説明

電流路遮断接続装置

【課題】複数の電流路を接続/非接続する装置において、電流路を導通/遮断させる順位が必然的に決定され変更されない。高圧及び/又は大電流に耐え堅牢。接続状態が密で非接続が容易。
【解決手段】第1電流路の一方の極性の電流路を接続する端子11及び端子12と、第1電流路の他方の極性の電流路を接続する端子13及び端子14と、第2電流路の一方の極性の電流路を接続する端子21及び端子22と、第2電流路の他方の極性の電流路を接続する端子23及び端子24とを備え、第1電流路を遮断させるとき、端子21と端子22の組及び/又は端子23と端子24の組が、端子11と端子12の組及び端子13及び端子14の組より先に非接続となり、遮断される第1電流路と第2電流路の順位が必然的に第2電流路が第1順位、第1電流路が第2順位となり、第1順位及び第2順位が交換されない電気接続部品を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部の複数の電流路を接続/非接続する装置において、電流路を導通/遮断させる順位が必然的に決定され、この順位が変更・交換されない遮断接続装置に関する。
なお、外部とは、本発明外の構成及び装置すなわち電流路を意味する。
【背景技術】
【0002】
従来から、高圧及び/又は大電流を導通させる電流路の事故の1つに挙げられるものは、電流路断線部分に発生するアーク放電である。発生したアーク放電が継続し、これを放置すると火災等の原因にもなる。
電流路の事故は避けがたい災害により発生することもあるが、人為的錯誤にも起因し発生する。この例の一つには、電流路を接続しているコネクタを人為的錯誤により非接続状態に遷移させることが挙げられる。分離させたコネクタの電極の非接続部分間にアーク放電が発生する。
【0003】
したがって、このような人為的錯誤があっても電流路の事故を防止する技術が求められる。基本的技術としては、高圧及び/又は大電流が流れているコネクタを誤って非接続状態とするとき、必然的に事前にこの電流を停止させることである。
すなわち、コネクタを外すとき、必然的に先に低圧小電流の制御電流を遮断し、これを制御装置が検知し、高圧及び/又は大電流を停止することである。
【0004】
特許文献1には、コネクタの構造を示す図面が開示されているが、構造が極めて複雑である。したがって、製造コストが嵩み高価となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−306422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の現状に鑑み、本発明は、外部の複数の電流路を接続/非接続する装置において、電流路を導通/遮断させる順位が必然的に決定され、この順位が変更・交換されないことを第1の課題とする。
【0007】
本発明は、複雑な構造を有せず、かつ、高圧及び/又は大電流に耐え得る堅牢なコネクタを容易に提供することを第2の課題とする。
【0008】
本発明は、接続時の接続状態が密かつ堅牢で、非接続状態とすることが容易であることを第3の課題とする。
【0009】
本発明は、高圧及び/又は大電流を流す電流路を接続するコネクタを非接続とするとき、人為的錯誤により、非接続分離したコネクタ間にアーク放電が発生することを防止する目的に好適である。
ただし、上記目的に特に限定する必然性はない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を実現するべく本発明は以下の構成とする。
(1)請求項1に係る電流路遮断接続装置は、
第1電流を流す外部の第1電流路の一方の極性の電流路を接続する端子11及び端子12と、該第1電流路の他方の極性の電流路を接続する端子13及び端子14と、
第2電流を流す外部の第2電流路の一方の極性の電流路を接続する端子21及び端子22と、該第2電流路の他方の極性の電流路を接続する端子23及び端子24と、を備え、
前記第1電流路を遮断させるとき、前記端子21と前記端子22の組及び/又は前記端子23と前記端子24の組が、前記端子11と前記端子12の組及び前記端子13及び前記端子14の組より先に非接続となり、遮断される前記第1電流路と前記第2電流路の順位が必然的に該第2電流路が第1順位、該第1電流路が第2順位となり、該第1順位及び該第2順位が交換されないことを特徴とする。
