説明

電池管理装置、電池管理システム

【課題】電池管理装置と組電池の誤った組み付けを検出する。
【解決手段】組電池K1〜K3の各電池10とモータ50を直列に接続する。組電池K1〜K3で、最も高電位側の電池10の正極側電圧検出端子、最も低電位側の電池10の負極側電圧検出端子、及び電池10間の1つの電圧検出端子をCMU1〜3のコネクタC4の電圧検出ポートP3に接続する。電池10間の特定の電圧検出端子T1は、組電池K1〜K3に応じて、コネクタC4の電池識別ポートP1、P2に接続されるか接続されないかの、いずれかの形態をとる。CMU1〜3は、電圧検出ポートP3に接続された電圧検出端子により、各電池10の電圧を検出する電圧検出部60と、電池識別ポートP1、P2への特定の電圧検出端子T1の接続状態に基づいて、接続された組電池K1〜K3を識別する識別部8と、識別された組電池K1〜K3が管理対象の組電池であるか否かを判定する判定部9を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電池から成る組電池を管理する電池管理装置および電池管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の電池から成る組電池と、該組電池を管理する電池管理装置が、たとえば特許文献1〜4に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されているように、組電池は、複数の電池を直列に接続して構成されている。各電池の正極側と負極側からは端子が引き出されている。この端子はコネクタやケーブルを介して、電池管理装置に接続されている。電池管理装置は、その端子を介して各電池の電圧を検出し、電池の充放電や負荷への電力供給を管理する。
【0004】
特許文献2に開示されているように、共通仕様の電池管理装置(モジュール状態検出手段)が複数設けられている場合、各電池管理装置と上位装置(制御手段)とが直列に接続される。そして、イグニッションスイッチがON状態になったときに、各電池管理装置を識別するIDが接続上流の電池管理装置から接続下流の電池管理装置へと順番に付与される。この電池管理装置は、異常状態になった組電池(バッテリ)を特定するなどの管理を行う。
【0005】
特許文献3では、共通仕様の電池管理装置(電池ECU)のコネクタ部に、識別用コネクタを設けている。各識別用コネクタには、電源配線または接地配線が接続され、これらの配線より異なる電圧が入力される。各電池管理装置は、電源投入時に、識別用コネクタの入力電圧値に基づいて、自身がいずれの組電池(バッテリユニット)を制御対象とする装置なのかを識別する。
【0006】
特許文献4では、電池管理装置(無停電電源装置)と各電池ユニットとを接続するコネクタに、電源電圧供給端子と識別端子などを設けている。各電池ユニットには抵抗を設け、該抵抗を識別端子に接続している。電源電圧が各電池ユニットの抵抗を通って変動し、該変動後の電圧が識別端子から電池管理装置に入力される。電池管理装置は、識別端子の入力電圧値に基づいて、電池ユニットの接続数を識別する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−288034号公報
【特許文献2】特開2009−89521号公報
【特許文献3】特開2009−213297号公報
【特許文献4】特開2001−86662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
電池管理装置と組電池とをコネクタを介して接続する際に、電池管理装置と組電池との組み付けを誤ると、電池管理装置で組電池を正常に管理できなくなる。
【0009】
本発明の課題は、組電池の誤った組み付けを検出することが可能な電池管理装置および電池管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る電池管理装置は、複数の電池が直列に接続された組電池とコネクタを介して接続され、該組電池を管理する。電池は、接続端子と電圧検出端子とを正極側と負極側にそれぞれ有する。組電池では、最も高電位側にある電池の正極側接続端子は、負荷の一端に接続される。最も低電位側にある電池の負極側接続端子は、負荷の他端に接続される。電池同士の間にある正極側接続端子と負極側接続端子とは接続される。最も高電位側にある電池の正極側電圧検出端子、最も低電位側にある電池の負極側電圧検出端子、および電池同士の間にある少なくとも1つの電圧検出端子から成る端子群は、コネクタに接続可能に延長される。電池同士の間にあって、上記端子群に含まれない特定の電圧検出端子は、組電池に応じて、コネクタに接続可能に延長されるか、またはコネクタに接続可能に延長されないか、のいずれかの形態をとる。コネクタは、上記特定の電圧検出端子を接続する電池識別ポートと、上記端子群の各電圧検出端子を接続する電圧検出ポートとを有する。また、電池管理装置は、電圧検出ポートと該ポートに接続された端子群の各電圧検出端子とにより、各電池の電圧を検出する電圧検出部と、電池識別ポートへの特定の電圧検出端子の接続状態に基づいて、接続された組電池を識別する識別部と、識別部で識別された組電池が管理対象の組電池であるか否かを判定する判定部とを備える。
【0011】
