電池パック
【課題】 リリース操作を行った場合であっても、携帯端末から不用意に落下してしまうことを防止できる電池パックを提供する。
【解決手段】 リリース可動爪5をスライド操作すると、リリース可動爪5によるリリース可動爪受部9に対する係合が解除されるので、電池パック収容部4に収容されている電池パック収容部4が開放バネ端子に押されて外れようとする。このとき、電池パック収容部4に設けられている脱落防止爪10がリリース可動爪5に引っ掛かるので、電池パック収容部4が不用意に落下してしまうことを防止できる。このような状態で、電池パック収容部4を強く引っ張ると、脱落防止爪10が変形してリリース可動爪5の先端を通過するので、電池パック収容部4を携帯型バーコードリーダから取外すことができる。
【解決手段】 リリース可動爪5をスライド操作すると、リリース可動爪5によるリリース可動爪受部9に対する係合が解除されるので、電池パック収容部4に収容されている電池パック収容部4が開放バネ端子に押されて外れようとする。このとき、電池パック収容部4に設けられている脱落防止爪10がリリース可動爪5に引っ掛かるので、電池パック収容部4が不用意に落下してしまうことを防止できる。このような状態で、電池パック収容部4を強く引っ張ると、脱落防止爪10が変形してリリース可動爪5の先端を通過するので、電池パック収容部4を携帯型バーコードリーダから取外すことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末から取外し可能な電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末では電池パックを装着し、その電池パックに充電した状態で使用可能となっている。この電池パックは携帯端末の端子ピンと接触する受部を備え、携帯端末に装着する際に、端子ピンが受部に押されて没入して受部に弾性的に接することにより、端子ピンと受部との間の導通が図られている。
【特許文献1】特開2001−118552号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
引用文献1に記載された電池パックは、携帯端末に装着する際に端子ピンが受部に摺接することがないことから、端子ピンを破損することなく電池パックを携帯端末に装着することができる。
ところで、引用文献1のものでは、電池パックを重力に逆らって取り出す向き(上向き)にした状態で電池パックをリリースすれば、電池が落下してしまうことはないが、電池パックを下向きでリリースした場合には、リリース操作を行ったとたんに電池パックが不用意に落下してしまい、電池パックを損傷してしまう虞がある。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、リリース操作を行った場合であっても、携帯端末から不用意に落下してしまうことを防止できる電池パックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明によれば、携帯端末の電池パック収容部に電池パックが収容された状態では、電池パックの一端側に設けられた係合部は電池パック収容部の被係合部に係合していると共に、後端側に設けられたリリース可動爪受部はリリース可動爪により係合されている。このような状態で、リリース可動爪によるリリース可動爪受部に対する係合を解除すると、開放バネ端子により開放バネ受部が電池パック収容部から引き離される。これにより、電池パックを携帯端末から容易に取り外すことができる。
【0006】
ここで、電池パックを下方に向けた状態でリリース可動爪によるリリース可動爪受部に対する係合を解除すると、開放バネ端子により開放バネ受部が電池パック収容部から引き離される。このとき、脱落防止爪により電池パックが携帯端末から所定距離以上離間しないように制限されるので、電池パックが携帯端末から不用意に落下してしまうことを防止できる。このような状態から電池パックを強く引っ張ると、開放バネ端子が発生する引き離し力より大きな引き離し力を受けるようになるので、脱落防止爪は、携帯端末から所定距離以上引き離されないよう制限する機能を解除するようになる。これにより、電池パックを携帯端末から取り外すことができる。
【0007】
請求項2ないし4の発明によれば、脱落防止爪が携帯端末側に引っ掛ることにより、電池パックが携帯端末から不用意に落下してしまうことを防止できる。このような状態で、電池パックを強く引っ張ると、脱落防止爪が変形するようになるので、電池パックを携帯端末から取り外すことができる。
請求項5の発明によれば、変形した脱落防止爪を収容凹部に収容することができるので、脱落防止爪が電池パック側に大きく変形するにしても、その変形を許容することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(第1実施例)
