説明

電気自動車の充電方法及びその設備

【課題】
コネクターケーブルを電気自動車に接続して充電又は充電予約を行う際に、コネクターケーブルと電気自動車の接続状況を確認する電気自動車の充電方法及びその設備を提供する。
【解決手段】充電予約スタンド12を備えた急速充電器11に複数の充電スタンド15を接続し、充電スタンド15の一つから電気自動車13に、電力線、制御線及び通信線を有するコネクターケーブル14を介して充電する充電方法及びその充電設備10であって、コネクターケーブル14を電気自動車13に接続した後、充電予約スタンド12に充電要求の信号を入力すると、制御線及び通信線とを用いて、急速充電器11と電気自動車13との間で情報のやり取りを行って、コネクターケーブル14の接続状況を急速充電器11の接続確認器23aによって確認する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクターケーブルを電気自動車に接続して充電又は充電予約を行う際に、コネクターケーブルと電気自動車の接続状況の確認を行う電気自動車の充電方法及びその設備に関する。
【背景技術】
【0002】
充電設備に設けられたコネクターケーブルを電気自動車に接続して急速充電を行う際に要する時間は30分程度と長い。このため、充電中に利用者が電気自動車付近に常時待機していることは期待できない。また、利用者が充電中に電気自動車から離れると、充電が完了してもコネクターケーブルの取り外し及び電気自動車の移動が直ちに行われることも期待できない。
そこで、充電中に利用者が電気自動車付近に待機しない態様での利用を前提として、1台の急速充電器に対して複数の充電用駐車スペースを用意し、電気自動車は充電用駐車スペースに駐車し、充電設備に設けられたコネクターケーブルを電気自動車に接続して充電予約を行い、急速充電器は充電予約に基づいて予約スケジュールを作成すると共に、予約スケジュールに基づいて順次給電する電気自動車を切替えて充電を行い、利用者との通話機能を備えた遠隔監視装置を設けて無人運用に対処するセルフ方式の電気自動車の充電システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の電気自動車の充電システムでは、電気自動車に接続したコネクターケーブルを介して電気自動車との間で通信を行い、車種識別情報(車両ID等)を取得し、充電に必要な他の情報は、充電システムに設けられた電気自動車データベースから取得している。なお、電気自動車に搭載されたバッテリーの充電残量は、利用者が充電用駐車スペースに配置された操作パネルから手入力することにより取得している。これらの情報のやり取りが完了すると、充電開始時刻、標準充電時間、標準充電終了予定時刻、充電料金等を演算により求め、その結果を操作パネルに表示している。そして、利用者は、自分のスケジュールを考慮して充電時間を決定し、充電時間を操作パネルに入力することで充電予約が完了し、充電終了予定時刻まで電気自動車から離れることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−28913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のように、特許文献1の電気自動車の充電システムでは、コネクターケーブルを介した電気自動車との間の通信で取得される情報は最低限の内容にして、充電に必要な他の情報は、操作パネルからの手入力や電気自動車データベース内の検索により取得する方式となっているため、コネクターケーブルの電力線が電気自動車の接続口に確実に接続されているか否かの確認は行われていない。このため、充電の確実性及び充電時の安全性は担保されておらず、充電終了予定時刻に利用者が充電用駐車スペースに駐車している電気自動車に戻っても、充電が行われていないという問題や、接続不良に伴って電力線の短絡が生じる虞もある。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、コネクターケーブルを電気自動車に接続して充電又は充電予約を行う際に、コネクターケーブルと電気自動車の接続状況を確認することが可能な電気自動車の充電方法及びその設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的に沿う第1の発明に係る電気自動車の充電方法は、充電予約スタンドを備えた1台の急速充電器に複数の充電スタンドを接続し、該充電スタンドの一つから電気自動車に、電力線、制御線及び通信線を有するコネクターケーブルを介して充電する電気自動車の充電方法であって、
前記コネクターケーブルを前記電気自動車に接続した後、前記充電予約スタンドに充電要求の信号が入力されると、前記制御線及び前記通信線を用いて、前記急速充電器と前記電気自動車との間で情報のやり取りを行って、前記コネクターケーブルの接続状況を前記急速充電器の接続確認器によって確認する。
【0008】
第1の発明に係る電気自動車の充電方法において、前記充電予約スタンドと、前記急速充電器は別体又は一体で構成されていることが好ましい。
【0009】
第1の発明に係る電気自動車の充電方法において、前記急速充電器に1回線の通信線を設け、前記コネクターケーブルを接続した電気自動車Aの外に他の前記充電スタンドで充電中の電気自動車Bが存在する場合は、前記電気自動車Bの充電を停止し、前記電気自動車Aの前記コネクターケーブルの接続状況を確認した後、前記電気自動車Bの充電を再開することが好ましい。
【0010】
第1の発明に係る電気自動車の充電方法において、前記急速充電器に2回線の通信線を設け、前記コネクターケーブルを接続した電気自動車Aの外に他の前記充電スタンドで充電中の電気自動車Bが存在する場合は、前記電気自動車Bの充電を継続しながら、前記電気自動車Aの前記コネクターケーブルの接続状況を確認することが好ましい。
【0011】
前記目的に沿う第2の発明に係る電気自動車の充電方法は、1台の急速充電器に複数の充電予約兼ケーブルスタンドを接続し、該充電予約兼ケーブルスタンドの一つから電気自動車に、電力線、制御線及び通信線を有するコネクターケーブルを介して充電する電気自動車の充電方法であって、
【0012】
第2の発明に係る電気自動車の充電方法において、前記急速充電器に1回線の通信線を設け、前記コネクターケーブルを接続した電気自動車Aの外に他の前記充電予約兼ケーブルスタンドで充電中の電気自動車Bが存在する場合は、前記電気自動車Bの充電を停止し、前記電気自動車Aの前記コネクターケーブルの接続状況を確認した後、前記電気自動車Bの充電を再開することが好ましい。
【0013】
第2の発明に係る電気自動車の充電方法において、前記急速充電器に2回線の通信線を設け、前記コネクターケーブルを接続した電気自動車Aの外に他の前記充電予約兼ケーブルスタンドで充電中の電気自動車Bが存在する場合は、前記電気自動車Bの充電を継続しながら、前記電気自動車Aの前記コネクターケーブルの接続状況を確認することが好ましい。
【0014】
第1、第2の発明に係る電気自動車の充電方法において、前記充電要求の信号の入力は、カードに記載された認証情報又は充電要求情報をカードリーダで読み取ることにより行うことが好ましい。
【0015】
前記目的に沿う第3の発明に係る電気自動車の充電設備は、1台の急速充電器と、該急速充電器に接続される充電予約スタンドと、該充電予約スタンドに接続され、電気自動車に直接接続されるコネクターケーブルを備えた複数の充電スタンドとを有する電気自動車の充電設備であって、
前記急速充電器には、前記充電予約スタンドに設けられたカードリーダからの充電要求の信号によって動作し、前記コネクターケーブルの有する電力線以外の制御線及び通信線を利用して、前記電気自動車と通信を行う接続確認器が設けられ、該接続確認器によって前記電気自動車と前記コネクターケーブルの接続を確認している。
【0016】
前記目的に沿う第4の発明に係る電気自動車の充電設備は、1台の急速充電器と、該急速充電器に接続され、電気自動車に直接接続されるコネクターケーブルを備えた複数の充電予約兼ケーブルスタンドとを有する電気自動車の充電設備であって、
前記急速充電器には、前記充電予約兼ケーブルスタンドに設けられたカードリーダからの充電要求の信号によって動作し、前記コネクターケーブルの有する電力線以外の制御線及び通信線を利用して、前記電気自動車と通信を行う接続確認器が設けられ、該接続確認器によって前記電気自動車と前記コネクターケーブルの接続を確認している。
【0017】
第3の発明に係る電気自動車の充電設備において、前記急速充電器が1回線の通信線を有し、前記コネクターケーブルを接続した電気自動車Aの外に他の前記充電スタンドで充電中の電気自動車Bが存在する場合は、前記電気自動車Bの充電を停止し、前記電気自動車Aの前記コネクターケーブルの接続状況を確認した後、前記電気自動車Bの充電を再開することが好ましい。
【0018】
第3の発明に係る電気自動車の充電設備において、前記急速充電器が2回線の通信線を有し、前記コネクターケーブルを接続した電気自動車Aの外に他の前記充電スタンドで充電中の電気自動車Bが存在する場合は、前記電気自動車Bの充電を継続しながら、前記電気自動車Aの前記コネクターケーブルの接続状況を確認することが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