(2)請求項2に係る電流路遮断接続装置は、
第1電流を流す外部の第1電流路の一方の極性の電流路を接続する端子11及び端子12と、該第1電流路の他方の極性の電流路を接続する端子13及び端子14と、
第2電流を流す外部の第2電流路の一方の極性の電流路を接続する端子21及び端子22と、該第2電流路の他方の極性の電流路を接続する端子23及び端子24と、を備え、
前記第1電流路を導通させるとき、前記端子11と前記端子12の組及び前記端子13と前記端子14の組が、前記端子21と前記端子22の組及び/又は前記端子23と前記端子24の組より先に接続され、導通される前記第1電流路と前記第2電流路の順位が必然的に該第1電流路が第1順位、該第2電流路が第2順位となり、該第1順位及び該第2順位が交換されないことを特徴とする。
(3)請求項3に係る電流路遮断接続装置は、請求項1又は2において、
前記第1電流路を接続する前記各端子は、該各端子を保持する保持体に係合され、該係合部を基点として自己に隣接する該各端子方向に外力により回転可能であることを特徴とする。
(4)請求項4に係る電流路遮断接続装置は、請求項1又は2において、
前記第2電流路を接続する前記各端子は、該各端子を保持する保持体に係合され、該係合部を基点として自己に隣接する該各端子方向に外力により回転可能であることを特徴とする。
(5)請求項5に係る電流路遮断接続装置は、請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記第1電流路を接続する前記各端子の電流容量は、前記第2電流路を接続する前記各端子の電流容量より大きいことを特徴とする。
(6)請求項6に係る電流路遮断接続装置は、請求項1〜5のいずれかにおいて、
前記第1電流路を接続する前記各端子の接続状態は、前記第2電流路を接続する前記各端子の接続状態より密かつ堅牢であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
(A)本発明は、外部の複数の電流路を接続/非接続する装置において、電流路を導通/遮断させる順位が必然的に決定され、この順位が変更・交換されない。このため、人為的錯誤が発生しない。
(B)本発明は、複雑な構造を有せず、かつ、高圧及び/又は大電流に耐え得る堅牢なコネクタを容易に提供する。
(C)本発明は、接続時の接続状態が密かつ堅牢で、非接続状態とすることが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】は、本発明による電流路遮断接続装置の実施の形態を示す構造図である。
【図2】は、本発明による電流路遮断接続装置の実施の形態を示す別の面から観察した構造図である。
【図3】は、参考形態を示す構造図である。
【図4】は、本発明による電流路遮断接続装置を使用した応用例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(1)実施の形態
(1−1−1)構造図
図1は、本発明の実施の形態を示す電流路遮断接続装置の構造図である。
図1は、電流路遮断接続装置を、後述する電極の接続部分に対して側面から観察したものである。すなわち、電極の突起部分を側面から観察したものである。
以下、図1を参照して本発明の電流路遮断接続装置の構造を説明する。
【0014】
図1に示す符号C1は、本発明の電流路遮断接続装置の一方の電極を備えるコネクタ部であり、符号C2は、本発明の電流路遮断接続装置の他方の電極を備えるコネクタ部である。
【0015】
以下、C1をコネクタC1、C2をコネクタC2と称す。
また、コネクタC1とコネクタC2を併合してコネクタCと称す。
【0016】
コネクタC1には、符号T1、T2、T3及びT4で示す電流路を接続し導通させる電極が存在する。
【0017】
7/22
コネクタC1には、回転軸Piv1が、それぞれ電極T1、T2、T3、T4のそれぞれE1、E2、E3、E4側に配設されている。すなわち、各電極の奥部に配設されている。図ではT1のみに表示されているが、他も同様である。
【0018】
