説明

電気炊飯器

【課題】 水の本体底部への侵入を防止し且つ温度検出手段への悪影響を防止しつつ、飯器の発熱部を効率よく冷却できるようにし且つ飯器全体を効率よく加熱できるようにする。
【解決手段】 米と水とを収容する飯器3を取出自在に収納する炊飯器本体1と、該炊飯器本体1の内周面を構成する保護枠7と、前記飯器3の底部および側部下方のコーナ部を加熱する加熱手段C1,C2とを備えた電気炊飯器において、前記保護枠7の外側に、飯器冷却用の送風装置28,28を配設するとともに、該送風装置28,28からの冷却風を、前記保護枠7の側部に形成した送風用開口29,29・・を介して前記飯器3の発熱部に向けて送風するように構成し、飯器3の発熱部を冷やし、その熱で温まった温風が温度の低い飯器側面を温めることができるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、電気炊飯器に関し、さらに詳しくは飯器の発熱部に冷却風を吹き付ける飯器冷却用ファンを備えた電気炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、電気炊飯器においては、炊飯器本体の内周面を構成する保護枠内に米と水を収納した飯器を収容し、該飯器の下面および下方コーナ部を、直接的又は間接的に電磁誘導加熱する電磁誘導加熱手段を設けて炊飯を行うこととなっている。そして、上記構成の電気炊飯器において、前記電磁誘導加熱手段に冷却風を送風する送風ファンを設けるとともに、該送風ファンからの風を、電磁誘導加熱手段を冷却した後に保護枠と飯器との間に導入し、その底部から側部外周に上昇させていくことにより、同熱風で飯器側部を効率良く加熱し得るようにしたものが既に提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−252624号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の場合、送風ファンからの風を、電磁誘導加熱手段を冷却した後に保護枠と飯器との間に導入し、その底部から側部外周に上昇させていく構造となっているため、保護枠の底部に冷却風導入用の開口を形成することとなり、水が炊飯器本体の底部に侵入するおそれがあるとともに、飯器の温度を検出するために飯器底部下方に配設する温度検出手段(即ち、センタセンサー)に冷却風が接触して誤検知を誘導するおそれがある。
【0005】
この出願の発明は、このような事情に基づいてなされたもので、水の本体底部への侵入を防止し且つ温度検出手段への悪影響を防止しつつ、飯器の発熱部を効率よく冷却できるようにし且つ飯器全体を効率よく加熱できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明では、上記課題を解決するための第1の手段として、米と水とを収容する飯器を取出自在に収納する炊飯器本体と、該炊飯器本体の内周面を構成する保護枠と、前記飯器の底部および側部下方のコーナ部を加熱する加熱手段とを備えた電気炊飯器において、前記保護枠の外側に、飯器冷却用の送風装置を配設するとともに、該送風装置からの冷却風を、前記保護枠の側部に形成した送風用開口を介して前記飯器の発熱部に向けて送風するように構成している。
【0007】
上記のように構成したことにより、送風装置からの冷却風が、保護枠の側部に形成した送風用開口を介して飯器の発熱部に向けて送風されることとなり、飯器の発熱部を冷やし、その熱で温まった温風が温度の低い飯器側面を温めることができる。従って、熱を無駄にすることなく、飯器を均一に加温することができる。また、飯器発熱部の熱を送風装置からの送風で奪うことができるので、吹きこぼれや飯器発熱部周辺の耐熱温度を考慮して加熱量を制限する必要がなくなり、美味しいご飯を炊き上げることができる。しかも、送風装置からの冷却風は、保護枠の側部に形成した送風用開口を介して前記飯器の発熱部に向けて送風されることとなっているので、水の本体底部への侵入を防止し且つ温度検出手段への悪影響を防止することが可能となる。
【0008】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第2の手段として、上記第1の手段を備えた電気炊飯器において、前記送風装置を複数個設けるとともに、1個の送風装置の運転により、前記飯器発熱部の全周に向けて送風できるように構成することもでき、そのように構成した場合、複数個の送風装置を個別に運転することで、飯器発熱部の全周を冷却することが可能となり、効率的に発熱部を冷却することができる。
