電気自動車用充電スタンド
【課題】雨水の浸入による不具合の発生を抑える。
【解決手段】スタンド本体1内において上下方向に隣り合うコンセントユニット10の間、並びに最上段のコンセントユニット10と上パネル7Aとの間にそれぞれ隙間が生じている。当該隙間から浸入した雨水がコンセントユニット10の後端部に達することを防ぐため、コンセントユニット10の天面(ユニットカバー16の天面)に複数の突起17を突設している。故に、ユニットカバー16の天面に突設されている突起17で雨水を堰き止めることにより、雨水がコンセントユニット10の後端部に達することを防いで不具合の発生を抑えることができる。
【解決手段】スタンド本体1内において上下方向に隣り合うコンセントユニット10の間、並びに最上段のコンセントユニット10と上パネル7Aとの間にそれぞれ隙間が生じている。当該隙間から浸入した雨水がコンセントユニット10の後端部に達することを防ぐため、コンセントユニット10の天面(ユニットカバー16の天面)に複数の突起17を突設している。故に、ユニットカバー16の天面に突設されている突起17で雨水を堰き止めることにより、雨水がコンセントユニット10の後端部に達することを防いで不具合の発生を抑えることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車専用道路のサービスエリアや商業施設の駐車場、あるいは集合住宅の駐車場などに設置される電気自動車用充電スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、二酸化炭素の排出量や石油(ガソリンや軽油など)の消費量を削減することができて地球環境に優しい自動車として、内燃機関(ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなど)と電動機(モータ)を併用して走行するハイブリッド自動車や電動機のみで走行する電気自動車が注目を集めている。また、ハイブリッド自動車の形態として、現在は走行中に二次電池を充電するものが主流であるが、家庭用の交流電源(商用交流電源)を用いて駐車中に二次電池を充電し、初めに電動機で走行するとともに二次電池の残容量が低下したら内燃機関で走行するものも近く市販される予定である。なお、後者の形態の自動車はプラグインハイブリッド自動車と呼ばれている。
【0003】
ところで、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車(以下では、これら2種類の自動車を合わせて「電気自動車」と呼ぶ。)が普及するためには、二次電池を充電するためのインフラを整備する必要がある。具体的には、自動車専用道路のサービスエリアや商業施設の駐車場、あるいは集合住宅の駐車場などの公共の場(パブリック・スペース)に不特定多数の人が利用可能な電源(コンセント)を多数設置しなければならない。ここで、屋外にコンセントを設置するものとして、下部が地中に埋設されたポール内にコンセントを配設し、住戸内(屋内)の住宅用分電盤から分岐された給電線を前記コンセントに接続してなるコンセント装置(電源ポールとも呼ばれる。)が従来より提供されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されている電源ポールは、円筒状のポールの上部に扉付きのケーシングが取り付けられ、2つのコンセントがケーシング内に収納されて構成されており、ケーシングの扉を開いた状態でケーシング内のコンセントに電源プラグが差込接続されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−223339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載されている電源ポールを電気自動車用充電スタンドに利用した場合、2台の電気自動車までなら1台の電気自動車用充電スタンド(電源ポール)で同時に充電することができるが、3台以上の電気自動車を同時に充電するためには複数台の電気自動車用充電スタンド(電源ポール)を設置するか、あるいはケーシング内に3個以上のコンセントを収納した別タイプの電気自動車用充電スタンド(電源ポール)を設置する必要がある。したがって、電気自動車の普及率増加に伴ってコンセントの個数を増やそうとしたとき、新たに電気自動車用充電スタンド(電源ポール)を設置しなければならない。
【0006】
そこで、複数の収納スペースを有したスタンド本体を設置し、コンセントを備えたコンセントユニットを当該スタンド本体の収納スペースに着脱自在に収納する構成を採用すれば、設置場所の事情に応じてコンセントの個数を簡単に増減することができる。
【0007】
しかしながら、上述したようにスタンド本体内にコンセントユニットを収納する構成とした場合、コンセントユニットとスタンド本体との間に生じる隙間に雨水が浸入することは避けられない。前記隙間に浸入した雨水が充電部(コンセントや漏電遮断器の端子部など)に達すると短絡などの不具合の生じる虞がある。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、雨水の浸入による不具合の発生を抑えることができる電気自動車用充電スタンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために第1の発明は、内部に1乃至複数の収納空所を有して電気自動車を駐車する地面に立設される筒状のスタンド本体と、前記収納空所内に着脱自在に収納される1乃至複数のコンセントユニットとを備え、前記コンセントユニットは、電気自動車を充電するための電源ケーブルのプラグが差込口に挿抜自在に差込接続されるコンセントと、前方に開放された開口窓に前記差込口を臨ませるようにして前記コンセントを保持するとともに前記収納空所内に収納される筐体とを具備し、雨水の浸入を妨げる複数の突起が前記コンセントユニットの天面に突設されたことを特徴とする。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、前記突起は、前方から後方に向かって高さ寸法が大きくなるように突設されていることを特徴とする。
