説明

電池寿命を改善するためにスリープインターバルを選定するための方法およびシステム

【課題】モバイル通信デバイスにおけるスリープインターバルを選定する方法を提供する。
【解決手段】回路交換ネットワークおよびパケット交換ネットワークのような異なるタイプのネットワークにアクセスすることができるモバイル通信デバイスは、パケット交換ネットワークにおいて通信をしている間、当該パケット交換ネットワークを使用して利用可能な通常のスリープインターバルより長いスリープインターバルを取り決める。このようにして、デバイスは目覚めの頻度を小さくし、もって電力を保存する。バッファリングシステムが含まれていて、デバイスがスリープしている間にデバイスに向けられたデータはデバイスが目覚めたとき後で配信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[米国特許法(35U.S.C)第119条に基づく優先権主張]
本件特許出願は、本願の譲渡人に譲渡され、参照によって本件明細書に明白に組み込まれる、2007年4月27日の「STANDBY POWER MANAGEMENT」という名称の米国仮出願第60/795,846号に基づいて優先権を主張するものである。
【0002】
本件開示は、一般に電気通信に関係し、より詳細には、異なるタイプの通信ネットワークを経由して通信する能力のあるモバイル通信デバイスをサポートするためのシステムおよび方法に関係する。
【背景技術】
【0003】
無線情報サービスに対する需要は、絶えず増加する数の無線ネットワークの発展をもたらしてきた。CDMA2000 1xは、広域電話およびデータサービスを提供する無線ネットワークのほんの一例である。CDMA2000 1xは、符号分割多重接続(CDMA)技術を使用する、第三世代パートナーシッププロジェクト2(3GPP2)によって公布された無線標準である。CDMAは、スペクトル拡散処理の使用により、複数のユーザが共通の通信媒体を共有することを可能にする技術である。欧州で普通に使用されている競合する無線ネットワークは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)である。CDMA2000 1xと異なって、GSM(登録商標)は、無線の電話およびデータのサービスをサポートするために、狭帯域の時分割多重接続(TDMA)を使用している。いくつかの他の無線ネットワークは、電子メールおよびウェブブラウジングのアプリケーションに適したデータ速度によって高速データサービスをサポートするGPRS(General Packet Radio Service)、および音声および映像アプリケーションのための広帯域音声およびデータを配信することができるUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)を含んでいる。他のアクセス技術は、EV-DOおよびHSDPPA(High-Speed Downlink Packet Access)を含んでいる。
【0004】
これらの無線ネットワークは、一般にセルラー技術を採用する広域ネットワークと考えることができる。セルラー技術は、地理的なカバレッジ領域をセルに分割するトポロジー(位相幾何学)に基づいている。それぞれのセルの内には、モバイルユーザと通信するベーストランシーバステーション(BTS)がある。さまざまなパケット交換および回路交換ネットワークのためにBTSを制御し、適切なゲートウェイへの通信経路を定めるために、典型的には、地理的カバレッジ領域においてベースステーションコントローラ(BSC)が採用される。
【0005】
無線情報サービスに対する需要が継続的に増加するにつれ、広域回路交換セルラーネットワークと広域パケット交換セルラーネットワークと無線LANとの間でシームレスなネットワークカバレッジを提供しながら、データおよびストリーミングメディアの統合をサポートするモバイルデバイスが発展している。無線LANは、一般にIEEE 802.11などのような標準プロトコルを使用し、比較的小さな地理的領域において電話通信およびデータサービスを提供する。無線LANの存在は、当該無線LANのインフラを使用してセルラー通信をライセンス不要の周波数領域にまで拡張することによって、広域セルラーネットワークにおけるユーザ容量を増やすための無類の機会を提供する。
【0006】
最近、モバイルデバイスがパケット交換ネットワークおよび回路交換ネットワークのような異なる無線ネットワークと通信できるようにするためのさまざまな技術が採用されるようになってきた。これにともなって、今日では、モバイルデバイスによって回線交換ネットワーク上で開始されたセッションをパケット交換ネットワークにハンドオフすることができる実例がある。いずれの場合においても、そのような通信デバイスの1つの重要な態様は、電力の管理およびエネルギの効率性に関係する。モバイルユーザの満足度に悪影響を与えることがないようなやりかたで、目覚めのインターバル(wake interval)およびスリープインターバル(sleep interval)を管理することによって、そのようなデバイスのスタンバイ能力を改善する必要が残っている。
【発明の概要】
【0007】
モバイル通信デバイスの1つの態様は、多重接続ネットワーク上で通信することができるモバイル通信デバイスにおけるスリープインターバルを選定するための方法に関係する。この方法にしたがって、モバイルデバイスはアクセスポイントと第1のスリープインターバルの期間を取り決める。しかしながら、モバイルデバイスは、つぎに、前記アクセスポイント以外の1つまたはそれより多い構成要素との交渉に基づいて、第1のスリープインターバルの期間を第2のスリープインターバルの期間を変更する。ここにおいて、第2のスリープインターバルの期間は、第1のスリープインターバルの期間より長い。
【0008】
本件開示のさまざまな態様は、例として示され説明されるだけであって、本件開示の他の態様も当業者にとって以下の詳細な説明から容易に明白であることが理解される。あとで了解されるように、本件開示は、他のおよび異なる態様のものであることも可能であって、そのいくつかの詳細は、すべて本件開示の要旨および範囲から逸脱することなく、他のさまざまな態様に修正することが可能である。したがって、図面および詳細な説明は、本質的に例示的なものとみなされるべきであって、限定的なものとみなされてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
無線通信システムのさまざまな態様は、付随する図面において例として示されるものであって、限定するためのものではない。
【図1A】図1Aは、無線通信システムの態様の概念ブロック図である。
【図1B】図1 Bは、回路交換セルラー通信および無線LAN通信の双方をサポートする能力のあるモバイルデバイスの一例を示す機能ブロック図である。
【図2】図2は、図1Aのゲートウェイシステムのより詳細な概念ブロック図である。
【図3】図3は、モバイルデバイスへのページのバッファリング、スケジューリングおよび配信のための方法の例示的フロー図である。
【図4】図4は、リッスンインターバルおよびページングインターバルの一例である。
【詳細な説明】
【0010】
以下において添付図面に関連して開示される詳細な説明は、本件開示のさまざまな態様の説明として意図されるものであって、これらの態様だけが本件開示を実施できる態様であることを表すことを意図するものではない。詳細な説明は、本件開示についての完全な理解を提供する目的のために、特別の詳細を含んでいる。しかしながら、本件開示がこれらの特別の詳細なしで実行されてよいことは当業者にとって明白なことであろう。いくつかの実例において、よく知られている構造および構成要素は、本件開示の概念を不明瞭にすることを避けるために、ブロック図の形で示される。
