説明

電気集塵装置

【課題】空気中の塵埃を捕集する電気集塵装置に関して、メンテナンス性を向上させるための架橋構造を有していても、高い集塵効率を維持できることを目的とする。
【解決手段】電気集塵装置の集塵部1は高圧電極2と集塵電極3とが交互に配列した構成である。高圧電極2は導電体4と半導電性材料からなる被覆膜5で構成され、その表面には突起6がある。また高圧電極2は長手方向にスライド可能に構成されている。メンテナンス時、高圧電極2をスライドさせると、突起6が集塵電極3表面を摺動し、堆積した塵埃が削ぎ落とされる。この構成により簡単な操作で塵埃を除去でき、メンテナンス性が向上する。またこのような高圧電極2の構成により、長期間電圧を印加しても集塵電極3との間の電位差が減少しない。したがってメンテナンス性を向上させるための架橋構造を有していても、高い集塵効率を維持できる電気集塵装置を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中の塵埃を捕集する電気集塵装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に電気集塵装置は電極間でコロナ放電を発生させて塵埃を帯電させる帯電部と、この帯電部により帯電された塵埃をクーロン力で集塵板に付着させる集塵部とで構成される。
【0003】
集塵部は定期的に掃除しないと塵埃が堆積し、性能の低下、音の発生、オゾンの発生、塵埃の発火等が生じる場合があるので、工業用電気集塵装置では、例えば、集塵板に付着した塵埃を槌打ち等の機械的衝撃によって定期的に除去する。民生用では、例えば、集塵部を取り外して水洗いし、乾燥後再使用する。
【0004】
このようなメンテナンスをユーザーが定期的に実施するのは面倒であり、メンテナンス性を向上し、ユーザーの負担を軽減した電気集塵装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
以下、その電気集塵装置について図6および図7を参照しながら説明する。図6は従来の電気集塵装置の集塵部を示す斜視図、図7は同上面図である。
【0006】
電気集塵装置の集塵部101は、長板状の高圧電極102と集塵電極103を交互に配設した構造である。高圧電極102は全周が絶縁被覆され、その両面には絶縁性突起104を備えている。絶縁性突起104は、空気流に対して平行な方向に延びると共に、これに対して直角な方向に沿って一定間隔で複数個設けられ、突端が集塵電極103に当接している。そして、高圧電極102または集塵電極103は長手方向にスライド可能であり、その動作によって集塵電極103に堆積した塵埃を削ぎ落とすことができる。これにより簡単な操作で塵埃を除去することができ、ユーザーの負担を軽減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3440403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来の電気集塵装置は、高圧電極102が絶縁体で被覆されており、また高圧電極102と集塵電極103とが絶縁性突起104によって多く架橋された構造になっている。このような構造では高圧電極102に長期間電圧を印加し続けると、絶縁体の表面に現れた電荷が架橋部分を介して集塵電極103へ移動する等して徐々に消失していき、高圧電極102と集塵電極103との電位差が減少する。その結果、電極間に発生する電界の強さが小さくなるため、集塵効率が低下するという課題を有していた。
【0009】
そこで本発明は上記従来の課題を解決するものであり、メンテナンス性を向上させるための架橋構造を有していても、高い集塵効率を維持できる電気集塵装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、本発明は、突起を備えた板状の高圧電極と、板状の集塵電極とが交互に配列した構成を有する集塵部を備えた電気集塵装置において、前記高圧電極が半導電性材料で被覆された導電体であり、前記突起が絶縁性材料または半導電性材料からなることを特徴としたものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
【0011】
また本発明は、突起を備えた板状の高圧電極と、板状の集塵電極とが交互に配列した構成を有する集塵部を備えた電気集塵装置において、前記高圧電極が半導電性材料からなり、前記突起が絶縁性材料または半導電性材料からなることを特徴としたものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、突起を備えた板状の高圧電極と、板状の集塵電極とが交互に配列した構成を有する集塵部を備えた電気集塵装置において、高圧電極が半導電性材料で被覆された導電体であり、突起が絶縁性材料または半導電性材料からなる構成とした。これにより、高圧電極または集塵電極をスライドさせると、高圧電極に備えられた突起が、集塵電極に堆積した塵埃と接触し、塵埃が削ぎ落とされる。よって、簡単な操作で塵埃を除去することができ、ユーザーのメンテナンス時における負担を軽減することができる。また半導電性材料はわずかに電気を通すので、高圧電極の表面の電荷が消失する環境が発生しても、導電体から電極表面へ緩やかに電荷を供給することができ、長期間電圧を印加しても集塵電極との間の電位差が減少しない。したがってメンテナンス性を向上させるための架橋構造を有していても、高い集塵効率を維持できる電気集塵装置を提供することができる。
