説明

電気的に駆動される自動車の電池用ハウジング

少なくとも一つの低部受容部分及び一つの上部カバー部分を含む電気駆動自動車の多数電池を収容するのに適したハウジング。両部分は互いに連結して、内部に中空空間を形成する。両部分は、互いに接着した、熱可塑性ポリマーからなる少なくとも一層の支持層及び金属からなる少なくとも一層の被覆層を含む多層材料から調製される。係るハウジングは、機械的ダメージに対して、並びに火炎及び/又は電磁照射に対して内部の電池を保護するのに完全に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気駆動自動車における多数電池(electrical power cell)を収容するのに適した新規なハウジングに関する。
さらに、本発明は前記ハウジングの製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車における多数電池を収容するハウジングは、普通、外部の影響から内部に配置された電池を保護する必要がある。反対に、過熱や液漏れの可能性のあるハウジング内部の電池からもたらされるいずれかの影響から車内の人を保護するのにもハウジングは適している。このようなハウジングは、ポリエチレンやポリプロピレンのようなプラスチック材料から1000リットル容積までの種々の寸法に射出成形することにより主に製造されている。かかるハウジングは、一方で、電気絶縁性であり、軽量であるという利点を有する。しかし、他方で、機械的強度が脆弱であり、高温や火災の際燃焼性であるという欠点も有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、自動車における多数の電池のための新規なハウジング提供することにあり、当該ハウジングは軽量であるが、当該軽量であることと共に、より機械的強度が高く、したがって、機械的ダメージに対してハウジング内の電池に保護を与え、難燃性であり、さらに電磁照射の影響に対しハウジング内に収容されている電池に少なくとも部分的保護を与える。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的は、少なくとも一つの低部受容部分及び一つの上部カバー部分を含み、これらが一緒に連結し、閉じることができる上述したハウジングにより達成され、これらは内部に中空空間を形成でき、互いに接着した少なくとも一層の熱可塑性ポリマーからなる支持層及び少なくとも一層の金属からなる被覆層を含む多層材料から調製される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、ハウジングの外部に配置された金属からなる被覆層を有する側面からのハウジングの一部による縦横断面を示す。
【図2】図2は、側面から観たサンドイッチ構造のハウジングの別の態様による別の縦横断面を示す。
【符号の説明】
【0006】
1 被覆層
2 支持層
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の目的のため、金属からなる被覆層は、ハウジングの外側又はハウジングの内側に配置することができる。しかし、ハウジングの外側及びハウジングの内側のいずれにも金属からなる被覆層を配置することもできる。
【0008】
驚いたことに、少なくとも一層の熱可塑性ポリマーからなる支持層及び少なくとも一層の金属からなる被覆層を含む多層材料は、電気駆動自動車に電池を使用するとき、当該多数電池を中に組み入れるのに完全に適するハウジングの製造を可能にする。かかるハウジングは、それにもかかわらず、充分に強度があり、特に、底部のような、ハウジングの大表面積部分においても充分に強度があり、さらに内部から外部又は外部から内部のいずれかでの火炎の即時広がりに対しても充分な保護を与える。
【0009】
驚いたことに、ハウジングの剛性を支持層と金属からなる被覆層の積層により著しく改良することができることを見出した。例えば、ハウジング用途のための全プラスチックパーツ(straight plastics parts)解決策によっては今まで解決できなかった剛性レベルを達成することが可能である。良好な例は、高剛性で知られるアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)からなるハウジングである。これは、ハウジングが自動車の相対的に高温に晒されるような領域に特に適用する。本発明のハウジングは、明確な利点をもたらす。金属からなる被覆層を支持層の両側に配置する場合、ハウジングの機械的強度をさらに改良することができる。
【0010】
ハウジングの機械的特性は、熱可塑性ポリマーからなる支持層の制御した修正により特に広い範囲内でさらに変動でき、当該支持層は無機充填剤で耐衝撃改質するか、又はガラス繊維強化することができ、したがって、機械的特性は、低部収容部分及び上部カバー部分のえずれの、ハウジング部分の表面特性や表面品質に影響をもたらすことなく、ハウジングに設置される要求事項にマッチさせることができる。
【0011】
