説明

電気泳動表示装置の表示欠陥修復方法及び製造方法、並びに、表示欠陥修復装置

【課題】表示品質の向上と歩留まりの向上に寄与できるようにした電気泳動表示装置の表示欠陥修復方法及び製造方法、並びに、表示欠陥修復装置を提供する。
【解決手段】マイクロカプセル含有層の第1の面の反対側である第2の面側に、第2の電極を有する第2の基板を配置する工程と、前記第1の面側に配置されている第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加して、前記マイクロカプセル含有層に予め設定された画像を表示させる工程と、前記マイクロカプセル含有層が表示する前記画像に基づいて、前記複数のマイクロカプセルの各々の異常の有無を判定する工程と、前記異常の有無を判定する工程で異常が有ると判定されたときは、前記複数のマイクロカプセルのうちの前記異常が有ると判定されたマイクロカプセルの殻体を破壊する工程と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気泳動表示装置の表示欠陥修復方法及び製造方法、並びに、表示欠陥修復装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液体中に微粒子を分散させた分散系に電界を作用させると、微粒子は、クーロン力により液体中で移動(泳動)することが知られている。この現象を電気泳動という。近年、この電気泳動を利用して所望の情報(画像)を表示させるようにした電気泳動表示装置が、新たな表示装置として注目を集めている。この電気泳動表示装置は、電圧の印加を停止した状態で画像の表示を維持すること(表示メモリー性)を有すること、広視野角性を有すること、低消費電力で高コントラストの表示が可能であることなど、優れた特徴を備えている。
【0003】
また、電気泳動表示装置は、非発光型(反射型)の表示デバイスであることから、ブラウン管のような発光型の表示デバイスに比べて、目に優しいという特徴も有している。このような電気泳動表示装置としては、電極を有する一対の基板間に、電気泳動粒子を分散させた溶媒を封入したマイクロカプセルを多数配設したマイクロカプセル型のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2007−58151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、マイクロカプセル型の電気泳動表示装置では、その製造過程で、マイクロカプセル内から溶媒の一部が流失したり、マイクロカプセル内に異物が混入したりする場合がある。このように溶媒抜けや異物が混入したマイクロカプセル(以下、異常カプセルともいう。)は、電圧の印加状態に応じた動作を正常に行うことができない可能性があった。例えば、異常カプセルは、電圧を印加しても動作しなかったり(色が変化しなかったり)、所定の濃度に達することなく、本来は白を表示するところで淡色に近い灰色を表示したり、本来は黒を表示するところで濃色に近い灰色を表示したりする可能性があった。
【0006】
このように、電気泳動表示装置において、多数のマイクロカプセルの中に異常カプセルが混在していると、電気泳動表示装置の表示動作が非動作、もしくは不十分な動作となり、表示品質が低下する可能性がある。また、表示品質を高めるためにするために、異常カプセルが発生した電気泳動表示装置を全て廃棄する(即ち、不良品として処分する)と、歩留まりが低下する可能性がある。
【0007】
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、表示品質の向上と歩留まりの向上に寄与できるようにした電気泳動表示装置の表示欠陥修復方法及び製造方法、並びに、表示欠陥修復装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る電気泳動表示装置の表示欠陥修復方法は、複数のマイクロカプセルを有するマイクロカプセル含有層と、前記マイクロカプセル含有層の一方の面である第1の面側に配置された、第1の電極を有する第1の基板と、を備えた電気泳動表示装置の表示欠陥修復方法であって、前記マイクロカプセル含有層の前記第1の面の反対側である第2の面側に、第2の電極を有する第2の基板を配置する工程と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加して、前記マイクロカプセル含有層に予め設定された画像を表示させる工程と、前記マイクロカプセル含有層が表示する前記画像に基づいて、前記複数のマイクロカプセルの各々の異常の有無を判定する工程と、前記異常の有無を判定する工程で異常が有ると判定されたときは、前記複数のマイクロカプセルのうちの前記異常が有ると判定されたマイクロカプセルの殻体を破壊する工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
このような方法であれば、異常の原因となっているマイクロカプセル(以下、異常カプセル121ともいう。)の殻体内から溶媒が流出する。異常カプセル121の外周で互いに押し合っているマイクロカプセル(以下、外囲カプセルともいう。)は、この溶媒が流出することにより生じる空隙を埋めるように移動する。その結果、マイクロカプセル含有層において、異常カプセル121に起因した表示欠陥を外周カプセルで修復することができ、表示欠陥の領域を小さくすることができる。これにより、電気泳動表示装置の表示品質の向上と、歩留まりの向上に寄与することができる。