【0013】
また本発明によれば、高圧電極が半導電性材料からなる構成としたことにより、半導電性材料はわずかに電気を通すので、高圧電極の表面の電荷が消失する環境が発生しても、電極表面へ緩やかに電荷を供給することができ、長期間電圧を印加しても集塵電極との間の電位差が減少しない。したがってメンテナンス性を向上させるための架橋構造を有していても、高い集塵効率を維持できる電気集塵装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1の電気集塵装置の集塵部を示す斜視図
【図2】同上面図
【図3】本発明の実施の形態2の電気集塵装置の集塵部を示す斜視図
【図4】同上面図
【図5】本発明の実施の形態3の電気集塵装置の構成を示す模式図
【図6】従来の電気集塵装置の集塵部を示す斜視図
【図7】同上面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の請求項1に記載の発明は、突起を備えた板状の高圧電極と、板状の集塵電極とが交互に配列した構成を有する集塵部を備えた電気集塵装置において、前記高圧電極が半導電性材料で被覆された導電体であり、前記突起が絶縁性材料または半導電性材料からなることを特徴とする電気集塵装置である。
【0016】
まず装置の動作、作用を記載する。
【0017】
集塵運転時において、電気集塵装置に塵埃を含む空気を流通させる。空気の流れ上流の帯電部においてコロナ放電を発生させて、空気中の塵埃を帯電させる。下流の集塵部において、高圧電極と集塵電極との間で電界を発生させて、帯電した塵埃をクーロン力で電極に付着させる。メンテナンス時において、高圧電極または集塵電極をスライドさせると、高圧電極に備えられた突起が、集塵電極に堆積した塵埃と接触し、塵埃が削ぎ落とされる。
【0018】
次に本発明の効果を記載する。
【0019】
この構成により、簡単な操作で塵埃を除去することができ、ユーザーのメンテナンス時における負担を軽減することができる。また高圧電極が半導電性材料で被覆された導電体なので、長期間電圧を印加しても集塵電極との間の電位差が減少しない。このメカニズムは次のように考えられる。
【0020】
絶縁体で被覆した場合、導電体に電圧を印加すると絶縁体に誘電分極が生じ、その表面に電荷が現れる。このとき、例えば塵埃の付着によって絶縁体表面と接地された集塵電極とが電気的に繋がる等により、絶縁体表面の電荷が消失することがある。絶縁体表面の電荷は一度消失すると、導電体に電圧を印加し続けても絶縁体内部を電荷が移動できないため、その表面に電荷を供給することができない。半導電性材料で被覆した場合、半導電性材料はわずかに電気を通すので、表面の電荷が消失する環境が発生しても、導電体から電極表面へ緩やかに電荷を供給することができ、電極間の電位差が減少しないと考えられる。
【0021】
したがってメンテナンス性を向上させるための架橋構造を有していても、高い集塵効率を維持できる電気集塵装置を提供することができる。
【0022】
本発明の請求項2に記載の発明は、突起を備えた板状の高圧電極と、板状の集塵電極とが交互に配列した構成を有する集塵部を備えた電気集塵装置において、前記高圧電極が半導電性材料からなり、前記突起が絶縁性材料または半導電性材料からなることを特徴とする電気集塵装置である。
【0023】
装置の基本的な動作、作用、効果は請求項1に記載の発明と同様であるので、異なる点を説明する。
【0024】
高圧電極が半導電性材料からなるので、長期間電圧を印加しても集塵電極との間の電位差が減少しない。これは導電体を半導電性材料で被覆した場合と同様に、半導電性材料がわずかに電気を通すので、表面の電荷が消失する環境が発生しても、電極表面へ緩やかに電荷を供給することができるためだと考えられる。したがってメンテナンス性を向上させるための架橋構造を有していても、高い集塵効率を維持できる電気集塵装置を提供することができる。
【0025】
本発明の請求項3に記載の発明は、高圧電極と集塵電極とが同じ構造の共用電極からなり、前記共用電極は半導電性材料で被覆された導電体であり、前記共用電極に絶縁性材料または半導電性材料からなる突起を設け、前記共用電極の一端に前記導電体に電圧を印加する給電部を設け、前記共用電極を前記給電部が交互に対向するように積層したことを特徴とする請求項1に記載の電気集塵装置である。
【0026】
これにより1種類の電極で集塵部を構成できるので、製造コストが低減できる。
【0027】