熱可塑性ポリマーからなる支持層は、各場合に支持層の重量を基準に1〜60重量%、好ましくは、5〜50重量%、特に好ましくは、10〜40重量%の強化用充填剤を含むことができる。これらの強化用充填剤の例は、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、DIN66 115で測定して0.1〜10μmの範囲の平均粒度のタルク、木材、フラックス、チョーク、ガラスビーズ、被覆ガラス繊維、短、長、若しくはその他のガラス繊維、又はそれらの混合物である。低部バッキング層は、さらに、それぞれに利点となる量の別の添加剤、例えば、光安定剤、uv安定剤、熱安定剤、顔料、カーボンブラック、潤滑剤、及び加工助剤、難燃剤、発泡剤等も含むことができる。本発明では、低部バッキング層自身は熱可塑性ポリマーからなる。
【0012】
本発明では、支持層のために利点を備えて使用される熱可塑性ポリマーは、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリビニルクロリド(PVC)、ポリスルホン類、ポリエーテルケトン類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート若しくはポリアルキレンナフタレートのようなポリエステル類、ポリシクロオレフィン類、ポリアクリレート類、ポリメタクリレート類、ポリ−エプシロン−カプロラクタム若しくはポリヘキサメチレンアジピンアミド若しくはポリヘキサメチレンセバシンアミドのようなポリアミド類、ポリカルボネート、ポリウレタン類、ポリオキシメチレン(POM)のようなポリアセタール類、又はポリスチレン(PS)等のポリマー類である。本発明で主に適して使用される熱可塑性ポリマー類はホモポリマー類及びコポリマー類である。これに関連して、ポリエチレン及びエチレンからなるコポリマー類又はエチレン若しくはプロピレンと4〜10個の炭素原子を有するその他のオレフィン類とからなるコポリマー類は特に特筆すべきであり、スチレンと、そして相対的に少量のブタジエン、アルファメチルスチレン、アクリロニトリル、ビニルカルバゾール、あるいはアクリル、メタクリル若しくはイタコン酸のエステルからなる、コポリマー若しくはターポリマーも同様である。
【0013】
本発明のハウジングの製造における費用対効果を改良するために、その上部カバー部分は、上部カバー部分の総重量を基準に、60重量%までの量の上記ポリマーからリサイクルした再生材料を含むこともできる。
【0014】
本発明では、ポリオキシメチレン(POM)という用語は、ホルムアルデヒド若しくはアセトアルデヒドのような、しかし、好ましくは環状アセタール類のようなアルデヒドのホモポリマー又はコポリマーを意味する。POMの特性は、分子鎖の際だった特徴を形成する定常繰り返し炭素−酸素結合があることである。POMのメルトフローインデックス(MI)は、230℃の温度、2.16kgの荷重を用いISO1133に準拠して測定して、普通、50〜50g/10分、好ましくは、5〜30g/10分の範囲である。
【0015】
本発明が、ハウジングの支持層にポリエステルを使用しようとする場合、この目的のために明らかに好適な材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリブチレンテレフタレート(PBT)である。双方とも、テレフタル酸とおのおのエチレングリコールおよびブチレングリコールとの高分子量エステル化生成物である。本発明では、特に適しているポリエステル類のMIは、230℃の温度、2.16kgの荷重でDIN1133に準拠して測定して、5〜50g/10分、好ましくは、5〜30g/10分の範囲である。
【0016】
ハウジングの支持層に使用できるスチレンのコポリマーは、特に、ポリマー内に45重量%まで、好ましくは、20重量%までのアクリロニトリルを含むコポリマー類である。これらのコポリマー類のMIは、230℃の温度、2.16kgの荷重でDIN1133に準拠して測定して、1〜25g/10分、好ましくは、4〜20g/10分の範囲である。
【0017】
さらに、スチレンのターポリマーは、ポリマー内に35重量%まで、特に、20重量%までのアクリロニトリル及び35重量%まで、好ましくは、30重量%までのブタジエンを含む。略称ABSもこれらのターポリマーに使用し、そのMIは、230℃の温度、2.16kgの荷重でDIN1133に準拠して測定して、典型的には、1〜40g/10分、好ましくは、2〜30g/10分の範囲である。
【0018】
さらに、ハウジングの支持層に使用される熱可塑性ポリマーは、特に、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)のようなポリオレフィン類であり、その中で特に好適なものはPPの使用である。本発明では、PPはプロピレンのホモポリマー及びコポリマーを意味する。コポリマーは、プロピレンと共重合できる少量のモノマー、例えば、2個又は4〜8個の炭素原子を有する1−オレフィン類を含む。必要の場合、2種以上のコモノマー類も使用できる。
【0019】
