説明

電池ユニット

【課題】複数の柱状の電池が互いに電気的に接続された電池ユニットにおいて、強度の向上を図れるような構成を得る。
【解決手段】電池ユニットは、複数の柱状の電池(11)が、各電池(11)の軸線が平行になるように並べられた状態で互いに電気的に接続された複数の電池列(10)と、複数の電池列(10)が電気的に接続された基板(21)とを備える。複数の電池列(10)を、各電池列(10)を構成する各電池(11)の軸線が互いに平行で且つ該軸線が基板(21)の面方向に延びるように、該基板(21)に対して配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の柱状の電池が互いに電気的に接続された電池ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の柱状の電池が互いに電気的に接続された電池ユニットが知られている。このような電池ユニットでは、例えば特許文献1に開示されるように、回路基板上に柱状の電池が複数配置されているとともに、それらの電池が互いに電気的に接続されている。これにより、電気機器等のバッテリーパックが構成される。
【0003】
また、電池ユニットとして、軸線が平行になるように柱状の電池を複数並べた状態で該電池を電気的に接続することにより電池列を構成し、該電池列を複数列並べて互いに電気的に接続した構成も知られている。このような電池ユニットでは、柱状の電池同士及び電池列同士は、金属配線によって接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−345600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電池列を複数列並べて接続した電池ユニットでは、電池列同士を金属配線で接続すると、落下等の衝撃によって金属配線が損傷を受ける可能性がある。
【0006】
また、上述のように電池列を複数列、接続する場合、電池同士を接続する金属配線と電池列同士を接続する金属配線とを交差するように配置して、金属配線同士を交差する部分で溶接する構成が考えられる。しかしながら、そのような構成では、金属配線同士の溶接部分の強度が低下して、損傷を受けやすくなる。
【0007】
そのため、本発明では、複数の柱状の電池が互いに電気的に接続された電池ユニットにおいて、強度の向上を図れるような構成を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る電池ユニットは、複数の柱状の電池が、各電池の軸線が平行になるように並べられた状態で互いに電気的に接続された複数の電池列と、前記複数の電池列が電気的に接続された基板とを備え、前記複数の電池列は、各電池列を構成する各電池の軸線が互いに平行で且つ該軸線が前記基板の面方向に延びるように、該基板に対して配置される(第1の構成)。
【0009】
以上の構成では、基板に対して、複数の電池列が互いに平行に配置される。これにより、複数の電池は、軸線方向から見て、縦横に複数配置されるため、電池同士で互いに支え合うことができる。そして、複数の電池列は、それぞれ、基板に電気的に接続されるため、該複数の電池列同士を金属配線で接続する必要がなくなる。これにより、落下等の衝撃によって電池列同士を接続する金属配線が損傷を受けるのを防止できる。しかも、上述のように電池列同士を接続する金属配線が不要になることで、電池列同士を接続する金属配線と電池列内で複数の電池同士を電気的に接続する金属配線との溶接個所がなくなる。
【0010】
したがって、上述の構成により、電池ユニットの強度の向上を図れる。
【0011】
また、上述の構成では、基板は、電池の側面上に配置されるため、該基板を複数の電池に対してより安定した状態で配置できる。
【0012】
前記第1の構成において、前記電池列は、該電池列を構成する複数の電池を電気的に接続する接続端子を有し、前記接続端子は、前記電池の軸方向端部同士を接続しつつ、端部が前記基板に電気的に接続されている(第2の構成)。
【0013】
これにより、複数の電池の軸線方向端部同士を接続する接続端子によって、電池の軸線が基板の面方向に対して平行に配置された電池列を、基板に電気的に接続することができる。よって、上述の構成により、複数の電池が接続された電池列を基板に対して簡単且つコンパクトに接続することができる。
【0014】