【0011】
以下の詳細な説明において、多重接続ネットワークに接続するさまざまなアプリケーションを使用するモバイルユーザに関連して、さまざまな技術が説明される。これらの技術の多くは、セルラーカバレッジ領域全体に分散した1つまたはそれより多いパケット交換ネットワークおよび/または無線LANを備えた回路交換セルラーネットワークを移動するモバイル通信デバイスの文脈において説明される。本モバイル通信デバイスは、CDMA2000 1xネットワークにおける操作のために設計されたセルラーフォンのような、無線電話またはデータ通信可能な任意の適切なデバイスであってよい。本モバイル通信デバイスは、一例としてIEEE 802.11を含む、任意の適切な無線LANアクセスプロトコルを採用する能力のあるものであってよい。これらの技術は、IEEE 802.11ネットワークと通信することができるセルラーフォンの文脈において説明されることができるが、当業者は、複数のネットワークに接続するその他のモバイル通信デバイスに拡張可能であることを容易に認識するであろう。例えば、これらの技術は、CDMA2000ネットワークおよびGSM(登録商標)/UMTSネットワークの内部または両者の間において交換可能なモバイル通信デバイスに適用されることができる。したがって、IEEE 802.11ネットワークと通信することができるセルラー電話に対するいかなる言及または他のいなかる特別の態様も、本件開示のさまざまな態様は広範囲のアプリケーションを有しているという理解のもとにこれらの態様を例示することのみを目的とするものである。
図1Aは、無線通信システムの態様の概念ブロック図である。モバイルデバイス102は広域セルラーネットワーク104を通って移動することが一連の破線によって示されている。セルラーネットワーク104は、セルのカバレッジ領域全体に分散する多数のBTSをサポートする1つのBSCを含んでいる。説明の単純さのために、図1Aでは単一のBTS 108が示されている。公衆交換電話ネットワーク(PSTN)112にゲートウェイを供給するために、モバイル交換局(MSC)110を使用することができる。MSC110はデータベース111に連結することができる。図1Aには示されていないが、セルラーネットワーク104は、セルラーネットワーク104の地理的範囲を広げるために、各々が任意の数のBTSをサポートする多数のBSCを採用することができる。多数のBSCがセルラーネットワーク104全体にわたって採用される場合、BSCの間の通信を調整するためにMSC110を使用することもできる。
【0012】
セルラーネットワーク104のセルラーカバレッジ領域全体にわたって1つまたはそれより多い無線LANを分散させることができる。モバイルデバイス102と通信することができるさまざまなパケット交換ネットワークのうちのどれかの一例として、図1Aに単一の無線LAN114が示される。無線LAN 114は、IEEE 802.11ネットワーク、または他の適切なネットワークであってよい。無線LAN 114は、IPネットワーク118と通信するモバイルデバイス102のためのアクセスポイント116を含んでいる。サーバ120は、IPネットワーク118をMSC 110に接続するために使用することができる。MSC110は、PSTN 112にゲートウェイを供給する。サーバ120は、インターワーキング機能としても知られているが、これは図2においてより詳細に説明されるように、さまざまな機能を提供する1つまたはそれより多い別々のシステムであってもよい。なお、図1Aは、異なるシステムおよびネットワークの間の可能な通信パスをすべて例示しているわけではない。
【0013】
はじめにモバイルデバイス102に電力が加えられると、そのデバイスはセルラーネットワーク104または無線LAN 114のいずれかにアクセスすることを試みる。特定のネットワークにアクセスすることの決定は、特別のアプリケーションおよび全面的な設計上の制約条件に関係するさまざまな要因に依存する可能性がある。実例として、モバイルデバイス102は、サービス品質が最低限のしきい値を満たすとき無線LAN 114にアクセスするように構成することができる。モバイルの電話およびデータ通信をサポートするために無線LAN 114を使用することができる範囲において、価値あるセルラー帯域幅は他のモバイルのユーザのために解放されてもよい。
【0014】
モバイルデバイス102は、アクセスポイント116からまたは無線LANの他の任意のアクセスポイントからのビーコンを継続的に探索するように構成することができる。ビーコンは、同期情報をともなってアクセスポイント116によって送信される周期的信号である。モバイルデバイス102がビーコンを検出することができない場合―ロケーションAにおいてモバイルデバイス102に電力が加えられるとそういうことになる可能性があるが―モバイルデバイス102はセルラーネットワーク104にアクセスすることを試みる。モバイルデバイス102は、BTS 108からのパイロット信号を得ることにより、セルラーネットワーク104にアクセスすることができる。いったんパイロット信号が得られると、モバイルデバイス102とBTS 108との間において本技術分野においてよく知られている手段によって無線接続を確立することができる。モバイルデバイス102は、BTSとの無線接続を使用し、MSC 110に登録をすることができる。登録とは、モバイルデバイス102がセルラーネットワーク104に自己の行方を知らせるプロセスである。登録プロセスが完了すると、モバイルデバイス102は、モバイルデバイス102またはPSTN112のいずれかによって通話が開始されるまでアイドル状態に入ることができる。いずれにせよ、その通話をセットアップし、サポートするために、モバイルデバイス102とBTS 108との間に無線トラヒックリンクを確立することができる。
【0015】
図示されている態様においてモバイルデバイス102がセルラーネットワーク104を通ってロケーションAからロケーションBへ移動すると、それはもうアクセスポイント116からのビーコンを検出することができる。いったんそうなると、本技術分野においてよく知られている技術によって2つの間に無線接続を確立することができる。モバイルデバイス102は、つぎに、インターワーキング機能120のIPアドレスを決定する。モバイルデバイス102は、サーバのIPアドレスを決定するためにDNS(ドメイン名サーバ)のサービスを利用することができる。インターワーキング機能120のドメイン名は、モバイルデバイスの中に用意されていてもよいし、あるいはモバイルデバイスがIMSドメインまたはCSドメインのいずれかで登録を行なうときモバイルデバイスに配信されるのでもよい。代替的に、サーバのIPアドレスは、モバイルデバイスの上でハードコード(変更できないようなコード化)されることもできる。モバイルデバイスに既知のサーバのIPアドレスを使用することによって、モバイルデバイス102は、インターワーキング機能120を備えたネットワーク接続を確立することができる。
【0016】
