説明

電池の処理装置

【課題】乾式方法を用いて廃電池をリサイクル処理するための前処理を簡単な施設で効率よく行うことができ、排出された電解液の処理が容易である電池の処理装置を提供する。
【解決手段】処理する電池セルCを収容する収容容器11と、収容容器11の底部に向かう方向に沿って移動可能に設けられた移動部材15と、移動部材15を移動させる移動手段と、を備えており、移動部材15が、収容容器11内の底部側に、複数の針状部材17を備えている。収容容器11内に処理する電池セルCを収容して、移動部材15を収容容器11の底部に接近離間させれば、電池セルCに孔を形成することができる。そして、孔を形成するだけであるあから電池セルC内の電解液の漏出を極力抑えることができる。また、電池セルCを収容する収容容器11と複数の針状部材17を設けた移動部材15だけで処理できるので、装置の構造を簡単な構造とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池の処理装置に関する。
使用済みの電池(以下、廃電池という)には、多数の有価金属(ニッケル、コバルト、マンガン、銅、リチウム等)が使用されているため、廃電池を解体して有価金属を回収するリサイクル処理が行われる。かかるリサイクル処理には、大きく分けて乾式処理と湿式処理がある。
本発明は、廃電池をリサイクル処理する処理方法のうち、乾式処理によってリサイクルする際の前処理を行うための電池の処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
廃電池をリサイクル処理する処理方法のうち、乾式処理は、放電処理を行った後の廃電池を、焙焼や熔融処理によって丸ごと加熱し溶融する処理を行う方法である。
しかし、廃電池の内部には、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸メチルエチル等などの電解液を含んでいる。このため、廃電池をそのまま加熱すると、上記のごとき電解液が気化膨張により爆発して、設備の破壊に繋がる危険性がある。
【0003】
かかる問題を防ぐために、通常、ウォータージェット等で廃電池を切断したり、2軸破砕機などで廃電池を破砕する処理を行った後、乾式処理が行われている(特許文献1〜3)。
しかし、これらの方法は、廃電池を処理する設備が大掛かりとなる上、一度に大量の廃電池を破砕した際に廃電池から漏出する電解液を回収等する処理が難しいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−251805号公報
【特許文献2】特表2004−508694号公報
【特許文献3】特許3495707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事情に鑑み、乾式方法を用いて廃電池をリサイクル処理するための前処理を簡単な施設で効率よく行うことができる電池の処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明の電池の処理装置は、乾式方法を用いて電池をリサイクル処理する処理装置であって、処理する電池を収容する収容容器と、該収容容器の底部に向かう方向に沿って移動可能に設けられた移動部材と、該移動部材を移動させる移動手段と、を備えており、前記移動部材側への前記電池の移動を制御する移動制御部材が設けられていることを特徴とする。
第2発明の電池の処理装置は、第1発明において、前記移動部材の経路において、該移動部材が前記収容容器内の底部から最も離間した位置に配置された状態における前記複数の針状部材の先端よりも前記収容容器内の底部側、かつ、該移動部材が前記収容容器内の底部に最も接近した位置に配置された状態における前記複数の針状部材の先端よりも前記移動部材側、に配置された、前記電池の前記移動部材側への移動を制御する移動制御部材が設けられていることを特徴とする。
第3発明の電池の処理装置は、第2発明において、前記移動制御部材は、前記移動部材と、前記収容容器の底部との間に設けられた板状の部材であり、前記複数の針状部材を挿通し得る複数の貫通孔が形成されていることを特徴とする。
第4発明の電池の処理装置は、第1、第2または第3発明において、前記収容容器が、液体を収容して保持し得る構造を有しており、前記電池の処理の際には、前記収容容器内に、前記電池とともに液体が収容されるものであることを特徴とする。
第5発明の電池の処理装置は、第1、第2、第3または第4発明において、前記電池のケースが熱可塑性材料によって形成されており、前記複数の針状部材を加熱する加熱手段を備えていることを特徴とする