【0010】
なお、本発明の「第1の電極」としては、例えば、後述する共通電極12が該当する。「第1の基板」としては、例えば、後述する対向基板10が該当する。「第1の面」としては、例えば、後述する表面20Aが該当する。「第2の面」としては、例えば、後述する裏面20Bが該当する。「第2の電極」としては、例えば、後述する検査用電極33が該当する。「第2の基板」としては、例えば、後述する離型フィルム30が該当する。
【0011】
また、上記の電気泳動表示装置の表示欠陥修復方法において、前記殻体を破壊する工程の後工程として、前記マイクロカプセル含有層を加熱する工程、をさらに含むことを特徴としてもよい。このような方法であれば、複数のマイクロカプセルの各々の膨張を促すことができ、複数のマイクロカプセルの各々が互いに押し合う力を高めることができる。これにより、外囲カプセルの流動性が高まるため、表示欠陥の修復をより円滑に行うことができる。
【0012】
また、上記の電気泳動表示装置の表示欠陥修復方法において、前記殻体を破壊する工程の後工程として、前記マイクロカプセル含有層を振動させる工程、をさらに含むことを特徴としてもよい。このような方法であれば、振動により、外囲カプセルの移動を促すことができため、表示欠陥の修復をより円滑に行うことができる。
また、上記の電気泳動表示装置の表示欠陥修復方法において、前記殻体を破壊する工程では、レーザー光を前記第1の基板を通して前記殻体に照射することによって当該殻体を破壊することを特徴としてもよい。このような方法であれば、第1の基板に傷、穴等のダメージを与えずに済む。
【0013】
また、上記の電気泳動表示装置の表示欠陥修復方法において、前記殻体を破壊する工程では、前記マイクロカプセル含有層の前記第2の面側から前記殻体に針の先端を接触させることによって当該殻体を破壊することを特徴としてもよい。このような方法であれば、第1の基板に傷、穴等のダメージを与えることなく、異常カプセル121の殻体を破壊することができる。
【0014】
また、上記の電気泳動表示装置の表示欠陥修復方法において、前記殻体を破壊する工程では、前記第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加しないことを特徴としてもよい。このような方法であれば、例えば、異常カプセル121の殻体内から流出した溶媒と第1の電極との電気化学反応が生じることを防ぐことができ、第1の電極が腐食することを防ぐことができる。
【0015】
本発明の別の態様に係る電気泳動表示装置の製造方法は、上記の電気泳動表示装置の表示欠陥修復方法を行う工程と、前記異常の有無を判定する工程の後工程として、前記マイクロカプセル含有層の前記第2の面の側から前記第2の基板を除去する工程と、前記第2の基板が除去された後の前記マイクロカプセル含有層の前記第2の面側に、第3の電極を有する第3の基板を配置する工程と、をさらに含むことを特徴とする。このような方法であれば、上記の表示欠陥修復方法が電気泳動表示装置の製造方法に適用されるため、表示品質が高い電気泳動表示装置を歩留まり高く製造することが可能となる。
【0016】
なお、本発明の「第3の電極」としては、例えば、後述する画素電極42が該当する。「第3の基板」としては、例えば、後述する素子基板40が該当する。
本発明のさらに別の態様に係る電気泳動表示装置の表示欠陥修復装置は、複数のマイクロカプセルを有するマイクロカプセル含有層と、前記マイクロカプセル含有層の一方の面である第1の面側に配置された、第1の電極を有する第1の基板と、を備えた電気泳動表示装置の表示欠陥修復装置であって、前記マイクロカプセル含有層の前記第1の面の反対側である第2の面側に、第2の電極を有する第2の基板が配置された状態で、前記第1の基板と前記マイクロカプセル含有層及び前記第2の基板を支持する支持手段と、前記支持手段によって前記第1の基板と前記マイクロカプセル含有層及び前記第2の基板が支持された状態で、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加して、前記マイクロカプセル含有層に予め設定された画像を表示させる電圧印加手段と、前記マイクロカプセル含有層が表示する前記画像に基づいて、前記複数のマイクロカプセルの各々の異常の有無を判定する判定手段と、前記判定手段によって異常が有ると判定されたときは、前記複数のマイクロカプセルのうちの前記異常が有ると判定されたマイクロカプセルの殻体を破壊する破壊手段と、を含むことを特徴とする。このような構成であれば、上記の表示欠陥修復方法の少なくとも一部の工程を自動で行うことができる(即ち、自動化することができる。)。
【0017】
なお、本発明の「支持手段」としては、例えば、後述するステージ210が該当する。「電圧印加手段」としては、例えば、後述する電圧印加装置230が該当する。「判定手段」としては、例えば、後述する撮像装置240及び制御部260が該当する。「破壊手段」としては、例えば、後述するレーザー光照射装置250が該当する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態に係るEPDシート50の表示欠陥修復方法を示す図。
【図2】第1実施形態に係るEPDシート50の表示欠陥修復方法を示す図。
【図3】第1実施形態に係るEPDシート50の表示欠陥修復方法を示す図。
【図4】第1実施形態に係るEPDシート50の表示欠陥修復方法を示す図。