【0011】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前後方向に並ぶ前記突起の間には排水用の溝が形成されていることを特徴とする。
【0012】
第4の発明は、第1〜第3の何れかの発明において、前記突起は、前後方向と交差する方向を長手方向とする帯状に形成されていることを特徴とする。
【0013】
第5の発明は、第4の発明において、前記突起は、前記長手方向の中央部から外側に向かって前方へ傾斜する傾斜面を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、雨水の浸入を妨げる複数の突起がコンセントユニットの天面に突設されているので、雨水の浸入による不具合の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態を示し、(a)は一部省略した前方から見た分解斜視図、(b)はコンセントユニットの斜視図である
【図2】同上の正面図である。
【図3】同上を示し、図2のX−X’線断面矢視図である。
【図4】同上を示し、図2のY−Y’線断面矢視図である。
【図5】同上の前方から見た外観斜視図である。
【図6】同上の右側面図である。
【図7】同上の背面図である。
【図8】同上の底面図である。
【図9】同上におけるコンセントユニットを示し、後方から見た斜視図である。
【図10】同上の一部省略した後方から見た分解斜視図である。
【図11】同上の背板を外した状態の一部省略した背面図である。
【図12】同上における突起の堰き止め効果を説明するための説明図である。
【図13】同上における突起の一部省略した側面図である。
【図14】同上における突起の他の構造を示し、(a)は一部省略した斜視図、(b)は一部省略した平面図である。
【図15】(a)〜(c)は同上における突起の別の構造を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0017】
本実施形態の電気自動車用充電スタンドは、図2並びに図3に示すように電気自動車を駐車する地面に立設されるスタンド本体1と、電気自動車を充電するための電源ケーブル(以下、充電ケーブルと呼ぶ。)100のプラグ110が差込口20aに挿抜自在に差込接続されるコンセント20とを備えている。
【0018】
スタンド本体1は、長尺の矩形板状に形成された3枚の金属板(左側板2,右側板3,背板4)を組み立てることで前面並びに天面、底面がそれぞれ開口した角筒状に形成され、扁平な箱形のカバー5によって天面の開口が閉塞されている。左側板2並びに右側板3の内側面には、矩形板状の金属板からなり左右方向(水平方向)の略中央部が上下方向(鉛直方向)に沿って階段状に折曲された取付板6が背板4と並行するようにして取着されている(図3及び図4参照)。すなわち、スタンド本体1の内部が取付板6によって前後に区分けされており、後述するコンセントユニット10が取付板6の前方の空間に収納され、後述する漏電遮断器200や給電用の電源ケーブル(図示せず)が取付板6の後方の空間に収納(配線)される。なお、取付板6にはコンセントユニット10や漏電遮断器200を取り付けるための複数のねじ孔6aが上下方向及び左右方向に沿って等間隔に貫設されている。
【0019】
また、スタンド本体1前面における最上部及び最下部には矩形板状の上パネル7A及び下パネル7Bが取り付けられている。そして、スタンド本体1内において上パネル7Aの下端から下パネル7Bの上端までの前方空間に、コンセントユニット10をそれぞれ収納するための4つの収納空所8が上下方向に並設されている。
【0020】
コンセントユニット10は、図1(b)に示すように前面に開口窓11aを有する箱形の筐体11と、筐体11内に保持されるコンセントブロック12と、開口窓11aを塞ぐ閉位置(図5参照)と開口窓11aを開放する開位置の間で水平方向に回動自在である扉13と、筐体11の上部に被せられた合成樹脂材料製のユニットカバー16とを具備している。筐体11は、図9に示すように背板11bの左右方向略中央部が上下方向(鉛直方向)に沿って階段状に折曲されており、開口窓11aから背板11bまでの奥行きが大きい側(左側)の隅にコンセントブロック12が配設されている。
【0021】
コンセントブロック12は、矩形箱状の器体20b前面に差込口20aが設けられたコンセント20と、コンセント20の前端部が嵌合する嵌合孔21aを有してコンセント20が後方から取り付けられる板状のコンセントパネル21とを具備している。コンセントパネル21は略六角形形状に形成されており、上端に対して下端が後方に位置するとともに左端に対して右端が後方に位置するように、筐体11内における左側の隅に取り付けられている。そして、筐体11の内壁面とコンセントパネル21に囲まれた空間にコンセント20が収納され、コンセントパネル21の嵌合孔21aを通してコンセント20の差込口20aが筐体11の内部空間に露出する。なお、コンセント20は従来周知のものであって、差込口20aから差し込まれるプラグ110の接触子(栓刃)を受ける刃受(図示せず)や刃受を外部の電線と接続するための端子(図示せず)が絶縁材料製の器体20bに収納されて構成されている。
【0022】
而して、上端に対して下端が後方に位置するとともに左端に対して右端が後方に位置するようにコンセントパネル21が筐体11内に取り付けられているので、コンセントパネル21に取り付けられたコンセント20は、差込口20aに対するプラグ110の挿抜方向が水平方向及び鉛直方向において開口窓11aと斜めに交差する、言い換えると差込口20aの向き(コンセント20前面の法線方向)が開口窓11aの向き(開口窓11aの開口面の法線方向)に対して右斜め下方向に傾くように配設されることになる(図2参照)。
【0023】
