説明

電源制御システム

【課題】電源チップと電源制御装置との間における電源監視に係る信号線の本数及び電源制御装置の演算負荷を低減することのできる電源制御システムを提供する。
【解決手段】電源制御システム1では、電源制御マイコン20は、ナビLSI30の動作状態を示す動作状態信号を伝達する配線L2にてナビLSI30と接続されているとともに、検知信号を伝達する配線L13及び所定の検知閾値を設定する機能設定用バスL3にて電源チップ10と接続されている。そして、電源制御マイコン20は、動作状態信号に基づいてナビLSI30の動作状態を監視するとともに、この監視したナビLSI30の動作状態に応じて所定の検知閾値Vthを動的に設定することとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源チップと電源制御装置とを備える電源制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載機器を制御する車載機器制御装置(以下、車載ECUとも記載する)等の電子部品は、エンジンスタート時のクランキングにより、車載バッテリからの供給電圧が一時的に不安定となることに起因して、オンオフを連続で繰り返すことが知られている。車載ECUの電源がオンオフを連続で繰り返すと、車載ECUの電位が十分に低下しないまま電源がオンされてしまい、車載ECUを構成するトランジスタの状態が不安定となることから、車載ECUが誤動作してしまうことがある。
【0003】
このような車載ECUの誤動作が発生することを低減するべく、車載ECUの電源がオフされた後に再度オンするには、車載ECUの電位がある一定電位以下まで落ちなければならないという仕様がある。この仕様が満たされることにより、車載ECUの誤動作の発生が低減される。
【0004】
そして、上記仕様を満たすため、電源制御装置(以下、電源制御マイコンとも記載する)によって、車載バッテリから車載ECUへ供給される供給電圧を監視・制御する技術が知られている。
【0005】
この種の技術として、特許文献1に記載の技術が知られている。この特許文献1に記載の技術では、車載バッテリから電源チップに供給された電源を用いて車載ECUに電源を供給し、電源チップから車載バッテリへ供給される電源の電圧である供給電圧が予め定められたある固定値より上か下かを検知する。
【0006】
また、車載バッテリから電源チップに供給された電源を用いて車載ECUに電源を供給し、電源チップから車載バッテリへ供給される電源の電圧である供給電圧をA/D変換してデジタル値として読み出す技術も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−184142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前者の従来技術では、図6に示すように、電源制御システム100を構成する電源チップ110と電源制御マイコン120との間における電源監視に係る信号線の本数が多くなってしまう。
【0009】
詳しくは、電源制御システム100では、電源チップ110は、車載ECUの動作状態に対して予め設定されている各固定値と上記供給電圧とを比較し、その比較結果を示す信号を専用の信号線を介して電源制御マイコン120に伝達している。例えば「車載ECUが起動中に正常に電源が立ち上がったこと」及び「車載ECUが終了中に電源が正常に遮断(放電)されたこと」を電源制御マイコン120が監視するには、電源チップ110は、上記各固定値として起動中閾値及び終了中閾値の2つを予め設定しておき、これら予め設定された各固定値と上記供給電圧との比較結果を示す電源起動信号及び電源遮断信号をそれぞれ伝達する「2本」の専用の信号線が必要となる。
【0010】
なお、監視事項は「車載ECUが起動中に正常に電源が立ち上がったこと」及び「車載ECUが終了中に電源が正常に遮断(放電)されたこと」だけに限らず、さらに「車載ECUが動作中に電源が異常となりその異常から復帰したこと」等を電源制御マイコン120が監視するには、この監視事項に専用の信号線が必要となり、監視事項が増えるほど専用の信号線が増大してしまう。
【0011】
また、後者の従来技術では、図7に示すように、電源制御システム200では、電圧値読出用バスを介して電源制御マイコン220が電源チップ210へアクセスするバスアクセスが常時必要となることから、電源制御マイコン220はバスアクセスを行なうための電源制御マイコン220の演算負荷が大きくなってしまう。