ハウジングの支持層のために特に適しているとして挙げることのできる熱可塑性ポリマーは、プロピレンホモポリマー又はプロピレンと最高50重量%までの、最高8炭素原子を有する別の1−オレフィン類とからなるプロピレンコポリマーである。これらのコポリマーは、通常、ランダムコポリマーであるが、ブロックコポリマーであることもできる。
【0020】
PPの生成のための重合反応は、通常、1〜100バール(0.1〜10MPa)の範囲の圧力下懸濁中又は気相中チグラー・ナッタ触媒系の共存下で起こることができる。チタン含有固体成分ばかりでなく有機アルミニウム化合物の形態の助触媒及び電子供与体化合物主含む触媒系が好適である。
【0021】
チグラー・ナッタ触媒系は、一般に、チタン含有固体成分、特に三価又は四価チタンのハロゲン化物若しくはアルコラート、そして、さらに担体物質としてハロゲン含有マグネシウム化合物、シリカゲルのような無機酸化物、及び電子供与体化合物を含む。挙げることのできる特定の電子供与体化合物は、カルボン酸誘導体又はケトン、エーテル、アルコール、或いは有機珪素化合物である。
【0022】
チタン含有固体成分は公知方法により製造できる。好ましくは、DE19529240号公報に詳細に記載されている方法により製造される。
チグラー・ナッタ触媒系に適している助触媒は、トリアルキルアルミニウム化合物ばかりでなく、アルキル基がアルコキシ基又は塩素や臭素のようなハロゲンにより置換された化合物である。アルキル基は同一でも異なってもよい。線状又は分岐状アルキル基も使用できる。本発明では、アルキル基が1〜8個の炭素原子を含むアルキル基、例えば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、若しくはメチルジエチルアルミニウム、又はそれらの混合物のようなトリアルキルアルミニウム化合物を使用するのが好適である。
【0023】
しかし、PPは触媒としてメタロセンの存在下で製造することもできる。メタロセンは、層状構造を有する錯体化合物であり、元素の周期表の遷移金属からの金属と有機、好ましくは、芳香族配位子を含む。PPの生成のためにそれらの使用を可能にするために、メタロセン錯体は担体材料に施用するのが有利である。有利であることが示されている担体材料は、チグラー・ナッタ触媒のチタン含有固体成分の製造にも使用される無機酸化物である。
【0024】
通常使用されるメタロセンは、中心原子として、チタン、ジルコニウム又はハフニウムであり、その中で、ジルコニウムが好適である。中心原子は、少なくとも一つのパイ系に対してパイ結合を有し、シクロペンタジエニル基により具体化される。非常に多くの例では、シクロペンタジエニル基は追加の置換基を有し、触媒の活性を制御するのに使用できる。好適なメタロセンは、二つのパイ系に対して類似の若しくは異なるパイ結合により結合される中心原子を含み、これらは、同時に、適当なヘテロ芳香族系からなる構成でもあることができる。
【0025】
メタロセンに適する助触媒は、原則として、中性メタロセンをカチオンに変換できるいずれかの化合物であり、メタロセンを安定化させることができる。さらに、EP427697号公報に見出すことができるように、助触媒又はそれから形成されるアニオンは、形成したメタロセニウムカチオンとの別の反応に入らない。使用する助触媒は、好ましくは、アルミニウム化合物及び/又はホウ素化合物である。
【0026】
ホウ素化合物の式は、好ましくは、R18NH4−xBR19、R18PH4−xBR19、R18CBR19、又はBR19であり、式中、xは1〜4の数、好ましくは、3であり、R18は同一又は異なり、好ましくは、同一であり、C−C10−アルキル又はC−C18−アリールであり、或いは、二つのR18基がそれらと結合する原子と一緒になって環を形成し、R19基は同一又は異なり、好ましくは、同一であり、C−C18−アリールであり、置換したアルキル、ハロアルキル、若しくはフッ素であることができる。特にR18はエチル、プロピル、ブチル、又はフェニルであり、そしてR19はフェニル、ペンタフルオロフェニル、3,5−ビストリフルオロメチルフェニル、メシチル、キシリル又はトリルである。EP426638号公報は、メタロセンのための助触媒としてホウ素化合物を記載する。
【0027】
使用する助触媒は、アルモキサン及び/又はアルキルアルミニウム化合物のようなアルミニウム化合物である。使用する助触媒が、特に、線状タイプの又は環状タイプのアルミノキサンが特に好ましく、そして、本明細書中、これらの化合物双方において、同一又は異なる有機基も存在でき、それらは水素又はC−C20−炭化水素基、例えば、C−C18−アルキル基、C18−アリール基、若しくはベンジルであることができる。
【0028】
ハウジングの支持層及び金属からなる被覆層が一緒になって、射出成形、押出、あるいは圧縮成形シートの形態で、様々な厚さ及び寸法で形成できる。支持層について好適な層厚さは、1〜20mm、特に好適には2〜15mmである。
【0029】
