説明

電気集塵装置

【課題】 高い集塵性能を有する電気集塵装置を小型かつ低コストで提供する。
【解決手段】 直流高電圧により気流中の塵埃を荷電して集塵する電気集塵器202と、前記電気集塵器202の下流側に設けられ、直流又は交流の高電圧によりイオン化された空気を生成して前記電気集塵器202から漏れ出た荷電塵埃を除電する除電器204と、前記電気集塵器202と除電器204とに各所要の高電圧を給電する共通の高圧電源部11とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気集塵装置に関し、起動によって機器内や部品が高温になる機器において、空冷により空気取り入れ口付近に取付けられ機器内に異物が入ることを防止する必要のあるもの、例えば複写機、プリンタ、投写型映像表示装置(液晶プロジェクタ)および空気清浄器(分煙機等の空気清浄機やエアコン搭載用空気清浄器)等に適用して好適なるものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、分煙機等の空気清浄機にでは、空気中のタバコ煙等(埃、塵埃)の捕集を行うことを目的にしているので、空気清浄機となる電気集塵器を筐体内に載置し、吸込み口よりタバコ煙等を含んだ空気を吸い込んで、電気集塵器でタバコ煙等を集塵して浄化した空気を筐体外へ排出しているが、電気集塵器でタバコ煙等を100%集塵することはきわめて難しいので、詳しくは後述するが電気集塵器を通過した埃(塵埃、荷電粒子)が空気清浄機の排気口付近の床や壁に付着して、床や壁を汚してしまうという問題があった。
【0003】
また、液晶プロジェクタでは、光源が発する熱により投影部(プロジェクタ)が高温になることを防止するために、プロジェクタに空気を送風している。この空気に含まれている埃(塵埃)がプロジェクタの内部部品に付着すると、映像が暗くなったり色合いが悪くなるという不具合が発生する。
【0004】
さらに、複写機やプリンタなどでも本体内のトナーを定着させるための高温になるローラや他の高熱部の温度上昇を防止するために空気を送風している。この空気に含まれている埃(塵埃)が内部機器に付着すると、印字不良が発生するなどの問題があった。
【0005】
この不具合を防止するために空気清浄機では電気集塵器後かつ送風ファンの間にスポンジなどで構成されたアフターフィルタ(所謂メカニカルフィルタ)を取り付けている。この方法では、フィルタに汚れが付着することにより、目が細かいフィルタであると目詰まりが発生し、通気抵抗(圧損)の増加により所望の処理風量が発揮できなくなることがあり、また、前記フィルタでも埃を全て捕集することはできないので、根本的な床や壁の汚れの対策とはなっていなかった。
【0006】
また従来のプロジェクタにおいては、空気の吸込口にスポンジ等で構成されたフィルタ(所謂メカニカルフィルタ)を配置している。この場合において、フィルタの目が細かいと目詰まりが発生しやすく、フィルタを頻繁に交換もしくは掃除しないと、プロジェクタの冷却が十分になされないおそれがある。またフィルタの目が粗いと、微粒子(微細な埃)がフィルタを通過してしまい、プロジェクタに微細な粒子が到達して付着し、プロジェクタ内部が汚れてしまう。
【0007】
そこで、従来は、電気集塵装置によって埃が除去された空気を用いてプロジェクタを冷却する方法や、除電装置によってイオン化された空気を用いてプロジェクタを冷却する方法が採用されている(例えば、特許文献1〜特許文献4参照)。
【特許文献1】特開2005−106903号公報
【特許文献2】実開平3−43629号公報
【特許文献3】特開2005−181587号公報
【特許文献4】特開2001−68293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、電気集塵装置のみを用いて空気中の埃を取り除く方法の場合は、実際埃を100%集塵することは極めて困難であり、多かれ少なかれ下流側に荷電した粒子(埃)が排出され、プロジェクタの部位に荷電粒子が付着いてしまう問題があった。
【0009】
一方、除電装置のみを用いてプロジェクタへの埃の付着を防止する方法であると、放電部が汚れて除電機能が低下し(即ち、イオンバランスが偏り)、逆に帯電装置となってプロジェクタに埃が付着してしまうおそれがあった。なお、イオンバランスとは、イオン照射後の残留電位が0Vからどの程度離れているかを示すもので、残留電位が定常的に0Vとなることが理想とされる。
【0010】
また、上記電気集塵装置も除電装置も共に高電圧を発生するためにトランスや高圧発生回路等の比較的大きな回路部品が必要となるため、高圧電源部を含む装置全体が大きくなり、プロジェクタ等の応用機器への実装が困難になる問題があった。
【0011】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、高い集塵性能を有する電気集塵装置を小型かつ低コストで提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の態様による電気集塵装置は、直流高電圧により気流中の塵埃を荷電して集塵する電気集塵器と、前記電気集塵器の下流側に設けられ、直流又は交流の高電圧によりイオン化された空気を生成して前記電気集塵器より抜け出た荷電塵埃を除電する除電器と、前記電気集塵器と除電器とに各所要の高電圧を給電する共通の高圧電源部とを備えるものである。
