説明

電池ディスペンサおよび補充器

【課題】電池の収納および分配を行う電池ディスペンサ、および電池ディスペンサ内の電池を交換する補充器を提供することにある。
【解決手段】一実施形態では、電池ディスペンサは、複数の電池を支持するディスクと、一開口を備えたカバーと、電池とカバーの前記開口とを整合させるべくディスクを回転させるグリップリング(108)と、電池をカバーの内部からカバーの外部の載置床まで前進させることができるプッシュ要素とを有している。ディスク(203)は、ロード位置と分配位置との間でグリップリング(108)に対して回転し、かつロード位置にあるときにグリップリングから取外すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池の収納および分配を行う電池ディスペンサに関する。また、本発明は、電池ディスペンサに挿入しかつ取出すことが可能な、電池を収納する補充器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば補聴器等の小型機器を作動させるのに使用されるボタンセル型電池は、サイズが小さいために、電池のパッケージから取出して、正しい方向で機器に挿入するのが困難である。例えばボタンセル型空気電池は酸素に触れると活性化され、従って、使用前には空気電池(metal-air cell)の空気入口ポートを覆っておくタブシステムを有している。タブシステムは、水蒸気がセルに出入りすることを制限し、かつセルが使用状態に置かれるときまでは、電池を活性化させるのに充分な空気がセル内に入ることを制限する。従って、電池がディスペンサから取出されると、タブシステムが除去されてポートが周囲環境の酸素に露出され、セルが活性化されることを可能にする。電池ディスペンサからの電池の取出し、タブシステムの除去および機器への電池の挿入時におけるこれらの電池の取扱いは、特に、使用者が不器用であるか、視力が劣っているか、その他の肉体的衰弱がある場合には困難である。
【0003】
これらの問題の或るものに対処する努力が、本願に援用する下記特許文献1においてなされており、該特許文献1には、電池を分配する過程または電池を端末機器に挿入する過程のいかなる時点でも、使用者が、電池を取扱う必要なくして電池ディスペンサから電池を取出すことを可能にする電池ディスペンサが開示されている。
【0004】
本願に援用する下記特許文献2には、カバーおよびベースが共通軸線の回りで相対回転でき、かつ使用者が、使用済みベースを取外した後に補充器のベースを取付けることができる構成の電池ディスペンサが開示されている。しかしながら、カバーとベースとが閉じられた後、電池の分配中にカバーを回転させると、カバーとベースとが不意に分離してしまうことがある。
【0005】
しかしながら、上記いずれの特許文献に開示の電池ディスペンサも、新しい電池をディスペンサ内に挿入できないだけでなく、分配時に電池を確実にディスペンサ内に固定しておく機構も設けられていない。
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,631,825 B1号明細書
【特許文献2】米国特許第6,581,799 B1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、電池の収納および分配を行う電池ディスペンサ、および電池ディスペンサ内の電池を交換する補充器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態では、電池ディスペンサは、複数の電池を支持するディスクと、グリップリングと、電池とカバーの開口とを整合させるべくグリップリングに対して回転できるカバーと、電池をカバーの内部からカバーの外部の載置床(landing)まで前進させることができるプッシュ要素とを有している。ディスクは、グリップリングに対してロード(装填)位置と分配位置との間で回転し、かつロード位置にあるときにグリップリングから取外すことができる。
【0009】
他の実施形態では、ディスクおよびグリップリングが協働して、ディスクがグリップリングに対して一軸線の回りで回転することを制限する。ディスクには、グリップリングと協働してグリップリングに対するディスクの回転を制限するハンドルを設け、これにより、電池が分配中にカバーの開口と整合して前進される間にディスクの回転とグリップリングの回転とが一致するように構成できる。
【0010】
他の実施形態では、電池ディスペンサ内に挿入される補充器が、複数の電池位置でベースにより支持された複数の電池と、電池をベースに固定するリテーナとを有している。ベースはまた、ディスペンサのキーと係合する開口を有している。任意であるが、補充器には、電池を固定すべくベースと電池との間に配置される接着プラットホームを設けることができる。他の実施形態では、補充器のベースが、ディスペンサの補充器のローディング時にディスペンサと協働する延長壁を有している。
【0011】
他の実施形態では、電池ディスペンサは、開口を備えたカバーと、電池とカバーの開口とを整合させるグリップリングと、電池をカバーの内部からカバーの外部の載置床まで前進させることができるプッシュ要素と、ベースおよび複数の電池を備えた補充器と、グリップリングに対してロード位置と分配位置との間で回転するディスクとを有している。ディスクは、ロード位置にあるときに、グリップリングから取外すことができる。他の実施形態では、ディスクは、電池を支持する補充器のベースであり、ディスクおよびグリップリングは協働して、グリップリングに対する一軸線まわりのディスクの回転を制限する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の例示実施形態は、添付図面を参照することにより理解されよう。図面中のコンポーネンツは必ずしも縮尺が正確ではない。また、添付図面中の幾つかの図面においては、対応部品には同一の参照番号が使用されている。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態による電池ディスペンサ100を示す斜視図である。電池ディスペンサ100は、カバー102と、プッシュ要素104と、載置床106と、グリップリング108とを有している。図1は、電池112が、電池ディスペンサ100の内部から載置床106まで前進された状態を示している。
