説明

電気錠用の通電装置

【課題】悪意の第三者が不正な制御信号を外部入力装置などから電気錠に送信しても、解錠されない電気錠用の通電装置を提供すること。
【解決手段】電気錠には、第1のIDコードに加え、固有の第2のIDコードを保持する第2のIDコード保持部と、第1のIDコードと予め登録された第2のIDコードとを照合して、一致した場合にのみ施錠または解錠命令の制御信号を送信する制御部とを少なくとも備えた第1制御装置51と、第2のIDコードを登録する第2のIDコード登録部と、第1制御装置51から受信した第2のIDコードが第2のIDコード登録部に予め登録されたIDコードと一致する場合に受信した制御信号に従って電気錠を施解錠制御する制御部とを少なくとも備えた第2制御装置55とからなる制御回路50を備え、制御回路50の第1制御装置51は扉側リード線21を介して扉側通電装置20に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扉側リード線を介して電気錠に接続した扉側通電装置と、制御盤側リード線を介して扉枠に設けた枠側通電装置とを有する電気錠用の通電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、(イ)電気錠用の通電装置としては、図21及び図22に示すものが知られている。このものを図21及び図22に沿って説明すると、図21で、aは扉枠bの開口b3を開放又は閉塞するスイング式の扉であって、この扉aの一端側(吊り元側)は扉枠bの縦框b2に丁番1で枢支されているとともに、他端側(自由端側)の戸先側には電気錠02が取り付けられている。
【0003】
そして、前記電気錠02への配線は、扉aと扉枠bとの間で配線の屈伸が最も少ない扉aの吊り元側に設けた通電金具03を介して取り付けていた。すなわち、電線(リード線)04の一端側には電源05と接続した制御盤06を連結してあり、この電線(リード線)04の中途部位を、縦框b2の吊り元側に取り付けた枠側の通電金具03Aと、扉aの吊り元側に取り付けた扉側の通電金具03Bとに嵌挿してから、扉a内に電線管07等を施して前記電気錠02にコネクター08を介して接続し、電気錠02の施解錠を制御していた。
【0004】
電気錠02の錠ケース02a内には、軸支されたハブ09のハブ孔09aに嵌挿されている操作杆09bをシリンダーのキー操作やサムターン操作等の手動操作により回動して出没作動される錠杆010と、前記コネクター08を介して錠ケース02aに通された電線04に接続された可逆回転モータ011と、この可逆回転モータ011の駆動により傘歯車等の歯車列を回動して錠杆010を電気的に出没作動させる歯車伝達機構012と、通電制御用のマイクロスイッチ013と、扉の開閉確認用のリードスイッチ014などを設けている。
なお、図21及び図22で、015は扉枠bの縦框b1に設けた受座で、この受座015の受け孔016に錠杆010が出没される。
【0005】
(ロ)また、電気錠用の通電装置としては、引戸用のものではあるが、例えば、特許第3719311号公報(特許文献1)に示されたものも知られている。この公報に示された引戸用の通電装置は、引戸(扉)の框に取付けられかつ引戸側リード線を介して電気錠に接続される磁石一体型の固定電極と、戸枠(扉枠)に取付られかつ電極収納ガイド部を有する支持ボックスと、この支持ボックス内に移動可能に設けられていると共に、支持ボックスに設けられたバネ部材のバネ力により常時後退(戸枠)方向に付勢されかつ制御盤側のリード線と接続される磁石一体型の可動電極とからなっている。そして、前記可動電極は、固定電極の磁石の極性に対応して該固定電極に吸着する磁石を有する接触部と、この接触部の一側面から支持ボックスのガイド小孔を貫通して該支持ボックスのリード線用空間部へと延びるガイドバーと、このガイドバーの突出上端部に設けられたストッパーとから構成され、引戸の閉鎖時には、前記可動電極は、支持ボックスの電極収納ガイド部からバネ部材のバネ力に抗して飛び出して扁平状の接触面を有する固定電極に吸着され、引戸の開放時には、固定電極の扁平状の接触部分が可動電極に対してスライドするものである。
【0006】
【特許文献1】特許第3719311号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来例(イ)、(ロ)のいずれも、電気錠から離れた個所の外部に設けたテンキーやカードリーダーなどの電気錠制御装置に、第三者が不正に外部入力装置を接続し、この外部入力装置からの制御信号の送信により電気錠が解錠されてしまうという問題があった。
【0008】
従来例(イ)の電気錠用の通電装置では、扉の製造業者としては、この電気錠用の扉を製造する際に、扉aの厚味部分に電線(リード線)を嵌挿する電線管07を埋設するための収納空間を形成しなければならないため、多大の時間と費用をかけていた。
【0009】