以下、本発明を携帯型バーコードリーダに適用した第1実施例について図1ないし図7を参照して説明する。
図2は携帯型バーコードリーダの正面図である。この図2において、充電器1には携帯型バーコードリーダ(携帯端末に相当)2が載置されており、その載置状態で商用交流電源から携帯型バーコードリーダ2に充電するようになっている。つまり、充電器1及び携帯型バーコードリーダ2には図示しない接触端子がそれぞれ設けられおり、充電器1に携帯型バーコードリーダ2が載置された状態では、それらの接触端子同士が導通接触することにより携帯型バーコードリーダに内蔵された電池パック3(図3参照)に充電が行われるようになっている。
【0009】
図3は、携帯型バーコードリーダ2に内蔵されている電池パック3を取外した状態で示す斜視図である。この図3において、携帯型バーコードリーダ2の筐体の裏側には凹状の電池パック収容部4が形成されており、その電池パック収容部4に電池パック3が収容される。即ち、電池パック収容部4の周縁部にはリリース可動爪5がスライド可能に設けられており、そのリリース可動爪5が図示しない付勢手段による付勢状態で電池パック収容部4に突出している。このリリース可動爪5に対するスライド操作によりリリース可動爪5を電池パック収容部4から退出可能となっている。携帯型バーコードリーダ2においてリリース可動爪5の下部となる部位には電池パック収容部4と連通した凹部6が形成されている。
【0010】
電池パック3の前端部の下部中央には係合部7(図1参照)が前方に突出形成されており、その係合部7が電池パック収容部4の内面に形成された被係合部8に係合するようになっている。電池パック3の後端部にはリリース可動爪受部9が形成されており、そのリリース可動爪受部9にリリース可動爪5が係合するようになっている。
ここで、電池パック3の後端部にはゴム製の脱落防止爪10が後方に突出して一体に設けられており、電池パック3が電池パック収容部4に収容された状態で、脱落防止爪10がリリース可動爪5の下部に形成された凹部6内に位置している。電池パック3の後端部において脱落防止爪10とリリース可動爪受部9との間となる部位には収納凹部11が形成されている。
【0011】
電池パック収容部4の底面には開放バネ端子12が設けられており、電池パック3が電池パック収容部4に収容された状態で、その開放バネ端子12が電池パック3の裏側に設けられた図示しない開放バネ受部に付勢状態で接触するようになっている。
【0012】
次に上記構成の作用について説明する。
電池パック3が故障或いは寿命となったときは、電池パック3を次のようにして交換する。即ち、携帯型バーコードリーダ2に設けられたリリース可動爪5をスライド操作する。すると、リリース可動爪5による電池パック3のリリース可動爪受部9に対する係合が解除され、開放バネ端子12による電池パック3の開放バネ受部に対する付勢力により電池パック3が携帯型バーコードリーダ2から離れようとする。このとき、電池パック3が携帯型バーコードリーダ2の上側に位置させた状態でリリース可動爪5をスライド操作したときは、開放バネ端子12の付勢力により電池パック3の後端が上方に持ち上がるので、電池パック3を引っ張ることにより携帯型バーコードリーダ2から取り外すことができる。
【0013】
これに対して、電池パック3を携帯型バーコードリーダ2の下側に位置させた状態でリリース可動爪5をスライド操作したときは、開放バネ端子12で押された電池パック3が重力により不用意に落下してしまう。
しかしながら、電池パック3にはゴム製の脱落防止爪10が突出して設けられているので、電池パック3が落下しかかったところで、図4に示すように脱落防止爪10がリリース可動爪5に引っ掛るようになり、電池パック収容部4が携帯型バーコードリーダ2から不用意に落下してしまうことを防止できる。このような状態で、電池パック3を強く引っ張ると、図5に示すようにゴム製の脱落防止爪10が屈曲し、リリース可動爪5の先端を通過するようになるので、電池パック3を携帯型バーコードリーダ2から取り外すことができる。
【0014】
一方、例えば新しい電池パック3を携帯型バーコードリーダ2に取り付けるには、電池パック3の係合部7を携帯型バーコードリーダ2の電池パック収容部4の被係合部8に係合させた状態で電池パック3の後端部を押し込む。すると、図6に示すように脱落防止爪10がリリース可動爪5に引っ掛るので、電池パック3の後端部を強く押し込むと、図7に示すように脱落防止爪10がリリース可動爪5の先端を通過する。これにより、図1に示すようにリリース可動爪5を電池パック3のリリース可動爪受部9に係合するようになるので、電池パック3を携帯型バーコードリーダ2に取り付けることができる。
【0015】
