説明

電源ボタンを備えた電子機器

【課題】
電子機器の電源をオン/オフ操作をする為の電源ボタンが外れ落ちることなく取り付け作業を行うことが可能な作業効率を向上させた電源ボタンを備えた電子機器を提供する。
【解決手段】
テレビジョン受像機1のキャビネット2の孔部3に電源ボタン10の操作部11を挿通する。電源ボタン10に嵌合凹部13を設け、電源のオン/オフ操作されるスイッチ12の嵌合凸部21を嵌合凹部13に挿入する。嵌合凸部21と嵌合凹部13との間に隙間Sを設け、スイッチ12に設けた係合突起14を電源ボタン10の係合部22に係合させスイッチ12に電源ボタン10を取り付ける。嵌合凹部13に嵌合凸部21を嵌合させた状態で、スイッチ12の係合突起14と電源ボタン10の係合部22が係合されるから、スイッチ12から電源ボタン10が外れて落下してしまうことを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源のオン/オフ操作を行う電源ボタンを備えた電子機器に関し、特に、電子機器のキャビネット内から外側に突出するなどして配置される押しボタン式の電源ボタンを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電源のオン/オフ操作を行う為の押しボタン式の電源ボタンを、電子機器のキャビネットの内側から前面の外側に突出して配置させ、この電源ボタンを繰り返し押すことによって、スイッチを連動させ電源のオン/オフを行うことが可能な電子機器が一般的に用いられている。このような電子機器に係る背景技術として、電源ボタンに相等するパワーボタンに設けられた2個のかん合爪の上部に、前方向に突き出た突起を設け、コントロールパネルのかん合穴に嵌合爪を差し込んだ取り付けた状態で、パワーボタンの上部をコントロールパネルに接触させ、パワーボタンのコントロールパネルに対する上下方向の位置決めを行ったパワーボタンの位置決め構造が特許文献1に開示されている。
【0003】
また、図9は、従来から用いられている電源ボタンを備えた電子機器の断面を示す説明図である。同図に示す電子機器100には、この電子機器100のキャビネット101に、回路基板102に固定された電源スイッチ103を所定の位置にネジ108により固定する際には、キャビネット101などの各種部材の材質は一般的に樹脂製の成形物であることから、成形されたキャビネット101などの各種部材の撓みや量産する際の設計精度上の寸法誤差などの問題から、電源スイッチ103を、回路基板102を介してネジ108などにより所定の位置であるキャビネット101に固定してしまうと、本来、キャビネット101に形成された孔部104に挿入されるべき電源ボタン106の操作部105が、前述したズレや寸法誤差などによって操作部105を所定の位置である孔部104にスムーズに挿入できなくなってしまう。また、無理に孔部104に操作部105を挿入した際には、図9に示すように、孔部104の近傍に設けられた電源ボタン106の操作時の移動を案内するキャビネット101のガイドリブ107に電源ボタン106の一部が食い込んでしまうことがあり、これにより電源ボタン106はスムーズに進退動作できなくなり、動作不良にともなう故障を引き起こしてしまう懸念があった。
【0004】
【特許文献1】特開平11−120860号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した図9に示す従来の電子機器100においては、所定の位置である孔部104に操作部105を挿入するためにその位置を調整するためには、キャビネット101に固定されている回路基板102をネジ108を緩めるなどして孔部104に電源ボタン106を挿入可能な位置になるように、いちいち手作業によって位置決め調整をしなければならず、その調整作業に時間がかかることで取り付け作業の効率が悪くなることから、製造効率が低下してしまうといった課題を有していた。
【0006】