ここで、図9に示すように筐体11の背面には端子台22が取り付けられている。この端子台22は、一方の接続端子が背板11bを貫通する貫通孔(図示せず)を通してコンセント20の端子と接続される(実際には、後述するインターロック装置23を介して接続される)とともに、後述するように漏電遮断器200の2次側端子に接続された電線が他方の接続端子に接続される。つまり、コンセント20が筐体11の内壁面とコンセントパネル21に囲まれた空間に収納されるので、筐体11の外側に端子台22を取り付け、端子台22を介してコンセント20の端子と外部の電線を接続することで接続作業が容易になるものである。
【0024】
扉13は扁平な矩形箱状に形成されており、図1(b)に示すように上下一対のヒンジ部14によって左側端部が筐体11の前面側左端部に軸支されている。また、扉13の背面側にはロック装置15が取着されており、扉13の前面にロック装置15の鍵孔部15aが露出している(図2参照)。なお、扉13の下端部分が水平方向に切り欠かれており、扉13が閉位置にあるときに扉13の下端と筐体11の前面側下端との間から充電ケーブル100を引き出すための隙間(引出口)が空くようになっている(図2参照)。
【0025】
また、コンセントユニット10にはインターロック装置23が設けられており、このインターロック装置23によって、扉13が閉位置にないときはコンセント20への通電がオフされ、扉13が閉位置にあるときにだけコンセント20への通電がオンされるようになっている。このようなインターロック装置23は従来周知であって、水平方向に回動する扉13の背面に設けられているコ字形の駆動片13aによって押駆動されるアクチュエータ23aを有しており、扉13が閉位置にあるときにアクチュエータ23aが駆動片13aに押駆動されてコンセント20への給電路を閉成し、扉13が閉位置にないときはアクチュエータ23aが駆動片13aに押駆動されないことでコンセント20への給電路を開成している。
【0026】
上述のように構成されるコンセントユニット10は、前面側からスタンド本体1内の収納空所8内に収納され、取付板6に対して筐体11がねじ止めされることでスタンド本体1に固定される。上述したようにスタンド本体1内には同一寸法の4つの収納空所8が上下方向に並設されており、これら4つの収納空所8の何れにもコンセントユニット10を収納することができる。ここで、取付板6には各収納空所8毎に矩形の窓孔6bが貫設されており、コンセントユニット10が収納空所8内に収納された状態で、筐体11の背面に取り付けられている端子台22が窓孔6bに挿通されて取付板6の後方空間(配線空間9)に露出する(図10,図11参照)。ただし、本実施形態では4つの収納空所8の全てにコンセントユニット10を収納した場合を例示しているが、必ずしも4つの収納空所8全てにコンセントユニット10を収納する必要は無く、少なくとも1つのコンセントユニット10を何れか1つの収納空所8に収納していればよい。
【0027】
漏電遮断器200は、図3及び図11に示すように取付板6の前方に突出している側(図11では左側)の背面に取り付けられて配線空間9に配置されている。この配線空間9には商用交流電源から交流電力を供給するための電力ケーブル(図示せず)がスタンド本体1底面のケーブル入線口1aより入線されて立ち上げ配線される(図8参照)。そして、配線空間9に配線された電力ケーブルが漏電遮断器200の1次側に接続されるとともに、漏電遮断器200の2次側が図示しない電線により端子台22の一方の接続端子に接続され、端子台22の他方の接続端子からインターロック装置23を介してコンセント20の端子と接続される。なお、上述した配線作業はスタンド本体1の背板4を外すだけで容易に行うことができる。
【0028】
次に、本実施形態の電気自動車用充電スタンドの使用手順について説明する。まず、扉13を開き、充電ケーブル100のプラグ110の接触子を差込口20aに差し込むことでコンセント20にプラグ110を差込接続する。このとき、差込口20aの向きが開口窓11aの向きに対して右斜め下方向に傾くように配設されているので、筐体11内においてプラグ110の挿抜に必要なスペース(空間)が十分に確保できてプラグ110の差込作業が容易に行える。さらに、雨天時においても開口窓11aを通して筐体11内に降り込む雨水が差込口20aにかかり難くい。ここで、コンセントユニット10を筐体11内で右側に寄せて配置し、差込口20aの向きが開口窓11aの向きに対して左斜め下方向に傾くようにコンセント20を配設しても同様の効果を奏する。ただし、本実施形態のように差込口20aが筐体11内の左側の位置から右斜め下方向に傾くようにコンセント20を配設する方が、一般的に多いと考えられる右利きの人にはプラグ110を差し込みやすくなるという利点がある。
【0029】
プラグ110をコンセント20に差込接続した後に扉13を閉め、図示しない鍵を用いてロック装置15を施錠する。ここで、特許文献1に記載されている電源ポールのように、コンセントが収められているケーシングの開口に対してコンセントの差込口が水平方向においてほぼ正対している場合、コンセントにプラグを差込接続した電源ケーブルの引き出し位置とコンセントの差込口の位置とが水平方向においてほぼ同じ位置となる。そのため、複数のコンセントを鉛直方向で並設したときに、垂れ下がった電源ケーブルと下段のコンセントの差込口とが前方から見て重なってしまうため、下段のコンセントに別の電源ケーブルのプラグを差込接続する作業が困難になるという問題がある。これに対して本実施形態では、差込口20aの向きが開口窓11aの向きに対して右斜め下方向に傾くように各コンセント20がスタンド本体1内(コンセントユニット10内)に配設されているので、上段のコンセント20にプラグ110が差込接続されて開口窓11aから垂れ下がった充電ケーブル100と下段のコンセント20の差込口20aとが前方から見て重ならなず、下段のコンセント20に別の充電ケーブル100のプラグ110を差込接続する作業が容易になるものである。
【0030】
さらに、図2に示すようにスタンド本体1の外周面(本実施形態では右側面)に複数(3つ)のケーブル保持具(保持体)40が取り付けられている。ケーブル保持具40は、図4及び図5に示すように帯板状の金属板を断面形状が略コ字形の樋状に曲げ加工してなり、長手方向を上下方向に合わせるとともに溝が後方を向くようにしてスタンド本体1の右側板3における上から2〜4段目の収納空所8の近傍にねじ止めされている。
