説明

電源管理サーバ、及び電源管理処理プログラム

【課題】複数の電力供給者から電力供給を受ける場合に、各電力供給者からの電力の供給量を制御する。
【解決手段】供給電力により稼働する電気機器の電源を管理する電源管理サーバ10が、複数段階の停止優先度と電気機器情報とが設定された電源管理マスタを記憶する電源管理マスタDB11と、複数の電力供給者による供給電力の割合を示す供給電力割合情報を記憶する供給電力割合情報DB13とを備え、特定の電力供給者からの供給電力割合である特定供給電力割合が所定の割合を低下する時間帯を特定し、電源管理マスタを参照して、特定した時間帯における特定供給電力割合の低下度合いに基づく停止優先度に応じて、電力供給を停止する電気機器を特定し、特定した時間帯に到達する所定時間前となったときに、特定した電気機器に対する電力供給の停止を命令する電力供給停止命令を通信ネットワーク30を介して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給電力により稼働する電気機器の電源を管理する電源管理サーバ、及び電源管理処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各所に設置された電気機器の電源を制御するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、スケジュール管理テーブルを設け、スケジュールにあわせた管理を行うことにより、待機電力を低減しつつ利便性を高めた電気機器の電力管理を行うシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−20989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来のシステムでは、あらかじめ定められたスケジュールに従って電源を制御するものであるに過ぎないため、複数の電力供給者から電力供給を受ける場合に、各電力供給者からの電力の供給量を制御することはできないという問題があった。
【0005】
すなわち、現在、例えばPPS(Power Producer and Supplier)事業者などの電力供給者が、電力価格を市場(電力会社等他の電力供給者)から仕入れて供給する場合があるが、市場から仕入れて供給する電力の使用価格と、電力会社が供給する電力の使用価格は、需要期にその市場価格を変動させるため価格が異なる(他の電力供給者から(例えば、電力会社)の方が高い。)。そのため、消費者(電力使用者)、特に複数の電力供給者から電力の供給を受ける者にとっては、複数の電力供給者それぞれへの依存度を調整したいという要望があったが、従来のシステムではこのような要望に応えることができなかった。
【0006】
本発明は、上述した問題を解消し、複数の電力供給者から電力供給を受ける場合に、各電力供給者からの電力の供給量を制御することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電源管理サーバは、供給電力により稼働する電気機器の電源を管理する電源管理サーバであって、あらかじめ定められた複数段階の停止優先度と、各段階の停止優先度にそれぞれ対応付けされた電気機器を示す電気機器情報とが設定された電源管理マスタを記憶する電源管理マスタ記憶手段と、電力供給者を管理する電力供給者管理サーバから取得した情報に基づく複数の電力供給者による供給電力の割合を示す供給電力割合情報を記憶する供給電力割合情報記憶手段と、当該供給電力割合情報記憶手段に記憶された供給電力割合情報が示す供給電力割合において、あらかじめ定められた特定の電力供給者からの供給電力割合である特定供給電力割合が所定の割合を低下する時間帯である特定供給電力割合低下時間帯を特定する特定供給電力割合低下時間帯特定手段と、前記電源管理マスタを参照して、前記特定供給電力割合低下時間帯特定手段によって特定された時間帯における特定供給電力割合の低下度合いに基づく停止優先度に応じて、電力供給を停止する電気機器を特定する電気機器特定手段と、前記特定供給電力割合低下時間帯特定手段によって特定された時間帯に到達する所定時間前となったときに、前記電気機器特定手段によって特定された電気機器を示す特定電気機器に対する電力供給の停止を命令する電力供給停止命令を通信ネットワークを介して送信する電力供給停止命令送信手段とを含むことを特徴とする。
【0008】
上記の構成としたことで、複数の電力供給者から電力供給を受ける場合に、各電力供給者からの電力の供給量を制御することができるようになる。
【0009】
前記電力供給者管理サーバから前記供給電力割合情報を取得する供給電力割合情報取得手段を含み、前記供給電力割合情報記憶手段は、前記供給電力割合情報取得手段によって取得された供給電力割合情報を記憶する構成とされていてもよい。
【0010】
前記電力供給者管理サーバから取得した情報に基づいて、前記供給電力割合情報を生成する供給電力割合情報生成手段を含み、前記供給電力割合情報記憶手段は、前記供給電力割合情報生成手段によって生成された供給電力割合情報を記憶する構成とされていてもよい。
【0011】
各電気機器が、前記複数の電力供給者のうちどの電力供給者による電力供給の対象となっているかを示す情報である使用電力情報を記憶する使用電力情報記憶手段を含み、前記電源管理マスタには、前記使用電力情報記憶手段において前記特定の電力供給者以外の電力供給者による電力供給の対象となっている電気機器を示す電気機器情報が設定され、前記電気機器特定手段は、前記特定の電力供給者以外の電力供給者による電力供給の対象となっている電気機器の中から電力供給を停止する電気機器を特定する構成とされていてもよい。
【0012】
前記供給電力割合情報記憶手段に記憶された供給電力割合提供情報に基づいて、今後の供給電力割合を予想した予想供給電力割合を導出する予想供給電力割合導出手段を含み、前記特定供給電力割合低下時間帯特定手段は、前記予想供給電力割合導出手段によって導出された予想供給電力割合において、前記特定供給電力割合低下時間帯を特定する構成とされていてもよい。
【0013】
前記電力供給停止命令送信手段は、電気機器を管理する電気機器管理端末に対して電力供給停止命令を送信し、前記電気機器管理端末は、電力供給停止命令に従って、通信ネットワークを介して特定電気機器に対して電力供給の停止を指示する構成とされていてもよい。
