説明

電源装置および画像形成装置

【課題】負荷への電源供給が途絶えることなく、コンバータの切替を高速に実行することが可能な電源装置を提供する。
【解決手段】メインDC/DCコンバータを起動する(ステップS10)。次に、起動信号が入力されたかどうか判断する(ステップS14)。ステップS14において、起動信号が電源制御部に入力された場合には、サブDC/DCコンバータが起動する(ステップS15)。サブDC/DCコンバータが起動した後、出力電流を確認する(ステップS16)。次に、出力電流監視部の電流値を比較し、出力電流監視部の電流値が一致するかどうかを判断する(ステップS17)。電流値が一致すると判断する場合(ステップS17においてYES)には、メインDC/DCコンバータより全ての電圧が供給されている状態と判定(ステップS20)して、起動処理を終了する(エンド)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、2電源方式の電源装置およびこの電源装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネルギ化のため、画像形成装置等の機器には、メインDC/DCコンバータ、サブDC/DCコンバータの2つのコンバータを有する2電源方式の電源装置が設けられている場合がある。
【0003】
具体的には、メインDC/DCコンバータは、消費電力の大きい通常動作モード時の電源供給用に電源効率を最適化し、サブDC/DCコンバータは消費電力の小さいスリープモード時(待機モード時)の電源供給用に電源効率を最適化する。
【0004】
そして、各モードに合せて電源供給を行なうDC/DCコンバータを切換えて、各モードに対して効率が最適化されたDC/DCコンバータから電源供給を行なう方式が採用されている。
【0005】
たとえば、特開2000−324820号公報においては、予め各コンバータの起動時間をメモリ等の記録媒体に記憶しておき、通常動作モード移行時に通常動作モードに対応したコンバータを起動して起動開始から記憶しておいた起動時間を計測回路にて計測し、起動時間経過後に通常動作モードに対応しないコンバータをオフして、各モードに対応したコンバータから負荷への電源供給を行なう方式が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−324820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に従う方式においては、あらゆる状況下において、通常動作モードに対応したコンバータが確実に起動してから通常動作モードに対応しないコンバータをオフするまでに最大の起動時間を予め記憶媒体に記憶しておく必要があるが、コンバータの起動時間は負荷条件等によりばらつき、最大の起動時間を決定することは難しいという問題がある。
【0008】
一方で、通常動作モードに対応したコンバータが予め記憶されたコンバータの起動時間を経ても起動が完了していない場合、コンバータの起動前に通常動作モードに対応しないコンバータがオフされ、負荷への電源供給が遮断されてしまい負荷の動作が停止するという問題もある。
【0009】
起動時間を実際よりも長く想定しておくことも可能であるがこれでは例えば、スリープモードからの復帰時間が長くなる等の問題が発生してしまうことにもなる。
【0010】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、負荷への電源供給が途絶えることなく、コンバータの切替を高速に実行することが可能な電源装置およびそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のある局面に従う電源装置は、外部電源と接続され、外部装置の動作モード時に所定電圧を供給するための第1の電源コンバータと、第1の電源コンバータの出力端と接続され、第1の電源コンバータの出力端の電流を検出するための第1の電流検出手段と、第1の電源コンバータと並列に外部電源と接続され、外部装置の待機モード時に所定電圧を供給するための第2の電源コンバータと、第1および第2の電源コンバータの出力端と接続され、第1および第2の電源コンバータの出力端の電流を検出するための第2の電流検出手段と、動作モードの起動時に第1の電源コンバータを起動させてから、第2の電源コンバータが起動した場合に、第1の電流検出手段で検出される電流値と、第2の電流検出手段で検出される電流値との差が生じた場合には、第1の電源コンバータの出力電圧を増加させて、第1の電流検出手段と第2の電流検出手段とで検出される電流値が一致するように第1の電源コンバータを制御する電源制御部とを備える。
【0012】
好ましくは、電源制御部は、第1の電流検出手段で検出される電流値と、第2の電流検出手段で検出される電流値との差が、第2の電源コンバータの過電流保護リミット値を越える前に第1の電源コンバータの出力電圧を増加させる。
【0013】
好ましくは、外部装置が待機モードとなったか否かを判定する判定手段をさらに備え、電源制御部は、判定手段の判定信号に従って第1の電流検出手段で検出される電流値が小さくなるように第1の電源コンバータを制御し、外部電源から第1の電源コンバータへの電源供給を停止する。
【0014】
特に、判定手段は、第2の電流検出手段で検出される電流値が所定の電流値以下であるかを判定する。
【0015】
特に、外部装置は、待機モードから動作モードに復帰する場合に外部電源から第1の電源コンバータへの電源供給を再開を指示し、電源制御部は、待機モードから動作モードに復帰する場合に第1の電源コンバータの出力電圧を増加させ、第1の電流検出手段と第2の電流検出手段とで検出される電流値が一致するように第1の電源コンバータを制御する。
【0016】
本発明の別の局面に従う電源装置は、外部電源と接続され、外部装置の動作モード時に所定電圧を供給するための第1の電源コンバータと、第1の電源コンバータの出力端と接続され、第1の電源コンバータの出力端の電流を検出するための第1の電流検出手段と、第1の電源コンバータと並列に外部電源と接続され、外部装置の待機モード時に所定電圧を供給するための第2の電源コンバータと、第2の電源コンバータの出力端と接続され、第2の電源コンバータの出力端の電流を検出するための第2の電流検出手段と、動作モードの起動時に第1の電源コンバータを起動させてから、第2の電源コンバータが起動した場合に、第2の電流検出手段で検出される電流値が0となるように第1の電源コンバータの出力電圧を増加させて制御する電源制御部とを備える。