前記第2の構成において、前記接続端子は、前記複数の電池のうち一部の電池同士を電気的に接続する複数の接続部材を有する(第3の構成)。こうすることで、電池列を構成する複数の電池を1つの部材によって接続する場合に比べ、部材の反りなどの影響が少なくなる。よって、上述の構成により、複数の電池を接続端子によって容易に電気的に接続することができる。しかも、接続端子を複数の接続部材によって構成することで、電池列内で電池が相対移動した場合でも、接続端子が破損を受けたり電池から外れたりするのを防止できる。
【0015】
前記第1から第3の構成のうちいずれか一つの構成において、前記基板における前記電池列側の面には、回路部品が実装されている(第4の構成)。これにより、基板上に実装される回路部品は、電池列とともに、該基板の一側に位置付けられる。よって、基板における電池列とは反対側の面に回路部品等が露出するのを防止できる。
【0016】
前記第4の構成において、前記回路部品は、前記基板上における前記電池列同士の間に取り付けられている(第5の構成)。こうすることで、基板上に実装される回路部品が、電池列同士の間に位置付けられるため、電池ユニット全体としてコンパクト化を図れる。
【0017】
前記第1から第5の構成のうちいずれか一つの構成において、前記電池列における前記電池の軸方向端部側に配置される補強部材をさらに備える(第6の構成)。これにより、電池列における電池の軸方向端部を補強部材によって支えることができるため、電池ユニット全体として強度の向上を図れる。
【0018】
前記第6の構成において、前記補強部材は、平板状に形成されていて、前記電池列における前記電池の軸方向端部と前記基板の外周端部とによって形成される段部に配置される(第7の構成)。こうすることで、補強部材が電池ユニットの外方に突出するのを抑制することができる。したがって、上述の構成により、電池ユニットのコンパクト化を図れる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一実施形態に係る電池ユニットによれば、複数の電池列を、電池の軸線が互いに平行で且つ基板の面方向に平行になるように、該基板に対して配置するとともに、該基板に対して各電池列を電気的に接続した。これにより、電池列同士を接続端子によって電気的に接続する必要がなくなるため、電池ユニットの強度向上を図れる。しかも、上述の構成により、電池同士が互いに支え合うとともに、基板によって複数の電池列が支えられるため、電池ユニット全体のさらなる強度向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、実施形態1に係る電池ユニットの概略構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、電池ユニットにおいて片側の補強板及び外装フィルムを外した状態を示す斜視図である。
【図3】図3は、電池列において電池の正極側の概略構成を示す斜視図である。
【図4】図4は、電池列において電池の負極側の概略構成を示す斜視図である。
【図5】図5は、基板を電池列側から見た場合の図である。
【図6】図6は、外装フィルムを外した状態の電池ユニットにおいて、電池列と基板との段差を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中の同一または相当部分については同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係る電池ユニット1の概略構成を示す図である。この電池ユニット1は、電気的に接続された複数の円柱状の電池11(円筒型電池)を有する。電池ユニット1は、例えば、ガスメータ等の機器における電源の一部として用いられる。
【0023】
図1に示すように、電池ユニット1は、複数の電池11、略矩形状の基板21、配線31、補強板41,42、スペーサ43及び外装フィルム51を有する。
【0024】
電池ユニット1では、全体として略直方体状になるように、電池11、基板21、補強板41,42及びスペーサ43が組み合わされる。具体的には、電池ユニット1では、軸線が互いに平行になるように配置された複数の電池11に対し、面方向が該電池11の軸線と平行になるように基板21が配置されている。また、補強板41,42は、複数の電池11の軸線方向両端部にそれぞれ配置されている。さらに、スペーサ43は、後述するように略矩形の枠部材であり、基板21の面上に面法線方向に開口するように配置される。そして、電池11、基板21、補強板41,42及びスペーサ43を上述のように配置した状態で、これらの部材を外装フィルム51によって覆うことにより、全体として略直方体形状を有する電池ユニット1を構成することができる。本実施形態では、電池ユニット1を直方体形状に形成しているが、この限りではなく、他の形状に形成してもよい。