【0014】
電力供給停止信号を受信して電力供給の停止処理を実行する電気機器からの電力供給を停止状態とすることを示す電力供給停止完了通知を受けた前記電気機器管理端末から、電気機器の電力供給を停止させることが完了した旨を報告するための電力供給停止完了報告を受信する電力供給停止完了報告受信手段と、電力供給停止完了報告を受信したことに応じて、電力供給を停止させることが完了した電気機器を報知する電力供給停止完了報知手段とを含む構成とされていてもよい。
【0015】
電源管理マスタでは、電気機器情報が、当該電気機器情報が示す電気機器を管理する電気機器管理端末を特定可能な端末特定情報に対応付けされている構成とされていてもよい。
【0016】
前記電源管理マスタでは、複数段階のうち最も高い停止優先度に、電力供給を停止しても支障がない電気機器を示す電気機器情報が対応付けされ、電力供給を停止した場合に生じる支障の度合いが大きい電気機器であるほど、複数段階のうちより低い停止優先度に当該電気機器を示す電気機器情報が対応付けされ、前記電気機器特定手段は、前記特定供給電力割合の低下度合いが大きいほど低い停止優先度を特定して、特定した停止優先度以上の停止優先度に対応付けされた電気機器を特定する構成とされていてもよい。
【0017】
前記使用電力情報を参照して、所定の電力供給開始条件を満たす電気機器を電力供給開始対象機器として特定する電力供給開始対象機器特定手段と、該電力供給開始対象機器特定手段によって特定された電力供給開始対象機器に対する電力供給の開始を命令する電力供給開始命令を通信ネットワークを介して送信する電力供給開始命令送信手段とを含む構成とされていてもよい。
【0018】
前記特定電気機器に対する電力供給を停止した場合の前記特定供給電力割合を特定する特定供給電力割合特定手段と、該特定供給電力割合特定手段によって特定された特定供給電力割合が前記所定の割合以上であるか否かを判定する判定手段とを含み、前記電力供給開始対象機器特定手段は、前記判定手段によって前記特定供給電力割合が前記所定の割合以上でないと判定されたことに応じて前記所定の電力供給開始条件を満たす電気機器を電力供給開始対象機器として特定し、前記所定の電力供給開始条件は、前記特定の電力供給者による電力供給対象であることを含む構成とされていてもよい。
【0019】
また、本発明の電源管理処理プログラムは、供給電力により稼働する電気機器の電源を電源管理サーバに管理させるための電源管理処理プログラムであって、あらかじめ定められた複数段階の停止優先度と、各段階の停止優先度にそれぞれ対応付けされた電気機器を示す電気機器情報とが設定された電源管理マスタを記憶する電源管理マスタ記憶手段と、電力供給者を管理する電力供給者管理サーバから取得した情報に基づく複数の電力供給者による供給電力の割合を示す供給電力割合情報を記憶する供給電力割合情報記憶手段とを備えた前記電源管理サーバに、前記供給電力割合情報記憶手段に記憶された供給電力割合情報が示す供給電力割合において、あらかじめ定められた特定の電力供給者からの供給電力割合である特定供給電力割合が所定の割合を低下する時間帯である特定供給電力割合低下時間帯を特定する特定供給電力割合低下時間帯特定処理と、前記電源管理マスタを参照して、前記特定供給電力割合低下時間帯特定処理にて特定した時間帯における特定供給電力割合の低下度合いに基づく停止優先度に応じて、電力供給を停止する電気機器を特定する電気機器特定処理と、前記特定供給電力割合低下時間帯特定処理にて特定した時間帯に到達する所定時間前となったときに、前記電気機器特定処理にて特定した電気機器を示す特定電気機器に対する電力供給の停止を命令する電力供給停止命令を通信ネットワークを介して送信する電力供給停止命令送信処理とを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、複数の電力供給者から電力供給を受ける場合に、各電力供給者からの電力の供給量を制御することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施の形態における電源管理システムの構成の例を示すブロック図である。
【図2】電源管理マスタの例を示す説明図である。
【図3】使用電力情報の例を示す説明図である。
【図4】供給電力割合情報の例を示す説明図である。
【図5】電源管理処理の例を示すフローチャートである。
【図6】電力供給停止対象機器特定処理の例を示すフローチャートである。
【図7】電力供給停止完了状況表示画面の例を示す説明図である。
【図8】電源管理処理の他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施の形態に係る電源管理システム100の構成の例を示すブロック図である。図1に示すように、電源管理システム100は、電源管理サーバ10と、店舗端末21と、店舗端末21に接続された電気機器21a〜21fと、配送センタ端末22と、配送センタ端末22に接続された電気機器(図示を省略)と、電力供給者管理サーバ50とを含む。図1では、店舗A内に設置された店舗端末21と店舗端末21に接続された電気機器21a〜21f、及び配送センタA内に設置された配送センタ端末22のみが開示されているが、他の1又は2以上の店舗や配送センタにそれぞれ設置された端末(店舗端末と配送センタ端末)とその端末に接続された電気機器を含む構成としてもよい。また、図1では電気機器21a〜21fを例示しているが、電力供給を受けて稼働する機器であれば、どのようなものであってもよい。以下、店舗端末21を例にして説明を行う。
【0024】
電源管理サーバ10、店舗端末21、および電力供給者管理サーバ50は、それぞれ、例えばLANやインターネットなどの通信ネットワーク30に接続されている。また、電気機器21a〜21fは、例えばLANや無線LANなどの通信ネットワーク40により店舗端末21と接続されている。なお、電気機器21a〜21fを分類するグループ1,2については、後で詳しく説明する。
【0025】
電源管理サーバ10は、本システム100のシステム管理者によって管理され、WWWサーバなどの情報処理装置によって構成される。また、店舗端末21は、店舗Aによって管理され、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって構成される。