また、本発明に係る他の電池管理装置は、複数の電池を直列に接続して成る電池モジュールを、さらに複数直列に接続して成る組電池と、コネクタを介して接続され、該組電池を管理する。電池モジュールは、接続端子と電圧検出端子とを正極側と負極側にそれぞれ有する。最も高電位側にある電池モジュールの正極側接続端子は、負荷の一端に接続される。最も低電位側にある電池モジュールの負極側接続端子は、負荷の他端に接続される。電池モジュール同士の間にある正極側接続端子と負極側接続端子とは接続される。最も高電位側にある電池モジュールの正極側電圧検出端子、最も低電位側にある電池モジュールの負極側電圧検出端子、および電池モジュール同士の間にある少なくとも1つの電圧検出端子から成る端子群は、コネクタに接続可能に延長される。電池モジュール同士の間にあって、上記端子群に含まれない特定の電圧検出端子は、組電池に応じて、コネクタに接続可能に延長されるか、またはコネクタに接続可能に延長されないか、のいずれかの形態をとる。コネクタは、上記特定の電圧検出端子を接続する電池識別ポートと、上記端子群の各電圧検出端子を接続する電圧検出ポートとを有する。また、電池管理装置は、電圧検出ポートと該ポートに接続された端子群の各電圧検出端子とにより、各電池モジュールの電圧を検出する電圧検出部と、電池識別ポートへの特定の電圧検出端子の接続状態に基づいて、接続された組電池を識別する識別部と、識別部で識別された組電池が管理対象の組電池であるか否かを判定する判定部とを備える。
【0012】
また、本発明に係る電池管理システムは、複数の電池が直列に接続された組電池と、コネクタを介して接続された組電池を管理する電池管理装置とを、それぞれ複数設けている。電池は、接続端子と電圧検出端子とを正極側と負極側にそれぞれ有する。組電池では、最も高電位側にある電池の正極側接続端子は、負荷の一端に接続される。最も低電位側にある電池の負極側接続端子は、負荷の他端に接続される。電池同士の間にある正極側接続端子と負極側接続端子とは接続される。最も高電位側にある電池の正極側電圧検出端子、最も低電位側にある電池の負極側電圧検出端子、および電池同士の間にある少なくとも1つの電圧検出端子から成る端子群は、コネクタに接続可能に延長される。電池同士の間にあって、上記端子群に含まれない特定の電圧検出端子は、組電池に応じて、コネクタに接続可能に延長されるか、またはコネクタに接続可能に延長されないか、のいずれかの形態をとる。コネクタは、上記特定の電圧検出端子を接続する電池識別ポートと、上記端子群の各電圧検出端子を接続する電圧検出ポートとを有する。電池管理装置は、電圧検出ポートと該ポートに接続された端子群の各電圧検出端子とにより、各電池の電圧を検出する電圧検出部と、電池識別ポートへの特定の電圧検出端子の接続状態に基づいて、接続された組電池を識別する識別部と、識別部で識別された組電池が管理対象の組電池であるか否かを判定する判定部とを備える。
【0013】
上記によると、電池管理装置と組電池とをコネクタを介して接続した際に、組電池の各電池の電圧検出に必要のない特定の電圧検出端子が、組電池に応じて、コネクタの電池識別ポートに接続されたり接続されなかったりする。このため、電池管理装置と組電池との組み付けを誤っても、電池管理装置で、電池識別ポートへの特定の電圧検出端子の接続状態から組電池を識別して、管理対象でない組電池の誤った組み付けを検出することが可能となる。
【0014】
また、本発明では、上記電池管理装置において、識別部は、電池識別ポートにかかる電圧を検出することにより、電池識別ポートへの特定の電圧検出端子の接続状態を判断するようにしてもよい。
【0015】
また、本発明では、上記電池管理装置において、コネクタに電池識別ポートを複数設けるようにしてもよい。
【0016】
また、本発明では、上記電池管理装置において、組電池が、複数の電池を直列に接続して成る電池モジュールを、さらに複数直列に接続して成る場合、識別部は、組電池を構成する電池モジュールを識別し、判定部は、識別部で識別された電池モジュールが管理対象の電池モジュールであるか否かを判定するようにしてもよい。
【0017】
また、本発明では、上記電池管理装置において、電圧検出部は、隣り合う電圧検出ポートと該ポートに接続された端子群の各電圧検出端子とにより、各電池の電圧を検出するようにしてもよい。
【0018】
また、本発明では、上記電池管理装置において、電圧検出部は、最も高電位側にある電池の正極側電圧検出端子および該端子が接続された電圧検出ポート、並びに、各電池の負極側電圧検出端子および該端子が接続された電圧検出ポートにより、各電池の電圧を検出するようにしてもよい。
【0019】
さらに、本発明では、上記電池管理装置において、電圧検出部は、最も低電位側にある電池の負極側電圧検出端子および該端子が接続された電圧検出ポート、並びに、各電池の正極側電圧検出端子および該端子が接続された電圧検出ポートにより、各電池の電圧を検出するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、組電池の誤った組み付けを検出することが可能な電池管理装置および電池管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る電池管理システムの構成を示した図である。
【図2】組電池の構成と電圧検出の一例を示した図である。
【図3】組電池の構成と電圧検出の他の例を示した図である。
【図4】組電池の構成と電圧検出の他の例を示した図である。