【図5】第1実施形態に係るEPDシート50の表示欠陥修復方法を示す図。
【図6】第1実施形態に係る電気泳動表示装置100の製造方法を示す断面図。
【図7】第1実施形態に係る電気泳動表示装置100の製造方法を示す断面図。
【図8】第1実施形態に係る電気泳動表示装置100の製造方法を示す断面図。
【図9】第1実施形態の変形例を示す図。
【図10】第2実施形態に係る表示欠陥修復装置200の構成例を示す図。
【図11】第3実施形態に係るEPDシート50の表示欠陥修復方法を示す図。
【図12】第3実施形態に係るEPDシート50の表示欠陥修復方法を示す図。
【図13】第3実施形態に係るEPDシート50の表示欠陥修復方法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する各図において、同一の構成を有する部分には同一の符号を付し、その重複する説明は省略する場合もある。
(1)第1実施形態
図1(a)〜図5は、本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示シート(以下、EPDシートという。EPD:Electrophoretic Display)50の表示欠陥修復方法を示す平面図と断面図である。
(1.1)EPDシートの構成
まず始めに、表示欠陥修復工程に供されるEPDシート50の構成例について説明する。図1(a)及び(b)に示すように、EPDシート50は、対向基板10と、マイクロカプセル含有層(即ち、データー表示層)20と、を備える。
【0020】
対向基板10は、基板本体11と、この基板本体11の一方の面に形成された共通電極12とを有する。基板本体11は、例えば、可撓性を有する絶縁性の樹脂からなる。このような樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。
共通電極12は、この対向基板10の一方の面に形成されている。共通電極12の材料としては、例えば、ITO、酸化亜鉛、金属微粒子、金属箔などの無機導電性物質や、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリチオフェンなどの有機導電性物質などが挙げられる。なお、マイクロカプセル含有層20に表示される画像、文字、記号等は例えば対向基板10の側から視認される。この場合は、基板本体11及び共通電極12の各材料は、可視光を透過する有色透明又は無色透明の材料で構成されている。
【0021】
マイクロカプセル含有層20は、複数のマイクロカプセル21と、可視光を透過する透明なバインダー26とを有する。図1(b)に示すように、複数のマイクロカプセル21の各々は、断面視で一方が他方に積層されることなく、単層を成すように配置されている。また、マイクロカプセル21は、中空で球状の透明なカプセル本体(即ち、殻体)22を有する。この殻体22の内部には溶媒23が充填されている。この溶媒23に、正又は負に帯電させた複数の電気泳動粒子24が分散されている。溶媒23及び電気泳動粒子24はそれらの色が相互に異なるように設定されている。
【0022】
一例として、溶媒23の色は黒色で、電気泳動粒子24は白色である。或いは、殻体22の内部の溶媒23には、正に帯電させた複数の電気泳動粒子24Aと、負に帯電させた複数の電気泳動粒子24Bとが分散されており、これら電気泳動粒子24の色が帯電の正負で相互に異なるように設定されていてもよい。一例として、正に帯電させた電気泳動粒子24Aは白色で、負に帯電させた電気泳動粒子24Bは黒色であり、溶媒23は透明である。
【0023】
殻体22はある程度の弾力性を有する材料からなる。このような材料として、例えば、ゼラチン、アラビアゴムとゼラチンとの複合材料、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリアミド、ポリエーテルのような各種樹脂材料が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、マイクロカプセル21の形状は、外力を加えていない状態で球形である。マイクロカプセル21がバインダー中に多数分散されて、マイクロカプセル含有層20が構成されている。バインダーの材料は、例えば、シリコン樹脂、アクリル樹脂又はウレタン樹脂等である。
【0024】
(1.2)EPDシートの表示欠陥修復方法
次に、図1(a)及び(b)に示したEPDシート50の表示欠陥修復方法について説明する。まず、EPDシート50の表示に欠陥が有るか否かを検査するために、例えば離型フィルム(又は、離型紙)30を用意する。図2(b)に示すように、この離型フィルム30は、例えば、フィルム本体31と、フィルム本体31の一方の面に塗布された接着剤32と、フィルム本体31の他方の面に形成された表示欠陥検査用の電極(以下、単に検査用電極ともいう。)33とが形成されている。この検査用電極33の形状及び大きさは、例えば、対向基板10が有する共通電極12と同じである。また、検査用電極33の材料は、例えばアルミニウム(Al)である。例えば、離型フィルム30にAlをスパッタリングする(又は、蒸着する)ことによって検査用電極33が形成される。
【0025】