【0012】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、電源チップと電源制御装置との間における電源監視に係る信号線の本数及び電源制御装置の演算負荷を低減することのできる電源制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車載バッテリから電源が供給され、電源オン信号が入力された場合に車載バッテリから供給された電源を用いて車載機器制御装置に電源を供給し、車載機器制御装置に供給する電源の供給電圧と所定の検知閾値との比較結果を示す検知信号を出力する電源チップと、車載バッテリから電源が供給され、車載機器制御装置をオンオフする電源スイッチがオン操作されたことに基づいて電源オン信号を電源チップに出力し、検知信号によって供給電圧を監視する電源制御装置とを備え、電源制御装置は、電源スイッチがオフ操作された後に再度オン操作されても、検知信号に基づいて供給電圧が所定の検知閾値を下回った旨を判断しない場合には、電源オン信号を出力しない電源制御システムであって、電源制御装置は、車載機器制御装置の動作状態を示す動作状態信号を伝達する動作状態信号伝達線にて車載機器制御装置と接続されているとともに、検知信号を伝達する検知信号伝達線及び所定の検知閾値を設定する機能設定用バスにて電源チップと接続されており、動作状態信号に基づいて車載機器制御装置の動作状態を監視するとともに、この監視した車載機器制御装置の動作状態に応じて所定の検知閾値を設定することとした。
【0014】
上記前者の従来技術では、電源チップと電源制御装置との間における電源監視に係る信号線は、車載制御装置の動作状態に対して予め設定されている各固定値と同一数だけ必要であり、換言すれば、監視事項が増大するほど多数の信号線が必要であった。しかしながら、上記構成では、動作状態信号に基づいて監視された車載制御装置の動作状態に応じて所定の検知閾値を動的に変化させることができるため、監視事項が増大しても、検知信号を伝達する検知信号伝達線で足りる。したがって、電源チップと電源制御装置との間における電源監視に係る信号線を低減することができるようになる。
【0015】
また、上記後者の従来技術では、電源チップと電源制御装置との間の電圧値読出用バスによるバスアクセスが常時必要であったものの、上記構成では、電源チップから電源制御装置へ検知信号が検知信号伝達線によって伝達されるため、電源チップと電源制御装置との間における電源監視に係る電源制御装置の演算負荷を低減することができるようになる。
【0016】
上記請求項1に記載の構成において、請求項2に記載の発明のように、電源チップは、車載バッテリから供給された電源を用いて車載機器制御装置に電源を供給する電源回路と、機能設定用バスにて設定された所定の検知閾値を記憶する内部レジスタと、電源回路から車載機器制御装置に供給する電源の供給電圧と内部レジスタに記憶されている所定の検知閾値との比較結果に応じた検知信号を出力するコンパレータとを含むこととしてもよい。
【0017】
また、上記請求項1または2に記載の構成において、請求項3に記載の発明のように、車載機器制御装置の動作状態には、起動中、動作中、終了中が含まれており、電源制御装置は、車載機器制御装置が動作中である場合、所定の検知閾値として動作中閾値を設定し、車載機器制御装置が起動中である場合、所定の検知閾値として動作中閾値よりも低い起動中閾値を設定し、車載機器制御装置の動作状態が終了中である場合、所定の検知閾値として起動中閾値よりも低い終了中閾値に設定することとしてもよい。
【0018】
上記目的を達成するため、請求項4に記載の発明では、電源を常時供給する車載バッテリから電源が供給され、電源オン信号が入力された場合に車載バッテリから供給された電源を用いて車載機器制御装置に電源を供給し、車載機器制御装置に供給する電源の供給電圧と所定の検知閾値との比較結果を示す検知信号を出力する電源チップと、車載バッテリから電源が供給され、車載機器制御装置をオンオフする電源スイッチがオン操作されたことに基づいて電源オン信号を電源チップに出力し、検知信号によって供給電圧を監視する電源制御装置とを備え、電源制御装置は、電源スイッチがオフ操作された後に再度オン操作されても、検知信号に基づいて供給電圧が所定の検知閾値を下回った旨を判断しない場合には、電源オン信号を出力しない電源制御システムであって、電源制御装置は、車載機器制御装置の動作状態を示す動作状態信号を伝達する動作状態信号伝達線にて車載機器制御装置と接続されているとともに、検知信号を伝達する検知信号伝達線にて電源チップと接続されており、電源チップは、供給電圧に基づいて車載機器制御装置の動作状態を監視するとともに、この監視した車載機器制御装置の動作状態に応じて所定の検知閾値を設定することとした。
【0019】
上記前者の従来技術では、電源チップと電源制御装置との間における電源監視に係る信号線は、車載制御装置の動作状態に対して予め設定されている各固定値と同一数だけ必要であり、換言すれば、監視事項が増大するほど多数の信号線が必要であった。しかしながら、上記構成では、供給電圧に基づいて監視された車載機器制御装置の動作状態に応じて所定の検知閾値を動的に変化させることができるため、監視事項が増大しても、検知信号を伝達する検知信号伝達線で足りる。したがって、電源チップと電源制御装置との間における電源監視に係る信号線を低減することができるようになる。
【0020】
また、上記後者の従来技術では、電源チップと電源制御装置との間の電圧値読出用バスによるバスアクセスが常時必要であったものの、上記構成では、電源チップから電源制御装置へ検知信号が検知信号伝達線によって伝達されるため、電源チップと電源制御装置との間における電源監視に係る電源制御装置の演算負荷を低減することができるようになる。