従来例(ロ)の電気錠用の通電装置では、引戸側の通電装置と戸枠側の通電装置との隙間から不正に、固定電極と可動電極との接点部分に電気を流したり、又は両接点を離して制御を遮断するなどすることにより、電気錠が解錠されるという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題点を解消するために案出したものであり、不正に接続された外部入力装置からの制御信号に対しても、施解錠を許可することがなく、電気錠の不正解錠を防止すると共に、また扉(引戸)側の通電装置と扉枠(戸枠)側の通電装置との隙間から不正方法により電気錠が解錠されるのを防止し、さらに扉の厚味部分に電線管挿入用の収納空間を形成する必要のない扉ができる電気錠用の通電装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の電気錠の通電装置は、扉側リード線を介して電気錠に接続した扉側通電装置と、制御盤側リード線を介して扉枠に設けた枠側通電装置とを有し、閉扉時に通電できるようにした電気錠用の通電装置であって、
前記電気錠と扉側通電装置との間又は電気錠には、利用者の暗証番号や磁気カードなどから入力される第1のIDコードが所定のIDコードであると確認したときに、電気錠の制御信号と共に制御装置固有の第2のIDコードを電気錠へ送り、この送信されてきた第2のIDコードが所定のものと確認したときにのみ電気錠を施解錠制御するようにした制御回路を備えたことを特徴とする。
【0012】
このような請求項1の構成によれば、制御回路の登録部には第1のIDコード及び第2のIDコードの2つのコードを有し、また制御部では前記第1のIDコードが所定のコードであると確認したときに、電気錠の制御信号と共に制御装置固有の第2のIDコードを電気錠へ送り、この送信されてきた第2のIDコードが所定のものと確認したときにのみ電気錠が施解錠されるようにしてあるため、たとえ悪意の第三者が不正な制御信号を外部入力装置などから電気錠に送信したとしても、その場合には、前記制御回路に予め登録された固有の第2のIDコードが送信されないため、その制御信号だけでは電気錠が解錠されることが無い。このように本発明を用いれば極めて防犯性に優れた電気錠用の通電装置を提供することができる。
【0013】
請求項2に記載の電気錠用の通電装置は、請求項1の制御回路をより具体的にすると共に、接触型の通電装置に採用したものを示している。すなわち、扉側リード線を介して電気錠に接続した扉側通電装置と、制御盤側リード線を介して扉枠に設けた枠側通電装置とを有し、前記扉側リード線の一端と接続した扉側通電装置の扉側電極と、制御盤側リード線の一端と接続した枠側通電装置の枠側電極とを閉扉時に接触させて通電できるようにした電気錠用の通電装置であって、前記電気錠には、利用者の暗証番号や磁気カードなどから入力される第1のIDコードに加え、第1制御装置自体の固有の第2のIDコードを保持する第2のIDコード保持部と、前記第1のIDコードと予め登録された第2のIDコードとを照合して一致するか否かを認証し、一致した場合にのみ施錠または解錠命令の制御信号を送信する制御部とを少なくとも備えた第1制御装置と、前記第2のIDコードを登録する第2のIDコード登録部と、前記第1制御装置から受信した第2のIDコードが該第2のIDコード登録部に予め登録されたIDコードと一致するか否かを認証し、一致する場合に受信した前記制御信号に従って電気錠を施解錠制御する制御部とを少なくとも備えた第2制御装置とからなる制御回路を備え、前記制御回路の第1制御装置は前記扉側リード線を介して扉側通電装置に接続されていることを特徴とする。
【0014】
このような請求項2の構成によれば、正規の使用者によって入力された第1のIDコードが正しいものであるか否かを第1制御装置で認証するだけではなく、正しい場合であっても、第1制御装置固有の第2のIDコードが第2制御装置に予め登録されているコードと一致するか否かを認証する。そして、第1制御装置での使用者によって入力された第1のIDコードの認証と、第2制御装置での第1制御装置固有の第2のIDコードの認証が正しく行われた場合にのみ電気錠の施解錠を行う。
そのため、たとえ悪意の第三者が不正な制御信号を外部入力装置などから電気錠に送信したとしても、その場合には、第2制御装置に予め登録された第1制御装置固有の第2のIDコードが送信されないため、その制御信号だけでは電気錠が解錠されることが無い。このように請求項2の発明を用いれば、請求項1の発明と同様に極めて防犯性に優れた電気錠用の通電装置を提供することができる。
【0015】
前述したように、本発明は、第1制御装置と第2制御装置からなる新規な制御回路を備えた新規な電気錠用の通電装置であって、その通電装置の形態や取付位置は適宜設計変更できるもので、特に限定されない。
【0016】
請求項3に記載の電気錠用の通電装置は、第1制御装置及び第2制御装置からなる制御回路と扉側通電装置とは電気錠に内蔵されているとともに、この電気錠は扉の戸先側に設け、前記扉側通電装置はその扉側電極が閉扉時において対向する枠側通電装置の枠側電極と接触するように構成したものである。すなわち、第1制御装置及び第2制御装置からなる制御回路と扉側通電装置とを電気錠に内蔵した一体型としたものである。
【0017】
また、扉側通電装置が電気錠とは別個所に分離して取り付けた分離型とすることもできる。