第1、第2の発明に係る電気自動車の充電方法においては、コネクターケーブルを電気自動車に接続して充電要求を行う際に、電気自動車に対するコネクターケーブルの接続状況を確認するので、充電の確実性及び充電時の安全性を担保して、1台の急速充電器を効率的に運用することが可能になる。
【0020】
第1の発明に係る電気自動車の充電方法において、充電予約スタンドと急速充電器が別体で構成されている場合、充電予約スタンドを電気自動車の充電場所側に近づけて設置することができる。また、充電予約スタンドと急速充電器が一体で構成されている場合、充電予約スタンドと急速充電器を接続するケーブルが不要になって、設備コストを低減することができる。また、設置に必要なスペースを小さくすることができる。
【0021】
第1、第2の発明に係る電気自動車の充電方法において、急速充電器に1回線の通信線を設けた場合、電気自動車Aの充電予約及び接続確認をできるだけ短時間で行うことで、電気自動車Bの充電停止の影響を最小限にすることができる。
【0022】
第1、第2の発明に係る電気自動車の充電方法において、急速充電器に2回線の通信線を設けた場合、電気自動車Aの充電予約及び接続確認と、電気自動車Bの充電を両立させることができる。
【0023】
第1、第2の発明に係る電気自動車の充電方法において、充電要求の信号の入力が、カードに記載された認証情報をカードリーダで読み取ることにより行う場合、利用者の登録の有無の確認を充電要求と同時に行うことができる。また、充電要求情報をカードリーダで読み取ることにより行う場合、利用者の確認、充電する電気自動車に関する基本情報(車種識別情報等)の入手、充電料金の徴収方法の確認等を、充電要求と同時に行うことができる。
【0024】
第3の発明に係る電気自動車の充電設備においては、充電要求及び利用者の確認と同時に、電気自動車に対するコネクターケーブルの接続状況を確認し、通信により車載の電池の情報(総容量、残量等)を入手して効率的な充電に資するので、利用者の利便に供すると共に、充電の確実性及び充電時の安全性を担保して1台の急速充電器を効率的に運用することが可能になる。
なお、カードリーダが読み取る情報の中に、電気自動車に関する基本情報(車種識別情報等)や充電料金の徴収方法に関する情報が含まれていると、更に効率的な充電設備の運用が可能になる。
【0025】
第4の発明に係る電気自動車の充電設備においては、電気自動車を駐車させコネクターケーブルを接続して、直ちに充電又は充電予約を行うことができ、利便性を向上させることができる。また、急速充電器と各充電予約兼ケーブルスタンドとをそれぞれ接続するので、配線工事の負担が軽減され、充電用の駐車スペースの数が比較的少ない小規模な充電設備では、設備コストの減少を図ることができる。
【0026】
第3の発明に係る電気自動車の充電設備において、急速充電器が1回線の通信線を有し、コネクターケーブルを接続した電気自動車Aの外に他の充電スタンドで充電中の電気自動車Bが存在する際は、電気自動車Bの充電を停止し、電気自動車Aのコネクターケーブルの接続状況を確認した後、電気自動車Bの充電を再開する場合、電気自動車Aの充電予約及び接続確認をできるだけ短時間で行うことで、電気自動車Bの充電停止の影響を最小限にすることができる。
【0027】
第3の発明に係る電気自動車の充電設備において、急速充電器が2回線の通信線を有し、コネクターケーブルを接続した電気自動車Aの外に他の充電スタンドで充電中の電気自動車Bが存在する際は、電気自動車Bの充電を継続しながら、電気自動車Aのコネクターケーブルの接続状況を確認する場合、電気自動車Aの充電予約及び接続確認と、電気自動車Bの充電を両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電気自動車の充電設備の説明図である。
【図2】同電気自動車の充電設備を用いた電気自動車の充電方法における接続確認の全体流れ図である。
【図3】接続確認から接続確認終了までの詳細流れ図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る電気自動車の充電設備の説明図である。
【図5】同電気自動車の充電設備を用いた電気自動車の充電方法における接続確認の全体流れ図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る電気自動車の充電設備の説明図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係る電気自動車の充電設備の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る電気自動車の充電設備10(以下、単に充電設備10という)は、1台の急速充電器11と、急速充電器11に接続され、充電要求を受付け、急速充電器11の充電スケジュールを作成し管理する充電予約スタンド12と、充電予約スタンド12に接続され、電気自動車13に直接接続されるコネクターケーブル14を備えた複数の充電スタンド15とを有している。ここで、コネクターケーブル14は、電力線と、制御線と、通信線とを有している。以下、詳細に説明する。
【0030】
急速充電器11は、電気自動車13に搭載された電池(図示せず)を充電するもので、例えば、電池がほぼ空に近い状態から80%まで充電するのに15〜30分程度かかるように容量が設計されている。
充電スタンド15は、充電設備10に設置された複数の充電用駐車スペース16にそれぞれ設けられている。そして、電気自動車13は、駐車した充電用駐車スペース16に設けられた充電スタンド15に接続しているコネクターケーブル14が、充電プラグ(図示せず)を介して接続される。ここで、充電プラグには、例えば充電用駐車スペース16を特定するための符号がそれぞれ付されており、充電用駐車スペース16を特定することで、使用した充電スタンド15、使用したコネクターケーブル14が特定されるようになっている。
【0031】
急速充電器11は、電気自動車13に搭載された電池の運用管理を行う図示しない電池制御装置(マイクロコンピュータ)との間で通信を行う通信線を1回線有している。そして、通信線は、急速充電器11の出力口に接続された電力線、充電時に電気自動車13側に設けられた各種機器の制御を行う信号用の制御線と共に充電ケーブ17を構成している。
【0032】
急速充電器11と充電予約スタンド12は別体で構成され、充電ケーブ17を介して接続し、充電予約スタンド12と複数の充電スタンド15は、それぞれ中継充電ケーブル19を介して接続している。なお、中継充電ケーブル19は電力線、制御線、及び通信線を備え、中継充電ケーブル19の電力線、制御線、及び通信線は、各充電スタンド15に設けられた図示しない中継端子盤を介してコネクターケーブル14の電力線、制御線、及び通信線とそれぞれ接続している。
なお、急速充電器と充電予約スタンドを一体で構成することもできる。急速充電器と充電予約スタンドを一体とすることにより、急速充電器と充電予約スタンドとを接続する充電ケーブルが不要になって設備構成を簡単にすることができ、設置に要するスペースの削減を図ることができる。
【0033】
充電予約スタンド12には、充電ケーブ17と、複数の中継充電ケーブル19の中から任意に選択された1つの中継充電ケーブル19とを接続するケーブル接続切替手段20が設けられている。ここで、ケーブル接続切替手段20は、例えば、1次側が充電ケーブ17に、2次側が各中継充電ケーブル19に接続されたリレーモジュール21と、リレーモジュール21を操作する切替器22とを有している。
【0034】
また、充電予約スタンド12には、急速充電設備10の利用者が所持する記録媒体、例えばカードの一例であるICカードから、認証情報を取得するカードリーダ18と、認証情報から利用者が登録された利用者であるか否かを確認して、登録された利用者である場合は、利用者が使用した充電用駐車スペース16を特定する情報等の充電に関する情報を受付け表示する機能、受付けた情報から充電要求手続きの開始を要求する充電要求の信号(以下、充電要求信号という)を作成し、出力する機能を備えた操作パネル(図示せず)が設けられている。
なお、認証情報は、利用者が操作パネルからID及びパスワードを入力することにより取得される方式を併用するようにしてもよい。そして、ICカードには、利用者の認証情報の他に、利用者が所有する電気自動車に関する情報、充電料金の支払い方法に関する情報等の充電要求情報が記録されていることが好ましい。
【0035】
更に、充電予約スタンド12には、操作パネルから出力される充電要求信号によって、使用した充電用駐車スペース16の充電スタンド15に接続された中継充電ケーブル19が有する制御線及び通信線と、急速充電器11に接続する充電ケーブ17が有する制御線及び通信線とがそれぞれ接続されるように、ケーブル接続切替手段20のリレーモジュール21を操作する切替器22に接続用の信号を出力するスケジュール管理器24を備えた充電管理手段23が設けられている。中継充電ケーブル19の制御線及び通信線と、充電ケーブ17の制御線及び通信線とがそれぞれ接続されることにより、電気自動車13に接続されたコネクターケーブル14を介して、急速充電器11に設けられた図示しない充電器制御手段(マイクロコンピュータ)と電気自動車13の電池制御装置との間で信号及び情報のやり取り(通信)が可能になる。
【0036】