【0026】
電源管理サーバ10は、所定の条件が満たされたときに、各店舗に設置されている電気機器への電力供給を停止させるための各種の処理などを実行する。また、電源管理サーバ10は、後述する電源管理マスタを記憶する電源管理マスタDB11と、後述する使用電力情報を記憶する使用電力情報DB12と、後述する供給電力割合情報を記憶する供給電力割合情報DB13とを備えている。電源管理マスタDB11等は、電源管理サーバ10の内部にあっても外部にあってもよい。
【0027】
図2は、電源管理マスタの例を示す説明図である。図2に示すように、電源管理マスタには、各店舗に設置されている制御可能な電気機器のID(電気機器ID)と、その電気機器の名称とが対応付けされた電気機器情報が登録されている。また、図2に示すように、電源管理マスタには、各店舗毎にその店舗に設置されている電気機器の電気機器情報が設定されるとともに、複数段階の停止優先度(本例においては、1〜3。)毎に電力供給停止対象の電気機器の電気機器情報が設定される。なお、本例においては、電源管理マスタには、後述する使用電力情報において、特定の電力供給者(本例においては、PPS事業者Y)による電力供給の対象となっていない電気機器(本例においては、電力会社Xによる電力供給の対象となっている電気機器)が設定されているものとする。
【0028】
電力供給を停止しても店舗の営業に支障がない電気機器ほど、より高い停止優先度に対応付けされる。本例では、数値が高いほど停止優先度は低い(すなわち、停止されにくい)ものとする。電力供給を停止しても店舗の営業に支障がない電気機器は、最も高い停止優先度「1」に対応付けされている。また、電力供給を停止した場合に店舗の営業に支障が出るが営業を継続することが可能な程度の支障である電気機器は、中間程度の停止優先度「2」に対応付けされている。そして、電力供給を停止した場合に店舗の営業を継続することが不可能な程度の支障が出る電気機器は、最も低い停止優先度「3」に対応付けされている。各電気機器をどの程度の停止優先度に対応付けするかについては、あらかじめシステム管理者等によって決定され、この決定に従って電源管理マスタが設定される。
【0029】
なお、本例では、停止優先度を3段階としているが、2段階としても、4段階以上としてもよい。また、図2において、各電気機器が対応付けされている停止優先度は一例であり、他の停止優先度に対応付けされていてもよい。
【0030】
ここで、「停止優先度」は、対象エリア(電源管理サーバ10が管理するエリア)全体の供給電力(例えば、電力会社など供給側から示される供給電力。現時点から少し先、例えば12時間先の使用電力を含む。供給予定電力。)における、特定の電力供給者からの供給電力割合(以下「特定供給電力割合」という。)が低下していることによって、他の電力供給者からの供給電力を低減させることで供給割合を調整する必要が生じたときに、電力供給を停止する優先度合いを示すものである。本例においては、電源管理サーバ10は、特定供給電力割合が低下しているほど、停止優先度の低い電気機器まで電力供給を停止する対象とし、特定供給電力割合が所定割合に近いほど、停止優先度の高い電気機器だけを電力供給の停止対象とする。
【0031】
図3は、使用電力情報の例を示す説明図である。使用電力情報は、電源管理サーバ10の管理下にある電気機器の使用電力に関する情報である。本例においては、図3に示すように、使用電力情報は、電力供給者名と、基準電力割合と、電力供給対象と、実総使用電力とを含む。
【0032】
ここで、「基準電力割合」とは、複数の電力供給者からの電力供給量の割合の基準を示すものである。すなわち、本例においては、システム管理者Sは、「電力会社Xから95%、PPS事業者Yから5%の割合で電力供給を受けること」を基準としている。
【0033】
また、「電力供給対象」とは、システム管理者Sの管理下にある電気機器が、どの電力供給者からの電力供給を受けて稼動するかを示すものである。なお、電力供給対象と電力供給者との対応付け方法については、電源管理サーバ10が任意に電力供給の停止を指示できる構成であればよく、例えば、電気機器毎に電力供給者が対応付けされている構成としてもよいし、施設や地域毎に電力供給者が対応付けされている構成としてもよい。本例においては、施設(店舗Aや配送センタA)において、電力会社Xによる電力供給対象の電気機器が「グループ1」に、PPS事業者Yによる電力供給対象が「グループ2」の電気機器に分類されている場合について説明する。また、本例においては、「グループ1」に分類された電気機器と「グループ2」に分類された電気機器の両方が設置されている店舗や配送センタを例に挙げているが、「グループ1」に分類された電気機器と「グループ2」に分類された電気機器のいずれか一方のみが設置されている店舗や配送センタを含むものとしてもよい。
【0034】
また、「実総使用電力」とは、システム管理者Sの管理下にある電気機器による使用電力の大きさを示すものである。なお、実使用電力としては、現在の総使用電力のほか、過去の実績や所定の規則に従って算出される今後の予想総使用電力などが含まれていても良い。また、図示しなしが、本例においては、使用電力情報には、各電気機器の使用状況(電源が入っているか否かの情報)が含まれるものとする。
【0035】
図4は、供給電力割合情報の例を示す説明図である。供給電力割合情報は、電源管理サーバ10が電力供給者管理サーバ50から取得した情報に基づく複数の電力供給者による供給電力の割合を示す情報である。本例においては、図4に示すように、供給電力割合情報は、所定の時間帯毎の、当日実績(1時間あたりの最大電力)、供給電力(供給を予定している電力。供給予定電力)、予想供給電力、および供給電力割合を含む。
【0036】
電力供給者管理サーバ50は、電力供給者を管理するサーバ装置であり、WWWサーバなどの情報処理装置によって構成される。具体的には、電力要求者管理サーバ50は、電源管理サーバ10の管理下にある(すなわち、システム管理者Sの管理下にある)電気機器に対して電力を供給する複数の電力供給者によって管理される電力会社管理サーバ60や、PPS事業者管理サーバ71,72から各種情報を取得し、電源管理サーバ10に提供する処理を実行する機能を有する。なお、電力供給者管理サーバ50の管理者については、電力供給者自信が管理する構成としてもよいし、電力供給に関わりのない第三者が管理する構成としてもよい。