【0013】
本発明においては、電気集塵器より抜け出た荷電粒子をその下流側に設けた除電器で除電する構成により、空気中の埃がプロジェクタ等の冷却対象物や途中の通風路内に付着することを従来よりも確実に防止することができる。また、共通の高圧電源部より電気集塵器と除電器とに各所要の高電圧を給電する構成により、高い集塵性能を有する電気集塵装置を小型かつ低コストで提供できる。
【0014】
本発明の第2の態様では、前記高圧電源部は、入力の交流電圧を昇圧して交流高電圧を生成し、この交流高電圧を前記除電器の放電手段に供給する変圧手段と、前記変圧手段の交流高電圧をm(mは任意整数)倍圧整流して所定極性の複数種の直流高電圧を生成し、これらの直流高電圧を前記電気集塵器に供給する高電圧生成手段とを備える。
【0015】
本発明における除電器では、一つの放電手段(放電針)から正負のイオンを交互に発生することによりイオンバランスの経時的な偏りや、空間的な偏りを少なくすることができ、これにより電気集塵器を抜け出た荷電粒子に対する高い除電効果が得られる。また本発明では、このような構成の電気集塵装置に対しても必要最小限の構成からなる共通の高圧電源部より電気集塵器と除電器とに各所要の高電圧を効率よく給電できる。
【0016】
本発明の第3の態様では、前記高圧電源部は、入力の交流電圧を昇圧して交流高電圧を生成する変圧手段と、前記変圧手段の交流高電圧をm(mは任意整数)倍圧整流して所定極性の複数種の直流高電圧を生成し、これらの直流高電圧を前記電気集塵器と除電器の一部放電手段に供給する第1の高電圧生成手段と、前記変圧手段の交流高電圧をn(nは任意整数)倍圧整流して前記所定極性と反対極性の直流高電圧を生成し、この直流高電圧を前記除電器の残りの放電手段に供給する第2の高電圧生成手段とを備える。
【0017】
本発明における除電器では、正側の放電針と負側の放電針とにそれぞれ正負の直流高電圧を印加することにより、各放電針からはより多くの正と負のイオンが定常的に発生し、これにより電気集塵器を抜け出た荷電粒子に対する高い除電効果が得られる。また本発明では、このような構成の電気集塵装置に対しても必要最小限の構成からなる共通の高圧電源部より電気集塵器と除電器とに各所要の高電圧を効率よく給電できる。
【0018】
本発明の第4の態様では、前記高圧電源部は、入力の交流電圧を昇圧して交流高電圧を生成する変圧手段と、前記変圧手段の交流高電圧をm(mは任意整数)倍圧整流して所定極性の複数種の直流高電圧を生成し、これらの直流高電圧を前記電気集塵器に供給する第1の高電圧生成手段と、前記変圧手段の交流高電圧をn(nは任意整数)倍圧整流して前記所定極性と反対極性の直流高電圧を生成し、この直流高電圧を前記除電器の放電手段に供給する第2の高電圧生成手段とを備える。
【0019】
本発明においては、電気集塵器が塵埃を所定極性(例えば、正極性)に荷電して集塵する場合は、この電気集塵器を抜け出る荷電粒子の殆どは正極性に荷電しており、イオンバランスが正極性側に偏ることが明らかである。そこで、この場合の除電器では専ら反対極性(即ち、負極性)にイオン化された空気を生成することで、電気集塵器より抜け出た正極性の荷電粒子を効率良く除電する。本発明では、このような構成の電気集塵装置に対しても、必要最小限の構成からなる共通の高圧電源部より電気集塵器と除電器とに各所要の高電圧を効率よく給電できる。
【0020】
本発明の第5の態様では、前記電気集塵器と除電器との間に静電フィルタを設けた。
【0021】
本発明の第6の態様では、前記電気集塵器と除電器との間にメカニカルフィルタを設けた。
【0022】
本発明の第7の態様では、前記交流高電圧の周波数は10kHz乃至200kHzの範囲内にある。従って、変圧手段を小型にできる。
【発明の効果】
【0023】
以上述べた如く本発明によれば、高い集塵性能を有する電気集塵装置を小型かつ低コストで提供できるため、高性能な電気集塵装置およびそれを利用した機器の普及、拡大に寄与するところが極めて大きい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る電気集塵装置200の概略構成を示す図で、主に電気集塵器202と除電器204とに関する構成を示している。図中の矢印は電気集塵装置200における空気の流れを示し、図1の左側から右側に向かって空気が流れるようになっている。電気集塵装置200は、空気中の埃を捕捉するための電気集塵器202と、イオン化された空気分子を含む空気を供給するための除電器204とを備えて構成されている。除電器204は、空気の流れる方向で電気集塵器202よりも下流側に設けられている。したがって、電気集塵器202で埃が除去された空気が除電器204に供給されるようになっている。
【0025】
また、電気集塵装置200には、ファン206が設けられており、このファン206によって、電気集塵器202と除電器204を通過し、冷却対象物208に到達する空気の流れを生成するようになっている。
