説明

電気配線を備えた電子機器

【課題】止水部材上に配置される導電ケーブルの間隔を均一にすることで、確実に防水状態にする。
【解決手段】外部から、電気回路基板などの電気部品が備わる空間17へ通じる孔部14aの周囲に、第1の止水部材12及び第2の止水部材16を配置したことにより、外部から進入する液体や粉塵などが空間17へ進入することを防止することができる。したがって、空間17に配されている電気部品等が電気的にショートするなどして破損してしまうことを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の開示は、電気配線を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノートパソコンなどのモバイル機器は、屋外で使用することを想定し、防水、防滴、防塵性能を高めた商品が登場してきている。モバイル機器の中でも、ノートパソコンや折りたたみ型携帯電話器などのように複数の筐体を備えたモバイル機器は、複数の筐体それぞれに内蔵された電気部品同士を電気的に接続する必要がある。例えば、ノートパソコンの場合は、一方の筐体に内蔵された液晶ディスプレイと、他方の筐体に内蔵された電気回路基板とを電気的に接続する必要がある。このような電気部品同士の電気的接続には、導線やフラット導電ケーブルなどを用いることが多い。このように導電等で電気部品同士を接続する場合、複数の筐体のそれぞれに導線を引き出すための孔部を設けないといけないため、防水性能等が低下する。
【0003】
特開2004−319267号は、フラット電線を面方向に連設する絶縁被覆部を、圧切刃が貫通することでフラット電線を固定し、フラット電線の上下から防水部材を圧着する構成を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−319267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特開2004−319267号に開示されているように、防水部材の上にフラット電線を配置する構成では、フラット電線を構成する複数の電線の間隔が不均一となる場合が多く、電線の間隔が狭い部分において防水部材が確実に電線間に配置されず、防水が不十分である。このような構成では、導電ケーブルの間隔が極端に狭い部分において、防水クッションが確実に導電ケーブル間に配置されず、防水が不十分となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する電子機器は、電気部品と、前記電気部品に電気的に接続されている導電ケーブルと、前記導電ケーブルを保持可能な一対の保持部を備えたケーブル保持部材とを備えている。
【発明の効果】
【0007】
本願の開示によれば、複数の導電ケーブルが配されている部分における防水性を向上することができる。
【0008】
また、本願の開示によれば、所定の位置に配置されたケーブルホルダーにより中継ケーブルの余剰部分を保持することにより、余剰部分が一定の位置に位置決めされる。それにより、電子機能モジュールと内部電子要素間の選択の変更により、接続長さが変化した場合であっても、余剰部分が固定される位置が一定となる。それにより、例えば、アンテナ等の内部電子要素の接続端子と通信モジュール等の電子機能モジュール間でのノイズ特性が安定する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1におけるノートパソコンの斜視図
【図2】第1の筐体の平面図
【図3】止水部の平面図
【図4】図3におけるY1−Y1部の断面図
【図5】図3におけるY2−Y2部の断面図
【図6】図3におけるZ−Z部の断面図
【図7】実施の形態2における電子機器の一例であるノートパソコンの非使用状態を示す斜視図
【図8】ノートパソコンの使用状態を示す斜視図
【図9】ノートパソコンを図7の状態の裏面から見た斜視図
【図10】ノートパソコンの図9に示した状態における内部構造の概要を示す平面図
【図11】ノートパソコンの図10における通信モジュールに対する配線部分を拡大して示す平面図
【図12】図11に示した配線処理用のケーブルホルダーを示す斜視図
【図13】図11に示した配線部分の処理の他の態様を示す平面図
【図14】特開2004−319267号が開示している構成の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態1)
〔1.電子機器の構成〕
図1は、実施の形態1にかかる電子機器の一例であるノートパソコンの外観を示す斜視図である。なお、本実施の形態では、電子機器の一例としてノートパソコンを挙げたが、少なくとも複数の筐体を備え、各々の筐体に内蔵されている電気部品同士を電気的に接続可能な構成を備えた機器であればよい。また、図1に示すノートパソコンは、ユーザーが手で把持可能なハンドルを備えているが、このハンドルは省略可能である。
【0011】
図1に示すように、ノートパソコンは、第1の筐体1と第2の筐体2とを備えている。第1の筐体1は、各種電気素子が実装された回路基板やハードディスクドライブなどを内蔵している。第2の筐体2は、ディスプレイパネル4を備えている。ディスプレイパネル4は、例えば液晶ディスプレイである。第1の筐体1と第2の筐体2とは、ヒンジ部3によって互いに回転自在に支持されている。ヒンジ部3は、第1の筐体1と第2の筐体2とを矢印AまたはBに示す方向へ回転自在に支持する開閉軸を備えている。第1の筐体1の上面1aには、キーボード5とポインティングデバイス6とが配されている。第2の筐体2は、第1の通信部21と第2の通信部22とを備えている。
【0012】