また、特許文献1には、パワーボタンの位置決めを所定の位置に調整することは可能であるものの、パワーボタンを取り付けた状態にある際に、パワーボタンの上部と、かん合爪の突起部をコントロールパネルに接触させスプリングの弾性力によってパワーボタンの位置決めを行うことができるが、パワーボタンの操作を行っている、すなわち押した状態にある時には、上下方向の位置決めを行う突起部がコントロールパネルから離れてしまい接触されないことから、パワーボタンの操作時には、コントロールパネルに対するパワーボタンの位置決めを行うことができる構造のものではない。
【0007】
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、電子機器のキャビネットに組み付ける操作ボタンの位置決めを確実に行うことができると共に、電子機器の電源をオン/オフ操作をする為の電源ボタンが外れ落ちることなく取り付け作業を行うことが可能な作業効率を向上させた電源ボタンを備えた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1の電源ボタンを備えた電子機器は、電子機器のキャビネットに孔部を形成し、このキャビネットの内側から前記孔部に挿通され外側に突出して配置される操作部を有する電源ボタンを備えた電子機器であって、前記電源ボタンの後部に嵌合凹部を一体に設け、前記キャビネット内に設けられた前記電子機器の電源のオン/オフを行うスイッチ操作のされる嵌合凸部を前記嵌合凹部に挿入させ、これら嵌合凸部と嵌合凹部との間に隙間を設けると共に、前記スイッチに設けた係合突起と前記電源ボタンに設けた係合部とを係合させ前記スイッチに前記電源ボタンを取り付けたことを特徴とする。
【0009】
請求項1の構成により、電源ボタンの嵌合凹部にスイッチの嵌合凸部を嵌合させた状態で、スイッチの係合突起と電源ボタンの係合部が係合されるので、嵌合凹部から嵌合凸部が外れてしまい電源ボタンがスイッチから落下してしまうことを防止することができ、尚且つ、嵌合凸部と嵌合凹部との間に隙間を設けたから、電源ボタンを隙間の分だけ移動させることができる。従って、キャビネットの孔部に操作部を挿入した状態でスイッチの本体を所定の位置に固定する際や、キャビネットなどの部材に寸法誤差などがあったとしても、従来のように、電源ボタンの一部がキャビネットなどに食い込んでしまい、電源ボタンがスムーズに進退動作できなくなり、動作不良にともなう故障を防止することができる。
【0010】
本発明の請求項2の電源ボタンを備えた電子機器は、請求項1記載の電源ボタンを備えた電子機器において、前記嵌合凸部の形状は角柱状に形成され、この角柱状の嵌合凸部の幅径より僅かに大きく、且つ前記嵌合凸部と略同形状の嵌合凹部に前記嵌合凸部を嵌合させたことを特徴とする。
【0011】
請求項2の構成により、嵌合凹部と嵌合凸部とを角柱状に形成したことにより、電源ボタンがスイッチに対し回転することのないように規制することができる。
【0012】
本発明の請求項3の電源ボタンを備えた電子機器は、請求項2記載の電源ボタンを備えた電子機器において、前記操作ボタンにベースとなる鍔状の基部を設け、この基部の外周縁部が、前記キャビネットに形成された複数のガイドリブと摺動自在に係合され、前記孔部に前記操作部を挿入した前記キャビネットに電源ボタンを取り付けた状態にある時、前記複数のガイドリブにより、前記操作部の操作時に進退される電源ボタンの移動方向を規制したことを特徴とする。
【0013】