本発明の請求項4に記載の発明は、突起が高圧電極表面に、空気の流れ方向に沿って、一定間隔で複数個設けられ、その突端が集塵電極と接触することを特徴とする請求項1または2に記載の電気集塵装置である。
【0028】
これにより突起が集塵電極表面の広い範囲を摺動でき、電極に堆積した塵埃を効果的に削ぎ落とすことができる。
【0029】
本発明の請求項5に記載の発明は、突起が共用電極表面に、空気の流れ方向に沿って、一定間隔で複数個設けられ、その突端が隣り合う共用電極と接触することを特徴とする請求項3に記載の電気集塵装置である。
【0030】
これにより突起が共用電極表面の広い範囲を摺動でき、電極に堆積した塵埃を効果的に削ぎ落とすことができる。
【0031】
本発明の請求項6に記載の発明は、突起の突端が、集塵電極または共用電極との接触面積を増加させるように、広がっていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電気集塵装置である。
【0032】
突起の突端が尖っていると、電極表面を摺動したときに電極表面を傷付けたり、突起自体が磨耗したりするおそれがある。また突起をスペーサとして、積層した電極を突起で支える場合、突端が尖っていると突端にかかる圧力が大きくなり、電極や突起が破損するおそれが高まると同時に、スライド操作が困難になる。したがって突起の突端は、電極との接触面積がより大きくなるように広がっていることが好ましい。
【0033】
本発明の請求項7に記載の発明は、突起の全体または突端が、耐摩耗性と良摺動性を有する摺動材料であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電気集塵装置である。
【0034】
突起が電極表面を摺動すると、電極表面を傷付けたり、突起自体が磨耗したりするおそれがある。突起の全体または突端を耐摩耗性と良摺動性を有する摺動材料とすることで、電極や突起の破損を防ぐと同時に、スライド操作を容易にできる。摺動材料としては、フッ素系樹脂、超高分子量高密度ポリエチレン、ポリアセタール、ナイロン系樹脂等が知られており、特にフッ素系樹脂や超高分子量高密度ポリエチレンが耐摩耗性に優れている。現在、これらを含め多くの材料が改良、開発され、提案されている。
【0035】
本発明の請求項8に記載の発明は、半導電性材料からなる被覆膜、高圧電極、または突起の表面抵抗率が、10の7〜12乗Ω/□オーダーであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電気集塵装置である。
【0036】
一般に、電気集塵装置の集塵部において、例えば電極表面に塵埃が付着、堆積して電極間距離が局所的に小さくなった場合、スパークが発生するおそれがある。これは電極に与えられた電荷が空気というギャップを飛び越えて、対向する電極に急激に移動することによって引き起こされる。
【0037】
ここで、電極の表面抵抗率が10の7乗Ω/□以上であれば、電極表面の電荷の移動を制限することができ、スパークを防止することができる。また突起が半導電性材料からなり、電極間に架橋する場合も、接触しても電荷の移動は抑制されるので、スパークが生じず、電界を発生させることができる。
【0038】
また電極全体を半導電性材料で構成する場合、高圧電源から電極表面に電荷を与えられる表面抵抗率、すなわち10の12乗Ω/□オーダー以下の表面抵抗率であれば、電極間に電界を発生させることができる。
【0039】
また10の12乗Ω/□オーダー以下の表面抵抗率であれば、わずかに電荷が移動するので、電極表面の電荷が消失する環境が発生しても、電源から電極表面へ緩やかに電荷を供給することができ、電極間の電位差が減少しないと考えられる。
【0040】
したがって半導電性材料からなる被覆膜、高圧電極、または突起の表面抵抗率を10の7〜12乗Ω/□オーダーとすることで、スパークを防止しつつ、電界を発生させて塵埃を捕集すると共に、集塵効率の低下を防止することができる。
【0041】
本発明の請求項9に記載の発明は、半導電性材料が、主成分のポリマー(a)に、ポリマー(a)と親水性ポリマーとが交互に配列したブロックコポリマーを添加した樹脂であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の電気集塵装置である。
【0042】
例えばポリプロピレンやポリエチレンといったポリオレフィンを主成分のポリマー(a)として用いる場合、ポリオレフィンのブロックと親水性ポリマーのブロックとが交互に繰り返されるように配列したブロックコポリマーを半導電性を付与する添加剤として用いれば、主成分のポリマー(a)との相溶性が良く、相溶化剤を使わずに主成分のポリマー(a)中に微分散できる。他の主成分のポリマー(a)に対して相溶性を確保する場合、例えばポリマー(a)にポリアミドを用いるときは、上記ポリオレフィンのブロックをポリアミドのブロックに置き換えればよい。
【0043】