【発明の効果】
【0007】
第1発明によれば、収容容器内に処理する電池を収容して、移動部材を収容容器の底部に接近離間させれば、電池に孔を形成することができる。そして、孔を形成するだけであるから電池内の電解液の漏出を極力抑えることができる。また、電池を収容する収容容器と複数の針状部材を設けた移動部材だけで処理できるので、装置の構造を簡単な構造とすることができる。
第2発明によれば、移動部材を上昇させたときに、電池が複数の針状部材に刺さったまま移動部材とともに上昇しても、移動制御部材に電池が当たれば、電池を複数の針状部材から外すことができる。すると、複数の針状部材に電池が刺さったままの状態となっていることに起因する電池処理能力の低下等が生じることを防ぐことができる。
第3発明によれば、移動制御部材に貫通孔が形成されているので、移動制御部材が板状であっても、複数の針状部材は貫通孔を透過するので、複数の針状部材によって電池を突き刺すことができる。そして、移動制御部材が板状の部材で形成されているので、移動制御部材と電池とを確実に接触させることができ、移動制御部材と電池とが当たったときに、電池を複数の針状部材から確実に外すことができる。
第4発明によれば、電池に電荷が残存していても、電池に孔を形成したときに、電池が爆発・発火するのを防止することができる。
第5発明によれば、電池への孔形成を容易にすることができ、電池の処理能力をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態の電池の処理装置10によって電池Cを処理する作業の概略説明図である。
【図2】本実施形態の電池の処理装置10によって電池Cを処理する作業の概略説明図である。
【図3】(A)は本実施形態の電池の処理装置10の概略平面図であり、(B)は(A)のB部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の電池の処理装置は、電池セルを乾式処理して有価金属を回収するための前処理として電池セル内の電解液を除去する作業を行う装置であって、複数の電池セルに対して同時に孔を形成することができるようにしたことに特徴を有するものである。
【0010】
なお、乾式処理とは、前処理が行われた電池セルを、例えば、電気炉等の溶解炉内において丸ごと加熱して電池セルを溶融する処理を行い、溶融物からスラグと有価金属のメタルを形成して、有価金属を回収する方法である。
【0011】
また、本発明の電池の処理装置によって処理される対象となる電池セルとしては、例えば、円筒型(鉄ケース)、角型(鉄ケースもしくはアルミケース)、ラミネート型のリチウムイオン電池やニッケル水素電池などであって、直径18mm、長さ65mm程度の単電池を挙げることができる。かかる電池セルは、例えば、パソコンや電気自動車、電動自転車、電動二輪車、携帯電話、デジタルカメラ、電動工具、家庭用蓄電池等のバッテリとして使用される、一般的な電池パックPBに使用される電池セルなどであるが、これらに限定されないのはいうまでもない。
【0012】
(本発明の電池の処理装置の説明)
つぎに、本発明の電池の処理装置を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の電池の処理装置(以下、単に処理装置10という)は、収容容器11と、収容容器11内に配置された移動部材15とを備えている。
【0013】
図1に示すように、収容容器11は、上端に開口部を有する中空な部材である。この収容容器11は、その内部に複数の電池セルCを底部に並べて収容し得る程度の大きさを有するものである。収容容器11としては、例えば、液体を収容して保持できる構造を有する金属製や樹脂製の部材や、網材やパンチングプレート等によって箱型や籠型に形成された金属製や樹脂製の部材等を挙げることができるが、複数の電池セルCを内部に収容しておくことができる部材であれば、とくに限定されない。
【0014】
図1に示すように、収容容器11内には、移動部材15が設けられている。この移動部材15は、板状の基板部16を備えている。この基板部16は、その形状が、収容容器11の中空空間の断面形状とほぼ同じ形状に形成されている。そして、この基板部16は、収容容器11内を昇降できる大きさに形成されている。つまり、基板部16は、略相似形であって、その大きさが中空空間の断面形状よりも少し小さくなるように形成されている(図3(A)参照)。