請求項3の構成により、嵌合凸部と嵌合凹部との間の隙間の分だけ僅かに移動できる電源ボタンの移動方向を、電源ボタンが操作された時に、ガイドリブに摺動自在に基部の外周縁部を係合することで、電源ボタンは縁部に摺動されながら所定の移動方向に移動することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1の電源ボタンを備えた電子機器によれば、電子機器のキャビネットに孔部を形成し、このキャビネットの内側から前記孔部に挿通され外側に突出して配置される操作部を有する電源ボタンを備えた電子機器であって、前記電源ボタンの後部に嵌合凹部を一体に設け、前記キャビネット内に設けられた前記電子機器の電源のオン/オフを行うスイッチ操作のされる嵌合凸部を前記嵌合凹部に挿入させ、これら嵌合凸部と嵌合凹部との間に隙間を設けると共に、前記スイッチに設けた係合突起と前記電源ボタンに設けた係合部とを係合させ前記スイッチに前記電源ボタンを取り付けたものであり、電源ボタンがスイッチから外れてしまい落下してしまうことを防止することができるので、取り付け作業の作業効率の向上を実現でき、尚且つ、キャビネットなどの部材に寸法誤差などがあったとしても、電源ボタンをスムーズに所定の方向に移動させることができるので電子機器の故障を防止することができる。
【0015】
本発明の請求項2の電源ボタンを備えた電子機器によれば、請求項1記載の電源ボタンを備えた電子機器において、前記嵌合凸部の形状は角柱状に形成され、この角柱状の嵌合凸部の幅径より僅かに大きく、且つ前記嵌合凸部と略同形状の嵌合凹部に前記嵌合凸部を嵌合させたので、電源ボタンの回転を規制することで、所定の位置からズレたりしないように電源ボタンを配置することができる。
【0016】
本発明の請求項3の電源ボタンを備えた電子機器によれば、請求項2記載の電源ボタンを備えた電子機器において、前記操作ボタンにベースとなる鍔状の基部を設け、この基部の外周縁部が、前記キャビネットに形成された複数のガイドリブと摺動自在に係合され、前記孔部に前記操作部を挿入した前記キャビネットに電源ボタンを取り付けた状態にある時、前記複数のガイドリブにより、前記操作部の操作時に進退される電源ボタンの移動方向を所定の方向に移動できるように規制したので、嵌合凸部と嵌合凹部との間の隙間の分だけ僅かに移動できる電源ボタンの移動方向を、電源ボタンの操作時に所定の移動方向に移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図1〜図8により以下に説明する。もちろん、本発明は、その発明の趣旨に反しない範囲で、実施例において説明した以外の構成のものに対しても容易に適用可能なことは説明を要するまでもない。
【0018】
図1は本実施例における電子機器を示す斜視図、図2は電子機器に設けられた電源ボタンの正面図、図3は電源ボタンの側面図、図4は電源ボタンを取り付けたスイッチを回路基板を介してキャビネットに固定した状態を示す概略断面図、図5は電源ボタンを取り付けたスイッチを回路基板を介してキャビネットに固定した状態を示す一部切欠き断面図、図6は回路基板に固定したスイッチに電源ボタンを取り付けた状態を示す正面図、図7は回路基板に固定したスイッチに電源ボタンを取り付けた状態を示す側面図、図8は電源ボタンの操作部を隙間の分だけ移動させた状態を示す説明図である。
【0019】
図1に示す電子機器はテレビジョン受像機1であり、このテレビジョン受像機1の樹脂製のキャビネット2に形成された孔部3には、電源ボタン10の先端に設けられた操作部11を挿入して、この操作部11がキャビネット2の外側に突出して配置され、孔部3の内側周縁近傍にはキャビネット2と一体に複数のガイドリブ4が形成されている。
【0020】
前記電源ボタン10は、操作部11を押して操作を行う、いわゆるプッシュ式の電源ボタン10であり、この電源ボタンを押すことにより、スイッチ12の嵌合凸部21が連動して進退され、テレビジョン受像機1の電源をオン/オフ操作できるようになっており、電源ボタン10のベースとなる基部15の前部に前記操作部11を一体に設け、この基部15の後部である電源ボタン10の後部には角筒状の嵌合凹部13を一体に設け、嵌合凹部13の後部一端には、スイッチ12の本体12Aに一体に設けられた係合突起14と係合する孔状の係合部22を一体に設ける。なお、本実施例における一例においては、スイッチ12の係合突起14と電源ボタン10の係合部22とを係合することにより、スイッチ12と電源ボタン10とが係合されるようになっているが、特にこれに限定するものではなく、スイッチ12に係合部22を設け、電源ボタン10に係合突起14を設けてもよく、スイッチ12と電源ボタン10とが係合される係合手段を構成するのであれば、適宜変形実施も可能である。