【0009】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2の手段を備えた電気炊飯器において、前記保護枠に、その内周側全周に位置して前記送風装置の送風口に連通する送風路を設けるとともに、前記送風用開口を、前記飯器発熱部に向けて下向きとなるように所定間隔をおいて前記送風路に複数個形成することもでき、そのように構成した場合、簡単な構成で飯器発熱部の全周を効率的に冷却することができる。
【発明の効果】
【0010】
本願発明の第1の手段によれば、米と水とを収容する飯器を取出自在に収納する炊飯器本体と、該炊飯器本体の内周面を構成する保護枠と、前記飯器の底部および側部下方のコーナ部を加熱する加熱手段とを備えた電気炊飯器において、前記保護枠の外側に、飯器冷却用の送風装置を配設するとともに、該送風装置からの冷却風を、前記保護枠の側部に形成した送風用開口を介して前記飯器の発熱部に向けて送風するように構成して、送風装置からの冷却風が、保護枠の側部に形成した送風用開口を介して飯器の発熱部に向けて送風されるようにしたので、飯器の発熱部を冷やし、その熱で温まった温風が温度の低い飯器側面を温めることができることとなり、熱を無駄にすることなく、飯器を均一に加温することができるという効果がある。また、飯器発熱部の熱を送風装置からの送風で奪うことができるので、吹きこぼれや飯器発熱部周辺の耐熱温度を考慮して加熱量を制限する必要がなくなり、美味しいご飯を炊き上げることができるという効果もある。しかも、送風装置からの冷却風は、保護枠の側部に形成した送風用開口を介して前記飯器の発熱部に向けて送風されることとなっているので、水の本体底部への侵入を防止し且つ温度検出手段への悪影響を防止することが可能となるという効果もある。
【0011】
本願発明の第2の手段におけるように、上記第1の手段を備えた電気炊飯器において、前記送風装置を複数個設けるとともに、1個の送風装置の運転により、前記飯器発熱部の全周に向けて送風できるように構成することもでき、そのように構成した場合、複数個の送風装置を個別に運転することで、飯器発熱部の全周を冷却することが可能となり、効率的に発熱部を冷却することができる。
【0012】
本願発明の第3の手段におけるように、上記第1又は第2の手段を備えた電気炊飯器において、前記保護枠に、その内周側全周に位置して前記送風装置の送風口に連通する送風路を設けるとともに、前記送風用開口を、前記飯器発熱部に向けて下向きとなるように所定間隔をおいて前記送風路に複数個形成することもでき、そのように構成した場合、簡単な構成で飯器発熱部の全周を効率的に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本願発明の実施の形態にかかる電気炊飯器の縦断面図である。
【図2】本願発明の実施の形態にかかる電気炊飯器における炊飯器本体の一部を構成する外ケースの底部材を除去した状態を示す下面図である。
【図3】本願発明の実施の形態にかかる電気炊飯器における炊飯器本体の一部を構成する保護枠と送風装置との関係を示す平面図である。
【図4】本願発明の実施の形態にかかる電気炊飯器における送風路の一部を構成する下部保護枠を示し、(イ)は下部保護枠の平面図、(ロ)は下部保護枠の断面図である。
【図5】本願発明の実施の形態にかかる電気炊飯器における送風路の一部を構成するダクトリングを示し、(イ)はダクトリングの平面図、(ロ)はダクトリングの断面図である。
【図6】本願発明の実施の形態にかかる電気炊飯器における送風路を構成する下部保護枠とダクトリングとの嵌合状態を示す断面図である。
【図7】本願発明の実施の形態にかかる電気炊飯器における炊飯器本体の一部を構成する外ケースの底部材を除去した状態を示す下方から見た斜視図である。
【図8】本願発明の実施の形態にかかる電気炊飯器における電装部品相互の組付関係を示す拡大斜視図である。
【図9】(イ)は本願発明の実施の形態にかかる電気炊飯器における飯器上端とシールパッキンとの関係を示し、(ロ)は従来の関係を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の好適な実施の形態について説明する。