ここで、充電器制御手段には、電気自動車13に搭載された電池を急速充電器11を用いて充電する際に必要な情報を取得するために電気自動車13の電池制御装置に各種指令信号を出力すると共に、各指令信号に対する電池制御装置からの応答信号を受信する通信機能を有する接続確認器23aが設けられている。そして、接続確認器23aは、スケジュール管理器24に充電要求信号が入力された際に出力される信号により起動するように構成され、接続確認器23aには、受信する応答信号から、コネクターケーブル14と電気自動車13との接続状態の確認、電気自動車13の電池制御装置の健全性の確認、及び電気自動車13に搭載された電池の健全性の確認等を行う判定機能が設けられている。
【0037】
接続確認器23aは、電気自動車13との間で通信ができない場合は、電気自動車13とコネクターケーブル14が接続されていないと判定する。通信が途中で中断した場合は、電気自動車13にコネクターケーブル14が不安定な状態で接続されていると判定する。また、接続確認器23aは、電気自動車13からの応答信号の取得が順調に行われた場合は、電気自動車13とコネクターケーブル14の接続が確実に行われていると判定する。更に、接続確認器23aが取得した電気自動車13からの応答信号によって、電気自動車13が充電可能な状態であるか否か(電気自動車13に搭載された電池制御装置及び電池のそれぞれの健全性)を判定する。
【0038】
接続確認器23aによるコネクターケーブル14と電気自動車13との接続確認が終了すると、接続確認器23aから接続確認完了の信号がスケジュール管理器24に入力され、スケジュール管理器24からは、電気自動車13に接続されたコネクターケーブル14に接続する中継充電ケーブル19と充電ケーブル17との間の接続が遮断されるようにリレーモジュール21を操作する信号が切替器22に入力される。これによって、接続確認器23aと電気自動車13の電池制御装置との間の通信が遮断し、起動している電池制御装置は停止する。
【0039】
そして、接続確認器23aが、電気自動車13は充電可能な状態であると判定した場合、接続確認器23aより充電可能判定の信号がスケジュール管理器24に入力され、スケジュール管理器24は操作パネルから入力された充電要求信号に基づいて、電気自動車13に対する急速充電器11の充電スケジュールを作成し、保存する。そして、作成された充電スケジュールの内容は、操作パネルの表示部分に、例えば、充電開始時刻、標準充電時間、標準充電終了予定時刻等の項目別に表示される。
なお、スケジュール管理器24では、作成された充電スケジュールに基づいて電気自動車13に対して充電順番が到来すると、スケジュール管理器24から充電指令信号が出力される。
【0040】
スケジュール管理器24から出力された充電指令信号は、送受信部26を介して切替器22に入力されると共に、充電管理手段23に設けられ、急速充電器11を運転制御する充電器制御部25に入力される。これにより、リレーモジュール21が作動して電気自動車13に接続されたコネクターケーブル14に繋がる中継充電ケーブル19と充電ケーブル17との間が接続状態になり、充電器制御部25から充電器運転信号が急速充電器11に入力されて急速充電器11は電気自動車13に対する充電を開始する。
なお、充電中は、電気自動車13の電池制御装置と急速充電器11の充電器制御手段との間で通信を行い、電気自動車13の電池に対して最適な条件で充電が行われるように管理される。
【0041】
更に、スケジュール管理器24には、電気自動車13の充電中に、別の電気自動車27が別の充電用駐車スペース16に駐車し、電気自動車27が駐車した充電用駐車スペース16の充電スタンド15に設けられたコネクターケーブル14が電気自動車27に接続されて、カードリーダ18から利用者の認証情報が入力された否かを常時監視し、認証情報から利用者が登録された利用者である場合は、電気自動車13の充電を停止し、電気自動車27とコネクターケーブル14の接続状況及び電気自動車27が充電可能な状態であるか否かの判定を行った後、電気自動車13の充電を再開する多重充電予約機能が設けられている。
【0042】
ここで、電気自動車27とコネクターケーブル14の接続状況及び電気自動車27が充電可能な状態であるか否かの判定は、電気自動車13のコネクターケーブル14の接続状況及び電気自動車13が充電可能な状態であるか否かの判定を行った方法と同様に行う。
そして、接続確認器23aによるコネクターケーブル14と電気自動車27との接続確認が終了すると、接続確認器23aから接続確認完了の信号がスケジュール管理器24に入力され、スケジュール管理器24からは、電気自動車27に接続されたコネクターケーブル14に接続する中継充電ケーブル19と充電ケーブル17との間の接続を遮断する信号が切替器22に入力され、電気自動車27に接続されたコネクターケーブル14に接続する中継充電ケーブル19と充電ケーブル17との間の接続が遮断される。
【0043】
電気自動車27に接続されたコネクターケーブル14に接続する中継充電ケーブル19と充電ケーブル17との間の接続が遮断されると、電気自動車13に対する充電停止が解除され、スケジュール管理器24から電気自動車13に対する充電指令信号が、送受信部26を介して切替器22及び充電器制御部25にそれぞれ入力される。これにより、リレーモジュール21が作動して電気自動車13に接続されたコネクターケーブル14に繋がる中継充電ケーブル19と充電ケーブル17との間が接続状態になり、充電器制御部25から充電器運転信号が急速充電器11に入力されて急速充電器11は電気自動車13に対する充電を再開する。
なお、接続確認器23aが、電気自動車27は充電可能な状態であると判定した場合、接続確認器23aより充電可能判定の信号がスケジュール管理器24に入力され、スケジュール管理器24は操作パネルから入力された充電要求信号に基づいて、電気自動車27に対する急速充電器11の充電スケジュールを作成し、保存する。そして、作成された充電スケジュールの内容は、操作パネルの表示部分に、例えば、充電開始時刻、標準充電時間、標準充電終了予定時刻等の項目別に表示される。
【0044】
図1に示すように、電気自動車13の充電中に、更に他の電気自動車28が他の充電用駐車スペース16に駐車し、電気自動車28が駐車した充電用駐車スペース16の充電スタンド15に設けられたコネクターケーブル14が電気自動車28に接続され、カードリーダ18から利用者の認証情報が入力されると、多重充電予約機能により、電気自動車27に対して行われた処理と同様の処理が電気自動車28に対して行われ、コネクターケーブル14と電気自動車28との接続確認及び電気自動車28が充電可能な状態であることの確認が行われると、電気自動車28に対する充電スケジュールが作成され、保存される。
なお、接続確認器23a、スケジュール管理器24、及び充電器制御部25は、接続確認器23aの機能、スケジュール管理器24の機能、及び充電器制御部25の機能をそれぞれ発現するプログラムを、コンピュータに搭載することにより構成できる。
【0045】
続いて、本発明の第1の実施の形態に係る電気自動車の充電設備10を用いた電気自動車の充電方法について説明する。
本実施の形態に係る電気自動車の充電方法は、図1に示すように、充電予約スタンド12を備えた1台の急速充電器11に複数の充電スタンド15を接続し、充電スタンド15の一つから電気自動車13に、電力線、制御線及び通信線を有するコネクターケーブル14を介して充電する方法である。
【0046】
そして、急速充電器11に、電気自動車13に搭載された電池の運用管理を行う電池制御装置と通信を行う通信線が1回線存在する際に、コネクターケーブル14を電気自動車13に接続した後、充電予約スタンド12に充電要求信号が入力されると、制御線及び通信線とを用いて、電気自動車13の状況を急速充電器11に伝え、コネクターケーブル14の接続状況を急速充電器11の接続確認器23aによって確認し、充電スタンド15で電気自動車13を充電中に、別の電気自動車27を別のコネクターケーブル14と接続して電気自動車27の充電予約を行う場合は、電気自動車13の充電を停止し、電気自動車27のコネクターケーブル14との接続状況を確認した後、電気自動車13の充電を再開することが特徴となっている。なお、電気自動車13、27にコネクターケーブル14を接続して、急速充電器11で急速充電する方法は従来の充電方法と同一である。このため、特徴部分に関してのみ説明する。
【0047】
図2に示すように、電気自動車13とコネクターケーブル14との接続確認を行う場合、車両(電気自動車13)を充電設備10に設けられた充電用駐車スペース16の空きスペースに停車させ(S−1)、車両を停車した充電用駐車スペース16に設けられた充電スタンド15のコネクターケーブル14に取付けられた充電プラグを車両に接続する(S−2)。そして、充電予約スタンド12に設けられたカードリーダ18から認証情報を入力して認証情報が確認された後に、使用した充電用駐車スペース16を特定する情報等の充電に関する情報を操作パネルから入力すると、充電プラグには充電用駐車スペース16を特定するための符号が付されているため、車両にコネクターケーブル14を接続する際に用いた充電プラグの選択情報(使用した充電プラグの符号)が入力されたことになる(S−3)。
【0048】
そして、操作パネルから充電要求手続きの開始を要求する充電要求信号がスケジュール管理器24に入力され、スケジュール管理器24により、充電中の車両が有るか否かが判断され(S−4)、充電中の車両が存在する際には、充電中の車両の充電を一時停止し(S−5)、接続確認の処理を開始する(S−6)。また、充電中の車両が存在しない場合、電気自動車13に接続された充電プラグを認識し、電気自動車13に接続されたコネクターケーブル14に接続する中継充電ケーブル19と充電ケーブル17を接続して、接続確認の処理を開始する(S−6)。
