説明

電池モニタ回路、蓄電装置、電子機器、電動車両および電力システム

【課題】モニタICを複数使用する場合に、モニタIC間の消費電流の違いにより、残量が異なったり、バランスが崩れる問題を解決する。
【解決手段】複数の電池セルを含む直列接続を少なくとも二つの第1および第2のグループに分割し、第1および第2のグループの電池セルの電圧を第1および第2のモニタ部によって検出する。直列接続の一方の端子と第1のモニタ部の一方の電源端子とを接続し、第1のモニタ部の他方の電源端子と第2のモニタ部の一方の電源端子とを接続し、第2のモニタ部の他方の電源端子と直列接続の他方の端子とを接続する。第1のモニタ部を流れる第1の電流と第2のモニタ部を流れる第2の電流との差電流をキャンセルする電流キャンセル部を、第1のモニタ部の他方の電源端子と第2のモニタ部の一方の電源端子との接続点および直列接続の途中の接続点の間に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電池モニタ回路、蓄電装置並びに蓄電装置からの電力を利用する電子機器、電動車両および電力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、リチウムイオン電池などの二次電池の用途が太陽電池、風力発電などの新エネルギーシステムと組み合わせた電力貯蔵用蓄電装置、自動車用蓄電池等に急速に拡大している。大出力を発生するために多数の蓄電素子例えば単位電池(単電池、セルとも呼ばれる。以下の説明では、電池セルと適宜称する。)を使用する場合、複数の蓄電モジュールを直列に接続する構成が採用される。蓄電モジュールは、複数個例えば4個の電池セルを並列および/または直列に接続して、電池ブロックを構成する。多数の電池ブロックが外装ケースに収納されて蓄電モジュール(組電池とも呼ばれる。)が構成される。
【0003】
さらに、複数の蓄電モジュールを接続し、複数の蓄電モジュールに対して共通の制御装置を設ける構成(かかる構成を電池システムと称する。)が知られている。各蓄電モジュールが処理手段(マイクロプロセッサMPU)を有し、MPUと制御装置との間で通信手段を介して通信する構成とされている。
【0004】
電池システムにおいては、電池セルの過充電、過放電を防止するために、電池セルの充電状態(SOC(State Of Charge))をモニタすることが必要とされる。例えば下記の特
許文献1には、ブロック(蓄電モジュール)の電圧を検出する管理ユニット(集積回路)間の消費電流のばらつきによってブロック毎の充電状態にばらつきが生じるおそれがあることが記載されている。
【0005】
蓄電モジュールを構成する複数の電池セル(または複数の電池セルの並列接続の場合もあるが、以下、単に電池セルと適宜称する)の電圧を検出する集積回路(以下、モニタIC(Integrated Circuit)と適宜称する)は、検出できる電池セルの個数が有限な数とされている。したがって、同一の蓄電モジュールにおいても、図1に示すように、複数のモニタIC(モニタIC1およびモニタIC2と称する)によって電池モニタ回路40を構成することが必要となる。
【0006】
図1において、B1〜B10で示す10個の電池セル(例えばリチウムイオン二次電池)が直列接続されている。10個の電池セルによって例えば一つの蓄電モジュールが構成される。蓄電モジュールでは、各電池セルとして、複数の電池セルが並列接続された電池ブロックが使用される。但し、以下の説明では、簡単のため、電池セルの場合について説明する。
【0007】
10個の電池セルB1〜B10が電池セルB1〜B5の直列接続(第1のグループ)と、電池セルB6〜B10の直列接続(第2のグループ)とに分割される。第1のグループの電池セルB1〜B5のそれぞれの電圧が図示しない経路を介してモニタIC1によって検出され、第2のグループの電池セルB6〜B10のそれぞれの電圧が図示しない経路を介してモニタIC2によって検出される。すなわち、一つのモニタICによってモニタできる電池セルの最大数の制約から、2個のモニタIC1およびモニタIC2が使用される。
【0008】
モニタIC1およびモニタIC2の電源として電池セルB1〜B10の直列接続により発生する電源が使用される。すなわち、モニタIC1の一方の電源端子(+側)とモニタIC1の他方の電源端子(−側)とがB1〜B10の直列接続の一方の端子(+側)と電池セルB5およびB6の接続点とにそれぞれ接続される。同様に、モニタIC2の一方の電源端子(+側)とモニタIC2の他方の電源端子(−側)とが電池セルB5およびB6の接続点とB1〜B10の直列接続の他方の端子(−側)とにそれぞれ接続される。これらの電源供給路を介して供給される電源によって各モニタICが動作し、各モニタICによって、各電池セルの電圧の検出と、セルバランスの制御とがなされる。電池セルB5およびB6の接続点をモニタIC1およびモニタIC2の接続点と接続することによって、モニタIC1およびモニタIC2の接続点の電位を確定させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2011−030399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
