説明

電池パック

【課題】円筒状壁面間の凹部空隙に収まらない大きさの電流ヒューズであっても確実に保持し、電流ヒューズ本体が突出した形状とならず、落下・衝撃等の外部からの力が加わった場合でも変形が起こりにくい形状の電池パックを提供する。
【解決手段】複数個の円筒形電池1を平行に配列し、端子板2,7によって前記円筒形電池1の電極間を電気的に接続するとともに、電流ヒューズ6等の安全部品を前記円筒形電池1の間に配置して構成される電池パックにおいて、前記安全部品の2本のリード端子10,20を絶縁板8に貫通させ、絶縁板から突出したリード端子のうち1本を端子板7に、他のもう1本を電池パックの出力リード線に半田接続させ、前記絶縁板8を平行に配列した円筒形電池1の間の側面に当接させ、前記安全部品が前記円筒形電池1の径方向の高さ内に納まるように配置したことを特徴とする電池パック。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流ヒューズなどの安全部品を組み込んだ電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電池パックは例えば図3、図4に示すような構成であった。すなわち、図3において、円筒状壁面を有する2本の円筒形電池11の壁面を近接させて並列状に配置し、端子板12によって並列接続を行い、電流ヒューズ等の安全部品16を円筒形電池11の側面に配置して、並列接続された円筒形電池11に直列に接続した後、熱収縮性のプラスチックからなる外装体17によりパック化された構造であった。
【0003】
また、図4に示す構造では、並列に配置された円筒形電池11の円筒状壁面間の凹部空隙に安全部品15が配置され、円筒形電池11に直列に接続されている。図4において外装体は図面の理解を容易にするため、記載は省略している。このような構造は、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平6−73861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図3のような構造では、安全部品16は突出した状態となっており、落下・衝撃等の外部からの力が加わった場合に変形が生じる可能性があった。また、図4のような構造では、安全部品15が比較的小さい場合は問題を生じないが、円筒状壁面間の凹部空隙に収まらない大きさの安全部品を配置した場合は、図2に示すように、径方向の電池の幅を超え、安全部品本体が突出した形状になり、落下・衝撃等の外部からの力に対して影響を受けやすい形状であった。
【0006】
本発明は上記の課題を解決するもので、円筒状壁面間の凹部空隙に収まらない大きさの安全部品であっても確実に保持し、安全部品本体が突出した形状とならず、落下・衝撃等の外部からの力が加わった場合でも変形が起こりにくい形状の電池パックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために本発明は、複数個の円筒形電池を平行に配列し、端子板によって前記円筒形電池の電極間を電気的に接続するとともに、電流ヒューズ等の安全部品を前記円筒形電池の間に配置して構成される電池パックにおいて、前記安全部品の2本のリード端子を絶縁板に貫通させ、絶縁板から突出したリード端子のうち1本を端子板に、他のもう1本を電池パックの出力リード線に半田接続させ、前記絶縁板を平行に配列した円筒形電池の間の側面に当接させ、前記安全部品が前記円筒形電池の径方向の高さ内に納まるように配置したことを特徴とする電池パックを提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、円筒状壁面間の凹部空隙に収まらない大きさの安全部品であっても確実に保持し、安全部品本体が突出した形状とならず、落下・衝撃等の外部からの力が加わった場合でも変形が起こりにくい形状の電池パックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(a)本発明の一実施の形態における電池パックの平面図、(b)同電池パックの側面図、(c)同電池パックの正面図、(d)同電池パックの別の側面図
【図2】円筒状壁面間の凹部空隙に収まらない大きさの安全部品を俵積みに配置した電池パックの斜視図
【図3】円筒状壁面間の凹部空隙に収まらない大きさの電流ヒューズを円筒形電池側面に配置した電池パックの斜視図
【図4】円筒状壁面間の凹部空隙に収まる大きさの温度ヒューズを円筒状壁面間の凹部空隙に配置した電池パックの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、複数個の円筒形電池を平行に配列し、端子板によって前記円筒形電池の電極間を電気的に接続するとともに、電流ヒューズ等の安全部品を前記円筒形電池の間に配置して構成される電池パックにおいて、前記安全部品の2本のリード端子を絶縁板に貫通させ、絶縁板から突出したリード端子のうち1本を端子板に、他のもう1本を電池パックの出力リード線に半田接続させ、前記絶縁板を平行に配列した円筒形電池の間の側面に当接させ、前記安全部品が前記円筒形電池の径方向の高さ内に納まるように配置したことを特徴とする電池パックである。この構成によると、円筒状壁面間の凹部空隙に収まらない大きさの電流ヒューズであっても確実に保持し、電流ヒューズ本体が突出した形状とならず、落下・衝撃等の外部からの力に対して影響を受けにくい形状の電池パックを提供することができる。
【0011】
上記絶縁板は平行に配列した円筒形電池の間の側面に接着固定することが好ましい。