【0014】
図2は図1の電池ディスペンサ100の分解図であり、補充器204をディスペンサ100内にローディングするため、底ディスペンサ203がグリップリング108から取外されている。電池ディスペンサ100が空であるとき、すなわちもはや電池112を収納していないときは、電池112の新サプライを収納した補充器204が、電池ディスペンサ100内にローディング填される。一実施形態では、ディスク203は、一軸線210の回りで、補充器204がローディングまたはアンローディングされるロード位置から、電池112を分配できる分配位置まで、グリップリング108に対して回転する。補充器204およびディスク203は、それぞれ、馬蹄形開口220、230を有し、これらの開口220、230は、ディスク203がロード位置にあるとき、グリップリング108のキー240と整合する。この場合、ディスク203は、グリップリング108内に配置でき、かつ電池ディスペンサ100は、電池112を分配する前に、ディスク203を軸線210の回りでグリップリング108に対して分配位置に回転させることにより、閉じることができる。同様に、電池ディスペンサ100は、ディスク203を逆方向に回転しかつグリップリング108から離れる方向にディスクを引っ張ることにより、開くことができる。
【0015】
図3は、本発明の一実施形態による図2の電池ディスペンサ100および補充器204を示す分解図である。カバー102には開口302が形成されており、該開口302に沿って、プッシュ要素104が、完全後退位置すなわち開位置と、完全伸長位置すなわち閉位置との間で両方向に移動できる。載置床106は、電池112を電子機器に装着する直前に開口302を通って移動された電池112を支持する。載置床106はカバー102と一体であるものが示されているが、グリップリング108に直接的または間接的に連結することもできる。グリップリング108はフランジ304を有し、該フランジ304は、カバー102の周縁部に沿って内方に延びた、連続的または不連続的なリップ306(仮想線で示す)にスナップ嵌合して、グリップリング108をカバー102に連結する。カバー102およびグリップリング108は軸線210の回りで相対回転し、電池を分配すべく、開口302を介して電池を露出させる。グリップリング108のキー240には、ディスク203が分配位置に配置されたときに該ディスク203の一部と係合する突出部307を設けることができる。グリップリング108の外周面には、使用者がグリップリング108に対してカバー102を容易に回転できるように、使用者によるグリップを改善するため、凹部308を設けるか、粗面化加工することができる。
【0016】
補充器204は、複数の電池112を支持するベース320と、電池112をベース320に固定する接着プラットホーム322と、ベース320に連結されるリテーナ324とを有している。ベース320は、複数の電池112が取付けられるタレット仕切り328を包囲するデッキ326を有している。ベース320のサイズは、デッキ326が、所望数の電池を収容できる充分に大きい表面積を有するように定められる。等間隔に配置されたタレット356を備えたタレット仕切り328は、プッシュ要素104と協働して、カバー102とベース320との相対回転を可能にしまたは防止する。例えば、プッシュ要素104およびタレット仕切り328は、電池112とカバー104の開口302とを整合させて電池112を分配すべく、プッシュ要素104がタレット仕切り328の内部にあるときにはカバー102とベース320とが相対回転できるように、また、プッシュ要素104がタレット仕切りの間に押出されているときには、カバー102とベース320との相対回転を防止するように協働できる。
【0017】
接着プラットホーム322はデッキ326上に配置され、電池112をベース320を固定する。接着プラットホーム322はプレカットでき、例えば、接着プラットホーム322は、複数の電池位置330に複数のU型ダイカット336を備えたものが示されている。プッシュ要素104が完全伸長位置すなわち閉位置にあるとき、補充器204およびディスク203がロード位置にあるとき、およびいずれかの電池112を分配する前のプッシュ要素104のために、少なくとも1つの空位置332が設けられている。電池112には、ボタンセル電池、例えば亜鉛−空気電池のような空気電池があるが、これらに限定されるものではない。空気電池は、接着プラットホーム322から解放されて空気に露出されると活性化される。
【0018】
リテーナ324はベースに対して電池112を押さえ付け、輸送時または取扱い時の振動または落下により電池112が飛び出てしまうことを防止する。電池112に加えられる押圧力により、電池が分配されるまで、電池が所定位置に確実に保持されることが補助される。また、接着プラットホーム322が押圧されるため、電池112とベース320との間に良好なシールを維持でき、空気電池の空気入口ポート内への空気の侵入を有効に制限して、早期完全活性化を防止する。
【0019】
リテーナ324には、電池位置330と一致する複数の開口340が形成されている。図3には、9個の開口340を備えたリテーナ324が示されており、ベース320は8個の電池位置330で8個までの電池112を収容する。1つの空位置332は、電池ディスペンサ100が閉じられているときにプッシュ要素104により占拠される。リテーナ324の開口340は、補充器204がローディングされまたは取出されるときに、プッシュ要素104を閉位置に伸長した状態に維持できる。プッシュ要素104はまた、電池112を一度に1つずつ分配すべく、完全後退位置と完全伸長位置との間で自由に移動できる。リテーナ324はまた、例えばプッシュ要素104が完全後退位置にあるときにプッシュ要素104がタレット仕切り328の周囲内まで移動されない限り、グリップリング108およびベース320が、或る条件下で、カバー102に対して回転することを防止する機能を有している。この点については更に詳細に後述する。
【0020】