コネクタC2には、符号U1、U2、U3及びU4で示す電流路を接続し導通させる電極が存在する。
【0019】
コネクタC2には、回転軸Piv2が、それぞれ電極U1、U2、U3、U4のそれぞれF1、F2、F3、F4側に配設されている。すなわち、各電極の奥部に配設されている。図ではU1のみに表示されているが、他も同様である。
【0020】
コネクタC1の電極T2、T3は、コネクタC2の電極U2、U3にそれぞれ挿入される構造である。
コネクタC2の電極U1、U4は、コネクタC1の電極T1、T4にそれぞれ挿入される構造である。これらの構造は一例である。
上記の様に電極が挿入されると、コネクタC1とコネクタC2は結合されコネクタCとして一体(非分離状態)となる。
コネクタC1とコネクタC2を分離させようとして、図1を正視して、コネクタC1を反時計回り、コネクタC2を時計回りに捻った場合、この外力応じて、上記それぞれの電極(T1〜T4、U1〜U4)は、それぞれの回転軸Piv1、回転軸Piv2を軸として必要な程度に回転可動できる構造である。
【0021】
コネクタC1とコネクタC2を分離させようとして、図1を正視して、コネクタC1を時計回り、コネクタC2を反時計回りに捻った場合も、この外力応じて、上記それぞれの電極(T1〜T4、U1〜U4)は、それぞれの回転軸Piv1、回転軸Piv2を軸として必要な程度に回転可動できるようにしている。
【0022】
特許請求の範囲の用語で、
第1電流路の一方の極性の電流路を接続する端子11は、電極T2である。
第1電流路の一方の極性の電流路を接続する端子12は、電極U2である。
第1電流路の他方の極性の電流路を接続する端子13は、電極T3である。
第1電流路の他方の極性の電流路を接続する端子14は、電極U3である。
なお、第1電流路は、外部の電流路である。「外部の」とは、本発明外の構成である。
第1電流路には、第1電流である高圧及び/又は大電流の電力電流を流す。
【0023】
特許請求の範囲の用語で、
第2電流路の一方の極性の電流路を接続する端子21は、電極T1である。
第2電流路の一方の極性の電流路を接続する端子22は、電極U1である。
第2電流路の他方の極性の電流路を接続する端子23は、電極T4である。
第2電流路の他方の極性の電流路を接続する端子24は、電極U4である。
なお、第2電流路は、外部の電流路である。「外部の」とは、本発明外の構成である。
第2電流路には、第2電流である低圧小容量の制御電流を流す。
【0024】
H1、H4は、それぞれ、電極T1、電極T4の中空部であり、それぞれ電極U1、電極U4の挿入を受け入れる。挿入されると、電極が接続され、電極T1と電極U1、電極T4と電極U4が導通する。
【0025】
J2、J3は、それぞれ、電極U2、電極U3の中空部であり、それぞれ電極T2、電極T3の挿入を受け入れる。挿入されると、電極が接続され、電極T2と電極U2、電極T3と電極T4が導通する。
【0026】
E1、E2、E3、E4は、それぞれ、電極T1、電極T2、電極T3、電極T4を接続する電線を通過させる電流路接続口である。
【0027】
F1、F2、F3、F4は、それぞれ、電極U1、電極U2、電極U3、電極U4を接続する電線を通過させる電流路接続口である。
それぞれの電極には電線すなわち、それぞれ割り当てられた外部の電流路である第1電流路(一方の極性、他方の極性)、第2電流路(一方の極性、他方の極性)が接続される。
【0028】
(1−1−2)構造図
図2は、本発明の実施の形態を示す電流路遮断接続装置の別の面から観察した構造図である。
図2は、図1に示す電流路遮断接続装置を、電極の接続部分に対して正面、すなわち、電極の奥行き方向に向かって観察したものである。
図2は図1と同じ電流路遮断接続装置の観察面を変えたものである。
以下、図2を参照して本発明の電流路遮断接続装置の構造を説明する。
【0029】
H1、H4、J2、J3は、それぞれ、電極T1、電極T4、電極U2、電極U3の中空部を示す。
【0030】
電極T2、電極T3、電極U1及び電極U4には中空部がない。上記中空部に挿入される導電部である。
【0031】
図2のC1、C2は、それぞれ図1におけるC1、C2と同じく、コネクタC1、コネクタC2である。