【0037】
次に、本例の電源管理システム100の動作について説明する。
【0038】
図5は、本例の電源管理システム100における電源管理処理の例を示すフローチャートである。ここでは、電源管理サーバ10を管理する管理者Xの操作に応じて、電源管理サーバ10が、店舗端末21に対して強制的に電力供給を停止する指示を電気機器に対して行うよう命令(すなわち、ここでは、電源管理マスタに店舗Aに関する情報のみが登録されているものとする。)し、店舗端末21の指示により電気機器への電力供給を緊急停止する場合を例に説明する。なお、本発明に特に関わる処理以外は、説明を省略している場合があるものとする。
【0039】
本例において、電源管理処理は、電源管理サーバ10が稼働中は常に実行されているものとする。
【0040】
電源管理処理において、先ず、電源管理サーバ10は、供給電力割合情報を取得したか否かを判定する(ステップS101)。ここで、供給電力割合情報を取得していないと判定すると(ステップS101のN)、電源管理サーバ10は、後述するステップS104の処理に移行する。
【0041】
一方、例えば電力供給者管理サーバ50から供給電力割合情報を取得したと判定すると(ステップS101のY)、電源管理サーバ10は、取得した供給電力割合情報から予想供給電力割合を導出する(ステップS102)。本例においては、電源管理サーバ10は、取得した供給電力割合情報を供給電力割合情報DB13に記憶し、記憶した供給電力割合情報から、現在時刻以降の予想供給電力割合を抽出する(図4参照。)。
【0042】
予想供給電力割合を導出すると、電源管理サーバ10は、導出した予想供給電力割合のうち、あらかじめ定められた特定の電力供給者からの供給電力割合(以下「特定供給電力割合」という。)が所定の割合を低下する時間帯(以下「要調整時間帯」という。)を特定する(ステップS103)。本例においては、電源管理サーバ10は、PPS事業者Yから供給される電力の割合が5%を下回る時間帯(12時〜13時と、13時〜14時。図4参照。)を特定する。
【0043】
要調整時間帯を特定すると、電源管理サーバ10は、公知の方法により現在時刻を特定し、現在時刻が、特定した要調整時間帯の所定時間前(例えば、5分前。)となったか否かを判定する(ステップS104)。ここで、特定した要調整時間帯の所定時間前に到達していないと判定すると(ステップS104のN)、電源管理サーバ10は、ステップS101の処理に移行する。
【0044】
一方、特定した要調整時間帯の所定時間前となったことにより要調整時間帯に到達したと判定すると(ステップS104のY)、電源管理サーバ10は、特定供給電力割合の低下度合いに基づく停止優先度に応じて電力供給を停止する電気機器(以下、適宜「電力供給停止対象機器」という。)を特定する処理(電力供給停止対象機器特定処理)を実行する(ステップS200)。
【0045】
図6は、電力供給停止対象機器特定処理の例を示すフローチャートである。電力供給停止対象機器特定処理において、電源管理サーバ10は、先ず、要調整時間帯における特定供給電力割合の低下度合い(すなわち、特定供給電力割合が所定割合を下回る程度。低下レベル。)を特定する(ステップS201)。
【0046】
低下レベルを特定すると、電源管理サーバ10は、供給電力割合情報に基づいて、低下レベルが示す電力の大きさを特定する(ステップS202)。具体的には、電源管理サーバ10は、要調整時間帯における当日実績(図4参照)に基づいて、割合で示された電力の大きさを特定する。
【0047】
次いで、電源管理サーバ10は、特定した電力の大きさに対応する停止度優先度を特定する(ステップS203)。なお、電力の大きさと停止優先度とは、電源マスタにおいてあらかじめ対応付けされているものとする。なお、複数の電気機器それぞれの使用電力を参照して、電源管理サーバ10が、低下レベルが示す電力に応じた電気機器を特定する構成としてもよい。
【0048】
停止優先度を特定すると、電源管理サーバ10は、電源管理マスタを参照し、特定した停止優先度に応じた電力供給停止対象機器を特定して(ステップS204)、電源管理処理のステップS105の処理に移行する(図5参照)。
【0049】
電力供給停止対象機器を特定すると、電源管理サーバ10は、電力供給の停止対象とする電気機器に接続されている店舗端末21に対して、電力供給の停止対象とする電気機器の電気機器IDを提示して、提示した電気機器IDが示す電気機器に対する電力供給を強制的に停止する指示を行うよう命令するための強制電力供給停止指示命令を送信する(ステップS105)。
【0050】
店舗端末21は、強制電力供給停止指示命令を受信すると、提示された電気機器IDがそれぞれ示す各電気機器に対して、電力供給の停止(電源スイッチオフ)を指示するための電力供給停止信号を送信する(ステップS106)。
【0051】
各電気機器は、電力供給停止信号を受信すると、電力供給の停止処理を実行することにより電力供給の停止状態とすることを示す電力供給停止完了通知を店舗端末21に送信したあと、電力供給の停止処理(電源スイッチをオフ状態にする処理)を実行する。
【0052】
店舗端末21は、各電気機器の全てから電力供給停止完了通知を受信すると(ステップS107)、該当する全ての電気機器の電力供給を停止させることが完了した旨を報告するための電力供給停止完了報告を電源管理サーバ10に対して送信する(ステップS108)。なお、一定期間待機しても、一部の電気機器から電力供給停止完了通知が送信されてこない場合には、店舗端末21は、電力供給を停止させることが完了した電気機器をそれぞれ示す電気機器IDを含む電力供給停止完了報告を送信するようにすればよい。
【0053】
電源管理サーバ10は、電力供給停止完了報告を受信すると、電力供給を停止させることが完了した電気機器を報知するための電力供給停止完了状況表示画面を作成し、作成した電力供給停止完了状況表示画面を自己が備える表示装置に表示して(ステップS109)、ステップS101の処理に移行する。電力供給停止完了状況表示画面に表示される電力供給停止完了状況は、例えば複数の店舗端末から電力供給停止完了報告を受ける場合には、電力供給停止完了報告を受ける毎に更新される。
【0054】