モニタIC1を流れる電流I1と、モニタIC2を流れる電流I2とが等しい場合、モニタIC1の電源端子とモニタIC2の電源端子との接続点と、電池セルB5およびB6の接続点との間に電流が流れない。しかしながら、モニタIC1とモニタIC2との間で消費電流が相違すると、電流I1およびI2が等しくならず、差電流(I1−I2)が流れる。例えばI1+ΔI=I2の関係があれば、電池セルB1〜B5を電流I1+ΔIが流れ、電池セルB6〜B10を電流I2が流れる。
【0011】
このように放電電流に差が生じると、電池セルB1〜B5の容量の方が電池セルB6〜B10と比較して早く少なくなり、残量が相違したものとなる。すなわち、電池セルB1〜B5と電池セルB6〜B10との間のバランスが崩れる。モニタICは、本来、電池セル間のバランスをとるための回路であるにもかかわらず、バランスを崩す原因となるという問題が生じる。
【0012】
したがって、本開示は、モニタICを複数使用する場合に、モニタIC間の消費電流の違いにより、残量が異なったり、バランスが崩れる問題を解決することができる電池モニタ回路、蓄電装置、電子機器、電動車両および電力システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の課題を解決するために、本開示の電池モニタ回路は、複数の電池セルを含む直列接続を少なくとも二つの第1および第2のグループに分割し、第1および第2のグループの電池セルの電圧を第1および第2のモニタ部によって検出し、
直列接続の一方の端子と第1のモニタ部の一方の電源端子とを接続し、第1のモニタ部の他方の電源端子と第2のモニタ部の一方の電源端子とを接続し、第2のモニタ部の他方の電源端子と直列接続の他方の端子とを接続し、
第1のモニタ部を流れる第1の電流と第2のモニタ部を流れる第2の電流との差電流をキャンセルする電流キャンセル部を、第1のモニタ部の他方の電源端子と第2のモニタ部の一方の電源端子との接続点および直列接続の途中の接続点の間に設けるようにした電池モニタ回路である。
【0014】
かかる構成によって、第1および第2のモニタ部を流れる第1および第2の電流に差が存在していても、第1のグループの電池セルおよび第2のグループの電池セルを流れる電流を等しいものとできる。
【0015】
本開示は、複数の電池セルを含む直列接続と、電池セルの電圧を検出する電池モニタ回路とを有する蓄電装置であって、
電池モニタ回路は、
複数の電池セルを含む直列接続を少なくとも二つの第1および第2のグループに分割し、第1および第2のグループの電池セルの電圧を第1および第2のモニタ部によって検出し、
直列接続の一方の端子と第1のモニタ部の一方の電源端子とを接続し、第1のモニタ部の他方の電源端子と第2のモニタ部の一方の電源端子とを接続し、第2のモニタ部の他方の電源端子と直列接続の他方の端子とを接続し、
第1のモニタ部を流れる第1の電流と第2のモニタ部を流れる第2の電流との差電流をキャンセルする電流キャンセル部を、第1のモニタ部の他方の電源端子と第2のモニタ部の一方の電源端子との接続点および直列接続の途中の接続点の間に設けるようになされた蓄電装置である。
【0016】
本開示は、上述した蓄電装置を有し、蓄電装置に接続される電子機器に電力を供給する蓄電装置である。
本開示は、上述した蓄電装置から、電力の供給を受ける電子機器である。
本開示は、上述した蓄電装置から、電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、蓄電装置に関する情報に基いて車両制御に関する情報処理を行なう制御装置とを有する電動車両である。
本開示は、他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報送受信部とを備え、
送受信部が受信した情報に基づき、上述した蓄電装置の充放電制御を行う電力システムである。
本開示は、上述した蓄電装置から、電力の供給を受け、または発電装置または電力網から蓄電装置に電力を供給する電力システムである。
【発明の効果】
【0017】
複数の電池セルを含む直列接続の一端とその他端との間に第1および第2のモニタ部を接続し、第1および第2のモニタ部の接続点と直列接続の途中の接続点との間に電流キャンセル部を接続する。電流キャンセル部に対して、第1および第2のモニタ部の接続点から差電流が流れ込んでも、電流キャンセル部から直列接続の途中の接続点に対して流れる電流を0とすることができる。したがって、差電流によって第1のグループおよび第2のグループ間で、残量の差が生じたり、バランスが崩れることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】モニタ回路の問題点の説明に使用するブロック図である。
【図2】蓄電システムの一例のブロック図である。
【図3】蓄電システムの他の例のブロック図である。
【図4】モニタICの一例のブロック図である。
【図5】本開示による電池モニタ回路の第1の例のブロック図である。
【図6】本開示による電池モニタ回路の第2の例のブロック図である。
【図7】本開示による電池モニタ回路の第3の例のブロック図である。
【図8】本開示による電池モニタ回路の第4の例のブロック図である。
【図9】蓄電システムの応用例を説明するためのブロック図である。