ここで半導電性を与えるのは、カルボキシル基、アミノ基、水酸基等の親水基を持つ親水性ポリマーのブロックである。この親水基に結合した水分が乖離してOH−とH+とになり、電荷を持つこれらのイオンが親水性ポリマーのブロックを伝わることで、樹脂は適切な表面抵抗率(例えば10の7〜12乗Ω/□オーダー)となり得る。主成分のポリマー(a)、例えばポリオレフィンには半導電性がないが、ブロックコポリマー同士がポリマー(a)中で接触しているため、あるブロックコポリマー中の親水性ポリマーブロックを伝わる電荷が、接触する別のブロックコポリマー中の親水性ポリマーブロックに伝わることで、樹脂全体が半導電性を有する。
【0044】
また、親水性ポリマーとしてポリエチレングリコールやポリアセタールといったポリエーテルを用いると、低湿度環境においても半導電性が得られる。ポリエーテルは主鎖に炭素と酸素のエーテル結合(ポリエチレングリコールであれば(−C−C−O−)n、ポリアセタールであれば(−C−O−)n)を規則的かつ連続的に有する。エーテル結合は炭素と酸素の電気陰性度の差により電気的な偏りがあり、酸素は正の電荷を、炭素は負の電荷を引き寄せる。このため極性分子である水を引き寄せるが、あくまで電気的引力によるものであるから、電界によって炭素鎖上を簡単に移動する。すなわちポリエーテルはエーテル結合が連続する主鎖が電荷の伝わる導電路となるため、電荷を容易に伝えることができる。これは金属イオン等その他の電荷も主鎖を伝わって移動させることが可能であり、湿度に依存せずに適切な表面抵抗率の半導電性を得ることができる。
【0045】
本発明の請求項10に記載の発明は、高圧電極、集塵電極、共用電極のいずれかがスライドすることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の電気集塵装置である。
【0046】
これにより突起が電極表面を摺動し、電極に堆積した塵埃を削ぎ落とすことができる。
【0047】
本発明の請求項11に記載の発明は、電気集塵装置の筐体に取っ手を備え、前記取っ手を引き出す操作で高圧電極、集塵電極、共用電極のいずれかがスライドすることを特徴とする請求項10に記載の電気集塵装置である。
【0048】
これにより装置外部からの簡単な操作で、電極に堆積した塵埃を除去することができる。
【0049】
本発明の請求項12に記載の発明は、高圧電極、集塵電極、共用電極のいずれかをスライドさせる駆動手段を備えたことを特徴とする請求項10に記載の電気集塵装置である。
【0050】
これにより人手をかけずに、塵埃を除去することができる。
【0051】
本発明の請求項13に記載の発明は、指定時間毎に駆動手段を作動させるタイマーを備えたことを特徴とする請求項12に記載の電気集塵装置である。
【0052】
これによりユーザーがメンテナンス操作を忘れても、定期的に自動で塵埃が除去され、塵埃の堆積による不具合を防ぐことができる。
【0053】
本発明の請求項14に記載の発明は、集塵電極または共用電極の重量を検知し、指定重量を超えた時点で駆動手段を作動させる重量センサーを備えたことを特徴とする請求項12に記載の電気集塵装置である。
【0054】
これにより塵埃の堆積具合が検知でき、ユーザーがメンテナンス操作を忘れても、適宜自動で塵埃が除去され、塵埃の堆積による不具合を防ぐことができる。
【0055】
本発明の請求項15に記載の発明は、空気の流れ方向が略鉛直方向となるように、高圧電極および集塵電極、または共用電極を配置したことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の電気集塵装置である。
【0056】
これにより、塵埃が削ぎ落とされたとき、重力によって自然に一箇所に回収できる。
【0057】
本発明の請求項16に記載の発明は、集塵部の空気の流れ上流側または下流側に集塵室を備えたことを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の電気集塵装置である。
【0058】
これにより、削ぎ落とされた塵埃を集塵室に回収できる。日常のメンテナンスとして、ユーザーは集塵室を取り外し、塵埃を廃棄すれば良く、容易である。
【0059】
本発明の請求項17に記載の発明は、集塵室に蓋を設け、前記蓋が高圧電極、集塵電極、共用電極のいずれかがスライドするのに連動して開き、スライド動作が完了した後閉じることを特徴とする請求項16に記載の電気集塵装置である。
【0060】
集塵室が開放されていると、回収された塵埃が空気の流れによって再飛散するおそれがある。塵埃除去の動作時のみ集塵室の蓋が開き、動作の完了と共に閉じる機構とすることで、回収塵埃の再飛散を防止することができる。
【0061】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0062】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の電気集塵装置の集塵部を示す斜視図、図2は同上面図である。
【0063】