【0026】
なお、この例のファン206は、空気の流れ方向で、除電器204と冷却対象物208との間に設けられているが、冷却対象物208の下流側に設けられていてもよいし、または、電気集塵器202と除電器204との間に設けられていてもよい。
【0027】
また、ファン206による空気の流れ方向で、電気集塵器202の上流側には、開き目の比較的大きなフィルタ(例えば網目状のメカニカルフィルタ)210が設けられている。フィルタ210は、開き目が細か過ぎると前記のとおり目詰まりが発生しやすくなるので、比較的大きな埃(例えば、粒径が0.5mm以上の粗塵)を除去する程度の性能を持つように選択されている。さらに、ファン206による空気の流れ方向で、電気集塵器202と除電器204との間には、静電フィルタ(エレクトレットフィルタ)212が設けられている。
【0028】
静電フィルタ212は、電気を通しにくい高分子材料(テフロン(登録商標)、ポリプロピレン、マイラー等)等を加熱溶融し、これに直流の高電圧を加えながら電極の間で固化させたあと電極を取り去ることによって生成されるものである。これにより、電極に接していた面が正または負に帯電し、それらの分極が半永久的に保持されている。したがって、エレクトレットフィルタでは、その素材繊維(フィルタ繊維)がエレクトレット化しているため、静電気による吸引力が加わり、埃を捕集する効果が増加するようになっている。
【0029】
なお、フィルタ210、電気集塵器202、静電フィルタ212、除電器204、ファン206は、筒状の筐体215の内側に並んで設けられている。また、ファン206を電気集塵器202と除電器204との間に設けた場合は、ファン206が、静電フィルタ212の上流側に位置していてもよいし、下流側に位置していてもよい。
【0030】
ここで、電気集塵器202について詳しく説明する。この電気集塵器202は、荷電部214と集塵部216とを備えており、空気中の塵埃が荷電部214を通過するときに帯電し、この帯電した塵埃が集塵部216を通過するときに捕捉されるようになっている。
【0031】
より詳しく説明すると、荷電部214は、空気の流入方向と直交する面方向に等間隔で配置された複数の放電線(イオン化線)218と、この放電線218を挟んで上下にそれぞれ配置された板状の対向電極220とを備え、放電線218と対向電極220とは互いに離れて絶縁されている。放電線218は、金属製の細線からなり、例えばタングステン線のほか、抗張力に富む線材の表面に白金、ロジウム、パラジウム又はこれらの合金を被覆したメッキ線やクラッド線等の部材、又は同等の特性、機能を有する部材を用いることができる。対向電極220は例えば接地されている。そして、放電線218に電源から高い直流電圧(例えば正極性の7kV)を印加することにより、放電線218の周りにコロナ放電を起こし、周囲の空気を電離して正極性にイオン化すると共に、これらの+イオンが塵埃に付着することによってこの塵埃を正極性に帯電(荷電)させるようになっている。
【0032】
また、集塵部216にも、前記放電線218と平行に設けられた板状の電極222と、この電極222を挟んで上下にそれぞれ配置された板状の集塵電極224(図の例では、対向電極220と共通にしている)とが設けられており、電極222と集塵電極224とは互いに離れて絶縁されている。そして、電極222に前記電源から高い直流電圧(例えば+2.5kV)を印加することにより接地された集塵電極224との間に略一様な電界(静電場)を発生させる。図1の態様では正極性に帯電した塵埃が静電場から受けるクーロン力によって電極222に対しては反発すると共に、集塵電極224の側に引き寄せられ、集塵電極224によって捕捉(集塵)される。
【0033】
更に、除電器204では、放電針226によって正極性にイオン化された空気や負極性にイオン化された空気を生成することにより、集塵部216より抜け出た荷電粒子の電荷を中和(除電)すると共に、除電後の空気を冷却対象物208に当てることで冷却対象物208を帯電させることなく冷却することを可能とする。
【0034】
なお、一例の放電針226は、その基端部側が柱状に形成されており、先端部側が尖っている。例えば、基端部側が円柱状に形成されており、先端部側が円錐状に形成されている。なお、参照符号228は、接地された板状の電極を示しており、複数の放電針226と接地電極228とによってイオン化された空気を生成する。
【0035】
また、前述した静電フィルタ212は、集塵電極224に捕捉された塵埃が何らかの理由により集塵電極224から離れて再飛散した際に、これを捕捉する目的で設けられている。また、静電フィルタ212のかわりに同等性能を有するメカニカルフィルタを用いてもよい。
【0036】
なお、冷却対象物208としては、例えば、複写機内部、プリンタ内部、プロジェクタ内部等を掲げることができる。プロジェクタはディスプレイ装置の一種で、映像を大型スクリーンなどに投影することにより表示する装置である。プロジェクタには色々な種類があるが、例えば、液晶で生成された画像や映像を拡大して投影する装置のことをさすのが一般的である。