このような実施例によれば、電池パック3にゴム製の脱落防止爪10を設け、リリース可動爪5に対するスライド操作により電池パック3を携帯型バーコードリーダ2から取り外す際に、脱落防止爪10がリリース可動爪5に引っ掛かるようにしたので、リリース可動爪をスライド操作すると、電池パックが不用意に落下してしまう虞がある従来例のものと違って、リリース可動爪5をスライド操作するにしても、電池パック3が携帯型バーコードリーダ2から不用意に落下して損傷してしまうことを防止できる。
しかも、このような優れた効果は、主に電池パック3の改造により実施することができるので、低コストで容易に実施することができる。
【0016】
(第2実施例)
次に本発明の第2実施例について図8ないし図13を参照して説明するに、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。この第2実施例は、携帯型バーコードリーダ2において電池パック3に設けた脱落防止爪10を引っ掛ける部位を変更したことを特徴とする。
電池パック3の後端部には2個の脱落防止爪10が設けられていると共に、電池パック収容部4の壁面部においてリリース可動爪5の両側となる部位には電池パック収容部4と連通した凹部21が形成されており、電池パック3が電池パック収容部4に装着された状態では、図9に示すように脱落防止爪10が凹部21内に位置している。
リリース可動爪5をスライド操作すると、電池パック3が開放バネ端子12により携帯型バーコードリーダ2から離れようとするものの、図10に示すように脱落防止爪10が凹部21の壁面部に引っ掛かるようになるので、電池パック3が不用意に脱落してしまうことを防止できる。このような状態で電池パック3を強く引っ張ると、図11に示すように脱落防止爪10が屈曲して凹部21の壁面部を通過するので、電池パック3を携帯型バーコードリーダ2から取り外すことができる。
【0017】
また、電池パック3を携帯型バーコードリーダ2に装着すると、図12に示すように電池パック3に設けられた脱落防止爪10が凹部21の壁面部に引っ掛かるので、電池パック3を強く押し込むと、図13に示すように脱落防止爪10が屈曲して電池パック収容部4の壁面部を通過して凹部21内に位置する。これにより、電池パック3を携帯型バーコードリーダ2に取り付けることができる。
【0018】
このような実施例によれば、電池パック3にゴム製の脱落防止爪10を設け、リリース可動爪5に対するスライド操作により電池パック3を携帯型バーコードリーダ2から取り外す際に、脱落防止爪10が携帯型バーコードリーダ2の凹部21の壁面部に引っ掛かるようにしたので、第1実施例と同様に、電池パック3に設けられた脱落防止爪10により電池パック3が携帯型バーコードリーダ2から不用意に落下して損傷してしまうことを防止できる。
【0019】
(第3実施例)
次に本発明の第3実施例について図14ないし図16を参照して説明する。この第3実施例は電池パック3に脱落防止爪を設け、その脱落防止爪の変位を利用したことを特徴とする。
脱落防止爪を示す図14において、脱落防止爪31は、例えば板バネにより形成されており、その先端には、半球形状の脱落防止用突起31aが膨出形成されている。
【0020】
電池パック3を携帯型バーコードリーダ2から取り外すためにリリース可動爪5をスライド操作すると、電池パック3のリリース可動爪受部9がリリース可動爪5を通過するものの、図15に示すように脱落防止爪31の脱落防止用突起31aがリリース可動爪5の先端に引っ掛るので、電池パック3が携帯型バーコードリーダ2から不用意に落下してしまうことを防止できる。このような状態で電池パック3を強く引っ張ると、図16に示すように脱落防止用突起31aがリリース可動爪5の先端に押されて変位するので、脱落防止用突起31aがリリース可動爪5の先端を通過する。これにより、電池パック3を携帯型バーコードリーダ2から取り外すことができる。
【0021】
一方、電池パック3の係合部7を携帯型バーコードリーダ2の被係合部8に係合した状態でその後端部を強く電池パック収容部4に押し付けると、脱落防止用突起31aがリリース可動爪5の先端に押されて変位し、脱落防止爪31がリリース可動爪5の先端を通過するようになるので、電池パック3を携帯型バーコードリーダ2に取り付けることができる。
【0022】
このような実施例によれば、バネ部材で形成された脱落防止爪31を電池パック3に固定するだけで実施することができるので、第1実施例と同様に、低コストで容易に実施することができる。
本発明は、上記実施例に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
脱落防止爪10,31を電池パック3に対して着脱可能としてもよい。
脱落防止爪が変形するのに代えて、スライド可能に設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施例における要部の断面を示す模式図