実施の形態1の電気集塵装置の構成を説明する。
【0064】
電気集塵装置は、空気の流れ上流に帯電部(図示せず)と、下流に集塵部1を備えている。集塵部1は板状の高圧電極2と、同じく板状の集塵電極3とが交互に配列した構成である。高圧電極2は導電体4と半導電性材料からなる被覆膜5で構成され、その表面には絶縁性材料からなる突起6がある。突起6は高圧電極2表面に、空気の流れ方向に沿って、一定間隔で複数個設けられ、その突端が集塵電極3と接触している。突起6の突端は、集塵電極3との接触面積を増加させるように、T字型に広がっている。高圧電極2と集塵電極3は別々に筐体(図示せず)に固定され、高圧電極2は長手方向にスライド可能に構成されている。
【0065】
また突起6は、耐摩耗性と良摺動性を有する摺動材料で構成した。摺動材料としては、フッ素系樹脂、超高分子量高密度ポリエチレン、ポリアセタール、ナイロン系樹脂等を使用すればよく、特にフッ素系樹脂や超高分子量高密度ポリエチレンが耐摩耗性に優れている。
【0066】
また半導電性材料からなる被覆膜5の表面抵抗率は、10の7〜12乗Ω/□オーダーとなるように構成した。このような表面抵抗率を得るためには、主成分のポリマー(a)に、ポリマー(a)と親水性ポリマーとが交互に配列したブロックコポリマーを添加した樹脂等を用いればよい。
【0067】
実施の形態1の電気集塵装置の動作、作用を説明する。
【0068】
集塵運転時において、送風手段(図示せず)によって電気集塵装置に塵埃を含む空気を流通させる。空気の流れ上流において、高圧電源(図示せず)によって帯電部に高電圧を印加し、コロナ放電を発生させて、空気中の塵埃を帯電させる。同時に、下流の集塵部1において、高圧電源によって高圧電極2に高電圧を印加し、接地した集塵電極3との間に電界を発生させる。帯電した塵埃は、この電界によってクーロン力が作用し、集塵電極3に引き付けられて付着する。以上の作用によって空気中の塵埃は除去される。
【0069】
またメンテナンス時において、高圧電極2を長手方向にスライドさせると、突起6が集塵電極3表面を摺動し、堆積した塵埃が削ぎ落とされる。
【0070】
実施の形態1の電気集塵装置の効果を説明する。
【0071】
この構成により、簡単な操作で塵埃を除去することができ、ユーザーのメンテナンス時における負担を軽減することができる。また高圧電極2が導電体4と半導電性材料からなる被覆膜5で構成されるので、長期間電圧を印加しても集塵電極3との間の電位差が減少しない。このメカニズムは次のように考えられる。
【0072】
絶縁体で被覆した場合、導電体4に電圧を印加すると絶縁体に誘電分極が生じ、その表面に電荷が現れる。このとき、例えば塵埃の付着によって絶縁体表面と接地された集塵電極3とが電気的に繋がる等により、絶縁体表面の電荷が消失することがある。絶縁体表面の電荷は一度消失すると、導電体4に電圧を印加し続けても絶縁体内部を電荷が移動できないため、その表面に電荷を供給することができない。半導電性材料で被覆した場合、半導電性材料はわずかに電気を通すので、表面の電荷が消失する環境が発生しても、導電体4から電極表面へ緩やかに電荷を供給することができ、電極間の電位差が減少しないと考えられる。
【0073】
したがってメンテナンス性を向上させるための架橋構造を有していても、高い集塵効率を維持できる電気集塵装置を提供することができる。
【0074】
また、突起6の突端が尖っていると、電極表面を摺動したときに電極表面を傷付けたり、突起6自体が磨耗したりするおそれがある。また突起6をスペーサとして、積層した電極を突起6で支える場合、突端が尖っていると突端にかかる圧力が大きくなり、電極や突起6が破損するおそれが高まると同時に、スライド操作が困難になる。したがって突起6の突端は、実施の形態1のように、電極との接触面積がより大きくなるように広がっていることが好ましい。さらに突起6を耐摩耗性と良摺動性を有する摺動材料とすることで、電極や突起6の破損を防ぐと同時に、スライド操作を容易にできる。
【0075】
実施の形態1の電気集塵装置における半導電性材料について詳細に説明する。
【0076】
一般に、電気集塵装置の集塵部において、例えば電極表面に塵埃が付着、堆積して電極間距離が局所的に小さくなった場合、スパークが発生するおそれがある。これは電極に与えられた電荷が空気というギャップを飛び越えて、対向する電極に急激に移動することによって引き起こされる。
【0077】
ここで、電極の表面抵抗率が10の7乗Ω/□以上であれば、電極表面の電荷の移動を制限することができ、スパークを防止することができる。また突起6が半導電性材料からなり、電極間に架橋する場合も、接触しても電荷の移動は抑制されるので、スパークが生じず、電界を発生させることができる。
【0078】
また高圧電極2全体を半導電性材料で構成する場合、高圧電源から電極表面に電荷を与えられる表面抵抗率、すなわち10の12乗Ω/□オーダー以下の表面抵抗率であれば、電極間に電界を発生させることができる。
【0079】