【0049】
接続確認の処理を開始すると、先ず、車両と接続確認器23aとの通信を開始し(S−7)、車両との通信が正常に確立されたか否か(電気自動車13に搭載された電池を急速充電器11を用いて充電する際に必要な情報を取得するために電気自動車13の電池制御装置に各種指令信号を出力し、各指令信号に対する電池制御装置からの応答信号の受信が順調に行われた否か)を判断する(S−8)。そして、車両との通信が正常に確立されない場合、リトライ&異常処理(車両とコネクターケーブル14の再接続の指示を操作パネルに表示すると共に、接続確認の処理の中断)を行う(S−9)。また、車両との通信が正常に確立されたことが確認されると、電気自動車13に接続されたコネクターケーブル14に接続する中継充電ケーブル19と充電ケーブル17との接続遮断を行う(指定された充電プラグを介した電気自動車を充電停止の状態にする)接続確認完了の処理を行う(S−10)。
【0050】
接続確認完了の処理が終了すると、接続確認器は、充電中の車両の充電を一次停止したか否かを判断し(S−11)、充電を一次停止した車両がある場合は、充電を一次停止した充電中の車両の充電を再開し(S−12)、接続確認の処理を終了する(S−13)。一方、充電を一次停止した車両が存在しない場合は、接続確認の処理を終了とする(S−13)。
【0051】
続いて、接続確認(S−6)から接続確認完了(S−10)までの手順を、図3を用いて詳細に説明する。
操作パネルから充電要求手続きの開始を要求する充電要求信号がスケジュール管理器24に入力されると、接続確認が開始する(SS−1)。
先ず、スケジュール管理器24から、使用した充電用駐車スペース16の充電スタンド15に接続された中継充電ケーブル19が有する制御線及び通信線と、急速充電器11に接続する充電ケーブ17が有する制御線及び通信線とをそれぞれ接続するように、ケーブル接続切替手段20のリレーモジュール21を操作する切替器22に接続用の信号が入力される。一方、接続確認器23aには、スケジュール管理器24から起動用の信号が入力される。これにより、電気自動車13に接続されたコネクターケーブル14を介して、急速充電器11に設けられた接続確認器23aと電気自動車13の電池制御装置との間で通信(信号及び情報のやり取り)用の回線が形成される。
【0052】
接続確認器23aからの指令信号により車両に搭載された電池制御装置が起動すると、車両と接続確認器23aとの間の通信が開始され(SS−2)、通信時間を管理する第1のタイマーが作動し(SS−3)、所定時間内に(例えば5秒間の間に)車両から車両情報が接続確認器23aに順次送信され、接続確認器23aで順次取得される(SS−4)。ここで、所定時間内に車両情報が接続確認器23aに着信しない場合、車両に接続されたコネクターケーブル14と接続する中継充電ケーブル19と充電ケーブル17との接続を遮断して充電停止の状態にし(SS−5)、接続確認失敗と判定して、リトライ&異常処理を行う(S−9)。
【0053】
所定時間内に車両情報が接続確認器23aに着信すると、急速充電器11から充電器情報が、車両に搭載された電池の運用管理を行う電池制御装置に向けて順次送信される(SS−7)。充電器情報を取得した電池制御装置は、充電器情報に対応する車両側の回答情報を接続確認器23aに対して順次送信するので、接続確認器23aは取得した回答情報に基づいて、車両情報を更新する(SS−8)。このとき、第2のタイマーを作動させ(SS−9)、所定時間内に(例えば8秒間の間に)、充電器情報に基づいて電池制御装置が充電可能と判定した充電許可信号が、接続確認器23aに着信するか否かを判断する(SS−10)。そして、充電許可信号が所定時間内に取得されない場合、車両に接続されたコネクターケーブル14と接続する中継充電ケーブル19と充電ケーブル17との接続を遮断して通信を停止し(SS−5)、接続確認失敗と判定して、リトライ&異常処理を行う(S−9)。
【0054】
充電許可信号が所定時間内に取得されると、車両に接続されたコネクターケーブル14と接続する中継充電ケーブル19と充電ケーブル17との接続を遮断して充電停止の状態にし(SS−11)、接続確認成功と判定して(SS−12)、充電中の車両の充電を一次停止したか否かを判断する処理(S−11)に移行する。
【0055】
図4に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る電気自動車の充電設備29(以下、単に充電設備29という)は、本発明の第1の実施の形態に係る充電設備10と比較して、急速充電器11aの接続確認器44に、電気自動車に搭載された電池の運用管理を行う電池制御装置と通信を行う通信線が2回線存在すること、電気自動車31を充電用駐車スペース32に駐車させ、充電用駐車スペース32に配置された充電スタンド33のコネクターケーブル34を接続して電気自動車31の充電中に、別の電気自動車35が別の充電用駐車スペース32に駐車し、電気自動車35が駐車した充電用駐車スペース32の充電スタンド33に設けられたコネクターケーブル34を電気自動車35に接続し、充電設備29の利用者が所持するICカードに記録された認証情報をカードリーダ36を介して入力した際に、電気自動車31の充電を継続しながら、電気自動車35のコネクターケーブル34の接続状況を確認することが特徴となっている。このため、特徴に関連する構成部材についてのみ説明し、充電設備10と同一の構成部材には同一の符号を付して説明は省略する。
【0056】
急速充電器11aの接続確認器44と充電予約スタンド30の間には、2回線ある通信線の一方の通信線(通信系統1)と、急速充電器11の出力口に接続する電力線と、制御線からなって、電気自動車の充電に使用される充電ケーブ37が設けられている。更に、急速充電器11と充電予約スタンド30との間には、他方の通信線(通信系統2)と、充電中の電気自動車とは別の電気自動車に搭載された電池の運用管理を行う電池制御装置を急速充電器11a側から起動させる信号を伝達する起動信号線からなる通信ケーブル38が設けられている。また、充電予約スタンド30と複数の充電スタンド33の間には、電力線、制御線、及び通信線を備えた中継充電ケーブル39が設けられている。ここで、中継充電ケーブル39の通信線と制御線は、充電予約スタンド30側でそれぞれ分岐している。
【0057】
そして、充電予約スタンド30には、充電ケーブル37及び通信ケーブル38を、複数の中継充電ケーブル39の中から任意に選択された1つの中継充電ケーブル39と接続するケーブル接続切替手段40が設けられている。ここで、ケーブル接続切替手段40は、例えば、1次側が充電ケーブ37に接続し、2次側が各中継充電ケーブル39の一方と接続する第1の切替部と、1次側が通信ケーブル38に接続し、2次側が各中継充電ケーブル39の他方と接続する第2の切替部を備えたリレーモジュール41と、リレーモジュール41を操作する切替器42を有している。
【0058】
スケジュール管理器43は、急速充電器11aが充電中であるか否かを常時確認している。そして、操作パネルから充電要求信号がスケジュール管理器43に入力された際に、急速充電器11aが充電中でない場合は、スケジュール管理器43は、使用した充電用駐車スペース32の充電スタンド33に接続された中継充電ケーブル39が有する通信線と通信ケーブル38が接続されるように、ケーブル接続切替手段40のリレーモジュール41を操作する切替器42に接続用の信号を出力する。これにより、電気自動車に接続されたコネクターケーブル34を介して、急速充電器11aの接続確認器44と電気自動車の電池制御装置との間で信号及び情報のやり取り(通信)が可能になる。
【0059】
また、スケジュール管理器24に充電要求信号が入力されると、スケジュール管理器24から接続確認器44に起動信号が入力されるので、接続確認器44と電気自動車の電池制御装置との間で通信が開始される。その結果、接続確認器44から電池制御装置に向けて各種指令信号を出力すると、各指令信号に対する電池制御装置からの応答信号が接続確認器44に向けて出力される。これにより、接続確認器44は、受信する応答信号から、コネクターケーブル34と電気自動車との接続状態の確認、電気自動車の電池制御装置の健全性の確認、及び電気自動車に搭載された電池の健全性の確認等を行う。
【0060】
接続確認器44は、電気自動車との間で通信ができない場合は、電気自動車とコネクターケーブル34が接続されていないと判定する。通信が途中で中断した場合は、電気自動車にコネクターケーブル34が不安定な状態で接続されていると判定する。また、接続確認器44は、電気自動車からの応答信号の取得が順調に行われた場合は、電気自動車とコネクターケーブル34の接続が確実に行われていると判定する。更に、接続確認器44が取得した電気自動車からの応答信号によって、電気自動車が充電可能な状態であるか否か(電気自動車に搭載された電池制御装置及び電池のそれぞれの健全性)を判定する。
【0061】
接続確認器44によるコネクターケーブル34と電気自動車との接続確認が終了すると、接続確認器44から接続確認完了の信号がスケジュール管理器43に入力され、スケジュール管理器43からは、電気自動車に接続されたコネクターケーブル34に接続する中継充電ケーブル39と通信ケーブル38との間の接続が遮断されるようにリレーモジュール41を操作する信号が切替器42に入力される。これによって、接続確認器44と電気自動車の電池制御装置との間の通信が遮断し、起動している電池制御装置は停止する。