【0021】
また、上記請求項4に記載の構成において、請求項5に記載の発明のように、電源チップは、車載バッテリから供給された電源を用いて車載機器制御装置に電源を供給する電源回路と、供給電圧に基づいて車載機器制御装置の動作状態を監視するとともに、この監視した車載機器制御装置の動作状態に応じて所定の検知閾値を設定する監視回路と、監視回路にて設定された所定の検知閾値を記憶する内部レジスタと、電源回路から車載機器制御装置に供給する電源の供給電圧と内部レジスタに記憶されている所定の検知閾値との比較結果に応じた検知信号を出力するコンパレータとを含むこととしてもよい。
【0022】
また、請求項4または5に記載の構成において、請求項6に記載の発明のように、車載機器制御装置の動作状態には、起動中、動作中、終了中が含まれており、電源チップは、車載機器制御装置が動作中である場合、所定の検知閾値として動作中閾値を設定し、車載機器制御装置が起動中である場合、所定の検知閾値として動作中閾値よりも低い起動中閾値を設定し、車載機器制御装置の動作状態が終了中である場合、所定の検知閾値として起動中閾値よりも低い終了中閾値に設定することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る電源制御システムの第1の実施の形態について、その全体構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態について、電源チップの詳細構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態の動作例について、(a)はナビLSIの状態推移、(b)は電源オン信号の電圧レベルの推移、(c)は供給電圧の電圧レベルの推移、(d)は検知信号の電圧レベルの推移をそれぞれ示すタイミングチャートである。
【図4】本発明に係る電源制御システムの第2の実施の形態について、その全体構成を示すブロック図である。
【図5】第2の実施の形態について、電源チップの詳細構成を示すブロック図である。
【図6】従来の電源制御システムについて、電源チップと電源制御装置との間の接続態様を示すブロック図である。
【図7】他の従来の電源制御システムについて、電源チップと電源制御装置との間の接続態様を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係る電源制御システムの第1の実施の形態について、図1〜図3を参照して説明する。なお、本実施の形態の電源制御システム1は、出発地から目的地までの経路を案内する車載ナビゲーション装置の制御装置であるナビLSI30に電源を供給するシステムとして具体化されており、図示しない車両に搭載されている。
【0025】
はじめに、図1及び図2を参照して、電源制御システム1の構成及び機能について説明する。電源制御システム1は、電源チップ10及び電源制御マイコン20を備えて構成されており、ナビLSI30、車載バッテリ40、及びIGSW(イグニッションスイッチ)50に接続されている。
【0026】
電源チップ10は、車載バッテリ40に接続されており、この車載バッテリ40から電源が常時供給される。電源チップ10は、配線L11によって電源制御マイコン20と接続されているとともに、配線L12によってナビLSI30と接続されている。電源チップ10は、電源制御マイコン20から配線L11を介して電源オン信号が入力されている間、車載バッテリ40から供給された電源を用いて配線L12を介してナビLSI30に電源を供給する一方、電源オン信号が入力されていない間、ナビLSI30に電源を供給しない。また、電源チップ10は、配線L13によって電源制御マイコン20と接続されており、ナビLSI30に供給する電源の供給電圧Vと所定の検知閾値Vthとの比較結果を示す検知信号を配線L13を介して電源制御マイコン20に出力する。なお、配線L13が特許請求の範囲に記載の検知信号伝達線に相当する。
【0027】
電源制御マイコン20は、公知のCPU及び内蔵メモリを有して構成されるコンピュータであり、そのCPUが内蔵メモリに記憶されているプログラムを実行することによって各種機能を実現している。なお、この電源制御マイコン20が特許請求の範囲に記載の電源制御装置である。
【0028】
詳しくは、電源制御マイコン20は、電源チップ10と同様に車載バッテリ40に接続されており、この車載バッテリ40から電源が常時供給される。また、電源制御マイコン20には、車載エンジンの始動及び停止を指示、ひいては車載ナビゲーション装置の電源のオンオフを指示するIGSW50が接続されている。ここで、IGSW50がオン操作されると、オン操作された旨を示す信号が電源制御マイコン20に入力される。電源制御マイコン20は、オン操作された旨を示す信号が入力されると、配線L11を介して電源オン信号を電源チップ10に出力する。一方、IGSW50がオフ操作されると、オフ操作された旨を示す信号が電源制御マイコン20に入力される。電源制御マイコン20は、オフ操作された旨を示す信号が入力されると、配線L11を介して電源オン信号を電源チップ10に出力することを停止する。このように、電源制御マイコン20は、オン操作された旨の信号が入力されると、オフ操作された旨の信号が入力されるまで、配線L11を介して電源オン信号を電源チップ10に出力する。なお、IGSW50が特許請求の範囲に記載の電源スイッチに相当する。