例えば、請求項4に記載の電気錠用の通電装置は、請求項2において、扉側通電装置は、電気錠を除く扉の適所(例えば扉の戸先側端部や吊り元側端部や上部の横框等の個所)で、かつ扉枠に設けた枠側通電装置に対向して設けてあるとともに、前記第1制御装置と第2制御装置とからなる制御回路は電気錠に内蔵してあるものである。
【0018】
なお、本発明の請求項2〜4の電気錠用の通電装置において、前記制御回路の第1制御装置には第2制御装置に第2のIDコードを送信する送信スイッチを備えるとともに、前記第2制御装置には該第2制御装置が解錠状態または扉が開いた状態であるか否かを検出するセンサ部を備え、前記第1制御装置の送信スイッチがONし、かつ前記第2制御装置のセンサ部が自装置の解錠状態または扉の開いた状態であると検出した場合においてのみ、前記第2のIDコード登録部に前記第1制御装置から受信した第2のIDコードを登録するようにする方が好ましい。
【0019】
このような構成によれば、例えば、古い制御装置を取り替えて新しい第1制御装置を取り付ける場合などに、送信スイッチをONすることにより第2制御装置に新しい第1制御装置固有の第2のIDコードを登録することができる。この場合は、第2制御装置に登録されていた古い元の制御装置のIDコードを削除し、受信した新しいIDコード(第2のIDコード)に自動的に書き換えするようにするのが好ましい。
また、上記第1制御装置の送信スイッチのONにより受信した第1制御装置固有の第2のIDコードが第2制御装置に登録されるのは、第2制御装置が開扉状態もしくは扉が開いた状態を検出した場合のみとする。これにより、第2制御装置が施錠状態で且つ扉が閉じた状態では、正規に設置された第1制御装置とは異なる他の外部入力装置(電気錠施錠装置)により、不正なIDコードが第2制御装置に登録されることを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の請求項1の発明によれば、電気錠と扉側通電装置との間又は電気錠には、利用者の暗証番号や磁気カードなどから入力される第1のIDコードが所定のIDコードであると確認したときに、電気錠の制御信号と共に制御装置固有の第2のIDコードを電気錠へ送り、この送信されてきた第2のIDコードが所定のものと確認したときにのみ電気錠を施解錠制御するようにした制御回路を備えたことを特徴とするから、たとえ悪意の第三者が不正な制御信号を外部入力装置などから電気錠に送信したとしても、その場合には、前記制御回路に予め登録された固有の第2のIDコードが送信されないため、その制御信号だけでは電気錠が解錠されることが無い。このように本発明を用いれば極めて防犯性に優れた電気錠用の通電装置を提供することができる。
【0021】
請求項2の発明によれば、前記電気錠には、利用者の暗証番号や磁気カードなどから入力される第1のIDコードに加え、第1制御装置自体の固有の第2のIDコードを保持する第2のIDコード保持部と、前記第1のIDコードと予め登録された第2のIDコードとを照合して一致するか否かを認証し、一致した場合にのみ施錠または解錠命令の制御信号を送信する制御部とを少なくとも備えた第1制御装置と、前記第2のIDコードを登録する第2のIDコード登録部と、前記第1制御装置から受信した第2のIDコードが該第2のIDコード登録部に予め登録されたIDコードと一致するか否かを認証し、一致する場合に受信した前記制御信号に従って電気錠を施解錠制御する制御部とを少なくとも備えた第2制御装置とからなる制御回路を備え、前記制御回路の第1制御装置は前記扉側リード線を介して扉側通電装置に接続されていることから、次の如き効果を有する。
【0022】
すなわち、不正に接続された外部入力装置からの制御信号が電気錠に送信されても、予め登録された第1制御装置固有のIDコード(第2のIDコード)が送信されない限り電気錠は解錠されない。例えば、電気錠から離れた個所の外部に設けたテンキーやカードリーダーなどの電気錠制御装置を取り外し、外部入力装置を悪意の第三者が不正に接続し、この外部入力装置からの制御信号の送信により電気錠を解錠しようとしても、電気錠を解錠することができない。また、扉(引戸)側の通電装置と扉枠(戸枠)側の通電装置との隙間から悪意の第三者が不正に固定電極と可動電極との接点部分に電気を流したり、又は両接点を離して制御を遮断するなどすることにより、電気錠を解錠しようとしても、電気錠を解錠することができず、不正解錠を防止できる。
【0023】
請求項3の発明によれば、第1制御装置及び第2制御装置からなる制御回路と扉側通電装置とは電気錠に内蔵されているとともに、この電気錠は扉の戸先側に設け、前記扉側通電装置はその扉側電極が閉扉時において対向する枠側通電装置の枠側電極と接触するように構成して、電気錠には前記制御回路だけでなく扉側通電装置も内蔵してあるから、従来の如く、扉の厚味部分に電線(リード線)を嵌挿する電線管を埋設する収納空間を形成する必要がない上に、扉の端部に扉側通電装置を埋設する凹部を形成する必要もなく、さらに扉側通電装置を扉の端部に取り付ける作業がなくなり、扉側通電装置の保管場所も不要となるなどの多くに利点を有する。
【0024】