図1及び図2には、各電極を保持する構造体があり、各電極を保持する筐体でもある。
すなわち、コネクタC1及びコネクタC2において各電極以外は、上記各電極を保持する筐体としての構造体である。この構造体は絶縁体である。
【0032】
(1−2)装置動作
図1を参照して本発明の実施の形態である電流路遮断接続装置の動作を説明する。
【0033】
図1は、コネクタC1とコネクタC2を電極に対して平行に分離(引き離し)したときの状態を示す。
電極T1と電極U1の組及び電極T4と電極U4の組が、電極T2と電極U2の組及び電極T3と電極U3の組より先に非接触状態(非導通)となる。
すなわち、電極T1と電極U1が離隔し、電極T4と電極U4が離隔する。
この状態では、電極T2と電極U2の組及び電極T3と電極U3の組を接触状態(導通)として維持することができる。
すなわち、電極T2と電極U2が離隔し、電極T3と電極U3は離隔していない状態である。
なお、平行に分離とは、後述するコネクタC1を反時計回り又は時計回りに捻ること、コネクタC2を時計回り又は反時計回りに捻るという方法でコネクタC1とコネクタC2を分離させるという動作をしないことである。
すなわち、電極の挿入方向に対して平行に分離するという意味である。
【0034】
また、コネクタC1における電極群T(T1〜T4)とコネクタC2における電極群U(U1〜U4)の挿入における摩擦に係る接続状態が強固で、上記の平行分離が人手により困難な場合、人手により、コネクタC1を反時計回りに、コネクタC2を時計回りに捻り(回転させ)、コネクタC1とコネクタC2を分離させることが考えられる。
上記の行為の過程で、先に電極T1と電極U1が離隔し、かつ、電極T2と電極U2の組が離隔せず、かつ、電極T3と電極U3の組が離隔しない状態を維持することができる。
コネクタC1を時計回りに、コネクタC2を反時計回りに捻り、コネクタC1とコネクタC2を分離させることも同様の意図である。
すなわち、上記の行為の過程で、先に電極T4と電極U4が離隔し、かつ、電極T2と電極U2の組が離隔せず、かつ、電極T3と電極U3の組が離隔しない状態を維持することができる。
このような事象を発生させるため、電極T1〜T4、電極U1〜U4の長さ、また、前述した当該電極の回転角の程度を設定しておく。
最終的には、コネクタC1とコネクタC2は完全に分離し、電極T2と電極U2も離隔し、かつ、電極T3と電極U3も離隔する。
これで、電力伝送ケーブルの結合が解除される。
【0035】
コネクタC1における電極群TとコネクタC2における電極群Uの接続状態が強固であるという要因は、接触不良による断流を防止し、かつ電気接触抵抗を小さくするために、電極T1と、電極T1に差し込まれた電極U1との摩擦抵抗が必然的に大となっているということが考えられる。電極T4と電極U4の組も同様である。
当然であるが、電極T2と電極U2の組、電極T3と電極U3の組も同様な考え方で、強固に接続されている。
接続状態が強固の大きさは、次式で表される。
電極T2と電極U2の組、電極T3と電極U3の組>電極T1と電極U1の組、電極T4と電極U4の組
このような状態で、電極T2と電極U2、電極T3と電極U3を接触状態を維持することができる。
すなわち、電極T2と電極U2との間及び/又は電極T3と電極U3との間にアーク放電が発生しない。
【0036】
電極の接続状態を強固にし電気接触抵抗を小さくする必要性あるという点では、高圧及び/又は大電流を流す電力伝送路である第1電流路の一方の極性(たとえば正極)を接続する電極T2及び電極U2の組、第1電流路の他方の極性(たとえば負極)を接続する電極T3及び電極U3の組の方が、制御電流を流す第2電流路を接続する電極T1及び電極U1の組、電極T4及びU4の組より重要である。
【0037】
一般に、コネクタは人手で外すことが多い。したがって、人間は、コネクタの分離を容易にするため、コネクタC1を反時計回りに、コネクタC2を時計回り捻り、コネクタC1とコネクタC2を分離させようと考える。
コネクタC1を時計回りに、コネクタC2を反時計回り捻り、コネクタC1とコネクタC2を分離させようとすることも同様である。
【0038】