図7は、電力供給停止完了状況表示画面の例を示す説明図である。図7に示すように、電力供給停止完了状況表示画面には、電力供給停止完了状況を表示する表示領域101と、電力供給停止により低減された電力総量を表示する表示領域101と、電力供給停止完了状況表示画面を閉じる際に押下される終了ボタン103とが設けられている。
【0055】
管理者Xは、電力供給停止完了状況表示画面の表示領域101を閲覧することによって電力供給停止完了状況を把握し、表示領域101を閲覧することによって低減された電力総量を把握する。
【0056】
上記のようにして、電源管理サーバ10が、店舗端末21に対して強制的に電力供給を停止する指示を電気機器に対して行うよう命令し、店舗端末21の指示により電気機器への電力供給を緊急停止する処理が実行される。
【0057】
以上に説明したように、上述した一実施の形態では、供給電力により稼働する電気機器の電源を管理する電源管理サーバ10が、あらかじめ定められた複数段階の停止優先度と、各段階の停止優先度にそれぞれ対応付けされた電気機器を示す電気機器情報とが設定された電源管理マスタを記憶する電源管理マスタDB11と、電力供給者を管理する電力供給者管理サーバ50から取得した情報に基づく複数の電力供給者(例えば、電力会社XとPPS事業者Y。)による供給電力の割合を示す供給電力割合情報を記憶する供給電力割合情報DB13とを備え、供給電力割合情報DB13に記憶された供給電力割合情報が示す供給電力割合において、あらかじめ定められた特定の電力供給者(例えば、PPS事業者Y)からの供給電力割合である特定供給電力割合が所定の割合(例えば、5%。)を低下する時間帯である特定供給電力割合低下時間帯(例えば、要調整時間帯。ステップS103参照)を特定し(ステップS103参照)、電源管理マスタを参照して、特定した時間帯における特定供給電力割合の低下度合いに基づく停止優先度に応じて、電力供給を停止する電気機器を特定し(電力供給停止対象機器:ステップS204参照)、特定した時間帯に到達する所定時間前(例えば、5分前。)となったときに、特定した電気機器を示す特定電気機器に対する電力供給の停止を命令する電力供給停止命令(強制電力供給停止指示命令:ステップS105参照)を通信ネットワーク30を介して送信する構成としたので、複数の電力供給者から電力供給を受ける場合に、各電力供給者からの電力の供給量を制御することができるようになる。
【0058】
すなわち、電源管理サーバ10が、あらかじめ定められた複数段階の停止優先度と、各段階の停止優先度にそれぞれ対応付けされた電気機器を示す電気機器情報とが設定された電源管理マスタを参照して、電力供給者管理サーバから取得した情報に基づく供給電力割合情報が示す特定供給電力割合低下時間帯を特定し、特定した特定供給電力割合低下時間帯における特定供給電力割合の低下度合いに基づく停止優先度に応じて電力供給停止対象機器を特定し、特定した特定供給電力割合低下時間帯に到達する所定時間前となったときに、特定した電気機器を示す特定電気機器に対する電力供給の停止を命令する電力供給停止命令を通信ネットワーク30を介して送信する構成としたので、実際の供給電力割合において特定供給者電力割合が所定の割合を極力低下しないように制御することができるようになる。よって、例えば、市場から仕入れて供給される電力が一定割合以上となるように制御を行い、電力価格を極力抑えるようにすることができるようになる。また、例えば、特定の電力供給者が供給する電力の使用価格が他の電力供給者が供給する電力の使用価格よりも安価な場合に、高価格な電力供給者からの供給電力への依存度合いを低下させることができるようになる。また、高価格な電力供給者に対して、供給能力の低減を提案することができるようになり、ひいては電気使用料金の低減が期待できるようになる。また、供給電力を制御することにより、時間帯毎の電力の供給量を制御することができるようになる。
【0059】
また、上述した実施の形態では、電源管理サーバ10が、電力供給者管理サーバ50から供給電力割合情報を取得し(ステップS101のY参照)、供給電力割合情報DB13に記憶(登録)する構成としているので、信頼度の高い情報を取り扱うことができるようになる。
【0060】
また、上述した実施の形態では特に言及していないが、電源管理サーバ10が、電力供給者管理サーバ50から取得した情報に基づいて(例えば所定の算出式に基づいて)供給電力割合情報を生成し、生成した供給電力割合情報を供給電力割合情報DB13に記憶(登録)する構成としてもよい。このような構成とすることにより、供給電力情報について、その全てを電力供給者管理サーバ50から取得する必要がなくなり、通信付加を軽減させることができるようになる。
【0061】
また、上述した実施の形態では、電源管理サーバ10が、各電気機器が、複数の電力供給者のうちどの電力供給者による電力供給の対象となっているかを示す情報である使用電力情報を記憶する使用電力情報DB12を備え、電源管理マスタには、特定の電力供給者以外の電力供給者(例えば、電力会社X。)による電力供給の対象となっている電気機器を示す電気機器情報が設定され、特定の電力供給者以外の電力供給者による電力供給の対象となっている電気機器の中から電力供給を停止する電気機器を特定する(電力供給停止対象機器:ステップS204参照)構成としたので、特定の電力供給者からの供給電力は変化させず、他の電力供給者からの供給電力を低減させることにより、特定の電力供給者からの供給電力の割合が低下することを防止することができるようになる。
【0062】
また、上述した実施の形態では、電源管理サーバ10が、供給電力割合情報DB13に記憶された供給電力割合提供情報に基づいて、今後の供給電力割合を予想した予想供給電力割合を導出し(ステップS102参照)、導出した予想供給電力割合において、特定供給電力割合低下時間帯(例えば、要調整時間帯。)を特定する(ステップS103参照)構成としたので、実際に特定の電力供給者からの供給電力の割合が所定の割合を低下する前に、供給割合の調整に必要な時間を確保することができるようになる。
【0063】
また、上述した実施の形態では、電源管理サーバ10が、電気機器を管理する電気機器管理端末(例えば店舗端末21)に対して電力供給停止命令(強制電力供給停止指示命令:ステップS105参照)を送信し、電気機器管理端末は、電力供給停止命令に従って、通信ネットワーク40を介して特定電気機器に対して電力供給の停止を指示(ステップS106参照)する構成としたので、電気機器管理端末単位で電力供給停止命令を送信することが可能となり、電源管理サーバ10の処理負荷を軽減することができるようになる。