【0029】
ナビLSI30は、図示しない車載ナビゲーション装置の制御装置であり、公知のCPU及び内蔵メモリを有して構成されるコンピュータである。ナビLSI30は、そのCPUが内蔵メモリに記憶されているプログラムを実行することによって、出発地から目的地までの経路を探索する処理、その探索した経路を案内する処理等々の各種処理を実行する。車載バッテリ40は、車両に搭載され、電源チップ10、電源制御マイコン20、上記車載ナビゲーション装置、その他各種車載機器に接続されており、電源を供給する。IGSW50は、車室内の適宜の箇所に配置されており、車載エンジンの始動及び停止を指示する公知のスイッチである。これらナビLSI30、車載バッテリ40、及びIGSW50については公知であるため、ここでの詳しい説明を省略する。なお、ナビLSI30が特許請求の範囲に記載の車載機器制御装置に相当し、IGSW50が特許請求の範囲に記載の電源スイッチに相当する。
【0030】
このように構成された電源制御システム1では、電源制御マイコン20は、IGSW50がオフ操作された後に再度オン操作されても、電源チップ10がナビLSI30に供給する電源の供給電圧Vが所定の検知閾値Vthを下回った旨を示す検知信号が上記配線L13を介して入力されない場合、電源チップ10に対して配線L11を介して電源オン信号を出力しない。電源チップ10は、電源オン信号が入力されないため、ナビLSI30に電源を供給せず、ナビLSI30の電源はオフとされたままとなる。
【0031】
このようにして上記背景技術の欄に記載した仕様が満たされるため、ナビLSI30の電源がオンオフを連続で繰り返すことに起因して生じるナビLSI30の誤動作が発生することが低減されている。
【0032】
以下、図1に加え図2を併せ参照しつつ、本実施の形態の電源制御システム1についてさらに説明する。
【0033】
図1に示すように、電源制御マイコン20とナビLSI30とは配線L2にて接続されており、ナビLSI30は、「起動中」「動作中」及び「終了中」等の当該ナビLSI30の動作状態を示す動作状態信号をこの配線L2を介して電源制御マイコン20に対し出力する。また、電源制御マイコン20は、IGSW50がオフ操作された旨を示す信号が入力されると、その旨を示す信号をこの配線L2を介してナビLSI30に対し出力する。なお、配線L2が特許請求の範囲に記載の動作状態信号伝達線に相当する。
【0034】
ここで、ナビLSI30は、電源チップ10から配線L12を介して供給される供給電圧Vが動作可能電圧dに達すると動作開始する。動作開始すると、ナビLSI30は、経路探索や経路案内等の車載ナビゲーション装置としての機能を実行する準備をする処理である起動処理を実行するとともに、この起動処理を実行している間「起動中」を示す動作状態信号を配線L2を介して電源制御マイコン20に対して出力する。したがって、「起動中」とは、ナビLSI30が動作開始してから起動処理を実行するまでの状態を意味する。
【0035】
また、ナビLSI30は、上記起動処理を実行終了した後、IGSW50がオフ操作された旨を示す信号が電源制御マイコン20からナビLSI30へ配線L2を介して入力されるまで、経路探索や経路案内等の車載ナビゲーション装置としての機能を実行可能な状態となり、この機能実行可能状態にある間「動作中」である旨を示す動作状態信号を配線L2を介して電源制御マイコン20に対して出力する。したがって、「動作中」とは、ナビLSI30が上記起動処理を終えてからIGSW50がオフ操作された旨の信号が入力されるまでを意味する。
【0036】
また、ナビLSI30は、IGSW50がオフ操作された旨を示す信号が電源制御マイコン20からナビLSI30へ配線L2を介して入力されると、データ退避等の車載ナビゲーション装置としての機能を終了する準備をする処理である終了処理を実行開始するとともに、この終了処理を実行している間及びナビLSI30が動作停止するまで「終了中」である旨を示す動作状態信号を配線L2を介して電源制御マイコン20に対して出力する。したがって、「終了中」とは、ナビLSI30にIGSW50がオフ操作された旨の信号が入力されてからナビLSI30が動作停止するまでを意味する。
【0037】
電源制御マイコン20は、公知の通信バスにて構成される機能設定用バスL3にて電源チップ10と接続されている。電源制御マイコン20は、ナビLSI30から配線L2を介して入力された上記動作状態信号に基づいてナビLSI30の動作状態を監視するとともに、この監視したナビLSI30の動作状態に応じて機能設定用バスL3を介して上記所定の検知閾値Vthを動的に設定する。
【0038】