【図2】充電器に載置された状態で示す携帯型バーコードリーダの正面図
【図3】携帯型バーコードリーダからの取外し状態で示す電池パックの斜視図
【図4】取外し過程を示す電池パックの断面図(その1)
【図5】取外し過程を示す電池パックの断面図(その2)
【図6】装着過程を示す電池パックの断面図(その1)
【図7】装着過程を示す電池パックの断面図(その2)
【図8】本発明の第2実施例を示す図3相当図
【図9】図1相当図
【図10】図4相当図
【図11】図5相当図
【図12】図6相当図
【図13】図7相当図
【図14】本発明の第3実施例を示す図1相当図
【図15】図4相当図
【図16】図5相当図
【符号の説明】
【0024】
図面中、1は充電器、2は携帯型バーコードリーダ(携帯端末)、3は電池パック、4は電池パック収容部、5はリリース可動爪、7は係合部、8は被係合部、9はリリース可動爪受部、10は脱落防止爪、11は収納凹部、12は開放バネ端子である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末から取外し可能な電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末では電池パックを装着し、その電池パックに充電した状態で使用可能となっている。この電池パックは携帯端末の端子ピンと接触する受部を備え、携帯端末に装着する際に、端子ピンが受部に押されて没入して受部に弾性的に接することにより、端子ピンと受部との間の導通が図られている。
【特許文献1】特開2001−118552号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
引用文献1に記載された電池パックは、携帯端末に装着する際に端子ピンが受部に摺接することがないことから、端子ピンを破損することなく電池パックを携帯端末に装着することができる。
ところで、引用文献1のものでは、電池パックを重力に逆らって取り出す向き(上向き)にした状態で電池パックをリリースすれば、電池が落下してしまうことはないが、電池パックを下向きでリリースした場合には、リリース操作を行ったとたんに電池パックが不用意に落下してしまい、電池パックを損傷してしまう虞がある。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、リリース操作を行った場合であっても、携帯端末から不用意に落下してしまうことを防止できる電池パックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明によれば、携帯端末の電池パック収容部に電池パックが収容された状態では、電池パックの一端側に設けられた係合部は電池パック収容部の被係合部に係合していると共に、後端側に設けられたリリース可動爪受部はリリース可動爪により係合されている。このような状態で、リリース可動爪によるリリース可動爪受部に対する係合を解除すると、開放バネ端子により開放バネ受部が電池パック収容部から引き離される。これにより、電池パックを携帯端末から容易に取り外すことができる。
【0006】
ここで、電池パックを下方に向けた状態でリリース可動爪によるリリース可動爪受部に対する係合を解除すると、開放バネ端子により開放バネ受部が電池パック収容部から引き離される。このとき、脱落防止爪により電池パックが携帯端末から所定距離以上離間しないように制限されるので、電池パックが携帯端末から不用意に落下してしまうことを防止できる。このような状態から電池パックを強く引っ張ると、開放バネ端子が発生する引き離し力より大きな引き離し力を受けるようになるので、脱落防止爪は、携帯端末から所定距離以上引き離されないよう制限する機能を解除するようになる。これにより、電池パックを携帯端末から取り外すことができる。
【0007】
請求項2ないし4の発明によれば、脱落防止爪が携帯端末側に引っ掛ることにより、電池パックが携帯端末から不用意に落下してしまうことを防止できる。このような状態で、電池パックを強く引っ張ると、脱落防止爪が変形するようになるので、電池パックを携帯端末から取り外すことができる。
請求項5の発明によれば、変形した脱落防止爪を収容凹部に収容することができるので、脱落防止爪が電池パック側に大きく変形するにしても、その変形を許容することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(第1実施例)
以下、本発明を携帯型バーコードリーダに適用した第1実施例について図1ないし図7を参照して説明する。