第1の通信部21及び第2の通信部22は、電磁波を外部へ送信可能であるとともに、外部から送信される電磁波を受信可能である。第1の通信部21は、例えば無線LAN(Local Area Network)に対応したアンテナ、送信回路、および受信回路を備えている。第2の通信部22は、例えばWAN(Wide Area Network)に対応したアンテナ、送信回路、および受信回路を備えている。第1の通信部21は、第1の導電ケーブル13aの一端が電気的に接続されている。第1の導電ケーブル13aは、第2の筐体2内、ヒンジ部3内、第1の筐体1内に配されている。第1の導電ケーブル13aの他端は、第1の筐体1に内蔵されている電気回路基板(不図示)に電気的に接続されている。第2の通信部22は、第3の導電ケーブル13cの一端が電気的に接続されている。第3の導電ケーブル13cは、第2の筐体2内、ヒンジ部3内、第1の筐体1内に配されている。第3の導電ケーブル13cの他端は、第1の筐体1に内蔵されている電気回路基板(不図示)に電気的に接続されている。なお、図1に示す第1の通信部21及び第2の通信部22の、送信及び受信可能な電磁波の種類、および配置箇所は、一例である。また、図1において、第1の導電ケーブル13a及び第3の導電ケーブル13cは、簡略描画している。
【0013】
図2は、第1の筐体1の上面1aの平面図である。図2に示すように、第1の導電ケーブル13a及び第3の導電ケーブル13cは、第1の筐体1内における止水エリアWを介して電気回路基板(不図示)に接続されている。止水エリアWには、止水部が備わる。なお、図2は、第1の導電ケーブル13a及び第3の導電ケーブル13cのみ図示しているが、実際は他の導電ケーブルも備わる。
【0014】
第1の筐体1は、その内部空間が主に2つの空間に分離されている。第1の筐体1の一方の空間には、電気回路基板などの導電性を有する部品が配されている。また、第1の筐体1は、ヒンジ部3の近傍に、第1の導電ケーブル13a等を第1の筐体1から引き出すための孔部1bと、第3の導電ケーブル13c等を第1の筐体1から引き出すための孔部1cとを有する。したがって、この孔部1b及び1cを介して、第1の筐体1内に液体や粉塵などが進入することがある。この孔部1b及び1cと、第1の筐体1内の2つの空間のうち他方の空間とが、空間的につながっている。第1の筐体1の他方の空間と一方の空間とは、止水エリアW(止水部)を挟んで空間的につながっている。したがって、第1の筐体1における孔部1b及び1cを介して第1の筐体1内に進入した液体等は、他方の空間には入るが、止水部があるため一方の空間には入らない。
【0015】
〔2.止水エリアWの止水構造〕
図3は、第1の筐体1に備わる止水エリアW(止水部)の平面図である。図4は、図3におけるY1−Y1部の断面図である。図5は、図3におけるY2−Y2部の断面図である。図6は、図3におけるZ−Z部の断面図である。
【0016】
止水エリアWには、ケーブルホルダー11、第1の止水部材12、蓋体15、および第2の止水部材16が備わる。第1の止水部材12は、図4等に示すように、フレーム14に防水性を有する接着剤等で密着固定されている。フレーム14は、第1の筐体1に一体的に設けられている。フレーム14は、第1の筐体1の内部における第1空間17と第2空間18との間に配置されている。第1空間17には、電気回路基板等が配されている。第2空間18は、外部空間に連通している。
【0017】
ケーブルホルダー11は、導電ケーブル13a〜13eを保持することができる。ケーブルホルダー11は、フレーム14の主面に、防水性を有する接着剤等で固定されている。なお、ケーブルホルダー11は、フレーム14に一体的に設けられている構成としてもよく、その方が防水性を向上できるため好ましい。ケーブルホルダー11は、フレーム14に形成されている孔部14aと略一致する位置に孔部11hを備えている。ケーブルホルダー11は、可撓性を有する材料で形成されていることが好ましい。ケーブルホルダー11は、例えば軟質樹脂、弾性変形する軟質樹脂で形成することが好ましい。弾性変形する軟質樹脂としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ニトリルゴム、シリコーンゴム等を用いることができる。ケーブルホルダー11は、第1のホルダー部11a、第2のホルダー部11b、第3のホルダー部11c、および第4のホルダー部11dを備えている。
【0018】
第1のホルダー部11aと第2のホルダー部11bとは、第1の止水部材12の一部を配置可能な間隙を挟んで対向している。第3のホルダー部11cと第4のホルダー部11dとは、第1の止水部材12の一部を配置可能な間隙を挟んで対向している。第2のホルダー部11bと第3のホルダー部11cとは、孔部11hを挟んで対向している。ホルダー部11a〜11dは、それぞれ導電ケーブルを保持するためのスリット状の保持部を備えているが、図示を明瞭にするために第1のホルダー部11a及び第2のホルダー部11bに備わる保持部のみに符号を付与した。第1のホルダー部11aは、保持部11e、11f、および11gを備えている。第2のホルダー部11bは、保持部11k、11m、および11nを備えている。保持部11eと保持部11kとは、互いに対向する位置に設けられている。保持部11fと保持部11mとは、互いに対向する位置に設けられている。保持部11gと保持部11nとは、互いに対向する位置に設けられている。保持部11eと保持部11fとのピッチと、保持部11kと保持部11mとのピッチは、いずれも同じ寸法P11である。保持部11fと保持部11gとのピッチと、保持部11mと保持部11nとのピッチは、同じ寸法である。なお、第3のホルダー部11cと第4のホルダー部11dは、保持部11e〜11nと同様の保持部を備えている。また、第3のホルダー部11cと第4のホルダー部11dは、それぞれに備わる保持部の寸法関係が、保持部11e〜11nの寸法関係と同様である。
【0019】
