電池包装体
【課題】腕時計の電池交換作業で使用するピンセットをそのまま使用して電池を容易に取り出すことのできる電池包装体を提供する。
【解決手段】ボタン電池収容用のブリスター5が形成されたプラスチックシート成形体2と、ブリスター5の開口側を閉鎖する台紙2とで形成される電池収容部6にボタン電池4を収容した電池包装体1において、電池収容部6の近傍に位置する台紙部分に切り欠き部8を設ける一方、プラスチックシート成形体2には切り欠き部8に対応する隆起部10を形成する。台紙3には、切り欠き部8から電池収容部6の台紙部分3aにかけて台紙部分破断用のミシン目9を設ける。
【解決手段】ボタン電池収容用のブリスター5が形成されたプラスチックシート成形体2と、ブリスター5の開口側を閉鎖する台紙2とで形成される電池収容部6にボタン電池4を収容した電池包装体1において、電池収容部6の近傍に位置する台紙部分に切り欠き部8を設ける一方、プラスチックシート成形体2には切り欠き部8に対応する隆起部10を形成する。台紙3には、切り欠き部8から電池収容部6の台紙部分3aにかけて台紙部分破断用のミシン目9を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腕時計等に使用されるボタン電池(ボタン型電池、コイン型電池など、名称のいかんにかかわらず全ての扁平円筒形の電池を含む)を包装してなる電池包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
ボタン電池のような比較的小さな物品を包装する場合に採用される包装体として、例えば特許文献1に記載されたようなブリスターパックが公知である。これは、複数のブリスター(凹部または凸部)を形成した透明なプラスチックシート成形体の当該ブリスター内にボタン電池等の被包装物を収容し、その状態で当該ブリスターの開口側を閉鎖するようにプラスチックシート成形体の片面に台紙を張り付けたものである。
【0003】
このようなブリスターパックをボタン電池の包装体として使用したものにおいては、前記ブリスターに対応する台紙部分を破ってボタン電池を取り出すのが通例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭61―144063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば時計店や時計修理工場などで腕時計等(以下、単に「時計」ともいう。)に使用されているボタン電池(以下、単に「電池」ともいう。)の交換作業を行なう場合、先端部がセラミック等の電気絶縁性素材からなるピンセット(これに類する道具を含む)を使用して先ず時計から使用済みの電池を取り出してその種類を確認し、その上でこれと同種類の新しい電池を上記のような包装体(ブリスターパック)から取り出して時計内の所定位置にセットするという手順で作業を行なうことが多い。その際、上記のようなピンセットを使って包装体から交換用の新しい電池を取り出してそのまま時計内の所定位置にセットできれば、この種の電池交換作業がスムーズに行なえることとなるので望ましい。
【0006】
ところが、従来における上述のようなブリスターパックの場合、ブリスターの開口側の面(プラスチックシート成形体の背面側または裏面側)は台紙で完全に覆われてしまっているため、ピンセットを使って当該台紙部分を破って電池を取り出すのが難しいという問題があった。また、従来においては、例えば電池の収容されているブリスター部分を親指等により或る程度の力で押したときに当該電池を介して対応する台紙部分が押されて破れるように、あらかじめ当該台紙部分に十字状の切れ目等を入れたブリスターパックも見受けられるが、このようなブリスターパックにおいても、ピンセットを使って当該台紙部分を破って電池を取り出すのが容易でない点は上述の場合と何ら異ならない。
【0007】
さらに、上述したようなブリスターパックにおいては、台紙と直交する方向から見て、電池を収容したブリスターを横方向に2つ並べて一対の電池収容部とし、このような電池収容部を縦方向に複数対(例えば5対(10個セットの場合)あるいは10対(20個セットの場合))配置して全体を縦長形状とした構造が採用されることがあるが、その場合、ブリスターパックの短手方向(横方向)の軸回りの剛性が相対的に低下するため、縦方向(長手方向)の途中部分で折れ曲がるなど、当該パックが歪みやすくなるという問題が生じていた。
【0008】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、時計から電池を取り出したり時計内の所定位置に電池をセットしたりする際に使用するピンセットをそのまま使用して電池を容易に取り出すことのできる電池包装体を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、複数の電池収容部を2列等に配置して全体形状を縦長とした場合においても歪みを抑制できる電池包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明は、ボタン電池収容用のブリスターが形成されたプラスチックシート成形体と、このプラスチックシート成形体のブリスターの開口側を閉鎖する台紙とを有し、前記ブリスターとこれに対応位置する台紙部分とで形成される電池収容部にボタン電池を収容した電池包装体において、次のように構成したことを特徴とする。
【0010】
すなわち、電池収容部の近傍に位置する台紙部分に切り欠き部を設ける一方、プラスチックシート成形体には前記切り欠き部に対応する隆起部を形成する。そして、台紙には、前記切り欠き部から電池収容部の台紙部分にかけて台紙部分破断用のミシン目を設ける。
【0011】
各電池収容部は、これに直径の比較的大きな電池を収容した場合においても取り出しやすくなるようにするために、その台紙面と直交する方向から見た形状を、前記切り欠き部分から当該電池収容部に至る方向に長い横長の長円形とするのが望ましい。
【0012】
また、ミシン目に沿って台紙部分を破断する際の負荷を低減させるために、前記切り欠き部からその近傍の電池収容部に至る方向に沿った当該電池収容部の中心線を挟んで一方の側に位置するミシン目の接合部と他方の側に位置するミシン目の接合部とを、当該中心線Xを挟む両側において非対称位置に設けるのが望ましい。
【0013】
本発明の電池包装体においては、台紙面と直交する方向から見た電池包装体の全体形状を縦長とし、その短手方向には少なくとも2個の電池収容部を、また長手方向にはそれ以上の個数の電池収容部を、それぞれ所定の間隔をあけて配置し、前記短手方向に沿って隣り合う一対の電池収容部の間に位置する各台紙部分に前記切り欠き部をそれぞれ設けた構成とすることができる。
【0014】
前記隆起部については、複数個の電池収容部を含む一定の領域ごとに設け、当該領域に含まれる複数個の電池収容部を連結するように形成することができる(図1、図7および図9参照)。その場合、短手方向において隣り合う一対の電池収容部を連結するように、隆起部を形成することができる(図7および図9参照)。また、短手方向において隣り合う一対の電池収容部と、これらと長手方向において隣り合う位置にあって同じく短手方向において隣り合う他の一対の電池収容部とを連結するように、隆起部を形成することもできる(図1参照)。
【0015】
さらに、短手方向において隣り合う一対の電池収容部と、これとは長手方向に所定の間隔をあけて設けられ且つ同じく短手方向において隣り合う一対の電池収容部と、これらの2対の電池収容部間に設けられた一個の電池収容部とで一組の電池収容部群を形成し、この電池収容部群を長手方向に複数連設した構造とし、前記短手方向において隣り合う一対の電池収容部については、当該一対の電池収容部間に位置する台紙部分に設けた切り欠き部を覆って当該一対の電池収容部を連結するように隆起部を設け、前記2対の電池収容部間に設けた一個の電池収容部については、当該一個の電池収納部の近傍に位置する台紙部分に設けた切り欠き部を覆うように隆起部を設けた構成とすることもできる(図9参照)。
【0016】
なお、電池収容部に連続して隆起部を形成する場合には、当該電池収容部と隆起部との境界面の形状を、電池収容部内に収容されている電池の隆起部側への移動を許さない形状とすることは勿論である。
【0017】
プラスチックシート成形体の材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル(AN)、セルロース樹脂などを使用することができ、台紙としては例えばコート板紙などを使用することができる。ただし、本発明でいう台紙には、通常の紙製の台紙はもとより、これに代えて使用可能なプラスチックやその他の素材からなる台紙も含まれる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の電池包装体によれば、電池収容部の近傍に位置する台紙部分に切り欠き部が設けられている一方、これに対応する隆起部がプラスチック成形体に形成されているので、電池交換作業等で使用されるピンセットの片方の先端側を当該切り欠き部に挿入して、その電池収容部側に位置する周縁台紙部分を掴むことができる。したがって、この状態で当該切り欠き部の周縁台紙部分をピンセットで捲り上げるようにして台紙部分を電池収容部に対応位置する部分まで破って電池収容部の電池を部分的にまたは全体的に露出させれば、この電池をピンセットで摘んで外部に取り出すことができる。
【0019】