図1Bは、回路交換セルラー通信および無線LAN通信の両方をサポートすることができるモバイルデバイスの一例を示す機能ブロック図である。モバイルデバイス102は、セルラートランシーバ152および無線LANトランシーバ154を含むことができる。モバイルデバイス102の少なくとも1つの態様において、セルラートランシーバ152は、BTS(図示されていない)とのCDMA2000 1x通信をサポートすることができる。また、無線LANトランシーバ154は、アクセスポイント(図示されていない)とのIEEE 802.11通信をサポートすることができる。しかしながら、当業者は、モバイル102に関連して説明される概念が他のセルラーおよび無線LAN技術にまで拡張可能であることを容易に認識するであろう。トランシーバ152および154の各々は、別々のアンテナ156および157をそれぞれ備えていることが示されているが、トランシーバ152および154は単一の広帯域アンテナを共有することができる。各アンテナ156、157、207は、1つまたはそれより多い放射素子で実装することができる。
【0017】
モバイルデバイス102はまた、トランシーバ152および154の両方につながっているプロセッサ158を備えていることが図示されている。しかしながら、モバイルデバイス102の代替的態様において、各トランシーバに対して別々のプロセッサを使用することも可能である。プロセッサ158は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアまたはこれらのものの任意の組み合わせとして実装することができる。一例として、プロセッサ158は、マイクロプロセッサ(図示されていない)を含んでよい。マイクロプロセッサは、なかんずく、(1)セルラーネットワークおよび無線LANへのアクセスを制御および管理し、および(2)プロセッサ158をディスプレイ160、キーパッド162および他のユーザインタフェース(図示されていない)と接続するソフトウェアアプリケーションをサポートするために使用することができる。プロセッサ158はまた、畳み込み符号化、CRC(周期冗長検査)機能、変調、およびスペクトル拡散処理のような、さまざまな信号処理機能をサポートする埋込み型ソフトウェア層を備えたデジタル信号プロセッサ(DSP)(図示されていない)を含むことができる。DSPは電話アプリケーションをサポートするためのボコーダ機能を実行することもできる。プロセッサ158を実装する方法は、特定のアプリケーション、およびシステム全体に課される設計上の制約条件に依存することになるであろう。本技術分野の当業者は、これらの状況下におけるハードウェア、ファームウェアおよびソフトウェアによる構成の互換性、ならびに各々の特定のアプリケーションのためのここに記述される機能性を実装する最良の方法を認識するであろう。
【0018】
本件技術分野において知られているある目的のために、アクセスポイントからの信号強度は、モバイルデバイス102において受信信号強度表示(RSSI)ブロック166を使用して測定することができる。RSSIは、非常に高い確率で、自動利得制御のために無線LANトランシーバ154にフィードバックされる、既に存在する信号である。それゆえ、RSSIは、モバイルデバイス102の回路構成の複雑さを増すことなく、プロセッサ158に提供されることができる。代替的に、無線接続の質がビーコンから決定されてもよい。
【0019】
プロセッサ158は、ハンドオフ状態がいつ存在するかを検出し、他の接続されているシステムとの適切なシグナリングを開始するためのアルゴリズムを実行するように構成することができる。本アルゴリズムは、前に議論されたマイクロプロセッサベースのアーキテクチャによってサポートされ、かつアクセス可能なメモリ161に記憶されている1つまたはそれより多いソフトウェアアプリケーションとして実装することができる。代替的に、本アルゴリズムは、プロセッサ158から離れている1つのモジュールであってもよい。モジュールは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらのものの任意の組み合わせにおいて実装することができる。特別の設計上の制約条件に依存して、本件アルゴリズムは、モバイルデバイス102の中の任意の構成要素へ統合することができるし、またはモバイルデバイス102の中の複数の構成要素にまたがって分散させることもできる。
【0020】
PSTN112のような、パケットネットワークと回路交換ネットワークとの間の音声通信を促進するために、システム120のリソースが利用される。システム120のいくつかの機能または構成要素は、図2においてより詳細に示される。図1Aのシステム120は、 図2に描かれているように、IPマルチメディアサブシステム(IMS)のドメイン204としてより包括的に説明される。IMSドメインは、下記の機能を提供する多数の異なるシステム、例えば、SIPサーバおよびSIPレジストラ(通話セッションコントロール機能(CSCF)として知られている)224のようなIPベースのサービスを提供するサーバ、MGCF 226およびMGW 228のようなレガシーPSTNネットワークとのインターワーキングを提供するサーバ、VCC AS 218のようなCSセルラーネットワークとのインターワーキングを提供するサーバを持っている。さらに、インターネット202を経由してモバイルデバイス234に異なるサービスを提供する複数のマルチメディアアプリケーションサーバ(図示されていない)が含まれることができる。図2において特定されている特別のサーバは、本質的に例示的であって、本件開示の範囲から逸脱することなく、より少ない数のサーバも、より多い数のサーバも含まれることができる。一般に、IMSドメイン204の1つの機能は、パケット交換ネットワーク206と回路交換ネットワークとの間のシグナリングおよび音声通信のマッピングの機能であって、それによって2つのネットワークの間の通信が可能とされる。IMSドメイン204は例えば、モバイルデバイス234のためにSIPに基づくネットワーク接続を供給することができる。SIP(Session Initiation Protocol)は、IPネットワークにセッションを確立するために使用されるシグナリングプロトコルである。セッションは、単純な二方向の通話でありえ、または協調的なマルチメディア会議セッションでもありえる。これらのセッションを確立することができるということは、ボイスエンリッチ型の電子商取引、ウェブページのクリックツーダイヤル、バディリスト(buddy-list)を備えたインスタントメッセージおよびIPセントレックスサービスのような、革新的なサービスのホストが可能になることを意味するものである。図2に示される他のいくつかの態様は、レガシー回路交換ネットワークにおけるHLR/AC 216と同じ機能を実行するホーム加入者サーバであるHSSサーバ222、およびPSTN 220とIMSドメイン204との間の接続を含むものである。図2においてさらに示されるのは、BSC 210と音声通話連続性アプリケーションサーバ(VCC AS)218との間の、MSC 212を通るパスである。無線LANの側において、デバイス234は、IMSドメイン204の内のパケットドメインインターフェース230に届くためにアクセスポイント232を使用することができる。
【0021】
図2における他のセルラーネットワークの要素は、BTS 208、BSC 210、MSC 212、VLR 214、HLR/AC 216およびPSTN 220のように、前に説明されたものである。モバイルデバイス234は、ネットワークアクセスポイント232を通るパケットデータインターフェース230を使用して、無線LANのような、セルラーネットワークおよびパケット交換ネットワークの双方にアクセスすることができる。
【0022】
特に、IMSドメインIPネットワークからのパケットストリームとPSTN 220のような音声回路交換ネットワークとの間の送信を変換するメディアゲートウェイ228を含むことができる。かくして、音声は、パケット交換ネットワークおよびメディアゲートウェイ228を通ってパケットで運ばれる一方、メディアゲートウェイ228とPSTN220との間の回路交換0接続における専用通信回路を通って運ばれる。SIPシグナリングを終わらせメディアゲートウェイ228の機能を制御する動作をするメディアゲートウェイ制御機能(MGCF)226も供給される。この点に関し、MGCF 226は、典型的には、EPセッションにおけるSIPシグナリングと回路交換セッションにおけるSS7シグナリングとの間の変換を実行する。