第1の止水部材12は、直方体形状である。第1の止水部材12は、図3に示すように孔部12dが貫通形成されている。孔部12dの内径は、少なくとも導電ケーブル13a〜13eの外径の和よりも大きい。第1の止水部材12は、弾性を有するとともに、防水性を確保できる材料で形成されている。第1の止水部材12は、例えばシリコーン発泡体で形成することができる。第1の止水部材12は、フレーム14に接着テープなどで接着されている構成とすることができるが、少なくとも第1の止水部材12とフレーム14との間から液体が進入するのを防ぐために防水性がある接着手段により接着することが好ましい。第1の止水部材12は、所定の間隙P11を隔ててスリット12a、12b、および12cが形成されている(図4参照)。なお、符号付与は省略しているが、第1の止水部材12における第3のホルダー部11cと第4のホルダー部11dとの間に位置する部分における導電ケーブル13c〜13eが配される位置にもスリットが形成されている。第1の止水部材12は弾性を有するため、スリット12a〜12c等に第1の止水部材12を弾性変形させながら導電ケーブル13a〜13eを圧入することができる。スリット12aは、保持部11eと保持部11kとを結ぶ線分上に形成されている。スリット12bは、保持部11fと保持部11mとを結ぶ線分上に形成されている。スリット12cは、保持部11gと保持部11nとを結ぶ線分上に形成されている。
【0020】
蓋体15は、図6に示すようにケーブルホルダー11の上方を閉塞することができる。
【0021】
第2の止水部材16は、ケーブルホルダー11と蓋体15との間、及び第1の止水部材12と蓋体15との間に挟持されている。第2の止水部材16は、少なくとも第1の止水部材12における孔部12dの周囲に位置する部分に当接するように設けられていればよい。第2の止水部材16は、弾性を有するとともに、防水性を確保できる材料で形成されている。第2の止水部材16は、例えばシリコーン発泡体で形成することができる。第2の止水部材16は、蓋体15に接着テープなどで接着されている構成とすることにより、蓋体15に対して位置ずれが生じにくくなるため好ましい。
【0022】
なお、第1の導電ケーブル13aは、図1に示すように一端が第1の通信部21に接続され、他端が第1の筐体1内の第1空間17に配されている電気回路基板(不図示)に接続されている。第3の導電ケーブル13cは、図1に示すように一端が第2の通信部22に接続され、他端が第1の筐体1内の第1空間17に配されている電気回路基板(不図示)に接続されている。図示は省略するが、第2の導電ケーブル13b、第4の導電ケーブル13d,および第5の導電ケーブル13eについても、他端が通信部などの電気部品に接続され、他端が第1の筐体1内の第1空間17に配されている電気回路基板(不図示)に接続されている。導電ケーブル13a〜13eは、第2空間18、孔部14a、および第1空間17を通るように配線されている。
【0023】
本実施の形態の止水部に導電ケーブルを保持する場合は、まず、図3及び図5に示すように、第1の導電ケーブル13aを保持部11eと保持部11kとに保持させ、第2の導電ケーブル13bを保持部11fと保持部11mとに保持させる。ここで、第1のホルダー部11aと第2のホルダー部11bとの間隔P1は、第1の導電ケーブル13aにおける保持部11eと保持部11kとに保持された部分の間の部分、および第2の導電ケーブル13bにおける保持部11fと保持部11mとに保持された部分の間の部分が弛みにくい寸法としている。
【0024】
次に、図4に示すように、第1の導電ケーブル13aにおける保持部11eと保持部11kとに保持された部分の間の部分を、第1の止水部材12のスリット12aに埋没させる。また、第2の導電ケーブル13bにおける保持部11fと保持部11mとに保持された部分の間の部分を、第1の止水部材12のスリット12bに埋没させる。
【0025】
保持部11e、スリット12a、および保持部11kは同一線上に配されているため、第1の導電ケーブル13aは、保持部11eと保持部11kとの間に直線的に懸架される。また、保持部11f、スリット12b、および保持部11mは同一線上に配されているため、第2の導電ケーブル13bは、保持部11fと保持部11mとの間に直線的に懸架される。
【0026】
また、保持部11eと保持部11fとのピッチと保持部11kと保持部11mとのピッチはいずれも寸法P11であるため、第1の導電ケーブル13a及び第2の導電ケーブル13bは、寸法P11の間隙を挟んで互いに平行となるように第1のホルダー部11a及び第2のホルダー部11bに保持される。
【0027】
また、第1のホルダー部11a及び第2のホルダー部11bに第1の導電ケーブル13aと第2の導電ケーブル13bとを保持させ、第1の導電ケーブル13a及び第2の導電ケーブル13bを第1の止水部材12に埋没させることによって、第1の導電ケーブル13aと第2の導電ケーブル13bとの間に第1の止水部材12を配置させることができる。
【0028】
なお、詳しい説明は省略するが、第3の導電ケーブル13c、第4の導電ケーブル13d、および第5の導電ケーブル13eについても、上記と同様の手順により第3のホルダー部11c部及び第4のホルダー部11dとに保持させることができる。
【0029】
次に、図6に示すように、ケーブルホルダー11及び第1の止水部材12の上に第2の止水部材16を載置する。このとき、第2の止水部材16を、少なくとも第1の止水部材12における孔部12dの周囲に当接するように載置する。
【0030】
次に、第2の止水部材16の上に蓋体15を載置し、蓋体15をケーブルホルダー11に固定する。蓋体15をケーブルホルダー11に固定する方法は、ネジ止めでもよいし、爪係合であってもよい。また、蓋体15をケーブルホルダー11に固定する際、蓋体15とケーブルホルダー11とで第1の止水部材12及び/または第2の止水部材16をプレスすることで、止水の確実性が向上する。
【0031】