次に、この離型フィルム30をEPDシート50に貼付する。ここでは、マイクロカプセル含有層20の共通電極12と対向する面(以下、表面という。)20Aとは反対側の面(以下、裏面という。)20Bに、離型フィルム30の接着剤32を接触させる。これにより、離型フィルム30はEPDシート50に対して剥離可能に取り付けられる。また、この貼付に際しては、例えば、対向基板10が有する共通電極12と、離型フィルム30が有する検査用電極33とが平面視で重なるように、EPDシート50に対して離型フィルム30を相対的に位置合わせする。これにより、マイクロカプセル含有層20に含まれる複数のマイクロカプセル21は全て、共通電極12と検査用電極33とによって挟まれた形となる。
【0026】
次に、共通電極12と検査用電極33との間に電圧を印加して、共通電極12と検査用電極33との間にあるマイクロカプセル含有層20に予め設定された(即ち、所定の)画像を表示させる。そして、このマイクロカプセル含有層20が表示する画像に基づいて、複数のマイクロカプセル21の各々の異常の有無を判定する。
即ち、共通電極12と検査用電極33との間に電圧を印加すると、マイクロカプセル含有層20に電界が生じる。この電界により、複数のマイクロカプセル21の各々の内部で電気泳動粒子24が移動する。その結果、マイクロカプセル含有層20は、その表面20Aの側において、例えば、全てが白色である白画面、又は全てが黒色である黒画面等の画像を表示する。このマイクロカプセル含有層20が表示する画像を、対向基板10を通して観察する。そして、観察された画像が真に白画面又は黒画面となっているか否かを検査する。
【0027】
ここでは、上記判定の結果(即ち、検査の結果)として、異常が有ると判定された場合を想定する。例えば、図2(a)及び(b)に示すように、複数のマイクロカプセル21の中の一つに、白画面を表示すべきところで白色を表示しない(一例として、淡色に近い灰色を表示する)、又は、黒画面を表示すべきところで黒色を表示しない(一例として、濃色に近い灰色を表示する)異常カプセル121が発見された場合を想定する。
【0028】
この想定下で、異常カプセル121の発見個数が所定の個数以下の場合は、この異常カプセル121の殻体122を破壊する。異常カプセルの発見個数が所定の個数を超えている場合は、後述の殻体の破壊処理を行わずに、そのEPDシートを不良品として処分する。一方、マイクロカプセル含有層に異常カプセルが発見されなかったEPDシートについては、殻体の破壊処理を行わないで、良品として次の製造工程へ進める。
【0029】
異常カプセル121の殻体122を破壊する場合は、その破壊方法として、レーザー光を照射する方法が挙げられる。例えば、図3に示すように、異常カプセル121の直上にレーザー光照射装置250の照射口251を配置する。そして、この照射口251から対向基板10を透過させて、複数のマイクロカプセル21のうちの異常カプセル121のみにレーザー光を照射する。これにより、図4に示すように、異常カプセル121の殻体122のみを破壊することができる。対向基板10を透過可能なレーザー光としては、例えば、赤外線レーザー光や紫外線レーザー光などが挙げられる。
【0030】
異常カプセル121の殻体122が破壊されると、この破壊された殻体122内から溶媒123が流出する。異常カプセル121の外周で互いに押し合っているマイクロカプセル(即ち、外囲カプセル)21は、この溶媒123の流出により生じる空隙を埋めるように移動する。その結果、図5(a)及び(b)に示すように、マイクロカプセル含有層20において、異常カプセル121に起因した表示欠陥を外周カプセル21で修復することができ、表示欠陥の領域を小さくすることができる。
【0031】
なお、異常カプセル121の殻体122を破壊する工程では、共通電極12と検査用電極33との間に電圧を印加しないことが好ましい。これは、殻体122を破壊している途中又はその直後に電圧を印加すると、破壊された殻体122から流出した溶媒123と共通電極12とが接触している状態で通電され、共通電極12が腐食する(つまり、溶媒123と共通電極12との電気化学反応が生じる)可能性があるからである。
【0032】
異常カプセル121の殻体122を破壊した後は、マイクロカプセル含有層20を加熱する。これにより、複数のマイクロカプセル21の各々の膨張を促すことができ、複数のマイクロカプセル21の各々が互いに押し合う力を高めることができる。また、バインダー26も軟化させることができる。これにより、外周カプセル21の流動性が高まるため、表示欠陥の修復をより円滑に行うことができる。
【0033】
また、上記の加熱に代えて(或いは、加えて)、マイクロカプセル含有層20を振動させてもよい。例えば、異常カプセル121の殻体122を破壊した後に、マイクロカプセル含有層20を加熱しながら振動させてもよい。振動により、外周カプセル21の移動を促すことができるため、表示欠陥の修復をより円滑に行うことができる。
なお、この第1実施形態及び後述の各実施形態では、EPDシート50の表示欠陥修復の効果を確認するために、上記の加熱又は振動を行った後で、共通電極12と検査用電極33との間に電圧を再び印加して、マイクロカプセル含有層が表示する画像を再度検査してもよい。この再度の検査は、共通電極12の腐食を防止する観点から、異常カプセル121を破壊してから十分に時間が経過した後で(つまり、溶媒23が十分に拡散して揮発した後で)行うことが好ましい。
また、この再度の検査結果に基づいて、表示欠陥修復を施したEPDシート50を次の製造工程へ進めるか否かの判断を行ってもよい。
【0034】
(1.3)電気泳動表示装置の製造方法