このとき、切り欠き部から電池収容部の台紙部分にかけて台紙部分破断用のミシン目が形成されているので、切り欠き部から電池収容部に至る台紙部分をピンセットにより部分的にまたは全体的に破り取るのは容易である。特に、切り欠き部からその近傍の電池収容部に至る方向に沿った当該電池収容部の中心線を挟んで一方の側に位置するミシン目の接合部と他方の側に位置するミシン目の接合部とを、当該中心線を挟む両側において非対称位置に設けた場合には、当該中心線を挟む両側においてミシン目の接合部の切断タイミングがずれる分だけ開封時の負荷が相対的に小さくなるので、台紙部分が破りやすくなる。もちろん、ミシン目に沿った台紙部分の強度については、ミシン目の接合部を前記中心線を挟む両側において対称位置に設けた場合と同様に確保することができる。こうして、腕時計等から電池を取り出したり腕時計等の所定位置に電池をセットしたりする際に使用するピンセットをそのまま使用して、電池包装体の電池収容部に収容されている電池を容易に取り出すことができる。
【0020】
台紙面と直交する方向から見た電池包装体の全体形状を縦長とし、その短手方向には少なくとも2個の電池収容部を、また長手方向にはそれ以上の個数の電池収容部を、それぞれ所定の間隔をあけて配置し、前記短手方向に沿って隣り合う一対の電池収容部の間に位置する各台紙部分に前記切り欠き部をそれぞれ設けた構成とした場合には、前記切り欠き部に対応してプラスチックシート成形体に形成された隆起部が、前記短手方向に沿って隣り合う一対の電池収容部間に位置した状態で、それぞれリブとしても機能することとなる。したがって、複数の電池収容部を形成して全体形状を縦長とした電池包装体において、前記のようにリブとしても機能する隆起部の形成されている分だけ剛性が高められるので、その分だけ歪みも抑制されることになる。
【0021】
このような隆起部の形成による歪み抑制効果は、隣り合う一対の電池収容部間にこれらと分離した状態で隆起部を形成した場合よりも両電池収容部に連結するように隆起部を形成した場合の方が高くなる。そして、全体形状を縦長とした電池包装体において、短手方向において隣り合う一対の電池収容部と、これらと長手方向において隣り合う位置にあって同じく短手方向において隣り合う他の一対の電池収容部とを連結するように隆起部を形成した場合には、短手方向と長手方向とにおいてそれぞれ隣り合う4つの電池収容部が隆起部によって連結された構造となるので、上記のような歪み抑制効果を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例1に係る電池包装体を示すもので、(a)はプラスチックシート成形体の一部を切り欠いた状態で示す正面図、(b)は当該電池包装体をその台紙の裏面側(裏側)から見た背面図である。
【図2】本発明の実施例1に係る電池包装体の一部を拡大して示す、表側から見た斜視図である。
【図3】図2に示した部分をその台紙の裏面側から見た背面図である。
【図4】図3のA−A線で切断した断面図である。
【図5】図4のB−B線で切断した断面図である。
【図6】切り欠き部から電池収容部に至る台紙部分を破って電池収容部内の電池を露出させた状態を示す図である。
【図7】本発明の実施例2に係る電池包装体を、プラスチックシート成形体の一部を切り欠いた状態で示す正面図である。
【図8】本発明の実施例2に係る電池包装体において台紙に形成された切り欠き部の周辺構造を拡大して示す拡大図である。
【図9】本発明の実施例3に係る電池包装体を、プラスチックシート成形体の一部を切り欠いた状態で示す正面図である。
【図10】本発明の実施例3に係る電池包装体において台紙に形成された切り欠き部の周辺構造を拡大して示す拡大図である。
【図11】本発明の実施例4に係る電池包装体を示すもので、プラスチックシート成形体の一部を切り欠いた状態で示す正面図である。
【図12】本発明の実施例4に係る電池包装体の一部を拡大して示す、表側から見た斜視図である。
【図13】図12に示した部分をその台紙の裏面側から見た背面図である。
【図14】図13のC−C線で切断した断面図である。
【図15】本発明の実施例4に係る電池包装体において切り欠き部から電池収容部に至る台紙部分を破って電池収容部内の電池を露出させた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0024】
図1〜図6は、本発明の実施例1に係る電池包装体を示すもので、このうち図1の(a)はプラスチックシート成形体の表面側(表側)から見た状態を示し、図1の(b)は台紙の裏面側(裏側)から見た状態を示す。
【0025】
図1の(a)および(b)に示すように、電池包装体1は、透明なプラスチックシート成形体2と、その裏面側に配置された台紙3とを具備し、台紙面と直交する方向から見た全体形状が縦長の長方形状とされている。電池包装体1には、図1の(a)の状態で、例えば被包装物である電池(ボタン電池)4の製品名等の表示部として使用可能な部分として、台紙3の上端側にプラスチックシート成形体2によって覆われていない台紙3のみの部分3aが設けられている。
【0026】
プラスチックシート成形体2には、ボタン電池収容用の複数のブリスター5・・・5が形成されている。各ブリスター5は、プラスチックシート成形体2の表面側(台紙3の配置されている面側とは反対の面側)に凸であって、扁平円筒形のボタン電池4に対応する形状を有する。そして、図4に示すように、これらのブリスター5の開口5a側(裏面側)を閉鎖するようにプラスチックシート成形体2の裏面側に台紙3を貼り付けて、それぞれ、各ブリスター5とこれに対応する台紙部分3aとで電池収容部6を形成し、これらの電池収容部6内にボタン電池4を収容した構成である。なお、プラスチックシート成形体2と台紙3とは、例えば台紙3側の表面に予め塗布形成された熱溶着性のシーラント層等(図示せず)を介して貼り付けられる。図1の(a)において網目模様を施した部分Nは、そのような貼り付け部分、すなわち両者の接着部分(熱溶着部分)を示す。
【0027】
図1に示した電池包装体1においては、その短手方向に2個の電池収容部6が、また長手方向には10個の電池収容部6が、それぞれ所定の間隔をあけて配置されている。言い換えると、電池包装体1の長手方向に所定の間隔をあけて設けられた10個の電池収容部6からなる列を2列平行に配置した構成である。さらに、この電池包装体においては、図1(a)の状態で、短手方向において隣り合う一対の電池収容部6・6と、その直下に位置する同じく一対の電池収容部6・6との全部で4つの電池収容部6・・6を含む一定の領域ごとに、当該電池包装体1を短手方向に横切る包装体分離用のミシン目7が設けられている。これは、必要に応じて電池包装体1を部分的に切り離して使用したり提供したりできるようにする等のためである。
【0028】
上記の構成に加えて、本実施例の電池包装体1においては、図1の(b)や図3に示すように、その短手方向に沿って隣り合う各一対の電池収容部6・6の間に位置する各台紙部分3a・3aに、電池交換作業等で使用されるピンセットP(図4参照)の先端側を挿入できる程度の大きさを有する長孔状の切り欠き部8がそれぞれ設けられている。これらの切り欠き部8は、それぞれ、当該一対の電池収容部6・6の中心どうしを結ぶ直線に沿って両電池収容部6・6間の所定の台紙部分を扁平な鼓状に打ち抜くことによって形成したもので、その縦方向の幅寸法は被包装物であるボタン電池の直径よりも小さく設定されている(図示例では1/2から1/3程度)。また、図3に拡大して示すように、各切り欠き部8の左右の両端は、その両側に位置する両電池収容部6・6の中間の位置から両電池収容部6・6に向けてそれぞれ所定量(図示例では1/2程度)変位した位置にある。この各切り欠き部8の左右両端位置における台紙部分3b・3bは、上記ピンセットPを使って容易に掴めるように当該切り欠き部8側に向けて突出する円弧状に形成されている。
【0029】
台紙3には、各切り欠き部8からその両側に位置する各一対の電池収容部6・6の台紙部分3a・3aにかけて台紙部分破断用のミシン目9・9が設けられている。これらのミシン目9は、切り欠き部8の左右両端位置における台紙部分3b・3bを上記のピンセットP(図4参照)で掴んで、取り出そうとしているボタン電池4が収容されている電池収容部6側に向けて捲っていったときに、図6に示すように、当該ミシン目9に沿った所定の形状に台紙部分3b・3aが容易に破られるようにするためのものである。本実施例の場合、各電池収容部6の台紙部分3aでは、例えば当該ブリスター5の開口部の直径よりも僅かに小さく、収納されるボタン電池4の直径よりも僅かに大きい略円状(C状)に形成されている。
【0030】
一方、プラスチックシート成形体2には、図1および図2に示すように、前記4つの電池収容部6・・6を含む一定の領域ごとに、切り欠き部8・8に対応する、平面的な広がりを持った隆起部10がそれぞれ形成されている。これらの隆起部10は、当該領域に含まれる2つの切り欠き部8・8を覆うとともに、当該領域に含まれる4つ電池収容部6・・6を連結するように形成されている。すなわち、電池包装体1の短手方向において隣り合う一対の電池収容部6・6と、これらと長手方向において隣り合う位置にあって同じく短手方向において隣り合う他の一対の電池収容部6・6とを連結するように形成されている。各隆起部10は、図4および図5に示すように、それぞれ、ブリスター5と同様にプラスチックシート成形体2の表面側に凸であって、その突出量は被包装物である電池4の厚み寸法より小さく、図示例ではブリスター5の突出量の数分の一程度とされている。
【0031】
上記のように構成された電池包装体1によれば、以下に述べるように、腕時計等の電池(ボタン電池)を交換する作業において、この種の作業で使用されるピンセットをそのまま使用して、電池包装体の電池収容部内に収容されている電池を容易に取り出すことができる。
【0032】