リテーナ324は複数の支柱350を有し、該支柱350は、例えばヒートステーキング、超音波溶着および当業者に知られた他の方法により、ベース320の複数の開口352に連結される。他の実施形態では、リテーナ324はベース320と一体化できる。例えば、リテーナ324とベース320との間に電池112の挿入を可能にすべく撓んで開き、かつベース320上の電池112に対して押圧力を加えるべく閉じられるような少なくとも1つの可撓性部分(図示せず)をリテーナ324に設けることができる。
【0021】
他の実施形態では、ディスク203は、補充器204のベース320に取付けるためのスナップコネクタ354を有している。スナップコネクタ354は、連結されたときに、ベース320に対してディスク203の単一配向を確保できる形状を有している。例えば、スナップコネクタ354のデテント358とベース320の中央開口356の平セクションのノッチ359との整合により、ディスク203がロード位置にあるときに、それぞれ、ディスク203およびベース320の馬蹄形開口230、220がグリップリング108のキー240と整合することを確保できる。ベース320およびディスク203が一体にスナップ嵌合されると、ベース320の下方に延びている突出部252、254(図2)がディスク203の開口361、360内に嵌合され、ベース320の回転とディスク203の回転とが一致する。ベース320および補充器204がディスク203から取外されるとき、スナップコネクタ354の側のデテント358が押下げられ、ディスク203の周縁部に沿う凹部365は、使用者がベース320を掴んで両者を分離させることを可能にする。
【0022】
ディスク203はまた、ハンドル370を有している。該ハンドル370は、ディスク203の外面260(図2)から延びており、かつ電池ディスペンサ100内でディスク203を軸線210の回りで回転させることおよび電池112を交換すべくディスク203を軸線210に沿って取出しまたは挿入することの両方に使用できる。ディスク203の外面260はまた、ハンドル370のノブ373を受入れるための、下方に延びたソケット372を有している。ハンドルはディスク203の外面260(図2)に当接する折畳み位置にあるところが示されているが、ディスク203の底面260から離れるように下方に揺動させることができる。ハンドル370には、平縁部374を更に設けることができ、この平縁部374はハンドル370の回転を約90°に制限し、これによりハンドル370は、ディスク203の外面260に当接する折畳み位置から、ディスク203の外面260に対して垂直な位置まで揺動できる。
【0023】
補充器204を電池ディスペンサ100内にローディングするには、補充器204のベース320およびディスク203を、これらの馬蹄形開口220、230がそれぞれグリップリング108のキー240と整合するように、グリップリング108に対して配向する。補充器204およびディスク203は、ベース320の頂面が、グリップリング108のキー240を通り越して、グリップリング108の中央開口の内面上の周方向棚部376に接触するまで、軸線210に沿って上方に移動される。ディスク203がグリップリング108内にローディングされると、ディスク203の周縁部からの突出部380がグリップリング108のノッチ382内に嵌合される。
【0024】
補充器204が分配位置に回転されると、補充器204の周辺部が、キー240の頂面と周方向棚部376の隣接下面との間のギャップ内に移動される。
【0025】
補充器204およびディスク203がひとたび電池ディスペンサ100内にローディングされると、ディスク203は、グリップリング108と協働して、軸線210の回りでグリップリング108に対して回転することが制限される。ディスク203は、該ディスク203の縁部からの突出部380が、グリップリング108の内周部の一部に沿ってノッチ382から延びている溝384内で、溝384の端部のストップ壁386に接触するまで、ローディング位置から回転される。これにより、ディスク203は分配位置を占めたことになる。
【0026】
図4−図6は、本発明の一実施形態による電池ディスペンサ100およびディスク203が、ロード位置から分配位置まで回転するところを示す底面図である。図4は、ディスク203がロード位置にあるとき、ディスク203の馬蹄形開口230がグリップリング108のキー240と整合しており、かつディスク203の縁部からの突出部380がグリップリング108のノッチ382内にあるところを示している。ハンドル370の端部は、ディスク203の外面260(図2)に対して垂直な外方に延びているところが示されているが、ハンドル370は、ディスク203の外面260に対する多くの角度のうちの1つの角度に位置決めすることができる。
【0027】
図5は、ディスク203が、ロード位置から矢印502で示す時計回り方向に回転されたときの電池ディスペンサを示す底面図である。グリップリング108のキー240は、もはや、ディスク203の開口230とは整合していない。また、ディスク203の縁部からの突出部380は、周方向に延びている溝384(図3)に沿って案内されているので、もはやグリップリング108のノッチ382とは整合していない。
【0028】
図6は、ディスク203が分配位置に回転されたところを示す。突出部380は溝384(図3)のストップ壁386と接触しており、ディスク203がグリップリング108に対して同方向502(図5)に更に回転することが防止される。ロード位置から分配位置までのディスク203の回転角αは、補充器204(図3)のベース320上の電池位置の数に基いて定まり、変えることができる。
【0029】
図3に示す例示実施形態では、8個の電池位置プラス1個の空電池位置332があり、これらの全ての電池位置は等間隔である。空位置332(該空位置はロード位置においてキー240と整合される)は、ディスク203およびベース320と一緒に、グリップリング108に対して約40°回転され、最初の電池位置を分配位置の載置床106に整合させる。
【0030】
ディスク203が分配位置にあるとき、凹部405(図4)(該凹部は、ディスク203がロード位置にあるとき、キー240から隔たった位置にある)は、グリップリング108のキー240の突出部307と干渉して、ディスク203に対して抵抗を付与しかつディスク203をグリップリング108に対して所定位置に維持する。すなわち、突出部307および凹部405は、ディスク203が矢印502とは逆方向に不意に回転することを防止し、これにより開口230をキー240と再整合させ、ディスクがグリップリング108から滑り出ることができるようにする。