【0012】
また、上記安全部品のリード端子の直径をφdとし、絶縁板に設けた貫通孔の直径をφD1とし、端子板に設けた貫通孔の直径をφD2とし、カシメタブ端子に設けた貫通孔の直径をφD3とした場合、φD1−φd、φD2−φd、φD3−φdの各々が0〜2mmの間にあることが好ましい。
【0013】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0014】
図1は本発明の一実施の形態における電池パックの平面図、正面図、側面図および別の側面図を示したものである。
【0015】
2個の円筒形電池1は互いに平行で同極同方向に配置され、電池間は安全部品である電流ヒューズ6が収まる空間を有する。端子板7は2個の円筒形電池1のマイナス極を接続し、端子板2は同電池のプラス極を接続し、2個の円筒形電池1を並列接続としている。
【0016】
端子板7は、その中央部に直角に曲げられた貫通孔を有する突出部を有している。
【0017】
電流ヒューズ6の一方のリード端子10は、絶縁板8の貫通孔に通され、さらに端子板7の突出部の貫通孔に通され半田付部9にて接続されている。また、電流ヒューズ6の他方のリード端子20は、絶縁板8の貫通孔に通され、さらに出力リード線のひとつであるマイナスリード線4のカシメタブ端子30に設けた貫通孔に通され半田付部9にて接続されている。
【0018】
絶縁板8は平行に配列した円筒形電池1の間の側面に当接させることにより電池パックにかかる外部からの力に耐えうる強度を得ることができる。
【0019】
端子板2の中央で出力リード線のひとつであるプラスリード線3が接続されており、マイナスリード線4と共に外部に導出される。
【0020】
最後に、熱収縮性のプラスチックにより、外装体が形成され、電池パックが完成する。外装体は図面の理解を容易にするため、記載は省略している。
【0021】
電流ヒューズ6のリード端子10、20を絶縁板8の貫通孔に通し、その上から半田付を行うことで電流ヒューズ6への熱伝導を遮断し、半田付け時の熱による電流ヒューズ6の損傷を防ぐことができる。
【0022】
絶縁板8の材質は耐熱性があり、十分な強度を有するものであれば特に限定されるものではなく、ファイバー板等の材料が好適に用いられる。
【0023】
また、絶縁板8の厚みを大きくすることで電流ヒューズ6のリード端子10、20にかかる負荷を受け止める効果を持たせることができ、さらに電池パックの強度アップにもつながる。
【0024】
絶縁板8の長さは円筒形電池1の長さに近づけることで、円筒形電池1の空間を埋め、2本の円筒形電池1を支え、電池パックにかかる外部からの力に耐えうる強度を増すことができる。
【0025】
また、絶縁板8を平行に配列した円筒形電池1の間の側面に接着固定することによってさらに強度を増すことができる。
【0026】
さらに電流ヒューズ6のリード端子10、20の直径をφdとし、絶縁板8に設けた貫通孔の直径をφD1とし、端子板2,7に設けた貫通孔の直径をφD2とし、カシメタブ端子30に設けた貫通孔の直径をφD3とした場合、φD1−φd、φD2−φd、φD3−φdの各々が0〜2mmの間にあることで、半田付部9を形成する際に、半田が上記貫通孔を通過して電流ヒューズ6に付着するのを防止することができ、半田フィレットの形成が安定し、信頼性の高い半田付けができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明にかかる電池パックは、円筒状壁面間の凹部空隙に収まらない大きさの安全部品であっても電池間にて確実に保持し、電流ヒューズ本体が突出した形状とならず、落下・衝撃等の外部からの力に対して影響を受けにくい形状となっており、各種ポータブル機器の電源として有用である。
【符号の説明】
【0028】
1 円筒形電池
2、7 端子板
3 プラスリード線
4 マイナスリード線
6 電流ヒューズ
8 絶縁板
9 半田付部
10、20 リード端子
30 カシメタブ端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の円筒形電池を平行に配列し、端子板によって前記円筒形電池の電極間を電気的に接続するとともに、電流ヒューズ等の安全部品を前記円筒形電池の間に配置して構成される電池パックにおいて、前記安全部品の2本のリード端子を絶縁板に貫通させ、絶縁板から突出したリード端子のうち1本を端子板に、他のもう1本を電池パックの出力リード線に半田接続させ、前記絶縁板を平行に配列した円筒形電池の間の側面に当接させ、前記安全部品が前記円筒形電池の径方向の高さ内に納まるように配置したことを特徴とする電池パック。
【請求項2】
前記絶縁板を平行に配列した円筒形電池の間の側面に接着固定した請求項1記載の電池パック。
【請求項3】
前記安全部品のリード端子の直径をφdとし、絶縁板に設けた貫通孔の直径をφD1とし、端子板に設けた貫通孔の直径をφD2とし、カシメタブ端子に設けた貫通孔の直径をφD3とした場合、φD1−φd、φD2−φd、φD3−φdの各々が0〜2mmの間にある請求項1記載の電池パック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−73795(P2013−73795A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212106(P2011−212106)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】