まず、台紙3が上側(プラスチックシート成形体2が下側)となるようにした状態(図4および図5において上下を反転させた状態)で、この種の電池交換作業で使用されるピンセットPの片方の先端側を、一対の電池収容部6・6間の台紙部分に形成されている切り欠き部8に挿入する。このとき、プラスチックシート成形体2には当該切り欠き部8に対応する隆起部10が形成されているから、当該切り欠き部8への上記ピンセットPの先端側の挿入作業は容易に行なえる。
【0033】
次に、この状態で、図4に示すように切り欠き部8の一端側に位置する台紙部分3bをピンセットPで掴んで、一方の電池収容部6側に向けて捲り上げるようにする。このようにすると、図6に示すように、当該切り欠き部8から電池収容部6に至る台紙部分3b・3aが台紙部分破断用のミシン目9に沿って破れて、当該電池収容部6に収容されている電池4が部分的にまたは全体的に露出するようになるから、この電池4をピンセットP(図4参照)で摘んで外部に取り出すことができる。こうして、腕時計等から電池を取り出したり腕時計等における所定位置に電池をセットしたりする際に使用するピンセットPをそのまま使用して、電池包装体1の電池収容部6内に収容されている電池4を容易に取り出すことができる。したがって、電池包装体1からの電池4の取り出し作業を含めて、一連の電池交換作業をピンセットを使用して行なうことができるので、この種の電池交換作業を円滑に進めることができる。
【0034】
ところで、本実施例の電池包装体1のように全体が縦長形状のブリスターパックの場合、一般に、その短手方向(横方向)の軸回りの剛性が相対的に低下するため、縦方向(長手方向)の途中部分で折れ曲がるなど、当該包装体が歪みやすくなる。しかし、上記構成の電池包装体1においては、図1〜図5に示したように、その短手方向において隣り合う一対の電池収容部6・6と、その直下に位置する同じく一対の電池収容部6・6との全部で4つの電池収容部6・・6を含む一定の領域ごとに、当該領域に含まれる2つの切り欠き部8・8を覆うとともに、当該領域に含まれる4つ電池収容部6・・6を連結するように、平面的な広がりを持った隆起部10が形成されており、これらの隆起部10の存在によって短手方向および長手方向の軸回りの剛性がともに高められている。この結果、上記のような縦長形状の電池包装体1における歪み(特に短手方向の軸回りの変形)が効果的に抑制されることとなる。
【実施例2】
【0035】
図7および図8は、本発明の実施例2に係る電池包装体1を示す。上記の実施例1に係る電池包装体1においては、全部で4つの電池収容部6・・6を含む一定の領域ごとに、当該4つ電池収容部6・・6を連結するように平面的な広がりを持った隆起部10を形成したが、この実施例2に係る電池包装体1においては、短手方向において隣り合う一対の電池収容部6・6を連結するようにプラスチックシート成形体2に隆起部20を形成した。各隆起部20は、図7の状態で、各左右一対の電池収容部6・6間に位置する台紙部分に形成された切り欠き部8を覆いうるように、切り欠き部8の縦幅寸法よりも大きな縦幅寸法を有する。また、この電池包装体1においては、各左右一対の電池収容部6・6を含む一定の領域ごとに当該包装体1を分離できるように、長手方向において隣り合う左右一対の電池収容部6・6間に包装体分離用のミシン目7が設けられている。その他の構成は実施例1の場合と同様であるので、対応する部分に同一の符号を付して説明を省略する。
【0036】
この実施例2に係る電池包装体1においても、上記の実施例1に係る電池包装体1の場合と同様、腕時計等から電池を取り出したり腕時計等における所定位置に電池をセットしたりする際に使用するピンセットをそのまま使用して、電池収容部6内に収容されている電池4を容易に取り出すことができる。したがって、電池包装体1からの電池4の取り出し作業を含めて、一連の電池交換作業をピンセットを使用して円滑に進めることができる。
【実施例3】
【0037】
図9および図10は、本発明の実施例3に係る電池包装体1を示す。この電池包装体1は、図9の状態で、短手方向において隣り合う一対の電池収容部6・6と、これとは長手方向に所定の間隔をあけて設けられ且つ同じく短手方向において隣り合う一対の電池収容部6・6と、これらの2対の電池収容部6・6,6・6間に設けられた一個の電池収容部6とで一組の電池収容部群を構成し、この電池収容部群を長手方向に複数連設した構造である。各電池収容部群間には包装体分離用のミシン目7が設けられており、このミシン目7に沿って各電池収容部群ごとに分離できるようになっている。
【0038】
この電池包装体1において、前記短手方向において隣り合う一対の電池収容部6・6については、当該一対の電池収容部6・6間に位置する台紙部分に設けられた切り欠き部8を覆って当該一対の電池収容部6・6を連結するように隆起部10が設けられいる。また、前記2対の電池収容部6・6,6・6間に設けられた一個の電池収容部6については、当該一個の電池収納部6の近傍に位置する台紙部分に設けられた切り欠き部81を覆うように隆起部101が設けられている。その他の構成は実施例1や実施例2の場合と同様であるので、対応する部分に同一の符号を付して説明を省略する。
【0039】
この実施例3に係る電池包装体1においても、上記の実施例1や実施例2に係る電池包装体の場合と同様、腕時計等から電池を取り出したり腕時計等における所定位置に電池をセットしたりする際に使用するピンセットをそのまま使用して、電池収容部6内に収容されている電池4を容易に取り出すことができる。したがって、電池包装体1からの電池4の取り出し作業を含めて、一連の電池交換作業をピンセットを使用して円滑に進めることができる。
【実施例4】
【0040】
図11〜図15は、本発明の実施例4に係る電池包装体を示すもので、このうち図11はプラスチックシート成形体の表面側(表側)から見た状態を示す。
【0041】
図11に示すように、電池包装体1は、透明なプラスチックシート成形体2と、その裏面側に配置された台紙3とを具備し、台紙面と直交する方向から見た全体形状が縦長の長方形状とされている。電池包装体1には、図11に示した状態で、例えば被包装物である電池(ボタン電池)4の製品名等の表示部として使用可能な部分として、台紙3の上端側にプラスチックシート成形体2によって覆われていない台紙3のみの部分3aが設けられている。
【0042】
プラスチックシート成形体2には、ボタン電池収容用の複数のブリスター5・・・5が形成されている。各ブリスター5は、プラスチックシート成形体2の表面側(台紙3の配置されている面側とは反対の面側)に凸であって、扁平円筒形のボタン電池4を収容しうる形状を有する。そして、図14に示すように、これらのブリスター5の開口5a側(裏面側)を閉鎖するようにプラスチックシート成形体2の裏面側に台紙3を貼り付けて、それぞれ、各ブリスター5とこれに対応する台紙部分3aとで電池収容部6を形成し、これらの電池収容部6内にボタン電池4を収容した構成である。なお、プラスチックシート成形体2と台紙3とは、例えば台紙3側の表面に予め塗布形成された熱溶着性のシーラント層等(図示せず)を介して貼り付けられる。図11において網目模様を施した部分Nは、そのような貼り付け部分、すなわち両者の接着部分(熱溶着部分)を示す。
【0043】
ここで、台紙面と直交する方向から見て、各ブリスター5および電池収容部6は、後述するピンセットP(図14参照)による開封方向(図14において横方向)が長軸方向となるような横長の長円形に形成されている。これは、電池収容部内に比較的直径の大きな電池を収容した場合において、後述するようにピンセットによって当該電池収容部から電池を取り出す際に、電池収容部の形状が円形の場合よりも上記の長円形の場合の方が、電池を取り出しやすくなるというメリットがあるからである。
【0044】
図11に示した電池包装体1においては、その短手方向に2個の電池収容部6が、また長手方向には10個の電池収容部6が、それぞれ所定の間隔をあけて配置されている。言い換えると、電池包装体1の長手方向に所定の間隔をあけて設けられた10個の電池収容部6からなる列を2列平行に配置した構成である。さらに、この電池包装体においては、図11の状態で、短手方向において隣り合う一対の電池収容部6・6と、その直下に位置する同じく一対の電池収容部6・6との全部で4つの電池収容部6・・6を含む一定の領域ごとに、当該電池包装体1を短手方向に横切る包装体分離用のミシン目7が設けられている。これは、必要に応じて電池包装体1を部分的に切り離して使用したり提供したりできるようにする等のためである。
【0045】
上記の構成に加えて、本実施例の電池包装体1においては、図11や図13に示すように、その短手方向に沿って隣り合う各一対の電池収容部6・6の間に位置する各台紙部分3a・3aに、電池交換作業等で使用されるピンセットP(図14参照)の先端側を挿入できる程度の大きさを有する長孔状の切り欠き部8がそれぞれ設けられている。これらの切り欠き部8は、それぞれ、当該一対の電池収容部6・6の中心どうしを結ぶ直線に沿って両電池収容部6・6間の所定の台紙部分を扁平な鼓状に打ち抜くことによって形成したもので、その縦方向の幅寸法は被包装物であるボタン電池の直径よりも小さく設定されている(図示例では1/2から1/3程度)。また、図13に拡大して示すように、各切り欠き部8の左右の両端は、その両側に位置する両電池収容部6・6の中間の位置から両電池収容部6・6に向けてそれぞれ所定量(図示例では1/2程度)変位した位置にある。この各切り欠き部8の左右両端位置における台紙部分3b・3bは、上記ピンセットPを使って容易に掴めるように当該切り欠き部8側に向けて突出する円弧状に形成されている。
【0046】