【図10】蓄電システムの応用例を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に説明する実施の形態は、この発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、この発明の範囲は、以下の説明において、特にこの発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施の形態に限定されないものとする。
【0020】
「蓄電システムの概略」
大出力を発生するために多数の蓄電素子例えば電池セルを使用する場合、複数の蓄電モジュールを接続し、複数の蓄電モジュールに対して共通に制御装置を設ける構成が採用される。かかる構成を電池システムと称する。蓄電モジュールは、複数の電池セル例えばリチウムイオン二次電池とコントローラとを組み合わせた単位である。
【0021】
図2に示すように、N個の蓄電モジュールMOD1〜MODNが直列に接続される。蓄電モジュールMOD1〜MODNが絶縁部ISを介してインターフェースバスBSと接続されている。各蓄電モジュールMODには、モジュールコントローラCNTと外部のインターフェースバスBSとの間を接続するために絶縁インターフェースIFが設けられている。この絶縁インターフェースIFが蓄電モジュールMODとインターフェースバスBSとの間の絶縁を受け持っている。さらに、各モジュールコントローラが全体の制御装置(以下、出力コントローラと適宜称する。)ICNTと接続され、出力コントローラICNTが充電管理、放電管理、劣化抑制等のための管理を行う。
【0022】
蓄電モジュール内のバス、並びに蓄電モジュールMOD1〜MODNと出力コントローラICNTとを接続するバスBSとしては、シリアルインターフェースが使用される。シリアルインターフェースとしては、具体的にSMバス(System Management Bus)等が使用
される。例えばI2Cバスを使用することができる。I2Cバスは、SCL(シリアルクロック)と双方向のSDA(シリアル・データ)の2本の信号線で通信を行う同期式のシリアル通信である。
【0023】
各蓄電モジュールMODのコントローラCNTと出力コントローラICNTとが通信を行う。すなわち、各蓄電モジュールの内部状態の情報を出力コントローラICNTが受け取り、各蓄電モジュールの充電処理および放電処理が管理される。出力コントローラICNTがN個の蓄電モジュールの直列接続の出力を負荷に対して供給する。蓄電モジュール同士が接続可能とされている。一つの蓄電モジュールの出力電圧を例えば80Vとし、N=1〜N=5の場合では、出力コントローラICNTから(80V〜400V)の出力電圧が発生する。
【0024】
図3は、蓄電システムの他の例を示す。他の例では、N個の蓄電モジュールMOD1〜MODNが直列に接続される。蓄電モジュールMOD1〜MODNのそれぞれは、蓄電モジュールの間を絶縁する絶縁インターフェースを有する。絶縁インターフェースとしてのホトカプラIFS1〜IFSNを通じて各蓄電モジュールのモジュールコントローラが上位或いは下位の蓄電モジュールとの間の通信、または外部の出力コントローラとの間の通信を行う。
【0025】
最下位の蓄電モジュールMOD1に対して出力コントローラICNTが接続される。出力コントローラICNTは、電池システムの全体を制御する。各蓄電モジュールの内部状態の情報を出力コントローラICNTが受け取り、各蓄電モジュールに対する充電電流、並びに放電電流を供給および遮断することによって、各蓄電モジュールの充電および放電が制御される。
【0026】
「モニタIC」
本開示は、上述した電池システムにおける各蓄電モジュールに対して適用できる。各蓄電モジュールには、各電池セルの電圧を検出し、さらに、SOC(State Of Charge)を算
出する検出部としての電池モニタ回路が設けられている。電池モニタ回路を構成するモニタICの一例について図4を参照して説明する。
【0027】
モニタICは、セルバランス回路50と制御回路60とを有する。セルバランス回路50は、各電池セルと並列接続されたスイッチング素子例えばFET(Field Effect Transistor)Q1,Q2,・・・,QNによって構成される。FETQ1〜QNのそれぞれのゲ
ートに対して制御回路からのスイッチング信号が供給される。例えば電圧が他の電池セルより高い電池セルを放電させるように、FETQ1〜FETQNの中の対応するFETがオンとされる。オン状態のFETを通じて電池セルが放電することによって、電池セルの電圧が下げられる。
【0028】
直列接続されるN個の電池セル(または並列接続された複数の電池セル)B1〜BNのの両端に対して他の蓄電モジュール、充電回路または負荷が接続される。電池セルB1〜BNの各電圧を検出するために、制御回路60には、A/Dコンバータ(図中では、ADCと表記する)61−1,61−2,・・・,61−Nが各電池セルの電圧を検出してデジタル信号に変換するために設けられている。A/Dコンバータ61−1〜61−Nのそれぞれのデジタル信号が制御IC(図示しない)に供給される。A/Dコンバータの個数の増加を抑えるために、複数の電池セルの電圧をマルチプレクサによって切り替えてA/Dコンバータに順次供給するようにしても良い。
【0029】
制御回路60に含まれる制御ICは、例えばCPU(Central Processing Unit)など