図2は携帯型バーコードリーダの正面図である。この図2において、充電器1には携帯型バーコードリーダ(携帯端末に相当)2が載置されており、その載置状態で商用交流電源から携帯型バーコードリーダ2に充電するようになっている。つまり、充電器1及び携帯型バーコードリーダ2には図示しない接触端子がそれぞれ設けられおり、充電器1に携帯型バーコードリーダ2が載置された状態では、それらの接触端子同士が導通接触することにより携帯型バーコードリーダに内蔵された電池パック3(図3参照)に充電が行われるようになっている。
【0009】
図3は、携帯型バーコードリーダ2に内蔵されている電池パック3を取外した状態で示す斜視図である。この図3において、携帯型バーコードリーダ2の筐体の裏側には凹状の電池パック収容部4が形成されており、その電池パック収容部4に電池パック3が収容される。即ち、電池パック収容部4の周縁部にはリリース可動爪5がスライド可能に設けられており、そのリリース可動爪5が図示しない付勢手段による付勢状態で電池パック収容部4に突出している。このリリース可動爪5に対するスライド操作によりリリース可動爪5を電池パック収容部4から退出可能となっている。携帯型バーコードリーダ2においてリリース可動爪5の下部となる部位には電池パック収容部4と連通した凹部6が形成されている。
【0010】
電池パック3の前端部の下部中央には係合部7(図1参照)が前方に突出形成されており、その係合部7が電池パック収容部4の内面に形成された被係合部8に係合するようになっている。電池パック3の後端部にはリリース可動爪受部9が形成されており、そのリリース可動爪受部9にリリース可動爪5が係合するようになっている。
ここで、電池パック3の後端部にはゴム製の脱落防止爪10が後方に突出して一体に設けられており、電池パック3が電池パック収容部4に収容された状態で、脱落防止爪10がリリース可動爪5の下部に形成された凹部6内に位置している。電池パック3の後端部において脱落防止爪10とリリース可動爪受部9との間となる部位には収納凹部11が形成されている。
【0011】
電池パック収容部4の底面には開放バネ端子12が設けられており、電池パック3が電池パック収容部4に収容された状態で、その開放バネ端子12が電池パック3の裏側に設けられた図示しない開放バネ受部に付勢状態で接触するようになっている。
【0012】
次に上記構成の作用について説明する。
電池パック3が故障或いは寿命となったときは、電池パック3を次のようにして交換する。即ち、携帯型バーコードリーダ2に設けられたリリース可動爪5をスライド操作する。すると、リリース可動爪5による電池パック3のリリース可動爪受部9に対する係合が解除され、開放バネ端子12による電池パック3の開放バネ受部に対する付勢力により電池パック3が携帯型バーコードリーダ2から離れようとする。このとき、電池パック3が携帯型バーコードリーダ2の上側に位置させた状態でリリース可動爪5をスライド操作したときは、開放バネ端子12の付勢力により電池パック3の後端が上方に持ち上がるので、電池パック3を引っ張ることにより携帯型バーコードリーダ2から取り外すことができる。
【0013】
これに対して、電池パック3を携帯型バーコードリーダ2の下側に位置させた状態でリリース可動爪5をスライド操作したときは、開放バネ端子12で押された電池パック3が重力により不用意に落下してしまう。
しかしながら、電池パック3にはゴム製の脱落防止爪10が突出して設けられているので、電池パック3が落下しかかったところで、図4に示すように脱落防止爪10がリリース可動爪5に引っ掛るようになり、電池パック収容部4が携帯型バーコードリーダ2から不用意に落下してしまうことを防止できる。このような状態で、電池パック3を強く引っ張ると、図5に示すようにゴム製の脱落防止爪10が屈曲し、リリース可動爪5の先端を通過するようになるので、電池パック3を携帯型バーコードリーダ2から取り外すことができる。
【0014】
一方、例えば新しい電池パック3を携帯型バーコードリーダ2に取り付けるには、電池パック3の係合部7を携帯型バーコードリーダ2の電池パック収容部4の被係合部8に係合させた状態で電池パック3の後端部を押し込む。すると、図6に示すように脱落防止爪10がリリース可動爪5に引っ掛るので、電池パック3の後端部を強く押し込むと、図7に示すように脱落防止爪10がリリース可動爪5の先端を通過する。これにより、図1に示すようにリリース可動爪5を電池パック3のリリース可動爪受部9に係合するようになるので、電池パック3を携帯型バーコードリーダ2に取り付けることができる。
【0015】
このような実施例によれば、電池パック3にゴム製の脱落防止爪10を設け、リリース可動爪5に対するスライド操作により電池パック3を携帯型バーコードリーダ2から取り外す際に、脱落防止爪10がリリース可動爪5に引っ掛かるようにしたので、リリース可動爪をスライド操作すると、電池パックが不用意に落下してしまう虞がある従来例のものと違って、リリース可動爪5をスライド操作するにしても、電池パック3が携帯型バーコードリーダ2から不用意に落下して損傷してしまうことを防止できる。
