説明

電気自動車用充電装置

【課題】冠水時の漏電発生を抑制する。
【解決手段】スタンド本体1の冠水を検出する冠水センサ6と、冠水センサ6が冠水を検出したときにリモコンブレーカ200を遠隔制御してコンセント2への通電をオフする制御部7とが設けられている。大雨などの影響でスタンド本体1が冠水した場合、冠水センサ6で冠水が検出されると制御部7がリモコンブレーカ200を遠隔制御してコンセント20への通電をオフする。その結果、冠水時の漏電発生を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車に搭載される蓄電池を充電するための電気自動車用充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、100ボルト又は200ボルトの商用交流電源から充電ケーブルを介して蓄電池が充電される電気自動車(プラグインハイブリッド自動車を含む。以下同じ。)が提供され始めている。そして、電気自動車の提供に併せて、一般の駐車場や住戸の車庫(駐車スペース)などに設置される電気自動車用充電装置も提供されている。例えば、特許文献1には、地面に立設される装置本体にパーキングメータと給電装置を一体に内蔵したものが開示されている。ここで、特許文献1記載の従来例では、地震による漏電事故に備えて、振動が検出されたときに自動的に給電装置の給電を停止する機構が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-28303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、漏電は地震だけでなく、装置本体が冠水した場合にも起こり得る。しかしながら、特許文献1記載の従来例では、冠水時の漏電防止については何等考慮されていなかった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、冠水時の漏電発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電気自動車用充電装置は、装置本体と、当該装置本体内に収納されるコンセントと、前記装置本体の冠水を検出する検出手段と、当該検出手段が冠水を検出したときに前記コンセントへの給電を停止する給電制御手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
この電気自動車用充電装置において、前記給電制御手段は、外部の電源から前記コンセントへの給電路に挿入されるリモコンブレーカと、当該リモコンブレーカを遠隔制御する制御部とを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の電気自動車用充電装置は、冠水時の漏電発生を抑制することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態を示す回路ブロック図である。
【図2】同上を示し、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は背面図である。
【図3】同上におけるコンセントユニットを示し、扉が開いた状態の正面図である。
【図4】同上におけるコンセントユニットを示し、扉が開いた状態の斜視図である。
【図5】同上の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、地面に固定設置されるスタンド本体内にコンセントが収納される充電スタンドに本発明の技術思想を適用した実施形態について説明する。但し、本発明の技術思想は充電スタンド以外の電気自動車用充電装置にも適用可能であることは言うまでもない。
【0011】
本実施形態の電気自動車用充電装置(充電スタンド)は、図2〜図4に示すように電気自動車を駐車する地面に立設(固定設置)される装置本体(スタンド本体)1と、電気自動車を充電するための充電ケーブル100のプラグ110が差込口20Aに挿抜自在に差込接続されるコンセント20とを備えている。
【0012】
スタンド本体1は、長尺の矩形板状に形成された3枚の金属板(左側板2,右側板3,背板4)を組み立てることで前面並びに天面、底面がそれぞれ開口した角筒状に形成され、扁平な箱形のカバー5によって天面の開口が閉塞されている。左側板2並びに右側板3の内側面には背板4と並行するようにして取付板(図示せず)が取着されている。すなわち、スタンド本体1の内部が取付板によって前後に区分けされており、後述するコンセントユニット10が取付板の前方の空間に収納され、後述する漏電遮断器(リモコンブレーカ)200や給電用の電源ケーブル(図示せず)が取付板の後方の空間に収納(配線)される。なお、コンセントユニット10及びリモコンブレーカ200は取付板にねじ止めによって取り付けられる。
【0013】
また、スタンド本体1前面における最上部及び最下部には矩形板状の上パネル7A及び下パネル7Bが取り付けられている。そして、スタンド本体1内において上パネル7Aの下端から下パネル7Bの上端までの前方空間に、コンセントユニット10をそれぞれ収納するための4つの収納空所が上下方向に並設されている。
【0014】
コンセントユニット10は、図3及び図4に示すように筐体11、コンセントブロック12、扉13、天井カバー14などを具備している。筐体11は、金属板により前面に開口窓11Aを有する箱形に形成されている。天井カバー14は下面が開口する箱形に形成され、筐体114の天面(上面)を覆うように筐体11に取り付けられる。扉13は扁平な矩形箱状に形成されており、開口窓11Aを塞ぐ閉位置と開口窓11Aを開放する開位置との間で水平方向(前後方向)に回動自在となるように、ヒンジ部13Aによって左側端部が筐体11の前面側左端部に軸支されている。また、扉13にはロック装置15が取着されており、閉位置にあるときにロック装置15によって扉13がロックされる。なお、扉13の下端部における左右方向の中央部には、充電ケーブル100が引き出される切り欠き(引出口)13Bが形成されている。