【0031】
而して、開口窓11a(引出口)を通してスタンド本体1の外(前方)に引き出された充電ケーブル100を溝に嵌め込むことでケーブル保持具40に保持させれば、上段のコンセント20にプラグ110が接続された充電ケーブル100が邪魔にならずに下段のコンセントユニット10の扉13を開閉することができる。また、充電ケーブル100が不用意に引っ張られた場合においてもケーブル保持具40が充電ケーブル100を保持していることでプラグ110にかかる張力を緩和し、コンセント20の差込口20aからプラグ110が抜けてしまうことを防止できる。ここで、3つのケーブル保持具40が上下方向に沿ってスタンド本体1の前後にずれた位置に配置されているため、ケーブル保持具40に保持された複数の充電ケーブル100が互いに邪魔にならないものである。さらに、本実施形態では、相対的に下方にあるケーブル保持具40が、相対的に上方にあるケーブル保持具40よりもスタンド本体1の前寄りの位置に配置されているため、相対的に下方にあるケーブル保持具40が、相対的に上方にあるケーブル保持具40に保持された充電ケーブル100よりもスタンド本体1の前寄りに位置することとなるので(図6参照)、相対的に下方にあるケーブル保持具40に充電ケーブル100を保持させる際、相対的に上方にあるケーブル保持具40に保持された充電ケーブル100が邪魔にならないという利点がある。
【0032】
一方、電気自動車の充電が終了すれば、ロック装置15を解錠して扉13を開き、プラグ110をコンセント20の差込口20aから引き抜く。ここで、扉13が開いているときはインターロック装置23によってコンセント20への通電がオフされているため、プラグ110をコンセント20の差込口20aに抜き差しする際の感電事故を防ぐことができる。
【0033】
ところで、スタンド本体1内において上下方向に隣り合うコンセントユニット10の間、並びに最上段のコンセントユニット10と上パネル7Aとの間にそれぞれ隙間が生じているため、この隙間を通してスタンド本体1の収納空所8に雨水の浸入する虞がある。そして、収納空所8に浸入した雨水がコンセントユニット10の天面上を後方に向かって流れてコンセントユニット10の後端部まで達した場合、筐体11の背面に取り付けられている端子台22に雨水がかかって短絡などの不具合が生じてしまう虞がある。
【0034】
そこで本実施形態では、前記隙間から浸入した雨水がコンセントユニット10の後端部に達することを防ぐため、コンセントユニット10の天面(ユニットカバー16の天面)に複数の突起17を突設している(図1(b)並びに図9参照)。これらの突起17は、前後方向と交差する方向(左右方向)を長手方向とする帯状、具体的には側面の一つがユニットカバー16の天面と接する三角柱状に形成されるとともに、当該天面におけるユニットカバー16の前端よりもやや後方の位置から後端部にかけて、前後方向に並べて設けられている。なお、このような構造の突起17は、樹脂成型によってユニットカバー16と一体に形成することができる。
【0035】
而して、ユニットカバー16の天面に突設されている突起17で雨水を堰き止めることにより、雨水がコンセントユニット10の後端部に達することを防いで不具合の発生を抑えることができる。また、雨水の堰き止め効果を高めるためには、突起17の前面とユニットカバー16の天面との為す角度は、直角又は鈍角とすることが望ましい。ここで、コンセントユニット10の左右両側面には端子台22のような電気部品がなく、スタンド本体1の左右両側板2,3とコンセントユニット10の左右両側面との間に浸入した雨水によって何らかの不具合が生じる可能性は極めて低い。故に、本実施形態においては、前後方向に並ぶ突起17の間に排水用の溝17aを形成し、前方の突起17を乗り越えた雨水を溝17aを通してコンセントユニット10の左右両側へ排水している(図12の矢印参照)。このように浸入した雨水を効率的に排水することで不具合の発生がさらに抑制できるものである。また、図13に示すように前方から後方に向かって突起17の高さ寸法を大きくすれば、雨水の堰き止め効果がさらに向上する。
【0036】
また、図14(a)(b)に示すように長手方向(左右方向)の中央部から外側に向かって前方へ傾斜する傾斜面17bを突起17に設けてもよい。このような傾斜面17bを突起17に設けることにより、突起17を乗り越えた雨水をコンセントユニット10の左右両側へ効率よく排水することができる。
【0037】
なお、突起17の形状は上述した三角柱状に限定されるものではない。例えば、図15(a)に示すような四角柱状や、同図(b)に示すような4分の1円柱状、あるいは、同図(c)に示すような半球状であっても構わない。
【符号の説明】
【0038】
1 スタンド本体
10 コンセントユニット
11 筐体
11a 開口窓
16 ユニットカバー
17 突起
20 コンセント
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車専用道路のサービスエリアや商業施設の駐車場、あるいは集合住宅の駐車場などに設置される電気自動車用充電スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、二酸化炭素の排出量や石油(ガソリンや軽油など)の消費量を削減することができて地球環境に優しい自動車として、内燃機関(ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなど)と電動機(モータ)を併用して走行するハイブリッド自動車や電動機のみで走行する電気自動車が注目を集めている。また、ハイブリッド自動車の形態として、現在は走行中に二次電池を充電するものが主流であるが、家庭用の交流電源(商用交流電源)を用いて駐車中に二次電池を充電し、初めに電動機で走行するとともに二次電池の残容量が低下したら内燃機関で走行するものも近く市販される予定である。なお、後者の形態の自動車はプラグインハイブリッド自動車と呼ばれている。