【0015】
この電気炊飯器は、図1に示すように、米と水とを収容する飯器3を取出自在に収納し得るように構成され且つ空間部を有する二重構造の炊飯器本体1と、該炊飯器本体1の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体2とを備えている。
【0016】
前記炊飯器本体1は、外側壁を構成する円筒形状の合成樹脂製の外ケース4と、底壁を構成するお椀形状の合成樹脂製の底部材5と、肩部を構成する合成樹脂製の肩部材6と、内周壁を構成する有底円筒形状の保護枠7とからなっている。前記肩部材6は、前記保護枠7の上端部を前記外ケース4の上端部に結合する環状部材からなっている。なお、前記保護枠7内には、前記飯器3が取り出し可能に収納されることとなっている。
【0017】
前記飯器3は、土鍋とされており、その底部および側部コーナ部には、前記保護枠7の底部外方および側部コーナ部外方に配設された電磁誘導コイル(以下、ワークコイルという)C1,C2による電磁誘導により発熱する発熱体H1,H2が埋設されている。そして、前記飯器3は前記発熱体H1,H2により加熱され、内部に収容した米と水とを加熱することによりご飯を炊き上げることとなっている。符号8は飯器3の温度を検出する温度検出手段として作用するセンタセンサーであり、該センタセンサー8は、前記飯器3の底部中央に当接されるように配設されている。
【0018】
前記保護枠7は、底部およびコーナ部を有する皿状の合成樹脂製の下部保護枠7aと、前記肩部材6に結合される環状の合成樹脂製の上部保護枠7bと、該上部保護枠7bと前記下部保護枠7aとの間に挟持された円筒形状の保温ヒータ7cとによって構成されている。前記保温ヒータ7cは、熱良導体からなる円筒形状のヒータ本体9と該ヒータ本体9の外周側に配設された電熱線10とによって構成されている。
【0019】
ところで、本実施の形態においては、前記外ケース4内は、前記保護枠7の後方側に設けられた隔壁11により前記飯器3が収納される飯器収納空間12と電装部品(後述する)が収納される電装部品収納空間13とに区画されている。本実施の形態の場合、外ケース4と隔壁11とを一体構成とし、前記外ケース4の後部に取り付けられた別部材からなる外ケースカバー4a内に電装部品収納空間13を形成するようにしているが、外ケース4と外ケースカバー4aとを一体構成とし、隔壁11を別部材で構成するようにしてもよい。
【0020】
一方、前記蓋体2は、外面を構成する合成樹脂製の上板14と、内面を構成する合成樹脂製の下板15とによって構成されている。この蓋体2は、前記肩部材6の一側にヒンジピン16によって係合され、弧回動可能に枢支されている。
【0021】
前記蓋体2の反ヒンジピン側には、操作パネル部17が設けられている。そして、該操作パネル部17面には、例えば十分に広く大きな表示面積をもつ液晶表示部と炊飯スイッチ、タイマー予約スイッチ、取消スイッチ、保温スイッチ、再加熱スイッチ、メニュー選択スイッチ、時スイッチ、分スイッチ等の各種入力スイッチ(タッチキースイッチ)が設けられている。また、該操作パネル部17の内方には、操作基板18およびマイコン基板19が設置されている。
【0022】
そして、前記蓋体2の下面には、前記飯器3の開口部を蓋体2の閉止時に覆蓋する金属製(例えば、アルミ合金製)の内蓋20が設けられている。該内蓋20には、炊飯中に飯器3内において発生する水蒸気およびおネバを放出するための開口が形成されている。符号21は内蓋20の外周部に設けられたシールパッキンである。
【0023】
また、前記蓋体2の下面側にあって前記内蓋20との間には、蓋ヒータ22を備えた放熱板23が取り付けられており、該放熱板23には、中心から前記ヒンジピン16に寄った位置に前記飯器3内において発生した水蒸気を外部へ導く蒸気口24が設けられている。そして、該蒸気口24から上方に向かって前記蓋体2を貫通する蒸気通路25が形成されており、該蒸気通路25には、炊飯器本体1内の圧力(換言すれば、飯器3内の圧力)を調節するための調圧装置26が配設されている。符号27は蒸気センサーである。
【0024】
ところで、上記構成の電気炊飯器においては、炊飯工程中にワークコイルC1,C2への通電によって飯器3の発熱体H1,H2が電磁誘導加熱されて発熱部となり、飯器3が加熱されることとなっているが、発熱部が高温となるところから、発熱部周辺の耐熱温度を考慮して加熱量を制限する必要があった。