【0031】
他の実施形態では、ディスク203のハンドル370がグリップリング108と協働して、グリップリング108に対するベース320の移動を制限する。ディスク203が分配位置に回転されると、ハンドル370はグリップリング108に当接するように折畳むことができ、ハンドル370の突出部375はグリップリング108のノッチ382内に嵌合され、これにより、ディスク203が所定位置に有効にロックされるため、ディスク203および補充器のベース320の移動がグリップリング108の移動と一致するようになる。従って、ハンドルが折畳まれると、ディスク203およびグリップリング108は一体コンポーネントとしてロックされる。このため、電池112を分配すべく電池ディスペンサ100が操作される間に、補充器204が電池ディスペンサ100に固定される。カバー102およびグリップリング108は、電池を分配するのに、時計回り方向および反時計回り方向の両方向に相対回転できる。
【0032】
他の実施形態では、ディスク203は、単一コンポーネントとして補充器204と一体化できる。この場合には、上記ディスク203の少なくとも1つの特徴または複数の特徴の組合せを、補充器204のベース320に取入れることができる。例えば、ベースに、グリップリング108のノッチ382内に嵌合されかつ溝384に沿って摺動されるハンドル370および突出部380を設けることができる。
【0033】
図7は、本発明の他の実施形態による電池ディスペンサおよび補充器を示す分解図である。電池ディスペンサ700には、図1−図3の電池ディスペンサ100に関して上述したのと同じ幾つかの特徴を含めることができる。電池ディスペンサ700は、カバー702と、プッシュ要素104と、載置床706と、グリップリング708と、補充器704と、ディスク703とを有している。補充器704には、ベース720と、接着プラットホーム322と、複数の電池112と、リテーナ724と、開口761を介してディスク703に取付けられる下向き突出部752、754とを設けることができる。電池ディスペンサ700は、ディスク703を、軸線710の回りでグリップリング708に対してロード位置から分配位置に回転させることにより開閉できる。電池112を収納している補充器704がディスペンサ700内に挿入されると、ディスク703および補充器704ロード位置に配置され、これにより、ディスク703およびベース720の馬蹄形開口がグリップリング708のキー740を通りかつベース720の下向き突出部752がディスク703の開口761内に嵌合される。使用者は、ディスク703の外面760から外方に延びるハンドル770を掴むことによりディスク703を回転させることができる。他の実施形態では、ディスク703がベース720と一体化され、従って補充器704がディスク703を備えたものとして構成できる。
【0034】
ディスク703はグリップリング708と協働して、ディスク703が軸線710の回りでグリップリング708に対して回転することを、電池ディスペンサ100に関して上述したのと同じ態様で制限する。ディスク703は、ディスク703およびベース720が分配位置にあるときにディスク703の縁部からの突出部780がストップ壁786と接触するまで、突出部780が周方向溝784内で摺動するようにして、ロード位置から回転できる。
【0035】
本発明の他の実施形態では、カバー702は、グリップリング708と協働して、カバー702に対するグリップリング708の回転を制限する。グリップリング708は、カバー702の内面795に沿う複数のラチェットキャビティ790と相互作用すべく軸線710から離れるように外方に押圧されるフィンガ711を有している。グリップリング708が軸線710の回りでカバー702に対して回転されると、フィンガ711が、鈍壁(blunt wall)792およびテーパ状壁794を備えたキャビティ790内にスプリング作用により入り込む。フィンガ711がスプリング作用によりひとたびラチェットキャビティ790内に入り込むと、鈍壁792はフィンガ711に対する干渉表面を形成してカバー702に対するグリップリング708の一方向の回転を制限するが、テーパ状壁794は、フィンガ711が次のラチェットキャビティ790に向かって移動することを許容する。補充器704がひとたびローディングされかつ分配位置に配置されたならば、電池112を載置床706に向けて前進させるべく、カバー702に対するグリップリング708の回転が制限され、グリップリング708に対するベース720およびディスク703の両方の移動を制限する補助をすることが望ましい。かくして、カバー702に対するグリップリング708の回転が一方向に少なくとも部分的に制限されるならば、後述のように、ディスク703およびベース720を、周方向溝784のストップ壁786に向かう方向に移動させる状況下での、グリップリング708に対するディスク703およびベース720の漸動すなわちスリップを最小化できる。
【0036】
図8は、補充器704がローディングされかつディスク703が軸線710の回りでロード位置から分配位置へと矢印802で示す時計回り方向に回転された状態のディスペンサ700を示す底面図である。突出部780はノッチ782から離れる方向に移動しておりかつディスク703の馬蹄形開口730は、グリップリング708のキー740とは整合していない。ディスク703が分配位置にあるとき、キー740の突出部707(仮想線で示す)はディスク703の凹部705(仮想線で示す)と整合している。突出部707とキー740とが整合することにより、ディスク703をグリップリング708に対して同じ位置に維持し、補充器704およびディスク703の回転とグリップリング708の回転とを一致させることを補助できる。分配位置に到達するようにグリップリング708に対してディスク703が回転される回転角αは変えることができる。例えば、電池ディスペンサ700は、電池ディスペンサ100と同様に、8個の電池位置と、1つの空電池位置とを有しており、従って、ディスク703をグリップリング708に対して約40°回転させると、最初の電池位置とカバー702および載置床706とが整合される。しかしながら、突出部780をストップ壁786に到達させることができるディスク703の回転角αは、どの電池位置を載置床706に整合させるかによって変えることができる。
