請求項7記載の整流子。
【請求項9】
ブラシ滑走面(4)は混信排除装置(9)を超えて軸方向に延在し、ここでブラシ滑走面(4)の下の導体セグメント(3)の放射方向の厚みが混信排除要素(9)の領域内においても0.5mmよりも大きなものであることを特徴とする請求項7または8記載の整流子。
【請求項10】
混信排除装置(9)は回転子巻線のための接続要素の反対側の整流子端面上に配置されることを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載の整流子。
【請求項11】
平形整流子として構成されるとともに、混信排除装置(9′)が回転子巻線のための接続要素の側の整流子端面上に配置されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の整流子。
【請求項12】
接触スタッド(18)は対応する混信排除要素(10)の接触電極(24)にハンダ付けされるかあるいはこれと導電性接着されることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の整流子。
【請求項13】
接触スタッド(18)は対応する混信排除要素(10)の接触電極(24)に接合するために弾力的な予荷重をかけられることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の整流子。
【請求項14】
混信排除要素(10)はいずれも支持部材(1)の収容部(12)内に装着され、その仕切り壁がそれぞれ該当する混信排除要素の放射方向内側および外側面、両方の側面、ならびに前端面に対向していることを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の整流子。
【請求項15】
収容部(12)は放射方向内側および周囲方向をそれぞれリブリング(15)によって、ならびに放射方向外側を支持部材(1)の成形材突起部(16)によって仕切られていることを特徴とする請求項14記載の整流子。
【請求項16】
リブリング(15)は混信排除装置(9)の側の整流子の端面(8)上において混信排除要素(10)を顕著に超えて突立しているリブ外被(26)内に延長され、この際リブ外被(26)の放射方向寸法はリブリング(15)の放射方向寸法に比べてこれと等しいかあるいは小さいものとなることを特徴とする請求項15記載の整流子。
【請求項17】
リブ外被(26)上に磁性材料からなるリング要素(27)が取り付けられることを特徴とする請求項16記載の整流子。
【請求項18】
リング要素(27)はフェライト、希土類、あるいはコバルト系磁性材料であることを特徴とする請求項17記載の整流子。
【請求項19】
リング要素(27)はリブ外被(26)に接着されることを特徴とする請求項17または18記載の整流子。
【請求項20】
支持部材(1)は混信排除装置(9)の側の端面(8)上において心出し突起部内に延長され、その上に磁性材料からなるリング要素(27)が取り付けられることを特徴とする請求項1ないし15のいずれかに記載の整流子。

【図1】
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【図1a】
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【図2】
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【図2a】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−517776(P2006−517776A)
【公表日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501775(P2006−501775)
【出願日】平成16年2月8日(2004.2.8)
【国際出願番号】PCT/EP2004/001145
【国際公開番号】WO2004/073120
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(505039424)コレクトール グループ デー.オー.オー. (8)
【Fターム(参考)】