コネクタC1とコネクタC2を平行移動させコネクタC1とコネクタC2を分離させること、コネクタC1を反時計回りに、コネクタC2を時計回り捻り、コネクタC1とコネクタC2を分離させること、コネクタC1を時計回りに、コネクタC2を反時計回り捻り、コネクタC1とコネクタC2を分離させことのいずれにおいても、電極T1と電極U1、電極T4と電極U4のいずれか又は両方が先に非接触状態となる。
【0039】
すなわち、第2電流路は遮断される。この状態で、電極T2と電極U2、電極T3と電極U3は、接触状態を維持することができる。すなわち、第1電流路はまだ遮断されない。
【0040】
なお、図1において各電極は長く描かれているが、特徴を強調するためで、実際にはコネクタC1を反時計回り及びコネクタC2を時計回りに捻って、電極T1と電極U1を先に非接触状態とし、電極T2と電極U2が接触状態を維持し(捻り方からして電極T3と電極U3は当然、接触状態を維持している。)、又は、コネクタC1を時計回り及びコネクタC2を反時計回りに捻って、電極T4と電極U4を先に非接触状態とし、電極T3と電極U3が接触状態を維持(捻り方からして電極T2と電極U2は当然、接触状態を維持している。)するように長さを調整する。
【0041】
第1電流路には高圧及び/又は大電流を流すが、第2電流路が遮断されると、第2電流の遮断を制御装置が検出し、該制御装置が、第1電流路に流す高圧及び/又は大電流の供給源の電力供給を正規に停止することができる。すなわち、電極T2と電極U2及び/又は電極T3と電極U3が非接触状態となる前に、このような正規な手段により供給電力の停止措置が為される。
【0042】
第2電流路が遮断されずに、第1電流路を導通する電極T2と電極U2の組及び/又は電極T3と電極U3の組が非接触(非接続又は非導通)状態となると、第1電流路に高圧及び/又は大電流が流れている場合、電極T2と電極U2の組の非接触部(非接続又は非導通)間及び/又は電極T3と電極U3の組の非接触部(非接続又は非導通)間にアーク放電が発生する。
【0043】
すなわち、電極T2と電極U2との間にアーク放電が発生するか、電極T3と電極U3との間にアーク放電が発生するか、電極T2と電極U2との間及び電極T3と電極U3との間にアーク放電が発生するか、いずれかの事象が発生する。
【0044】
電力を伝送する第1電流路は、伝送路が長い場合、複数のケーブルを接続して電力を伝送するため複数のコネクタが必要である。したがって、コネクタC1の電極T2及び電極T3、コネクタC2の電極U2及び電極U3が必要である。
【0045】
制御電流を伝送する第2電流路は、第1電流路の伝送路が長い場合、第1電流路と同様に複数のケーブルを接続して制御電流を伝送するため複数のコネクタが必要である。したがって、コネクタC1の電極T1及び電極T4、コネクタC2の電極U1及び電極U4が必要である。
【0046】
本発明の電流路遮断接続装置は、コネクタC1に電極T1と電極T4を備え、コネクタC2に電極U1と電極U4を備えているので、上記のような如何なる分離方法によってコネクタC1とコネクタC2を分離させても、制御電流である第2電流を電力伝送である第1電流より先に遮断できる。
【0047】
すなわち、本発明の電流路遮断接続装置のコネクタC1、コネクタC2には、電力伝送路を接続する電極の他に、それぞれ、電極T1及び電極T4、電極U1及び電極U4が必須要件となる。
【0048】
(2)参考形態
(2−1)構造図及び動作
図3は、本発明ではない参考構造図である。
図3は、図1と同様に電極の接続部分に対して側面から観察したものである。すなわち、電極の突起部分に対して側面から観察したものである。
図2に対応する電極の接続部分に対して正面から観察した図面は省略しているが図2と同様である。
【0049】
図3は、図1のコネクタC1から電極T1、コネクタC2から電極U1を除去したものである
【0050】
図3では、図1におけるコネクタC1をコネクタC3に、コネクタC2をコネクタC4に名称を変えている。
【0051】
したがって、図3における電極T5、電極T6、電極T7は、図1における電極T2、電極T3、電極T4に、それぞれ対応する。
また、図3における電極U5、電極U6、電極U7は、図1における電極U2、電極U3、電極U4に、それぞれ対応する。
【0052】