【0037】
図9は、図8に示すディスペンサ700の破線で囲んだ部分の拡大断面図である。カバー702のラチェットキャビティと、グリップリング708のフィンガ711との相互作用が示されている。ラチェットキャビティ790が設けられているため、カバー702およびグリップリング708が軸線710(図7)の回りで第一方向に回転することができ、かつカバー702がグリップリング708に対して第一方向とは逆の第二方向に回転することが制限される。例えば、ラチェット790(図7)は、電池ディスペンサ702の底から見て、矢印903で示す方向(例えば時計回り方向)に自由に回転できるように配向されている。ディスペンサから電池112を分配するためのカバー702の回転方向903は、グリップリング708の回転方向902とは逆方向である。カバー702の回転方向903は、ディスク703を回転してディスク703およびベース720をロード位置から分配位置に移動させる方向802(図8)と同じであり、グリップリング708の相対回転方向は、ディスク703を回転してディスク703およびベース720をロード位置から分配位置に移動させる方向802(図8)とは逆方向である。
【0038】
カバー702がグリップリング708に対して方向903に沿って回転されると、ラチェットフィンガ711がスプリング作用によりラチェットキャビティ790内に入り込み、該ラチェットキャビティ790で、ラチェットフィンガ711の端部が鈍壁792に隣接する。ひとたびこのように位置決めされると、フィンガ711とラチェットキャビティ790の鈍壁792との干渉により、方向903とは逆方向の、グリップリング708に対するカバー702の回転が制限される。ラチェットフィンガ711は更に突出部、例えば半月状突出部904を有し、該突出部904は、ラチェットキャビティ790に沿う異形凹部906と係合して、ラチェットフィンガ711とラチェットキャビティ790との間にデテント作用を与え、次の電池位置で回転が確実に停止するように補助する。
【0039】
使用者は、グリップリング708に対してカバー702を矢印903方向に回転させることにより、次の電池112を前進させて載置床706と整合させることができる。グリップリング708のフィンガ711と、カバー702のラチェットキャビティ790との相互作用により、カバー702およびグリップリング708が逆方向に相対移動することが制限される。この相互作用により、分配位置に移動させるべくディスク703およびベース720が回転される方向と同じ方向にグリップリング708が回転できる度合いが制限される。このため、グリップリング708が矢印802の方向に回転されるときに、ディスク703とグリップリング708との間の摩擦力により相対移動が制限され、これにより、ディスク703(図7および図8)の馬蹄形開口を漸動させてキー740に戻し、補充器704(図7)をディスペンサ700から落下させる。
【0040】
グリップリング708に対するカバー702の回転は、一方向には制限されるが、両者の逆方向の回転は可能である。使用者は、例えば、グリップリング708を次のラチェットキャビティ790と係合させることなく、角度αより小さい回転角で第一方向に回転させることができる。かくして使用者は、その意思があるならば、グリップリング708を矢印902とは逆方向に、元のラチェットキャビティ790まで回転させることができる。角度αが次の電池112を前進させるのに必要な回転角より小さいならば、これによって電池112がディスペンサ700から出てしまったりディスペンサ700に悪影響を与えることはない。カバー702およびグリップリング708が互いに制限を受ける回転角は変えることができる。図9に示す例示実施形態では、この制限は、ディスク703の突出部壁780(図7)をグリップリング708のストップ壁786(図7)に接触させるのに必要な回転角に等しい回転角αより小さい。前述のように、図7−図9の例示実施形態では回転角の制限は約40°より小さいが、約360°より小さい他の角度も可能である。
【0041】
図7に示すように、リテーナ724およびベース720は、リテーナ324(図3)およびベース320(図3)とは異なっており、これらは、使用できるリテーナおよびベースのまさしく2つの例である。リテーナ724は多数のスロット開口750を有しており、該スロット開口750はベース720のスナップコネクタ751を受入れて、リテーナ724をベース720に連結する。ベース720のスナップコネクタ751をリテーナ324のスロット開口750に通すラッチング嵌合により、各電池112に押圧力を加えることができる。また、カバー102、702の内面には、リテーナ724の頂部(またはリテーナ724が存在しない場合には電池112の頂部)に接触するフランジ、例えば突出部753を設けることができる。突出部753は、ベース720に対して電池112を平らに保持することを補助し、かつ電池112の底面とベース720との間または電池112とベース720上に配置される接着プラットホーム322との間に良好なシールを形成する。
【0042】
他の実施形態では、ディスク703は、単一コンポーネントとして補充器704と一体化することができる。この場合、前述のディスク703の少なくとも1つの特徴または複数の特徴組合せを補充器204のベース720に取入れることができる。例えば、ベースにはハンドル770と、グリップリング108のノッチ782内に嵌合されかつ溝784に沿って摺動できる突出部780を設けることができる。
【0043】