請求項4の発明によれば、扉側通電装置は、電気錠を除く扉の適所で、かつ扉枠に設けた枠側通電装置に対向して設けてあるとともに、前記第1制御装置と第2制御装置とからなる制御回路は電気錠に内蔵してあるから、扉側通電装置が、電気錠の形式や寸法等にかかわらず適宜の電気錠に適用することができるだけでなく、扉の戸先側端部に限らず、吊り元側端部や上部の横框等の適宜個所に取り付けることができる。
【実施例】
【0025】
(実施例1)
本発明の実施例1を図1から図16に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係る電気錠用の通電装置を取り付けた使用状態の一例を示した正面図、図2は扉の閉鎖時で通電状態を示した図1の要部縦断面図である。
図1で、aは扉枠bの開口を開放又は閉塞するスイング式の扉であって、この扉aの一端側(吊り元側)は扉枠bの縦框b2に丁番1で枢支されているとともに、該扉aの他端側(自由端側)の戸先側には電気錠2が取り付けられている。
【0026】
前記電気錠2への給電は、扉a側に設けた扉側通電装置20と、扉枠bの縦框b1に設けた枠側通電装置30とからなる通電装置10を介して行われる。すなわち、図2に示すように、前記扉側通電装置20は、詳細は後述するが、電気錠2の錠ケース2a内の上部に、内部機構と扉側リード線21を介して接続されているとともに、フロント板2bの開口部2cより出没自在に設けられており、前記扉側リード線21の一端には扉側通電装置20の扉側電極22が設けてある。
【0027】
一方、扉枠bの縦框b1の一部には上下に切り欠きを形成し、この上部切り欠きb10に断面コ字状の上部受箱91を埋設するとともに、下部切り欠きb20に断面コ字状の下部受箱92を埋設し、両受箱91,92の前面に一枚の長板状の受座93を取り付けて縦框b1にネジ等で固定してある。この枠側通電装置30は、図2、図13及び図14に示されているように、前記上部受箱91の凹部91a内には、上下左右に隙間S1、S2、S3、S4を形成する状態で前記枠側通電装置30が遊動可能に嵌装されている。この枠側通電装置30は外形が段付きの箱状に形成されており、その段部30aに前面を窪ませた状態で枠側電極32が設けてある。この枠側電極32の後端部には前記制御盤側リード線31が接続してあり、該制御盤側リード線31の他端部を制御盤33を介して電源34に接続している。
【0028】
そこで、扉aを閉鎖すると、図2に示すように、扉側通電装置20の扉側電極22と枠側通電装置30の枠側電極32とが接触して通電状態となり、施解錠用の制御信号を送れば錠ケース2a内の内部電動機構の作動を介して、電気錠2の錠杆3を扉枠bの縦框b1の下部受箱92の受孔94に突出係合させて施錠状態とすることができる。
【0029】
前記扉側通電装置20について、図2〜図8に基づいて更に詳述する。
この扉側通電装置20は、図2において左方向を前方とし右方向を後方とした場合、前部に段部2dを設けてなるものである。そして、図2及び図6に示すように、該扉側通電装置20の前部から後部に向けて形成した上下2つの扉側電極嵌挿穴23,23に略平板状の扉側電極22,22を嵌挿している。この扉側電極22,22の略中央部には後部鍔部22a,22aを形成し、この後部鍔部22aと扉側通電装置20の後部隔壁20aとの間には扉側電極22を常時前方に付勢するバネ24を巻装している。また扉側電極22の前部鍔部22bは、扉側通電装置20の前部隔壁20bの後面に当接するようにして、バネ24による扉側電極22の前方への突出量を規制している。
【0030】
また、扉側通電装置20の後部隔壁20aと前部隔壁20bとの間には、扉側リード線21を導入する扉側リード線導入路25が形成されており、該扉側リード線導入路25に挿入された扉側リード線21の一端が前記扉側電極22に溶接などによって接続されている。
【0031】
さらに、扉側通電装置20の後部隔壁20aの中央部に後方に向け開口したバネガイド孔20a1と、錠ケース2aの側壁に水平方向に突出させたバネ支持部材4との間にコイルバネ26等の弾機を設け、この弾機26の弾発力によって扉側通電装置20全体が常時に前方に付勢されている。そして、図6と図7に示されているように、扉側通電装置20の正面から背面に向けては、前後方向に長くした長孔27が形成され、この長孔27に、錠ケース2aの側壁間に固定したストッパー28を嵌挿しており、この長孔27のストローク量だけ扉側通電装置20は前方へ突出するようにしてある。
【0032】
また、扉側通電装置20の前部隔壁20bには磁石29を設けており、図1及び図2に示すように、閉扉時には、この磁石29が、相手方の枠側通電装置30に設けた磁石39(磁石29とは異極の磁石である。)と吸着して、扉側電極22と枠側電極32とが確実に接触して接触不良とならないようにしてある。
【0033】
次に、前記扉側通電装置20は扉側リード線21を介して電気錠2に接続されているので、電気錠2について以下に説明する。