金属からなる被覆層について、異なる金属が有用である。したがって、アルミニウムが非常に適しているが、しかし、鉄も有用であり、銀やクロムのような貴金属も有用であり、アルミニウム、鉄又はクロムが好適である。金属からなる被覆層の厚さは、50〜1000μmの範囲、好ましくは、70〜500μmの範囲である。
【0030】
本発明の好適な実施態様では、追加の中間層を、熱可塑性ポリマーからなる支持層と金属からなる被覆層との間に配置し、2層の接着強度を改良できる。中間層に使用できる特定の材料は、熱可塑性ポリマー、好ましくは、支持層に使用するのと同じ熱可塑性ポリマーである。この組み合わせは、支持層と金属からなる被覆層との間の接着性接合を特に堅固にすることができる。本発明では、中間層は、薄い織物等の形態、好ましくは、薄い不織布の形態であり、0.001〜1mm、好ましくは、0.005〜0.5mmの厚さである。
【0031】
中間層に好ましく使用される熱可塑性物質の一つは、触媒としてメタロセンの存在下で製造したPPであり、そのMIは、温度230℃、荷重2.16kgで、DIN1133に準拠して測定して、10〜60g/10分である。
【0032】
熱可塑性ポリマーからなる中間層は、樹脂飽和不織布であることも高い利点がある。アクリル樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、又はメラミン樹脂は、飽和性樹脂として本発明で特に使用できる。本発明で樹脂の飽和の程度は最高300%であることができ、これは中間層の全面が実際的に樹脂で重度に飽和され、樹脂なしの中間層の重量を基準に300%の量であることを意味する。樹脂での飽和の程度は、好ましくは、15〜150%、特に好ましくは、80〜120%である。本発明では、中間層の重量は、15〜150g/mの範囲、好ましくは、30〜70g/mの範囲である。
【0033】
本発明は、射出成形法によるリバースコーティングの技術によるハウジングの製造方法も提供する。支持層及び中間層及び金属からなる被覆層を接合し、堅固に接着する多層複合体を与えるために、射出成形法によるリバースコーティングの技術の初期チャージは、中間層及び金属からなる被覆層のための材料を、射出成形金型の半分の一方側に置き、所望の場合、中間層及び金属からなる被覆層のための材料を、射出成形金型の半分の他方側に置く。一旦金型が閉じられると、熱可塑性ポリマーを、150〜330℃の温度、5〜2500バール(=0.5〜250MPa)の高圧で、各側に存在する中間層間の区画に射出成形する。金型温度は、一般的に、各側で8〜160℃である。上記の条件下で熱可塑性ポリマーを射出したら、金型を周囲温度に冷却する。このための冷却時間は0.01〜5.0分である。
【0034】
本発明方法の別の態様では、中間層及び層厚さが0.02〜20mmの金属箔(これの代替として、個々の箔(オーバーレイ、金属、樹脂)を含む予備作製ラミネートを不織布(約30g/m、メタロセンポリマー、Novolen:登録商標)に第一積層を施す。さらに予備作製ラミネートのための材料を、所望の厚さ及び形体に予備作製する。次いで、これらの二種の変形物を射出成形金型区画の各々対向金型半分に入れ、金型を閉じ、次いで、170℃の温度、少なくとも50バール(5MPa)でこれらの間で区画中に熱可塑性ポリマーを射出する。
【0035】
圧縮成形で起こる手順は、原則として同じである。唯一の相違は、支持層のための熱可塑性ポリマーを、層列に挿入した個々の箔間でペレットの形体で導入し、少なくとも5バールの圧力に露出し、各側に少なくとも100℃の温度で圧縮時間は少なくとも30秒間圧縮する。
【0036】
射出圧縮成形及びトランスファー成形を用いて、同手順が実際成功することを立証した。
本発明では、電池のためのハウジングは、少なくとも1リットルから最高約1000リットルまでの範囲、好ましくは、1.5リットルから約800リットルまでの範囲の容積を内部に含む。ハウジングの下部受容部分及び上部カバー部分は嵌合等の連結をし、それにより、互いにさねはぎ結合状態になり、互いにねじ止め、クランプ止めで連結される。しかし、多くの応用のため、熱シールや溶接によるかある種のホットメルトにより両部分をシールし、気密や液密状態に連結することも適切である。
【0037】
当業者に本発明についてさらに明確な説明を与えるために、添付図面は、電気駆動自動車の電池のための種々のハウジングの構造に、そしてその製造中の原理を詳細に示す。
図1は、ハウジングの外部に配置された金属からなる被覆を有する側面からのハウジングの一部による縦横断面を示す。
【0038】
参照番号は、金属1からなる被覆層がアルミニウム箔を含むのを観ることであり、タルク強化PPからなる支持層2を観ることである。
図2は、側面から観たサンドイッチ構造のハウジングの別の態様による別の縦横断面を示す。被覆層を両側に配置した支持層を使用する態様である。
【0039】
図3の参照番号は、PPを含む支持層2であり、アルミニウム箔を含有する被覆層1で両側を被覆した支持層2である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的に駆動される自動車の多数電池を収容するのに適するハウジングであって、当該ハウジングは少なくとも一つの低部受容部分及び一つの上部カバー部分を含み、これらが一緒に連結し、内部に中空空間を形成し、これらの部分は、互いに接着する少なくとも一層の熱可塑性ポリマーからなる支持層及び少なくとも一層の金属からなる被覆層を含む多層材料から製造される、前記ハウジング。