【図5】電池の構成を示した図である。
【図6】CMUと組電池の誤った組み付け状態の一例を示した図である。
【図7】CMUと電池モジュールと電池識別ポートの接続状態の対応関係を示した図である。
【図8】CMUによる組電池の誤組み付け検出動作を示したフローチャートである。
【図9】他の実施形態に係る電池管理システムの構成を示した図である。
【図10】図9のCMUと電池モジュールと電池識別ポートの接続状態の対応関係を示した図である。
【図11】他の実施形態に係る電池管理システムの構成を示した図である。
【図12】図11のCMUと電池モジュールと電池識別ポートの接続状態の対応関係を示した図である。
【図13】他の実施形態に係る電池管理システムの構成を示した図である。
【図14】図13の組電池の構成と電圧検出の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。各図において、同一の部分または対応する部分には、同一符号を付してある。
【0023】
図1に示す電池管理システム100は、電気自動車の走行用のモータ50を駆動するためのものである。電池管理システム100には、複数のCMU(Cell Monitoring Unit)1〜3と組電池K1〜K3とが設けられている。
【0024】
各CMU1〜3は、各組電池K1〜K3とコネクタC1〜C4を介して接続されている。各CMU1〜3は、各組電池K1〜K3の電圧値の検出、電圧値の異常の有無、充放電、および電力供給を管理する。CMU1〜3は、本発明の「電池管理装置」の一例である。
【0025】
また、各CMU1〜3は、通信線により上位のBMU(Battery Management Unit)40と接続されている。各CMU1〜3とBMU40とは、各組電池K1〜K3の管理情報を送受信する。電気自動車のイグニッションスイッチがON状態になって、各CMU1〜3が起動したときに、公知の方法により、各CMU1〜3を識別するID番号がCMU1〜3で順番に付与される。各CMU1〜3のID番号は、記憶部7に記憶され、BMU40へ送信される。
【0026】
各組電池K1〜K3は、複数の電池10を直列に接続して成る電池モジュールM1〜M9を、さらに複数直列に接続して構成されている。詳しくは、図2に示すように、各電池モジュールM1〜M9は、8つの電池10を直列に接続して構成されている。図1に示すように、組電池K1は、3つの電池モジュールM1〜M3を直列に接続して構成されている。組電池K2は、3つの電池モジュールM4〜M6を直列に接続して構成されている。組電池K3は、3つの電池モジュールM7〜M9を直列に接続して構成されている。
【0027】
各電池10は、図5に示すように、正極側と負極側に接続端子T11、T10と電圧検出端子T1〜T9とをそれぞれ有している。
【0028】
組電池K1〜K3では、図1に示すように、最も高電位側にある電池モジュールM9の電池10の正極側接続端子T11は、モータ50の一端に接続されている。最も低電位側にある電池モジュールM1の電池10の負極側接続端子T10は、モータ50の他端に接続されている。電池10同士の間にある正極側接続端子T11と負極側接続端子T10とは、図1および図2に示すように、接続されている。つまり、組電池K1〜K3とモータ50とは、直列に接続されている。モータ50は、本発明の「負荷」の一例である。
【0029】
電池モジュールM1、M4、M7の各電池10の電圧検出端子T1〜T9は、コネクタC1に接続されている。電池モジュールM2、M5、M8の各電池10の電圧検出端子T1〜T9は、コネクタC2に接続されている。電池モジュールM3、M6、M9の各電池10の電圧検出端子T1〜T9は、コネクタC3に接続されている。
【0030】
最も高電位側にある電池モジュールM9の電池10の正極側電圧検出端子T9と、最も低電位側にある電池モジュールM1の電池10の負極側電圧検出端子T1と、電池10同士の間にある少なくとも1つの電圧検出端子T9〜T2とは、本発明の「端子群」を構成する。これらの電圧検出端子T9〜T1は、コネクタC1〜C3からさらに、コネクタC4に接続可能にそれぞれ延長されている。
【0031】
電池10同士の間にあって、上記端子群に含まれない余った電圧検出端子(図2で電池モジュールM2、M3、M5、M6、M8、M9の低電位側の電池10の負極側電圧検出端子)T1は、本発明の「特定の電圧検出端子」を構成する。この電圧検出端子T1は、組電池K1〜K3に応じて、コネクタC4に接続可能に延長されるか、またはコネクタC4に接続可能に延長されないか、のいずれかの形態をとる。
【0032】
図1に示す例では、組電池K1の電池モジュールM2、M3の余った電圧検出端子T1は、コネクタC4に接続可能に延長されずに、コネクタC2、C3に接続されている。組電池K2の電池モジュールM5の余った電圧検出端子T1は、破線で示すように、コネクタC4に接続可能に延長されている。電池モジュールM6の余った電圧検出端子T1は、コネクタC4に接続可能に延長されずに、コネクタC3に接続されている。組電池K3の電池モジュールM8の余った電圧検出端子T1は、コネクタC4に接続可能に延長されずに、コネクタC2に接続されている。電池モジュールM9の余った電圧検出端子T1は、破線で示すように、コネクタC4に接続可能に延長されている。
【0033】