また10の12乗Ω/□オーダー以下の表面抵抗率であれば、わずかに電荷が移動するので、電極表面の電荷が消失する環境が発生しても、電源から電極表面へ緩やかに電荷を供給することができ、電極間の電位差が減少しないと考えられる。
【0080】
したがって半導電性材料からなる被覆膜、高圧電極、または突起の表面抵抗率を10の7〜12乗Ω/□オーダーとすることで、スパークを防止しつつ、電界を発生させて塵埃を捕集すると共に、集塵効率の低下を防止することができる。
【0081】
このような表面抵抗率を得る手段の一つは、半導電性材料として、主成分のポリマー(a)に、ポリマー(a)と親水性ポリマーとが交互に配列したブロックコポリマーを添加した樹脂を用いることである。
【0082】
例えばポリプロピレンやポリエチレンといったポリオレフィンを主成分のポリマー(a)として用いる場合、ポリオレフィンのブロックと親水性ポリマーのブロックとが交互に繰り返されるように配列したブロックコポリマーを半導電性を付与する添加剤として用いれば、主成分のポリマー(a)との相溶性が良く、相溶化剤を使わずに主成分のポリマー(a)中に微分散できる。他の主成分のポリマー(a)に対して相溶性を確保する場合、例えばポリマー(a)にポリアミドを用いるときは、上記ポリオレフィンのブロックをポリアミドのブロックに置き換えればよい。
【0083】
ここで半導電性を与えるのは、カルボキシル基、アミノ基、水酸基等の親水基を持つ親水性ポリマーのブロックである。この親水基に結合した水分が乖離してOH−とH+とになり、電荷を持つこれらのイオンが親水性ポリマーのブロックを伝わることで、樹脂は適切な表面抵抗率(例えば10の7〜12乗Ω/□オーダー)となり得る。主成分のポリマー(a)、例えばポリオレフィンには半導電性がないが、ブロックコポリマー同士がポリマー(a)中で接触しているため、あるブロックコポリマー中の親水性ポリマーブロックを伝わる電荷が、接触する別のブロックコポリマー中の親水性ポリマーブロックに伝わることで、樹脂全体が半導電性を有する。
【0084】
また、親水性ポリマーとしてポリエチレングリコールやポリアセタールといったポリエーテルを用いると、低湿度環境においても半導電性が得られる。ポリエーテルは主鎖に炭素と酸素のエーテル結合(ポリエチレングリコールであれば(−C−C−O−)n、ポリアセタールであれば(−C−O−)n)を規則的かつ連続的に有する。エーテル結合は炭素と酸素の電気陰性度の差により電気的な偏りがあり、酸素は正の電荷を、炭素は負の電荷を引き寄せる。このため極性分子である水を引き寄せるが、あくまで電気的引力によるものであるから、電界によって炭素鎖上を簡単に移動する。すなわちポリエーテルはエーテル結合が連続する主鎖が電荷の伝わる導電路となるため、電荷を容易に伝えることができる。これは金属イオン等その他の電荷も主鎖を伝わって移動させることが可能であり、湿度に依存せずに適切な表面抵抗率の半導電性を得ることができる。
【0085】
なお、実施の形態1では高圧電極2を導電体4と半導電性材料からなる被覆膜5で構成したが、電極全体を半導電性材料で構成してもよい。この場合も前者と同様に、半導電性材料がわずかに電気を通すので、表面の電荷が消失する環境が発生しても、電極表面へ緩やかに電荷を供給することができると考えられる。
【0086】
なお、実施の形態1では突起6を絶縁性材料で構成したが、半導電性材料で構成してもよい。
【0087】
なお、実施の形態1では突起6を耐摩耗性と良摺動性を有する摺動材料で構成したが、その突端部分のみを摺動材料で構成しても目的の効果を発揮できる。
【0088】
なお、実施の形態1では高圧電極2がスライド可能に構成したが、集塵電極3がスライド可能に構成してもよい。
【0089】
また、電気集塵装置の筐体に取っ手を備え、取っ手を引き出す操作で高圧電極2または集塵電極3がスライドする構成としてもよい。これにより装置外部からの簡単な操作で、集塵電極3に堆積した塵埃を除去することができる。
【0090】
また、高圧電極2または集塵電極3をスライドさせる駆動手段を備えてもよい。これにより人手をかけずに、塵埃を除去することができる。さらに、指定時間毎に駆動手段を作動させるタイマーを備えてもよい。これによりユーザーがメンテナンス操作を忘れても、定期的に自動で塵埃が除去され、塵埃の堆積による不具合を防ぐことができる。またタイマーに換えて、電極の重量を検知し、指定重量を超えた時点で駆動手段を作動させる重量センサーを備えてもよい。これにより塵埃の堆積具合が検知でき、ユーザーがメンテナンス操作を忘れても、適宜自動で塵埃が除去され、塵埃の堆積による不具合を防ぐことができる。
【0091】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2の電気集塵装置の集塵部を示す斜視図、図4は同上面図である。
【0092】
実施の形態2の基本的な構成、動作、作用、効果およびバリエーションは実施の形態1と同様であるので、異なる点を中心に説明する。