【0021】
また、キャビネット2にネジ止めなどによって固定される回路基板20には、スイッチ12の本体12Aの下部に設けられた端子を半田付けによって取り付け、スイッチ12の先端側に断面矩形状であり、角柱状の嵌合凸部21が設けられている。そして、図7に示すように、電源ボタン10の嵌合凹部13にスイッチ12の嵌合凸部21が挿入され嵌合されることにより、この嵌合凸部21は回路基板20に固定されたスイッチ12の本体12Aに対し、嵌合凸部21が押され移動することにより、進退されるようになっており、嵌合凹部13に嵌合凸部21を嵌合させた状態で、電源ボタン10を押すとその移動に連動して嵌合凸部21が進退され、テレビジョン受像機1の電源のオン/オフが繰り返し行われるように構成されている。なお、電源ボタン10の嵌合凹部13とスイッチ12の嵌合凸部21との間には隙間Sを有しており、嵌合凹部13に嵌合凸部21を挿入すると共にスイッチ12の係合突起14に電源ボタン10の係合部22を係合させた、スイッチ12に電源ボタン10を取り付けた状態において、前述した嵌合凹部13と嵌合凸部21との間に隙間Sが設けられることにより、固定されたスイッチ12に対して電源ボタン10を上下左右などの何れの方向であっても自由に隙間Sの分だけ傾かせるなどして移動できるように構成されている。
【0022】
次に、電源ボタンの取り付けられたスイッチをキャビネット内に組み付ける手順を説明する。図6及び図7に示すように、回路基板20にスイッチ12を半田付け等により固定し、電源ボタン10の嵌合凹部13に嵌合凸部21を挿入させると共に、係合部22に係合突起14を係合すると、この場合、角柱状の嵌合凸部21をこの嵌合凸部21の幅径Wより僅かに径の大きい略同形状の嵌合凹部13に嵌合するので、電源ボタン10がスイッチ12に対し回転することのないように規制することができ、且つ、係合部22に係合突起14を係合することによって、スイッチ12に取り付けられた電源ボタン10が、スイッチ12から外れることを防止することができる。そして、スイッチ12に電源ボタン10を取り付けた状態で、これらをキャビネット2に組み付ける次の手順では、電源ボタン10の基部15の張り出した鍔状の外周縁部15Aが、キャビネット2に形成した複数のガイドリブ4に沿って移動させながら、電源ボタン10の操作部11をキャビネット2の孔部3に挿入させ、キャビネット2に一体に形成された図示しないボス部などに回路基板20をネジ止め固定する(図5に示す状態)。
【0023】
このように、本実施例における電子機器たるテレビジョン受像機1においては、テレビジョン受像機1の電源のオン/オフを行う電源用のスイッチ12に電源ボタン10を取り付けた状態でキャビネット2への取り付け作業を容易に行える構造となっていて、つまり、取り付け作業の途中においてスイッチ12から電源ボタン10が外れてしまい落下することを防止することができる。
【0024】
しかも、嵌合凸部21と嵌合凹部13との間には隙間Sを有しているので、スイッチ12に取り付けた電源ボタン10が自由に傾斜できるように構成されており、スイッチ12の係合突起14と電源ボタン10の係合部22とを係合した状態でスイッチ12に電源ボタン10が取り付けられる為、キャビネット2に回路基板20を取り付ける作業の途中に、スイッチ12から電源ボタン10が外れ落ちてしまい、取り付け作業が中断することを防止できるので、取り付け作業を効率的に行い、ひいては製造コストを低減することが可能となる。
【0025】