図10は、本発明の一実施形態による電池ディスペンサ100(図1および図2)のプッシュ要素104の部分側断面図であり、プッシュ要素104の作動を示すものである。プッシュ要素104は、下方に延びていて、分配作動中に電池112に接触しかつ該電池112を電池位置から載置床106まで前進させるラダー(rudder)を有している。プッシュ要素104(該プッシュ要素は、補充器204が最初にディスペンサ100内にローディングされた後に、空電池位置332(図3)を占める)は、完全伸長位置(仮想線で示す)から完全後退位置(実線で示す)に移動される。このとき、プッシュ要素104のラダー1011はタレット仕切り328(図3)の内側にあり、このため、カバー102およびグリップリング108は、電池112が載置床106と整合するまで、軸線210(図2および図3)の回りで相対回転される。載置床106には、分配中に電池112を制御しかつ載置床106上に維持することを補助する磁気コンポーネント1012(仮想線で示す)を設けることもできる。
【0044】
ラダー1011は、プッシュ要素104が閉位置すなわち完全伸長位置(仮想線で示す)にあることを使用者に気付かせるため、カバー102の開口302(図3)に対する境界側面を形成する。同様に、プッシュ要素104が開位置すなわち完全後退位置にあるときは、プッシュ要素104の後方底面から突出している小片(nub)1010がカバー102の外面に対する境界面を形成して、プッシュ要素104を完全後退位置に保持しかつ使用者に、カバー102およびグリップリング108が相対回転でき、他の電池112をカバーの開口302に位置決めできることを知らせる。
【0045】
図11は図1の電池ディスペンサ100の部分断面図であり、電池112がプッシュ要素104により矢印1102で示す方向に押されているところを示している。ベース320の周縁部1140は、接着プラットホーム322(図3)からの電池の取出しを容易にするため、傾斜させることができる。ベース320の周縁部1140とベースのデッキ326(図3)との間の角度βは、0°より大きい角度から約90°の範囲に定めることができ、またはこれより大きい範囲にすることもできる。延びたプッシュ要素104により電池112に加えられる力は、電池がベース320の周縁部1140に到達するときに電池を傾斜させる。接着プラットホーム322には、永久接着システム1130と、該永久接着システム1130と電池112との間に配置されたタブシステム1132とを設けることができる。電池112が載置床106上に押出されると、タブシステム1132は、電池112の下で、電池の変位方向とは逆の方向に折畳まれる。
【0046】
上面1106および下面1108の2つのレベルをもつノーズ1104の輪郭は、電池112が剥離可能な接着層1132から解放されるときに、電池112が傾斜するための付加間隙を形成できる。電池112を傾斜させることは、接着層1132からの電池112のきれいな剥離を容易にし、これにより、分配後に残留接着剤が電池112に付着することが防止される。このため、接着プラットホーム322は、電池がカバー102の内部から載置床106まで前進されるときに電池112から機械的に分離され、この間、接着プラットホーム322はベースにくっ付いた状態に維持される。
【0047】
図11はまた、載置床106の頂面が近位端1120から遠位端1122に向かって徐々に傾斜していて、電池112に、プッシュ要素104と載置床106との間でくさび作用を付与し、一層良く固定できるようにしていることを示している。前述のように、磁気コンポーネント1012は、載置床106上で電池112を制御しかつ載置床106に維持することを補助する。任意であるが、載置床106には、リブ付部分303(図3)設けるか、載置床106を、分配時に接着層が電池112の下で折畳まれるときにタブシステム1132の接着層が接触する表面積を減少させる他の輪郭にすることができる。従って、リブ付部分303により表面積を減少させることにより、タブシステム1132が載置床106に付着することを防止できる。
【0048】
上記例示実施形態の電池ディスペンサおよび補充器のコンポーネンツは、任意の適当な耐久性材料例えば、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ナイロン、ポリエチレンおよびポリスチレンを含む熱可塑性材料で作ることができるが、これらの材料に限定されるものではない。カバー102、702は、使用者が電池ディスペンサの中身を容易に視認できるように、例えばポリカーボネートまたはアクリル樹脂等の透明または半透明材料で作ることができる。適当なポリカーボネート材料として、G. E. Plastic社により製造されかつPolymer Land Service Center(Pittsburgh、ペンシルバニア州、米国)から販売されているLEXAN(登録商標)143Rがある。プッシュ要素104は、Dow Plastics社により製造されかつGeneral Polymers社(Columbus、オハイオ州、米国)から販売されているSTYRON(登録商標)6075等のポリスチレン材料から成形できる。
【0049】
タブシステム1132は、電池112の空気入口ポートを通る酸素および蒸気の拡散を制御できるポリマーフィルムの少なくとも1つの層と、電池112をポリマーフィルム上に保持すべくポリマーフィルムに塗布される剥離可能な接着層とからなる。永久接着システム1130は、タブシステム1132をベース320(図3)に固定する永久接着剤を有している。永久接着剤はダイカット336(図3)内に小さい領域のみを含むパターンに印刷される。これにより、電池112の分配前に、ダイカット336内の接着プラットホーム322の領域がベース320に保持されるとともに、分配時にはタブ層1130を電池112から容易に剥離できる。例えば、ポリマー層と、該ポリマー層に塗布される剥離可能なアクリル接着層とを含むタブシステム1132に適した材料として、Avery Dennison, Fasson Roll North America社(Painesville、オハイオ州、米国)から販売されているFASSON(登録商標)PRIMAX(登録商標)350のR143がある。永久接着システム1130に適した永久接着剤として、Schreiner GmbH & Co. KG社(Oberschleissheim、ドイツ国)の一部門であるSchreiner ProTechから販売されているアクリル接着剤がある。他の実施形態では、永久接着システム1130は、両面に永久接着剤を備えた弾性層例えば発泡層またはガスケットを有しかつベース320に接着される積層体で形成できる。
【0050】