しかも、このような優れた効果は、主に電池パック3の改造により実施することができるので、低コストで容易に実施することができる。
【0016】
(第2実施例)
次に本発明の第2実施例について図8ないし図13を参照して説明するに、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。この第2実施例は、携帯型バーコードリーダ2において電池パック3に設けた脱落防止爪10を引っ掛ける部位を変更したことを特徴とする。
電池パック3の後端部には2個の脱落防止爪10が設けられていると共に、電池パック収容部4の壁面部においてリリース可動爪5の両側となる部位には電池パック収容部4と連通した凹部21が形成されており、電池パック3が電池パック収容部4に装着された状態では、図9に示すように脱落防止爪10が凹部21内に位置している。
リリース可動爪5をスライド操作すると、電池パック3が開放バネ端子12により携帯型バーコードリーダ2から離れようとするものの、図10に示すように脱落防止爪10が凹部21の壁面部に引っ掛かるようになるので、電池パック3が不用意に脱落してしまうことを防止できる。このような状態で電池パック3を強く引っ張ると、図11に示すように脱落防止爪10が屈曲して凹部21の壁面部を通過するので、電池パック3を携帯型バーコードリーダ2から取り外すことができる。
【0017】
また、電池パック3を携帯型バーコードリーダ2に装着すると、図12に示すように電池パック3に設けられた脱落防止爪10が凹部21の壁面部に引っ掛かるので、電池パック3を強く押し込むと、図13に示すように脱落防止爪10が屈曲して電池パック収容部4の壁面部を通過して凹部21内に位置する。これにより、電池パック3を携帯型バーコードリーダ2に取り付けることができる。
【0018】
このような実施例によれば、電池パック3にゴム製の脱落防止爪10を設け、リリース可動爪5に対するスライド操作により電池パック3を携帯型バーコードリーダ2から取り外す際に、脱落防止爪10が携帯型バーコードリーダ2の凹部21の壁面部に引っ掛かるようにしたので、第1実施例と同様に、電池パック3に設けられた脱落防止爪10により電池パック3が携帯型バーコードリーダ2から不用意に落下して損傷してしまうことを防止できる。
【0019】
(第3実施例)
次に本発明の第3実施例について図14ないし図16を参照して説明する。この第3実施例は電池パック3に脱落防止爪を設け、その脱落防止爪の変位を利用したことを特徴とする。
脱落防止爪を示す図14において、脱落防止爪31は、例えば板バネにより形成されており、その先端には、半球形状の脱落防止用突起31aが膨出形成されている。
【0020】
電池パック3を携帯型バーコードリーダ2から取り外すためにリリース可動爪5をスライド操作すると、電池パック3のリリース可動爪受部9がリリース可動爪5を通過するものの、図15に示すように脱落防止爪31の脱落防止用突起31aがリリース可動爪5の先端に引っ掛るので、電池パック3が携帯型バーコードリーダ2から不用意に落下してしまうことを防止できる。このような状態で電池パック3を強く引っ張ると、図16に示すように脱落防止用突起31aがリリース可動爪5の先端に押されて変位するので、脱落防止用突起31aがリリース可動爪5の先端を通過する。これにより、電池パック3を携帯型バーコードリーダ2から取り外すことができる。
【0021】
一方、電池パック3の係合部7を携帯型バーコードリーダ2の被係合部8に係合した状態でその後端部を強く電池パック収容部4に押し付けると、脱落防止用突起31aがリリース可動爪5の先端に押されて変位し、脱落防止爪31がリリース可動爪5の先端を通過するようになるので、電池パック3を携帯型バーコードリーダ2に取り付けることができる。
【0022】
このような実施例によれば、バネ部材で形成された脱落防止爪31を電池パック3に固定するだけで実施することができるので、第1実施例と同様に、低コストで容易に実施することができる。
本発明は、上記実施例に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
脱落防止爪10,31を電池パック3に対して着脱可能としてもよい。
脱落防止爪が変形するのに代えて、スライド可能に設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施例における要部の断面を示す模式図
【図2】充電器に載置された状態で示す携帯型バーコードリーダの正面図
【図3】携帯型バーコードリーダからの取外し状態で示す電池パックの斜視図
【図4】取外し過程を示す電池パックの断面図(その1)