により構成されるマイクロコンピュータである。制御ICは、CPUに対して、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等が接続された構成を有する。制御ICは、ROMに記憶されているプログラムを実行することにより、電圧モニタおよびセルバランス制御の処理を実行する。さらに、各電池セルの検出された電圧(デジタル値)が通信によって、上述したような上位の出力コントローラICNTに伝送される。
【0030】
各電池セルの電圧が設定された上限値に達したこと、各電池セルの電圧が設定された下限値に達したこと、SOC等が出力コントローラICNTに対して通知される。出力コントローラICNTによって、制御信号が形成され、制御信号が制御回路60に供給される。出力コントローラICNTが充電管理、放電管理、劣化抑制等のための管理を行う。
【0031】
「電池モニタ回路」
一つのモニタICが検出(モニタ)できる電池セルの個数の最大値が決まっている。したがって、図5に示す電池モニタ回路の第1の例においては、10個の電池セルB1〜B10の電圧を検出するために、二つのモニタIC1およびモニタIC2を使用して電池モニタ回路41が構成される。モニタIC1が電池セルB1〜B5のそれぞれの電圧を検出し、モニタIC2が電池セルB6〜B10のそれぞれの電圧を検出する。
【0032】
電池セルB1〜B10の直列接続の一端(+側)がモニタIC1の一方の電源端子(+側)と接続され、モニタIC1の他方の電源端子(−側)がモニタIC2の一方の電源端子(+側)と接続され、モニタIC2の他方の電源端子(−側)が電池セルB1〜B10の直列接続の他端(−側)と接続される。モニタIC1の他方の電源端子とモニタIC2の一方の電源端子の接続点と、電池セルB5およびB6の接続点の間に電流キャンセル部が設けられる。
【0033】
電流キャンセル部は、例えば演算増幅器OPによって構成される。モニタIC1およびモニタIC2の電源端子の接続点が演算増幅器OPの−側入力端子に接続され、電池セルB5およびB6の接続点が演算増幅器OPの+側入力端子に接続される。演算増幅器OPの出力端子が−側入力端子に接続される。さらに、演算増幅器OPの+側の電源端子が電池セルB1の+側と接続され、演算増幅器OPの−側の電源端子が電池セルB10の−側と接続される。
【0034】
モニタIC1の+側電源端子から−側電源端子に流れる電流I1と、モニタIC2の+側電源端子から−側電源端子に流れる電流I2とが等しい場合、モニタIC1およびモニタIC2の電源端子の接続点と、電池セルB5およびB6の接続点との間に電流が流れない。しかしながら、消費電流の相違によって両者が等しくない場合、差電流(I1−I2)が流れる。
【0035】
ここで、演算増幅器OPは、−側入力と+側入力とが等しくなるように、出力を発生するので、−側入力端子と+側入力端子との間を電流が流れず、差電流を0とすることができる。入力電流(I1−I2)は、演算増幅器OPの電源端子間を流れる。演算増幅器OPの電源端子は、電池セルB1〜B10の直列接続と並列に接続されているので、電源端子を流れる電流は、電池セルB1〜B10の直列接続から供給されるものとなる。すなわち、電池セルB1〜B10の全体に対する放電電流となるので、演算増幅器OPおよび抵抗R1からなる電流キャンセル部を設けない図1の構成のモニタ回路40のように、電池セルの残量が相違したり、バランスが崩れる問題を生じない。
【0036】
図6に示す第2の例の電池モニタ回路42においては、電池セルB1〜B10の直列接続の一端(+側)がモニタIC1の一方の電源端子(+側)と接続され、モニタIC1の他方の電源端子(−側)が電池セルB5およびB6の接続点と抵抗R1を介して接続される。モニタIC2の一方の電源端子(+側)が電池セルB5およびB6の接続点と抵抗R1を介して接続され、モニタIC2の他方の電源端子(−側)が電池セルB1〜B10の直列接続の他端(−側)と接続される。電池セルB5およびB6の接続点をモニタICの電源端子の接続点と抵抗R1を介して接続するのは、モニタICの電源電圧を確定させるためである。
【0037】
抵抗R1のモニタIC1およびモニタIC2の接続点側の一端が演算増幅器OPの−側入力端子に接続され、抵抗R1の電池セルB5およびB6の接続点側が演算増幅器OPの+側入力端子に接続される。演算増幅器OPの出力端子が−側入力端子に接続される。さらに、演算増幅器OPの+側の電源端子が電池セルB1の+側と接続され、演算増幅器OPの−側の電源端子が電池セルB10の−側と接続される。
【0038】
モニタIC1の+側電源端子から−側電源端子に流れる電流I1と、モニタIC2の+側電源端子から−側電源端子に流れる電流I2とが等しい場合、モニタIC1およびモニタIC2の電源端子の接続点と、電池セルB5およびB6の接続点との間に電流が流れない。しかしながら、消費電流の相違によって両者が等しくない場合、差電流(I1−I2)が抵抗R1を通じて流れる。
【0039】
ここで、演算増幅器OPは、−側入力と+側入力とが等しくなるように、出力を発生するので、−側入力端子と+側入力端子との間、すなわち、抵抗R1を通じて電流が流れず、差電流を0とすることができる。入力電流(I1−I2)は、演算増幅器OPの電源端子間を流れる。演算増幅器OPの電源端子は、電池セルB1〜B10の直列接続と並列に接続されているので、電源端子を流れる電流は、電池セルB1〜B10の直列接続から供給されるものとなる。すなわち、電池セルB1〜B10の全体に対する放電電流となるので、演算増幅器OPおよび抵抗R1からなる電流キャンセル部を設けない図1の構成のモニタ回路40のように、電池セルの残量が相違したり、バランスが崩れる問題を生じない。