【0062】
そして、接続確認器44が、電気自動車は充電可能な状態であると判定した場合、接続確認器44より充電可能判定の信号がスケジュール管理器43に入力され、スケジュール管理器43は操作パネルから入力された充電要求信号に基づいて、電気自動車に対する急速充電器11aの充電スケジュールを作成し、保存する。なお、作成された充電スケジュールの内容は、操作パネルの表示部分に、例えば、充電開始時刻、標準充電時間、標準充電終了予定時刻等の項目別に表示される。次いで、スケジュール管理器43から、作成された充電スケジュールに基づいて充電指令信号が出力される。
【0063】
スケジュール管理器43から充電指令信号が出力されると、送受信部26を介して切替器42に入力されると共に、充電管理手段23に設けられ、急速充電器11aを運転制御する充電器制御部25に入力される。これにより、リレーモジュール41が作動して電気自動車に接続されたコネクターケーブル34に繋がる中継充電ケーブル39と充電ケーブル37との間が接続状態になり、充電器制御部25から充電器運転信号が急速充電器11aに入力されて急速充電器11aは電気自動車に対する充電を開始する。
【0064】
電気自動車35を充電用駐車スペース32に駐車させ、充電用駐車スペース32に配置された充電スタンド33のコネクターケーブル34を電気自動車35に接続した際、急速充電器11aが電気自動車31の充電を行っている場合は、電気自動車35の充電を行う利用者が所持するICカードに記録された認証情報をカードリーダ36を介して取得する。そして、認証情報から利用者が登録された利用者であるか否かを確認して、登録された利用者である場合、操作パネルは利用者が使用した充電用駐車スペース32を特定する情報等の充電に関する情報を受付けて充電要求手続きの開始を要求する充電要求信号を構成する。次いで、電気自動車31の充電を継続しながら、操作パネルから充電要求信号をスケジュール管理器43に入力する。
【0065】
スケジュール管理器43は、電気自動車35が駐車した充電用駐車スペース32の充電スタンド33に接続された中継充電ケーブル39が有する通信線と通信ケーブル38が接続されるように、ケーブル接続切替手段40のリレーモジュール41を操作する切替器42に接続用の信号を出力する。これにより、電気自動車35に接続されたコネクターケーブル34を介して、急速充電器11aの接続確認器44と電気自動車35の電池制御装置との間で信号及び情報のやり取り(通信)が可能になる。
【0066】
また、スケジュール管理器43に充電要求信号が入力されると、スケジュール管理器43から接続確認器44に起動信号が入力されるので、接続確認器44と電気自動車35の電池制御装置との間で通信が開始される。その結果、接続確認器44から電池制御装置に向けて各種指令信号を出力すると、各指令信号に対する電池制御装置からの応答信号が接続確認器44に向けて出力される。これにより、接続確認器44は、受信する応答信号から、コネクターケーブル34と電気自動車35との接続状態の確認、電気自動車35の電池制御装置の健全性の確認、及び電気自動車35に搭載された電池の健全性の確認等を行う。
【0067】
接続確認器44は、電気自動車35との間で通信ができない場合は、電気自動車35とコネクターケーブル34が接続されていないと判定する。通信が途中で中断した場合は、電気自動車35にコネクターケーブル34が不安定な状態で接続されていると判定する。また、接続確認器44は、電気自動車35からの応答信号の取得が順調に行われた場合は、電気自動車35とコネクターケーブル34の接続が確実に行われていると判定する。更に、接続確認器44が取得した電気自動車35からの応答信号によって、電気自動車35が充電可能な状態であるか否か(電気自動車35に搭載された電池制御装置及び電池のそれぞれの健全性)を判定する。
【0068】
接続確認器44によるコネクターケーブル34と電気自動車35との接続確認が終了すると、接続確認器44から接続確認完了の信号がスケジュール管理器43に入力され、スケジュール管理器43からは、電気自動車35に接続されたコネクターケーブル34に接続する中継充電ケーブル39と通信ケーブル38との間の接続が遮断されるようにリレーモジュール41を操作する信号が切替器42に入力される。これによって、接続確認器44と電気自動車35の電池制御装置との間の通信が遮断し、起動している電池制御装置は停止する。
【0069】
そして、接続確認器44が、電気自動車35は充電可能な状態であると判定した場合、接続確認器44より充電可能判定の信号がスケジュール管理器43に入力され、スケジュール管理器43は操作パネルから入力された充電要求信号に基づいて、電気自動車に対する急速充電器11aの充電スケジュールを作成し、保存する。そして、作成された充電スケジュールの内容は、操作パネルの表示部分に、例えば、充電開始時刻、標準充電時間、標準充電終了予定時刻等の項目別に表示される。
なお、スケジュール管理器43は、電気自動車31の充電が終了すると、電気自動車35の充電スケジュールに基づいて充電指令信号を出力し、急速充電器11aによる電気自動車35の充電が開始される。
【0070】
続いて、本発明の第2の実施の形態に係る電気自動車の充電設備29を用いた電気自動車の充電方法について説明する。
本実施の形態に係る電気自動車の充電方法は、図4に示すように、充電予約スタンド30を備えた1台の急速充電器11aに複数の充電スタンド33を接続し、充電スタンド33の一つから電気自動車31に、コネクターケーブル34を介して充電する方法である。
【0071】
そして、急速充電器11aに、電気自動車に搭載された電池の運用管理を行う電池制御装置と通信を行う通信線が2回線存在する際に、一方の通信線(通信系統1)を充電ケーブル37に、他方の通信線(通信系統2)を通信ケーブル38にそれぞれ配置し、コネクターケーブル34を電気自動車31、35に接続して接続確認を行う場合は、電気自動車31、35に接続されたコネクターケーブル34と接続する中継充電ケーブル39と通信ケーブル38を接続して通信を行い、電気自動車31、35を充電する場合は、電気自動車31、35に接続されたコネクターケーブル34と接続する中継充電ケーブル39と充電ケーブル37を接続して行うことが、第1の実施の形態の充電設備10を用いた電気自動車の充電方法と比較して特徴となっている。
【0072】
また、電気自動車31を充電中に、電気自動車35にコネクターケーブル34を接続して充電要求を行う場合、電気自動車31の充電を継続しながら、電気自動車35のコネクターケーブル34との接続状況を確認することが、第1の実施の形態の充電設備10を用いた電気自動車の充電方法と比較して特徴となっている。このため、これらの特徴部分に関してのみ説明する。
【0073】
図5に示すように、電気自動車35とコネクターケーブル34との接続確認を行う場合、車両(電気自動車35)を充電設備29に設けられた充電用駐車スペース32の空きスペースに停車させ(T−1)、車両を停車した充電用駐車スペース32に設けられた充電スタンド33のコネクターケーブル34に取付けられた充電プラグを車両に接続する(T−2)。そして、充電予約スタンド30に設けられたカードリーダ36から認証情報を入力して認証情報が確認された後に、使用した充電用駐車スペース32を特定する情報等の充電要求情報を操作パネルから入力すると、充電プラグには充電用駐車スペース32を特定するための符号が付されているため、車両にコネクターケーブル34を接続する際に用いた充電プラグの選択情報(使用した充電プラグの符号)が入力されたことになる(T−3)。そして、操作パネルから充電要求手続きの開始を要求する充電要求信号がスケジュール管理器43に入力されると、スケジュール管理器43は、電気自動車35に接続されたコネクターケーブル34に接続する中継充電ケーブル39と通信ケーブル38(通信系統2)を接続して、接続確認の処理を開始する(T−4)。
【0074】
接続確認の処理を開始すると、先ず、車両と接続確認器44との通信を開始し(T−5)、車両との通信が正常に確立されたか否か(車両からの車両情報取得、充電器情報に対する車両応答情報の取得が順調に行われた否か)を判断する(T−6)。そして、車両との通信が正常に確立されない場合、リトライ&異常処理(車両とコネクターケーブルの再接続の指示を操作パネルに表示すると共に、接続確認の処理の中断)を行う(T−7)。また、車両との通信が正常に確立されたことが確認されると、電気自動車35に接続されたコネクターケーブル34に接続する中継充電ケーブル39と通信ケーブル38の接続遮断を行う接続確認完了の処理を行って(T−8)、接続確認の処理を終了とする(T−9)。
【0075】
図6に示すように、本発明の第3の実施の形態に係る電気自動車の充電設備45(以下、単に充電設備45という)は、1台の急速充電器46と、急速充電器46に接続され、複数(図6では4つ)の充電用駐車スペース47毎に設けられた充電予約兼ケーブルスタンド48とを有している。そして、充電用駐車スペース47に駐車した電気自動車49は、駐車した充電用駐車スペース47の充電予約兼ケーブルスタンド48に設けられたコネクターケーブル50と直接接続される。
【0076】