以上により、第1の止水部材12と第2の止水部材16とが当接している部分において止水を行うことができ、外部から第2空間18を介して進入する液体や粉塵などが、孔部14aを介して電気回路基板などが配されている第1空間17へ入り込むことを防ぐことができる。
【0032】
〔3.実施の形態の効果、他〕
本実施の形態によれば、外部から第1空間17へ通じる孔部14aの周囲に第1の止水部材12を配置し、第1の止水部材12の孔部12dを第2の止水部材16で閉塞したことにより、外部から進入する液体や粉塵などが第1空間17へ進入することを防止することができる。したがって、第1空間17に配されている電気部品等が電気的にショートするなどして破損してしまうことを防止することができる。
【0033】
また、本実施の形態によれば、第1のホルダー部11a及び第2のホルダー部11bに懸架される複数の導電ケーブルを互いに平行となるように懸架することができるので、第1のホルダー部11a及び第2のホルダー部11bの間に位置する複数の導電ケーブルの間隔は均一となる。また、第3のホルダー部11c及び第4のホルダー部11dに懸架される複数の導電ケーブルを互いに平行となるように懸架することができるので、第3のホルダー部11c及び第4のホルダー部11dの間に位置する複数の導電ケーブルの間隔は均一となる。したがって、第1の止水部材12を確実に複数の導電ケーブル間に介在させることができ、外部から進入する液体や粉塵などが第1空間17へ進入することを防止することができる。
【0034】
また、本実施の形態によれば、第1の止水部材12に導電ケーブルを埋没可能なスリット12a〜12cを設けたことにより、第1のホルダー部11a及び第2のホルダー部11bに懸架される複数の導電ケーブルを位置決めすることができる。したがって、第1の止水部材12を確実に複数の導電ケーブル間に介在させることができ、外部から進入する液体や粉塵などが第1空間17へ進入することを防止することができる。
【0035】
なお、本実施の形態では、第1の止水部材12、第2の止水部材16は、シリコーン発泡体で形成したが、少なくとも弾性を有しかつ液体の進入を防ぐことができる材料であればよい。
【0036】
また、第1の止水部材12、第2の止水部材16は、止水性または防水性を確保するために、一体材料で形成することが好ましい。
【0037】
また、第1の止水部材12、第2の止水部材16は、弾性を持たせるために、シリコーンゴム、ニトリルゴム等を用いてもよい。
【0038】
また、本実施の形態では、第1の止水部材12、第2の止水部材16の構成要素名は、水分の進入を阻止できる機能に限定されるものではない。すなわち、「止水部材」という名称にしているが、本実施の形態の止水部材には、水に限らず様々な液体あるいは固体が第1空間17へ進入することを阻止できる機能まで含むこととする。すなわち、止水部材は、防水性と防塵性とを備えていればよい。したがって、本実施の形態の止水部材によれば、第1の筐体1内に液体や異物等が進入することを防止し、例えば電気部品が電気的にショートを起こしてしまうことを防ぐことができる。
【0039】
また、本実施の形態では、止水部は第1の筐体1に備えたが、第2の筐体2に備えてもよい。
【0040】
また、本実施の形態における第1の筐体1は、筐体の一例である。本実施の形態における導電ケーブル13a〜13eは、導電ケーブルの一例である。本実施の形態における孔部14aは、孔部の一例である。本実施の形態における第1の止水部材12は、止水部材の一例である。
【0041】
本実施の形態に関して、以下の付記を開示する。
【0042】
(付記1)
電気部品を内蔵した筐体と、
前記電気部品に電気的に接続されている導電ケーブルと、
前記筐体に形成され、前記導電ケーブルを前記筐体から外部へ引き出すための孔部と、
前記孔部を囲むように配されている止水部材とを備え、
前記止水部材は、複数の前記導電ケーブルを互いに平行になる姿勢で保持可能なスリットを備えている、電子機器。
【0043】
(付記2)
間隙を隔てて配されている一対のケーブルホルダーを、さらに備え、
前記ケーブルホルダーは、
前記孔部の近傍に配され、
複数の前記導電ケーブルを互いに平行になる姿勢で保持可能であり、
前記止水部材は、前記間隙に配されている、付記1記載の電子機器。
【0044】
(付記3)
前記止水部材は、弾性を有し、
前記導電ケーブルは、前記止水部材を変形させながら前記スリットに埋没する、付記1記載の電子機器。
【0045】
(実施の形態2)
電子機器においては、様々な機能を有する複数種の電子機能モジュールが内蔵される。そして、それらの電子機能モジュールは、相互に接続されたり他の電子要素と接続されて、所望の機能を発揮するように構成される。そのような電子機器内部での接続に使用される中継ケーブルは、接続を確実に行なえるとともに、コンパクトに処理される必要がある。
【0046】
例えば特開2004−319267号には、図14に示すようなコネクタ120の構造が開示されている。このコネクタ120は、平坦な絶縁被覆部121を介して、複数の電線122が連設されたフラット電線123の端部が接続される。コネクタ120は、ハウジング124、圧接端子(不図示)に設けられた圧接刃125、およびカバー126を備えている。圧接刃125は、ハウジング124の後部124aから突出し、電線122に接続される。カバー126は、後部124aを覆うことによりフラット電線123の端部を挟持して固定する。後部124aおよびカバー126間に、弾性シート状の防水部材127が介装される。フラット電線123の端部には、ハウジング124の後部124aに突設された突出部128が係合される貫通孔が形成されるとともに、圧接刃125が係合される貫通孔129が形成されている。
【0047】
フラット電線123の端部をコネクタ120に接続するには、まず、図8に示すようにカバー126を開いた状態で防水部材127をカバー126およびハウジング124の後部124aに跨がるように載置する。さらに、突出部128および圧接刃125が、防水部材127を貫通して突出するように防水部材127を押圧する。