コネクタC4は、各CMU1〜3に取り付けられている。コネクタC4は、組電池K1〜K3から延長された電圧検出端子T1〜T9を接続する複数の電池識別ポートP1、P2と電圧検出ポートP3とを有している。詳しくは、電池モジュールM2、M3、M5、M6、M8、M9の余った電圧検出端子T1が、電池識別ポートP1、P2に接続され、その他の電圧検出端子T1〜T9が電圧検出ポートP3に接続される。
【0034】
具体的には、コネクタC4に対してコネクタC1〜C3を嵌め合わせる。これにより、コネクタC4の各ポートP1〜P3に組電池K1〜K3から延長された電圧検出端子T1〜T9が接続される。各コネクタC1〜C4の形状は異なっている。これにより、コネクタC4の間違った位置にコネクタC1〜C3を嵌め合わせることが防止されている。
【0035】
CMU1〜3には、電圧検出部60、記憶部7、識別部8、および判定部9が備わっている。これら以外にも、CMU1〜3には、バランサ回路や通信用インタフェースなどが備わっている(図示省略)。
【0036】
電圧検出部60は、電池監視用のICから構成されている。電圧検出部60は、コネクタC4の電圧検出ポートP3と該ポートP3に接続された電圧検出端子T1〜T9とにより、組電池K1〜K3の電池モジュールM1〜M9の各電池10の電圧を検出する。
【0037】
具体的には、電圧検出部60は、図2に示すように、隣り合う電圧検出ポートP3と該ポートP3に接続された電圧検出端子T1〜T9とにより、各電池10の電圧を検出する。
【0038】
これ以外に、電圧検出部60が、次の方法で、各電池10の電圧を検出するようにしてもよい。
【0039】
たとえば、図3に示すように、最も高電位側にある電池モジュールM3、M6、M9の電池10の正極側電圧検出端子T9および該端子T9が接続された電圧検出ポートP3を共通検出端とする。そして、当該共通検出端T9、P3と、各電池10の負極側電圧検出端子T1〜T9および該端子T1〜T9が接続された電圧検出ポートP3により、順次電圧を測定して、各電池10の電圧(電位差)を検出する。
【0040】
また、たとえば、図4に示すように、最も低電位側にある電池モジュールM1、M4、M7の電池10の負極側電圧検出端子T1および該端子T1が接続された電圧検出ポートP3を共通検出端とする。そして、当該共通検出端T1、P3と、各電池10の正極側電圧検出端子T2〜T9および該端子T2〜T9が接続された電圧検出ポートP3により、順次電圧を測定して、各電池10の電圧(電位差)を検出する。
【0041】
CMU1〜3の記憶部7は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)から構成されている。記憶部7には、図7に示すような、CMU1〜3と電池モジュールM1〜M9とコネクタC4の電池識別ポートP1、P2の接続状態の対応関係を示した情報が予め記憶されている。
【0042】
図7において、「CMU ID」は、CMU1〜3を識別するID番号を示している。「電池モジュールNo.」は、電池モジュールM1〜M9を識別する番号を示している。「電池識別ポートの接続状態」は、コネクタC4の電池識別ポートP1、P2への余った電圧検出端子T1の接続状態を示している。
【0043】
たとえば、ID番号が「1」であるCMU1の場合、管理対象の電池モジュールは、組電池K1の電池モジュールM1〜M3である。CMU1に組電池K1を組み付けた場合、電池識別ポートP1、P2には余った電圧検出端子T1が接続されず、電池識別ポートP1、P2は開いた(OPEN)状態になる。
【0044】
また、ID番号が「2」であるCMU2の場合、管理対象の電池モジュールは、組電池K2の電池モジュールM4〜M6である。CMU2に組電池K2を組み付けた場合、電池識別ポートP1には、電池モジュールM5の余った電圧検出端子T1が接続されて、電池識別ポートP1は閉じた(CLOSE)状態になる。電池識別ポートP2には余った電圧検出端子T1が接続されず、電池識別ポートP2は開いた(OPEN)状態になる。
【0045】
また、ID番号が「3」であるCMU3の場合、管理対象の電池モジュールは、組電池K3の電池モジュールM7〜M9である。CMU3に組電池K3を組み付けた場合、電池識別ポートP1には余った電圧検出端子T1が接続されず、電池識別ポートP1は開いた(OPEN)状態になる。電池識別ポートP2には、電池モジュールM9の余った電圧検出端子T1が接続されて、電池識別ポートP2は、閉じた(CLOSE)状態になる。
【0046】
CMU1〜3の識別部8と判定部9は、マイクロコンピュータから構成されている。識別部8は、電池識別ポートP1、P2への余った電圧検出端子T1の接続状態に基づいて、接続された組電池K1〜K3の電池モジュールM1〜M9を識別する。判定部9は、識別部8で識別された組電池K1〜K3の電池モジュールM1〜M9が管理対象の組電池K1〜K3の電池モジュールM1〜M9であるか否かを判定する。
【0047】
各CMU1〜3と各組電池K1〜K3とがコネクタC1〜C4を介して接続された後、電気自動車のイグニッションスイッチがON状態になると、各CMU1〜3は起動して、組電池K1〜K3の誤組み付け検出動作を行う。以下、図8を参照しながらその詳細を説明する。
【0048】
図8において、CMU1〜3が起動すると、識別部8が、電圧検出部60によりコネクタC4の各電池識別ポートP1、P2の電圧を検出する(ステップS1)。具体的には、各電池識別ポートP1、P2といずれかの電圧検出ポートP3との間にかかる電圧を検出する。