【0040】
図7に示す第3の例の電池モニタ回路43においては、演算増幅器OPの+側の電源端子と電池セルB1の+極との間に電源回路PS+が挿入され、演算増幅器OPの−側の電源端子と電池セルB10の−極との間に電源回路PS−が挿入される。電源回路PS+およびPS−は、電池セルB1〜B10によって発生する電圧を降下させると共に安定化して演算増幅器OPの電源電圧を生成する。例えば電池セルB1〜B10の全体の電圧が50V(片側で25V)とした場合、電源回路PS+およびPS−によって、演算増幅器OPの+側の電源電圧(+2V)、並びにその−側の電源電圧(−2V)が生成される。若し、電池セルの電圧と演算増幅器OPの電源電圧とが合っている場合には、第1および第2の例のように、電源回路を設けないでも良い。なお、第3の例のモニタ回路43において、抵抗R1を設けないようにしても良い。
【0041】
本開示においては、3以上のモニタICを設けるようにしても良い。図8に示す第4の例のモニタ回路44においては、モニタIC1、モニタIC2およびモニタIC3が使用される。電池セルB1〜B16が第1のグループ(電池セルB1〜B5)と、第2のグループ(電池セルB6〜B10)と、第3のグループ(電池セルB11〜B16)とに分割される。第1のグループの5個の電池セルのそれぞれの電圧がモニタIC1によって検出され、第2のグループの5個の電池セルのそれぞれの電圧がモニタIC2によって検出される。第3のグループの6個の電池セルのそれぞれの電圧がモニタIC3によって検出される。
【0042】
モニタIC1の−側電源端子とモニタIC2の+側電源端子との接続点が抵抗R1を介して電池セルB5およびB6の接続点と接続される。抵抗R1の両端が演算増幅器OP1の−側入力端子および+側入力端子にそれぞれ接続される。演算増幅器OP1の出力端子が−側入力端子に接続される。演算増幅器OP1の+側電源端子が電源回路PS1+を介して電池セルB1の+側と接続される。演算増幅器OP1の−側電源端子が電源回路PS1−を介して電池セルB16の−側と接続される。電源回路PS1+およびPS1−は、電池セルB1〜B16の直列接続によって発生する電圧を降下させると共に安定化して演算増幅器OP1の正負の電源端子に供給される正負の電源電圧を生成するためのものである。
【0043】
モニタIC2の−側電源端子とモニタIC3の+側電源端子との接続点が抵抗R2を介して電池セルB10およびB11の接続点と接続される。抵抗R2の両端が演算増幅器OP2の−側入力端子および+側入力端子にそれぞれ接続される。演算増幅器OP2の出力端子が−側入力端子に接続される。演算増幅器OP2の+側電源端子が電源回路PS2+を介して電池セルB1の+側と接続される。演算増幅器OP2の−側電源端子が電源回路PS2−を介して電池セルB16の−側と接続される。電源回路PS2+およびPS2−は、電池セルB1〜B16の直列接続によって発生する電圧を降下させると共に安定化して演算増幅器OP2の正負の電源端子に供給される正負の電源電圧を生成するためのものである。
【0044】
かかる構成によって、モニタIC1を流れる電流I1と、モニタIC2を流れる電流I2との差電流が0でない場合であっても、差電流が電池セルB5およびB6の接続点に流れない。同様に、モニタIC2を流れる電流I2と、モニタIC3を流れる電流I3との差電流が0でない場合であっても、差電流が電池セルB10およびB11の接続点に流れない。したがって、3個のグループ間で、差電流に起因して容量の残量が相違したり、差電流に起因してバランスが崩れることを防止することができる。なお、第4の例のモニタ回路44において、抵抗R1およびR2を設けないようにしても良い。
【0045】
なお、本開示は、以下のような構成も取ることができる。
(1)
複数の電池セルを含む直列接続を少なくとも二つの第1および第2のグループに分割し、前記第1および第2のグループの電池セルの電圧を第1および第2のモニタ部によって検出し、
前記直列接続の一方の端子と前記第1のモニタ部の一方の電源端子とを接続し、前記第1のモニタ部の他方の電源端子と前記第2のモニタ部の一方の電源端子とを接続し、前記第2のモニタ部の他方の電源端子と前記直列接続の他方の端子とを接続し、
前記第1のモニタ部を流れる第1の電流と前記第2のモニタ部を流れる第2の電流との差電流をキャンセルする電流キャンセル部を、前記第1のモニタ部の他方の電源端子と前記第2のモニタ部の一方の電源端子との接続点および前記直列接続の途中の接続点の間に設けるようにした電池モニタ回路。
(2)
前記電流キャンセル部は、前記接続点が−側入力端子と接続され、前記途中の接続点が+側入力端子と接続され、出力端子が前記−側入力端子と接続される演算増幅器からなり、
前記演算増幅器の+側電源および−側電源が前記直列接続の一方および他方の端子から供給される(1)に記載の電池モニタ回路。
(3)
前記電流キャンセル部は、前記接続点が−側入力端子と接続され、前記途中の接続点が+側入力端子と接続され、出力端子が前記−側入力端子と接続される演算増幅器からなり、
前記直列接続の一方の端子が第1の電源回路を介して前記演算増幅器の+側電源端子に接続され、前記直列接続の他方の端子が第2の電源回路を介して前記演算増幅器の−側電源端子に接続される(1)に記載の電池モニタ回路。