【0048】
次に、ハウジング124にフラット電線123を戴置して、フラット電線123に突出部128および圧接刃125を係合させる。圧接刃125が貫通孔129に係合することにより、圧接刃125を介して電線122と圧接端子(不図示)が接続される。
【0049】
次に、カバー126側の防水部材127を折り返して二つ折りにすることで、防水部材127でフラット電線123の端部を挟持する。さらに、カバー126を閉じてハウジング124の後部124aをカバー126で覆うことにより、二つ折りされた防水部材127を厚み方向に加圧した状態で防水部材127とともにフラット電線123を挟持する。これにより、フラット電線123の端部がコネクタ120に接続されると共に、防水部材127によるフラット電線123の端部とコネクタ120との接続部の防水処理、およびフラット電線123の先端の防水処理が同時になされる。
【0050】
上述のとおり、特開2004−319267号には、複数の電線を、簡単な操作でコンパクトかつ確実に接続可能とした構成が開示されているものの、複数種の電子機能モジュールを他の電子要素と選択的に接続可能とした場合の、電子機能モジュールと電子要素を接続する中継ケーブルの配線処理のための好適な構造に言及したものではない。
【0051】
例えばノートパソコンでは、WWAN(無線広帯域通信網)、WLAN(無線ローカル・エリア通信網)、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)、Bluetooth(「Bluetooth」は登録商標)等による通信を制御するための、複数種の無線通信モジュールを搭載し、選択的に使用可能に構成されている。その場合、例えば内部アンテナの接続端子(内部アンテナ端子)といずれかの通信モジュールとが、中継ケーブルにより接続される。
【0052】
このような構成における中継ケーブルの使用形態の一例としては、通信モジュールの各々の位置と内部アンテナ端子との間の中継長さに合わせて、内蔵された通信モジュールの数量分の中継ケーブルを用意し、所定の通信モジュール用の中継ケーブルを選択して使用している。この場合、ノートパソコンの組み立て時に、仕様に応じて複数の中継ケーブルから選択したものを用いたり、場合によっては、仕様の変更に応じて中継ケーブルを付け替える必要が発生し、組み立て作業性が低い、という問題があった。
【0053】
他の方法として、内部アンテナを複数種の通信モジュールと選択的に接続可能な長さを有するように調整された、1本の中継ケーブルを用いることも考えられる。すなわち、中継ケーブルを、内部アンテナとの接続端子から最も遠い位置に配置された通信モジュールに届く長さに調整することにより、1本の中継ケーブルで、複数種の通信モジュールとの接続を可能とする。この場合、内部アンテナとの接続端子に近い通信モジュールと接続する際には、中継ケーブルに余剰長さが発生する。
【0054】
従来、装置組み立ての際に発生する中継ケーブルの余剰長さ分は、電子機器の筐体内部の適当な余剰スペースに折り曲げて固定している場合が多い。しかし、そのような中継ケーブルの処理の仕方では、接続対象の通信モジュールの相違に応じて余剰長さが異なるために、余剰部分を配置する位置が一定ではない事態が発生する。そのため、余剰部分に起因して発生するノイズが、余剰部分の配置の変化に従って変動し、当該ノイズにより例えばアンテナに対する送受信特性が不安定となる惧れがある。
【0055】
また、中継ケーブルの余剰部分の処理の仕方によっては、中継ケーブルが電子機器内の導電部に接触することによるショートの発生の惧れもある。
【0056】
実施の形態2は、複数種の電子機能モジュールを他の電子要素と選択的に接続可能とするために、一定長さの中継ケーブルを用いた場合の、接続対象の相違に応じて発生する中継ケーブルの余剰長さ部分を、簡単かつ安定した配置で行なうことが可能な配線処理構造を有する電子機器を提供することを目的とする。
【0057】
図7は、実施の形態2における電子機器の一例であるノートパソコンの外観を示す斜視図である。このノートパソコンは、本体部筐体101、表示部筐体102、及びハンドグリップ103を有する。図7は、ノートパソコンの非使用状態を示す。図8は、ノートパソコンの使用状態における斜視図である。図8に示すノートパソコンの戴置姿勢における本体部筐体101の上側を「本体部上面101a」と定義し、下側を「本体部底面101b」と定義する。
【0058】
本体部筐体101は、CPU、各種電気素子が実装された回路基板、ハードディスクドライブ、バッテリーなどを内蔵している。表示部筐体102は、画像、文字等を表示するためのディスプレイパネル104を備えている。ディスプレイパネル104は、例えば液晶ディスプレイ4を用いることができる。本体部筐体101と表示部筐体102とは、ヒンジ105によって互いに開閉自在に支持されている。本体部上面101aにはキーボード106とポインティングデバイス107が配置されている。
【0059】
ポインティングデバイス107は、本体部筐体101内に固定され、操作面が本体部筐体101の本体部上面101aの表面に露出している。本体部筐体101は、ノートパソコンの堅牢性を維持するために、例えば三次元縮重合性の熱硬化性樹脂で成形することができる。本体部筐体101は、堅牢性と軽量性を実現させるために、アルミニウム、マグネシウムなどの軽金属、あるいはこれらの合金で成型されることが望ましい。
【0060】
本体部筐体101の一側面に、一対のグリップ保持部108が形成されている。一対のグリップ保持部108は、互いに間隔を設けて配置され、本体部筐体101の側面から隆起して凸部を形成している。ハンドグリップ103は、グリップ保持部108に結合されており、このノートパソコンを持ち運ぶときに手で握るために使用される。図8の状態における表示部筐体102のヒンジ105と対向する上端面には、内部アンテナ109が配置されている。内部アンテナ109は、後述する通信モジュールに対して、中継ケーブルにより選択的に接続されるように構成されている。