この基板部16において、収容容器11の底面側の面には、その先端が尖った棒状の部材である針状部材17が複数設けられている。つまり、移動部材15は、剣山のような構造を有する部材であって、その針状部材17の先端が収容容器11の底面を向くように、収容容器11内に配設されているのである。
【0015】
そして、処理装置10には、図示しないが、移動部材15が収容容器11の底面に対して接近離間するように、つまり、複数の針状部材17の先端が収容容器11の底面に対して接近離間するように、移動部材15を昇降させる移動手段を備えている。
なお、移動手段は、上記機能を有するものであればとくに限定されず、例えば、空気圧や油圧で作動するシリンダ等の種々の装置や機構を採用することができる。
【0016】
(本発明の電池の処理装置による電池セル処理の説明)
つぎに、処理装置10による電池セルCの処理作業を説明する。
まず、図1(A)に示すように、収容容器11内に処理対象となる電池セルC(放電処理がなされた電池セルC)を収容する。このとき、収容容器11の底部に電池セルC同士が重なり合わないように並べておくことが好ましい。
【0017】
なお、電池セルCを収容容器11内に収容する方法は、とくに限定されない。例えば、移動部材15を収容容器11の開口部から収容容器11外に取り出したりできる場合であれば、移動部材15を収容容器11から取り外して、収容容器11の開口部から電池セルCを収容容器11内に入れればよい。
また、移動部材15が収容容器11から取り外すことができない場合でも、収容容器11に、電池セルCを収容容器11内に投入するための投入口を設けておけばよい。
【0018】
収容容器11内に電池セルCが収容されると、移動手段によって、移動部材15を収容容器11の底面に対して接近するように移動させる。すると、移動部材15における針状部材17の先端を電池セルCの外面に接触させることができる。そして、針状部材17の先端が電池セルCの外面に接触した状態からさらに移動部材15を収容容器11の底面に向かって移動させれば、電池セルCの外面に針状部材17が突き刺さる(図1(B))。
【0019】
その後、移動手段によって、移動部材15を収容容器11の底面から離間するように移動させると、電池セルCに突き刺さっていた針状部材17が電池セルCから抜けるので、電池セルCの外面に孔を形成することができるのである。
【0020】
以上のごとく、本発明の電池の処理装置10によれば、収容容器11内に処理する電池セルCを収容して、移動手段によって移動部材15を収容容器の底部に対して接近離間させるだけで電池セルCに孔を形成することができる。すると、この電池セルCを溶融炉等において処理しても、気化した電解液は孔を通して電池セルCから外部に排出されるので、溶融炉等で溶融処理する際に、電池セルCが爆発する等の問題が生じることを防ぐことができる。
【0021】
しかも、処理装置10は、電池セルCを収容する収容容器11と、基板部16に複数の針状部材17を設けた移動部材15と、この移動部材15を移動させる移動手段だけで構成されているので、装置自体の構造を簡単な構造とすることができる。よって、処理装置10自体を小型化できるし、この処理装置10を備えた設備も小型化が可能となる。
【0022】
(収容容器11の説明)
また、収容容器11には、上述したように、網材やパンチングプレート等で形成された箱型や籠型の部材を使用してもよい。かかる収容容器11は、その重量が軽減されて取り扱い易くなるし、収容容器11内部における電池セルCの処理状況を外部から容易に確認することができる。
なお、収容容器11に網材やパンチングプレート等で形成された箱型や籠型の部材を使用した場合には、電池セルC内から電解液が流出した場合、電解液が収容容器11からも漏れだすので、漏れ出した電解液を回収する機構が必要となる。例えば、収容容器11の下方に、電池セルCから漏れ出した電解液を受け止める受け皿や容器等を配置する必要がある。
【0023】
さらに、収容容器11として、内部に液体を収容して保持しておくことができる部材を使用すれば、電池セルC内から電解液が流出した場合でも、その電解液を収容容器11内に保持しておくことができる。
しかも、かかる収容容器11を使用すれば、電池セルCからの放電を生じさせる電解質溶解水等の液体LQを、電池セルCとともに、収容容器11内に収容することも可能となる。すると、液体LQ中に浸漬された状態で電池セルCに孔を形成することができる(図2参照)。そして、かかる状態で電池セルCに孔を形成すれば、電池セルCに電荷が残存していても、電池セルCに孔を形成したときに、電池セルCが爆発・発火することを防止することができる。
【0024】