【0023】
ある通信セッションを固定する音声通話連続性アプリケーションサーバ(VCC AS)218も供給される。VCC ASは、ネットワークオペレータが加入者に提供することができるサービスの一部である。このサービスは、サービスとして自動的に含まれるものであってもよく、あるいはユーザが選定しなければならずかつおそらくはその能力の対価として追加料金を支払わなければならない加入者向けのサービスであってもよい。図1Aのようなマルチモードネットワークの当初のデザインは、モバイルデバイスが回路交換通話を開始するたびに(彼らがVCCサービスの加入者である場合は)その通話セッションが通話開始と同時にVCC ASにおいて固定されることを構想したものである。固定(anchoring)は、必要なときにセッションを回復またはハンドオフするための十分な情報をVCC ASが記憶しておくことを必要とする。典型的には、そのような情報は、セッションに参加する2人の当事者のアイデンティティ(身元)、セッションの間利用されているサービス、およびセッションの間のネットワークおよび通話の状態を定義するのに役立つ任意のトランスポート固有の情報を含んでいる。
【0024】
図2の詳細は機能ブロックとして描かれている。これはさまざまな異なる方法によって物理的に実装することができる。各機能ブロックは、適切なソフトウェアを実行するための1つまたはそれより多い別々のコンピュータベースのプラットフォームであってよく、またはそれらは、同じコンピュータベースのプラットフォームの上で実行するアプリケーションの論理関数であってもよい。さらに、図2における機能ブロックの特別の配置および包含は、本質的に例示的であって、本件明細書に開示される原理に準拠するデータおよび音声の送信を実行するために必ずしもすべての機能ブロックが必要とされるわけではない。ページバッファリング機能(PBF)231は、パケットデータインターワーキング機能(PDIF)230に接続されるものとして図2に描かれている。このロケーションは、本質的に例示的であって、PBF 231のために他の配置も考えられる。例えば、PBF 231はCSCF 224と並置されてよい。ただし、そのようなロケーションはPBFをモバイルデバイス234への媒体パスの中には埋め込むことはしないであろう。PBF 231をPDIF 230と統合または並置することは、AP 232を通るデバイス234への通信およびデバイス234からの通信のすべてに対するアクセスを提供する。有利なことに、PBF 231は、デバイス234がPBFの完全修飾ドメイン名を解読してPBFのIPアドレスに変換するためにDNSにアクセスすることができるようなIPアドレスを持っているシステムである。PBFのIPアドレスを知ることによって、モバイルデバイスはPBF 231と通信することができる。PBFの完全修飾ドメイン名は、モバイルデバイスにおいて用意されているか、または登録時にモバイルデバイスに配信されるかのいずれかである。代替的に、モバイルデバイスにPBFのIPアドレスを供給することもできる。
以下においてより詳細に説明されるように、PBF 231およびモバイルデバイス234は、モバイルデバイス234がAP 232での登録を終えた後に、通信する。デバイス234がどのくらいの長さのスリープインターバルを行うか、またこの期間にPBFがどのようにデータをバッファするかに関するメッセージが交換される。
【0025】
本件技術分野においてよく知られているように、デバイス234はWiFiのようなパケット交換ネットワークに登録をするためにAP 232にアプローチをすることができる。登録をしている間の取り決めプロセスにおいて、デバイス234は、AP 232がサポートできる異なるリッスンインターバル(listen interval)を要求しようとすることができる。典型的には、AP 232はただ1つのリッスンインターバルをサポートし、デバイス234にはこのインターバルを使うよう強制する。リッスンインターバルは、スタンバイ電力の消費に直接影響を与える。なぜなら、AP232においてデータが待機しているかどうかを検出するためにリッスンインターバルのたびにデバイスがスリープモードから目覚めるからである。したがって、リッスンインターバルが長ければ長いほど、スリープモードにいる時間が長くなるので、デバイス234によって使用される電力も小さくなる。しかしながら、より長いリッスンインターバルは、AP 232に対して、デバイス234のためにより多くのデータをバッファすることを要求する。さらに、AP 232を使用するモバイルデバイスの数が増えるので、より大きなリッスンインターバルのためのサポートは、APにおけるパケット記憶装置のためにより多くのメモリを要求する。それゆえ、AP 232は典型的には概ね何百ミリ秒の範囲より外側のリッスンインターバルはサポートしない。
【0026】
デバイス234は、スリープモードから目覚めると、AP 232によって周期的に放送されているビーコン信号をチェックする。したがって、AP 232がビーコン信号を100ミリ秒ごとに放送する場合、デバイス234についてのリッスンインターバルは、典型的には100ミリ秒になるように設定される。ビーコン信号に含まれるのは、トラヒック表示マップ(TIM)である。TIMは、AP 232がデバイス234を待っているデータを有しているかどうかをデバイス234に知らせるビットマップである。もしそうであれば(AP 232がデバイス234を待っているデータを有していれば)、デバイス234は目覚めたままでいて、データを検索するためにセッションに従事する。もしそうでなければ、デバイス234はリッスンインターバルの間スリープ状態に戻り、その後もう一度目覚めて待機しているデータをチェックする。
【0027】
図3は、本件開示の原理に準拠するページバッファリング機能を提供する例示的な方法のフロー図である。ステップ302および304において、モバイルデバイスは、アクセスポイントと提携することによってアクセスポイントに登録をする。この登録プロセスの部分は、モバイルデバイスのためにリッスンインターバルを決定することおよび割り当てることを必要とする。いったん登録されると、つぎに、ステップ306において、モバイルデバイスは、パケット交換ネットワークの上位に置かれているページバッファリング機能(PBF)のような他の機能と通信することができる。つぎに、モバイルデバイスはPBFに登録をすることができ、ステップ308において、ページングインターバルを取り決める。このページングインターバルは、都合よくリッスンインターバルの整数倍である。例えば、リッスンインターバルが100ミリ秒である場合、ページングインターバルは3秒であることができる。当業者は、概ね1秒から10秒のページングインターバルが有意なスタンバイ電力の改善を提供することを認識するだろう。しかしながら、本件開示の範囲内において、他のページングインターバルも考えられるところである。
【0028】