ここで、充電予約兼ケーブルスタンド48には、認証情報を取得するカードリーダ(図示せず)を有している。また、充電予約兼ケーブルスタンド48には、カードリーダで取得された認証情報から利用者が登録された利用者であるか否かを確認する機能、登録された利用者であることが確認された場合に、利用者が使用した充電用駐車スペース47を特定する情報等の充電に関する情報を受付けて充電要求手続きの開始を要求する充電要求の信号(以下、充電要求信号という)を構成する機能を備えた充電受付け手段51(例えば、情報入力及び情報表示の機能を有する操作パネルを備えたコンピュータ)が設けられている。
なお、認証情報は、利用者が操作パネルからID及びパスワードを入力することにより取得される方式を併用するようにしてもよい。そして、ICカードには、利用者の認証情報の他に、利用者が所有する電気自動車に関する情報、充電料金の支払い方法に関する情報等の充電要求情報が記録されていることが好ましい。
【0077】
一方、急速充電器46には、充電受付け手段51からの充電要求信号によって動作し、コネクターケーブル50の有する制御線及び通信線からなる第1の信号路52を利用して、電気自動車49と通信を行う接続確認器53が設けられ、接続確認器53によって電気自動車49とコネクターケーブル50の接続が確認される。なお、接続確認器53は、急速充電器46の運転制御を行う充電制御装置53aに設けられている。以下、詳細に説明する。
【0078】
急速充電器46は、電気自動車49に搭載された電池(図示せず)を充電するもので、例えば、電池がほぼ空に近い状態から80%まで充電するのに15〜30分程度かかるように容量が設計されている急速充電部54を有している。
また、コネクターケーブル50は、コネクターケーブル50の先端部に取り付けられている充電プラグ55を介して、電気自動車49に接続される。ここで、充電プラグ55には、例えば充電用駐車スペース47を特定するための符号がそれぞれ付されており、充電用駐車スペース47を特定することで、使用した充電予約兼ケーブルスタンド48、使用したコネクターケーブル50が特定されるようになっている。
【0079】
急速充電器46に設けられた接続確認器53には、電気自動車49に搭載された電池の運用管理を行う図示しない電池制御装置(マイクロコンピュータ)との間で通信を行う2回線の通信線を有している。ここで、一方の通信線は、電気自動車49の充電を行う際に、急速充電器46の充電制御装置(マイクロコンピュータ)から電気自動車49の電池制御装置に指令信号を伝える制御線と共に第2の信号路56を形成している。また、他方の通信線は、接続確認器53の入出力口に接続し、接続確認器53が、電気自動車49とコネクターケーブル50との接続状態を確認する際に、電気自動車49の電池制御装置に指令信号を伝える制御線と共に第3の信号路57を形成している。
【0080】
急速充電部54の出力口に接続する第1の電力線58、第2の信号路56、第3の信号路57、及び急速充電器46に接続する第2の電力線59は、1本の充電ケーブル60を構成し、充電ケーブル60の先側は分岐して、それぞれ充電予約兼ケーブルスタンド48に接続している。また、第1の信号路52の基側は2つに分岐され、充電予約兼ケーブルスタンド48にリレーモジュール61を設けて、充電を行う際には、分岐した一方の第1の信号路52と第2の信号路56が接続されるように、接続確認器53が接続状態の確認を行う際には、分岐した他方の第1の信号路52と第3の信号路57が接続されるように、信号路間に接続切替が行われる。更に、充電予約兼ケーブルスタンド48に接続器62を設け、充電時に、第1の電力線58とコネクターケーブル50の電力線63を接続するようにしている。
なお、充電受付け手段51とリレーモジュール61には第2の電力線59を介して動作用電力が供給されている。
【0081】
各充電予約兼ケーブルスタンド48に設けられた充電受付け手段51は、コンピュータネットワーク64を介して、急速充電器46の運転管理を行う制御装置65と接続している。また、制御装置65は、急速充電器46の運転制御を行う充電制御装置53aと接続している。その結果、充電受付け手段51を介して、急速充電器46の操作が可能になる。
【0082】
充電受付け手段51で充電要求信号が形成されると、使用した充電用駐車スペース47の充電予約兼ケーブルスタンド48に接続されたコネクターケーブル50が有する第1の信号路52と、急速充電器46に接続する充電ケーブ60が有する第3の信号路57とが接続されるように、リレーモジュール61に操作用信号が出力される。また、充電受付け手段51で形成された充電要求信号は、コンピュータネットワーク64を介して制御装置65に設けられた図示しないスケジュール管理器(コンピュータ)に入力され、スケジュール管理器に入力された充電要求信号は、急速充電器46の充電制御装置53aに向けて出力され、充電制御装置53aに設けられた接続確認器53が起動する。
【0083】
ここで、接続確認器53には、電気自動車49に搭載された電池を急速充電器46を用いて充電する際に必要な情報を取得するために電気自動車49の電池制御装置に各種指令信号を出力すると共に、各指令信号に対する電池制御装置からの応答信号を受信する通信機能が設けられている。更に、接続確認器53には、受信する応答信号から、コネクターケーブル50と電気自動車49との接続状態の確認、電気自動車49の電池制御装置の健全性の確認、及び電気自動車49に搭載された電池の健全性の確認等を行う判定機能が設けられている。
【0084】
接続確認器53は、電気自動車49との間で通信ができない場合は、電気自動車49とコネクターケーブル50が接続されていないと判定する。通信が途中で中断した場合は、電気自動車49にコネクターケーブル50が不安定な状態で接続されていると判定する。また、接続確認器53は、電気自動車49からの応答信号の取得が順調に行われた場合は、電気自動車49とコネクターケーブル50の接続が確実に行われていると判定する。更に、接続確認器53が取得した電気自動車49からの応答信号によって、電気自動車49が充電可能な状態であるか否か(電気自動車49に搭載された電池制御装置及び電池のそれぞれの健全性)を判定する。
【0085】
接続確認器53によるコネクターケーブル50と電気自動車49との接続確認が終了すると、接続確認器53から接続確認完了の信号が制御装置65のスケジュール管理器に入力され、スケジュール管理器からは、電気自動車49に接続されたコネクターケーブル50の第1の信号路52と充電ケーブル60の第3の信号路57との間の接続が遮断されるように、コンピュータネットワーク64を介して充電受付け手段51にリレーモジュール61を操作する信号が入力される。これによって、接続確認器53と電気自動車49の電池制御装置との間の通信が遮断し、起動している電池制御装置は停止する。
【0086】
そして、接続確認器53が、電気自動車49は充電可能な状態であると判定した場合、接続確認器53より充電可能判定の信号がスケジュール管理器に入力され、スケジュール管理器は充電受付け手段51から入力された充電要求信号に基づいて、電気自動車49に対する急速充電器46の充電スケジュールを作成し、保存する。そして、作成された充電スケジュールの内容は、充電受付け手段51の操作パネルの表示部分に、例えば、充電開始時刻、標準充電時間、標準充電終了予定時刻等の項目別に表示される。
なお、スケジュール管理器では、作成された充電スケジュールに基づいて電気自動車49に対して充電順番が到来すると、スケジュール管理器から充電指令信号が出力される。
【0087】
スケジュール管理器から出力された充電指令信号は、コンピュータネットワーク64を介して充電受付け手段51に入力されると共に、急速充電器46を運転制御する充電制御装置53aに入力される。これにより、リレーモジュール61及び接続器62が作動して電気自動車49に接続されたコネクターケーブル50の第1の信号路52と充電ケーブル60の第2の信号路56と、コネクターケーブル50の電力線63と充電ケーブル60の第1の電力線58との間がそれぞれ接続状態になり、急速充電器46は電気自動車49に対する充電を開始する。
なお、充電中は、電気自動車49の電池制御装置と急速充電器46の充電制御装置53aとの間で通信が行われ、電気自動車49の電池に対して最適な条件で充電が行われるように管理される。
【0088】
更に、スケジュール管理器には、電気自動車49の充電中に、別の電気自動車66が別の充電用駐車スペース47に駐車し、電気自動車66が駐車した充電用駐車スペース47の充電予約兼ケーブルスタンド48に設けられたコネクターケーブル50が電気自動車66に接続されて、カードリーダから利用者の認証情報が入力された否かを常時監視し、認証情報から利用者が登録された利用者である場合は、電気自動車49の充電を行いながら、電気自動車66とコネクターケーブル50の接続状況及び電気自動車66が充電可能な状態であるか否かの判定を行う多重充電予約機能が設けられている。
【0089】
ここで、電気自動車66とコネクターケーブル50の接続状況及び電気自動車66が充電可能な状態であるか否かの判定は、電気自動車49とコネクターケーブル50の接続状況及び電気自動車49が充電可能な状態であるか否かの判定を行った方法と同様に行う。