また、収容容器11内に、収容容器11に対して着脱可能である部材、例えば、網材やパンチングプレート等で形成された箱型や籠型の内部部材を設けてもよい。この場合には、内部部材を収容容器11から取り出すだけで電池セルCを収容容器11から取り出すことができるから、電池セルCを水切りすることができる。そして、電池セルC内から流出した電解液は液体LQともに収容容器11に保持されるので、電解液の回収性も向上させることができる。
なお、電池セルCとともに収容容器11内に収容する液体LQは、とくに限定されないが、水や食塩水など、放電を有利に進めることができる安価な電解質溶解水等が好ましい。
【0025】
(移動部材15の説明)
上記例では、移動部材15の基板部16が、収容容器11の断面形状と略相似形である場合を説明したが、移動部材15の基板部16は必ずしも収容容器11の断面形状と略相似形である必要はない。例えば、収容容器11の断面形状が矩形である場合において、基板部16は平面視で円形や楕円形であってもよい。
また、基板部16は、必ずしも平板である必要はなく、一方の面に複数の針状部材17を設けることができるものであればよい。
【0026】
ただし、基板部16に設けられる複数の針状部材17は、各電池セルCに対して、少なくとも一つの針状部材17を電池セルCに接触させることができるようになっていることが必要である。このように複数の針状部材17を配設されていれば、孔が形成されない電池セルCができることを防ぐことができるから、孔を有しない電池セルCが熔融炉に供給されることを防ぐことができる。
具体的には、図3(B)に示すように、隣接する針状部材17の距離および、収容容器11の壁面から壁面と最も近い針状部材17までの距離(図3(B)ではD1又はL1)が、少なくとも、処理すべき電池セルCの長さおよびその幅D2よりも短くなるように、複数の針状部材17が配設されていれば、全ての電池セルCに少なくとも一つの孔を形成することができる。
【0027】
なお、複数の針状部材17の配置は、上記条件を満たすのであれば、とくに限定されず、例えば、千鳥配置としてもよいし単純に格子状に配置してもよい。
【0028】
また、複数の針状部材17は、電池セルCに接触したときに、電池セルCの外殻に孔を形成できるものであればよく、その素材や断面形状、先端部の形状などはとくに限定されない。例えば、針状部材17として、その基端(基板部16に取り付けられている端部)から先端に向かって軸径が細くなるように形成されたものなどを採用することができる。かかる形状としておけば、移動部材15を下降させて電池セルCに針状部材17を突き刺した後、移動部材15を上昇させたときに、移動部材15とともに電池セルCが上昇する状況が生じにくくなるようにすることができる。
【0029】
そして、針状部材17の軸径もとくに限定されないが、電池セルCに形成される孔の大きさが、数ミリ程度、好ましくは5mmよりも小さくなるように、針状部材17はその軸径や形状が調整されていることが好ましい。かかる大きさの孔であれば、電池セルCに形成された孔から電解質が流出することを抑えることができるという利点が得られる。
【0030】
さらに、電池セルCのケースが、例えば、塩化ビニールなど熱可塑性材料によって形成されている場合であれば、針状部材17の素材として金属などの熱伝導性の高い素材を採用し、この針状部材17を加熱する加熱手段、例えば、ヒータ等を設けておくことが好ましい。かかる構成とすれば、加熱手段によって加熱された針状部材17が電池セルCのケースに接触すれば、ケースが柔らかくなるので、針状部材17によって孔を形成する際に、針状部材17をケースに押し付ける力が小さくても簡単かつ確実に孔を形成させることができる。
【0031】
(移動制御部材の説明)
また、移動部材15を下降させて電池セルCに針状部材17を突き刺した後、移動部材15を上昇させたときに、移動部材15とともに電池セルCが上昇する状況が生じる可能性がある。かかる状況が生じると、複数の針状部材17に刺さっている電池セルCが邪魔になって次回の処理ができなくなり、電池処理能力の低下等が生じたりする可能性がある。また、電池セルCに針状部材17が刺さっていることによって、電池セルC内から電解液が抜き取れないという問題も生じる。
そこで、かかる問題を防ぐ上では、図1に示すように、電池セルCがある程度以上移動部材15の基板部16側(図1では上方)に移動しないように制御する移動制御部材12を、収容容器11内に設けておくことが好ましい。具体的には、図1に示すように、移動部材15の移動経路において、移動部材15が収容容器11内の底部から最も離間した位置に配置された状態における複数の針状部材17の先端(図1(A)参照)よりも収容容器15内の底部側、かつ、移動部材15が収容容器11内の底部に最も接近した位置に配置された状態における複数の針状部材17の先端(図1(B)参照)よりもの基板部16側、に移動制御部材12を設けておくことが好ましい。