【0061】
グリップ保持部108は、ハンドグリップ103と結合された結合部108a及び108b(図8参照)を有する。結合部108a、108bは、本体部上面101a側に偏倚して形成され、他方のグリップ保持部108に向かって延在している。ハンドグリップ103と結合部108a、108bとは相互に可動な状態に結合され、図8に示すように本体部筐体101側に収容された状態と、図7に示すように本体部筐体101から引き出された状態を取ることができる。
【0062】
図9は、ノートパソコンを図7の状態から裏返した戴置姿勢とした状態を示す斜視図である。図7の戴置姿勢においてハンドグリップ103と戴置面との間に間隙が形成されるようにするために、グリップ保持部108における本体部底面側と結合部108a、108bとの間に、段差部108c及び108dがそれぞれ形成されている。また、結合部108a側のグリップ保持部108には、放熱ユニットの機能の一部を提供するために、吸気口110が設けられている。吸気口110は、例えばパンチングメタルにより形成され、その開口により通気性を確保する構造となっている。
【0063】
図10は、図9に示した戴置姿勢において本体部筐体101の裏面をカバーする部分(本体底面101b)が取り去られた状態の平面図である。但し、図10は、本実施の形態のノートパソコンの内部構造の特徴部分のみを描画した図であり、特徴部分以外の構成は図示を省略している。すなわち、本実施の形態は、本体部筐体101内に配置されたケーブルホルダー111による、中継ケーブル112の配線処理のための構造に特徴を有するので、図10にはケーブルホルダー111の機能に関連する要素のみが示される。
【0064】
本体部筐体101内には、ケーブルホルダー111、中継ケーブル112、複数種の通信モジュール113〜115、端子板116が備わる。図10は、3種の通信モジュールを備えたノートパソコンを示しているが、本体部筐体101内には図示されていない通信モジュールも搭載されている。中継ケーブル112は、内部アンテナ109との接続、外部アンテナとの接続用等、複数本が用いられている。端子板116は、ケーブルホルダー111に近接した位置に配置されている。端子板116は、内部アンテナ109との接続端子、外部アンテナとの接続端子等が設けられている。端子板116の接続端子には、中継ケーブル112の各々の一端が接続されている。中継ケーブル112の各々の他端には、コネクタ112aが設けられている。コネクタ112aは、通信モジュール113〜115等に接続されている。
【0065】
図11は、ケーブルホルダー111が設けられた領域の平面図である。図12は、ケーブルホルダー111の斜視図である。ケーブルホルダー111は、主保持部111aと補助保持部111bを有する。主保持部111a及び補助保持部111bは、それぞれ複数本の挟持片117a〜117cが設けられている。挟持片117a〜117cは、それぞれ板状である。複数本の挟持片117aは、間隔が等しくなるように配置されている。複数本の挟持片117bは、間隔が等しくなるように配置されている。複数本の挟持片117cは、間隔が等しくなるように配置されている。複数の挟持片117aのうち隣り合う挟持片117aの間に中継ケーブル112を挟み込むことができ、これにより挟持片117aに中継ケーブル112を保持させることができる。複数の挟持片117bのうち隣り合う挟持片117bの間に中継ケーブル112を挟み込むことができ、これにより挟持片117bに中継ケーブル112を保持させることができる。複数の挟持片117cのうち隣り合う挟持片117cの間に中継ケーブル112を挟み込むことができ、これにより挟持片117cに中継ケーブル112を保持させることができる。本実施の形態では、複数の中継ケーブル112の外径は、互いに同一としているため、挟持片117a〜117cのそれぞれに保持された中継ケーブル112は等間隔に配置される。なお、複数の挟持片117aの間隔、複数の挟持片117bの間隔、および複数の挟持片117cの間隔は、挟持する中継ケーブル112の外径に応じて適宜設定することができる。挟持片117aと挟持片117bは、「一対の保持部」の一例である。
【0066】
また、図12に示すように、挟持片117a〜117cの高さは、中継ケーブル112の外径より大きくすることが好ましい。これにより、例えば図13に示すように、通信モジュール113〜115の少なくとも何れか1つが省かれる場合(ユーザの希望や域的要請等で、全ての通信モジュールが搭載されない場合)の配線処理に便利である。すなわち、図13に示すノートパソコンでは通信モジュール115が省かれているが(図13の破線)、省かれた通信モジュール115に接続されるべき中継ケーブル112のコネクタ112a近傍の部分が放置されると、自由に揺動することになる。コネクタ112aが自由に揺動すると、例えば導電部に接触し、短絡事故が発生する惧れがある。本実施の形態では、通信モジュール113〜115の少なくとも何れか1つが省かれたとしても、中継ケーブル112が挟持片117a〜117cに保持されるため、コネクタ112aが例えば導電部に接触することを防ぐことができる。なお、挟持片117aの高さは、主保持部111aの板面から挟持片117aの先端までの高さである。挟持片117bの高さは、主保持部111aの板面から挟持片117bの先端までの高さである。挟持片117cの高さは、補助保持部111bの板面から挟持片117cの先端までの高さである。
【0067】