【0037】
ここで、電気集塵装置200の基本的な動作について説明する。まず、冷却対象物たるプロジェクタ208が稼動を開始すると、ファン206が稼動を開始し、電気集塵器202と除電器204に電力が供給される。これにより、図1に矢印で示すような空気の流れが発生し、筒状の筐体215の内側で電気集塵器202と除電器204を通過した空気がプロジェクタ208に到達し、プロジェクタ208を冷却するようになっている。
【0038】
本実施形態の電気集塵装置200によれば、電気集塵器202と除電器204とを備えているので、プロジェクタ208内部に空気中の塵埃が付着することを従来よりも確実に防止することができる。すなわち、従来のように、電気集塵器202だけを設けた構成であると、運転によって例えば帯電したプロジェクタ208の内部において部分的部位に、電気集塵器202で取りきれなかった塵埃が付着してしまう。一方、除電器204だけを設けた構成であると、埃が多い空気がそのままプロジェクタ208の内部に送られるのでプロジェクタ208に塵埃が付着するおそれが高い。
【0039】
これに対して本実施形態の電気集塵装置200は、電気集塵器202と除電器204とを備えることにより、まず空気中の埃の大部分を電気集塵器202で集塵すると共に、集塵部216より抜け出た一部の荷電粒子については、これらを除電器で除電して後、プロジェクタ208に到達させるため、塵埃はプロジェクタ208に付着することなく、そのままプロジェクタ208を通り抜けてしまう。こうして、プロジェクタ208に空気中の埃が付着することを従来よりも確実に防止することができる。
【0040】
また、この電気集塵装置200によれば、ファン206が除電器204とプロジェクタ208との間に設けられているので、除電器204でイオン化された空気分子を含む空気がプロジェクタ208とファン206とに到達するようになっており、ファン206が実質何れかの極性に帯電することが無くなり、プロジェクタ208だけでなくファン206への埃の付着をも防止することができる。この効果は、除電器204を単独で設けた場合における該除電器204によって得られる効果と同様である。
【0041】
また、ファン206を、空気の流れ方向で、プロジェクタ208の下流側に設けた場合には、除電器204でイオン化された空気を含む空気が直接的にプロジェクタ208に到達するため、プロジェクタ208が帯電することを一層効果的に防止することができる。
【0042】
また、この電気集塵装置200によれば、空気の流れ方向で、電気集塵器202と除電器204との間に静電フィルタ212が設けられているので、電気集塵器202から再飛散した埃(塵埃)を静電フィルタ212で効率よく捕らえることができ、さらに一層埃が取り除かれた空気を除電器204やプロジェクタ208に流入せしめることができる。
【0043】
ここで、冷却対象物208がプロジェクタである電気集塵装置200を用いた場合の効果を、図2を用いて説明する。塵埃として線香が発生する煙を用いてある。図2の横軸は線香の本数を示し、図2の縦軸は線香の煙を含む空気を所定時間プロジェクタに供給した場合の照度の低下率を示している。
【0044】
図2のグラフG3は電気集塵器202のみを用いた場合であり、線香の本数の増加に伴って照度が低下している。これに対して、グラフG1では電気集塵器202と除電器204とを設けてあるので、線香の本数増加しても照度の低下はほとんど発生していない。
【0045】
図3は本実施形態の動作を説明するための原理説明図である。プロジェクタ本体に設けた機械式の塵埃除去フィルタ1(プレフィルタ;図1に示すフィルタ210に相当)により空気中に浮遊する塵埃aのうち比較的寸法の大きい(例えば500μm以上の)塵埃がプロジェクタ内部に侵入することを防止する。また、帯電部6−1に設けた高圧電源8の正極(高圧)側電極3とその負極(アース)側電極2−1の間でコロナ放電を発生させ、このコロナ放電部を通過する塵埃bを正に荷電させる。コレクタ部6−2には高圧電源9の正極(高圧)側電極4とコレクタ電極2−2が設けられている。
【0046】
前述の帯電部6−1を通過することで正に荷電した塵埃bは高圧電極4に反発するとともに正電荷に働くクーロン力によりコレクタ電極2−2の側に吸着する。なお、帯電部6−1、コレクタ部6−2が、図1の電気集塵器202に相当する。
【0047】
更に、塵埃除去フィルタ5(静電フィルタ212に相当)により吸引した空気の塵埃を除去した後、除電器(図1の除電器204に相当)20により前記イオン化した塵埃を電気的に中和し、こうして得られた空気を遠心式送風機(図1のファン206に相当)により照明光学系を構成する部材の一部及び映像表示素子(図1の冷却対象物208に相当)に送り、冷却する構成とする。
【0048】