【0025】
なお、図1では、電池ユニット1の内部構造を図示するために、外装フィルム51を一点鎖線で記載している。外装フィルム51は、PVC(ポリ塩化ビニル)などの難燃性の樹脂フィルムからなる。
【0026】
電池ユニット1では、複数の電池11(本実施形態では7個の電池11)の軸線が互いに平行になるように電池11を一列に並べて電気的に接続することにより、電池列10が構成される(図2から図4参照)。図2に示すように、電池ユニット1は、このような電池列10を複数(本実施形態では5列)、有している。
【0027】
なお、図2では、電池列10の配置及び構成を説明するために、電池ユニット1において外装フィルム51及び補強板41を外した状態を図示している。
【0028】
電池列10は、図2から図4に示すように、複数の電池11と、電池11同士を電気的に接続する正極側接続端子13及び負極側接続端子16とを有する。正極側接続端子13は、図2及び図3に示すように、電池11の正極同士を接続する。負極側接続端子16は、図4に示すように、電池11の負極同士を接続する。正極側接続端子13及び負極側接続端子16が、それぞれ、接続端子に対応する。
【0029】
正極側接続端子13は、図2及び図3に示すように、正極側リード線14及びPTC(Positive Temperature Coefficient)素子15を有する。正極側リード線14は、ステンレス製の部材であり、電池列10において隣り合う2つの電池11同士を電気的に接続する。PTC素子15は、電池列10において正極側リード線14によって電気的に接続されていない隣り合う2つの電池同士を電気的に接続する。すなわち、この実施形態では、電池列10において、正極側接続端子13の一部がPTC素子15によって構成されている。正極側リード線14及びPTC素子15は、各電池11の正極に対し、溶接によって接続されている。ここで、正極側リード線14及びPTC素子15が、それぞれ、接続部材に対応する。
【0030】
上述の構成において、PTC素子は、電流が閾値以上になると電流を遮断する。これにより、PTC素子15によって、電池列10内に過電流が流れるのを抑制することができる。また、上述のように正極側接続端子13の一部にPCT素子15を用いることで、電池列10内に流れる電流が前記閾値よりも小さくなると、該電池列10内のPTC素子15が導通して、該電池列10に電流が流れる。なお、PTC素子は、従来と同様の構成を有するため、詳しい説明を省略する。
【0031】
電池列10の一方側の端部に位置する電池11には、先端側が該電池11の外方に突出した正極側リード線14が接続されている。この正極側リード線14の先端側は、後述するように、基板21に電気的に接続される。
【0032】
負極側接続端子16は、図4に示すように、長さが異なる数種類(本実施形態では4種類)の負極側リード線17〜20(接続部材)を有する。これらの負極側リード線17〜20は、ステンレス製の部材である。負極側リード線17は、4個の電池11の負極側を互いに電気的に接続する。負極側リード線18は、負極側リード線17によって互いに接続された4個の電池11のうち端部に位置する電池11に対し、別の1個の電池11を電気的に接続する。負極側リード線19は、負極側リード線18によって前記4個の電池11に電気的に接続された1個の電池に対し、別の2個の電池11を電気的に接続する。負極側リード線20は、負極側リード線17〜19によって接続された複数の電池11のうち端部に位置する電池11に、先端側が該電池11の外方に突出するように取り付けられている。負極側リード線20の先端側は、後述するように、基板21に電気的に接続される。
【0033】
以上のように、正極側接続端子13及び負極側接続端子16を、それぞれ、複数の部材によって構成することで、一つの部材によって構成した場合のように部材の反りの影響を受けにくくなる。よって、正極側接続端子13及び負極側接続端子16を、それぞれ、複数の電池11に対して容易に取り付けることができる。
【0034】
しかも、上述の構成により、電池列10において、各電池11が並び方向と交差する方向に相対移動した場合でも、正極側接続端子13及び負極側接続端子16が損傷を受けたり電池11から外れたりするのを防止できる。すなわち、正極側接続端子13及び負極側接続端子16は、それぞれ複数個所で分断されているため、電池列10内の電池11が相対移動した場合、正極側接続端子13及び負極側接続端子16を構成する部材が別々に移動する。これにより、正極側接続端子13及び負極側接続端子16に、大きな力が加わるのを防止でき、該正極側接続端子13及び負極側接続端子16が損傷を受けたり電池11から外れたりするのを防止できる。