ステップ310において、モバイルデバイスはページングインターバルの間中、スリープする。アクセスポイントは、PBFとモバイルデバイスとの間のページングインターバル取り決めのことを知らないでいる。したがって、アクセスポイントは、規則的にスケジュールされているインターバルにおいてそのビーコン信号の放送を、たとえモバイルデバイスがそれをリッスンするために目覚めることがないとしても、続けるのである。モバイルデバイスがページングインターバルの間中スリープしている一方で、PBFは、ステップ310において、モバイルデバイスに向けられているあらゆるデータをバッファしている。一例は、音声通話または他のあるタイプのトラフィックセッションを始めるためのSIPインバイトであってよい。モバイルデバイスのためにデータをバッファすることによって、PBFは、アクセスポイントがモバイルデバイスのスリープ中にデータをモバイルデバイスに届けようとすることを妨げる。そのようなバッファリングがない場合、アクセスポイントは、スリープしているモバイルデバイスにデータを届けようとすることに失敗し、データ損失に帰着する。このようなデータ配信の失敗が繰り返されると、アクセスポイントは黙示的にモバイルデバイスの登録を解除する可能性がある。データ配信におけるこれらの割込みを防ぐために、モバイルデバイスおよびPBFは、モバイルデバイスへのデータ配信を調整し、スケジュールする。
【0029】
ページングインターバルが起きたことをPBFが決定すると、それは、ステップ312において、ページまたはバッファデータをモバイルデバイスにアクセスポイントを経由して送信する。バッファデータがなければ、ページを送る必要はない。
【0030】
ステップ314において、モバイルデバイスはページングインターバルの後に目覚め、アクセスポイントビーコンおよびTIMをリッスンする。もしページングインターバルの間にアクセスポイントによって受信されたページがあったら、モバイルデバイスはそれを待っているデータを持っているとTIMは考えるだろう。モバイルデバイスはつぎに、それがスタンバイ(またはスリープ)状態からアクティブ(またはトラフィック)状態に変わったことをPBFにシグナルするはずである。これに反応して、PBFは、バッファデータを送信し、さらにデータのバッファリングを停止し、その結果、後続のデータはバッファリングなしにアクセスポイントを通って渡される。モバイルデバイスがページングインターバルの間に再びスリープモードに入ると、データをバッファリングする状態に戻るようPBFにメッセージを送ることができる。PBFはモバイルデバイスへのトラヒックおよびモバイルデバイスからのトラヒックを監視することによって黙示的に「バッファリング」状態に入ることおよび出ることができることを当業者は認識するであろう。しかしながら、明示的なメッセージの交換は、プロセスにエラーを持ち込む可能性がより少ない。PBFは、別個の「ページ信号」メッセージを送ることができる。このページ信号メッセージは、バッファデータを運ぶのではなく、データがモバイルデバイスを待っていることをモバイルデバイスに伝えるためだけのメッセージとして作用するものである。あるいは、PBFは、アクセスポイントがビーコン信号においてTIMを適切に設定するように、前記ページ信号として作用する第1のバッファデータパケットを単に送ることができる。
【0031】
図4は、データ伝送およびバッファリングの期間中のモバイルデバイスおよびPBFのさまざまな事象のタイムラインを描いている。小さな矢印401は、リッスンインターバル402を示す。モバイルデバイスは、より長いページングインターバル404をPBFと取り決めていなければ、このリッスンインターバル402を使用して目覚めるであろう。より高い矢印403は、モバイルデバイスがアクセスポイントからのビーコン信号をリッスンするために目覚めている期間であるページングインターバルを示す。各々の高い矢印403は、その時に同時に同様に生じる小さな矢印401を覆い隠している。PBFによって受信されてバッファされるデータがあるとき、PBFは、モバイルデバイスがいったん目覚めたときにチェックするビーコン信号(およびTIM)にページが含まれるようなやりかたで、アクセスポイントにページを送らなければならない。データが待っていることをTIM経由で知らされた後にモバイルデバイスがデータにアクセスするかどうかをアクセスポイントは監視する。モバイルデバイスがデータを検索しない場合、アクセスポイントは、モバイルデバイスは利用可能ではなく、すべてのデータは捨てられると想定する。かくして、PBFおよびモバイルデバイスは、モバイルデバイスが目覚めていてTIMを監視するとき、PBFによって送信されたページまたはデータがモバイルデバイスに届くように、ページまたはデータの配信を調整しスケジュールしなければならない。以下は、モバイルデバイスへのページの配信を調整する1つのそのような方法の例である。モバイルデバイスは、登録要求の中に他の情報とともにローカルタイムスタンプを含んでいる。登録成功の場合、PBFは、登録応答の中にPBFローカルタイムスタンプを含んでいる。モバイルデバイスは、PBFに登録確認を送る。これらの3つのメッセージ(要求、応答、確認)の交換の後、PBFにくわえてモバイルデバイスもネットワーク遅延を推定することができる。この推定を改善する必要があれば、モバイルデバイスおよびPBFは、上記の手順を繰り返すことができる。この推定の後、PBFは、ページングインターバル終了時刻に相当するビーコン信号の直前にページ信号がAPに到着するように、ページ信号をモバイルデバイスに都合よく送るはずである。図4において、送信ページ信号408は時刻406に到着するはずである。このようにして、TIMは更新されることができ、その結果、モバイルデバイスが時刻407に目覚めてビーコン信号をリッスンするとき、それは待っているデータを知ることになる。
【0032】
ネットワーク遅延および他の過渡的事象は、ページ信号408を送るのに適切な時刻はいつかという、PBFによる計算に不確実性を持ち込むことになる。それゆえ、送信の遅延なくかつネットワーク帯域の非効率な使用なくデータが配信される確率を改善するために、さまざまなアプローチを採用することができる。1つの典型的な方法は、モバイルデバイスを3つのビーコン期間410の間目覚めさせておくことを含むであろう。これは、ページングインターバル終了の前のビーコン、ページング期間のビーコン、およびページングインターバル終了直後のビーコンを含むであろう。このようにして、ページング信号の配信速度のほんの少しの変形が融通されるであろう。なぜなら、少なくとも3つの異なるTIM放送の間、モバイルデバイスは目覚めているからである。
【0033】
他の方法は、ページングインターバルに対応する信号ビーコン信号(例えば407)についてのみモバイルデバイスを目覚めさせることを必要とする。しかしながら、PBFは、ページ信号を複数回送る。ある例示的な技術において、PBFは、ページングインターバルの終了前概ね1つのビーコン信号のときに到着する第1のページ信号を送り、ページングインターバル終了の直前に到着する第2のページ信号を送り、およびページングインターバル終了の直後のビーコン信号の前に到着する第3のページング信号を送る。モバイルデバイスがデータを重複して受信する場合、モバイルデバイスはPBFから受信された繰り返されたデータを容易に捨てることができる。
【0034】
PBFとモバイルデバイスとの間での登録プロセスの間、タイムスタンプを含むマルチプルメッセージのハンドシェークプロトコルを採用することができる。この方法において、デバイスおよびPBFは、2つの構成要素の間の遅延(例えばチャンネル、ジョブ待ち行列、処理)を推定することを試みることができる。これらの推定された遅延は、つぎに、ページング信号をいつ送信するべきかを計算するためにPBFによって用いられることができる。
【0035】