【0025】
そこで、本実施の形態においては、図3に示すように、前記保護枠7の外側に、飯器冷却用の一対の送風装置28,28を配設し、該送風装置28,28からの冷却風を、前記保護枠7の内側部に形成した送風用開口29,29・・を介して前記飯器3の発熱部に向けて送風するように構成している。
【0026】
前記各送風装置28は、図8に示すように、渦巻き形状のスクロール28b内に多翼ロータ28cを配置したシロッコファン(登録商標)とされ、交互に所定時間運転されることとなっており、その送風口28aは、前記保護枠(具体的には、下部保護枠7a)の内周側全周に位置して形成された送風路30(図6参照)にゴム製の連通パイプ31(図3参照)を介してそれぞれ連通されている。符号28dは送風装置28の空気吸込口、28eは多翼ロータ駆動用のモータである。本実施の形態においては、コスト低減のために、送風装置28,28として、同一構造のものを採用している。その場合、送風装置28,28の空気吸込口28d,28dが同一方向に向くこととなるが、コストを度外視した場合、送風装置28,28として、空気吸込口28d,28dが反対向きのものを採用することもでる。そのようにすると、送風装置28,28の対向する空気吸込口28d,28dが相対向することとなり、基板冷却用のファン35(後述する)からの冷却風が制御基板32およびIGBT40(後述する)を冷却して加温された空気を送風装置28,28が吸い込み易くなる。
【0027】
前記送風路30は、図4ないし図6に示すように、前記下部保護枠7aのコーナ部よりやや上方位置に形成された環状ダクト30a(図4参照)と該環状ダクト30aに上方から嵌合される同形状のダクトリング30b(図5参照)との間に形成されている。該送風路30は、前記連通パイプ31が臨まされる部分が幅広とされている。この送風路30には、円周方向等間隔で6個の送風用開口29,29・・・が前記飯器3の発熱部に向けて下向きとなるように形成されている。また、前記各送風用開口29には、平面視V字状の送風ガイド33がそれぞれ設けられており、該送風ガイド33の存在により、一方の送風装置28が駆動されているときに送風路30を流れる冷却風が各送風用開口29から円滑に飯器3の発熱部に向けて送風されるようになっている。
【0028】
また、前記電装部品収納空間13内には、制御基板32が基板ホルダー34に支持された状態で縦方向に配設されており、該制御基板32の下方には、基板冷却用のファン35が配設されている。符号40は発熱電装部品であるIGBTである。そして、前記ファン35からの冷却風は、その上方に配設されたヒートシンク36、前記制御基板32および前記IGBT40を冷却するとともに、前記下部保護枠7aの底部に向かって延びる送風ノズル37を介してワークコイルC1,C2を冷却するように構成されている。
【0029】
前記基板ホルダー34の両側には、前記送風装置28,28が前記基板ホルダー34の両側端上部に一体形成された取付ブラケット41,41を介してそれぞれ取り付けられている。この電装部品収納空間13の最後部には、コードリール38が配設されている。符号39は底部材5に形成された空気吸込口である。このように構成すると、制御基板32を含む電装部品が飯器収納空間12と隔壁11によって区画された電装部品収納空間13内に配設されることとなるので、飯器収納空間12側の熱影響が電装部品に及ばなくなるとともに、水の使用が多い飯器収納空間12から電装部品が隔離され、電装部品に水が付着しにくくなって、安全性が向上する。
【0030】
上記のように構成したことにより、送風装置28からの冷却風が、下部保護枠7aの内周側側部に形成した送風用開口29,29・・・を介して飯器3の発熱部に向けて送風され、飯器3の発熱部を冷やし、その熱で温まった温風が温度の低い飯器3側面を温めることができることとなり、熱を無駄にすることなく、飯器を均一に加温することができる。また、飯器3の発熱部の熱を送風装置28からの送風で奪うことができるので、吹きこぼれや飯器3の発熱部周辺の耐熱温度を考慮して加熱量を制限する必要がなくなり、美味しいご飯を炊き上げることができる。しかも、送風装置28からの冷却風は、下部保護枠7aの内周側側部に形成した送風用開口29,29・・・を介して飯器3の発熱部に向けて送風されることとなっているので、水の本体底部への侵入を防止し且つセンタセンサー8への悪影響を防止することが可能となる。