【0003】
ところで、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車(以下では、これら2種類の自動車を合わせて「電気自動車」と呼ぶ。)が普及するためには、二次電池を充電するためのインフラを整備する必要がある。具体的には、自動車専用道路のサービスエリアや商業施設の駐車場、あるいは集合住宅の駐車場などの公共の場(パブリック・スペース)に不特定多数の人が利用可能な電源(コンセント)を多数設置しなければならない。ここで、屋外にコンセントを設置するものとして、下部が地中に埋設されたポール内にコンセントを配設し、住戸内(屋内)の住宅用分電盤から分岐された給電線を前記コンセントに接続してなるコンセント装置(電源ポールとも呼ばれる。)が従来より提供されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されている電源ポールは、円筒状のポールの上部に扉付きのケーシングが取り付けられ、2つのコンセントがケーシング内に収納されて構成されており、ケーシングの扉を開いた状態でケーシング内のコンセントに電源プラグが差込接続されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−223339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載されている電源ポールを電気自動車用充電スタンドに利用した場合、2台の電気自動車までなら1台の電気自動車用充電スタンド(電源ポール)で同時に充電することができるが、3台以上の電気自動車を同時に充電するためには複数台の電気自動車用充電スタンド(電源ポール)を設置するか、あるいはケーシング内に3個以上のコンセントを収納した別タイプの電気自動車用充電スタンド(電源ポール)を設置する必要がある。したがって、電気自動車の普及率増加に伴ってコンセントの個数を増やそうとしたとき、新たに電気自動車用充電スタンド(電源ポール)を設置しなければならない。
【0006】
そこで、複数の収納スペースを有したスタンド本体を設置し、コンセントを備えたコンセントユニットを当該スタンド本体の収納スペースに着脱自在に収納する構成を採用すれば、設置場所の事情に応じてコンセントの個数を簡単に増減することができる。
【0007】
しかしながら、上述したようにスタンド本体内にコンセントユニットを収納する構成とした場合、コンセントユニットとスタンド本体との間に生じる隙間に雨水が浸入することは避けられない。前記隙間に浸入した雨水が充電部(コンセントや漏電遮断器の端子部など)に達すると短絡などの不具合の生じる虞がある。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、雨水の浸入による不具合の発生を抑えることができる電気自動車用充電スタンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために第1の発明は、内部に1乃至複数の収納空所を有して電気自動車を駐車する地面に立設される筒状のスタンド本体と、前記収納空所内に着脱自在に収納される1乃至複数のコンセントユニットとを備え、前記コンセントユニットは、電気自動車を充電するための電源ケーブルのプラグが差込口に挿抜自在に差込接続されるコンセントと、前方に開放された開口窓に前記差込口を臨ませるようにして前記コンセントを保持するとともに前記収納空所内に収納される筐体とを具備し、雨水の浸入を妨げる複数の突起が前記コンセントユニットの天面に突設されたことを特徴とする。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、前記突起は、前方から後方に向かって高さ寸法が大きくなるように突設されていることを特徴とする。
【0011】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前後方向に並ぶ前記突起の間には排水用の溝が形成されていることを特徴とする。
【0012】
第4の発明は、第1〜第3の何れかの発明において、前記突起は、前後方向と交差する方向を長手方向とする帯状に形成されていることを特徴とする。
【0013】
第5の発明は、第4の発明において、前記突起は、前記長手方向の中央部から外側に向かって前方へ傾斜する傾斜面を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、雨水の浸入を妨げる複数の突起がコンセントユニットの天面に突設されているので、雨水の浸入による不具合の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態を示し、(a)は一部省略した前方から見た分解斜視図、(b)はコンセントユニットの斜視図である
【図2】同上の正面図である。
【図3】同上を示し、図2のX−X’線断面矢視図である。
【図4】同上を示し、図2のY−Y’線断面矢視図である。
【図5】同上の前方から見た外観斜視図である。
【図6】同上の右側面図である。
【図7】同上の背面図である。
【図8】同上の底面図である。
【図9】同上におけるコンセントユニットを示し、後方から見た斜視図である。
【図10】同上の一部省略した後方から見た分解斜視図である。
【図11】同上の背板を外した状態の一部省略した背面図である。
【図12】同上における突起の堰き止め効果を説明するための説明図である。
【図13】同上における突起の一部省略した側面図である。
【図14】同上における突起の他の構造を示し、(a)は一部省略した斜視図、(b)は一部省略した平面図である。
【図15】(a)〜(c)は同上における突起の別の構造を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0017】
本実施形態の電気自動車用充電スタンドは、図2並びに図3に示すように電気自動車を駐車する地面に立設されるスタンド本体1と、電気自動車を充電するための電源ケーブル(以下、充電ケーブルと呼ぶ。)100のプラグ110が差込口20aに挿抜自在に差込接続されるコンセント20とを備えている。