この電気錠2の錠ケース2a内には、前記扉側通電装置20のほかに、第1制御装置51と第2制御装置55とからなる制御回路50と、錠ケース2aの両側壁間に回動自在に軸支されたハブ5のハブ孔5aに嵌挿されている操作杆5bをシリンダーのキー操作やサムターン操作などの手動操作により回動して出没作動される錠杆3と、前記制御回路50にリード線6を介して接続された可逆回転モータ7と、この可逆回転モータ7の駆動により傘歯車等の歯車列を回動して錠杆3を電気的に出没作動させる歯車伝達機構8と、通電制御用のマイクロスイッチ9と、扉の開閉確認用のリードスイッチ16などを設けている。
【0034】
制御回路50は、多数のリード線例えば6線や9線などを2線に変更できるので二線変換基板とも称し得るが、この制御回路50を図9〜図12に基づいて以下に詳述する。
【0035】
第1制御装置51は、利用者の暗証番号や磁気カードなどから入力される第1のIDコードに加え、第1制御装置51自体の固有の第2のIDコードを保持するEEPROM等の第2のIDコード保持部52と、前記第1のIDコードと第2のIDコード保持部52に予め登録された第2のIDコードとを照合して一致するか否かを認証し、一致した場合にのみ解錠命令の制御信号を第2制御装置55へ送信する制御部53とを少なくとも備え
ている。この制御信号を送信するときには、前記第2のIDコードを第2のIDコード保持部52から読み出し、制御信号とともに第2制御装置55に送信する。
この実施例では、新品の第1制御装置51を古い制御装置に替えて取り替える場合に、第2のIDコードを第2制御装置55に新しく登録するときに使用する送信スイッチ54も備えている。
【0036】
第2制御装置55は、第1制御装置51から送信された固有の前記第2のIDコードを登録するEEPROM等の第2のIDコード登録部56と、前記第1制御装置51から受信した第2のIDコードが該第2のIDコード登録部56に予め登録されたIDコードと一致するか否かを認証し、一致する場合に受信した前記制御信号に従って駆動源58を作動して電気錠2を施解錠制御する制御部57とを少なくとも備えている。
【0037】
この実施例の第2制御装置55には、上記のほかに電気錠2を施解錠するための駆動源58であるモータと、第2制御装置55の施解錠状態や扉の開閉状態を検出するセンサ部59も備えている。そして、前記第1制御装置51の送信スイッチ54がONし、かつ前記第2制御装置55のセンサ部59が自装置の解錠状態または扉の開いた状態または、電気錠が開扉状態であると検出した場合においてのみ、前記第2のIDコード登録部56に前記第1制御装置51から受信した第2のIDコードを登録する。
【0038】
上記制御回路50の動作の一例を以下に説明する。
(1)電気錠を解錠する場合
この場合の第1制御装置51の制御部53と第2制御装置55の制御部57の作動フローを図10に示す。
図10(a)は、第1制御装置51の制御部53の作動フローである。この制御部53では、まず、使用者が磁気カードや暗証番号などにより第1のIDコードを入力すると、その第1のIDコードを検出する。次に、予め第2のIDコード保持部52に登録された前述の第2のIDコードを読み出す。そして、使用者が磁気カードや暗証番号などにより入力した第1のIDコードと、第2のIDコード保持部52に登録されたコードとが、正しいものと一致するか否かを認証する。両者が一致しない場合には処理を終了する。両者が一致する場合には第1制御装置51固有の第2のIDコードを第2のIDコード保持部から読み出す。そして、解錠命令の制御信号とともに、第1制御装置51固有の第2のIDコードを第2制御装置55に送信する。
【0039】
図10(b)は第2制御装置55の制御部57の作動フローである。この制御部57では、第1制御装置51から受信した解錠命令の制御信号と第2のIDコードから、第2のIDコードを検出する。ここで、解錠命令の制御信号のみを受信した場合には以下の処理は行わず処理を終了する。一方、受信した解錠命令の制御信号とともに第2のIDコードを検出した場合には、検出した第2のIDコードが予め第2のIDコード登録部56に登録された前記コードとが、正しいものと一致するか否かを認証する。両者が一致する場合のみ第2制御装置55から電気錠の制御信号が送信され駆動源58が作動され電気錠を解錠する。すなわち、第1制御装置51から受信した第2のIDコードが予め第2のIDコード登録部56に登録されたコードと一致しない場合や、第1制御装置51から第2のIDコードが送信されて来ない場合は、第2制御装置55から電気錠の制御信号が送信されず電気錠2は解錠されない。
【0040】
以上のように、第1制御装置51では制御信号とともに第1制御装置51固有の第2のIDコードを第2制御装置55に送信し、第2制御装置55では受信した第2のIDコードが予め第2のIDコード登録部56に登録したコードと一致することを条件に、制御信号が送られ駆動源58が作動され、電気錠2を解錠する。従って、悪意の第三者が不正な制御信号を外部入力装置など何らかの手段で電気錠に送信したとしても、第2のIDコードが受信されないか、もし受信したとしてもその第2のIDコードが正当なものではないために、その制御信号だけでは第2制御装置55から電気錠2の制御信号が送信されず、電気錠2が解錠されることがないので、極めて優れた防犯性を有する。
【0041】