【0049】
電池識別ポートP1、P2に電池モジュールM2、M3、M5、M6、M8、M9の余った電圧検出端子T1が接続されている場合は、電池識別ポートP1、P2が閉じた状態になる。つまり、CMU1〜3、電池識別ポートP1、P2、電圧検出端子T1、電池10、電圧検出端子T1〜T9、および電圧検出ポートP3を通る電圧検出回路が形成される。このため、電圧検出部60により、電池識別ポートP1、P2といずれかの電圧検出ポートP3との間で、組電池K1〜K3の電池10の電圧が検出される。電池識別ポートP1、P2の相手方の検出端として、いずれの電圧検出ポートP3を選択するかによって、検出対象の電池10と電池10の個数が変わってくる。
【0050】
一方、電池識別ポートP1、P2に何も接続されていない場合は、電池識別ポートP1、P2が開いた状態になる。このため、電池識別ポートP1、P2といずれかの電圧検出ポートP3との間で、電圧は検出されない(電圧値0V)。
【0051】
識別部8は、ステップS1で、電圧が検出できた電池識別ポートP1、P2に対して、ステップS2で、電圧検出端子T1が接続されたと判断する。また、識別部8は、ステップS1で、電圧が検出できなかった電池識別ポートP1、P2に対して、ステップS2で、電圧検出端子T1が接続されていないと判断する。
【0052】
そして、識別部8は、記憶部7に記憶された図7の対応情報を読み込み、電池識別ポートP1、P2への電圧検出端子T1の接続状態に基づいて、接続された組電池K1〜K3の電池モジュールNo.(M1〜M9)を識別する(ステップS3)。
【0053】
識別部8は、ステップS2で、両方の電池識別ポートP1、P2に電圧検出端子T1が接続されていない(OPEN)と判断した場合は、ステップS3で、接続された電池モジュールNo.は、組電池K1の電池モジュールM1、M2、M3である識別する。
【0054】
また、識別部8は、ステップS2で、電池識別ポートP1に電圧検出端子T1が接続され(CLOSE)、かつ、電池識別ポートP2に電圧検出端子T1が接続されていない(OPEN)と判断した場合は、ステップS3で、接続された電池モジュールNo.は、組電池K2の電池モジュールM4、M5、M6であると識別する。
【0055】
さらに、識別部8は、ステップS2で、電池識別ポートP2に電圧検出端子T1が接続され(CLOSE)、かつ、電池識別ポートP1に電圧検出端子T1が接続されていない(OPEN)と判断した場合は、ステップS3で、接続された電池モジュールNo.は、組電池K3の電池モジュールM7、M8、M9であると識別する。ステップS3の識別結果は、記憶部7に記憶される。
【0056】
識別後、各CMU1〜3にID番号が付番済みであれば(ステップS4:YES)、判定部9が、記憶部7に記憶された図7の対応情報と、CMU1〜3のID番号と、電池モジュールNo.の識別結果とを読み込む。そして、判定部9は、CMU1〜3のID番号と電池モジュールNo.の組み合わせを確認する(ステップS5)。さらに、この確認の結果から、判定部9は、識別部8で識別された電池モジュールM1〜M9が、自身の属するCMU1〜3の管理対象の組電池K1〜K3の電池モジュールM1〜M9であるか否かを判定する(ステップS6)。
【0057】
図1に示すように、CMU1〜3と組電池K1〜K3とが正しく組み付けられた場合、各CMU1〜3では以下のように処理される。
【0058】
CMU1では、両方の電池識別ポートP1、P2に電圧検出端子T1が接続されない。このため、ステップS3で識別部8により、電池モジュールNo.が組電池K1の電池モジュールM1、M2、M3であると識別される。これにより、判定部9は、ステップS5で、ID番号「1」のCMU1と組電池K1の電池モジュールM1、M2、M3とが組み合わされていることを確認する。そして、判定部9は、識別された電池モジュールM1〜M3が管理対象の電池モジュールM1〜M3であると判定する(ステップS6:YES)。
【0059】
また、CMU2では、電池識別ポートP1に電池モジュールM5の電圧検出端子T1が接続され、電池識別ポートP2に電圧検出端子T1が接続されない。このため、ステップS3で識別部8により、電池モジュールNo.が組電池K2の電池モジュールM4、M5、M6であると識別される。これにより、判定部9は、ステップS5で、ID番号「2」のCMU2と組電池K2の電池モジュールM4、M5、M6とが組み合わされていることを確認する。そして、判定部9は、識別された電池モジュールM4〜M6が管理対象の電池モジュールM4〜M6であると判定する(ステップS6:YES)。
【0060】
さらに、CMU3では、電池識別ポートP1に電圧検出端子T1が接続されず、電池識別ポートP2に電池モジュールM9の電圧検出端子T1が接続される。このため、ステップS3で識別部8により、電池モジュールNo.が組電池K3の電池モジュールM7、M8、M9であると識別される。これにより、判定部9は、ステップS5で、ID番号「3」のCMU3と組電池K3の電池モジュールM7、M8、M9とが組み合わされていることを確認する。そして、判定部9は、識別された電池モジュールM7〜M9が管理対象の電池モジュールM7〜M9であると判定する(ステップS6:YES)。
【0061】