【0018】
スタンド本体1は、長尺の矩形板状に形成された3枚の金属板(左側板2,右側板3,背板4)を組み立てることで前面並びに天面、底面がそれぞれ開口した角筒状に形成され、扁平な箱形のカバー5によって天面の開口が閉塞されている。左側板2並びに右側板3の内側面には、矩形板状の金属板からなり左右方向(水平方向)の略中央部が上下方向(鉛直方向)に沿って階段状に折曲された取付板6が背板4と並行するようにして取着されている(図3及び図4参照)。すなわち、スタンド本体1の内部が取付板6によって前後に区分けされており、後述するコンセントユニット10が取付板6の前方の空間に収納され、後述する漏電遮断器200や給電用の電源ケーブル(図示せず)が取付板6の後方の空間に収納(配線)される。なお、取付板6にはコンセントユニット10や漏電遮断器200を取り付けるための複数のねじ孔6aが上下方向及び左右方向に沿って等間隔に貫設されている。
【0019】
また、スタンド本体1前面における最上部及び最下部には矩形板状の上パネル7A及び下パネル7Bが取り付けられている。そして、スタンド本体1内において上パネル7Aの下端から下パネル7Bの上端までの前方空間に、コンセントユニット10をそれぞれ収納するための4つの収納空所8が上下方向に並設されている。
【0020】
コンセントユニット10は、図1(b)に示すように前面に開口窓11aを有する箱形の筐体11と、筐体11内に保持されるコンセントブロック12と、開口窓11aを塞ぐ閉位置(図5参照)と開口窓11aを開放する開位置の間で水平方向に回動自在である扉13と、筐体11の上部に被せられた合成樹脂材料製のユニットカバー16とを具備している。筐体11は、図9に示すように背板11bの左右方向略中央部が上下方向(鉛直方向)に沿って階段状に折曲されており、開口窓11aから背板11bまでの奥行きが大きい側(左側)の隅にコンセントブロック12が配設されている。
【0021】
コンセントブロック12は、矩形箱状の器体20b前面に差込口20aが設けられたコンセント20と、コンセント20の前端部が嵌合する嵌合孔21aを有してコンセント20が後方から取り付けられる板状のコンセントパネル21とを具備している。コンセントパネル21は略六角形形状に形成されており、上端に対して下端が後方に位置するとともに左端に対して右端が後方に位置するように、筐体11内における左側の隅に取り付けられている。そして、筐体11の内壁面とコンセントパネル21に囲まれた空間にコンセント20が収納され、コンセントパネル21の嵌合孔21aを通してコンセント20の差込口20aが筐体11の内部空間に露出する。なお、コンセント20は従来周知のものであって、差込口20aから差し込まれるプラグ110の接触子(栓刃)を受ける刃受(図示せず)や刃受を外部の電線と接続するための端子(図示せず)が絶縁材料製の器体20bに収納されて構成されている。
【0022】
而して、上端に対して下端が後方に位置するとともに左端に対して右端が後方に位置するようにコンセントパネル21が筐体11内に取り付けられているので、コンセントパネル21に取り付けられたコンセント20は、差込口20aに対するプラグ110の挿抜方向が水平方向及び鉛直方向において開口窓11aと斜めに交差する、言い換えると差込口20aの向き(コンセント20前面の法線方向)が開口窓11aの向き(開口窓11aの開口面の法線方向)に対して右斜め下方向に傾くように配設されることになる(図2参照)。
【0023】
ここで、図9に示すように筐体11の背面には端子台22が取り付けられている。この端子台22は、一方の接続端子が背板11bを貫通する貫通孔(図示せず)を通してコンセント20の端子と接続される(実際には、後述するインターロック装置23を介して接続される)とともに、後述するように漏電遮断器200の2次側端子に接続された電線が他方の接続端子に接続される。つまり、コンセント20が筐体11の内壁面とコンセントパネル21に囲まれた空間に収納されるので、筐体11の外側に端子台22を取り付け、端子台22を介してコンセント20の端子と外部の電線を接続することで接続作業が容易になるものである。
【0024】
扉13は扁平な矩形箱状に形成されており、図1(b)に示すように上下一対のヒンジ部14によって左側端部が筐体11の前面側左端部に軸支されている。また、扉13の背面側にはロック装置15が取着されており、扉13の前面にロック装置15の鍵孔部15aが露出している(図2参照)。なお、扉13の下端部分が水平方向に切り欠かれており、扉13が閉位置にあるときに扉13の下端と筐体11の前面側下端との間から充電ケーブル100を引き出すための隙間(引出口)が空くようになっている(図2参照)。
【0025】
また、コンセントユニット10にはインターロック装置23が設けられており、このインターロック装置23によって、扉13が閉位置にないときはコンセント20への通電がオフされ、扉13が閉位置にあるときにだけコンセント20への通電がオンされるようになっている。このようなインターロック装置23は従来周知であって、水平方向に回動する扉13の背面に設けられているコ字形の駆動片13aによって押駆動されるアクチュエータ23aを有しており、扉13が閉位置にあるときにアクチュエータ23aが駆動片13aに押駆動されてコンセント20への給電路を閉成し、扉13が閉位置にないときはアクチュエータ23aが駆動片13aに押駆動されないことでコンセント20への給電路を開成している。
【0026】
上述のように構成されるコンセントユニット10は、前面側からスタンド本体1内の収納空所8内に収納され、取付板6に対して筐体11がねじ止めされることでスタンド本体1に固定される。上述したようにスタンド本体1内には同一寸法の4つの収納空所8が上下方向に並設されており、これら4つの収納空所8の何れにもコンセントユニット10を収納することができる。ここで、取付板6には各収納空所8毎に矩形の窓孔6bが貫設されており、コンセントユニット10が収納空所8内に収納された状態で、筐体11の背面に取り付けられている端子台22が窓孔6bに挿通されて取付板6の後方空間(配線空間9)に露出する(図10,図11参照)。ただし、本実施形態では4つの収納空所8の全てにコンセントユニット10を収納した場合を例示しているが、必ずしも4つの収納空所8全てにコンセントユニット10を収納する必要は無く、少なくとも1つのコンセントユニット10を何れか1つの収納空所8に収納していればよい。