この場合、図13に示すような態様で中継ケーブル112のコネクタ112a近傍を保持することができる。図13に示す配線態様では、中継ケーブル112のコネクタ112a近傍を折り曲げて、挟持片117cに挟持された当該中継ケーブル112の上部に重ねて、挟持片117cに挟持させている。これにより、中継ケーブル112のコネクタ112a近傍の揺動を防ぎ、コネクタ112a部分が自由に揺動することによる短絡事故等の発生を抑制できる。なお、中継ケーブル112のコネクタ112a近傍は、挟持片117a及び117bに挟持させてもよいし、他の中継ケーブル112の上部に挟持させてもよい。
【0068】
内部アンテナ109は、複数種の電子機能モジュールにより使用可能である。中継ケーブル112のうちの1本の一端は、端子板116に設けられた内部アンテナ109との接続端子に接続されている。当該中継ケーブル112の他端は、複数種の通信モジュール113〜115等のうちのいずれかと接続されている。また、端子板116に設けられた外部アンテナとの接続端子には、他の中継ケーブル112の一端が接続されている。当該中継ケーブル112の他端は、複数種の通信モジュール等のうちのいずれかと接続されている。
【0069】
内部アンテナとの接続用の中継ケーブル112は、内部アンテナとの接続端子と、複数種の通信モジュール113〜115等と選択的に接続可能な長さを有するように調整されている。外部アンテナとの接続用の中継ケーブル112も同様に、外部アンテナとの接続端子と、複数種の通信モジュール113〜115等と選択的に接続可能な長さを有するように調整されている。すなわち、中継ケーブル112は、アンテナとの接続端子から最も遠い位置に配置された接続対象の通信モジュールに届く長さを有する。
【0070】
従って、アンテナとの接続端子に近い通信モジュールと接続する場合には、中継ケーブル112に余剰長さが発生する。このような中継ケーブル112の余剰部分は、挟持片117a、117bに保持することができる。挟持片117aは、中継ケーブル112の余剰部分が短い場合に、中継ケーブル112の余剰部分を保持することが好ましい。挟持片117bは、中継ケーブル112の余剰部分が長い場合に、中継ケーブル112の余剰部分を保持することが好ましい。なお、挟持片117aは、中継ケーブル112の余剰部分が長い場合にも、中継ケーブル112の余剰部分を保持することができる。すなわち、中継ケーブル112の余剰部分が長い場合は挟持片117aと挟持片117bとに中継ケーブル112の余剰部分を保持することができ、中継ケーブル112の余剰部分が短い場合は挟持片117aに中継ケーブル112の余剰部分を保持することができる。
【0071】
また、主保持部111aから各通信モジュールに向かう部分の中継ケーブル112は、補助保持部111bの挟持片117cに保持することが好ましい。それにより、各通信モジュールに向かう部分での中継ケーブル112の位置が安定する。
【0072】
以上のように、所定の位置に配置されたケーブルホルダー111により、中継ケーブル112の余剰部分を保持することにより、余剰部分が一定の位置に位置決めされる。それにより、接続対象の通信モジュールの配置に応じた長さの中継ケーブル112を用意しなくてもよいので組み立て作業性が向上する。しかも、内部アンテナ、外部アンテナ等の接続端子と通信モジュール間でのノイズ特性が安定するので、回路による処理が容易になる。また、中継ケーブル112が他の導電部などに触れることによるショートなどを防ぐことができる。
【0073】
上記構成では、内部アンテナ109との接続とともに、外部アンテナとの接続のための配線が行なわれる場合の例を示したが、内部アンテナ109との接続のみの場合であっても、実用上の効果は十分に得られる。
【0074】
なお、本実施の形態では、ノートパソコンを電子機器の一例として説明したが、他の種々の電子機器について、本発明の構成を同様に適用して、同様の効果を得ることが可能である。また、通信モジュールとアンテナとの接続に限らず、複数種の電子機能モジュールと、それらの電子機能モジュールにより使用可能な内部電子要素とを中継ケーブルで選択的に接続する構成を持った電子機器について、本発明の構成を同様に適用して、同様の効果を得ることが可能である。
【0075】
また、搭載される電子機能モジュールが複数個であれば、個数に係わらず、本発明の効果を相応に得ることができる。また、電子機能モジュールと内部電子要素との接続形態も、上述の実施の形態に態様に限定されることはない。すなわち、中継ケーブルが選択的に接続され、その接続の態様に応じて余剰長さが異なる構成であれば、本発明の効果を得ることができる。
【0076】
本願に開示する電子機器によれば、中継ケーブルの余剰部分が一定の位置に位置決めされ、アンテナ等の内部電子要素の接続端子と通信モジュール等の電子機能モジュール間でのノイズ特性が安定するので、ノートパソコン等に有用である。
【0077】
また、本願に開示する電子機器は、例えば、複数種の通信モジュールを内部アンテナと選択的に接続可能に構成されたノート型PC(パーソナルコンピュータ)のように、複数種の電子機能モジュールを他の電子要素と選択的に接続可能に構成された電子装置に関し、特に、電子機能モジュールと電子要素を接続する中継ケーブルの配線処理のための構造に関する。
【0078】
本実施の形態に関して、以下の付記を開示する。
【0079】
(付記1)
複数種の電子機能モジュールが収容された本体筐体と、
前記本体筐体に配置され、前記複数種の電子機能モジュールにより使用可能な少なくとも一種の内部電子要素と、
前記内部電子要素と接続された内部要素端子と、
前記内部要素端子に一端が接続され、他端を前記複数種の電子機能モジュールと選択的に接続可能な長さを有する中継ケーブルと、
前記中継ケーブルを前記電子機能モジュールのいずれか一つと接続したときに生じる余剰長さ分を保持することが可能で、所定箇所に配置されたケーブルホルダーとを備えた電子装置。
【0080】
(付記2)