【図5】取外し過程を示す電池パックの断面図(その2)
【図6】装着過程を示す電池パックの断面図(その1)
【図7】装着過程を示す電池パックの断面図(その2)
【図8】本発明の第2実施例を示す図3相当図
【図9】図1相当図
【図10】図4相当図
【図11】図5相当図
【図12】図6相当図
【図13】図7相当図
【図14】本発明の第3実施例を示す図1相当図
【図15】図4相当図
【図16】図5相当図
【符号の説明】
【0024】
図面中、1は充電器、2は携帯型バーコードリーダ(携帯端末)、3は電池パック、4は電池パック収容部、5はリリース可動爪、7は係合部、8は被係合部、9はリリース可動爪受部、10は脱落防止爪、11は収納凹部、12は開放バネ端子である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末の電池パック収容部に収容された状態で動作電源を供給する取外し可能な電池パックであって、
一端側に設けられ、前記電池パック収容部に収容された状態で当該電池パック収容部に設けられた被係合部に係合する係合部と、
他端側に設けられ、前記電池パック収容部に収容された状態で前記携帯端末に設けられたリリース可動爪が係合するリリース可動爪受部と、
前記リリース可動爪による前記リリース可動爪受部に対する係合が解除されたときは、前記携帯端末に設けられた開放バネ端子により前記電池パック収容部から引き離される開放バネ受部と、
前記開放バネ端子から前記開放バネ受部が引き離し力を受けたときは、前記携帯端末から所定距離以上離間しないように制限すると共に、前記開放バネ端子が発生する引き離し力より大きな引き離し力を受けたときは上記制限を解除する脱落防止爪とを備えたことを特徴とする電池パック。
【請求項2】
前記脱落防止爪は、前記開放バネ端子から前記開放バネ受部が所定の引き離し力を受けたときは前記携帯端末の所定部位に引っ掛ると共に、前記開放バネ端子が発生する引き離し力より大きい引き離し力を受けたときは変形することにより上記所定部位から脱出することを特徴とする請求項1記載の電池パック。
【請求項3】
前記脱落防止爪は、弾性体から形成され、変形は屈曲であることを特徴とする請求項2記載の電池パック。
【請求項4】
前記脱落防止爪は、脱落防止用突起を有した弾性体から形成され、変形は前記脱落防止用突起の変位であることを特徴とする請求項2記載の電池パック。
【請求項5】
前記リリース可動爪を通過する際に変形した前記脱落防止爪を収容する収容凹部を備えたことを特徴とする請求項3または4記載の電池パック。
【請求項1】
携帯端末の電池パック収容部に収容された状態で動作電源を供給する取外し可能な電池パックであって、
一端側に設けられ、前記電池パック収容部に収容された状態で当該電池パック収容部に設けられた被係合部に係合する係合部と、
他端側に設けられ、前記電池パック収容部に収容された状態で前記携帯端末に設けられたリリース可動爪が係合するリリース可動爪受部と、
前記リリース可動爪による前記リリース可動爪受部に対する係合が解除されたときは、前記携帯端末に設けられた開放バネ端子により前記電池パック収容部から引き離される開放バネ受部と、
前記開放バネ端子から前記開放バネ受部が引き離し力を受けたときは、前記携帯端末から所定距離以上離間しないように制限すると共に、前記開放バネ端子が発生する引き離し力より大きな引き離し力を受けたときは上記制限を解除する脱落防止爪とを備えたことを特徴とする電池パック。
【請求項2】
前記脱落防止爪は、前記開放バネ端子から前記開放バネ受部が所定の引き離し力を受けたときは前記携帯端末の所定部位に引っ掛ると共に、前記開放バネ端子が発生する引き離し力より大きい引き離し力を受けたときは変形することにより上記所定部位から脱出することを特徴とする請求項1記載の電池パック。
【請求項3】
前記脱落防止爪は、弾性体から形成され、変形は屈曲であることを特徴とする請求項2記載の電池パック。
【請求項4】
前記脱落防止爪は、脱落防止用突起を有した弾性体から形成され、変形は前記脱落防止用突起の変位であることを特徴とする請求項2記載の電池パック。
【請求項5】
前記リリース可動爪を通過する際に変形した前記脱落防止爪を収容する収容凹部を備えたことを特徴とする請求項3または4記載の電池パック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−49194(P2006−49194A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−230800(P2004−230800)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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