図6〜図8は、本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置100の製造方法を示す断面図である。上記のように、EPDシート50の表示欠陥を修復した後は、図6に示すように、EPDシート50から離型フィルム30を剥離する。次に、図7に示すように、素子基板40を用意する。
素子基板40は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の絶縁性の樹脂、又は、ガラス基板からなる基板本体41と、この基板本体41の一方の面に形成された複数の画素電極42と、これら複数の画素電極42を覆うように基板本体41の一方の面に塗布された接着剤43と、を有する。
複数の画素電極42の各々は、例えば平面視で格子の各交点上にそれぞれ配置されており、ドットマトリクス方式による表示を可能とするものである。或いは、複数の画素電極42は、例えば平面視で数字の8の字形に配置されており、セグメント方式による表示を可能とするもの(即ち、セグメント電極)であってもよい。このような画素電極42は、例えば、Cu(銅)箔上にニッケルメッキと金メッキとがこの順番で積層された金属膜からなる。
【0035】
なお、図示しないが、素子基板40には例えば画素電極42に接続された電極配線と、この電極配線を介して画素電極42に電圧を印加する駆動回路とが設けられている。駆動回路には、各々の電極配線に対応するスイッチング素子が設けられている。このスイッチング素子をオン、オフすることにより、複数の画素電極42のうちの任意の電極に電圧を印加するようになっている。
このような素子基板40をEPDシート50に取り付ける。ここでは、マイクロカプセル含有層20の裏面20Bに、素子基板40の接着剤43を接触させる。これにより、図8に示すように、素子基板40はEPDシート50に固定され、マイクロカプセル含有層20は共通電極12と画素電極42とによって挟まれた形となる。以上の工程を経て、対向基板10と、マイクロカプセル含有層20と、素子基板40とを備えた電気泳動表示装置100が完成する。
【0036】
(1.4)第1実施形態の効果
本発明の第1実施形態によれば、表示欠陥修復工程で、異常カプセル121の殻体122が破壊されることによって、この破壊された殻体22内から溶媒23が流出する。外周カプセル21は、この溶媒23の流出により生じる空隙を埋めるように移動する。その結果、マイクロカプセル含有層20において、異常カプセル121に起因した表示欠陥を外周カプセルで修復することができ、表示欠陥の領域を小さくすることができる。これにより、電気泳動表示装置の表示品質の向上と、歩留まりの向上に寄与することができる。
【0037】
また、対向基板10を透過することが可能なレーザー光を、異常カプセル121の殻体122に照射することによって、殻体22を破壊する。この方法によれば、対向基板10に傷、穴等のダメージを与えずに済むため、電気泳動表示装置の品質を高く保つことができる。
また、異常カプセル121の殻体122を破壊した後で、マイクロカプセル含有層20を加熱又は振動させる。これにより、外周カプセル21の流動性を高め、その移動を促すことができるため、表示欠陥の修復をより円滑に行うことができる。
また、異常カプセル121の殻体122を破壊する際は、共通電極12と検査用電極33との間に電圧を印加しない。これにより、共通電極12と溶媒123との電気化学反応が生じる可能性を低減することができる。
【0038】
(1.5)変形例
なお、上記の第1実施形態では、異常カプセル121の殻体122を破壊する方法として、レーザー光を照射する場合について説明した。しかしながら、レーザー光ではなく、超音波を照射して、異常カプセル121の殻体122を破壊してもよい。例えば、図9に示すように、異常カプセル121の直上に、超音波発振機350の振動子351を配置する。そして、この振動子351から対向基板10を介して異常カプセル121の殻体122のみに超音波を照射してもよい。このような場合であっても、異常カプセル121の殻体122を破壊することが可能であり、レーザー光の場合と同様の効果を奏する。
【0039】
(2)第2実施形態
上記の第1実施形態で説明した表示欠陥修復方法は、その一部又は全てを作業者が手作業で行ってもよいし、所定の装置を用いて自動で行ってもよい(即ち、自動化してもよい)。自動で行う場合は、例えば、下記のような表示欠陥修復装置を用いることができる。
(2.1)表示欠陥修復装置の構成
図10は、本発明の第2実施形態に係る表示欠陥修復装置200の構成例を示す概念図である。この表示欠陥修復装置200は、上記のEPDシート50に表示欠陥が有る場合に、この表示欠陥の原因である異常カプセル121を破壊して、表示欠陥を自動で修復する装置である。
【0040】
図10に示すように、この表示欠陥修復装置200は、ステージ210と、電気モーター220と、電圧印加装置230と、撮像装置240と、レーザー光照射装置250と、制御部260と、記憶部270と、を有する。
ステージ210は、EPDシート50を支持するものである。このステージ210のEPDシートが載置される面(以下、載置面)には、例えば複数の微細な開口部(図示せず)が設けられている。ステージ210は、この開口部から吸気することによって、EPDシート50を載置面に密着させ、固定することができる。なお、以下の説明では、ステージ210の載置面に対して水平方向をX方向、Y方向という。
【0041】