(2) 第1制御装置の古いものを取り替えて新しい制御装置51の第2のIDコードを新たに第2制御装置55に登録する場合
この場合の第1制御装置51の制御部53と第2制御装置55の制御部57の作動フローを図11に示す。
図11(a)は、新しい第1制御装置51の制御部53の作動フローである。この制御部53では、送信スイッチ54をONすると、第2のIDコード保持部52から第1制御装置51固有の新たな第2のIDコードを読み出し、その第2のIDコードを第2制御装置55に送信する。
【0042】
図11(b)は第2制御装置55の制御部57の作動フローである。この制御部57では、第1制御装置51からの第2のIDコードを受信すると、センサ部59で第2制御装置55の施解錠状態と扉の開閉状態を検出する。そして、第2制御装置55が解錠状態または扉が開いた状態である場合でのみ、第2のIDコード登録部56に登録されていた古いコードを、新しい第2のIDコードに書き換える。また、第2制御装置55が施錠状態で且つ扉が閉じた状態である場合には、第1制御装置51から送信されて来た第2のIDコードの登録は行わない。
【0043】
このように、第2制御装置55が解錠状態もしくは扉が開いた状態で送信スイッチ54をONされた場合のみ、第1制御装置51から受信した第2のIDコードを第2制御装置55に登録する。即ち、正規の利用者のみが登録処理をすることができる。
従って、悪意の第三者が施錠状態のときに外部入力装置から不正な記憶命令の制御信号を第2制御装置に送信したとしても、その場合には第2制御装置55は解錠状態もしくは扉の開いた状態が検知されないため、その外部入力装置から第2のIDコードを受信したとしてもその第2のIDコードを登録することができないので、極めて優れた防犯性を有する。
【0044】
(3) 初期設定時に第2のIDコードを第2制御装置55に登録する場合
初期設定時には、第2制御装置55の第2のIDコード登録部56には第2のIDコードが登録されていない空の状態であるため、第1制御装置51からの制御信号と第1制御装置51固有のIDコード(第2のIDコード)が送信されてきた場合に、その受信した第2のIDコードを第2制御装置55の第2のIDコード登録部56に自動的に登録する。
【0045】
図12(a)は第1制御装置51の制御部53での作動フローを示す。
初期設定時に、制御部53は制御信号を送信する際に、第2のIDコード保持部52に登録されている第1制御装置51固有の第2のIDコードを読み出し、制御信号とともに第2制御装置55に送信する。
【0046】
図12(b)は第2制御装置55の制御部57での作動フローを示す。
初期設定時に制御部57は第1制御装置51から送信されてきた制御信号と第2のIDコードから、第2のIDコードを検出する。制御信号のみが送信されてきた場合には処理を終了する。また、制御信号と共に第2のIDコードを検出した場合には、第2制御装置55からコードを読み出し、一致するか否かを認証し一致しない場合には処理を終了する。
【0047】
そして、両者が一致した場合のみ第1制御装置51から受信した制御信号と第2のIDコードとに基づいて第2制御装置55の通常の処理である電気錠の解錠や、施錠の処理などを行う。
【0048】
ところで、前記扉側通電装置20は、扉aの戸先側に設けた電気錠2に前述したように内蔵されているが、この扉側通電装置20に対向する扉枠bには前述したように枠側通電装置30が設けられている。
この枠側通電装置30を図2、図13及び図14に基づいて以下に詳しく説明する。
【0049】
すなわち、枠側通電装置30は、前述したように、段付き箱状に形成され、段部30aの前面から後部には隔壁30bを形成するとともに、この隔壁30bの前面から後部に向けて枠側電極32を嵌挿する貫通孔30cが形成され、該隔壁30bの中央部には前記扉側通電装置20に設けた磁石29と対向する位置に磁石39を設けている。
【0050】
また、前記段部30aの後部の上下両部には張り出し鍔部35,35を形成するとともに、この張り出し鍔部35,35の裏面(後面)側と上部受箱91の底板部91bとの間にはコイルバネ36を弾支している。この枠側通電装置30を上部受箱91に組み付ける場合には、枠側通電装置30を上部受箱91の凹部91aに嵌入した後に、枠側通電装置の段部30aを受座93の嵌入穴93aに遊動自在に嵌入させて、該受座93を上部受箱91を介して扉枠bにビス等で固定する。これにより、枠側通電装置30は、コイルバネ36のバネ力で常時には前方(図14bで右方向)へ付勢されている。
なお、前記枠側電極32の後部には制御盤側リード線31の一端が接続されている。
【0051】
この枠側通電装置30は、前述したように、相手方の受部(上部受箱91及び受座93)との間では隙間S1〜S4を形成しているため、風や人の操作で扉がガタついた場合などにおいても、枠側通電装置30がそのガタつきに追従して、枠側電極32が扉側電極22に確実に接触し接触不良が防止されるとともに、両電極32,32同士も摺接されるため各電極に付着した付着物が除去されるというクリーニング効果も有する。
【0052】