図3では、図1で表示した中空部の符号は省略しているが、図3においても同様に存在する。
図1における回転軸Piv1は、図3において回転軸Piv3、図1における回転軸Piv2は、図3において回転軸Piv4と名称を変えているが、図3における回転軸も図1における回転軸と同様である。
【0053】
図3では、コネクタC3に図1のコネクタC1の電極T1相当、コネクタC4に図1のコネクタC2の電極U1相当が無いため、コネクタC3を反時計回り、コネクタC4を時計回りに捻ると、電力伝送路を接続する電極T5と電極U5が、制御電流路を接続する電極T7及び電極U7より先に非接触状態となる。
【0054】
すなわち、制御電流を流す電極T7と電極U7が導通して制御電流が流れ、電力伝送路を導通させる電極T5と電極U5が非接触状態であり、電力伝送路が遮断されている。
【0055】
図3では、図1における第2電流に相当する制御電流が流れているため、図3における図1の説明に相当する制御装置(図示なし)は、図3では、図1における第1電流路に相当する電流路に流す高圧及び/又は大電流供給源(図示なし)の電力供給を停止させない。
【0056】
したがって、図3におけるコネクタC3の電極T5とコネクタC4の電極U5との間にアーク放電が発生する。
なお、図3において存在しない図1における電極T1と電極U1を通過すべく電流路は、図示しない接地回路により構成されている場合を想定している。
【0057】
(3)本発明の応用例
(3−1)応用例を示す回路図
図4は、本発明の応用例である電流路遮断接続装置を利用したアーク放電検出支援回路である。
【0058】
回路構成としては、符号Li1とLi2で示される電流路Li1と電流路Li2が高圧及び/又は大電流を伝送する伝送路である。この電流路は、本発明の実施の形態において第1電流路に相当する。
【0059】
電流路Li1は、符号Sh1で示されるシールド線Sh1に覆われている。電流路Li2は、符号Sh2で示されるシールド線Sh2に覆われている。
このシールド線電流路は、本発明の実施の形態において第2電流路に相当する。すなわち、この電流路は本発明の実施の形態において説明した制御電流を流す。
【0060】
端子A1、端子A2間には伝送用電源を入力する。端子A3、端子A4間は伝送された電力を取得する端子である。
【0061】
抵抗素子R1で、電流路Li1とシールド線Sh2を接続している。
抵抗素子R2で、電流路Li2とシールド線Sh1を接続している。
抵抗素子R3は、シールド線Sh1とシールド線Sh2をループ状に接続構成する。
【0062】
本発明の応用例図4の回路の目的は、電流路Li1及び/又は電流路Li2が、シールド線Sh1及び/又はシールド線Sh2内で断線したとき、電流路Li1及び/又は電流路Li2の断線部分にアーク放電が発生し、このアーク放電がシールド線Sh1及び/又はシールド線Sh2に引き寄せられ、抵抗素子R1及び/又は抵抗素子R2に電流が流れ、抵抗素子R1及び/又は抵抗素子R2の両端電圧の変化を検出し、アーク放電を検知するというものである。
本説明において、各要素を及び/又はで表現したが、電流路Li1には、シールド線Sh2、抵抗素子R1が対応し、電流路Li2には、シールド線Sh1、抵抗素子R2が対応する。
【0063】
図4における電流路と本発明の電流路遮断接続装置の電極の対比の一例を説明する。
電流路Li1がコネクタC1の電極T2とコネクタC2の電極U2により接続される
電流路Li2がコネクタC1の電極T3とコネクタC2の電極U3により接続される
シールド線Sh1がコネクタC1の電極T1とコネクタC2の電極U1により接続される。
シールド線Sh2がコネクタC1の電極T4とコネクタC2の電極U4により接続される。
【0064】
または、
電流路Li2がコネクタC1の電極T2とコネクタC2の電極U2により接続される
電流路Li1がコネクタC1の電極T3とコネクタC2の電極U3により接続される
シールド線Sh2がコネクタC1の電極T1とコネクタC2の電極U1により接続される。
シールド線Sh1がコネクタC1の電極T4とコネクタC2の電極U4により接続される。
【0065】