電気モーター220は、ステージ210を例えばスライド機構(図示せず)の軌道に沿ってX方向、Y方向に移動させるための回転駆動力を発生させる。図示しないが、この電気モーター220は、例えばステージ210をX方向に移動させるための第1の電気モーターと、ステージ210をY方向に移動させるための第2の電気モーターとを有する。
電圧印加装置230は、例えばEPDシート50に電圧を印加する(即ち、上記の共通電極と検査用電極との間に電圧を印加する)ものである。EPDシート50は、この電圧の印加を受けて電荷泳動粒子が移動し、例えば、全てが白色である白画面、又は全てが黒色である黒画面等の画像を表示する。
【0042】
撮像装置240は、電圧印加装置230による電圧印加を受けてEPDシート50が表示する白画面又は黒画面等の画像を撮像するものである。この撮像装置240は、例えばCCD(Charge Coupled Device Image Sensor)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサーを有する。撮像装置240の位置は固定されている。この固定された撮像装置240の下方でステージ210がX方向、Y方向へ移動することにより、このステージ210の載置面に固定されたEPDシート50の全領域をモニターすることができる。
【0043】
レーザー光照射装置250は、例えば、赤外線又は紫外線等のレーザー光を、その照射口251からステージ210の載置面に固定されたEPDシート50に向けて照射するものである。レーザー光照射装置250の位置は固定されている。この固定されたレーザー光照射装置250の下方でステージ210がX方向、Y方向へ移動することにより、このステージ210の載置面に固定されたEPDシート50の任意の領域にレーザー光を照射することができる。
【0044】
制御部260は、例えば、ステージ210、電気モーター220、電圧印加装置230、撮像装置240及びレーザー光照射装置250の各々の動作を制御するものである。この制御部260は、例えば、位置検出部261と、駆動制御部262と、パターン形成部263と、画像情報取得部264と、判定部265と、修正動作制御部266と、を有する。
【0045】
位置検出部261は、ステージ210の座標位置(X,Y)をリアルタイムで検出する。このステージの座標位置(X,Y)を検出することによって、EPDシート50において、撮像装置240の直下に位置する領域と、レーザー光照射装置250の照射口251の直下に位置する領域とをそれぞれ特定することができる。
駆動制御部262は、電気モーター220の回転量を制御する。電気モーター220の回転量が制御されることによって、ステージ210は所定の方向に、所定の移動量だけ移動することができる。
【0046】
パターン形成部263は、EPDシート50に所定の画像が表示されるように、電圧印加装置230に制御信号を送信する。この制御信号を受けて、電圧印加装置230は所定のパターンでEPDシートに電圧を印加する。これにより、EPDシート50は、例えば、白画面若しくは黒画面、又は、白画面と黒画面とが一定の時間間隔で切り替わる表示パターンなどの画像を表示する。画像情報取得部264は、撮像装置240が撮像した画像の情報(即ち、撮像データ)を取得する。そして、画像情報取得部264は、この取得した撮像データを、この画像が撮像されたときのステージ210の座標位置(X,Y)と紐付け(即ち、関連付け)して判定部265へ送信する。
【0047】
判定部265は、画像情報取得部264から送信されてきた撮像データに欠陥が有るか否かを判定する。例えば、記憶部270には、EPDシート50に欠陥がないとき(即ち、正常時)に撮像される基準画像が格納されている。判定部265は、この記憶部270から基準画像を読み出す。そして、判定部265は、この読み出した基準画像と、画像情報取得部264から送信されてきた撮像データとを比較して、EPDシート50が表示する画像に欠陥が有るか否か(即ち、画像を構成している複数のマイクロカプセル21の各々に異常が有るか否か)を判定する。この判定結果は、画像が撮像されたときのステージ210の座標位置(X,Y)と紐付けされた状態で記憶部270に格納される。
【0048】
修正動作制御部266は、レーザー光照射装置250によるレーザー光の照射動作を制御する。例えば、修正動作制御部266は、判定部265によりEPDシート50の表示画像に欠陥が有ると判定された場合は、この欠陥の原因となっている異常カプセル121がレーザー光照射装置250の直下に来たタイミングで、レーザー光照射装置250にレーザー光を照射させる。このタイミングは、例えば、位置検出部261がリアルタイムで検出するステージ210の座標位置(X,Y)から特定される。これにより、レーザー光照射装置250は、複数のマイクロカプセル21の中から異常カプセル121のみにレーザー光を照射することができ、異常カプセル121のみをレーザー光で破壊することができる。なお、制御部260は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の電子装置で構成されている。
記憶部270は、上述したように、例えば基準画像と、判定部265から出力される判定結果とを格納する。この記憶部270は、例えば、ハードディスク又はフラッシュメモリ等で構成されている。
【0049】
(2.2)表示欠陥修復装置の動作
次に、表示欠陥修復装置200の動作例について説明する。まず、駆動制御部262からの制御信号を受けて電気モーター220が回転駆動する。電気モーター220が回転駆動することによって、ステージ210はEPDシート50を載せた状態で、スライド機構の軌道に沿って移動する。