以下は、モバイルデバイスへのページ配信を調整する1つのそのような方法の例である。モバイルデバイスは、登録要求の中に他の関連情報とともにローカルタイムスタンプを含んでいる。PBFは、モバイルデバイスからの登録要求を処理する。登録に成功すると、PBFはモバイルデバイスに登録応答を送信する。PBF応答は、PBFにおいて応答が送信されたときの時刻を表すPBFローカルタイムスタンプにくわえ、登録要求においてモバイルデバイスによって供給されるタイムスタンプも含んでいる。登録応答に含まれるモバイルデバイスのタイムスタンプおよびモバイルデバイスにおいて受信された登録応答の受信の時刻に基づいて、モバイルデバイスは、PBFへの壁時計往復時間を決定することができる。往復時間は、メッセージ処理時間、メッセージ送信時間および待ち行列の遅延を含んでいる。遅延はいずれかの方向において同一であるという仮定の下、モバイルデバイスはそれ自身のクロックとPBFのクロックとの間のクロックスキューにくわえて、一方向の遅延も推定することができる。モバイルデバイスは、PBFに登録確認を送信する。登録確認メッセージはまた、登録応答においてPBFによって供給されたタイムスタンプを含むことができる。登録確認に含まれるPBFタイムスタンプおよびその確認が受信された時刻に基づいて、PBFは、モバイルデバイスへの壁時計往復時間を決定する。モバイルデバイスのように、PBFは、それ自身のクロックとターミナルクロックとの間の可能性のあるクロックスキューにくわえてターミナルへの一方向の遅延も決定する。往復遅延およびクロックスキューの推定に基づいて、PBFは、ページ配信スケジュールを決定する。これらの3つのメッセージの交換の後、PBFにくわえてモバイルデバイスも、ネットワーク遅延を推定することができる。この推定を改善する必要があれば、モバイルデバイスおよびPBFは上記の手順を繰り返すことができる。これらの推定された遅延は、つぎに、いつページング信号を送るべきであるかを算定するために、PBFによって使用されることができる。
【0036】
PBFの機能性の対エラー強度を改善する1つのさらなる特徴は、ハートビート信号を含むことである。モバイルデバイスとPBFとの間の周期的ハートビートは、PDFがモバイルデバイスをいつ登録解除するべきかを決定することができることを保証する。もしハートビートプロトコルがタイムスタンプ情報を含んでいるという点において都合よく登録プロトコルに似ているとすると、遅延推定は、ハートビート信号内の情報に基づいて繰り返して更新されることができる。モバイルデバイスは、サービスのマッピングおよび各サービスのために、好ましいアクセス技術を記憶している。好ましいアクセス技術が利用可能であるのに好ましくないアクセス技術によるサービスのためのページが受信されたとすると、そのことは、ネットワークが好ましいアクセスに基づいてページ配信を試みたものの、そのページの配信に失敗したということを表している。そのような失敗の、1つのありうる理由は、ネットワーク遅延のようなパラメータの間違った推定に基づいたPBFプロトコルオペレーションである可能性がある。そのような事象の場合、端末がPBF登録手順を再開する。そのような失敗が繰り返されると、端末は、PBFオペレーションをすべて不能にする。
【0037】
開示されているプロセスにおけるステップの特別の順序または階層性は、例示的アプローチの一例であることが理解される。設計上の選好に基づいて、本件開示の範囲内にあるかぎり、プロセスにおけるステップの特別の順序または階層性は再配置することができることが理解される。本件明細書に付随する方法は、さまざまなステップの本エレメントを見本的順序において要求するものであって、提示されている特別の順序または階層性に限ることを意図するものではない。
さまざまな例示的な論理ブロック、モジュール、回路、エレメント、および/または本件明細書において開示されている態様に関連して説明される構成要素は、汎用目的プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向けIC(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理構成要素、離散的ゲートまたはトランジスタロジック、離散的ハードウェア構成要素、または本件明細書において説明される機能を達成するように設計されたこれらのものの任意の組み合わせを用いることによって実装または実施をすることができる。汎用目的プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代替的に、任意の従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であってもよい。プロセッサは、コンピューティング構成要素の組み合わせとして、例えば、DSPおよびマイクロプロセッサの組み合わせ、DSPコアと協同する1つまたはそれより多いマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装することもできる。
【0038】
本件明細書において開示されている態様に関して説明されている方法またはアルゴリズムは、ハードウェアにおいて、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールにおいて、または両者の組み合わせにおいて直接具体化することもできる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROMまたは本件技術分野において知られている記憶媒体の他の形式の中に在ることができる。記憶媒体は、プロセッサがその記録媒体から情報を読み出すこと、およびその記録媒体に情報書き込むことができるように、プロセッサに連結されていてよい。代替的に、記憶媒体は、プロセッサと一体化されていてもよい。
【0039】
前記の説明は、任意の当業者をして本件明細書において開示されているさまざまな態様を実施することを可能ならしめるために提供されている。これらの態様についてのさまざまな変更は、当業者にとって容易に明白であろう。また、本件明細書において定義されている一般原理は、他の態様にも適用することができる。したがって、本件請求項は、本件明細書において示されている態様に制限することを意図するものではなく、言語請求項と整合する十分な範囲が与えられることを意図するものであって、ここにおいて、単数形の要素への言及は、特にそう特定する場合を除いて、「1つおよびただ1つ」を意味することを意図するものではなく、むしろ「1つまたはそれより多い」を意味することを意図している。本件開示全体にわたって説明されているさまざまな態様の要素の構造的および機能的均等物であることが当業者に知られているまたは後に知られるようになるものは、参照によって本件明細書に明白に取り込まれ、また請求項によって包含されることを意図している。さらに、請求項において明示的に列挙されているかどうかにかかわらず、本件明細書において開示されているものであって、パブリックに献上することを意図しているものはまったくない。請求項の要素が「のための手段」という語句を使用して明白に列挙されている、または方法の請求項の場合、その要素が「のためのステップ」という語句を使用して列挙されているのでないかぎり、いかなる要素も米国特許法35U.S.C第112条第6パラグラフの条項のもとにおいて解釈されてはならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル通信デバイスにおけるスリープインターバルを選定する方法であって、
第1のスリープインターバルの期間をアクセスポイントと取り決めること、および
第2のスリープインターバルの期間を前記アクセスポイント以外の1つまたはそれより多い構成用紙と取り決めること、ここにおいて前記第2のスリープインターバルの期間は前記第1のスリープインターバルの期間より長いこと、
を備える方法。
【請求項2】