【0093】
実施の形態2の電気集塵装置の構成を説明する。
【0094】
電気集塵装置の集塵部7は、高圧電極と集塵電極とが同じ構造の共用電極8からなり、これは導電体4と半導電性材料からなる被覆膜5で構成される。共用電極8表面には半導電性材料からなる突起6を設け、また共用電極8の長手方向の一端には導電体4に電圧を印加する給電部9を設けた。給電部9が交互に対向するように共用電極8を積層し、集塵部7を構成した。突起6は共用電極8表面に、空気の流れ方向に沿って、一定間隔で複数個設けられ、その突端が隣り合う共用電極8と接触している。突起6の突端は、接触している共用電極8との接触面積を増加させるように、T字型に広がっている。隣り合う共用電極8は別々に筐体に固定され、一方が長手方向にスライド可能に構成されている。
【0095】
実施の形態2の電気集塵装置の動作、作用を説明する。
【0096】
集塵部7は図4に示すように、中央線(C.L.)に対し左右対称の構造であり、長手方向の一方を高圧側、他方を接地側と定め、高圧側の給電部9は高圧電源に、接地側の給電部9はアースに接続する。
【0097】
集塵運転時において、高圧電源によって高圧側共用電極8aに高電圧を印加し、隣り合う接地側共用電極8bとの間に電界を発生させる。帯電した塵埃は、この電界によってクーロン力が作用し、接地側共用電極8bに引き付けられて付着する。
【0098】
またメンテナンス時において、高圧側共用電極8aを長手方向にスライドさせると、突起6が隣り合う接地側共用電極8b表面を摺動し、堆積した塵埃が削ぎ落とされる。
【0099】
実施の形態2の電気集塵装置の効果を説明する。
【0100】
この構成により、簡単な操作で塵埃を除去することができ、ユーザーのメンテナンス時における負担を軽減することができる。また共用電極8が導電体4と半導電性材料からなる被覆膜5で構成されるので、長期間電圧を印加しても電極間の電位差が減少しない。
【0101】
したがってメンテナンス性を向上させるための架橋構造を有していても、高い集塵効率を維持できる電気集塵装置を提供することができる。
【0102】
またこの構成により、1種類の電極で集塵部を構成できるので、製造コストが低減できる。
【0103】
なお、実施の形態2では突起6を半導電性材料で構成したが、絶縁性材料で構成してもよい。ただし、被覆膜5と同じ材料で構成する方が製造上容易なので、半導電性材料で構成する方が好ましい。
【0104】
(実施の形態3)
図5は本発明の実施の形態3の電気集塵装置の構成を示す模式図である。
【0105】
実施の形態3の基本的な構成、動作、作用、効果およびバリエーションは実施の形態1または2と同様であるので、異なる点を中心に説明する。
【0106】
実施の形態3の電気集塵装置の構成を説明する。
【0107】
電気集塵装置10は、空気の流れ上流側から順に帯電部11、実施の形態1の集塵部1、集塵室12および送風機13を備えている。集塵部1は、空気の流れ方向が略鉛直方向となるように、高圧電極2および集塵電極3を配置し、また集塵部1の電極を支持する筐体部分に取っ手14を設けた。また集塵室12には蓋15を設けた。
【0108】
実施の形態3の電気集塵装置の動作、作用を説明する。
【0109】
集塵運転時において、送風機13によって電気集塵装置10に塵埃を含む空気を流通させる。帯電部11でコロナ放電を発生させて、空気中の塵埃を帯電させる。同時に、集塵部1で高圧電極2と集塵電極3との間に電界を発生させる。帯電した塵埃は、この電界によってクーロン力が作用し、集塵電極3に引き付けられて付着する。以上の作用によって空気中の塵埃は除去される。
【0110】
またメンテナンス時において、送風機13を停止し、取っ手14を引き出すと高圧電極2が長手方向にスライドし、突起6が集塵電極3表面を摺動し、堆積した塵埃が削ぎ落とされる。この時、取っ手を引き出す操作に連動して、蓋15が開き、削ぎ落とされた塵埃は集塵室12に落下、回収される。そして取っ手14を押し込む(元の場所に戻す)操作に連動して、蓋15が閉じる。
【0111】
実施の形態3の電気集塵装置の効果を説明する。
【0112】
この構成により、簡単な操作で塵埃を除去することができる。また削ぎ落とされた塵埃が、重力によって自然に集塵室に回収できる。日常のメンテナンスとして、ユーザーは集塵室12を取り外し、塵埃を廃棄すれば良く、容易である。
【0113】
また集塵室12が開放されていると、回収された塵埃が空気の流れによって再飛散するおそれがある。塵埃除去の動作時のみ集塵室12の蓋15が開き、動作の完了と共に閉じる機構とすることで、回収塵埃の再飛散を防止することができる。
【0114】
なお、実施の形態3では集塵部に実施の形態1の集塵部1を適用したが、実施の形態2の集塵部7や関連する他の構成を適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明にかかる電気集塵装置は、メンテナンス性を向上させるための架橋構造を有していても、高い集塵効率を維持できる。これは、例えば家庭用空気清浄機や住宅用換気システム等に搭載する電気集塵装置として有用である。