具体的には、電源制御マイコン20は、ナビLSI30が「起動中」である旨を示す動作信号が配線L2を介してナビLSI30から入力されると、機能設定用バスL3を介して電源チップ10(詳しくは後述の内部レジスタ12)に上記所定の検知閾値Vthとして起動中閾値bを設定する。また、電源制御マイコン20は、ナビLSI30が「動作中」である旨を示す動作信号が配線L2を介してナビLSI30から入力されると、機能設定用バスL3を介して電源チップ10に上記所定の検知閾値Vthとして動作中閾値cを設定する。また、電源制御マイコン20は、ナビLSI30が「終了中」である旨を示す動作信号が配線L2を介してナビLSI30から入力されると、機能設定用バスL3を介して電源チップ10に上記所定の検知閾値Vthとして終了中閾値aを設定する。なお、これら所定の検知閾値及び上記動作可能電圧dは「動作可能電圧d<終了中閾値a<起動中閾値b<動作中閾値c」との関係になるように設定されている。また、これら終了中閾値a、起動中閾値b、及び動作中閾値cは、電源制御マイコン20が有する図示しないメモリ等に記憶されている。
【0039】
電源チップ10は、図2に示されるように、電源回路11と、内部レジスタ12と、コンパレータ13とを含んで構成されている。
【0040】
電源回路11は、配線L11によって電源制御マイコン20と接続され、配線L12によってナビLSI30と接続されているとともに、図2では図示しない車載バッテリ40と接続されている。電源回路11は、配線L11を介して電源制御マイコン20から電源オン信号が入力されている間、車載バッテリ40から供給された電源を用いて配線L12を介してナビLSI30に電源を供給する。また、電源回路11は、コンパレータ13の非反転入力端子に接続されており、このコンパレータ13には、ナビLSI30に供給する電源の供給電圧Vが入力される。
【0041】
内部レジスタ12は、公知のレジスタであり、上記機能設定用バスL3にて電源制御マイコン20と接続されているとともに、コンパレータ13の反転入力端子に接続されている。内部レジスタ12は、電源制御マイコン20によって機能設定用バスL3を介して、終了中閾値a、起動中閾値b、及び動作中閾値cの3種の所定の検知閾値Vthが動的に設定され、設定された所定の検知閾値Vthをコンパレータ13の反転入力端子に出力する。なお、内部レジスタ12には、終了中閾値aがデフォルトの閾値として設定されている。
【0042】
コンパレータ13は公知のコンパレータであり、その非反転入力端子は電源回路11に接続され、その反転入力端子は内部レジスタ12に接続され、その出力端子は配線L13を介して電源制御マイコン20に接続されている。コンパレータ13は、その非反転入力端子に入力された供給電圧Vとその反転入力端子に入力された所定の検知閾値Vthとの比較結果に応じた2値の検知信号を配線L13を介して電源制御マイコン20に出力する。
【0043】
具体的には、コンパレータ13は、内部レジスタ12に起動中閾値bが設定された場合、供給電圧Vが起動中閾値b以下である場合には、論理Lレベルに対応する電圧の検知信号を電源制御マイコン20に出力する一方、供給電圧Vが起動中閾値bを上回っている場合には、論理Hレベルに対応する電圧の検知信号を電源制御マイコン20に出力する。また、コンパレータ13は、内部レジスタ12に動作中閾値cが設定された場合、供給電圧Vが動作中閾値c以下である場合には、論理Lレベルに対応する電圧の検知信号を電源制御マイコン20に出力する一方、供給電圧Vが動作中閾値cを上回っている場合には、論理Hレベルに対応する電圧の検知信号を電源制御マイコン20に出力する。また、コンパレータ13は、内部レジスタ12に終了中閾値aが設定された場合、供給電圧Vが終了中閾値a以下である場合には、論理Lレベルに対応する電圧の検知信号を電源制御マイコン20に出力する一方、供給電圧Vが終了中閾値aを上回っている場合には、論理Hレベルに対応する電圧の検知信号を電源制御マイコン20に出力する。
【0044】
以上のように構成された電源制御システム1の動作例について、図3を参照して説明する。なお、この動作例では、時刻t11においてIGSW50がオン操作され、時刻t15においてIGSW50がオフ操作されたものとする。
【0045】
時刻t11においてIGSW50がオン操作されたことから、IGSW50がオン操作された旨を示す信号が電源制御マイコン20に入力され、電源制御マイコン20は、この時刻t11において配線L11を介して電源オン信号を電源チップ10に出力する。電源オン信号が入力されると、電源チップ10は、車載バッテリ40から供給された電源を用いて配線L12を介してナビLSI30に電源を供給する。そのため、図3(c)に示すように供給電圧Vが上昇開始する。
【0046】
このように上昇開始した供給電圧Vが上記動作可能電圧dに達した時刻t12において、ナビLSI30は、「起動中」である旨を示す動作状態信号を配線L2を介して電源制御マイコン20に出力する。そして、この時刻t12において「起動中」である旨を示す動作状態信号が入力されると、電源制御マイコン20は、機能設定用バスL3を介して内部レジスタ12に所定の検知閾値Vthとして起動中閾値bを設定する。このとき、供給電圧Vが起動中閾値b以下であるため、電源チップ10は、論理Lレベルに対応する電圧の検知信号を電源制御マイコン20に出力する。
【0047】