以上、本発明を或る実施形態に関して図示しかつ説明したが、本明細書を読みかつ理解することにより、当業者ならば種々の変更をなし得ることは明白である。例えば、ベース320、720とグリップリング108、708(図3および図7)との移動を一致させるため、ディスク203、703(図3および図7)をグリップリング108、708によりロックする他の幾つかの手段および方法がある。例えば、他のロッキング手段は、ディスク203、703とグリップリング106、708との係合および離脱、およびベース203、703とグリップリング108、708との係合および離脱を行う別々のコンポーネントまたは複数のコンポーネンツで構成できる。他の方法は、補充ローディング中およびアンローディング中に、使用者が他の操作段階を行うことを必要とするように構成できる。本発明はこのようなあらゆる均等物および変更を含み、かつ特許請求の範囲によってのみ制限を受けるものである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態による電池ディスペンサを示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態による図1の電池ディスペンサの分解図であり、ディスペンサ内にローディングされる補充器を収容すべく、グリップリングから底ディスクを取外した状態を示すものである。
【図3】本発明の一実施形態による電池ディスペンサおよび図2の補充器を示す分解図である。
【図4】本発明の一実施形態による図1の電池ディスペンサの底面図であり、底ディスクがロード位置にあるところを示すものである。
【図5】本発明の一実施形態による図1の電池ディスペンサの底面図であり、底ディスクがロード位置と分配位置との間にあるところを示すものである。
【図6】本発明の一実施形態による図1の電池ディスペンサの底面図であり、底ディスクが分配位置にあるところを示すものである。
【図7】本発明の他の実施形態による電池ディスペンサおよび補充器を示す分解図である。
【図8】本発明の他の実施形態による図7の電池ディスペンサの底面図であり、底ディスクがロード位置から分配位置に回転されたところを示すものである。
【図9】本発明の他の実施形態による図8の電池ディスペンサの一部の拡大図であり、グリップリングとカバーとの協働関係を示すものである。
【図10】本発明の一実施形態による図1の電池ディスペンサの側面図であり、プッシュ要素が分配位置および閉位置にあるところを示すものである。
【図11】本発明の一実施形態による図10の電池ディスペンサの部分断面図であり、電池が電池ディスペンサから解放されるところを示すものである。
【符号の説明】
【0052】
100 電池ディスペンサ
102 カバー
104 プッシュ要素
106 載置床
108 グリップリング
112 電池
203 ディスク
204 補充器
320 ベース
322 接着プラットホーム
324 リテーナ
370 ハンドル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を備えたカバーと、
該カバーの外部に配置される載置床と、
電池を、カバーの開口を通して載置床に前進させるプッシュ要素と、
一軸線の回りでカバーに対して回転するグリップリングと、
前記軸線の回りで、グリップリングに対してロード位置と分配位置との間で回転するディスクとを有し、
該ディスクは、ロード位置にあるときにグリップリングから取外すことができることを特徴とする、電池を分配するための電池ディスペンサ。
【請求項2】
前記グリップリングはキーを有し、該キーは、ディスクがロード位置にあるときにディスクの開口に整合することを特徴とする請求項1記載の電池ディスペンサ。
【請求項3】
前記グリップリングのキーは、ディスクが分配位置にあるときにはディスクの開口に整合しないことを特徴とする請求項2記載の電池ディスペンサ。
【請求項4】
前記ディスクおよびグリップリングは協働して、ディスクが分配位置にあるときに、グリップリングに対するディスクの前記軸線の回りの回転を制限することを特徴とする請求項1記載の電池ディスペンサ。
【請求項5】
前記グリップリングは、周方向に延びた溝を形成する凹部を有し、
前記ディスクは、該ディスクがロード位置と分配位置との間で移動するときに前記溝内で摺動する突出部を有し、
前記周方向に延びた溝は、電池ディスペンサが分配位置にあるときにディスクの突出部が接触するストップを有していることを特徴とする請求項4記載の電池ディスペンサ。
【請求項6】
前記ディスクが分配位置にあるとき、前記軸線の回りのディスクの回転は、グリップリングの回転と一致することを特徴とする請求項1記載の電池ディスペンサ。
【請求項7】
前記グリップリングは周方向棚部を形成しており、ディスクは前記棚部とグリップリングのキーとの間に配置されていることを特徴とする請求項1記載の電池ディスペンサ。
【請求項8】
前記ディスクはハンドルを有し、該ハンドルは、ディスクの外面に対してロック位置とアンロック位置との間で移動できることを特徴とする請求項1記載の電池ディスペンサ。
【請求項9】
前記ハンドルは、グリップリングと協働して、前記軸線の回りでのグリップリングに対するディスクの回転を制限することを特徴とする請求項8記載の電池ディスペンサ。
【請求項10】
前記ハンドルは突出部を有し、該突出部は、ハンドルがロック位置にあるときにグリップリングの凹部内に配置されることを特徴とする請求項9記載の電池ディスペンサ。
【請求項11】
前記ディスクが分配位置にあるとき、ハンドルはロック位置にあることを特徴とする請求項8記載の電池ディスペンサ。
【請求項12】
前記ディスクの外面に対するハンドルの位置は、0−90°の範囲内の角度にあることを特徴とする請求項8記載の電池ディスペンサ。
【請求項13】
前記カバーは、前記軸線の回りで、グリップリングに対して、第一方向および該第一方向とは逆の第二方向に自由に回転できることを特徴とする請求項8記載の電池ディスペンサ。
【請求項14】
前記ディスクは、ディスクの外面に対して静止しているハンドルを有することを特徴とする請求項1記載の電池ディスペンサ。
【請求項15】
前記プッシュ要素は後退位置と伸長位置との間で移動でき、グリップリングおよびカバーは、プッシュ要素が後退位置にあるときにのみ相対回転できることを特徴とする請求項1記載の電池ディスペンサ。
【請求項16】