【0027】
漏電遮断器200は、図3及び図11に示すように取付板6の前方に突出している側(図11では左側)の背面に取り付けられて配線空間9に配置されている。この配線空間9には商用交流電源から交流電力を供給するための電力ケーブル(図示せず)がスタンド本体1底面のケーブル入線口1aより入線されて立ち上げ配線される(図8参照)。そして、配線空間9に配線された電力ケーブルが漏電遮断器200の1次側に接続されるとともに、漏電遮断器200の2次側が図示しない電線により端子台22の一方の接続端子に接続され、端子台22の他方の接続端子からインターロック装置23を介してコンセント20の端子と接続される。なお、上述した配線作業はスタンド本体1の背板4を外すだけで容易に行うことができる。
【0028】
次に、本実施形態の電気自動車用充電スタンドの使用手順について説明する。まず、扉13を開き、充電ケーブル100のプラグ110の接触子を差込口20aに差し込むことでコンセント20にプラグ110を差込接続する。このとき、差込口20aの向きが開口窓11aの向きに対して右斜め下方向に傾くように配設されているので、筐体11内においてプラグ110の挿抜に必要なスペース(空間)が十分に確保できてプラグ110の差込作業が容易に行える。さらに、雨天時においても開口窓11aを通して筐体11内に降り込む雨水が差込口20aにかかり難くい。ここで、コンセントユニット10を筐体11内で右側に寄せて配置し、差込口20aの向きが開口窓11aの向きに対して左斜め下方向に傾くようにコンセント20を配設しても同様の効果を奏する。ただし、本実施形態のように差込口20aが筐体11内の左側の位置から右斜め下方向に傾くようにコンセント20を配設する方が、一般的に多いと考えられる右利きの人にはプラグ110を差し込みやすくなるという利点がある。
【0029】
プラグ110をコンセント20に差込接続した後に扉13を閉め、図示しない鍵を用いてロック装置15を施錠する。ここで、特許文献1に記載されている電源ポールのように、コンセントが収められているケーシングの開口に対してコンセントの差込口が水平方向においてほぼ正対している場合、コンセントにプラグを差込接続した電源ケーブルの引き出し位置とコンセントの差込口の位置とが水平方向においてほぼ同じ位置となる。そのため、複数のコンセントを鉛直方向で並設したときに、垂れ下がった電源ケーブルと下段のコンセントの差込口とが前方から見て重なってしまうため、下段のコンセントに別の電源ケーブルのプラグを差込接続する作業が困難になるという問題がある。これに対して本実施形態では、差込口20aの向きが開口窓11aの向きに対して右斜め下方向に傾くように各コンセント20がスタンド本体1内(コンセントユニット10内)に配設されているので、上段のコンセント20にプラグ110が差込接続されて開口窓11aから垂れ下がった充電ケーブル100と下段のコンセント20の差込口20aとが前方から見て重ならなず、下段のコンセント20に別の充電ケーブル100のプラグ110を差込接続する作業が容易になるものである。
【0030】
さらに、図2に示すようにスタンド本体1の外周面(本実施形態では右側面)に複数(3つ)のケーブル保持具(保持体)40が取り付けられている。ケーブル保持具40は、図4及び図5に示すように帯板状の金属板を断面形状が略コ字形の樋状に曲げ加工してなり、長手方向を上下方向に合わせるとともに溝が後方を向くようにしてスタンド本体1の右側板3における上から2〜4段目の収納空所8の近傍にねじ止めされている。
【0031】
而して、開口窓11a(引出口)を通してスタンド本体1の外(前方)に引き出された充電ケーブル100を溝に嵌め込むことでケーブル保持具40に保持させれば、上段のコンセント20にプラグ110が接続された充電ケーブル100が邪魔にならずに下段のコンセントユニット10の扉13を開閉することができる。また、充電ケーブル100が不用意に引っ張られた場合においてもケーブル保持具40が充電ケーブル100を保持していることでプラグ110にかかる張力を緩和し、コンセント20の差込口20aからプラグ110が抜けてしまうことを防止できる。ここで、3つのケーブル保持具40が上下方向に沿ってスタンド本体1の前後にずれた位置に配置されているため、ケーブル保持具40に保持された複数の充電ケーブル100が互いに邪魔にならないものである。さらに、本実施形態では、相対的に下方にあるケーブル保持具40が、相対的に上方にあるケーブル保持具40よりもスタンド本体1の前寄りの位置に配置されているため、相対的に下方にあるケーブル保持具40が、相対的に上方にあるケーブル保持具40に保持された充電ケーブル100よりもスタンド本体1の前寄りに位置することとなるので(図6参照)、相対的に下方にあるケーブル保持具40に充電ケーブル100を保持させる際、相対的に上方にあるケーブル保持具40に保持された充電ケーブル100が邪魔にならないという利点がある。
【0032】
一方、電気自動車の充電が終了すれば、ロック装置15を解錠して扉13を開き、プラグ110をコンセント20の差込口20aから引き抜く。ここで、扉13が開いているときはインターロック装置23によってコンセント20への通電がオフされているため、プラグ110をコンセント20の差込口20aに抜き差しする際の感電事故を防ぐことができる。
【0033】
ところで、スタンド本体1内において上下方向に隣り合うコンセントユニット10の間、並びに最上段のコンセントユニット10と上パネル7Aとの間にそれぞれ隙間が生じているため、この隙間を通してスタンド本体1の収納空所8に雨水の浸入する虞がある。そして、収納空所8に浸入した雨水がコンセントユニット10の天面上を後方に向かって流れてコンセントユニット10の後端部まで達した場合、筐体11の背面に取り付けられている端子台22に雨水がかかって短絡などの不具合が生じてしまう虞がある。