【0064】
また、上述した実施の形態では、電源管理サーバ10が、電力供給停止信号(ステップS106参照)を受信して電力供給の停止処理を実行する電気機器からの電力供給を停止状態とすることを示す電力供給停止完了通知(ステップS107参照)を受けた電気機器管理端末(例えば店舗端末21)から、電気機器の電力供給を停止させることが完了した旨を報告するための電力供給停止完了報告(ステップS108参照)を受信し、電力供給停止完了報告を受信したことに応じて、電力供給を停止させることが完了した電気機器を報知(ステップS109参照)する構成とされているので、該当する電気機器の電力供給が停止したことを認識させることが可能となる。
【0065】
また、上述した実施の形態では、電源管理マスタでは、電気機器情報が、当該電気機器情報が示す電気機器を管理する電気機器管理端末(例えば店舗端末21)を特定可能な端末特定情報(例えば店舗名や店舗ID)に対応付けされている構成としたので、電力供給を停止する対象となった電気機器を管理する端末を容易に特定することが可能となり、迅速に処理を行うことができるようになる。
【0066】
また、上述した実施の形態では、電源管理マスタでは、複数段階のうち最も高い停止優先度に、電力供給を停止しても支障がない電気機器を示す電気機器情報が対応付けされ、電力供給を停止した場合に生じる支障の度合いが大きい電気機器であるほど、複数段階のうちより低い停止優先度に当該電気機器を示す電気機器情報が対応付けされ、電源管理サーバ10は、特定供給電力割合の低下度合いが大きいほど低い停止優先度を特定して(ステップS202参照)、特定した停止優先度以上の停止優先度に対応付けされた電気機器を特定する(ステップS203参照)構成としたので、特定の電力供給者からの供給電力の割合の低下度合いに応じて適切に電力供給を停止する電気機器を選択することが可能となる。よって、施設における支障を引き起こす事態を極力防止することが可能になるとともに、重要度のより高い電気機器を極力稼働状態にしておくことが可能となる。
【0067】
また、上述した実施の形態では、電源管理サーバ10が、電気機器への電力供給を一部停止することによって、複数の電力供給者それぞれからの電力の供給割合を制御する場合について説明したが、電力の供給割合の制御方法はこれに限定されず、電源管理サーバ10が、一部の電気機器に対して電力供給を開始することにより、電力の供給割合を調整する構成としてもよい。以下、この場合の電源管理サーバ10の動作について説明する。
【0068】
図8は、本例の電源管理システム100における電力供給停止対象機器特定処理の他の例を示すフローチャートである。ここでは、電源管理サーバ10が、上述した電力供給停止対象機器特定処理において電力供給停止対象機器を特定した後(ステップS204)、電力供給を開始する電気機器(以下「電力供給開始対象機器」という。)を特定する場合を例に説明する。なお、既に説明した内容については同じ符号(ステップ番号を含む。)を付してその説明を省略する場合がある。また、本発明に特に関わる処理以外は、説明を省略している場合がある。
【0069】
電源管理サーバは、電源管理処理において(図5参照)、特定した要調整時間に到達したと判定すると(ステップS104のY)、電力供給停止対象機器特定処理を開始し(ステップS200)、ステップS201〜S204の処理にて電力供給停止対象機器を特定する。
【0070】
電力供給停止対象機器を特定すると、上述した例においては(図6参照)、電源管理サーバ10は、電源管理処理におけるステップS105の処理に移行した。しかし、本例においては、電源管理サーバ10は、特定した電力供給停止対象機器への電力供給を停止した場合の特定供給電力割合を特定する(ステップS301)。本例においては、電源管理サーバ10は、使用電力情報が示す電気機器それぞれの使用電力と、供給電力割合情報が示す要調整時間帯における供給電力とに基づいて、特定した電力供給停止対象機器への電力供給を停止した場合のPPS事業者Yによる予想共有電力割合を算出する。
【0071】
特定供給電力割合を特定すると、電源管理サーバ10は、特定した特定供給電力割合が所定割合以上であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、特定した特定供給電力割合が、PPS事業者Yの基準電力割合である5%以上でないことにより(図3参照)、所定割合以上であると判定すると(ステップS302のY)、電源管理サーバ10は、電源管理処理におけるステップS105の処理に移行する。
【0072】
一方、特定した特定供給電力割合が所定割合以上でないと判定すると(ステップS302のN)、電源管理サーバ10は、使用電力情報を参照して、所定の電力供給開始条件を満たす電気機器を電力供給を開始する電気機器(以下「電力供給開始対象機器」という。)を特定する(ステップS303)(図8参照)。本例においては、電源管理サーバ10は、使用電力情報を参照して、特定の電力供給者からの電力供給対象となっている電気機器のうち、あらかじめ使用電力の大きさや電気機器の用途などに基づいて定められた基準に従って電力供給開始対象機器を特定するものとする。なお、例えば、電源マスタにおいて、停止優先度と、電力供給を開始する電気機器とが対応付けされており、電源管理サーバ10が、電源マスタを参照して電力供給開始対象機器を特定する構成としてもよい。
【0073】