【0035】
基板21は、樹脂製の長方形状の板部材であり、該基板21に電気的に接続される複数の電池列10を互いに電気的に接続するための回路(図示省略)が形成されている。本実施形態では、基板21は、図2及び図5に示すように、電池例10を5列並べた状態で、それらの電池列10の端部に位置する5個の電池11を基板21の長手方向に並列に配置可能な大きさに形成されている。また、後述するように、基板21は、該基板21に対して電池列10を配置した状態で、電池11の軸線方向に対応する長さ(本実施形態では基板21の短手方向の長さ)が、該電池11の軸線方向長さよりも大きい。なお、基板21は、電源として必要な数の電池列10を接続可能な大きさ及び形状を有していれば、どのような大きさ及び形状であってもよい。
【0036】
図5に示すように、基板21には、各電池列10の電池11の正極及び負極に対応する位置に、それぞれ、開口部21a,21bが形成されている。本実施形態の場合、開口部21a,21bは、基板21に、それぞれ、5つずつ形成されている。開口部21aは、電池列10の正極側リード線14が挿入可能に形成されている。開口部21bは、電池列10の負極側リード線20が挿入可能に形成されている。開口部21a内に挿入された正極側リード線14及び開口部21b内に挿入された負極側リード線20は、それぞれ、基板21における電池列10とは反対側の面で半田によって固定される。図1及び図2にそれぞれ示す符号22は、負極側リード線20の端部を半田付けした半田部である。
【0037】
図5に示すように、基板21には、電池列10が配置される側の面に、ヒューズ23(回路部品)が実装されている。ヒューズ23は、各電池列10に、PTC素子15が遮断する電流よりもさらに過大な電流が流れた際に溶断する。本実施形態の場合、ヒューズ23は、電池列10の数に対応して、基板21に5個設けられている。
【0038】
ヒューズ23は、基板21において、電池列10が配置される領域同士の間、すなわち開口部21aと開口部21bとの間以外の領域に実装されている。これにより、基板21に対して複数の電池列10を配置した状態で、該電池列10同士の間にヒューズ23が位置する。したがって、上述の構成により、ヒューズ23が実装された基板21と複数の電池列10とをコンパクトに配置することができる。
【0039】
また、基板21には、図2に示すように、配線31も接続されている。すなわち、配線31は、一方の端部が基板21に形成された図示しない回路に電気的に接続されている。配線31の他方の端部には、接続部32が設けられている(図1及び図2参照)。この接続部32は、図示しない機器に接続される。なお、本実施形態の場合、配線31は、基板21に形成された開口を挿通した一方の端部が、該基板21における電池列10とは反対側の面に半田付けによって固定されている。
【0040】
補強板41,42(補強部材)は、PC(ポリカーボネート)などの難燃性の樹脂材料からなる平板状の部材である。図1に示すように、補強板41,42は、それぞれ、電池ユニット1における全ての電池11の軸方向端部を覆うような面積を有する。
【0041】
補強板41,42は、図1及び図6に示すように、電池列10の各電池11に対し、軸線方向の両端部に配置される。上述のように、基板21は、該基板21に対して電池列10を配置した状態で、電池11の軸線方向に対応する長さが、該電池11の軸線方向長さよりも長い。そのため、図6に示すように、基板21の外周端部と電池11の軸線方向両端部との間には、それぞれ、段差部25が形成される。補強板41,42は、端部が段差部25に位置するように配置される。これにより、補強板41,42が電池ユニット10の外方に突出するのを防止できる。
【0042】
スペーサ43は、PCなどの難燃性の樹脂材料からなる略矩形状の枠部材である。すなわち、スペーサ43は、図1及び図2に示すように、4方に側壁43aを有する断面略矩形状の角筒部材である。よって、スペーサ43は、4つの側壁43aによって形成された開口部43bを有する。スペーサ43は、開口部43bの開口方向から見て、基板21と同じ外形を有する。
【0043】
スペーサ43は、図1及び図2に示すように、基板21に対して、該基板21の面法線方向に開口部43bが開口するように配置される。すなわち、スペーサ43は、図6に示すように、基板21に対して、該基板21の厚み方向に側壁部43aが延びるように配置される。