そして、接続確認器53によるコネクターケーブル50と電気自動車66との接続確認が終了すると、接続確認器53から接続確認完了の信号がスケジュール管理器に入力され、スケジュール管理器からは、電気自動車66に接続されたコネクターケーブル50の第1の信号路52と充電ケーブル60の第3の信号路57との間の接続が遮断されるように、コンピュータネットワーク64を介して、電気自動車49が駐車した充電用駐車スペース47に設けられた充電予約兼ケーブルスタンド48の充電受付け手段51にリレーモジュール61を操作する信号が入力される。これによって、接続確認器53と電気自動車66の電池制御装置との間の通信が遮断し、起動している電池制御装置は停止する。
【0090】
なお、接続確認器53が、電気自動車66は充電可能な状態であると判定した場合、接続確認器53より充電可能判定の信号がスケジュール管理器に入力され、スケジュール管理器は充電受付け手段51から入力された充電要求信号に基づいて、電気自動車66に対する急速充電器46の充電スケジュールを作成し、保存する。そして、作成された充電スケジュールの内容は、充電受付け手段51の操作パネルの表示部分に、例えば、充電開始時刻、標準充電時間、標準充電終了予定時刻等の項目別に表示される。また、スケジュール管理器では、作成された充電スケジュールに基づいて電気自動車66に対して充電順番が到来すると、スケジュール管理器から充電指令信号が出力される。
なお、本発明の第3の実施の形態に係る電気自動車の充電設備45を用いた電気自動車の充電方法は、第2の実施の形態に係る電気自動車の充電設備29を用いた電気自動車の充電方法と同じなので、説明は省略する。
【0091】
図7に示すように、本発明の第4の実施の形態に係る電気自動車の充電設備67(以下、単に充電設備76という)は、本発明の第3の実施の形態に係る充電設備45と比較して、急速充電器68の運転制御を行う制御装置69(マイクロコンピュータ)に設けられた接続確認器70に、電気自動車71に搭載された電池の運用管理を行う図示しない電池制御装置(マイクロコンピュータ)との間で通信を行う通信線が1回線だけ設けられていることが特徴となっている。このため、充電設備67の特徴部分に関連する部分について説明し、第3の実施の形態に係る充電設備45と同一の構成部材には同一の符号を付して、説明は省略する。
【0092】
接続確認器70の通信線と、電気自動車71の充電を行う際に、急速充電器68の制御装置69から電気自動車71の電池制御装置に指令信号を伝える制御線は第2の信号路72を形成している。そして、第2の信号路72は、急速充電部54の出力口に接続する第1の電力線58及び急速充電器68に接続する第2の電力線73と共に、充電ケーブル74を構成している。そして、充電ケーブル742の先側が分岐して、それぞれ充電予約兼ケーブルスタンド75に接続している。また、充電予約兼ケーブルスタンド75にはリレーモジュール76が設けられ、電気自動車71の充電を行う際、又は接続確認器70が電気自動車71とコネクターケーブル50の接続状態の確認を行う際に、第1の信号路52と第2の信号路72との間を接続するようにしている。
なお、接続確認器70の機能は、充電設備45の接続確認器53の機能と同一である。
【0093】
充電受付け手段51で充電要求信号が形成されると、使用した充電用駐車スペース77の充電予約兼ケーブルスタンド75に接続されたコネクターケーブル50が有する第1の信号路52と、急速充電器68に接続する充電ケーブ74が有する第2の信号路72とが接続されるように、充電受付け手段51よりリレーモジュール76に向けて操作用信号が出力される。また、充電受付け手段51で形成された充電要求信号は、コンピュータネットワーク64を介して制御装置65に設けられた図示しないスケジュール管理器に入力され、スケジュール管理器に入力された充電要求信号は、スケジュール管理器より急速充電器68の制御装置69に向けて出力され、制御装置69に設けられた接続確認器70が起動する。
【0094】
ここで、接続確認器70には、電気自動車71に搭載された電池を急速充電器68を用いて充電する際に必要な情報を取得するために電気自動車71の電池制御装置に各種指令信号を出力すると共に、各指令信号に対する電池制御装置からの応答信号を受信する通信機能が設けられている。更に、接続確認器70には、受信する応答信号から、コネクターケーブル50と電気自動車71との接続状態の確認、電気自動車71の電池制御装置の健全性の確認、及び電気自動車71に搭載された電池の健全性の確認等を行う判定機能が設けられている。
【0095】
接続確認器70は、電気自動車71との間で通信ができない場合は、電気自動車71とコネクターケーブル50が接続されていないと判定する。通信が途中で中断した場合は、電気自動車71にコネクターケーブル50が不安定な状態で接続されていると判定する。また、接続確認器70は、電気自動車71からの応答信号の取得が順調に行われた場合は、電気自動車71とコネクターケーブル50の接続が確実に行われていると判定する。更に、接続確認器70が取得した電気自動車71からの応答信号によって、電気自動車71が充電可能な状態であるか否か(電気自動車71に搭載された電池制御装置及び電池のそれぞれの健全性)を判定する。
【0096】
接続確認器70によるコネクターケーブル50と電気自動車71との接続確認が終了すると、接続確認器70から接続確認完了の信号が制御装置65のスケジュール管理器に入力され、スケジュール管理器からは、電気自動車71に接続されたコネクターケーブル50の第1の信号路52と充電ケーブル74の第2の信号路72との間の接続が遮断されるように、コンピュータネットワーク64を介して充電受付け手段51にリレーモジュール76を操作する信号が入力される。これによって、接続確認器70と電気自動車71の電池制御装置との間の通信が遮断し、起動している電池制御装置は停止する。
【0097】
そして、接続確認器70が、電気自動車71は充電可能な状態であると判定した場合、接続確認器70より充電可能判定の信号がスケジュール管理器に入力され、スケジュール管理器は充電受付け手段51から入力された充電要求信号に基づいて、電気自動車71に対する急速充電器68の充電スケジュールを作成し、保存する。そして、作成された充電スケジュールの内容は、充電受付け手段51の操作パネルの表示部分に、例えば、充電開始時刻、標準充電時間、標準充電終了予定時刻等の項目別に表示される。
なお、電気自動車71を充電する際には、作成された充電スケジュールに基づいてスケジュール管理器から充電指令信号が出力される。
【0098】
スケジュール管理器から出力された充電指令信号は、コンピュータネットワーク64を介して充電受付け手段51に入力されると共に、急速充電器68を運転制御する制御装置69に入力される。これにより、リレーモジュール76及び接続器62が作動して電気自動車71に接続されたコネクターケーブル50の第1の信号路52と充電ケーブル74の第2の信号路72と、コネクターケーブル50の電力線63と充電ケーブル74の第1の電力線58との間がそれぞれ接続状態になり、急速充電器68は電気自動車71に対する充電を開始する。
なお、充電中は、電気自動車71の電池制御装置と急速充電器68の制御装置69との間で通信が行われ、電気自動車71の電池に対して最適な条件で充電が行われるように管理される。
【0099】
更に、スケジュール管理器には、電気自動車71の充電中に、別の電気自動車78が別の充電用駐車スペース77に駐車し、電気自動車78が駐車した充電用駐車スペース77の充電予約兼ケーブルスタンド75に設けられたコネクターケーブル50が電気自動車78に接続されて、カードリーダから利用者の認証情報が入力された否かを常時監視し、認証情報から利用者が登録された利用者である場合は、電気自動車71の充電を一時停止し、電気自動車78とコネクターケーブル50の接続状況及び電気自動車78が充電可能な状態であるか否かの判定を行う多重充電予約機能が設けられている。
【0100】
ここで、電気自動車78とコネクターケーブル50の接続状況及び電気自動車78が充電可能な状態であるか否かの判定は、電気自動車71とコネクターケーブル50との接続状況及び電気自動車71が充電可能な状態であるか否かの判定を行った方法と同様に行う。そして、接続確認器70によるコネクターケーブル50と電気自動車78との接続確認が終了すると、接続確認器70から接続確認完了の信号がスケジュール管理器に入力され、スケジュール管理器からは、電気自動車78に接続されたコネクターケーブル50と充電ケーブル74との間の接続を遮断する信号が充電受付け手段51に入力され、電気自動車78に接続されたコネクターケーブル50と充電ケーブル74との間の接続が遮断される。
【0101】
電気自動車78に接続されたコネクターケーブル50と充電ケーブル74との間の接続が遮断されると、電気自動車71に対する充電停止が解除され、スケジュール管理器から電気自動車71に対する充電指令信号が充電受付け手段51及び急速充電器68の制御装置69にそれぞれ入力される。これにより、接続器62及びリレーモジュール76が作動して、電気自動車71に接続されたコネクターケーブル50と充電ケーブル74との間が接続状態になり、急速充電器68は電気自動車71に対する充電を再開する。
なお、接続確認器70が、電気自動車78は充電可能な状態であると判定した場合、接続確認器70より充電可能判定の信号がスケジュール管理器に入力され、スケジュール管理器は充電受付け手段51から入力された充電要求信号に基づいて、電気自動車78に対する急速充電器68の充電スケジュールを作成し、保存する。そして、作成された充電スケジュールの内容は、充電受付け手段51の表示部分に、例えば、充電開始時刻、標準充電時間、標準充電終了予定時刻等の項目別に表示される。