台紙3には、各切り欠き部8からその両側に位置する各一対の電池収容部6・6の台紙部分3a・3aにかけて台紙部分破断用のミシン目9・9が設けられている。これらのミシン目9は、切り欠き部8の左右両端位置における台紙部分3b・3bを上記のピンセットP(図14参照)で掴んで、取り出そうとしているボタン電池4が収容されている電池収容部6側に向けて捲っていったときに、図15に示すように、当該ミシン目9に沿った所定の形状に台紙部分3b・3aが容易に破られるようにするためのものである。この実施例の場合、各電池収容部6の台紙部分3aでは、当該ブリスター5の開口部5aの開口径よりも僅かに小さく、収納されるボタン電池4の直径よりもそれぞれ所定量だけ大きな長径(図13の状態で左右方向の径)および短径(図13の状態で上下方向の径)を有する略長円形とされている。
【0047】
加えて、この実施例においては、ピンセットによる開封操作の更なる容易化を図るため、図13に示すように、切り欠き部8からその近傍の電池収容部6に至る方向、すなわち電池収容部6の開封方向(台紙部分3aを破っていく方向、図13において左右方向)に沿った中心線Xを挟んで一方の側(図13の状態で中心線Xの上側)に位置するミシン目9の接合部(各ミシン目部分を繋いでいる部分)と他方の側(図13の状態で中心線Xの下側)に位置するミシン目9の接合部9bとが、当該中心線Xを挟む両側において非対称(図13の状態で上下非対称)となる位置に設けられている。言い換えると、図13の状態で、ミシン目9の各接合部は、中心線Xの上側と下側とで同図の左右方向の位置をずらした配置構成とされている。なお、このようなミシン目9の各接合部の配置構成は、先に述べた実施例1ないし実施例3の電池包装体1においても、同様に採用することができる。
【0048】
一方、プラスチックシート成形体2には、図11および図12に示すように、前記4つの電池収容部6・・6を含む一定の領域ごとに、切り欠き部8・8に対応する、平面的な広がりを持った隆起部10がそれぞれ形成されている。これらの隆起部10は、当該領域に含まれる2つの切り欠き部8・8を覆うとともに、当該領域に含まれる4つ電池収容部6・・6を連結するように形成されている。すなわち、電池包装体1の短手方向において隣り合う一対の電池収容部6・6と、これらと長手方向において隣り合う位置にあって同じく短手方向において隣り合う他の一対の電池収容部6・6とを連結するように形成されている。各隆起部10は、図12および図14に示すように、それぞれ、ブリスター5と同様にプラスチックシート成形体2の表面側に凸であって、電池収容部6・6間の中央側に位置する高隆起部分10aと、この高隆起部分10aと電池収容部6とを繋ぐ低隆起部分10bとからなる構成である。このうち、低隆起部分10bの突出量は被包装物である電池4の厚み寸法より小さく、図示例ではブリスター5の突出量の数分の一程度とされている。また、高隆起部分10aの突出量は、ブリスター5の突出量と低隆起部分10bの突出量との間に設定されている。
【0049】
上記のように構成された電池包装体1によれば、以下に述べるように、腕時計等の電池(ボタン電池)を交換する作業において、この種の作業で使用されるピンセットをそのまま使用して、電池包装体の電池収容部内に収容されている電池を容易に取り出すことができる。
【0050】
まず、台紙3が上側(プラスチックシート成形体2が下側)となるようにした状態(図14および図15において上下を反転させた状態)で、この種の電池交換作業で使用されるピンセットPの片方の先端側を、一対の電池収容部6・6間の台紙部分に形成されている切り欠き部8に挿入する。このとき、プラスチックシート成形体2には当該切り欠き部8に対応する隆起部10が形成されているから、当該切り欠き部8への上記ピンセットPの先端側の挿入作業は容易に行なえる。
【0051】
次に、この状態で、図14に示すように切り欠き部8の一端側に位置する台紙部分3bをピンセットPで掴んで、一方の電池収容部6側に向けて捲り上げるようにする。このようにすると、図15に示すように、当該切り欠き部8から電池収容部6に至る台紙部分3b・3aが台紙部分破断用のミシン目9に沿って破れて、当該電池収容部6に収容されている電池4が部分的にまたは全体的に露出するようになるから、この電池4をピンセットP(図4参照)で摘んで外部に取り出すことができる。
【0052】
この場合、ミシン目9の各接合部が、図13に示す中心線Xを基準にしてその上側と下側とで対称の位置にあると、ピンセットPによる開封時に上下の接合部を同時に切断しなければならないため、その分だけ開封時の負荷が大きくなるが、本実施例の電池包装体1においては、中心線Xの上側のミシン目9の接合部9aと下側のミシン目9の接合部9bは、同図の左右方向の位置をずらして配置されているから、ミシン目に沿った台紙部分の強度は上記の場合と同様に確保しながら、上下の接合部9a・9bの切断タイミングがずれる分だけ開封時の負荷は相対的に小さくなる。したがって、電池収容部6から電池4を取り出す際に台紙部分3bが破りやすくなる。
【0053】
こうして、腕時計等から電池を取り出したり腕時計等における所定位置に電池をセットしたりする際に使用するピンセットPをそのまま使用して、電池包装体1の電池収容部6内に収容されている電池4を容易に取り出すことができる。したがって、電池包装体1からの電池4の取り出し作業を含めて、一連の電池交換作業をピンセットを使用して行なうことができるので、この種の電池交換作業を円滑に進めることができる。
【0054】
ところで、本実施例の電池包装体1のように全体が縦長形状のブリスターパックの場合、一般に、その短手方向(横方向)の軸回りの剛性が相対的に低下するため、縦方向(長手方向)の途中部分で折れ曲がるなど、当該包装体が歪みやすくなる。しかし、上記構成の電池包装体1においては、図11等に示したように、その短手方向において隣り合う一対の電池収容部6・6と、その直下に位置する同じく一対の電池収容部6・6との全部で4つの電池収容部6・・6を含む一定の領域ごとに、当該領域に含まれる2つの切り欠き部8・8を覆うとともに、当該領域に含まれる4つ電池収容部6・・6を連結するように、平面的な広がりを持った隆起部10が形成されており、これらの隆起部10の存在によって短手方向および長手方向の軸回りの剛性がともに高められている。この結果、上記のような縦長形状の電池包装体1における歪み(特に短手方向の軸回りの変形)が効果的に抑制されることとなる。
【符号の説明】
【0055】
1 電池包装体
2 プラスチックシート成形体
3 台紙
3a・3b 台紙部分
4 電池(ボタン電池)
5 ブリスター
6 電池収容部
8・81 切り欠き部
9 台紙部分破断用のミシン目
9a・9b ミシン目の接合部
10・101 隆起部
P ピンセット
X 切り欠き部からその近傍の電池収容部に至る方向に沿った当該電池収容部の中心線
【技術分野】
【0001】
本発明は、腕時計等に使用されるボタン電池(ボタン型電池、コイン型電池など、名称のいかんにかかわらず全ての扁平円筒形の電池を含む)を包装してなる電池包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
ボタン電池のような比較的小さな物品を包装する場合に採用される包装体として、例えば特許文献1に記載されたようなブリスターパックが公知である。これは、複数のブリスター(凹部または凸部)を形成した透明なプラスチックシート成形体の当該ブリスター内にボタン電池等の被包装物を収容し、その状態で当該ブリスターの開口側を閉鎖するようにプラスチックシート成形体の片面に台紙を張り付けたものである。
【0003】
このようなブリスターパックをボタン電池の包装体として使用したものにおいては、前記ブリスターに対応する台紙部分を破ってボタン電池を取り出すのが通例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭61―144063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば時計店や時計修理工場などで腕時計等(以下、単に「時計」ともいう。)に使用されているボタン電池(以下、単に「電池」ともいう。)の交換作業を行なう場合、先端部がセラミック等の電気絶縁性素材からなるピンセット(これに類する道具を含む)を使用して先ず時計から使用済みの電池を取り出してその種類を確認し、その上でこれと同種類の新しい電池を上記のような包装体(ブリスターパック)から取り出して時計内の所定位置にセットするという手順で作業を行なうことが多い。その際、上記のようなピンセットを使って包装体から交換用の新しい電池を取り出してそのまま時計内の所定位置にセットできれば、この種の電池交換作業がスムーズに行なえることとなるので望ましい。
【0006】
ところが、従来における上述のようなブリスターパックの場合、ブリスターの開口側の面(プラスチックシート成形体の背面側または裏面側)は台紙で完全に覆われてしまっているため、ピンセットを使って当該台紙部分を破って電池を取り出すのが難しいという問題があった。また、従来においては、例えば電池の収容されているブリスター部分を親指等により或る程度の力で押したときに当該電池を介して対応する台紙部分が押されて破れるように、あらかじめ当該台紙部分に十字状の切れ目等を入れたブリスターパックも見受けられるが、このようなブリスターパックにおいても、ピンセットを使って当該台紙部分を破って電池を取り出すのが容易でない点は上述の場合と何ら異ならない。
【0007】