(4)
前記直列接続のそれぞれの充電量を互いに等しくするためのセルバランス制御を行う(1)に記載の電池モニタ回路。
(5)
複数の電池セルを含む直列接続と、前記電池セルの電圧を検出する電池モニタ回路とを有する蓄電装置であって、
前記電池モニタ回路は、
複数の電池セルを含む直列接続を少なくとも二つの第1および第2のグループに分割し、前記第1および第2のグループの電池セルの電圧を第1および第2のモニタ部によって検出し、
前記直列接続の一方の端子と前記第1のモニタ部の一方の電源端子とを接続し、前記第1のモニタ部の他方の電源端子と前記第2のモニタ部の一方の電源端子とを接続し、前記第2のモニタ部の他方の電源端子と前記直列接続の他方の端子とを接続し、
前記第1のモニタ部を流れる第1の電流と前記第2のモニタ部を流れる第2の電流との差電流をキャンセルする電流キャンセル部を、前記第1のモニタ部の他方の電源端子と前記第2のモニタ部の一方の電源端子との接続点および前記直列接続の途中の接続点の間に設けるようになされた蓄電装置。
(6)
(5)に記載の蓄電装置を有し、前記蓄電装置に接続される電子機器に電力を供給する蓄電装置。
(7)
(5)に記載の蓄電装置から、電力の供給を受ける電子機器。
(8)
(5)に記載の蓄電装置から、電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、前記蓄電装置に関する情報に基いて車両制御に関する情報処理を行なう制御装置とを有する電動車両。
(9)
他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報送受信部とを備え、
前記送受信部が受信した情報に基づき、(5)に記載の蓄電装置の充放電制御を行う電力システム。
(10)
(5)に記載の蓄電装置から、電力の供給を受け、または発電装置または電力網から前記蓄電装置に電力を供給する電力システム。
【0046】
「応用例としての住宅における蓄電システム」
本開示を住宅用の蓄電システムに適用した例について、図9を参照して説明する。例えば住宅101用の蓄電システム100においては、火力発電102a、原子力発電102b、水力発電102c等の集中型電力系統102から電力網109、情報網112、スマートメータ107、パワーハブ108等を介し、電力が蓄電装置103に供給される。これと共に、家庭内発電装置104等の独立電源から電力が蓄電装置103に供給される。蓄電装置103に供給された電力が蓄電される。蓄電装置103を使用して、住宅101で使用する電力が給電される。住宅101に限らずビルに関しても同様の蓄電システムを使用できる。
【0047】
住宅101には、発電装置104、電力消費装置105、蓄電装置103、各装置を制御する制御装置110、スマートメータ107、各種情報を取得するセンサー111が設けられている。各装置は、電力網109および情報網112によって接続されている。発電装置104として、太陽電池、燃料電池等が利用され、発電した電力が電力消費装置105および/または蓄電装置103に供給される。電力消費装置105は、冷蔵庫105a、空調装置105b、テレビジョン受信機105c、風呂105d等である。さらに、電力消費装置105には、電動車両106が含まれる。電動車両106は、電気自動車106a、ハイブリッドカー106b、電気バイク106cである。
【0048】
蓄電装置103に対して、上述した本開示の蓄電システムが適用される。蓄電装置103は、二次電池又はキャパシタから構成されている。例えば、リチウムイオン電池によって構成されている。リチウムイオン電池は、定置型であっても、電動車両106で使用されるものでも良い。スマートメータ107は、商用電力の使用量を測定し、測定された使用量を、電力会社に送信する機能を備えている。電力網109は、直流給電、交流給電、非接触給電の何れか一つまたは複数を組み合わせても良い。
【0049】
各種のセンサー111は、例えば人感センサー、照度センサー、物体検知センサー、消費電力センサー、振動センサー、接触センサー、温度センサー、赤外線センサー等である。各種センサー111により取得された情報は、制御装置110に送信される。センサー111からの情報によって、気象の状態、人の状態等が把握されて電力消費装置105を自動的に制御してエネルギー消費を最小とすることができる。さらに、制御装置110は、住宅101に関する情報をインターネットを介して外部の電力会社等に送信することができる。
【0050】
パワーハブ108によって、電力線の分岐、直流交流変換等の処理がなされる。制御装置110と接続される情報網112の通信方式としては、UART(Universal Asynchronous Receiver-Transceiver:非同期シリアル通信用送受信回路)等の通信インターフェー
スを使う方法、Bluetooth、ZigBee、Wi−Fi等の無線通信規格によるセンサーネットワークを利用する方法がある。Bluetooth方式は、マルチメディア通信に適用され、一対多接続の通信を行うことができる。ZigBeeは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers) 802.15.4の物理層を使用するものである。IEEE802.15.4は、PAN(Personal Area Network) またはW(Wireless)PANと呼ばれる短距離無線ネットワーク規格の名称である。