【0050】
また、電圧印加装置230は、パターン形成部263からの制御信号を受けて、EPDシート50に電圧を印加する。これにより、EPDシート50は、例えば、白画面若しくは黒画面、又は、白画面と黒画面とが一定の時間間隔で切り替わる表示パターンなどの画像を表示する。
撮像装置240は、この画像の少なくとも一部を撮像して画像情報取得部264へ送信する。画像情報取得部264は、この送信されてきた撮像データを、例えば、この撮像データの元となる画像が撮像されたときのステージ210の座標位置(X,Y)と紐付けして、判定部265へ送信する。判定部265は、記憶部270から読み出した基準画像と撮像データとを比較して、EPDシート50が表示する画像に欠陥が有るか否か(即ち、画像を構成している複数のマイクロカプセル21の各々に異常が有るか否か)を判定する。この判定結果は、例えば記憶部270に一旦格納される。
【0051】
修正動作制御部266は、記憶部270に格納された判定結果を取得する。そして、判定結果が欠陥(即ち、異常)有りの場合は、この欠陥の原因となっている異常カプセル121がレーザー光照射装置250の直下に来たタイミングで、レーザー光照射装置250がレーザー光を照射する。これにより、異常カプセル121が破壊される。
このように、EPDシート50における異常カプセル121が全て破壊された後で、EPDシート50はステージ210から降ろされ、表示欠陥修復装置200から搬出される。搬出後のEPDシート50は、第1実施形態で説明したように、加熱、振動等の処理が施され、その後、素子基板40が取り付けられる。
【0052】
(2.3)第2実施形態の効果
本発明の第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。これに加えて、EPDシート50の表示欠陥修復工程の少なくとも一部(例えば、異常カプセル121の発見からその破壊までの工程)を自動で行うことができる。このため、表示欠陥修復工程のスループットの向上に寄与することができる。
(2.4)変形例
上記の第2実施形態では、表示欠陥修復装置200が、異常カプセル121の殻体122を破壊する破壊手段として、レーザー光照射装置250を備える場合について説明した。しかしながら、上記の破壊手段は、レーザー光照射装置ではなく、超音波を照射する超音波照射装置(超音波発振機)であってもよい。即ち、表示欠陥修復装置200は、レーザー光照射装置250の代わりに、図9に示した超音波発振機350を備えていてもよい。このような場合であっても、レーザー光照射装置250を備える場合と同様の効果を奏する。
【0053】
(3)第3実施形態
上記の第1、第2実施形態では、EPDシートの表示欠陥修復方法として、異常カプセルの殻体にレーザー光(又は、超音波)を照射する場合について説明した。しかしながら、本発明において、異常カプセルの破壊はレーザー光や超音波の照射に限定されるものではない。第3実施形態では、異常カプセルを針で破壊する場合について説明する。
(3.1)EPDシートの表示欠陥修復方法
図11〜図13は、本発明の第3実施形態に係るEPDシート50の表示欠陥修復方法を示す断面図である。
図11において、EPDシート50に離型フィルム30を貼付し、異常カプセル121を発見する工程までは第1、第2実施形態と同じである。この第3実施形態では、異常カプセル121を発見した後で、異常カプセル121の殻体122を破壊する前に、EPDシート50から離型フィルム30を剥離する。
【0054】
次に、図12に示すように、マイクロカプセル含有層20の裏面20Bに針450を接近させて、その先端を異常カプセル121の殻体122に接触させる。これにより、異常カプセル121の殻体122を破壊する。殻体122が破壊されると、その内部から溶媒123が流出する。外周カプセル21は、この溶媒123の流出により生じる空隙を埋めるように移動する。その結果、図13に示すように、マイクロカプセル含有層20において、異常カプセル121に起因した表示欠陥を外周カプセル21で修復することができ、表示欠陥の領域を小さくすることができる。異常カプセル121を破壊した後の工程は、第1実施形態と同じである。
【0055】
(3.2)第3実施形態の効果
本発明の第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。この第3実施形態では、マイクロカプセル含有層20の裏面20Bの側から針450を接近させて、異常カプセル121の殻体122を破壊する。このため、第1実施形態と同様に、対向基板10に傷、穴等のダメージを与えずに済む。
(3.3)変形例
なお、上記の第3実施形態では、マイクロカプセル含有層20の裏面20Bから離型フィルム30を剥離した後で、異常カプセル121の殻体122を針450で破壊する場合について説明した。しかしながら、第3実施形態では、離型フィルム30を残したまま異常カプセル121の殻体122を針450で破壊してもよい。即ち、針450の先端で離型フィルム30を貫いて、その先にある異常カプセル121の殻体122を破壊するようにしてもよい。このような場合であっても、対向基板10に傷、穴等のダメージを与えずに済む。
【符号の説明】
【0056】