さらに、上述したようなブリスターパックにおいては、台紙と直交する方向から見て、電池を収容したブリスターを横方向に2つ並べて一対の電池収容部とし、このような電池収容部を縦方向に複数対(例えば5対(10個セットの場合)あるいは10対(20個セットの場合))配置して全体を縦長形状とした構造が採用されることがあるが、その場合、ブリスターパックの短手方向(横方向)の軸回りの剛性が相対的に低下するため、縦方向(長手方向)の途中部分で折れ曲がるなど、当該パックが歪みやすくなるという問題が生じていた。
【0008】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、時計から電池を取り出したり時計内の所定位置に電池をセットしたりする際に使用するピンセットをそのまま使用して電池を容易に取り出すことのできる電池包装体を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、複数の電池収容部を2列等に配置して全体形状を縦長とした場合においても歪みを抑制できる電池包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明は、ボタン電池収容用のブリスターが形成されたプラスチックシート成形体と、このプラスチックシート成形体のブリスターの開口側を閉鎖する台紙とを有し、前記ブリスターとこれに対応位置する台紙部分とで形成される電池収容部にボタン電池を収容した電池包装体において、次のように構成したことを特徴とする。
【0010】
すなわち、電池収容部の近傍に位置する台紙部分に切り欠き部を設ける一方、プラスチックシート成形体には前記切り欠き部に対応する隆起部を形成する。そして、台紙には、前記切り欠き部から電池収容部の台紙部分にかけて台紙部分破断用のミシン目を設ける。
【0011】
各電池収容部は、これに直径の比較的大きな電池を収容した場合においても取り出しやすくなるようにするために、その台紙面と直交する方向から見た形状を、前記切り欠き部分から当該電池収容部に至る方向に長い横長の長円形とするのが望ましい。
【0012】
また、ミシン目に沿って台紙部分を破断する際の負荷を低減させるために、前記切り欠き部からその近傍の電池収容部に至る方向に沿った当該電池収容部の中心線を挟んで一方の側に位置するミシン目の接合部と他方の側に位置するミシン目の接合部とを、当該中心線Xを挟む両側において非対称位置に設けるのが望ましい。
【0013】
本発明の電池包装体においては、台紙面と直交する方向から見た電池包装体の全体形状を縦長とし、その短手方向には少なくとも2個の電池収容部を、また長手方向にはそれ以上の個数の電池収容部を、それぞれ所定の間隔をあけて配置し、前記短手方向に沿って隣り合う一対の電池収容部の間に位置する各台紙部分に前記切り欠き部をそれぞれ設けた構成とすることができる。
【0014】
前記隆起部については、複数個の電池収容部を含む一定の領域ごとに設け、当該領域に含まれる複数個の電池収容部を連結するように形成することができる(図1、図7および図9参照)。その場合、短手方向において隣り合う一対の電池収容部を連結するように、隆起部を形成することができる(図7および図9参照)。また、短手方向において隣り合う一対の電池収容部と、これらと長手方向において隣り合う位置にあって同じく短手方向において隣り合う他の一対の電池収容部とを連結するように、隆起部を形成することもできる(図1参照)。
【0015】
さらに、短手方向において隣り合う一対の電池収容部と、これとは長手方向に所定の間隔をあけて設けられ且つ同じく短手方向において隣り合う一対の電池収容部と、これらの2対の電池収容部間に設けられた一個の電池収容部とで一組の電池収容部群を形成し、この電池収容部群を長手方向に複数連設した構造とし、前記短手方向において隣り合う一対の電池収容部については、当該一対の電池収容部間に位置する台紙部分に設けた切り欠き部を覆って当該一対の電池収容部を連結するように隆起部を設け、前記2対の電池収容部間に設けた一個の電池収容部については、当該一個の電池収納部の近傍に位置する台紙部分に設けた切り欠き部を覆うように隆起部を設けた構成とすることもできる(図9参照)。
【0016】
なお、電池収容部に連続して隆起部を形成する場合には、当該電池収容部と隆起部との境界面の形状を、電池収容部内に収容されている電池の隆起部側への移動を許さない形状とすることは勿論である。
【0017】
プラスチックシート成形体の材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル(AN)、セルロース樹脂などを使用することができ、台紙としては例えばコート板紙などを使用することができる。ただし、本発明でいう台紙には、通常の紙製の台紙はもとより、これに代えて使用可能なプラスチックやその他の素材からなる台紙も含まれる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の電池包装体によれば、電池収容部の近傍に位置する台紙部分に切り欠き部が設けられている一方、これに対応する隆起部がプラスチック成形体に形成されているので、電池交換作業等で使用されるピンセットの片方の先端側を当該切り欠き部に挿入して、その電池収容部側に位置する周縁台紙部分を掴むことができる。したがって、この状態で当該切り欠き部の周縁台紙部分をピンセットで捲り上げるようにして台紙部分を電池収容部に対応位置する部分まで破って電池収容部の電池を部分的にまたは全体的に露出させれば、この電池をピンセットで摘んで外部に取り出すことができる。
【0019】
このとき、切り欠き部から電池収容部の台紙部分にかけて台紙部分破断用のミシン目が形成されているので、切り欠き部から電池収容部に至る台紙部分をピンセットにより部分的にまたは全体的に破り取るのは容易である。特に、切り欠き部からその近傍の電池収容部に至る方向に沿った当該電池収容部の中心線を挟んで一方の側に位置するミシン目の接合部と他方の側に位置するミシン目の接合部とを、当該中心線を挟む両側において非対称位置に設けた場合には、当該中心線を挟む両側においてミシン目の接合部の切断タイミングがずれる分だけ開封時の負荷が相対的に小さくなるので、台紙部分が破りやすくなる。もちろん、ミシン目に沿った台紙部分の強度については、ミシン目の接合部を前記中心線を挟む両側において対称位置に設けた場合と同様に確保することができる。こうして、腕時計等から電池を取り出したり腕時計等の所定位置に電池をセットしたりする際に使用するピンセットをそのまま使用して、電池包装体の電池収容部に収容されている電池を容易に取り出すことができる。
【0020】
台紙面と直交する方向から見た電池包装体の全体形状を縦長とし、その短手方向には少なくとも2個の電池収容部を、また長手方向にはそれ以上の個数の電池収容部を、それぞれ所定の間隔をあけて配置し、前記短手方向に沿って隣り合う一対の電池収容部の間に位置する各台紙部分に前記切り欠き部をそれぞれ設けた構成とした場合には、前記切り欠き部に対応してプラスチックシート成形体に形成された隆起部が、前記短手方向に沿って隣り合う一対の電池収容部間に位置した状態で、それぞれリブとしても機能することとなる。したがって、複数の電池収容部を形成して全体形状を縦長とした電池包装体において、前記のようにリブとしても機能する隆起部の形成されている分だけ剛性が高められるので、その分だけ歪みも抑制されることになる。
【0021】
このような隆起部の形成による歪み抑制効果は、隣り合う一対の電池収容部間にこれらと分離した状態で隆起部を形成した場合よりも両電池収容部に連結するように隆起部を形成した場合の方が高くなる。そして、全体形状を縦長とした電池包装体において、短手方向において隣り合う一対の電池収容部と、これらと長手方向において隣り合う位置にあって同じく短手方向において隣り合う他の一対の電池収容部とを連結するように隆起部を形成した場合には、短手方向と長手方向とにおいてそれぞれ隣り合う4つの電池収容部が隆起部によって連結された構造となるので、上記のような歪み抑制効果を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例1に係る電池包装体を示すもので、(a)はプラスチックシート成形体の一部を切り欠いた状態で示す正面図、(b)は当該電池包装体をその台紙の裏面側(裏側)から見た背面図である。
【図2】本発明の実施例1に係る電池包装体の一部を拡大して示す、表側から見た斜視図である。
【図3】図2に示した部分をその台紙の裏面側から見た背面図である。
【図4】図3のA−A線で切断した断面図である。
【図5】図4のB−B線で切断した断面図である。
【図6】切り欠き部から電池収容部に至る台紙部分を破って電池収容部内の電池を露出させた状態を示す図である。
【図7】本発明の実施例2に係る電池包装体を、プラスチックシート成形体の一部を切り欠いた状態で示す正面図である。
【図8】本発明の実施例2に係る電池包装体において台紙に形成された切り欠き部の周辺構造を拡大して示す拡大図である。
【図9】本発明の実施例3に係る電池包装体を、プラスチックシート成形体の一部を切り欠いた状態で示す正面図である。
【図10】本発明の実施例3に係る電池包装体において台紙に形成された切り欠き部の周辺構造を拡大して示す拡大図である。
【図11】本発明の実施例4に係る電池包装体を示すもので、プラスチックシート成形体の一部を切り欠いた状態で示す正面図である。
【図12】本発明の実施例4に係る電池包装体の一部を拡大して示す、表側から見た斜視図である。
【図13】図12に示した部分をその台紙の裏面側から見た背面図である。
【図14】図13のC−C線で切断した断面図である。
【図15】本発明の実施例4に係る電池包装体において切り欠き部から電池収容部に至る台紙部分を破って電池収容部内の電池を露出させた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0024】