電力供給開始対象機器を特定すると、電源管理サーバ10は、電源管理処理におけるステップS105の処理に移行する。ただし、図示しないが、この場合、電源管理サーバ10は、ステップS105において、強制電力供給停止指示命令の他、電力供給停止中の電気機器に接続されている店舗端末21に対して、電力供給開始対象機器の電気機器IDを提示して、提示した電気機器IDが示す電気機器に対する電力供給を開始する指示を行うよう命令するための強制電力供給開始指示命令を送信する。また、店舗端末21は、強制電力供給開始指示命令を受信すると、提示された電気機器IDがそれぞれ示す各電気機器に対して、電力供給(電源スイッチオン)を指示するための電力供給停止解除信号を送信する。また、各電気機器は、電力供給開始信号を受信すると、電力供給の開始処理を実行することにより電力供給を開始したことを示す電力供給開始完了通知を店舗端末21に送信したあと、電力供給の開始処理(電源スイッチをオン状態にする処理)を実行する。そして、店舗端末21は、各電気機器の全てから電力供給開始完了通知を受信すると、該当する全ての電気機器の電力供給を開始させることが完了した旨を報告するための電力供給開始完了報告を電源管理サーバ10に対して送信する。なお、一定期間待機しても、一部の電気機器から電力供給開始完了通知が送信されてこない場合には、店舗端末21は、電力供給を開始させることが完了した電気機器をそれぞれ示す電気機器IDを含む電力供給開始完了報告を送信するようにすればよい。そして、電源管理サーバ10は、電力供給開始完了報告を受信すると、電力供給を開始させることが完了した電気機器を報知するための電力供給開始完了状況表示画面を作成し、作成した電力供給開始完了状況表示画面を自己が備える表示装置に表示する。なお、このとき、電源管理サーバ10が、電力供給開始完了状況表示画面と電力供給停止完了状況表示画面(図7参照)とを切替可能に表示する構成としてもよいし、2つの画面の役割を担う1つの画面を生成して表示する構成としてもよい。
【0074】
管理者Xは、電力供給開始完了状況表示画面を閲覧することによって電力供給開始完了状況を把握する。
【0075】
上記のようにして、電源管理サーバ10が、使用電力情報を参照して、所定の電力供給開始条件を満たす電気機器を電力供給開始対象機器として特定し、特定した電力供給開始対象機器に対する電力供給の開始を命令する電力供給開始命令(強制電力供給開始指示命令)を通信ネットワーク30を介して送信する構成とすることにより、特定の電力供給者からの電力供給対象を増加させることで、一部の電気機器に対する電力供給を停止させることなく、複数の電力供給者それぞれへの依存度を調整することができるようになる。
【0076】
また、上記のようにして、電源管理サーバ10が、特定電気機器(例えば、電力供給停止対象機器。)に対する電力供給を停止した場合の特定供給電力割合を特定し(例えば、PPS事業者Yの予想供給電力割合を算出し)、特定した特定供給電力割合が所定の割合以上(例えば、使用電力情報が示す基準電力割合以上。5%以上。)であるか否かを判定し、特定供給電力割合が所定の割合以上でないと判定しことに応じて所定の電力供給開始条件を満たす電気機器を電力供給開始対象機器として特定し(ステップS303参照)、所定の電力供給開始条件は、特定の電力供給者(例えば、PPS事業者Y。)による電力供給対象であることを含む構成とすることにより、特定の電力供給者からの供給電力のみを大きくすることにより、複数の電力供給者それぞれへの依存度を調整することができるようになる。
【0077】
上記の例では、電源管理サーバ10から店舗端末21を介して各電気機器に電力供給を停止(または開始)するための指示を行う構成としていたが、電源管理サーバ10から各電気機器に直接電力供給を停止(または開始)するための指示を行う構成としてもよい。
【0078】
上記の例では、小売店の店舗に設置された電気機器への電力供給を強制的に停止(または開始)する処理について説明したが、電気機器の設置場所は小売店の店舗でなく、住宅や配送センタ等、複数の電気機器を使用する設備である電気機器使用設備であってもよい。また、電力供給の停止や開始は、強制的である必要はなく、例えば、音声出力等により、店舗端末21の管理者などに電力供給の停止や開始を促す構成としてもよい。
【0079】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、電源管理サーバ10は、あらかじめ設定された時間間隔で電源管理処理(図5参照)を実行するものとする。ただし、例えば、電源管理サーバ10が、供給電力割合情報に基づいて、電源管理処理を実行する時刻を示す情報(判定時刻情報)を生成する構成としてもよい。
【0080】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、電源管理サーバ10は、自己が備える記憶媒体に格納されている処理プログラム(電源管理処理プログラム)に従って、上述した各種の処理(例えば図5、図6、図8参照)を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明によれば、複数の電力供給者から電力供給を受ける場合に、各電力供給者からの電力の供給量を制御するのに有用である。
【符号の説明】
【0082】
10 電源管理サーバ
11 電源管理マスタDB
12 使用電力情報DB
13 供給電力割合情報
21 店舗端末
22 配送センタ端末
30 通信ネットワーク
40 通信ネットワーク
50 電力供給者管理サーバ
60 電力会社管理サーバ
71,72 PPS事業者管理サーバ
100 電源管理システム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給電力により稼働する電気機器の電源を管理する電源管理サーバであって、
あらかじめ定められた複数段階の停止優先度と、各段階の停止優先度にそれぞれ対応付けされた電気機器を示す電気機器情報とが設定された電源管理マスタを記憶する電源管理マスタ記憶手段と、
電力供給者を管理する電力供給者管理サーバから取得した情報に基づく複数の電力供給者による供給電力の割合を示す供給電力割合情報を記憶する供給電力割合情報記憶手段と、
当該供給電力割合情報記憶手段に記憶された供給電力割合情報が示す供給電力割合において、あらかじめ定められた特定の電力供給者からの供給電力割合である特定供給電力割合が所定の割合を低下する時間帯である特定供給電力割合低下時間帯を特定する特定供給電力割合低下時間帯特定手段と、
前記電源管理マスタを参照して、前記特定供給電力割合低下時間帯特定手段によって特定された時間帯における特定供給電力割合の低下度合いに基づく停止優先度に応じて、電力供給を停止する電気機器を特定する電気機器特定手段と、
前記特定供給電力割合低下時間帯特定手段によって特定された時間帯に到達する所定時間前となったときに、前記電気機器特定手段によって特定された電気機器を示す特定電気機器に対する電力供給の停止を命令する電力供給停止命令を通信ネットワークを介して送信する電力供給停止命令送信手段とを含む
ことを特徴とする電源管理サーバ。