【0044】
これにより、スペーサ43によって、電池ユニット1の外形寸法を適度な大きさに調整することができる。しかも、スペーサ43によって、基板21における電池列10とは反対側の面に設けられた半田部22等を保護することができる。
【0045】
上述のような構成を有する電池ユニット1は、例えば以下のような方法によって組み立てられる。
【0046】
まず、複数の電池11を互いに軸線が平行になるように並べて、電池11同士を正極側接続端子13及び負極側接続端子16によって電気的に接続する。これにより、電池列10を形成する。また、基板21に、ヒューズ23を実装するとともに、配線31を接続する。
【0047】
一面が開口した箱状のジグ内に、電池11の軸線が互いに平行になるように、複数の電池列10を配置する。このとき、箱状のジグの開口部分に、各電池列10において電池11から外方に突出する正極側リード線14及び負極側リード線20が位置付けられるように、複数の電池列10をジグ内に配置する。
【0048】
上述の状態で、箱状のジグの開口部分に、基板21を配置する。このとき、基板21の開口部21aに正極側リード線14の先端部分が挿入されるとともに、開口部21bに負極側リード線20の先端部分が挿入されるように、基板21を複数の電池列10に対して組み付ける。そして、基板21に対して正極側リード線14及び負極側リード線20をそれぞれ半田付けする。
【0049】
その後、ジグ内から電池列10及び基板21を取り出して、該基板21上にスペーサ43を配置するとともに、電池列10に対して補強板41,42を配置する。その状態で、電池列10、基板21、補強板41,42及びスペーサ43を、外装フィルム51によって覆う。これにより、図1に示す電池ユニット1が得られる。
【0050】
(実施形態の効果)
以上より、この実施形態によれば、複数の電池11を正極側接続端子13及び負極側接続端子16によって接続して電池列10を構成するとともに、複数の電池列10を基板21に対して電気的に接続した。これにより、電池列同士を接続端子によって接続する場合のように、該電池列内で電池同士を接続する接続端子と電池列同士を接続する接続端子とが重なるのを防止できる。よって、接続端子同士の重なり部分を溶接する必要もなくなる。したがって、電池ユニット1が落下した際に受ける衝撃によって正極側接続端子13及び負極側接続端子16が損傷を受けるのを防止できる。
【0051】
また、上述の構成では、複数の電池列10を、基板21に対して、電池11の軸線が該基板21の面方向に平行になるように配置した。これにより、電池列10内で複数の電池11同士を電気的に接続する正極側接続端子13及び負極側接続端子16の端部を、基板21に対して簡単且つコンパクトに接続できる。しかも、基板21が複数の電池列10を束ねる役割も果たすため、電池ユニット1全体の強度向上を図れる。さらに、複数の電池列10を上述のように配置することで、複数の電池11が互いに支えあうことができ、安定感のある電池ユニット1を構成することができる。
【0052】
また、基板21に対して、各電池列10の電池11の軸方向両端部が正極側接続端子13及び負極側接続端子16によって接続されているため、電池列10の電池11の倒れをより確実に防止することができる。
【0053】
さらに、上述のように基板21に対して各電池列10を配置することで、電池列10の電池11の側面上に基板21が位置付けられることになる。これにより、複数の電池11に対して基板21をより安定した姿勢で配置することが可能になる。
【0054】
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0055】
前記実施形態では、電池列10は7個の電池11を有する。しかしながら、電池列は、6個以下の電池を有していてもよいし、8個以上の電池を有していてもよい。
【0056】
前記実施形態では、電池ユニット1は、5つの電池列10を有する。しかしながら、電池ユニットは、4つ以下の電池列を有していてもよいし、6つ以上の電池列を有していてもよい。
【0057】
前記実施形態では、電池11は円柱状である。しかしながら、電池は、角柱状など、柱状であれば他の形状であってもよい。
【0058】
前記実施形態では、電池ユニット1はスペーサ43を有する。しかしながら、要求される電池ユニットのサイズによってはスペーサ43を設けなくてもよい。
【0059】