前記第2のスリープインターバルの期間は、前記第1のスリープインターバルの期間の整数倍である、請求項1の方法。
【請求項3】
前記第1のスリープインターバルにおいてずっとスリープし、繰り返されるビーコン送信を無視すること、および前記第2のスリープインターバルの期間の終了と同時にスタンバイモードから目覚めることをさらに備える、請求項1の方法。
【請求項4】
前記第2のスリープインターバルの期間の終了と同時にビーコン信号を予期してリッスンすること、および
前記モバイル通信デバイスのためにデータが利用可能であることを前記ビーコン信号が示しているかどうかを決定すること
をさらに備える、請求項1の方法。
【請求項5】
前記アクセスポイント以外の前記1つまたはそれより多い構成用紙の少なくとも1つにハートビート信号を定期的に送ることをさらに備える、請求項1の方法。
【請求項6】
前記アクセスポイント以外の前記1つまたはそれより多い構成要素は、ページバッファリング機能を備える、請求項1の方法。
【請求項7】
前記ページバッファリング機能は、前記モバイル通信デバイスに関係する前記アクセスポイントの上位に位置する、請求項6の方法。
【請求項8】
前記ページバッファリング機能は、前記モバイル通信デバイスに向けられているデータまたはシグナリングの少なくとも1つをバッファするように構成されている、請求項6の方法。
【請求項9】
前記第2のスリープインターバルの期間の終了と同時にスタンバイモードから目覚めること、
データのバッファリングが終わるべきであることを示すために前記アクセスポイント以外の前記1つまたはそれより多い構成要素の少なくとも1つに信号を送ること、および
前記アクセスポイント以外の前記1つまたはそれより多い構成要素の前記少なくとも1つからのバッファデータを受信すること
をさらに備える、請求項1の方法。
【請求項10】
前記第2のスリープインターバルの期間の満了の直前または直後の1つより多いビーコンをリッスンするために遅れずにスタンバイモードから目覚めること、および
前記モバイル通信デバイスのためにデータが利用可能であることを前記直前または直後のビーコン信号のうちの1つが示しているかどうかを決定すること、
をさらに備える、請求項1の方法。
【請求項11】
不正確なスケジュールのためにサーバからの信号を受信することに失敗したことを決定すること、および
以下の3つのうちの少なくとも1つを行うこと、
前記第2のスリープインターバルの期間を再度取り決めること、
前記モバイルデバイスと前記サーバとの間のネットワークパス遅延を再度推定すること、または、
前記第2のスリープインターバルを不能にして前記サーバでバッファをすること
をさらに備える、請求項1の方法。
【請求項12】
前記アクセスポイント以外の前記1つまたはそれより多い構成要素の少なくとも1つに信号を送ること、ここにおいて前記信号は前記モバイル通信デバイスが前記アクセスポイント以外の前記1つまたはそれより多い構成要素の前記少なくとも1つにおいてバッファデータを受信する用意ができていることを示す信号であること、
をさらに備える、請求項1の方法。
【請求項13】
前記バッファデータを受信することをさらに備える、請求項12の方法。
【請求項14】
モバイル通信デバイスであって、
アクセスポイントからのビーコン信号を予期してリッスンするように構成されているトランシーバ、および
前記トランシーバを制御し、次のことを行うように構成されているプロセッサ、
第1のスリープインターバルの期間を前記アクセスポイントと取り決めること、および前記アクセスポイント以外の1つまたはそれより多い構成要素との取り決めに基づいて前記第1のスリープインターバルの期間を第2のスリープインターバルの期間に変えること、ここにおいて前記第2のスリープインターバルの期間は前記第1のスリープインターバルの期間より長いこと
を備える、モバイル通信デバイス。
【請求項15】
前記第2のスリープインターバルの期間は前記第1のスリープインターバルの期間の整数倍である、請求項14のモバイル通信デバイス。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記第2のスリープインターバルの期間の終了と同時に前記モバイル通信デバイスをスタンバイモードから目覚めさせるようにさらに構成されている、請求項14のモバイル通信デバイス。
【請求項17】
前記プロセッサは、
前記第2のスリープインターバルの期間の終了と同時にビーコン信号を予期してリッスンする、および
前記モバイル通信デバイスのためにデータが利用可能であることを前記ビーコン信号が示しているかどうかを決定する
ようにさらに構成されている、請求項14のモバイル通信デバイス。
【請求項18】
前記プロセッサは、前記アクセスポイント以外の前記1つまたはそれより多い構成要素の少なくとも1つにハートビート信号を送るようにさらに構成されている、請求項14のモバイル通信デバイス。
【請求項19】
前記アクセスポイント以外の前記1つまたはそれより多い構成要素は、ページバッファリング機能を含んでいる、請求項14のモバイル通信デバイス。
【請求項20】
前記ページバッファリング機能は、前記モバイル通信デバイスに関係する前記アクセスポイントの上位に位置する、請求項19のモバイル通信デバイス。
【請求項21】
前記ページバッファリング機能は、前記モバイル通信デバイスに向けられているデータまたはシグナリングの少なくとも1つをバッファするように構成されている、請求項19のモバイル通信デバイス。
【請求項22】
前記プロセッサは、
前記第2のスリープインターバルの期間の終了と同時に前記モバイル通信デバイスをスタンバイモードから目覚めさせ、データのバッファリングが終わるべきであることを示すために前記アクセスポイント以外の前記1つまたはそれより多い構成要素の少なくとも1つに信号を送り、および前記アクセスポイント以外の前記1つまたはそれより多い構成要素の前記少なくとも1つからバッファデータを受信するようにさらに構成されている、請求項14のモバイル通信デバイス。
【請求項23】
前記プロセッサは、
前記第2のスリープインターバルの期間の終了の直前または直後の1つより多いビーコンをリッスンするために遅れずに前記モバイル通信デバイスをスタンバイモードから目覚めさせ、および前記モバイル通信デバイスのためにデータが利用可能であることをビーコン信号の前記直前または直後のビーコン信号が示しているかを決定するようにさらに構成されている、請求項14のモバイル通信デバイス。
【請求項24】
前記プロセッサは、
不正確なスケジュールのためにサーバからの前記信号を受信することに失敗したことを決めること、および
以下の3つのうちの少なくとも1つを行うこと、
前記第2のスリープインターバルの期間を再度取り決めること、
前記モバイルデバイスと前記サーバとの間のネットワークパス遅延を再度推定すること、または
前記第2のスリープインターバルを不能にして前記サーバにおいてバッファすること、
を行うようにさらに構成されている、請求項14のモバイル通信デバイス。
【請求項25】
前記アクセスポイントはWiFiに関連づけられている、請求項14のモバイル通信デバイス。
【請求項26】
命令を内蔵するコンピュータ可読媒体であって、
第1のスリープインターバルの期間をアクセスポイントと取り決めるための第1の命令セット、および
前記アクセスポイント以外の1つまたはそれより多い構成要素との取り決めに基づいて前記第1のスリープインターバルの期間を第2のスリープインターバルの期間に変えるための第2の命令セット、ここにおいて前記第2のスリープインターバルの期間は前記第1のスリープインターバルの期間より長いこと、
を備える、コンピュータ可読媒体。
【請求項27】
多重接続ネットワークにおいて通信する能力のあるモバイル通信デバイスであって、