供給電圧Vが上昇を継続し起動中閾値bを上回った時刻t13において、電源チップ10は、論理Hレベルに対応する電圧の検知信号を電源制御マイコン20に出力する。このとき、電源制御マイコン20は、「ナビLSI30が起動中に正常に電源が立ち上がったこと」を検知する。
【0048】
ナビLSI30が動作開始して上記起動処理を実行しこの起動処理を終了した時刻t14において、ナビLSI30は、「動作中」である旨を示す動作状態信号を配線L2を介して電源制御マイコン20に対して出力する。そして、この時刻t14において「動作中」である旨を示す動作状態信号が入力されると、電源制御マイコン20は、機能設定用バスL3を介して内部レジスタ12に所定の検知閾値Vthとして動作中閾値cを設定する。このとき、供給電圧Vは動作中閾値cを上回っているため、電源チップ10は、論理Hレベルに対応する電圧の検知信号を電源制御マイコン20に継続して出力する。
【0049】
時刻t15においてIGSW50がオフ操作されたことから、IGSW50がオフ操作された旨を示す信号が電源制御マイコン20に入力され、電源制御マイコン20は、この時刻t15において配線L11を介した電源オン信号の電源チップ10への出力を停止する。電源オン信号の入力が停止すると、電源チップ10はナビLSI30への電源供給を停止する。そのため、図3(c)に示すように供給電圧Vが下降開始する。
【0050】
また、時刻t15においてIGSW50がオフ操作されたことから、IGSW50がオフ操作された旨を示す信号が電源制御マイコン20からナビLSI30へ配線L2を介して入力され、ナビLSI30は、上記終了処理を実行開始するとともに、この終了処理を実行している間及びナビLSI30が動作停止するまで「終了中」である旨を示す動作状態信号を配線L2を介して電源制御マイコン20に対して出力する。そして、この時刻t15において「終了中」である旨を示す動作状態信号が入力されると、電源制御マイコン20は、機能設定用バスL3を介して内部レジスタ12に所定の検知閾値Vthとして終了中閾値aを設定する。このとき、供給電圧Vが終了中閾値aを上回っているため、電源チップ10は、論理Hレベルに対応する電圧の検知信号を電源制御マイコン20に継続して出力する。
【0051】
供給電圧Vが下降を継続し時刻t16において終了中閾値a以下となると、電源チップ10は、論理Lレベルに対応する電圧の検知信号を電源制御マイコン20に出力する。このとき、電源制御マイコン20は、「ナビLSI30が終了中に正常に電源が遮断(放電)されたこと」を検知する。
【0052】
供給電圧Vがさらに下降を継続し動作可能電圧d以下となる時刻t17においては、ナビLSI30が動作を停止し「終了中」である旨を示す動作状態信号の出力を停止する。そして、供給電圧Vはさらに下降を継続し時刻t18において零となる。
【0053】
なお、図3(c)に破線にて示すように、ナビLSI30が「動作中」において供給電圧Vが動作中閾値c以下となり、この動作中閾値cを再度上回ることがある。この場合、供給電圧Vが動作中閾値c以下となった時刻t21において、論理Lレベルに対応する電圧の検知信号を電源チップ10が電源制御マイコン20に出力し、供給電圧Vが動作中閾値cを再度上回った時刻t22において、論理Hレベルに対応する電圧の検知信号を電源チップ10が電源制御マイコン20に出力するため、電源制御マイコン20は「ナビLSI30の動作中に電源が異常となりその異常から復帰したこと」を検知する。
【0054】
以上説明した本実施の形態の電源制御システム1では、電源制御マイコン20は、ナビLSI30の動作状態を示す動作状態信号を伝達する配線L2にてナビLSI30と接続されているとともに、検知信号を伝達する配線L13及び所定の検知閾値を設定する機能設定用バスL3にて電源チップ10と接続されている。そして、電源制御マイコン20は、動作状態信号に基づいてナビLSI30の動作状態を監視するとともに、この監視したナビLSI30の動作状態に応じて所定の検知閾値Vthを動的に設定する。
【0055】
背景技術の欄に記載した前者の従来技術では、電源チップ110と電源制御マイコン120との間における電源監視に係る信号線は、ナビLSI30の動作状態に対して予め設定されている各固定値と同一数だけ(すなわち、「2本」)必要であり、換言すれば、監視事項が増大するほど多数の信号線が必要であった。しかしながら、上記電源制御システム1では、動作状態信号に基づいて監視されたナビLSI30の動作状態に応じて所定の検知閾値Vthを動的に変化させることができるため、監視事項が増大しても、検知信号を伝達する配線L1で足りる。したがって、電源チップ10と電源制御マイコン20との間における電源監視に係る信号線を配線L13の「1本」に低減することができるようになる。
【0056】
また、背景技術の欄に記載した後者の従来技術では、電源チップ210と電源制御マイコン220との間の電圧値読出用バスによるバスアクセスが常時必要であったものの、上記電源制御システム1では、電源チップ10から電源制御マイコン20へ検知信号が配線L13によって伝達されるため、電源チップ10と電源制御マイコン20との間における電源監視に係る電源制御マイコン20の演算負荷を低減することができるようになる。