上記のような構成により、コネクタC1とコネクタC2を分離するとき、シールド線の電流が必ず先に電流断となり、制御装置がこれを検知し、当該制御装置が、電力供給源に指令し、当該電力供給源から端子A1及び端子A2への電力の入力を禁止する。
【0066】
図4において、符号Ca及びCbは、コネクタCであり、複数存在することを示し、電力伝送路ケーブル(電力伝送線及び制御電流線)を接続している状態を表している。
【符号の説明】
【0067】
C1〜C4 コネクタ
T1〜T7 電極
U1〜U7 電極
E1〜E7 電流路接続口
F1〜F7 電流路接続口
H1、H4 電極の中空部
J2、J3 電極の中空部
Piv1〜Piv4 回転軸
Li1、Li2 電流路
Sh1、Sh2 シールド線
A1〜A4 端子
Ca、Cb コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電流を流す外部の第1電流路の一方の極性の電流路を接続する端子11及び端子12と、該第1電流路の他方の極性の電流路を接続する端子13及び端子14と、
第2電流を流す外部の第2電流路の一方の極性の電流路を接続する端子21及び端子22と、該第2電流路の他方の極性の電流路を接続する端子23及び端子24と、を備え、
前記第1電流路を遮断させるとき、前記端子21と前記端子22の組及び/又は前記端子23と前記端子24の組が、前記端子11と前記端子12の組及び前記端子13及び前記端子14の組より先に非接続となり、遮断される前記第1電流路と前記第2電流路の順位が必然的に該第2電流路が第1順位、該第1電流路が第2順位となり、該第1順位及び該第2順位が交換されないことを特徴とする電流路遮断接続装置。
【請求項2】
第1電流を流す外部の第1電流路の一方の極性の電流路を接続する端子11及び端子12と、該第1電流路の他方の極性の電流路を接続する端子13及び端子14と、
第2電流を流す外部の第2電流路の一方の極性の電流路を接続する端子21及び端子22と、該第2電流路の他方の極性の電流路を接続する端子23及び端子24と、を備え、
前記第1電流路を導通させるとき、前記端子11と前記端子12の組及び前記端子13と前記端子14の組が、前記端子21と前記端子22の組及び/又は前記端子23と前記端子24の組より先に接続され、導通される前記第1電流路と前記第2電流路の順位が必然的に該第1電流路が第1順位、該第2電流路が第2順位となり、該第1順位及び該第2順位が交換されないことを特徴とする電流路遮断接続装置。
【請求項3】
前記第1電流路を接続する前記各端子は、該各端子を保持する保持体に係合され、該係合部を基点として自己に隣接する該各端子方向に外力により回転可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電流路遮断接続装置。
【請求項4】
前記第2電流路を接続する前記各端子は、該各端子を保持する保持体に係合され、該係合部を基点として自己に隣接する該各端子方向に外力により回転可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電流路遮断接続装置。
【請求項5】
前記第1電流路を接続する前記各端子の電流容量は、前記第2電流路を接続する前記各端子の電流容量より大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電流路遮断接続装置。
【請求項6】
前記第1電流路を接続する前記各端子の接続状態は、前記第2電流路を接続する前記各端子の接続状態より密かつ堅牢であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電流路遮断接続装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−45664(P2013−45664A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183225(P2011−183225)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(501470544)エヌ・ティ・ティ・データ先端技術株式会社 (29)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】