【0015】
コンセントブロック12は、前面に差込口20Aが設けられたコンセント20と、コンセント20を保持し且つコンセント20の前面を覆うコンセントプレート12Aと、コンセントプレート12Aの中央に開口するプラグ挿入口12Bを開閉自在に塞ぐコンセントカバー12Cとを有する。コンセントプレート12Aは、プラグ挿入口12Bが開口する中央部分が前方へ突出し、当該中央部の左右両端部にそれぞれねじ挿通孔12Dが形成されている。コンセントカバー12Cは略半円板状に形成され、直線部分においてコンセントプレート12Aの中央部分に回動自在に軸支される。つまり、コンセントカバー12Cは、コンセントプレート12Aのプラグ挿入口12Bを覆う閉位置と、プラグ挿入口12Bを開放する開位置との間で回動し、さらに図示しないねじりコイルばねのばね力によって開位置から閉位置に向かう向きに弾性付勢されている。但し、コンセントカバー12Cにはロック爪12Fが設けられており、閉位置においては、ロック爪12Fがコンセントプレート12Aに係合することでコンセントカバー12Cの回動が規制される。なお、コンセントプレート12Aの内側面には、充電ケーブル100の先端に設けられているプラグ110の被係合部(図示しない)と係合する係合部12Eが設けられており、コンセント20の差込口121に差込接続されたプラグ110が、係合部12Eと被係合部との係合によって抜け止めされる。
【0016】
コンセントブロック12は、筐体11内部における上部後方に配設されている取付板11Bに対して、左右両端部のねじ挿通孔12Dに挿通されるねじによってねじ止めされる。ここで、取付板11Bは、後方に向かって徐々に下方へ下がるように傾いて配設されている。そのため、コンセント20の差込口20Aも水平面(前後左右を含む平面)に対して下向きに傾いて配置されている。
【0017】
また、コンセントユニット10には、図1に示すようにインターロック装置16が設けられている。インターロック装置16は、扉13が閉位置にあるときに扉13の後面から後方へ突出する駆動片13Cによってオンとされ、扉13が閉位置にないときはオフされ、オンされている間だけコンセント20への給電路を閉成するものである。
【0018】
上述のように構成されるコンセントユニット10は、前面側からスタンド本体1内の収納空所内に収納され、取付板に対して筐体11がねじ止めされることでスタンド本体1に固定される。上述したようにスタンド本体1内には同一寸法の4つの収納空所が上下方向に並設されており、これら4つの収納空所の何れにもコンセントユニット10を収納することができる。但し、コンセントユニット10が収納されない収納空所の前面は平板状のカバー7Cで閉塞される。
【0019】
ところで、本実施形態の充電スタンドには、スタンド本体1の冠水を検出する冠水センサ6と、冠水センサ6が冠水を検出したときにリモコンブレーカ200を遠隔制御してコンセント2への通電をオフする制御部7とが設けられている。
【0020】
冠水センサ6は、図5に示すように円筒形のセンサハウジング60の先端(下端)にセンシング部61が設けられ、冠水した水300がセンシング部61に接触したときに出力線62を介して制御部7に検出信号を出力する。但し、冠水センサ6は接触式のものに限定されず、例えば、超音波や赤外線を利用して水面までの距離を測る非接触式のものであっても構わない。
【0021】
制御部7は、冠水センサ6から出力線62を介して検出信号を出力されると、信号線70を介して制御信号を出力する。信号線70はリモコンブレーカ200のリモコン端子に接続されており、リモコン端子に制御信号が入力されるとリモコンブレーカ200が開極してコンセント2への通電がオフされる。ここで、冠水センサ6が冠水を検出する水位は、漏電や故障などの不具合が生じる虞のある水位よりも若干低い水位であることが望ましい。したがって、冠水センサ6は、スタンド本体1の収納空所内に収納されるコンセントユニット10のうちで最も下に配置されるコンセントユニット10の下側に設置されることが好ましい。
【0022】
而して、大雨などの影響でスタンド本体1が冠水した場合、冠水センサ6で冠水が検出されると制御部7がリモコンブレーカ200を遠隔制御してコンセント20への通電をオフするので、冠水時の漏電発生を抑制することができる。
【符号の説明】
【0023】
1 スタンド本体(装置本体)
6 冠水センサ(検出手段)
7 制御部(給電制御手段)
20 コンセント
200 リモコンブレーカ(給電制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定設置される装置本体と、当該装置本体内に収納されるコンセントと、前記装置本体の冠水を検出する検出手段と、当該検出手段が冠水を検出したときに前記コンセントへの給電を停止する給電制御手段とを備えることを特徴とする電気自動車用充電装置。
【請求項2】
前記給電制御手段は、外部の電源から前記コンセントへの給電路に挿入されるリモコンブレーカと、当該リモコンブレーカを遠隔制御する制御部とを有することを特徴とする請求項1記載の電気自動車用充電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−100418(P2012−100418A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245398(P2010−245398)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】