図1〜図6は、本発明の実施例1に係る電池包装体を示すもので、このうち図1の(a)はプラスチックシート成形体の表面側(表側)から見た状態を示し、図1の(b)は台紙の裏面側(裏側)から見た状態を示す。
【0025】
図1の(a)および(b)に示すように、電池包装体1は、透明なプラスチックシート成形体2と、その裏面側に配置された台紙3とを具備し、台紙面と直交する方向から見た全体形状が縦長の長方形状とされている。電池包装体1には、図1の(a)の状態で、例えば被包装物である電池(ボタン電池)4の製品名等の表示部として使用可能な部分として、台紙3の上端側にプラスチックシート成形体2によって覆われていない台紙3のみの部分3aが設けられている。
【0026】
プラスチックシート成形体2には、ボタン電池収容用の複数のブリスター5・・・5が形成されている。各ブリスター5は、プラスチックシート成形体2の表面側(台紙3の配置されている面側とは反対の面側)に凸であって、扁平円筒形のボタン電池4に対応する形状を有する。そして、図4に示すように、これらのブリスター5の開口5a側(裏面側)を閉鎖するようにプラスチックシート成形体2の裏面側に台紙3を貼り付けて、それぞれ、各ブリスター5とこれに対応する台紙部分3aとで電池収容部6を形成し、これらの電池収容部6内にボタン電池4を収容した構成である。なお、プラスチックシート成形体2と台紙3とは、例えば台紙3側の表面に予め塗布形成された熱溶着性のシーラント層等(図示せず)を介して貼り付けられる。図1の(a)において網目模様を施した部分Nは、そのような貼り付け部分、すなわち両者の接着部分(熱溶着部分)を示す。
【0027】
図1に示した電池包装体1においては、その短手方向に2個の電池収容部6が、また長手方向には10個の電池収容部6が、それぞれ所定の間隔をあけて配置されている。言い換えると、電池包装体1の長手方向に所定の間隔をあけて設けられた10個の電池収容部6からなる列を2列平行に配置した構成である。さらに、この電池包装体においては、図1(a)の状態で、短手方向において隣り合う一対の電池収容部6・6と、その直下に位置する同じく一対の電池収容部6・6との全部で4つの電池収容部6・・6を含む一定の領域ごとに、当該電池包装体1を短手方向に横切る包装体分離用のミシン目7が設けられている。これは、必要に応じて電池包装体1を部分的に切り離して使用したり提供したりできるようにする等のためである。
【0028】
上記の構成に加えて、本実施例の電池包装体1においては、図1の(b)や図3に示すように、その短手方向に沿って隣り合う各一対の電池収容部6・6の間に位置する各台紙部分3a・3aに、電池交換作業等で使用されるピンセットP(図4参照)の先端側を挿入できる程度の大きさを有する長孔状の切り欠き部8がそれぞれ設けられている。これらの切り欠き部8は、それぞれ、当該一対の電池収容部6・6の中心どうしを結ぶ直線に沿って両電池収容部6・6間の所定の台紙部分を扁平な鼓状に打ち抜くことによって形成したもので、その縦方向の幅寸法は被包装物であるボタン電池の直径よりも小さく設定されている(図示例では1/2から1/3程度)。また、図3に拡大して示すように、各切り欠き部8の左右の両端は、その両側に位置する両電池収容部6・6の中間の位置から両電池収容部6・6に向けてそれぞれ所定量(図示例では1/2程度)変位した位置にある。この各切り欠き部8の左右両端位置における台紙部分3b・3bは、上記ピンセットPを使って容易に掴めるように当該切り欠き部8側に向けて突出する円弧状に形成されている。
【0029】
台紙3には、各切り欠き部8からその両側に位置する各一対の電池収容部6・6の台紙部分3a・3aにかけて台紙部分破断用のミシン目9・9が設けられている。これらのミシン目9は、切り欠き部8の左右両端位置における台紙部分3b・3bを上記のピンセットP(図4参照)で掴んで、取り出そうとしているボタン電池4が収容されている電池収容部6側に向けて捲っていったときに、図6に示すように、当該ミシン目9に沿った所定の形状に台紙部分3b・3aが容易に破られるようにするためのものである。本実施例の場合、各電池収容部6の台紙部分3aでは、例えば当該ブリスター5の開口部の直径よりも僅かに小さく、収納されるボタン電池4の直径よりも僅かに大きい略円状(C状)に形成されている。
【0030】
一方、プラスチックシート成形体2には、図1および図2に示すように、前記4つの電池収容部6・・6を含む一定の領域ごとに、切り欠き部8・8に対応する、平面的な広がりを持った隆起部10がそれぞれ形成されている。これらの隆起部10は、当該領域に含まれる2つの切り欠き部8・8を覆うとともに、当該領域に含まれる4つ電池収容部6・・6を連結するように形成されている。すなわち、電池包装体1の短手方向において隣り合う一対の電池収容部6・6と、これらと長手方向において隣り合う位置にあって同じく短手方向において隣り合う他の一対の電池収容部6・6とを連結するように形成されている。各隆起部10は、図4および図5に示すように、それぞれ、ブリスター5と同様にプラスチックシート成形体2の表面側に凸であって、その突出量は被包装物である電池4の厚み寸法より小さく、図示例ではブリスター5の突出量の数分の一程度とされている。
【0031】
上記のように構成された電池包装体1によれば、以下に述べるように、腕時計等の電池(ボタン電池)を交換する作業において、この種の作業で使用されるピンセットをそのまま使用して、電池包装体の電池収容部内に収容されている電池を容易に取り出すことができる。
【0032】
まず、台紙3が上側(プラスチックシート成形体2が下側)となるようにした状態(図4および図5において上下を反転させた状態)で、この種の電池交換作業で使用されるピンセットPの片方の先端側を、一対の電池収容部6・6間の台紙部分に形成されている切り欠き部8に挿入する。このとき、プラスチックシート成形体2には当該切り欠き部8に対応する隆起部10が形成されているから、当該切り欠き部8への上記ピンセットPの先端側の挿入作業は容易に行なえる。
【0033】
次に、この状態で、図4に示すように切り欠き部8の一端側に位置する台紙部分3bをピンセットPで掴んで、一方の電池収容部6側に向けて捲り上げるようにする。このようにすると、図6に示すように、当該切り欠き部8から電池収容部6に至る台紙部分3b・3aが台紙部分破断用のミシン目9に沿って破れて、当該電池収容部6に収容されている電池4が部分的にまたは全体的に露出するようになるから、この電池4をピンセットP(図4参照)で摘んで外部に取り出すことができる。こうして、腕時計等から電池を取り出したり腕時計等における所定位置に電池をセットしたりする際に使用するピンセットPをそのまま使用して、電池包装体1の電池収容部6内に収容されている電池4を容易に取り出すことができる。したがって、電池包装体1からの電池4の取り出し作業を含めて、一連の電池交換作業をピンセットを使用して行なうことができるので、この種の電池交換作業を円滑に進めることができる。
【0034】
ところで、本実施例の電池包装体1のように全体が縦長形状のブリスターパックの場合、一般に、その短手方向(横方向)の軸回りの剛性が相対的に低下するため、縦方向(長手方向)の途中部分で折れ曲がるなど、当該包装体が歪みやすくなる。しかし、上記構成の電池包装体1においては、図1〜図5に示したように、その短手方向において隣り合う一対の電池収容部6・6と、その直下に位置する同じく一対の電池収容部6・6との全部で4つの電池収容部6・・6を含む一定の領域ごとに、当該領域に含まれる2つの切り欠き部8・8を覆うとともに、当該領域に含まれる4つ電池収容部6・・6を連結するように、平面的な広がりを持った隆起部10が形成されており、これらの隆起部10の存在によって短手方向および長手方向の軸回りの剛性がともに高められている。この結果、上記のような縦長形状の電池包装体1における歪み(特に短手方向の軸回りの変形)が効果的に抑制されることとなる。
【実施例2】
【0035】
図7および図8は、本発明の実施例2に係る電池包装体1を示す。上記の実施例1に係る電池包装体1においては、全部で4つの電池収容部6・・6を含む一定の領域ごとに、当該4つ電池収容部6・・6を連結するように平面的な広がりを持った隆起部10を形成したが、この実施例2に係る電池包装体1においては、短手方向において隣り合う一対の電池収容部6・6を連結するようにプラスチックシート成形体2に隆起部20を形成した。各隆起部20は、図7の状態で、各左右一対の電池収容部6・6間に位置する台紙部分に形成された切り欠き部8を覆いうるように、切り欠き部8の縦幅寸法よりも大きな縦幅寸法を有する。また、この電池包装体1においては、各左右一対の電池収容部6・6を含む一定の領域ごとに当該包装体1を分離できるように、長手方向において隣り合う左右一対の電池収容部6・6間に包装体分離用のミシン目7が設けられている。その他の構成は実施例1の場合と同様であるので、対応する部分に同一の符号を付して説明を省略する。
【0036】
この実施例2に係る電池包装体1においても、上記の実施例1に係る電池包装体1の場合と同様、腕時計等から電池を取り出したり腕時計等における所定位置に電池をセットしたりする際に使用するピンセットをそのまま使用して、電池収容部6内に収容されている電池4を容易に取り出すことができる。したがって、電池包装体1からの電池4の取り出し作業を含めて、一連の電池交換作業をピンセットを使用して円滑に進めることができる。
【実施例3】
【0037】