【0102】
図7に示すように、電気自動車71の充電中に、更に他の電気自動車79が他の充電用駐車スペース77に駐車し、電気自動車79が駐車した充電用駐車スペース77の充電予約兼ケーブルスタンド15に設けられたコネクターケーブル50が電気自動車79に接続され、カードリーダから利用者の認証情報が入力されると、多重充電予約機能により、電気自動車71に対して行われた処理と同様の処理が電気自動車79に対して行われ、コネクターケーブル50と電気自動車79との接続確認及び電気自動車79が充電可能な状態であることの確認が行われると、電気自動車79に対する充電スケジュールが作成され、保存され、充電スケジュールの内容は充電受付け手段51の表示部分に表示される。
なお、本発明の第4の実施の形態に係る電気自動車の充電設備67を用いた電気自動車の充電方法は、第1の実施の形態に係る電気自動車の充電設備10を用いた電気自動車の充電方法と同じなので、説明は省略する。
【0103】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
更に、本実施の形態とその他の実施の形態や変形例にそれぞれ含まれる構成要素を組合わせたものも、本発明に含まれる。
例えば、第2の実施の形態では、充電予約スタンドと急速充電器を別体としたが、充電予約スタンドと急速充電器を一体で構成することでできる。
【符号の説明】
【0104】
10:電気自動車の充電設備、11、11a:急速充電器、12:充電予約スタンド、13:電気自動車、14:コネクターケーブル、15:充電スタンド、16:充電用駐車スペース、17:充電ケーブル、18:カードリーダ、19:中継充電ケーブル、20:ケーブル接続切替手段、21:リレーモジュール、22:切替器、23:充電管理手段、23a:接続確認器、24:スケジュール管理器、25:充電器制御部、26:送受信部、27、28:電気自動車、29:電気自動車の充電設備、30:充電予約スタンド、31:電気自動車、32:充電用駐車スペース、33:充電スタンド、34:コネクターケーブル、35:電気自動車、36:カードリーダ、37:充電ケーブル、38:通信ケーブル、39:中継充電ケーブル、40:ケーブル接続切替手段、41:リレーモジュール、42:切替器、43:スケジュール管理器、44:接続確認器、45:電気自動車の充電設備、46:急速充電器、47:充電用駐車スペース、48:充電予約兼ケーブルスタンド、49:電気自動車、50:コネクターケーブル、51:充電受付け手段、52:第1の信号路、53:接続確認器、53a:充電制御装置、54:急速充電部、55:充電プラグ、56:第2の信号路、57:第3の信号路、58:第1の電力線、59:第2の電力線、60:充電ケーブル、61:リレーモジュール、62:接続器、63:電力線、64:コンピュータネットワーク、65:制御装置、66:電気自動車、67:電気自動車の充電設備、68:急速充電器、69:制御装置、70:接続確認器、71:電気自動車、72:第2の信号路、73:第2の電力線、74:充電ケーブル、75:充電予約兼ケーブルスタンド、76:リレーモジュール、77:充電用駐車スペース、78、79:電気自動車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電予約スタンドを備えた1台の急速充電器に複数の充電スタンドを接続し、該充電スタンドの一つから電気自動車に、電力線、制御線及び通信線を有するコネクターケーブルを介して充電する電気自動車の充電方法であって、
前記コネクターケーブルを前記電気自動車に接続した後、前記充電予約スタンドに充電要求の信号が入力されると、前記制御線及び前記通信線を用いて、前記急速充電器と前記電気自動車との間で情報のやり取りを行って、前記コネクターケーブルの接続状況を前記急速充電器の接続確認器によって確認することを特徴とする電気自動車の充電方法。
【請求項2】
請求項1記載の電気自動車の充電方法において、前記充電予約スタンドと、前記急速充電器は別体又は一体で構成されていることを特徴とする電気自動車の充電方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の電気自動車の充電方法において、前記急速充電器に1回線の通信線を設け、前記コネクターケーブルを接続した電気自動車Aの外に他の前記充電スタンドで充電中の電気自動車Bが存在する場合は、前記電気自動車Bの充電を停止し、前記電気自動車Aの前記コネクターケーブルの接続状況を確認した後、前記電気自動車Bの充電を再開することを特徴とする電気自動車の充電方法。
【請求項4】
請求項1又は2記載の電気自動車の充電方法において、前記急速充電器に2回線の通信線を設け、前記コネクターケーブルを接続した電気自動車Aの外に他の前記充電スタンドで充電中の電気自動車Bが存在する場合は、前記電気自動車Bの充電を継続しながら、前記電気自動車Aの前記コネクターケーブルの接続状況を確認することを特徴とする電気自動車の充電方法。
【請求項5】
1台の急速充電器に複数の充電予約兼ケーブルスタンドを接続し、該充電予約兼ケーブルスタンドの一つから電気自動車に、電力線、制御線及び通信線を有するコネクターケーブルを介して充電する電気自動車の充電方法であって、
前記コネクターケーブルを前記電気自動車に接続した後、前記充電予約兼ケーブルスタンドに充電要求の信号が入力されると、前記制御線及び前記通信線を用いて、前記急速充電器と前記電気自動車との間で情報のやり取りを行って、前記コネクターケーブルの接続状況を前記急速充電器の接続確認器によって確認することを特徴とする電気自動車の充電方法。
【請求項6】
請求項5記載の電気自動車の充電方法において、前記急速充電器に1回線の通信線を設け、前記コネクターケーブルを接続した電気自動車Aの外に他の前記充電予約兼ケーブルスタンドで充電中の電気自動車Bが存在する場合は、前記電気自動車Bの充電を停止し、前記電気自動車Aの前記コネクターケーブルの接続状況を確認した後、前記電気自動車Bの充電を再開することを特徴とする電気自動車の充電方法。
【請求項7】
請求項5記載の電気自動車の充電方法において、前記急速充電器に2回線の通信線を設け、前記コネクターケーブルを接続した電気自動車Aの外に他の前記充電予約兼ケーブルスタンドで充電中の電気自動車Bが存在する場合は、前記電気自動車Bの充電を継続しながら、前記電気自動車Aの前記コネクターケーブルの接続状況を確認することを特徴とする電気自動車の充電方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気自動車の充電方法において、前記充電要求の信号の入力は、カードに記載された認証情報又は充電要求情報をカードリーダで読み取ることにより行うことを特徴とする電気自動車の充電方法。
【請求項9】
1台の急速充電器と、該急速充電器に接続される充電予約スタンドと、該充電予約スタンドに接続され、電気自動車に直接接続されるコネクターケーブルを備えた複数の充電スタンドとを有する電気自動車の充電設備であって、
前記急速充電器には、前記充電予約スタンドに設けられたカードリーダからの充電要求の信号によって動作し、前記コネクターケーブルの有する電力線以外の制御線及び通信線を利用して、前記電気自動車と通信を行う接続確認器が設けられ、該接続確認器によって前記電気自動車と前記コネクターケーブルの接続を確認することを特徴とする電気自動車の充電設備。
【請求項10】
1台の急速充電器と、該急速充電器に接続され、電気自動車に直接接続されるコネクターケーブルを備えた複数の充電予約兼ケーブルスタンドとを有する電気自動車の充電設備であって、
前記急速充電器には、前記充電予約兼ケーブルスタンドに設けられたカードリーダからの充電要求の信号によって動作し、前記コネクターケーブルの有する電力線以外の制御線及び通信線を利用して、前記電気自動車と通信を行う接続確認器が設けられ、該接続確認器によって前記電気自動車と前記コネクターケーブルの接続を確認することを特徴とする電気自動車の充電設備。
【請求項11】
請求項9記載の電気自動車の充電設備において、前記急速充電器が1回線の通信線を有し、前記コネクターケーブルを接続した電気自動車Aの外に他の前記充電スタンドで充電中の電気自動車Bが存在する場合は、前記電気自動車Bの充電を停止し、前記電気自動車Aの前記コネクターケーブルの接続状況を確認した後、前記電気自動車Bの充電を再開することを特徴とする電気自動車の充電設備。
【請求項12】
請求項9記載の電気自動車の充電設備において、前記急速充電器が2回線の通信線を有し、前記コネクターケーブルを接続した電気自動車Aの外に他の前記充電スタンドで充電中の電気自動車Bが存在する場合は、前記電気自動車Bの充電を継続しながら、前記電気自動車Aの前記コネクターケーブルの接続状況を確認することを特徴とする電気自動車の充電設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−27204(P2013−27204A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161173(P2011−161173)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000233697)株式会社日鉄エレックス (51)
【Fターム(参考)】