【0051】
制御装置110は、外部のサーバ113と接続されている。このサーバ113は、住宅101、電力会社、サービスプロバイダーの何れかによって管理されていても良い。サーバ113が送受信する情報は、たとえば、消費電力情報、生活パターン情報、電力料金、天気情報、天災情報、電力取引に関する情報である。これらの情報は、家庭内の電力消費装置(たとえばテレビジョン受信機)から送受信しても良いが、家庭外の装置(たとえば、携帯電話機等)から送受信しても良い。これらの情報は、表示機能を持つ機器、たとえば、テレビジョン受信機、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)等に、表
示されても良い。
【0052】
各部を制御する制御装置110は、CPU(Central Processing Unit )、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等で構成され、この例では、蓄電装置103に格納されている。制御装置110は、蓄電装置103、家庭内発電装置104、電力消費装置105、各種センサー111、サーバ113と情報網112により接続され、例えば、商用電力の使用量と、発電量とを調整する機能を有している。なお、その他にも、電力市場で電力取引を行う機能等を備えていても良い。
【0053】
以上のように、電力が火力102a、原子力102b、水力102c等の集中型電力系統102のみならず、家庭内発電装置104(太陽光発電、風力発電)の発電電力を蓄電装置103に蓄えることができる。したがって、家庭内発電装置104の発電電力が変動しても、外部に送出する電力量を一定にしたり、または、必要なだけ放電するといった制御を行うことができる。例えば、太陽光発電で得られた電力を蓄電装置103に蓄えると共に、夜間は料金が安い深夜電力を蓄電装置103に蓄え、昼間の料金が高い時間帯に蓄電装置103によって蓄電した電力を放電して利用するといった使い方もできる。
【0054】
なお、この例では、制御装置110が蓄電装置103内に格納される例を説明したが、スマートメータ107内に格納されても良いし、単独で構成されていても良い。さらに、蓄電システム100は、集合住宅における複数の家庭を対象として用いられてもよいし、複数の戸建て住宅を対象として用いられてもよい。
【0055】
「応用例としての車両における蓄電システム」
本開示を車両用の蓄電システムに適用した例について、図10を参照して説明する。図10に、本開示が適用されるシリーズハイブリッドシステムを採用するハイブリッド車両の構成の一例を概略的に示す。シリーズハイブリッドシステムはエンジンで動かす発電機で発電された電力、あるいはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、電力駆動力変換装置で走行する車である。
【0056】
このハイブリッド車両200には、エンジン201、発電機202、電力駆動力変換装置203、駆動輪204a、駆動輪204b、車輪205a、車輪205b、バッテリー208、車両制御装置209、各種センサ210、充電口211が搭載されている。バッテリー208に対して、上述した本開示の蓄電システムが適用される。
【0057】
ハイブリッド車両200は、電力駆動力変換装置203を動力源として走行する。電力駆動力変換装置203の一例は、モータである。バッテリー208の電力によって電力駆動力変換装置203が作動し、この電力駆動力変換装置203の回転力が駆動輪204a、204bに伝達される。なお、必要な個所に直流−交流(DC−AC)あるいは逆変換(AC−DC変換)を用いることによって、電力駆動力変換装置203が交流モータでも直流モータでも適用可能である。各種センサ210は、車両制御装置209を介してエンジン回転数を制御したり、図示しないスロットルバルブの開度(スロットル開度)を制御したりする。各種センサ210には、速度センサ、加速度センサ、エンジン回転数センサなどが含まれる。
【0058】
エンジン201の回転力は発電機202に伝えられ、その回転力によって発電機202により生成された電力をバッテリー208に蓄積することが可能である。
【0059】
図示しない制動機構によりハイブリッド車両が減速すると、その減速時の抵抗力が電力駆動力変換装置203に回転力として加わり、この回転力によって電力駆動力変換装置203により生成された回生電力がバッテリー208に蓄積される。
【0060】
バッテリー208は、ハイブリッド車両の外部の電源に接続されることで、その外部電源から充電口211を入力口として電力供給を受け、受けた電力を蓄積することも可能である。
【0061】
図示しないが、二次電池に関する情報に基いて車両制御に関する情報処理を行なう情報処理装置を備えていても良い。このような情報処理装置としては、例えば、電池の残量に関する情報に基づき、電池残量表示を行う情報処理装置などがある。
【0062】