図9および図10は、本発明の実施例3に係る電池包装体1を示す。この電池包装体1は、図9の状態で、短手方向において隣り合う一対の電池収容部6・6と、これとは長手方向に所定の間隔をあけて設けられ且つ同じく短手方向において隣り合う一対の電池収容部6・6と、これらの2対の電池収容部6・6,6・6間に設けられた一個の電池収容部6とで一組の電池収容部群を構成し、この電池収容部群を長手方向に複数連設した構造である。各電池収容部群間には包装体分離用のミシン目7が設けられており、このミシン目7に沿って各電池収容部群ごとに分離できるようになっている。
【0038】
この電池包装体1において、前記短手方向において隣り合う一対の電池収容部6・6については、当該一対の電池収容部6・6間に位置する台紙部分に設けられた切り欠き部8を覆って当該一対の電池収容部6・6を連結するように隆起部10が設けられいる。また、前記2対の電池収容部6・6,6・6間に設けられた一個の電池収容部6については、当該一個の電池収納部6の近傍に位置する台紙部分に設けられた切り欠き部81を覆うように隆起部101が設けられている。その他の構成は実施例1や実施例2の場合と同様であるので、対応する部分に同一の符号を付して説明を省略する。
【0039】
この実施例3に係る電池包装体1においても、上記の実施例1や実施例2に係る電池包装体の場合と同様、腕時計等から電池を取り出したり腕時計等における所定位置に電池をセットしたりする際に使用するピンセットをそのまま使用して、電池収容部6内に収容されている電池4を容易に取り出すことができる。したがって、電池包装体1からの電池4の取り出し作業を含めて、一連の電池交換作業をピンセットを使用して円滑に進めることができる。
【実施例4】
【0040】
図11〜図15は、本発明の実施例4に係る電池包装体を示すもので、このうち図11はプラスチックシート成形体の表面側(表側)から見た状態を示す。
【0041】
図11に示すように、電池包装体1は、透明なプラスチックシート成形体2と、その裏面側に配置された台紙3とを具備し、台紙面と直交する方向から見た全体形状が縦長の長方形状とされている。電池包装体1には、図11に示した状態で、例えば被包装物である電池(ボタン電池)4の製品名等の表示部として使用可能な部分として、台紙3の上端側にプラスチックシート成形体2によって覆われていない台紙3のみの部分3aが設けられている。
【0042】
プラスチックシート成形体2には、ボタン電池収容用の複数のブリスター5・・・5が形成されている。各ブリスター5は、プラスチックシート成形体2の表面側(台紙3の配置されている面側とは反対の面側)に凸であって、扁平円筒形のボタン電池4を収容しうる形状を有する。そして、図14に示すように、これらのブリスター5の開口5a側(裏面側)を閉鎖するようにプラスチックシート成形体2の裏面側に台紙3を貼り付けて、それぞれ、各ブリスター5とこれに対応する台紙部分3aとで電池収容部6を形成し、これらの電池収容部6内にボタン電池4を収容した構成である。なお、プラスチックシート成形体2と台紙3とは、例えば台紙3側の表面に予め塗布形成された熱溶着性のシーラント層等(図示せず)を介して貼り付けられる。図11において網目模様を施した部分Nは、そのような貼り付け部分、すなわち両者の接着部分(熱溶着部分)を示す。
【0043】
ここで、台紙面と直交する方向から見て、各ブリスター5および電池収容部6は、後述するピンセットP(図14参照)による開封方向(図14において横方向)が長軸方向となるような横長の長円形に形成されている。これは、電池収容部内に比較的直径の大きな電池を収容した場合において、後述するようにピンセットによって当該電池収容部から電池を取り出す際に、電池収容部の形状が円形の場合よりも上記の長円形の場合の方が、電池を取り出しやすくなるというメリットがあるからである。
【0044】
図11に示した電池包装体1においては、その短手方向に2個の電池収容部6が、また長手方向には10個の電池収容部6が、それぞれ所定の間隔をあけて配置されている。言い換えると、電池包装体1の長手方向に所定の間隔をあけて設けられた10個の電池収容部6からなる列を2列平行に配置した構成である。さらに、この電池包装体においては、図11の状態で、短手方向において隣り合う一対の電池収容部6・6と、その直下に位置する同じく一対の電池収容部6・6との全部で4つの電池収容部6・・6を含む一定の領域ごとに、当該電池包装体1を短手方向に横切る包装体分離用のミシン目7が設けられている。これは、必要に応じて電池包装体1を部分的に切り離して使用したり提供したりできるようにする等のためである。
【0045】
上記の構成に加えて、本実施例の電池包装体1においては、図11や図13に示すように、その短手方向に沿って隣り合う各一対の電池収容部6・6の間に位置する各台紙部分3a・3aに、電池交換作業等で使用されるピンセットP(図14参照)の先端側を挿入できる程度の大きさを有する長孔状の切り欠き部8がそれぞれ設けられている。これらの切り欠き部8は、それぞれ、当該一対の電池収容部6・6の中心どうしを結ぶ直線に沿って両電池収容部6・6間の所定の台紙部分を扁平な鼓状に打ち抜くことによって形成したもので、その縦方向の幅寸法は被包装物であるボタン電池の直径よりも小さく設定されている(図示例では1/2から1/3程度)。また、図13に拡大して示すように、各切り欠き部8の左右の両端は、その両側に位置する両電池収容部6・6の中間の位置から両電池収容部6・6に向けてそれぞれ所定量(図示例では1/2程度)変位した位置にある。この各切り欠き部8の左右両端位置における台紙部分3b・3bは、上記ピンセットPを使って容易に掴めるように当該切り欠き部8側に向けて突出する円弧状に形成されている。
【0046】
台紙3には、各切り欠き部8からその両側に位置する各一対の電池収容部6・6の台紙部分3a・3aにかけて台紙部分破断用のミシン目9・9が設けられている。これらのミシン目9は、切り欠き部8の左右両端位置における台紙部分3b・3bを上記のピンセットP(図14参照)で掴んで、取り出そうとしているボタン電池4が収容されている電池収容部6側に向けて捲っていったときに、図15に示すように、当該ミシン目9に沿った所定の形状に台紙部分3b・3aが容易に破られるようにするためのものである。この実施例の場合、各電池収容部6の台紙部分3aでは、当該ブリスター5の開口部5aの開口径よりも僅かに小さく、収納されるボタン電池4の直径よりもそれぞれ所定量だけ大きな長径(図13の状態で左右方向の径)および短径(図13の状態で上下方向の径)を有する略長円形とされている。
【0047】
加えて、この実施例においては、ピンセットによる開封操作の更なる容易化を図るため、図13に示すように、切り欠き部8からその近傍の電池収容部6に至る方向、すなわち電池収容部6の開封方向(台紙部分3aを破っていく方向、図13において左右方向)に沿った中心線Xを挟んで一方の側(図13の状態で中心線Xの上側)に位置するミシン目9の接合部(各ミシン目部分を繋いでいる部分)と他方の側(図13の状態で中心線Xの下側)に位置するミシン目9の接合部9bとが、当該中心線Xを挟む両側において非対称(図13の状態で上下非対称)となる位置に設けられている。言い換えると、図13の状態で、ミシン目9の各接合部は、中心線Xの上側と下側とで同図の左右方向の位置をずらした配置構成とされている。なお、このようなミシン目9の各接合部の配置構成は、先に述べた実施例1ないし実施例3の電池包装体1においても、同様に採用することができる。
【0048】
一方、プラスチックシート成形体2には、図11および図12に示すように、前記4つの電池収容部6・・6を含む一定の領域ごとに、切り欠き部8・8に対応する、平面的な広がりを持った隆起部10がそれぞれ形成されている。これらの隆起部10は、当該領域に含まれる2つの切り欠き部8・8を覆うとともに、当該領域に含まれる4つ電池収容部6・・6を連結するように形成されている。すなわち、電池包装体1の短手方向において隣り合う一対の電池収容部6・6と、これらと長手方向において隣り合う位置にあって同じく短手方向において隣り合う他の一対の電池収容部6・6とを連結するように形成されている。各隆起部10は、図12および図14に示すように、それぞれ、ブリスター5と同様にプラスチックシート成形体2の表面側に凸であって、電池収容部6・6間の中央側に位置する高隆起部分10aと、この高隆起部分10aと電池収容部6とを繋ぐ低隆起部分10bとからなる構成である。このうち、低隆起部分10bの突出量は被包装物である電池4の厚み寸法より小さく、図示例ではブリスター5の突出量の数分の一程度とされている。また、高隆起部分10aの突出量は、ブリスター5の突出量と低隆起部分10bの突出量との間に設定されている。
【0049】
上記のように構成された電池包装体1によれば、以下に述べるように、腕時計等の電池(ボタン電池)を交換する作業において、この種の作業で使用されるピンセットをそのまま使用して、電池包装体の電池収容部内に収容されている電池を容易に取り出すことができる。
【0050】
まず、台紙3が上側(プラスチックシート成形体2が下側)となるようにした状態(図14および図15において上下を反転させた状態)で、この種の電池交換作業で使用されるピンセットPの片方の先端側を、一対の電池収容部6・6間の台紙部分に形成されている切り欠き部8に挿入する。このとき、プラスチックシート成形体2には当該切り欠き部8に対応する隆起部10が形成されているから、当該切り欠き部8への上記ピンセットPの先端側の挿入作業は容易に行なえる。
【0051】