上記効果があることを、図15及び図16に基づいて説明する。図15(a)、(b)、(c)は閉扉状態から扉を開放するまでの動作を示し、図16(a)、(b)、(c)は開扉状態から扉を閉鎖するまでの動作を示す。
図15(a)は完全に扉aが閉鎖された状態を示しており、この場合には隙間S3と隙間S4との距離は等しくなっている。
【0053】
図15(a)の閉扉状態から図15(b)の如く、扉aが正常に又はガタつきながら開放方向に移動すると、枠側通電装置30の枠側電極32は、扉側通電装置20の扉側電極22と擦れ合いながら移動されるので、両電極32,32同士の接触不良が防止されるとともに、両電極32,22に付着した付着物を除去するというセルフクリーニング効果が達成できる。このとき、隙間S3の距離は小さくなりS4>S3の状態である。
そして、図15(c)の如く、両電極32,22同士が接触しない開扉状態になると、隙間S3と隙間S4の各距離は等しくなり、上記効果はなくなる。
【0054】
図16(a)の如く開扉状態で隙間S3と隙間S4の各距離が等しくなっている状態から、図16(b)の如く扉aを閉めて行くと、磁石39,29同士が吸着し合い、更に閉扉すると両電極32,22同士が擦れ合いながら移動されるので、両電極32,22の接触不良が防止されるとともに前記セルフクリーニング効果が達成できる。このとき隙間S3<S4である。
そして図16(c)の如く完全に閉扉されると図15(a)の如くなる。
【0055】
図17〜図19は、枠側通電装置30の変形例を示すものである。
この場合の枠側通電装置30は、本実施例のものに比べて、コイルバネ36の取り付け構造を変更したものである。すなわち、枠側通電装置30の隔壁30bの上下方向に形成した張り出し鍔部35,35を、図17(b)に示すように、肉厚部として、その肉厚部に同図において正面側から背面側に向けてバネ貫通孔37を設け、このバネ貫通孔37にコイルバネ36を嵌挿したものである。
なお、このコイルバネ36の両端は上部受箱91の凹部91aの側壁に当接する。
【0056】
この構成によれば、図14のものに比べて、コイルバネ36の取り付けが簡単であるなどの利点がある。
【0057】
また、この場合も、枠側通電装置30と相手方の受部(上部受箱91及び受座93)との間には隙間S1〜S4を形成しているので、本実施例の場合と同様の利点を有する。
例えば、風や人の操作等で扉が垂れ下がった場合、閉扉時において枠側通電装置30は、扉側通電装置20との磁石39,39同士の吸着力により、図18(b)、(c)に示すように降下する。その結果、隙間S2は、枠側通電装置30の段部30aで閉塞されるとともに、隙間S1は最大距離まで広がる。
【0058】
また、風や人の操作等で扉と窓枠の隙間が縮まった場合、枠側通電装置30は、図19(b)、(c)に示すように、上部受箱91の底板部91b側へ後退する。
そのほか、枠側通電装置30は、隙間S1〜S4のいずれの方向にも移動できる。
【0059】
(実施例2)
本発明の実施例2を図20に基づいて以下に説明する。
この実施例の電気錠用の通電装置は、扉側通電装置20を電気錠2を除く扉aの吊り元側で、かつ扉枠bに設けた枠側通電装置30に対向して設けてあるとともに、前記第1制御装置51と第2制御装置55からなる制御回路50を電気錠2に内蔵してあることを特徴とするものである。
なお、図20で40はリード線21を被覆した電線管である。
【0060】
各実施例で示した制御回路50の形状や取付位置は適宜に設計変更できる。
また、電気錠2の内部機構として実施例ではモータ7を採用しているが、これに替えソレノイドなどを採用してもよい。電気錠2としては、この発明では、通電時解錠型、瞬時通電時施解錠型、その他全ての方式の電気錠に適用できる。また、電気錠を扉に取付ける方式としては、実施例の如く彫り込み型に限らず面付け型でもよい。
さらに、スウィング式扉に限らず、引戸扉にも採用することができる。
また、通電装置も実施例の如く接触型に限らず、非接触型や彫込型にも適用できる。
なお、制御回路50は、扉側通電装置20又は枠側通電装置30に組み込むこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明に係る電気錠用の通電装置を取付けた使用状態の一例を示した正面図である。
【図2】扉の閉鎖時で通電状態を示した図1の要部縦断面図である。
【図3】図2の扉側通電装置の概略正面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】図3の左側面図である。
【図6】(a)は扉側通電装置の縦断面図である。(b)は扉側通電装置の扉側電極近傍の水平断面図である。
【図7】図2における扉側通電装置と制御回路付近の縦断面図である。
【図8】図7の底面図である。
【図9】電気錠に内蔵された制御回路のブロック図である。
【図10】電気錠に内蔵された制御回路の解錠の作動フロー図であり、(a)は第1制御装置の制御部の作動フロー図、(b)は第2制御装置の制御部の作動フロー図である。
【図11】第2のIDコードの再登録の作動フロー図であり、(a)は第1制御装置の制御部の作動フロー図、(b)は第2制御装置の制御部の作動フロー図である。