【0034】
そこで本実施形態では、前記隙間から浸入した雨水がコンセントユニット10の後端部に達することを防ぐため、コンセントユニット10の天面(ユニットカバー16の天面)に複数の突起17を突設している(図1(b)並びに図9参照)。これらの突起17は、前後方向と交差する方向(左右方向)を長手方向とする帯状、具体的には側面の一つがユニットカバー16の天面と接する三角柱状に形成されるとともに、当該天面におけるユニットカバー16の前端よりもやや後方の位置から後端部にかけて、前後方向に並べて設けられている。なお、このような構造の突起17は、樹脂成型によってユニットカバー16と一体に形成することができる。
【0035】
而して、ユニットカバー16の天面に突設されている突起17で雨水を堰き止めることにより、雨水がコンセントユニット10の後端部に達することを防いで不具合の発生を抑えることができる。また、雨水の堰き止め効果を高めるためには、突起17の前面とユニットカバー16の天面との為す角度は、直角又は鈍角とすることが望ましい。ここで、コンセントユニット10の左右両側面には端子台22のような電気部品がなく、スタンド本体1の左右両側板2,3とコンセントユニット10の左右両側面との間に浸入した雨水によって何らかの不具合が生じる可能性は極めて低い。故に、本実施形態においては、前後方向に並ぶ突起17の間に排水用の溝17aを形成し、前方の突起17を乗り越えた雨水を溝17aを通してコンセントユニット10の左右両側へ排水している(図12の矢印参照)。このように浸入した雨水を効率的に排水することで不具合の発生がさらに抑制できるものである。また、図13に示すように前方から後方に向かって突起17の高さ寸法を大きくすれば、雨水の堰き止め効果がさらに向上する。
【0036】
また、図14(a)(b)に示すように長手方向(左右方向)の中央部から外側に向かって前方へ傾斜する傾斜面17bを突起17に設けてもよい。このような傾斜面17bを突起17に設けることにより、突起17を乗り越えた雨水をコンセントユニット10の左右両側へ効率よく排水することができる。
【0037】
なお、突起17の形状は上述した三角柱状に限定されるものではない。例えば、図15(a)に示すような四角柱状や、同図(b)に示すような4分の1円柱状、あるいは、同図(c)に示すような半球状であっても構わない。
【符号の説明】
【0038】
1 スタンド本体
10 コンセントユニット
11 筐体
11a 開口窓
16 ユニットカバー
17 突起
20 コンセント
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に1乃至複数の収納空所を有して電気自動車を駐車する地面に立設される筒状のスタンド本体と、前記収納空所内に着脱自在に収納される1乃至複数のコンセントユニットとを備え、前記コンセントユニットは、電気自動車を充電するための電源ケーブルのプラグが差込口に挿抜自在に差込接続されるコンセントと、前方に開放された開口窓に前記差込口を臨ませるようにして前記コンセントを保持するとともに前記収納空所内に収納される筐体とを具備し、雨水の浸入を妨げる複数の突起が前記コンセントユニットの天面に突設されたことを特徴とする電気自動車用充電スタンド。
【請求項2】
前記突起は、前方から後方に向かって高さ寸法が大きくなるように突設されていることを特徴とする請求項1記載の電気自動車用充電スタンド。
【請求項3】
前後方向に並ぶ前記突起の間には排水用の溝が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電気自動車用充電スタンド。
【請求項4】
前記突起は、前後方向と交差する方向を長手方向とする帯状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電気自動車用充電スタンド。
【請求項5】
前記突起は、前記長手方向の中央部から外側に向かって前方へ傾斜する傾斜面を有することを特徴とする請求項4記載の電気自動車用充電スタンド。
【請求項1】
内部に1乃至複数の収納空所を有して電気自動車を駐車する地面に立設される筒状のスタンド本体と、前記収納空所内に着脱自在に収納される1乃至複数のコンセントユニットとを備え、前記コンセントユニットは、電気自動車を充電するための電源ケーブルのプラグが差込口に挿抜自在に差込接続されるコンセントと、前方に開放された開口窓に前記差込口を臨ませるようにして前記コンセントを保持するとともに前記収納空所内に収納される筐体とを具備し、雨水の浸入を妨げる複数の突起が前記コンセントユニットの天面に突設されたことを特徴とする電気自動車用充電スタンド。
【請求項2】
前記突起は、前方から後方に向かって高さ寸法が大きくなるように突設されていることを特徴とする請求項1記載の電気自動車用充電スタンド。
【請求項3】
前後方向に並ぶ前記突起の間には排水用の溝が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電気自動車用充電スタンド。
【請求項4】
前記突起は、前後方向と交差する方向を長手方向とする帯状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電気自動車用充電スタンド。
【請求項5】
前記突起は、前記長手方向の中央部から外側に向かって前方へ傾斜する傾斜面を有することを特徴とする請求項4記載の電気自動車用充電スタンド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−181456(P2011−181456A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−46838(P2010−46838)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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