一方、たとえば図6に示すように、CMU1〜3と組電池K1〜K3とが誤って組み付けられた場合、各CMU1〜3では以下のように処理される。図6の例では、CMU2には組電池K2が正しく組み付けられているが、CMU1には組電池K3が誤って組み付けられ、CMU3には組電池K1が誤って組み付けられている。
【0062】
CMU1では、電池識別ポートP1に電圧検出端子T1が接続されず、電池識別ポートP2に電池モジュールM9の電圧検出端子T1が接続される。このため、ステップS3で識別部8により、電池モジュールNo.が組電池K3の電池モジュールM7、M8、M9であると識別される。これにより、判定部9は、ステップS5で、ID番号「1」のCMU1と組電池K3の電池モジュールM7、M8、M9とが組み合わされていることを確認する。そして、判定部9は、識別された電池モジュールM7〜M9が管理対象の電池モジュールM1〜M3でないと判定する(ステップS6:NO)。
【0063】
また、CMU3では、両方の電池識別ポートP1、P2に電圧検出端子T1が接続されない。このため、ステップS3で識別部8により、電池モジュールNo.が組電池K1の電池モジュールM1、M2、M3であると識別される。これにより、判定部9は、ステップS5で、ID番号「3」のCMU3と組電池K1の電池モジュールM1、M2、M3とが組み合わされていることを確認する。そして、判定部9は、識別された電池モジュールM1〜M3が管理対象の電池モジュールM7〜M9でないと判定する(ステップS6:NO)。
【0064】
このように電池モジュールM1〜M9がCMU1〜3の管理対象でないと判定された後は、CMU1〜3からBMU40へ、CMU1〜3と組電池K1〜K3の組み合わせが誤っていることを示すエラー情報が出力される(ステップS7)。
【0065】
なお、ステップS7で出力されるエラー情報は、例えばBMU40へ出力する。そして、これに応じて車両の警告灯を点灯させるようにすれば、別途検査装置を用いることなく、組電池K1〜K3の誤組み付けを検出することができる。あるいは、エラーが生じたCMU1〜3の記憶部7にエラー情報を記憶させてもよい。そして、そのエラー情報を検査時にテスターなどで読み取るようにすれば、車両への搭載時に組電池K1〜K3の誤組み付けを検出することができる。
【0066】
上記実施形態によると、CMU1〜3と組電池K1〜K3とをコネクタC1〜C4を介して接続した際に、組電池K1〜K3の各電池10の電圧検出に必要のない特定の電圧検出端子T1が、組電池K1〜K3に応じて、コネクタC4の電池識別ポートP1、P2に接続されたり接続されなかったりする。このため、CMU1〜3と組電池K1〜K3との組み付けを誤っても、CMU1〜3で、電池識別ポートP1、P2への電圧検出端子T1の接続状態から組電池K1〜K3の電池モジュールM1〜M9を識別して、管理対象でない組電池K1〜K3の電池モジュールM1〜M9の誤った組み付けを検出することが可能となる。
【0067】
また、本実施形態では、組電池K1〜K3の各電池10を接続端子T10、T11で直列に接続し、組電池K1〜K3とCMU1〜3をコネクタC1〜C4と電圧検出端子T1〜T9で接続している。このため、CMU1〜3で、コネクタC4の電池識別ポートP1、P2にかかる電圧を検出することにより、電池識別ポートP1、P2への電圧検出端子T1の接続状態を正確に判断することができる。また、組電池K1〜K3の各電池10の電圧を検出するのに、図2〜図4に示したいずれの方法も採用することができる。
【0068】
本発明は、上述した以外にも種々の実施形態を採用することができる。たとえば、上記実施形態では、3つずつCMU1〜3と組電池K1〜K3とを設けた電池管理システム100を例に示したが、本発明はこれに限るものではない。これ以外に、たとえば、図9に示すように、4つずつCMU1〜4と組電池K1〜K4とを設けた電池管理システム200や、図11に示すように、2つずつCMU5、6と組電池K5、K6とを設けた電池管理システム300にも、本発明は適用することができる。
【0069】
図9の電池管理システム200の場合、たとえば図10に示すように、CMU1〜4と電池モジュールM1〜M12とコネクタC4の電池識別ポートP1、P2の接続状態の対応関係を予め設定しておけばよい。また、図11の電池管理システム300の場合は、たとえば図12に示すように、CMU5、6と組電池K5、K6とコネクタC4の電池識別ポートP1の接続状態の対応関係を予め設定しておけばよい。
【0070】
また、コネクタC4に設ける電池識別ポートの数を3つ以上に増やすことにより、5つ以上のCMUと組電池とを設けた電池管理システムにも、本発明は適用することができる。つまり、電池識別ポートをコネクタC4に複数設けることによって、3つ以上のCMUと組電池において、誤った組み付けを検出することが可能となる。
【0071】
また、上記実施形態では、複数の電池10を直列に接続して成る電池モジュールM1〜M12を、さらに複数直列に接続して組電池K1〜K4を構成した例を示したが、本発明はこれに限るものではない。これ以外に、たとえば、図11に示すように、複数の電池10を直列に接続して組電池K5、K6を構成するようにしてもよい。
【0072】