前記カバーは前記軸線の回りでグリップリングに対して回転し、この回転は、第一方向には制限されず、第一方向とは逆の第二方向には制限されることを特徴とする請求項15記載の電池ディスペンサ。
【請求項17】
前記グリップリングはラチェットフィンガを有し、前記カバーは、ラチェットフィンガを受入れるラチェットキャビティを有していることを特徴とする請求項16記載の電池ディスペンサ。
【請求項18】
前記ラチェットフィンガは、カバーがグリップリングに対して第二方向に回転されると、カバーの第一ラチェットキャビティからカバーの第二ラチェットキャビティに移動することが防止されることを特徴とする請求項17記載の電池ディスペンサ。
【請求項19】
前記ディスクは、該ディスクを前記軸線の回りで回転させるための、ディスクから延びているハンドルを有していることを特徴とする請求項18記載の電池ディスペンサ。
【請求項20】
前記ハンドルは曲がりくねった形状を有していることを特徴とする請求項19記載の電池ディスペンサ。
【請求項21】
前記ディスクの周縁部にはデテントが設けられていることを特徴とする請求項1記載の電池ディスペンサ。
【請求項22】
前記ディスクは更に、電池を備えた補充器にラッチするスナップコネクトを有していることを特徴とする請求項1記載の電池ディスペンサ。
【請求項23】
前記ディスクは更に、補充器の突出部を受入れる開口を有していることを特徴とする請求項1記載の電池ディスペンサ。
【請求項24】
複数の電池と、
複数の電池位置で複数の電池を支持するベースと、
該ベースに物理的に連通しているリテーナとを有し、
前記ベースが、電池ディスペンサのキーと係合する開口を備えていることを特徴とする電池ディスペンサの補充器。
【請求項25】
前記ベースは、電池ディスペンサと干渉すべく、ベースの周囲から半径方向に延びた突出部を有していることを特徴とする請求項24記載の補充器。
【請求項26】
前記ベースは、複数の電池を支持するベース表面とは反対のベース表面上にハンドルを有していることを特徴とする請求項24記載の補充器。
【請求項27】
前記ベースは、電池を支持するデッキと、該デッキとは反対側のベース表面から外方に突出した支柱とを有していることを特徴とする請求項24記載の補充器。
【請求項28】
前記ベースは、デッキと電池との間に接着プラットホームを有していることを特徴とする請求項27記載の補充器。
【請求項29】
前記ベースは、複数の電池位置および1つの空位置を有し、
接着プラットホームの一部は、複数の電池位置の各位置でプレカットされていることを特徴とする請求項28記載の補充器。
【請求項30】
前記ベースは、リテーナの開口を通って延びる脚を有していることを特徴とする請求項24記載の補充器。
【請求項31】
前記リテーナは、複数の電池に対して押圧力を加えることを特徴とする請求項24記載の補充器。
【請求項32】
前記電池はボタン型空気電池であることを特徴とする請求項24記載の補充器。
【請求項33】
電池を備えた補充器と、
開口を備えたカバーと、
該カバーの外部に配置される載置床と、
電池を、カバーの開口を通して載置床へと前進させるプッシュ要素と、
一軸線の回りでカバーに対して回転するグリップリングと、
前記軸線の回りで、グリップリングに対してロード位置と分配位置との間で回転するディスクとを有し、
該ディスクは、ロード位置にあるときにグリップリングから取外すことができることを特徴とする、電池を分配するための電池ディスペンサ。
【請求項34】
前記補充器はベースを有し、
補充器およびディスクは、前記軸線の回りのベースの回転がディスクの回転と一致するように協働することを特徴とする請求項33記載の電池ディスペンサ。
【請求項35】
前記ディスクは補充器のベースでありかつ電池を支持することを特徴とする請求項34記載の電池ディスペンサ。
【請求項36】
前記ディスクおよびグリップリングは協働して、ディスクが分配位置にあるときに、グリップリングに対する前記軸線の回りのディスクおよび補充器のベースの回転を制限することを特徴とする請求項34記載の電池ディスペンサ。
【請求項37】
前記グリップリングは、周方向に延びた溝を形成する凹部を有し、
前記ディスクは、該ディスクがロード位置と分配位置との間で移動するときに前記溝内で摺動する突出部を有し、
前記周方向に延びた溝は、電池ディスペンサが分配位置にあるときにディスクの突出部が接触するストップ壁を有していることを特徴とする請求項36記載の電池ディスペンサ。
【請求項38】
前記ディスクはハンドルを有し、該ハンドルはグリップリングと協働して、グリップリングに対する前記軸線の回りのディスクの回転を制限することを特徴とする請求項36記載の電池ディスペンサ。
【請求項39】
前記ハンドルは突出部を有し、該突出部は、ハンドルが分配位置にあるときにグリップリングの凹部内に配置されることを特徴とする請求項38記載の電池ディスペンサ。
【請求項40】
前記カバーは前記軸線の回りでグリップリングに対して回転し、この回転は、第一方向には制限されず、かつ第一方向とは逆の第二方向には制限されることを特徴とする請求項36記載の電池ディスペンサ。
【請求項41】
前記グリップリングはラチェットフィンガを有し、前記カバーは、ラチェットフィンガを受入れるラチェットキャビティを有していることを特徴とする請求項40記載の電池ディスペンサ。
【請求項42】
前記複数の電池はボタン型亜鉛−空気電池であることを特徴とする請求項40記載の電池ディスペンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2008−519397(P2008−519397A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539048(P2007−539048)
【出願日】平成17年10月25日(2005.10.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/038384
【国際公開番号】WO2006/049958
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(397043422)エバレデイ バツテリ カンパニー インコーポレーテツド (123)
【Fターム(参考)】