さらに、前述したキャビネット2への電源ボタン10の取り付け後は、電源ボタンの基部15の外周縁部15Aが複数のガイドリブ4に沿って案内され移動されるように構成されていることにより、キャビネット2の孔部3より外部に突出した電源ボタン10の操作部11を、傾斜した状態で突出することがないように水平状態で突出するように位置規制することが可能となっており、つまり、ユーザーなどが、キャビネット2に取り付けられた操作部11を押して操作する際に、キャビネット2のガイドリブ4により、電源ボタン10の移動方向を所定方向である水平方向に移動するように規制する為、電源ボタン10の操作に支障を来すことなくスムーズな電源ボタン10の操作を行うことが出来る。
【0026】
また、仮に回路基板20上に実装されたスイッチ12が所定の位置ではなく傾いたりズレたりした状態で取り付けられた場合には、図8に示すように、嵌合凹部13と嵌合凸部21との間に有する隙間Sの分だけスイッチ12に対して電源ボタン10を移動させたり傾けることができる為、最終的にキャビネット2に回路基板20を固定した際、孔部3に対して電源ボタン10の操作部11が、隙間Sの分だけ移動して所定の位置から偏った位置に配置されることが無いように、ガイドリブ4によって電源ボタン10を所定の位置で移動するように規制することができる。なお、図5に示す状態で、キャビネット2に取り付けられた電源ボタン10を押して操作を行う場合において、キャビネット2のガイドリブ4に電源ボタン10の基部15が摺動されながらスムーズにスライド移動する為、電源ボタン10がガイドリブ4などに途中で引っかかるなどの操作性の不具合を解消することが出来る。
【0027】
以上のように本実施例によれば、電子機器たるテレビジョン受像機1のキャビネット2に孔部3を形成し、このキャビネット2の内側から孔部3に挿通され外側に突出して配置される操作部11を有する電源ボタン10に嵌合凹部13を一体に設け、テレビジョン受像機1の電源のオン/オフを行うスイッチ12の操作のされる嵌合凸部21を嵌合凹部13に挿入させ、嵌合凸部21と嵌合凹部13との間に隙間Sを設けると共に、スイッチ12に設けた係合突起14と電源ボタン10に設けた係合部22とを係合させて、スイッチ12に電源ボタン10を取り付けたものであり、電源ボタン10の嵌合凹部13にスイッチ12の嵌合凸部21を嵌合させた状態で、スイッチ12の係合突起14と電源ボタン10の孔状の係合部22が係合されるので、嵌合凹部13から嵌合凸部21が外れてしまい、電源ボタン10がスイッチ12から外れてしまい落下してしまうことを防止することができ、尚且つ、嵌合凸部21と嵌合凹部13との間に隙間Sを設けたから、電源ボタン10を隙間Sの分だけ移動させることができる。従って、図5に示すように、キャビネット2の孔部3に操作部11を挿入した状態でスイッチ12の本体12Aを所定の位置に固定する際や、キャビネット2又は回路基板20、或いはこれら両部材に寸法誤差などがあったとしても、従来のように、電源ボタンの一部がキャビネットなどに食い込んでしまい、電源ボタンがスムーズに進退動作できなくなり、動作不良にともなう故障を防止することができるので、故障を可及的に軽減したテレビジョン受像機1を提供することができる。
【0028】
さらに、嵌合凸部21の形状は角柱状に形成され、この角柱状の嵌合凸部21の幅径Wより僅かに大きく、且つ嵌合凸部21と同一若しくは略同形状の嵌合凹部13に、嵌合凸部21を嵌合させたものである。これにより、嵌合凹部13と嵌合凸部21とを同一若しくは略同形状の角柱状に形成したことにより、電源ボタン10がスイッチ12に対し回転することのないように規制することができる。
【0029】
さらに、電源ボタン10にベースとなる鍔状の基部15を設け、この基部15の外周縁部15Aが、キャビネット2に形成された複数のガイドリブ4と摺動自在に係合され、キャビネット2の孔部3に操作部11を挿入したキャビネット2に電源ボタン10を取り付けた状態にある時、複数のガイドリブ4により、操作部11の操作時に進退される電源ボタン10の移動方向を規制したので、嵌合凸部21と嵌合凹部13との間の隙間Sの分だけ僅かに移動できる電源ボタン10の移動方向を、図5に示した状態で、電源ボタン10が操作された時に、ガイドリブ4に摺動自在に基部15の外周縁部15Aを係合することで、電源ボタン10はガイドリブ4に摺動されながら所定の移動方向である水平方向にガタつくことなくスムーズに移動できる。