【0057】
(第2の実施の形態)
以下、本発明に係る電源制御システムの第2の実施の形態について、図4及び図5を参照して説明する。これら図4及び図5に示されるように、第2の実施の形態の電源制御システム2も、第1の実施の形態の電源制御システム1に準じた構成となっている。
【0058】
ただし、第1の実施の形態の電源制御システム1では、電源チップ10の内部レジスタに記憶される所定の検知閾値Vthを電源チップ10外部から動的に設定するのに対し、本実施の形態の電源制御システム2では、電源チップ10aの内部レジスタ12に記憶される所定の検知閾値Vthを電源チップ10a内部にて動的に設定する。
【0059】
以下、電源制御システム2の構成について詳述する。図4に示されるように、電源制御マイコン20は、ナビLSI30の動作状態を示す動作状態信号を伝達する配線L11にてナビLSI30と接続されているとともに、検知信号を伝達する配線L13にて電源チップ10aと接続されている。電源チップ10aは、供給電圧Vに基づいてナビLSI30の動作状態を監視するとともに、この監視したナビLSI30の動作状態に応じて所定の検知閾値Vthを設定する。
【0060】
電源チップ10aは、図5に示されるように、電源回路11、内部レジスタ12、及びコンパレータ13に加え、監視回路14をさらに含んで構成されている。
【0061】
電源回路11は、配線L11を介して電源制御マイコン20から電源オン信号が入力されている間、車載バッテリ40から供給された電源を用いて配線L12を介してナビLSI30に電源を供給する。また、電源回路11は、コンパレータ13の非反転入力端子に接続されており、このコンパレータ13には、ナビLSI30に供給する電源の供給電圧Vが入力される。
【0062】
監視回路14は、上記配線L12上に配置されているとともに、内部レジスタ12に接続されている。そして、監視回路14は、電源回路11から入力される供給電圧Vに基づいてナビLSI30の動作状態を監視するとともに、この監視したナビLSI30の動作状態に応じて所定の検知閾値Vthを設定する。
【0063】
「起動中」「動作中」「終了中」等のナビLSI30の動作状態によって配線L12に流れる電流の量、ひいては電力は変化する。そのため、監視回路14は、配線L12を流れる電流を監視し、この電流に対して予め設定した複数の閾値への到達態様によってナビLSI30の動作状態を判断する。なお、ナビLSI30の供給電力は「動作中>起動中>終了中」の順にて変化する。
【0064】
監視回路14は、この監視・判断したナビLSI30の動作状態に応じて所定の検知閾値Vthを設定する。具体的には、監視回路14は、ナビLSI30が「起動中」であると判断した場合、内部レジスタ12に上記所定の検知閾値Vthとして起動中閾値bを設定する。また、監視回路14は、ナビLSI30が「動作中」であると判断した場合、内部レジスタ12に上記所定の検知閾値Vthとして動作中閾値cを設定する。また、監視回路14は、ナビLSI30が「終了中」であると判断した場合、内部レジスタ12に上記所定の検知閾値Vthとして終了中閾値aを設定する。
【0065】
以上説明した本実施の形態の電源制御システム2では、電源制御マイコン20は、検知信号を伝達する配線L13にて電源チップ10aと接続されており、電源チップ10aは、供給電圧Vに基づいてナビLSI30の動作状態を監視するとともに、この監視したナビLSI30の動作状態に応じて所定の検知閾値Vthを設定することとした。
【0066】
背景技術の欄に記載した前者の従来技術では、電源チップ110と電源制御マイコン120との間における電源監視に係る信号線は、ナビLSI30の動作状態に対して予め設定されている各固定値と同一数だけ(すなわち、「2本」)必要であり、換言すれば、監視事項が増大するほど多数の信号線が必要であった。しかしながら、上記電源制御システム2では、供給電圧Vに基づいて監視されたナビLSI30の動作状態に応じて所定の検知閾値Vthを動的に変化させることができるため、監視事項が増大しても、検知信号を伝達する配線L13で足りる。したがって、電源チップ10と電源制御マイコン20との間における電源監視に係る信号線を配線L13の「1本」に低減することができるようになる。
【0067】
また、上記後者の従来技術では、電源チップ210と電源制御マイコン220との間の電圧値読出用バスによるバスアクセスが常時必要であったものの、上記電源制御システム2では、電源チップ10aから電源制御マイコン20へ検知信号が配線L13によって伝達されるため、電源チップ10aと電源制御マイコン20との間における電源監視に係る電源制御マイコン20の演算負荷を低減することができるようになる。
【符号の説明】
【0068】
1、2、100、200…電源制御システム、10、10a、110、210…電源チップ、11…電源回路、12…内部レジスタ、13…コンパレータ、14…監視回路、20、120、220…電源制御マイコン(電源制御装置)、30…ナビLSI(車載機器制御装置、40…車載バッテリ、50…IGSW