前記実施形態では、正極側接続端子13及び負極側接続端子16はそれぞれ複数の部材によって構成されている。しかしながら、正極側接続端子及び負極側接続端子をそれぞれ1つの部材によって構成してもよい。また、前記実施形態では、正極側接続端子13を3つのPTC素子15及び4つの正極側リード線によって構成し、負極側接続端子16を4つの負極側リード線17〜20によって構成している。しかしながら、電池11同士を電気的に接続して電池列10を構成することができれば、正極側接続端子13及び負極側接続端子16を、それぞれ、他の数の部材によって構成してもよい。
【0060】
前記実施形態では、正極側接続端子13の一部をPTC素子15によって構成している。しかしながら、正極側接続端子13として機能する構成であれば、PTC素子を用いなくてもよい。
【0061】
前記実施形態では、基板21にヒューズ23を実装しているが、他の回路部品を基板21に実装してもよい。例えば、電池11を2次電池によって構成する場合には、充電回路を構成する回路部品を基板21に実装してもよい。
【0062】
前記実施形態では、電池ユニット1は補強板41,42を有する。しかしながら、電池ユニットは、一方の補強板のみを有していてもよいし、補強板がない構成であってもよい。また、前記実施形態では、電池ユニット1を補強する部材として平板状の補強板41,42を用いている。しかしながら、電池ユニット1を補強することができる部材であれば、板状の部材に限らず、他の形状であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明による電池ユニットは、複数の柱状の電池を有する電池ユニットとして利用可能である。
【符号の説明】
【0064】
1:電池ユニット、10:電池列、11:電池、13:正極側接続端子(接続端子)、14:正極側リード線(接続部材)、15:PTC素子(接続部材)、16:負極側接続端子(接続端子)、17〜20:負極側リード線(接続部材)、21:基板、23:ヒューズ(回路部品)、25:段差部、41,42:補強板(補強部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の柱状の電池が、各電池の軸線が平行になるように並べられた状態で互いに電気的に接続された複数の電池列と、
前記複数の電池列が電気的に接続された基板とを備え、
前記複数の電池列は、各電池列を構成する各電池の軸線が互いに平行で且つ該軸線が前記基板の面方向に延びるように、該基板に対して配置される、電池ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の電池ユニットにおいて、
前記電池列は、該電池列を構成する複数の電池を電気的に接続する接続端子を有し、
前記接続端子は、前記電池の軸方向端部同士を接続しつつ、端部が前記基板に電気的に接続されている、電池ユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の電池ユニットにおいて、
前記接続端子は、前記複数の電池のうち一部の電池同士を電気的に接続する複数の接続部材を有する、電池ユニット。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載の電池ユニットにおいて、
前記基板における前記電池列側の面には、回路部品が実装されている、電池ユニット。
【請求項5】
請求項4に記載の電池ユニットにおいて、
前記回路部品は、前記基板上における前記電池列同士の間に取り付けられている、電池ユニット。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一つに記載の電池ユニットにおいて、
前記電池列における前記電池の軸方向端部側に配置される補強部材をさらに備える、電池ユニット。
【請求項7】
請求項6に記載の電池ユニットにおいて、
前記補強部材は、平板状に形成されていて、前記電池列における前記電池の軸方向端部と前記基板の外周端部とによって形成される段部に配置される、電池ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−51142(P2013−51142A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188802(P2011−188802)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(511084555)日立マクセルエナジー株式会社 (212)
【Fターム(参考)】