【請求項2】
前記電力供給者管理サーバから前記供給電力割合情報を取得する供給電力割合情報取得手段を含み、
前記供給電力割合情報記憶手段は、前記供給電力割合情報取得手段によって取得された供給電力割合情報を記憶する
請求項1記載の電源管理サーバ。
【請求項3】
前記電力供給者管理サーバから取得した情報に基づいて、前記供給電力割合情報を生成する供給電力割合情報生成手段を含み、
前記供給電力割合情報記憶手段は、前記供給電力割合情報生成手段によって生成された供給電力割合情報を記憶する
請求項1記載の電源管理サーバ。
【請求項4】
各電気機器が、前記複数の電力供給者のうちどの電力供給者による電力供給の対象となっているかを示す情報である使用電力情報を記憶する使用電力情報記憶手段を含み、
前記電源管理マスタには、前記使用電力情報記憶手段において前記特定の電力供給者以外の電力供給者による電力供給の対象となっている電気機器を示す電気機器情報が設定され、
前記電気機器特定手段は、前記特定の電力供給者以外の電力供給者による電力供給の対象となっている電気機器の中から電力供給を停止する電気機器を特定する
請求項1から請求項3のうちいずれかに記載の電源管理サーバ。
【請求項5】
前記供給電力割合情報記憶手段に記憶された供給電力割合提供情報に基づいて、今後の供給電力割合を予想した予想供給電力割合を導出する予想供給電力割合導出手段を含み、
前記特定供給電力割合低下時間帯特定手段は、前記予想供給電力割合導出手段によって導出された予想供給電力割合において、前記特定供給電力割合低下時間帯を特定する
請求項1から請求項4のうちいずれかに記載の電源管理サーバ。
【請求項6】
前記電力供給停止命令送信手段は、電気機器を管理する電気機器管理端末に対して電力供給停止命令を送信し、
前記電気機器管理端末は、電力供給停止命令に従って、通信ネットワークを介して特定電気機器に対して電力供給の停止を指示する
請求項1から請求項5のうちいずれかに記載の電源管理サーバ。
【請求項7】
電力供給停止信号を受信して電力供給の停止処理を実行する電気機器からの電力供給を停止状態とすることを示す電力供給停止完了通知を受けた前記電気機器管理端末から、電気機器の電力供給を停止させることが完了した旨を報告するための電力供給停止完了報告を受信する電力供給停止完了報告受信手段と、
電力供給停止完了報告を受信したことに応じて、電力供給を停止させることが完了した電気機器を報知する電力供給停止完了報知手段とを含む
請求項6記載の電源管理サーバ。
【請求項8】
電源管理マスタでは、電気機器情報が、当該電気機器情報が示す電気機器を管理する電気機器管理端末を特定可能な端末特定情報に対応付けされている
請求項6または請求項7記載の電源管理サーバ。
【請求項9】
前記電源管理マスタでは、複数段階のうち最も高い停止優先度に、電力供給を停止しても支障がない電気機器を示す電気機器情報が対応付けされ、電力供給を停止した場合に生じる支障の度合いが大きい電気機器であるほど、複数段階のうちより低い停止優先度に当該電気機器を示す電気機器情報が対応付けされ、
前記電気機器特定手段は、前記特定供給電力割合の低下度合いが大きいほど低い停止優先度を特定して、特定した停止優先度以上の停止優先度に対応付けされた電気機器を特定する
請求項1から請求項8のうちいずれかに記載の電源管理サーバ。
【請求項10】
前記使用電力情報を参照して、所定の電力供給開始条件を満たす電気機器を電力供給開始対象機器として特定する電力供給開始対象機器特定手段と、
該電力供給開始対象機器特定手段によって特定された電力供給開始対象機器に対する電力供給の開始を命令する電力供給開始命令を通信ネットワークを介して送信する電力供給開始命令送信手段とを含む
請求項4記載の電源管理サーバ。
【請求項11】
前記特定電気機器に対する電力供給を停止した場合の前記特定供給電力割合を特定する特定供給電力割合特定手段と、
該特定供給電力割合特定手段によって特定された特定供給電力割合が前記所定の割合以上であるか否かを判定する判定手段とを含み、
前記電力供給開始対象機器特定手段は、前記判定手段によって前記特定供給電力割合が前記所定の割合以上でないと判定されたことに応じて前記所定の電力供給開始条件を満たす電気機器を電力供給開始対象機器として特定し、
前記所定の電力供給開始条件は、前記特定の電力供給者による電力供給対象であることを含む
請求項10記載の電源管理サーバ。
【請求項12】
供給電力により稼働する電気機器の電源を電源管理サーバに管理させるための電源管理処理プログラムであって、
あらかじめ定められた複数段階の停止優先度と、各段階の停止優先度にそれぞれ対応付けされた電気機器を示す電気機器情報とが設定された電源管理マスタを記憶する電源管理マスタ記憶手段と、電力供給者を管理する電力供給者管理サーバから取得した情報に基づく複数の電力供給者による供給電力の割合を示す供給電力割合情報を記憶する供給電力割合情報記憶手段とを備えた前記電源管理サーバに、
前記供給電力割合情報記憶手段に記憶された供給電力割合情報が示す供給電力割合において、あらかじめ定められた特定の電力供給者からの供給電力割合である特定供給電力割合が所定の割合を低下する時間帯である特定供給電力割合低下時間帯を特定する特定供給電力割合低下時間帯特定処理と、
前記電源管理マスタを参照して、前記特定供給電力割合低下時間帯特定処理にて特定した時間帯における特定供給電力割合の低下度合いに基づく停止優先度に応じて、電力供給を停止する電気機器を特定する電気機器特定処理と、
前記特定供給電力割合低下時間帯特定処理にて特定した時間帯に到達する所定時間前となったときに、前記電気機器特定処理にて特定した電気機器を示す特定電気機器に対する電力供給の停止を命令する電力供給停止命令を通信ネットワークを介して送信する電力供給停止命令送信処理とを
実行させるための電源管理処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−85360(P2013−85360A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223068(P2011−223068)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(503396309)生活協同組合コープさっぽろ (144)
【Fターム(参考)】