除電器20には、複数の針状電極21が設けられ、高電圧発生電源22が接続されている。針状電極21に、高電圧発生電源22からプラス・マイナス(±)の交流(AC)の高電圧を供給されることで、プラスイオンとマイナスイオンが放出される。上記塵埃帯電部6−1でプラスにイオン化された塵埃bは、集塵部6−2、機械式塵埃除去フィルタ5で捕集されるが、このうち数%は捕集されずにフィルタ5を通過してしまう。各フィルタから抜け出たイオン化された塵埃bは、そのまま送風ファンによって内部に送られる。塵埃bはイオン化されているためプロジェクタ内部の構成部材に付き易い状態となるが、除電器20から放出されるプラスやマイナスイオンと混合されることによって電気的に中和される。このため、、塵埃bがプロジェクタ内部の構成部材に付着することを防止出来る。
【0049】
図4は本発明の実施例としての集塵装置(電気式集塵装置と機械式塵埃除去フィルタの組み合わせ)10の全体構成を示す配置図である。プロジェクタ内部には高圧電源部11が併設されている。図4では機械式の塵埃除去フィルタ1をプロジェクタと一体化されているものの、別体として取り外し可能とし、使用者が必要に応じて取り外して掃除することをできるように構成しても良い。
【0050】
以上、本発明に係る電気集塵装置200に関して、電気集塵器202と除電器204とを組み合わせた場合の基本的な構成と動作について説明した。以上の説明では、電気集塵器202に給電する高圧電源部と除電器204に給電する高圧電源部とが別々に設けられていたが、もしこれらの高圧電源を効率良く一つにまとめることができれば、高性能な電気集塵装置200の全体をコンパクトに構成できる。そこで、本発明では、更に、電気集塵器202と除電器204とに供給すべき各所要の高電圧を必要最小限からなる構成により共通化することで単一の高圧電源部11から効率良く給電するようにしている。
【0051】
なお、除電器204の除電方式については幾つかの方法が考えられ、これに伴い、電気集塵器202と除電器204とに給電する高圧電源部11の構成も異なってくる。以下、実施形態に係る電気集塵装置200の幾つかの例を具体的に説明する。
【0052】
図5は第1実施形態に係る電気集塵装置200Aの概略構成図であり、AC高周波式の除電器204Aを組み合わせた場合を示している。AC高周波式とは、除電器204Aの放電針226に高周波交流高電圧(例えば20kHz〜70kHz)を印加するもので、商用周波数(50/60Hz)の交流で駆動する通常のAC式に比べて昇圧トランスを軽く、小型にできる利点がある。なお、電気集塵器202と除電器204Aの構成については上記図1で説明したものと同様で良いため、説明を省略する。ここでは、AC高周波式の除電器204Aに給電する高圧電源部11Aの構成について説明する。
【0053】
この高圧電源部11Aは、DC電源部31、交流発生回路32、変圧回路33、m倍圧整流回路34で構成されている。DC電源回路31は、商用入力の交流電圧(ACI00V、50Hz)を所定の直流電圧(例えばDC12V)に変換して出力する。交流発生回路32は、DC電源回路31の出力の直流電圧を入力として所定の高周波交流電圧(例えば50kHz、12V)を生成すると共に、この高周波交流電圧を変圧回路33の一次側に加える。この変圧回路33は、例えば高周波巻線(電磁)トランスにより構成されており、交流発生回路32の出力の高周波交流電圧を昇圧して所定の高周波交流高電圧(例えば50kHz、1KV)を出力する。
【0054】
変圧回路33の出力の高周波交流高電圧の一方はm倍圧整流回路34に入力され、このm倍圧整流回路34から複数種の直流高電圧が出力される。そのうちの直流高電圧V3(例えば7kV)は荷電部214の放電線218に印加され、この放電線218の周囲の空気を電離して正極性にイオン化する。更に、この正極性にイオン化された空気分子は付近の塵埃粒子に付着して該塵埃粒子を正極性に荷電する。一方、m倍圧整流回路34の出力の直流高電圧V2(例えば2.5kV)は集塵部216の板状電極222に印加され、接地された集塵電極224との間に略一様な静電場を発生させ、この静電場を通過する荷電粒子(塵埃)を捕捉する。
【0055】
また、上記変圧回路33の出力の高周波交流高電圧の他方は、除電器204Aの複数の放電針226にも加えられ、これら放電針226と接地されている板電極228との間をAC高周波式により駆動する。即ち、この場合の除電器204Aは、複数の放電針226によって+と−にイオン化された空気を交互に発生することで、集塵部216より抜け出た荷電粒子(塵埃)の主に+電荷を中和して除電し、これら除電された塵埃を空気と共に冷却対象物208に送ることで、冷却対象物208に塵埃を付着させることなく冷却対象物208を効率よく冷却できる。
【0056】
なお、変圧回路33の出力のコモン端子cの側をアース電位に固定したい場合はこのコモン端子cの側を接地してもよい。この点については以下の各実施形態についても同様である。
【0057】
本第1実施形態では、電気集塵器202とAC高周波式の除電器204Aで使用する各種高電圧を共通の高圧電源部11Aから供給することにより、変圧回路33等の共用可能な部分を必要最小限の部品で構成でき、電気集塵装置200Aをよりコンパクト且つ低価格に構成できる。
【0058】