すると、移動部材15を上昇させたときに、電池セルCが複数の針状部材17に刺さったまま移動部材15とともに上昇しても、移動制御部材12に電池セルCが当たれば、電池セルCを複数の針状部材17から確実に外すことができる。
【0032】
上記のごとき移動制御部材12は、移動部材15を上昇させたときに、複数の針状部材17に刺さっている電池セルCと接触して、この電池セルCを針状部材17から離脱させることができるものであれば、どのような構成を採用してもよい。
例えば、図1に示すように、板状の部材を収容容器11内に設けて移動制御部材12としてもよい。この場合には、複数の針状部材17が昇降したときに、その先端が移動制御部材12よりも下方に移動できなければならない。よって、上記のごとき移動制御部材12を採用する場合には、複数の貫通孔を有するパンチングプレート、網状部材などによって移動制御部材12を形成すれば、これらに設けられている貫通孔を通して、針状部材17の先端を移動制御部材12の下方まで移動させて、電池セルCに接触させることができる。また、移動制御部材12として、針状部材17によって挿通し得る素材で形成された板を採用することも可能である。
【0033】
(その他)
なお、単に電池セルCを載せることができるだけの板状の部材を収容部材としてもよいが、この場合には、移動部材15の針状部材17が電池セルCと接触したときに、電池セルCが移動してしまい、孔形成がうまくできない可能性がある。しかし、収容部材11を、上述したように箱型や籠型とすれば、かかる問題が生じることを防ぐことができる。また、収容部材を板状としても、電池セルCの移動を防ぐストッパーなどを収容部材の上面に設けておけば、上記のごとき問題が生じることを防ぐことができる。例えば、収容部材の上面に、突起や壁などを設けておけば、電池セルCの移動を防ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の電池の処理装置は、乾式方法を用いて廃電池をリサイクル処理するための前処理を行う装置に適している。
【符号の説明】
【0035】
10 処理装置
11 収容容器
12 移動制御部材
15 移動部材
16 基板部
17 針状部材
C 電池セル
LQ 液体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾式方法を用いて電池をリサイクル処理する処理装置であって、
処理する電池を収容する収容容器と、
該収容容器の底部に向かう方向に沿って移動可能に設けられた移動部材と、
該移動部材を移動させる移動手段と、を備えており、
前記移動部材が、
前記収容容器内の底部側に、複数の針状部材を備えている
ことを特徴とする電池の処理装置。
【請求項2】
前記移動部材の経路において、該移動部材が前記収容容器内の底部から最も離間した位置に配置された状態における前記複数の針状部材の先端よりも前記収容容器内の底部側、かつ、該移動部材が前記収容容器内の底部に最も接近した位置に配置された状態における前記複数の針状部材の先端よりも前記移動部材側、に配置された、前記移動部材側への前記電池の移動を制御する移動制御部材が設けられている
ことを特徴とする請求項1または2記載の電池の処理装置。
【請求項3】
前記移動制御部材は、
前記移動部材と、前記収容容器の底部との間に設けられた板状の部材であり、
前記複数の針状部材を挿通し得る複数の貫通孔が形成されている
ことを特徴とする請求項2記載の電池の処理装置。
【請求項4】
前記収容容器が、
液体を収容して保持し得る構造を有しており、
前記電池の処理の際には、前記収容容器内に、前記電池とともに液体が収容されるものである
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の電池の処理装置。
【請求項5】
前記電池のケースが熱可塑性材料によって形成されており、
前記複数の針状部材を加熱する加熱手段を備えている
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の電池の処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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