【0030】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。本実施例においては、嵌合凹部13とこれに対応する嵌合凸部21の形状を、断面矩形の角柱状に形成しているが、この形状に特に限定するものではなく、例えば、その断面を矩形に代えて、三角形、五角形、或いは六角形など、スイッチ12に対して電源ボタン10の回転を規制できるのであれば、適宜その形状を選定してよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施例の電子機器を示す斜視図である。
【図2】同上、電子機器に設けられた電源ボタンを示す正面図である。
【図3】同上、電子機器に設けられた電源ボタンを示す側面図である。
【図4】同上、電源ボタンを取り付けたスイッチを回路基板を介してキャビネットに固定した状態を示す概略断面図である。
【図5】同上、電源ボタンを取り付けたスイッチを回路基板を介してキャビネットに固定した状態を示す一部切欠き断面図である。
【図6】同上、回路基板に固定したスイッチに電源ボタンを取り付けた状態を示す正面図である。
【図7】同上、回路基板に固定したスイッチに電源ボタンを取り付けた状態を示す側面図である。
【図8】同上、電源ボタンの操作部を隙間の分だけ移動させた状態を示す説明図である。
【図9】従来から用いられている電源ボタンを備えた電子機器の断面を示す説明図である。
【符号の説明】
【0032】
1 テレビジョン受像機(電子機器)
2 キャビネット
3 孔部
4 ガイドリブ
10 電源ボタン
11 操作部
12 スイッチ
13 嵌合凹部
14 係合突起
15 基部
15A 外周縁部
21 嵌合凸部
22 係合部
S 隙間
W 幅径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器のキャビネットに孔部を形成し、このキャビネットの内側から前記孔部に挿通され外側に突出して配置される操作部を有する電源ボタンを備えた電子機器であって、前記電源ボタンの後部に嵌合凹部を一体に設け、前記キャビネット内に設けられた前記電子機器の電源のオン/オフを行うスイッチ操作のされる嵌合凸部を前記嵌合凹部に挿入させ、これら嵌合凸部と嵌合凹部との間に隙間を設けると共に、前記スイッチに設けた係合突起と前記電源ボタンに設けた係合部とを係合させ前記スイッチに前記電源ボタンを取り付けたことを特徴とする電源ボタンを備えた電子機器。
【請求項2】
前記嵌合凸部の形状は角柱状に形成され、この角柱状の嵌合凸部の幅径より僅かに大きく、且つ前記嵌合凸部と略同形状の嵌合凹部に前記嵌合凸部を嵌合させたことを特徴とする請求項1記載の電源ボタンを備えた電子機器。
【請求項3】
前記電源ボタンにベースとなる鍔状の基部を設け、この基部の外周縁部が、前記キャビネットに形成された複数のガイドリブと摺動自在に係合され、前記孔部に前記操作部を挿入した前記キャビネットに電源ボタンを取り付けた状態にある時、前記複数のガイドリブにより、前記操作部の操作時に進退される電源ボタンの移動方向を規制したことを特徴とする請求項2記載の電源ボタンを備えた電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−156201(P2006−156201A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−346636(P2004−346636)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(390001959)オリオン電機株式会社 (427)
【Fターム(参考)】