前記複数種の電子機能モジュールにより使用可能な少なくとも一種の外部電子要素と接続可能な外部要素端子と、
前記外部要素端子に一端が接続され、他端を前記複数種の電子機能モジュールと選択的に接続可能な長さを有する外部要素用中継ケーブルとを更に備え、
前記ケーブルホルダーは、前記外部要素用中継ケーブルを前記電子機能モジュールのいずれか一つと接続したときに生じる余剰長さ分を保持することが可能である付記1に記載の電子装置。
【0081】
(付記3)
前記複数種の電子機能モジュールは通信モジュールであり、前記内部電子要素は内部アンテナである付記1に記載の電子装置。
【0082】
(付記4)
前記複数種の電子機能モジュールは通信モジュールであり、前記内部電子要素は内部アンテナであり、前記外部電子要素は外部アンテナである付記2に記載の電子装置。
【0083】
(付記5)
前記ケーブルホルダーは、前記中継ケーブルを等ピッチで保持するケーブル保持部を備えている付記1〜4のいずれか1項に記載の電子装置。
【0084】
(付記6)
前記ケーブル保持部は主保持部および補助保持部を含み、前記主保持部に前記中継ケーブルの前記余剰長さ分が保持され、前記主保持部から前記電子機能モジュールに向かう途中の前記中継ケーブルが前記補助保持部に保持されるように構成された付記1〜5のいずれか1項に記載の電子装置。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本願の開示は、電子機器に有用である。
【符号の説明】
【0086】
1 第1の筐体
11 ケーブルホルダー
12 第1の止水部材
13a,13b,13c,13d,13e 導電ケーブル
15 蓋体
16 第2の止水部材
101 本体部筐体
101a 本体部上面
101b 本体部底面
102 表示部筐体
103 ハンドグリップ
104 液晶ディスプレイ
105 ヒンジ
106 キーボード
107 ポインティングデバイス
108 グリップ保持部
108a、108b 結合部
108c、108d 段差部
109 内部アンテナ
110 吸気口
111 ケーブルホルダー
111a 主保持部
111b 補助保持部
112 中継ケーブル
112a コネクタ
113〜115 通信モジュール
116 端子板
117a〜117c 挟持片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気部品と、
前記電気部品に電気的に接続されている導電ケーブルと、
前記導電ケーブルを保持可能な一対の保持部を有するケーブル保持部材とを備えた、電子機器。
【請求項2】
電気部品を内蔵した筐体と、
前記電気部品に電気的に接続されている導電ケーブルと、
前記筐体に形成され、前記導電ケーブルを前記筐体から外部へ引き出すための孔部と、
前記孔部を囲むように配されている止水部材とをさらに備え、
前記止水部材は、前記一対の保持部の間に備えている、請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記止水部材は、複数の前記導電ケーブルを互いに平行になる姿勢で保持可能なスリットを備えている、請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記止水部材は、
前記孔部の近傍に配され、
複数の前記導電ケーブルを互いに平行になる姿勢で保持可能なスリットを備えている、請求項2記載の電子機器。
【請求項5】
前記止水部材は、弾性を有し、
前記導電ケーブルは、前記止水部材を変形させながら前記スリットに埋没する、請求項2記載の電子機器。
【請求項6】
複数種の電子機能モジュールが収容された本体筐体と、
前記本体筐体に配置され、前記複数種の電子機能モジュールにより使用可能な少なくとも一種の内部電子要素と、
前記内部電子要素と接続された内部要素端子と、
前記内部要素端子に一端が接続され、他端を前記複数種の電子機能モジュールと選択的に接続可能な長さを有する中継ケーブルと、
前記中継ケーブルを前記電子機能モジュールのいずれか一つと接続したときに生じる余剰長さ分を有する余剰部とをさらに備え、
前記余剰部は、前記一対の保持部の間に備えている、請求項1記載の電子機器。
【請求項7】
前記複数種の電子機能モジュールにより使用可能な少なくとも一種の外部電子要素と接続可能な外部要素端子と、
前記外部要素端子に一端が接続され、他端を前記複数種の電子機能モジュールと選択的に接続可能な長さを有する外部要素用中継ケーブルとをさらに備え、
前記余剰部は、前記外部要素用中継ケーブルを前記電子機能モジュールのいずれか一つと接続したときに生じる、請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記複数種の電子機能モジュールは通信モジュールであり、前記内部電子要素は内部アンテナである、請求項6に記載の電子機器。
【請求項9】
前記複数種の電子機能モジュールは通信モジュールであり、前記内部電子要素は内部アンテナであり、前記外部電子要素は外部アンテナである、請求項7に記載の電子機器。
【請求項10】
前記ケーブルホルダーは、前記中継ケーブルを等ピッチで保持するケーブル保持部を備えている請求項6に記載の電子機器。
【請求項11】
前記一対の保持部は、主保持部および補助保持部を含み、
前記主保持部は、前記中継ケーブルの前記余剰長さ分を保持可能であり、
前記補助保持部は、前記主保持部から前記電子機能モジュールに向かう途中の前記中継ケーブルを保持可能である、請求項6に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−211172(P2011−211172A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34733(P2011−34733)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】