【符号の説明】
【0116】
1 集塵部
2 高圧電極
3 集塵電極
4 導電体
5 被覆膜
6 突起
7 集塵部
8 共用電極
9 給電部
10 電気集塵装置
11 帯電部
12 集塵室
13 送風機
14 取っ手
15 蓋
101 集塵部
102 高圧電極
103 集塵電極
104 絶縁性突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
突起を備えた板状の高圧電極と、板状の集塵電極とが交互に配列した構成を有する集塵部を備えた電気集塵装置において、前記高圧電極が半導電性材料で被覆された導電体であり、前記突起が絶縁性材料または半導電性材料からなることを特徴とする電気集塵装置。
【請求項2】
突起を備えた板状の高圧電極と、板状の集塵電極とが交互に配列した構成を有する集塵部を備えた電気集塵装置において、前記高圧電極が半導電性材料からなり、前記突起が絶縁性材料または半導電性材料からなることを特徴とする電気集塵装置。
【請求項3】
高圧電極と集塵電極とが同じ構造の共用電極からなり、前記共用電極は半導電性材料で被覆された導電体であり、前記共用電極に絶縁性材料または半導電性材料からなる突起を設け、前記共用電極の一端に前記導電体に電圧を印加する給電部を設け、前記共用電極を前記給電部が交互に対向するように積層したことを特徴とする請求項1に記載の電気集塵装置。
【請求項4】
突起が高圧電極表面に、空気の流れ方向に沿って、一定間隔で複数個設けられ、その突端が集塵電極と接触することを特徴とする請求項1または2に記載の電気集塵装置。
【請求項5】
突起が共用電極表面に、空気の流れ方向に沿って、一定間隔で複数個設けられ、その突端が隣り合う共用電極と接触することを特徴とする請求項3に記載の電気集塵装置。
【請求項6】
突起の突端が、集塵電極または共用電極との接触面積を増加させるように、広がっていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電気集塵装置。
【請求項7】
突起の全体または突端が、耐摩耗性と良摺動性を有する摺動材料であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電気集塵装置。
【請求項8】
半導電性材料からなる被覆膜、高圧電極、または突起の表面抵抗率が、10の7〜12乗Ω/□オーダーであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電気集塵装置。
【請求項9】
半導電性材料が、主成分のポリマー(a)に、ポリマー(a)と親水性ポリマーとが交互に配列したブロックコポリマーを添加した樹脂であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の電気集塵装置。
【請求項10】
高圧電極、集塵電極、共用電極のいずれかがスライドすることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の電気集塵装置。
【請求項11】
電気集塵装置の筐体に取っ手を備え、前記取っ手を引き出す操作で高圧電極、集塵電極、共用電極のいずれかがスライドすることを特徴とする請求項10に記載の電気集塵装置。
【請求項12】
高圧電極、集塵電極、共用電極のいずれかをスライドさせる駆動手段を備えたことを特徴とする請求項10に記載の電気集塵装置。
【請求項13】
指定時間毎に駆動手段を作動させるタイマーを備えたことを特徴とする請求項12に記載の電気集塵装置。
【請求項14】
集塵電極または共用電極の重量を検知し、指定重量を超えた時点で駆動手段を作動させる重量センサーを備えたことを特徴とする請求項12に記載の電気集塵装置。
【請求項15】
空気の流れ方向が略鉛直方向となるように、高圧電極および集塵電極、または共用電極を配置したことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の電気集塵装置。
【請求項16】
集塵部の空気の流れ上流側または下流側に集塵室を備えたことを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の電気集塵装置。
【請求項17】
集塵室に蓋を設け、前記蓋が高圧電極、集塵電極、共用電極のいずれかがスライドするのに連動して開き、スライド動作が完了した後閉じることを特徴とする請求項16に記載の電気集塵装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−56403(P2011−56403A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−208906(P2009−208906)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】