【図12】第2のIDコードの初期設定時の登録の作動フロー図であり、(a)は第1制御装置の制御部の作動フローである。(b)は第2制御装置の制御部の作動フローである。
【図13】(a)は枠側通電装置の平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
【図14】(a)は枠側通電装置の水平断面図、(b)は縦断面図、(c)は右側面図図である。
【図15】閉扉状態の扉を開放するまので動作の説明図であり、(a)は完全に扉が閉鎖された状態を示し、(b)は扉が少し移動された状態を示し、(c)は上記(b)より更に扉が開放された状態を示す説明図である。
【図16】開扉状態の扉を閉鎖するまので動作の説明図であり、(a)は開扉状態を示し、(b)は(a)より少し閉鎖された状態を示し、(c)は扉が完全に閉鎖された状態を示す説明図である。
【図17】枠側通電装置の変形例であり、(a)は水平断面図、(b)は縦断面図、(c)は右側面図である。
【図18】図17の状態から扉が垂れ下がった状態を示し、(a)は水平断面図、(b)は縦断面図、(c)は右側面図である。
【図19】図17の状態から扉と扉枠の隙間が縮小した状態を示し、(a)は水平断面図、(b)は縦断面図、(c)は右側面図である。
【図20】実施例2の正面図である。
【図21】従来の電気錠用の通電装置の正面図である。
【図22】図21の電気錠の縦断面図である。
【符号の説明】
【0062】
2 電気錠
3 錠杆
5 ハブ
6 リード線
7 モータ
10 通電装置
20 扉側通電装置
21 扉側リード線
22 扉側電極
29 磁石
30 枠側通電装置
31 制御盤側リード線
32 枠側電極
33 制御盤
34 電源
50 制御回路
51 第1制御装置
52 第2のIDコード保持部
53 制御部
54 送信スイッチ
55 第2制御装置
56 第2のIDコード登録部
57 制御部
58 駆動源
59 センサ部
a 扉
b 扉枠
S1〜S4 隙間







【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉側リード線を介して電気錠に接続した扉側通電装置と、制御盤側リード線を介して扉枠に設けた枠側通電装置とを有し、閉扉時に通電できるようにした電気錠用の通電装置であって、
前記電気錠と扉側通電装置との間又は電気錠には、利用者の暗証番号や磁気カードなどから入力される第1のIDコードが所定のIDコードであると確認したときに、電気錠の制御信号と共に制御装置固有の第2のIDコードを電気錠へ送り、この送信されてきた第2のIDコードが所定のものと確認したときにのみ電気錠を施解錠制御するようにした制御回路を備えたことを特徴とする電気錠用の通電装置。
【請求項2】
扉側リード線を介して電気錠に接続した扉側通電装置と、制御盤側リード線を介して扉枠に設けた枠側通電装置とを有し、前記扉側リード線の一端と接続した扉側通電装置の扉側電極と、制御盤側リード線の一端と接続した枠側通電装置の枠側電極とを閉扉時に接触させて通電できるようにした電気錠用の通電装置であって、
前記電気錠には、利用者の暗証番号や磁気カードなどから入力される第1のIDコードに加え、第1制御装置自体の固有の第2のIDコードを保持する第2のIDコード保持部と、前記第1のIDコードと予め登録された第2のIDコードとを照合して一致するか否かを認証し、一致した場合にのみ施錠または解錠命令の制御信号を送信する制御部とを少なくとも備えた第1制御装置と、
前記第2のIDコードを登録する第2のIDコード登録部と、前記第1制御装置から受信した第2のIDコードが該第2のIDコード登録部に予め登録されたIDコードと一致するか否かを認証し、一致する場合に受信した前記制御信号に従って電気錠を施解錠制御する制御部とを少なくとも備えた第2制御装置とからなる制御回路を備え、
前記制御回路の第1制御装置は前記扉側リード線を介して扉側通電装置に接続されていることを特徴とする電気錠用の通電装置。
【請求項3】
第1制御装置及び第2制御装置からなる制御回路と扉側通電装置とは電気錠に内蔵されているとともに、この電気錠は扉の戸先側に設け、前記扉側通電装置はその扉側電極が閉扉時において対向する枠側通電装置の枠側電極と接触するように構成してある請求項2に記載の電気錠用の通電装置。
【請求項4】
扉側通電装置は、電気錠を除く扉の適所で、かつ扉枠に設けた枠側通電装置に対向して設けてあるとともに、前記第1制御装置と第2制御装置とからなる制御回路は電気錠に内蔵してある請求項2に記載の電気錠用の通電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−63887(P2008−63887A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−244883(P2006−244883)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(000001074)クロイ電機株式会社 (49)
【出願人】(000130433)株式会社ゴール (52)
【Fターム(参考)】