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載バッテリから電源が供給され、電源オン信号が入力された場合に前記車載バッテリから供給された電源を用いて車載機器制御装置に電源を供給し、前記車載機器制御装置に供給する電源の供給電圧と所定の検知閾値との比較結果を示す検知信号を出力する電源チップと、
前記車載バッテリから電源が供給され、前記車載機器制御装置をオンオフする電源スイッチがオン操作されたことに基づいて前記電源オン信号を前記電源チップに出力し、前記検知信号によって前記供給電圧を監視する電源制御装置とを備え、
前記電源制御装置は、前記電源スイッチがオフ操作された後に再度オン操作されても、前記検知信号に基づいて前記供給電圧が前記所定の検知閾値を下回った旨を判断しない場合には、前記電源オン信号を出力しない電源制御システムであって、
前記電源制御装置は、
前記車載機器制御装置の動作状態を示す動作状態信号を伝達する動作状態信号伝達線にて前記車載機器制御装置と接続されているとともに、前記検知信号を伝達する検知信号伝達線及び前記所定の検知閾値を設定する機能設定用バスにて前記電源チップと接続されており、
前記動作状態信号に基づいて前記車載機器制御装置の動作状態を監視するとともに、この監視した車載機器制御装置の動作状態に応じて前記所定の検知閾値を設定することを特徴とする電源制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電源制御システムにおいて、
前記電源チップは、
前記車載バッテリから供給された電源を用いて車載機器制御装置に電源を供給する電源回路と、
前記機能設定用バスにて設定された所定の検知閾値を記憶する内部レジスタと、
前記電源回路から前記車載機器制御装置に供給する電源の供給電圧と前記内部レジスタに記憶されている所定の検知閾値との比較結果に応じた検知信号を出力するコンパレータとを含むことを特徴とする電源制御システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電源制御システムにおいて、
前記車載機器制御装置の動作状態には、起動中、動作中、終了中が含まれており、
前記電源制御装置は、前記車載機器制御装置が動作中である場合、前記所定の検知閾値として動作中閾値を設定し、前記車載機器制御装置が起動中である場合、前記所定の検知閾値として前記動作中閾値よりも低い起動中閾値を設定し、前記車載機器制御装置の動作状態が終了中である場合、前記所定の検知閾値として前記起動中閾値よりも低い終了中閾値に設定することを特徴とする電源制御システム。
【請求項4】
車載バッテリから電源が供給され、電源オン信号が入力された場合に前記車載バッテリから供給された電源を用いて車載機器制御装置に電源を供給し、前記車載機器制御装置に供給する電源の供給電圧と所定の検知閾値との比較結果を示す検知信号を出力する電源チップと、
前記車載バッテリから電源が供給され、前記車載機器制御装置をオンオフする電源スイッチがオン操作されたことに基づいて前記電源オン信号を前記電源チップに出力し、前記検知信号によって前記供給電圧を監視する電源制御装置とを備え、
前記電源制御装置は、前記電源スイッチがオフ操作された後に再度オン操作されても、前記検知信号に基づいて前記供給電圧が前記所定の検知閾値を下回った旨を判断しない場合には、前記電源オン信号を出力しない電源制御システムであって、
前記電源制御装置は、前記検知信号を伝達する検知信号伝達線にて前記電源チップと接続されており、
前記電源チップは、前記供給電圧に基づいて前記車載機器制御装置の動作状態を監視するとともに、この監視した車載機器制御装置の動作状態に応じて前記所定の検知閾値を設定することを特徴とする電源制御システム。
【請求項5】
請求項4に記載の電源制御システムにおいて、
前記電源チップは、
前記車載バッテリから供給された電源を用いて車載機器制御装置に電源を供給する電源回路と、
前記供給電圧に基づいて前記車載機器制御装置の動作状態を監視するとともに、この監視した車載機器制御装置の動作状態に応じて前記所定の検知閾値を設定する監視回路と、
前記監視回路にて設定された所定の検知閾値を記憶する内部レジスタと、
前記電源回路から前記車載機器制御装置に供給する電源の供給電圧と前記内部レジスタに記憶されている所定の検知閾値との比較結果に応じた検知信号を出力するコンパレータとを含むことを特徴とする電源制御システム。
【請求項6】
請求項4または5に記載の電源制御システムにおいて、
前記車載機器制御装置の動作状態には、起動中、動作中、終了中が含まれており、
前記電源チップは、前記車載機器制御装置が動作中である場合、前記所定の検知閾値として動作中閾値を設定し、前記車載機器制御装置が起動中である場合、前記所定の検知閾値として前記動作中閾値よりも低い起動中閾値を設定し、前記車載機器制御装置の動作状態が終了中である場合、前記所定の検知閾値として前記起動中閾値よりも低い終了中閾値に設定することを特徴とする電源制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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