アクセスポイントからのビーコン信号を予期してリッスンするように構成されているト
ランシーバ、
第1のスリープインターバルの期間を前記アクセスポイントと取り決めるための手段、
および
前記アクセスポイント以外の1つまたはそれより多い構成要素との取り決めに基づいて前記第1のスリープインターバルの期間を第2のスリープインターバルの期間に変えるための手段、ここにおいて前記第2のスリープインターバルの期間は前記第1のスリープインターバルの期間より長いこと、
を備える、モバイル通信デバイス。
【請求項28】
モバイル通信デバイスに配信されるべきデータをバッファするための方法であって、
アクセスポイントの下位にある前記モバイル通信デバイスとスリープインターバルを取り決めること、
前記モバイル通信デバイスに向けられているデータをサーバにおいてバッファすること、および
前記バッファデータの少なくとも一部分を前記モバイル通信デバイスに送信すること
を備える方法。
【請求項29】
前記バッファデータの前記少なくとも一部分は、前記スリープインターバルの終了と同時に前記モバイル通信デバイスに送信される、請求項28の方法。
【請求項30】
前記バッファデータの前記少なくとも一部分は、前記モバイル通信デバイスからの信号を受信すると同時に前記モバイル通信デバイスに送信される、請求項28の方法。
【請求項31】
前記スリープインターバルの終了の前の所定の時間の期間の間に前記バッファデータの前記少なくとも一部分を送信することをさらに備える、請求項28の方法。
【請求項32】
前記所定の時間の期間は、前記モバイル通信デバイスと前記サーバとの間の少なくとも1つのメッセージの交換により、前記サーバと前記モバイル通信デバイスとの間で推定される、請求項31の方法。
【請求項33】
前記バッファデータの前記少なくとも一部分を複数回送信し、もって前記モバイル通信デバイスが目覚めているときにこれらの送信の少なくとも1つが前記モバイル通信デバイスに届くようにすることをさらに備える、請求項28の方法。
【請求項34】
メモリ、該メモリと連結されているプロセッサを備えるサーバであって、前記プロセッサは、
アクセスポイントの下位にあるモバイル通信デバイス―これらは両方とも前記サーバの下位にある―とスリープインターバルを取り決める、
前記サーバと前記モバイル通信デバイスとの間のネットワークパス遅延を推定する、
前記モバイル通信デバイスに向けられているデータをバッファする、および
前記バッファデータの少なくとも一部分を前記モバイル通信デバイスに送信する
ように構成されているサーバ。
【請求項35】
前記バッファデータの前記少なくとも一部分は、前記スリープインターバルの終了と同時に前記モバイル通信デバイスに送信される、請求項34のサーバ。
【請求項36】
前記バッファデータの前記少なくとも一部分は、前記モバイル通信デバイスからの信号を受信すると同時に前記モバイル通信デバイスに送信される、請求項34のサーバ。
【請求項37】
前記プロセッサは、前記モバイル通信デバイスとハートビート信号を交換するようにさらに構成されている、請求項34のサーバ。
【請求項38】
前記プロセッサは、前記スリープインターバルの終了前の所定の時間の期間の間に前記バッファデータの前記少なくとも一部分を送信するようにさらに構成されている、請求項34のサーバ。
【請求項39】
前記所定の時間の期間は、概ね、前記サーバからの信号を前記モバイル通信デバイスへ配信するために期待される推定ネットワーク遅延である、請求項38のサーバ。
【請求項40】
前記プロセッサは、前記バッファデータの前記少なくとも一部分を複数回送信し、もって前記モバイル通信デバイスが目覚めているときこれらの送信の少なくとも1つが前記モバイル通信デバイスに届くようにさらに構成されている、請求項34のサーバ。
【請求項41】
命令を内蔵するコンピュータ可読媒体であって、
アクセスポイントの下位にあるモバイル通信デバイス―これらは両方ともサーバの下位にある―とスリープインターバルを取り決めるための第1の命令セット、
前記モバイル通信デバイスに向けられているデータを前記サーバにおいてバッファするための第2の命令セット、および
前記バッファデータの少なくとも一部分を前記モバイル通信デバイスに送信するための第3の命令セット
を備えるコンピュータ可読媒体。
【請求項42】
前記バッファデータの前記少なくとも一部分は、前記スリープインターバルの終了と同時に前記モバイル通信デバイスに送信される、請求項41のコンピュータ可読媒体。
【請求項43】
前記バッファデータの前記少なくとも一部分は、前記モバイル通信デバイスからの信号を受信すると同時に前記モバイル通信デバイスに送信される、請求項41のコンピュータ可読媒体。
【請求項44】
前記スリープインターバルの終了の前の所定の時間の期間の間に前記バッファデータの前記少なくとも一部分を送信するための第4の命令セットをさらに備える、請求項41のコンピュータ可読媒体。
【請求項45】
前記所定の時間の期間は、前記モバイル通信デバイスと前記サーバとの間の少なくとも1つのメッセージの交換により、前記サーバと前記モバイル通信デバイスとの間で推定される、請求項44のコンピュータ可読媒体。
【請求項46】
前記バッファデータの前記少なくとも一部分を複数回送信し、もって前記モバイル通信デバイスが目覚めているときこれらの通信の少なくとも1つが前記モバイル通信デバイスに届くようにするための第4の命令セットをさらに備える、請求項41のコンピュータ可読媒体。
【請求項47】
無線通信システムにおいて操作可能な装置であって、
アクセスポイントの下位にあるモバイル通信デバイス―これらは両方とも前記装置の下位にある―とスリープインターバルを取り決めるための手段、
前記モバイル通信デバイスに向けられているデータを前記装置においてバッファするための手段、および
前記バッファデータの少なくとも一部分を前記モバイル通信デバイスに送信するための手段
を備える装置。
【請求項48】
前記バッファデータの前記少なくとも一部分は、前記スリープインターバルの終了と同時に前記モバイル通信デバイスに送信される、請求項47の装置。
【請求項49】
前記バッファデータの前記少なくとも一部分は、前記モバイル通信デバイスからの信号を受信すると同時に前記モバイル通信デバイスに送信される、請求項47の装置。
【請求項50】
前記スリープインターバルの終了の前の所定の時間の期間の間に前記バッファデータの前記少なくとも一部分を送信するための手段をさらに備える、請求項47の装置。
【請求項51】
前記所定の時間の期間は、前記モバイル通信デバイスと前記装置との間で少なくとも1つのメッセージを交換することにより、前記装置と前記モバイル通信デバイスとの間で推定される、請求項50の装置。
【請求項52】
前記バッファデータの前記少なくとも一部分を複数回送信し、もって前記モバイル通信デバイスが目覚めているときこれらの送信の少なくとも1つが前記モバイル通信デバイスに届くようにするための手段をさらに備える、請求項47の装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−231504(P2012−231504A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−139612(P2012−139612)
【出願日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【分割の表示】特願2009−507988(P2009−507988)の分割
【原出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】