また、図11に示すように、電池10同士の間にある正極側電圧検出端子Tn−1と負極側電圧検出端子Tn−2を、両方ともコネクタC4の電圧検出ポートP3に接続可能に延長してもよい。図11では、各電池10の電圧の検出に必要な電圧検出端子T2〜T4、Tn−3、Tn−2、Tn−1、Tnは、コネクタC4の電圧検出ポートP3に接続可能に延長されている。各電池10の電圧の検出に必要のない特定の電圧検出端子T1は、組電池K5では、CMU5のコネクタC4の電池識別ポートP1に接続可能に延長されておらず、組電池K6では、CMU6のコネクタC4の電池識別ポートP1に接続可能に延長されている。
【0073】
また、上記実施形態では、組電池K1〜K3の各電池10の正極側と負極側に、電圧検出端子T1〜T9をそれぞれ設けた例を示したが、本発明はこれに限るものではない。これ以外に、たとえば、図13および図14に示すように、組電池K7、K8、K9の各電池10ではなく、各電池モジュールM13〜M21の正極側と負極側に、電圧検出端子T1、T9をそれぞれ設けるようにしてもよい。
【0074】
組電池K7〜K9を用いた電池管理システム400の場合、最も高電位側にある電池モジュールM21の正極側接続端子T11を、モータ50の一端に接続すればよい。また、最も低電位側にある電池モジュールM13の負極側接続端子T10を、モータ50の他端に接続すればよい。また、電池モジュールM13〜M21同士の間にある正極側接続端子T11と負極側接続端子T10とを接続すればよい。
【0075】
また、最も高電位側にある電池モジュールM21の正極側電圧検出端子T9、最も低電位側にある電池モジュールM13の負極側電圧検出端子T1、および電池モジュールM13〜M21同士の間にある少なくとも1つの電圧検出端子T9は、コネクタC4に接続可能に延長すればよい。電池モジュールM13〜M21同士の間にある電圧検出端子T1は、組電池K7〜K9に応じて、コネクタC4に接続可能に延長するか、またはコネクタC4に接続不可能なように短く形成すればよい。
【0076】
また、CMU1〜3の電圧検出部60は、コネクタC4の電圧検出ポートP3と該ポートP3に接続された電圧検出端子T1、T9とにより、各電池モジュールM13〜M21の電圧を検出すればよい。また、電圧検出部60は、コネクタC4の電池識別ポートP1、P2および該ポートP1、P2に接続された電圧検出端子T1、並びに、いずれかの電圧検出ポートP3および該ポートP3に接続された電圧検出端子T3により、電池識別ポートP1、P2にかかる電圧を検出すればよい。
【0077】
さらに、上記実施形態では、電気自動車で使用される電池管理システムとCMUに本発明を適用した例を挙げたが、これ以外の用途に使用される電池管理システムと電池管理装置に対しても、本発明を適用することは可能である。
【符号の説明】
【0078】
1、2、3 CMU(電池管理装置)
8 識別部
9 判定部
10 電池
50 モータ(負荷)
60 電圧検出部
100、200、300、400 電池管理システム
C4 コネクタ
K1〜K9 組電池
M1〜M21 電池モジュール
P1、P2 電池識別ポート
P3 電圧検出ポート
T1 電圧検出端子
T2〜T9、Tn、Tn−1、Tn−2、Tn−3 電圧検出端子
T10、T11 接続端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池が直列に接続された組電池とコネクタを介して接続され、該組電池を管理する電池管理装置であって、
前記電池は、接続端子と電圧検出端子とを正極側と負極側にそれぞれ有し、
前記組電池では、
最も高電位側にある前記電池の前記正極側接続端子は、負荷の一端に接続され、
最も低電位側にある前記電池の前記負極側接続端子は、負荷の他端に接続され、
前記電池同士の間にある前記正極側接続端子と前記負極側接続端子とは接続され、
最も高電位側にある前記電池の前記正極側電圧検出端子、最も低電位側にある前記電池の前記負極側電圧検出端子、および前記電池同士の間にある少なくとも1つの前記電圧検出端子から成る端子群は、前記コネクタに接続可能に延長され、
前記電池同士の間にあって、前記端子群に含まれない特定の電圧検出端子は、前記組電池に応じて、前記コネクタに接続可能に延長されるか、または前記コネクタに接続可能に延長されないか、のいずれかの形態をとり、
前記コネクタは、前記特定の電圧検出端子を接続する電池識別ポートと、前記端子群の各電圧検出端子を接続する電圧検出ポートと、を有し、
当該電池管理装置は、
前記電圧検出ポートと該ポートに接続された前記端子群の各電圧検出端子とにより、前記各電池の電圧を検出する電圧検出部と、
前記電池識別ポートへの前記特定の電圧検出端子の接続状態に基づいて、接続された前記組電池を識別する識別部と、
前記識別部で識別された前記組電池が管理対象の組電池であるか否かを判定する判定部と、を備える、ことを特徴とする電池管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電池管理装置において、
前記識別部は、前記電池識別ポートにかかる電圧を検出することにより、前記電池識別ポートへの前記特定の電圧検出端子の接続状態を判断する、ことを特徴とする電池管理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電池管理装置において、
前記コネクタに電池識別ポートを複数設けた、ことを特徴とする電池管理装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電池管理装置において、