また、共通の変圧回路33から電気集塵器202と除電器204Aとに給電する構成により、変圧回路33等の共用部分が何らかの理由で不調になった場合には電気集塵器202と除電器204Aとが共に動作不能となる。即ち、電気集塵器202のみが機能して除電機能が不充分であったり、あるいは除電器204Aのみが機能して電気集塵機能が不充分であるような場合を有効に回避できる。
【0059】
従って、本電気集塵装置200Aが、所要の性能を発揮できずに稼働を続けてしまうような状態を有効に回避できると共に、複雑な故障監視制御を行わなくても、一方(電気集塵器202又は除電器204A)の故障監視を行うだけの簡単な構成により、本電気集塵装置200Aを高い信頼性で使用できる。
【0060】
なお、変圧回路33については、上記高周波巻線(電磁)型のトランスに代えて圧電トランスを使用しても良い。圧電トランスでは、入力の電気エネルギーが1次側で機械的振動に変換され、この機械的振動の共振特性を利用して2次側のコンデンサに電荷を注入することにより高い電圧が発生する。巻線トランスは、絶縁耐圧の確保などのため、あまり薄型化できず、また様々な損失によって効率も上げにくいが、圧電トランスを使用することで変圧回路33の一層の小型化、軽量化を図ることが可能となる。この点については、以下の各実施形態についても同様である。
【0061】
次に、ここで、本実施形態で使用したm倍圧整流回路(本発明の高電圧生成手段に相当)を説明しておく。図9は実施の形態によるm(n)倍圧整流回路の回路図であり、図9(A)は正極性の直流高電圧を発生するm(=3)倍圧整流回路34の原理的な回路構成を示している。このm倍圧整流回路34は、コンデンサC1〜C3と、ダイオードD1〜D3とで構成される各整流回路を多段に接続した回路構成を有している。
【0062】
係る構成により、交流入力Vの負の半波ではダイオードD1が導通し、コンデンサC1を振幅Vまで充電する。次の正の半波ではダイオードD2が導通し、コンデンサC2を充電する。このとき、コンデンサC2には正の半波Vと前記コンデンサC1に充電されたチャージ電圧Vとの和が印加されるため、コンデンサC2の両端(即ち、コモン端子cと出力端子V2の間)には略2Vの電圧V2が得られる。さらに、この方法を繰り返すことで、任意m(mは整数)倍の直流高電圧を得ることができ、この回路はコッククロフト・ワルトンの回路として知られている。このm倍圧整流回路34では中間段より複数種の直流高電圧を取り出すことで、外部で必要とされる異なるレベルの正の直流高電圧を容易に提供できるようになっている。
【0063】
図9(B)は負極性の直流高電圧を発生するn(n=3)倍圧整流回路35の原理的な回路構成を示している。このn倍圧整流回路35は、コンデンサC5〜C7と、ダイオードD5〜D7とで構成される各整流回路を多段に接続した回路構成を有している。
【0064】
係る構成により、交流入力Vの正の半波ではダイオードD5が導通し、コンデンサC5を振幅Vまで充電する。次の負の半波ではダイオードD6が導通し、コンデンサC6を充電する。このとき、コンデンサC6には負の半波Vと前記コンデンサC5に充電されたチャージ電圧Vとの和が印加されるため、コンデンサC6の両端(即ち、コモン端子cと出力端子−V2の間)には略−2Vの電圧−V2が得られる。さらに、この方法を繰り返すことで、任意n(nは整数)倍の直流高電圧を得ることができる。このn倍圧整流回路35では中間段より複数種の直流高電圧を取り出すことで、外部で必要とされる異なるレベルの負の直流高電圧を容易に提供できるようになっている。
【0065】
図6は第2実施形態に係る電気集塵装置200Bの概略構成図であり、DC式の除電器204Bを組み合わせた場合を示している。DC式とは、除電器204Bの正放電針226pと負放電針226nとにそれぞれ正と負の直流高電圧を印加することにより、各放電針226p、226nからそれぞれ定常的に正と負のイオン化空気を発生させるものであり、各放電針226p、226nから一様に放出された正と負のイオン化空気は、上記AC高周波式の除電器204Aと比べると、除電対象物208に達するまでに各極性のイオン化空気が再結合しにくいため、生成イオンを遠くまで飛ばすことができる。
【0066】
なお、この例の電気集塵装置200Bでは除電対象物208に至るまでの筐体215の途中に延長部215eが設けられており、別々に発生された正と負のイオン化空気はこの延長部215eを通る間に適度に入り混じる。
【0067】
次に、このDC式の除電器204Bを実現する高圧電源部11Bの構成について説明する。この場合の高圧電源部11Bには負の直流高電圧を発生するn倍圧整流回路35が追加されている。他の、DC電源部31、交流発生回路32、変圧回路33、m倍圧整流回路34については上記図5で述べたものと同様でよい。
【0068】
変圧回路33の出力の高周波交流高電圧は、m倍圧整流回路34とn倍圧整流回路35とに入力されると共に、このm倍圧整流回路34からは複数種の正の直流高電圧V1〜V3が出力され、またn倍圧整流回路35からは負の直流高電圧−V1が出力される。そして、上記同様にして、m倍圧整流回路34の直流高電圧V3は荷電部214の放電線218に印加され、また直流高電圧V2は集塵部216の板状電極222に印加される。更に、このm倍圧整流回路34の正の直流高電圧V1は除電器204Bの正放電針226pに加えられ、一方、n倍圧整流回路35の負の直流高電圧−V1は除電器204Bの負放電針226nに加えられる。