【0031】
本実施の形態においては、前記送風装置28を2個設けるとともに、1個の送風装置28の運転により、飯器3の発熱部の全周に向けて送風できるように構成しているので、2個の送風装置28,28を個別に運転することで、飯器3の発熱部の全周を冷却することが可能となり、効率的に発熱部を冷却することができる。
【0032】
前記下部保護枠7aに、その内周側全周に位置して前記送風装置28の送風口28aに連通する送風路30を設けるとともに、前記送風用開口29,29・・・を、飯器3の発熱部に向けて下向きとなるように所定間隔をおいて前記送風路30に6個形成したことにより、簡単な構成で飯器3の発熱部の全周を効率的に冷却することができる。
【0033】
また、本実施の形態においては、基板冷却用のファン35からの冷却風がヒートシンク36および制御基板32を冷却して、温まった風を送風装置28が吸い込み、その後飯器3の発熱部に向けて送風されることとなっているので、送風装置28からの送風の温度が低くなり過ぎるということがなくなり、飯器3の発熱部が過度に冷却されてしまうということがなくなるとともに、飯器3の発熱部で温められた後、飯器3の側面を上昇する温風の温度が比較的高く維持できることとなり、飯器3の全体を効率よく加温することができる。
【0034】
ここで、上記構成の電気炊飯器において、飯器3の上端とシールパッキン21との関係について説明する。
【0035】
従来の電気炊飯器の場合、図9(ロ)に示すように、飯器3の上端(即ち、フランジ部3a)の上面は、水平面とされており、シールパッキン21が全周で線接触となっていた。そのため、フランジ部3aの平滑性によって、炊飯中の内圧の上昇によってシールパッキン21が立ってくるため、シール性が不安定になっていた。そこで、本実施の形態においては、図9(イ)に示すように、フランジ部3aの上面を20°以上の傾斜をもつ傾斜面として、シールパッキン21が面接触できるようにしている。このようにすると、炊飯中に内圧が上昇した場合であっても、フランジ部3aの傾斜面にシールパッキン21が押し付けられることとなり、安定したシール性を確保できる。また、フランジ部3aの肉厚が薄く加工できるため、保温時の温度低下がなくなり、結露の防止も期待できる。また、フランジ部3aの上面を傾斜面としたことにより、土鍋製の飯器3の成形性が向上し、形状が安定する。さらに、飯器3の内周面にフッ素樹脂塗装するために飯器3の表面にアルミ溶射が施されるが、その際、飯器3のフランジ部3aの上面が傾斜面となっていることで、加工がし易くなり、アルミ溶射の膜厚が安定する。
【0036】
本願発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0037】
1は炊飯器本体
3は飯器
7は保護枠
28は送風装置
28aは送風口
29は送風用開口
30は送風路
C1,C2は加熱手段(ワークコイル)
H1,H2は発熱部(発熱体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
米と水とを収容する飯器を取出自在に収納する炊飯器本体と、該炊飯器本体の内周面を構成する保護枠と、前記飯器の底部および側部下方のコーナ部を加熱する加熱手段とを備えた電気炊飯器であって、前記保護枠の外側には、飯器冷却用の送風装置を配設するとともに、該送風装置からの冷却風を、前記保護枠の側部に形成した送風用開口を介して前記飯器の発熱部に向けて送風するように構成したことを特徴とする電気炊飯器。
【請求項2】
前記送風装置を複数個設けるとともに、1個の送風装置の運転により、前記飯器発熱部の全周に向けて送風できるように構成たことを特徴とする請求項1記載の電気炊飯器。
【請求項3】
前記保護枠には、その内周側全周に位置して前記送風装置の送風口に連通する送風路を設けるとともに、前記送風用開口を、前記飯器発熱部に向けて下向きとなるように所定間隔をおいて前記送風路に複数個形成したことを特徴とする請求項1および2のいずれか一項記載の電気炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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