次に、この状態で、図14に示すように切り欠き部8の一端側に位置する台紙部分3bをピンセットPで掴んで、一方の電池収容部6側に向けて捲り上げるようにする。このようにすると、図15に示すように、当該切り欠き部8から電池収容部6に至る台紙部分3b・3aが台紙部分破断用のミシン目9に沿って破れて、当該電池収容部6に収容されている電池4が部分的にまたは全体的に露出するようになるから、この電池4をピンセットP(図4参照)で摘んで外部に取り出すことができる。
【0052】
この場合、ミシン目9の各接合部が、図13に示す中心線Xを基準にしてその上側と下側とで対称の位置にあると、ピンセットPによる開封時に上下の接合部を同時に切断しなければならないため、その分だけ開封時の負荷が大きくなるが、本実施例の電池包装体1においては、中心線Xの上側のミシン目9の接合部9aと下側のミシン目9の接合部9bは、同図の左右方向の位置をずらして配置されているから、ミシン目に沿った台紙部分の強度は上記の場合と同様に確保しながら、上下の接合部9a・9bの切断タイミングがずれる分だけ開封時の負荷は相対的に小さくなる。したがって、電池収容部6から電池4を取り出す際に台紙部分3bが破りやすくなる。
【0053】
こうして、腕時計等から電池を取り出したり腕時計等における所定位置に電池をセットしたりする際に使用するピンセットPをそのまま使用して、電池包装体1の電池収容部6内に収容されている電池4を容易に取り出すことができる。したがって、電池包装体1からの電池4の取り出し作業を含めて、一連の電池交換作業をピンセットを使用して行なうことができるので、この種の電池交換作業を円滑に進めることができる。
【0054】
ところで、本実施例の電池包装体1のように全体が縦長形状のブリスターパックの場合、一般に、その短手方向(横方向)の軸回りの剛性が相対的に低下するため、縦方向(長手方向)の途中部分で折れ曲がるなど、当該包装体が歪みやすくなる。しかし、上記構成の電池包装体1においては、図11等に示したように、その短手方向において隣り合う一対の電池収容部6・6と、その直下に位置する同じく一対の電池収容部6・6との全部で4つの電池収容部6・・6を含む一定の領域ごとに、当該領域に含まれる2つの切り欠き部8・8を覆うとともに、当該領域に含まれる4つ電池収容部6・・6を連結するように、平面的な広がりを持った隆起部10が形成されており、これらの隆起部10の存在によって短手方向および長手方向の軸回りの剛性がともに高められている。この結果、上記のような縦長形状の電池包装体1における歪み(特に短手方向の軸回りの変形)が効果的に抑制されることとなる。
【符号の説明】
【0055】
1 電池包装体
2 プラスチックシート成形体
3 台紙
3a・3b 台紙部分
4 電池(ボタン電池)
5 ブリスター
6 電池収容部
8・81 切り欠き部
9 台紙部分破断用のミシン目
9a・9b ミシン目の接合部
10・101 隆起部
P ピンセット
X 切り欠き部からその近傍の電池収容部に至る方向に沿った当該電池収容部の中心線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボタン電池収容用のブリスターが形成されたプラスチックシート成形体と、
このプラスチックシート成形体のブリスターの開口側を閉鎖する台紙とを有し、
前記ブリスターとこれに対応位置する台紙部分とで形成される電池収容部にボタン電池を収容した電池包装体であって、
前記電池収容部の近傍に位置する台紙部分に切り欠き部が設けられており、
前記プラスチックシート成形体には、前記切り欠き部に対応する隆起部が形成されており、
前記台紙には、前記切り欠き部から電池収容部の台紙部分にかけて台紙部分破断用のミシン目が設けられていることを特徴とする電池包装体。
【請求項2】
各電池収容部は、台紙面と直交する方向から見た形状が、前記切り欠き部分から当該電池収容部に至る方向に長い横長の長円形とされている、請求項1記載の電池包装体。
【請求項3】
前記切り欠き部からその近傍の電池収容部に至る方向に沿った当該電池収容部の中心線を挟んで一方の側に位置するミシン目の接合部と他方の側に位置するミシン目の接合部とが、当該中心線を挟む両側において非対称位置に設けられている、請求項1または2記載の電池包装体。
【請求項4】
台紙面と直交する方向から見た電池包装体の全体形状が縦長とされており、
その短手方向には少なくとも2個の電池収容部が、また長手方向にはそれ以上の個数の電池収容部が、それぞれ所定の間隔をあけて配置されており、
前記短手方向に沿って隣り合う一対の電池収容部の間に位置する各台紙部分に前記切り欠き部がそれぞれ設けられている、請求項1ないし3のいずれかに記載の電池包装体。
【請求項5】
隆起部は、複数個の電池収容部を含む一定の領域ごとに設けられ、当該領域に含まれる複数個の電池収容部を連結するように形成されている、請求項4記載の電池包装体。
【請求項6】
隆起部は、短手方向において隣り合う一対の電池収容部を連結するように形成されている、請求項4または5記載の電池包装体。
【請求項7】
隆起部は、短手方向において隣り合う一対の電池収容部と、これらと長手方向において隣り合う位置にあって同じく短手方向において隣り合う他の一対の電池収容部とを連結するように形成されている、請求項4または5記載の電池包装体。
【請求項8】
短手方向において隣り合う一対の電池収容部と、これとは長手方向に所定の間隔をあけて設けられ且つ同じく短手方向において隣り合う一対の電池収容部と、これらの2対の電池収容部間に設けられた一個の電池収容部とで一組の電池収容部群が形成され、この電池収容部群が長手方向に複数連設された構造とされており、
前記短手方向において隣り合う一対の電池収容部については、当該一対の電池収容部間に位置する台紙部分に設けられた切り欠き部を覆って当該一対の電池収容部を連結するように隆起部が設けられており、
前記2対の電池収容部間に設けられた一個の電池収容部については、当該一個の電池収納部の近傍に位置する台紙部分に設けられた切り欠き部を覆うように隆起部が設けられている、請求項4記載の電池包装体。
【請求項1】
ボタン電池収容用のブリスターが形成されたプラスチックシート成形体と、
このプラスチックシート成形体のブリスターの開口側を閉鎖する台紙とを有し、
前記ブリスターとこれに対応位置する台紙部分とで形成される電池収容部にボタン電池を収容した電池包装体であって、
前記電池収容部の近傍に位置する台紙部分に切り欠き部が設けられており、
前記プラスチックシート成形体には、前記切り欠き部に対応する隆起部が形成されており、
前記台紙には、前記切り欠き部から電池収容部の台紙部分にかけて台紙部分破断用のミシン目が設けられていることを特徴とする電池包装体。
【請求項2】
各電池収容部は、台紙面と直交する方向から見た形状が、前記切り欠き部分から当該電池収容部に至る方向に長い横長の長円形とされている、請求項1記載の電池包装体。
【請求項3】
前記切り欠き部からその近傍の電池収容部に至る方向に沿った当該電池収容部の中心線を挟んで一方の側に位置するミシン目の接合部と他方の側に位置するミシン目の接合部とが、当該中心線を挟む両側において非対称位置に設けられている、請求項1または2記載の電池包装体。
【請求項4】
台紙面と直交する方向から見た電池包装体の全体形状が縦長とされており、
その短手方向には少なくとも2個の電池収容部が、また長手方向にはそれ以上の個数の電池収容部が、それぞれ所定の間隔をあけて配置されており、
前記短手方向に沿って隣り合う一対の電池収容部の間に位置する各台紙部分に前記切り欠き部がそれぞれ設けられている、請求項1ないし3のいずれかに記載の電池包装体。
【請求項5】
隆起部は、複数個の電池収容部を含む一定の領域ごとに設けられ、当該領域に含まれる複数個の電池収容部を連結するように形成されている、請求項4記載の電池包装体。
【請求項6】
隆起部は、短手方向において隣り合う一対の電池収容部を連結するように形成されている、請求項4または5記載の電池包装体。
【請求項7】
隆起部は、短手方向において隣り合う一対の電池収容部と、これらと長手方向において隣り合う位置にあって同じく短手方向において隣り合う他の一対の電池収容部とを連結するように形成されている、請求項4または5記載の電池包装体。
【請求項8】
短手方向において隣り合う一対の電池収容部と、これとは長手方向に所定の間隔をあけて設けられ且つ同じく短手方向において隣り合う一対の電池収容部と、これらの2対の電池収容部間に設けられた一個の電池収容部とで一組の電池収容部群が形成され、この電池収容部群が長手方向に複数連設された構造とされており、
前記短手方向において隣り合う一対の電池収容部については、当該一対の電池収容部間に位置する台紙部分に設けられた切り欠き部を覆って当該一対の電池収容部を連結するように隆起部が設けられており、
前記2対の電池収容部間に設けられた一個の電池収容部については、当該一個の電池収納部の近傍に位置する台紙部分に設けられた切り欠き部を覆うように隆起部が設けられている、請求項4記載の電池包装体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−60689(P2011−60689A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−211580(P2009−211580)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【出願人】(000005810)日立マクセル株式会社 (2,366)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【出願人】(000005810)日立マクセル株式会社 (2,366)
【Fターム(参考)】
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