なお、以上は、エンジンで動かす発電機で発電された電力、或いはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、モーターで走行するシリーズハイブリッド車を例として説明した。しかしながら、エンジンとモーターの出力がいずれも駆動源とし、エンジンのみで走行、モーターのみで走行、エンジンとモーター走行という3つの方式を適宜切り替えて使用するパラレルハイブリッド車に対しても本開示は有効に適用可能である。さらに、エンジンを用いず駆動モータのみによる駆動で走行する所謂、電動車両に対しても本開示は有効に適用可能である。
【0063】
「変形例」
以上、本開示の実施形態について具体的に説明したが、上述の各実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述した電池セルとしては、リチウムイオン二次電池以外の二次電池を使用しても良い。さらに、上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
【0064】
また、上述の実施形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本開示の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0065】
MOD,MOD1〜MODN・・・蓄電モジュール
ICNT・・・出力コントローラ
B1〜B16・・・電池セル
OP,OP1,OP2・・・演算増幅器
R1,R2・・・抵抗
40,41,42,43,44・・・電池モニタ回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルを含む直列接続を少なくとも二つの第1および第2のグループに分割し、前記第1および第2のグループの電池セルの電圧を第1および第2のモニタ部によって検出し、
前記直列接続の一方の端子と前記第1のモニタ部の一方の電源端子とを接続し、前記第1のモニタ部の他方の電源端子と前記第2のモニタ部の一方の電源端子とを接続し、前記第2のモニタ部の他方の電源端子と前記直列接続の他方の端子とを接続し、
前記第1のモニタ部を流れる第1の電流と前記第2のモニタ部を流れる第2の電流との差電流をキャンセルする電流キャンセル部を、前記第1のモニタ部の他方の電源端子と前記第2のモニタ部の一方の電源端子との接続点および前記直列接続の途中の接続点の間に設けるようにした電池モニタ回路。
【請求項2】
前記電流キャンセル部は、前記接続点が−側入力端子と接続され、前記途中の接続点が+側入力端子と接続され、出力端子が前記−側入力端子と接続される演算増幅器からなり、
前記演算増幅器の+側電源および−側電源が前記直列接続の一方および他方の端子から供給される請求項1に記載の電池モニタ回路。
【請求項3】
前記電流キャンセル部は、前記接続点が−側入力端子と接続され、前記途中の接続点が+側入力端子と接続され、出力端子が前記−側入力端子と接続される演算増幅器からなり、
前記直列接続の一方の端子が第1の電源回路を介して前記演算増幅器の+側電源端子に接続され、前記直列接続の他方の端子が第2の電源回路を介して前記演算増幅器の−側電源端子に接続される請求項1に記載の電池モニタ回路。
【請求項4】
前記直列接続のそれぞれの充電量を互いに等しくするためのセルバランス制御を行う請求項1に記載の電池モニタ回路。
【請求項5】
複数の電池セルを含む直列接続と、前記電池セルの電圧を検出する電池モニタ回路とを有する蓄電装置であって、
前記電池モニタ回路は、
複数の電池セルを含む直列接続を少なくとも二つの第1および第2のグループに分割し、前記第1および第2のグループの電池セルの電圧を第1および第2のモニタ部によって検出し、
前記直列接続の一方の端子と前記第1のモニタ部の一方の電源端子とを接続し、前記第1のモニタ部の他方の電源端子と前記第2のモニタ部の一方の電源端子とを接続し、前記第2のモニタ部の他方の電源端子と前記直列接続の他方の端子とを接続し、
前記第1のモニタ部を流れる第1の電流と前記第2のモニタ部を流れる第2の電流との差電流をキャンセルする電流キャンセル部を、前記第1のモニタ部の他方の電源端子と前記第2のモニタ部の一方の電源端子との接続点および前記直列接続の途中の接続点の間に設けるようになされた蓄電装置。
【請求項6】
請求項5に記載の蓄電装置を有し、前記蓄電装置に接続される電子機器に電力を供給する蓄電装置。
【請求項7】
請求項5に記載の蓄電装置から、電力の供給を受ける電子機器。
【請求項8】
請求項5に記載の蓄電装置から、電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、前記蓄電装置に関する情報に基いて車両制御に関する情報処理を行なう制御装置とを有する電動車両。
【請求項9】
他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報送受信部とを備え、
前記送受信部が受信した情報に基づき、請求項5に記載の蓄電装置の充放電制御を行う電力システム。
【請求項10】
請求項5に記載の蓄電装置から、電力の供給を受け、または発電装置または電力網から前記蓄電装置に電力を供給する電力システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−11536(P2013−11536A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145140(P2011−145140)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】