【0069】
この場合の除電器204Bは、正放電針226pにより正極性にイオン化された空気と負放電針226nにより負極性にイオン化された空気をそれぞれ一様に発生することで、集塵部216より抜け出た荷電粒子(塵埃)の主に+電荷を中和して除電し、これら除電された塵埃を空気と共に冷却対象物208に送ることで、冷却対象物208に塵埃を付着させることなく冷却対象物208を効率よく冷却できる。
【0070】
本第2実施形態では、電気集塵器202とDC式の除電器204Bで使用する各種高電圧を共通の高圧電源部11Bから供給することにより、変圧回路33等の共用可能な部分を必要最小限の部品で構成でき、電気集塵装置200Bをよりコンパクト且つ低価格に構成できる。
【0071】
また、共通の変圧回路33からm倍圧整流回路34とn倍圧整流回路35とに給電する構成により、変圧回路33等の共用部分が何らかの理由で不調になった場合には電気集塵器202と除電器204Bとが共に動作不能となる。即ち、電気集塵器202のみが機能して除電機能が不充分であったり、あるいは除電器204Bのみが機能して電気集塵機能が不充分であるような場合を有効に回避できる。従って、複雑な故障監視制御を行わなくても、一方(電気集塵器202又は除電器204B)の故障監視を行うだけの簡単な構成により、本電気集塵装置200Bを高い信頼性で使用できる。
【0072】
図7は第3実施形態に係る電気集塵装置200Cの概略構成図であり、DC式の除電器204Bに給電するための他の例の高圧電源部11Cを示している。この例の変圧回路33’は2次巻線に中間タップを備えており、この中間タップをコモン端子cとして負荷に異なる振幅の高周波交流高電圧を提供可能となっている。この例の2次巻線の巻線比は例えばm:nとなっており、これにより負荷側には振幅がm:nの高周波交流高電圧を提供可能である。このため、負荷側には略同一の回路構成からなるm倍圧整流回路34とn倍圧整流回路35とを使用でき、部品や基板等の共通化による回路コストの低減化が図れる。
【0073】
図8は第4実施形態に係る電気集塵装置200Dの概略構成図であり、DC式による他の例の除電器204Cを組み合わせた場合を示している。ところで、この種の電気集塵器202では、塵埃を正極性に荷電して集塵するため、集塵部216より抜け出た塵埃の殆どが正極性に荷電しており、除電器204C以降におけるイオンバランスが正極性側に偏ることが明らかである。そこで、この例の除電器204Cでは、全ての放電針226に対してn倍圧整流回路35からの負の直流高電圧−V1が供給されており、これにより専ら負極性のイオン化空気を生成するようになっている。これにより集塵部216を抜け出た荷電粒子の電荷を効率良く除電できる。
なお、電気集塵器202で塵埃を負極性に帯電させた場合は、上記とは逆に除電器204Cで専ら正極性のイオン化空気を生成するように構成すれば良い。また、上記各実施形態では具体的数値例を伴って説明したが、本発明がこれらの数値例に限定されないことは言うまでも無い。
【0074】
図10は、本願発明の集塵装置10の具体的な実施例を示す図で電気集塵部(図中の2、3、4)と電源部分(図中51bに配置)を一体としている。塵埃除去フィルタ及び集塵装置各部の作用は図1において説明しているためここでは省略する。正極(高圧)側電源3とその負極(アース)側電極2が絶縁物を介してフレーム51aと一体に形成され、コレクタ電極4は別体として電源回路を配置するフレーム51bに取り付けられる。また、メインフィルタ5は後面筐体54とフレーム51bに挟まれた形で保持され、かつフレーム51aを含め後面筐体54と前面筐体52により一体化される。
【0075】
さらに、電気集塵部が高圧の活電部を有するために安全規格を満足するためには、前面筐体52には機械的強度を強化目的で補強プレート53を設けてある。
【0076】
図11は、図10に示した集塵装置10と電源部11を組み上げた状態を示す斜視図である。
【0077】
なお、上述した電気集塵装置200を備えた複写機、プリンタ、プロジェクタおよび空気清浄機は、空気中の埃を捕捉するための電気集塵器とこの電気集塵器の下流側にイオン化された空気分子を含む空気を供給するための除電装置とを備える電気集塵装置を筐体内に内装した機器であって、筐体を貫いている空気通路の上流側から下流側に向かって、電気集塵器、除電装置が順にならんで配置されており、前記電気集塵器を通過し、前記除電装置を通過した空気が筐体内の空気通路およびこの空気通路内に存在する対象物に到達するように構成されている電気集塵装置を内装した機器の例である。
【0078】
これにより、電気集塵器を通過し除電装置を通過した空気が対象物に到達するように構成されているので、複写機、プリンタ、プロジェクタおよび空気清浄機等の筐体内部や付近の壁や床に空気中の埃が付着することをより確実に防止することができると共に、イオナイザ(除電装置)の電極への塵埃の付着を防止することができる。
【0079】