【請求項2】
前記金属からなる被覆層が、ハウジングの外側及び/又はハウジングの内側に配置される、請求項1に記載のハウジング。
【請求項3】
前記支持層の熱可塑性ポリマーとして、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリビニルクロリド(PVC)、ポリスルホン類、ポリエーテルケトン類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート若しくはポリアルキレンナフタレートのようなポリエステル類、ポリシクロオレフィン類、ポリアクリレート類、ポリメタクリレート類、ポリ−エプシロン−カプロラクタム若しくはポリヘキサメチレンアジピンアミド若しくはポリヘキサメチレンセバシンアミドのようなポリアミド類、ポリカルボネート、ポリウレタン類、ポリオキシメチレン(POM)のようなポリアセタール類、又はポリスチレン(PS)、又はこれらの混合物を含む、請求項1又は2に記載のハウジング。
【請求項4】
支持層の熱可塑性ポリマーは、各場合に支持層の重量を基準に、さらに1〜60重量%、好ましくは、5〜50重量%、特に好ましくは、10〜40重量%の強化用充填剤を含む、請求項1〜3のいずれかに記載のハウジング。
【請求項5】
支持層の熱可塑性ポリマーは、強化用充填剤として、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、DIN66 115で測定して0.1〜10μmの範囲の平均粒度のタルク、木材、フラックス、チョーク、ガラスビーズ、被覆ガラス繊維、又は短、長、若しくはその他のガラス繊維、又はそれらの混合物を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のハウジング。
【請求項6】
支持層が、射出成形シート、押出シート又は圧縮成形シートであり、層厚が1〜20mm、好ましくは、2〜15mmである、請求項1〜5のいずれかに記載のハウジング。
【請求項7】
被覆層が、アルミニウム、鉄、銀やクロムのような貴金属を含む、請求項1〜6のいずれかに記載のハウジング。
【請求項8】
熱可塑性ポリマーからなる支持層と金属からなる被覆層との間に配置された追加の中間層をさらに含み、当該中間層が熱可塑性ポリマー、好ましくは支持層に使用したのと同じ熱可塑性ポリマーを含む、請求項1〜7のいずれかに記載のハウジング。
【請求項9】
中間層が、薄い織物等の形態、あるいは、好ましくは、薄い不織布の形態であり、0.001〜1mm、好ましくは、0.005〜0.5mmの厚さである、請求項1〜8のいずれかに記載のハウジング。
【請求項10】
中間層は、熱可塑性ポリマーからなる樹脂飽和不織布を含み、飽和性樹脂として、アクリル樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、又はメラミン樹脂を使用する、請求項1〜9のいずれかに記載のハウジング。
【請求項11】
中間層の重量が、15〜150g/mの範囲、好ましくは、30〜70g/mの範囲である、請求項1〜10のいずれかに記載のハウジング。
【請求項12】
下部受容部分及び上部カバー部分は互いにさねはぎ結合のような連結をし、両部分を互いにねじ止め、クランプ止め又はシールにより互いに連結する、請求項1〜11のいずれかに記載のハウジング。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載のハウジングの製造法であり、使用される技術は、射出成形法によるリバースコーティングを含み、そして初期チャージは、各場合にシート様構造の形体の、中間層及び金属からなる被覆層のための材料を含み、次いで、支持層のための熱可塑性ポリマーを射出成形法によるリバースコーティングにより中間層及び金属からなる被覆層のための材料に結合する、前記方法。
【請求項14】
電気駆動自動車又はオートバイのための電池を収容するための請求項1〜9のいずれかに記載のハウジングの使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−502674(P2013−502674A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525078(P2012−525078)
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際出願番号】PCT/EP2010/004957
【国際公開番号】WO2011/020581
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(500289758)バーゼル・ポリオレフィン・ゲーエムベーハー (118)
【Fターム(参考)】