前記組電池は、複数の電池を直列に接続して成る電池モジュールを、さらに複数直列に接続して成り、
前記識別部は、前記組電池を構成する前記電池モジュールを識別し、
前記判定部は、前記識別部で識別された前記電池モジュールが管理対象の電池モジュールであるか否かを判定する、ことを特徴とする電池管理装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電池管理装置において、
前記電圧検出部は、隣り合う前記電圧検出ポートと該ポートに接続された前記端子群の各電圧検出端子とにより、前記各電池の電圧を検出する、ことを特徴とする電池管理装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電池管理装置において、
前記電圧検出部は、最も高電位側にある前記電池の前記正極側電圧検出端子および該端子が接続された前記電圧検出ポート、並びに、前記各電池の前記負極側電圧検出端子および該端子が接続された前記電圧検出ポートにより、前記各電池の電圧を検出する、ことを特徴とする電池管理装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電池管理装置において、
前記電圧検出部は、最も低電位側にある前記電池の前記負極側電圧検出端子および該端子が接続された前記電圧検出ポート、並びに、前記各電池の前記正極側電圧検出端子および該端子が接続された前記電圧検出ポートにより、前記各電池の電圧を検出する、ことを特徴とする電池管理装置。
【請求項8】
複数の電池を直列に接続して成る電池モジュールを、さらに複数直列に接続して成る組電池と、コネクタを介して接続され、該組電池を管理する電池管理装置であって、
前記電池モジュールは、接続端子と電圧検出端子とを正極側と負極側にそれぞれ有し、
最も高電位側にある前記電池モジュールの前記正極側接続端子は、負荷の一端に接続され、
最も低電位側にある前記電池モジュールの前記負極側接続端子は、負荷の他端に接続され、
前記電池モジュール同士の間にある前記正極側接続端子と前記負極側接続端子とは接続され、
最も高電位側にある前記電池モジュールの前記正極側電圧検出端子、最も低電位側にある前記電池モジュールの前記負極側電圧検出端子、および前記電池モジュール同士の間にある少なくとも1つの前記電圧検出端子から成る端子群は、前記コネクタに接続可能に延長され、
前記電池モジュール同士の間にあって、前記端子群に含まれない特定の電圧検出端子は、前記組電池に応じて、前記コネクタに接続可能に延長されるか、または前記コネクタに接続可能に延長されないか、のいずれかの形態をとり、
前記コネクタは、前記特定の電圧検出端子を接続する電池識別ポートと、前記端子群の各電圧検出端子を接続する電圧検出ポートと、を有し、
当該電池管理装置は、
前記電圧検出ポートと該ポートに接続された前記端子群の各電圧検出端子とにより、前記各電池モジュールの電圧を検出する電圧検出部と、
前記電池識別ポートへの前記特定の電圧検出端子の接続状態に基づいて、接続された前記組電池を識別する識別部と、
前記識別部で識別された前記組電池が管理対象の組電池であるか否かを判定する判定部と、を備える、ことを特徴とする電池管理装置。
【請求項9】
複数の電池が直列に接続された組電池と、コネクタを介して接続された前記組電池を管理する電池管理装置とを、それぞれ複数設けた電池管理システムであって、
前記電池は、接続端子と電圧検出端子とを正極側と負極側にそれぞれ有し、
前記組電池では、
最も高電位側にある前記電池の前記正極側接続端子は、負荷の一端に接続され、
最も低電位側にある前記電池の前記負極側接続端子は、負荷の他端に接続され、
前記電池同士の間にある前記正極側接続端子と前記負極側接続端子とは接続され、
最も高電位側にある前記電池の前記正極側電圧検出端子、最も低電位側にある前記電池の前記負極側電圧検出端子、および前記電池同士の間にある少なくとも1つの前記電圧検出端子から成る端子群は、前記コネクタに接続可能に延長され、
前記電池同士の間にあって、前記端子群に含まれない特定の電圧検出端子は、前記組電池に応じて、前記コネクタに接続可能に延長されるか、または前記コネクタに接続可能に延長されないか、のいずれかの形態をとり、
前記コネクタは、前記特定の電圧検出端子を接続する電池識別ポートと、前記端子群の各電圧検出端子を接続する電圧検出ポートと、を有し、
前記電池管理装置は、
前記電圧検出ポートと該ポートに接続された前記端子群の各電圧検出端子とにより、前記各電池の電圧を検出する電圧検出部と、
前記電池識別ポートへの前記特定の電圧検出端子の接続状態に基づいて、接続された前記組電池を識別する識別部と、
前記識別部で識別された前記組電池が管理対象の組電池であるか否かを判定する判定部と、を備える、ことを特徴とする電池管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−55832(P2013−55832A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193498(P2011−193498)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【出願人】(510123839)オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社 (110)
【Fターム(参考)】