10 対向基板、11 基板本体、12 共通電極、20 マイクロカプセル含有層、20A 表面、20B 裏面、21 マイクロカプセル(外周カプセルを含む)、22 殻体、23 溶媒、24、24A、24B 電気泳動粒子、26 バインダー、30 離型フィルム、31 フィルム本体、32 接着剤、33 検査用電極、40 素子基板、41 基板本体、42 画素電極、43 接着剤、50 EPDシート、100 電気泳動表示装置、121 異常カプセル、122 (異常カプセルの)殻体、123 (異常カプセルの)溶媒、200 表示欠陥修復装置、210 ステージ、220 電気モーター、230 電圧印加装置、240 撮像装置、250 レーザー光照射装置、251 照射口、260 制御部、261 位置検出部、262 駆動制御部、263 パターン形成部、264 画像情報取得部、265 判定部、266 修正動作制御部、270 記憶部、350 超音波発振機、351 振動子、450 針

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のマイクロカプセルを有するマイクロカプセル含有層と、前記マイクロカプセル含有層の一方の面である第1の面側に配置された、第1の電極を有する第1の基板と、を備えた電気泳動表示装置の表示欠陥修復方法であって、
前記マイクロカプセル含有層の前記第1の面の反対側である第2の面側に、第2の電極を有する第2の基板を配置する工程と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加して、前記マイクロカプセル含有層に予め設定された画像を表示させる工程と、
前記マイクロカプセル含有層が表示する前記画像に基づいて、前記複数のマイクロカプセルの各々の異常の有無を判定する工程と、
前記異常の有無を判定する工程で異常が有ると判定されたときは、前記複数のマイクロカプセルのうちの前記異常が有ると判定されたマイクロカプセルの殻体を破壊する工程と、を含むことを特徴とする電気泳動表示装置の表示欠陥修復方法。
【請求項2】
前記殻体を破壊する工程の後工程として、前記マイクロカプセル含有層を加熱する工程、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置の表示欠陥修復方法。
【請求項3】
前記殻体を破壊する工程の後工程として、前記マイクロカプセル含有層を振動させる工程、をさらに含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気泳動表示装置の表示欠陥修復方法。
【請求項4】
前記殻体を破壊する工程では、
レーザー光を前記第1の基板を通して前記殻体に照射することによって当該殻体を破壊することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の電気泳動表示装置の表示欠陥修復方法。
【請求項5】
前記殻体を破壊する工程では、
前記マイクロカプセル含有層の前記第2の面側から前記殻体に針の先端を接触させることによって当該殻体を破壊することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の電気泳動表示装置の表示欠陥修復方法。
【請求項6】
前記殻体を破壊する工程では、
前記第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加しないことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の電気泳動表示装置の表示欠陥修復方法。
【請求項7】
請求項1から請求項6の何れか一項に記載の電気泳動表示装置の表示欠陥修復方法を行う工程と、
前記異常の有無を判定する工程の後工程として、前記マイクロカプセル含有層の前記第2の面の側から前記第2の基板を除去する工程と、
前記第2の基板が除去された後の前記マイクロカプセル含有層の前記第2の面側に、第3の電極を有する第3の基板を配置する工程と、をさらに含むことを特徴とする電気泳動表示装置の製造方法。
【請求項8】
複数のマイクロカプセルを有するマイクロカプセル含有層と、前記マイクロカプセル含有層の一方の面である第1の面側に配置された、第1の電極を有する第1の基板と、を備えた電気泳動表示装置の表示欠陥修復装置であって、
前記マイクロカプセル含有層の前記第1の面の反対側である第2の面側に、第2の電極を有する第2の基板が配置された状態で、前記第1の基板と前記マイクロカプセル含有層及び前記第2の基板を支持する支持手段と、
前記支持手段によって前記第1の基板と前記マイクロカプセル含有層及び前記第2の基板が支持された状態で、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加して、前記マイクロカプセル含有層に予め設定された画像を表示させる電圧印加手段と、
前記マイクロカプセル含有層が表示する前記画像に基づいて、前記複数のマイクロカプセルの各々の異常の有無を判定する判定手段と、
前記判定手段によって異常が有ると判定されたときは、前記複数のマイクロカプセルのうちの前記異常が有ると判定されたマイクロカプセルの殻体を破壊する破壊手段と、を含むことを特徴とする電気泳動表示装置の表示欠陥修復装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−54090(P2013−54090A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190404(P2011−190404)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】