すなわち、電気集塵器を通過してほとんどの塵埃が除去された空気のみが、イオナイザと筐体内の空気通路および同空気通路内に存在する対象物とに到達するので、イオナイザの電極は埃で汚れることを防止することができ、機器内通風路および同空気通路内に存在する対象物や排気口付近の床や壁への塵埃の付着を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施形態に係る電気集塵装置200の概略構成を示す図である。
【図2】電気集塵装置200の効果を説明する図である。
【図3】本発明の実施形態の原理説明図である。
【図4】本発明の実施例としての集塵装置の全体構成を示す構成図である。
【図5】第1実施形態に係る電気集塵装置200Aの概略構成図である。
【図6】第2実施形態に係る電気集塵装置200Bの概略構成図である。
【図7】第3実施形態に係る電気集塵装置200Cの概略構成図である。
【図8】第4実施形態に係る電気集塵装置200Dの概略構成図である。
【図9】実施の形態によるm(n)倍圧整流回路の回路図である。
【図10】本発明の実施例としての集塵装置を含めた主要部の構成を示す構成図である。
【図11】本発明の実施例としての主要部の構成を示す構成図である。
【符号の説明】
【0081】
1 機械式塵埃除去フィルタ
2−1 アース側電極
2−2 コレクタ電極
3 正極側電極
4 正極側電極
5 機械式塵埃除去フィルタ
6−1 帯電部
6−2 コレクタ部 8高圧電源
9 高圧電源
10 集塵装置
11 外部電源
20 除電器
21 針状電極
22 高電圧発生電源
51a、51b、51c フレーム
54 後面筐体
52 前面筐体
53 補強プレート
200 電気集塵装置
202 電気集塵器
204 除電装置
206 ファン
208 対象物
210 フィルタ
212 静電フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流高電圧により気流中の塵埃を荷電して集塵する電気集塵器と、
前記電気集塵器の下流側に設けられ、直流又は交流の高電圧によりイオン化された空気を生成して前記電気集塵器より抜け出た荷電塵埃を除電する除電器と、
前記電気集塵器と除電器とに各所要の高電圧を給電する共通の高圧電源部とを備えることを特徴とする電気集塵装置。
【請求項2】
前記高圧電源部は、
入力の交流電圧を昇圧して交流高電圧を生成し、この交流高電圧を前記除電器の放電手段に供給する変圧手段と、
前記変圧手段の交流高電圧をm(mは任意整数)倍圧整流して所定極性の複数種の直流高電圧を生成し、これらの直流高電圧を前記電気集塵器に供給する高電圧生成手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の電気集塵装置。
【請求項3】
前記高圧電源部は、
入力の交流電圧を昇圧して交流高電圧を生成する変圧手段と、
前記変圧手段の交流高電圧をm(mは任意整数)倍圧整流して所定極性の複数種の直流高電圧を生成し、これらの直流高電圧を前記電気集塵器と除電器の一部放電手段に供給する第1の高電圧生成手段と、
前記変圧手段の交流高電圧をn(nは任意整数)倍圧整流して前記所定極性と反対極性の直流高電圧を生成し、この直流高電圧を前記除電器の残りの放電手段に供給する第2の高電圧生成手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の電気集塵装置。
【請求項4】
前記高圧電源部は、
入力の交流電圧を昇圧して交流高電圧を生成する変圧手段と、
前記変圧手段の交流高電圧をm(mは任意整数)倍圧整流して所定極性の複数種の直流高電圧を生成し、これらの直流高電圧を前記電気集塵器に供給する第1の高電圧生成手段と、
前記変圧手段の交流高電圧をn(nは任意整数)倍圧整流して前記所定極性と反対極性の直流高電圧を生成し、この直流高電圧を前記除電器の放電手段に供給する第2の高電圧生成手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の電気集塵装置。
【請求項5】
前記電気集塵器と除電器との間に静電フィルタを設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つに記載の電気集塵装置。
【請求項6】
前記電気集塵器と除電器との間にメカニカルフィルタを設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つに記載の電気集塵装置。
【請求項7】
前記交流高電圧の周波数は10kHz乃至200kHzの範囲内にあることを特徴とする請求項2記載の電気集塵装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−29740(P2010−29740A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−191492(P2008−191492)
【出願日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(391009372)ミドリ安全株式会社 (201)
【Fターム(参考)】