【0017】
好ましくは、外部装置が待機モードとなったか否かを判定する判定手段をさらに備え、電源制御部は、判定手段の判定信号に従って第1の電流検出手段で検出される電流値が小さくなるように第1の電源コンバータを制御し、外部電源から第1の電源コンバータへの電源供給を停止する。
【0018】
特に、判定手段は、第2の電流検出手段で検出される電流値が所定の電流値以下であるかを判定する。
【0019】
特に、外部装置は、待機モードから動作モードに復帰する場合に外部電源から第1の電源コンバータへの電源供給を再開を指示し、電源制御部は、待機モードから動作モードに復帰する場合に第1の電源コンバータの出力電圧を増加させ、第2の電流検出手段で検出される電流値が0となるように第1の電源コンバータの出力電圧を増加させて制御する。
【0020】
本発明のある局面に従う画像形成装置は、画像形成部と、画像形成部に所定電圧を供給する電源装置とを備える。電源装置は、外部電源と接続され、画像形成部の動作モード時に所定電圧を供給するための第1の電源コンバータと、第1の電源コンバータの出力端と接続され、第1の電源コンバータの出力端の電流を検出するための第1の電流検出手段と、第1の電源コンバータと並列に外部電源と接続され、画像形成部の待機モード時に所定電圧を供給するための第2の電源コンバータと、第1および第2の電源コンバータの出力端と接続され、第1および第2の電源コンバータの出力端の電流を検出するための第2の電流検出手段と、動作モードの起動時に第1の電源コンバータを起動させてから、第2の電源コンバータが起動した場合に、第1の電流検出手段で検出される電流値と、第2の電流検出手段で検出される電流値との差が生じた場合には、第1の電源コンバータの出力電圧を増加させて、第1の電流検出手段と第2の電流検出手段とで検出される電流値が一致するように第1の電源コンバータを制御する電源制御部とを含む。
【0021】
本発明の別の局面に従う画像形成装置は、画像形成部と、画像形成部に所定電圧を供給する電源装置とを備える。電源装置は、外部電源と接続され、画像形成部の動作モード時に所定電圧を供給するための第1の電源コンバータと、第1の電源コンバータの出力端と接続され、第1の電源コンバータの出力端の電流を検出するための第1の電流検出手段と、第1の電源コンバータと並列に外部電源と接続され、画像形成部の待機モード時に所定電圧を供給するための第2の電源コンバータと、第2の電源コンバータの出力端と接続され、第2の電源コンバータの出力端の電流を検出するための第2の電流検出手段と、動作モードの起動時に第1の電源コンバータを起動させてから、第2の電源コンバータが起動した場合に、第2の電流検出手段で検出される電流値が0となるように第1の電源コンバータの出力電圧を増加させて制御する電源制御部とを含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明に従う電源装置および画像形成装置は、動作モードの起動時に第1の電源コンバータを起動させてから、第2の電源コンバータが起動した場合に、第1の電流検出手段で検出される電流値と、第2の電流検出手段で検出される電流値との差が生じた場合には、第1の電源コンバータの出力電圧を増加させて、第1の電流検出手段と第2の電流検出手段とで検出される電流値が一致するように第1の電源コンバータを制御する。当該構成により、負荷への電源供給が途絶えることなく、コンバータの切替を高速に実行することが可能となる。
【0023】
本発明の別の面に従う電源装置および画像形成装置は、動作モードの起動時に第1の電源コンバータを起動させてから、第2の電源コンバータが起動した場合に、第2の電流検出手段で検出される電流値が0となるように第1の電源コンバータの出力電圧を増加させて制御する。当該構成により、負荷への電源供給が途絶えることなく、コンバータの切替を高速に実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態1に従う電源装置の回路構成を説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態1に従う電源装置2の通常動作モードの起動時の動作について説明するフロー図である。
【図3】本発明の実施の形態1に従う電源装置2のスリープモードの移行処理開始の動作について説明するフロー図である。
【図4】本発明の実施の形態1に従う電源装置2のスリープモードの復帰処理の動作について説明するフロー図である。
【図5】本発明の実施の形態2に従う電源装置の回路構成を説明する図である。
【図6】本発明の実施の形態2に従う電源装置2#の通常動作モードの起動時の動作について説明するフロー図である。
【図7】本発明の実施の形態2に従う電源装置2#のスリープモードの移行処理開始の動作について説明するフロー図である。
【図8】本発明の実施の形態2に従う電源装置2#のスリープモードの復帰処理の動作について説明するフロー図である。
【図9】本発明の実施の形態に従う電源装置が搭載された画像形成装置の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に従う電源装置の回路構成を説明する図である。
【0027】
図1を参照して、本発明の実施の形態1に従う電源装置2は、制御基板21に対して電源供給を行なう。
【0028】
電源装置2は、制御基板21が通常動作モード(負荷が重い状態)の場合に電源供給を行なうためのメインDC/DCコンバータ103と、スリープ(待機)モード(負荷が軽い状態)の場合に電源供給を行なうためのサブDC/DCコンバータ104とを有している。
【0029】
交流電源ACは、メインDC/DCコンバータ103と、サブDC/DCコンバータ104とに電源供給されるようにメインDC/DCコンバータ103とサブDC/DCコンバータ104とを並列に接続する。
【0030】
まず、メインDC/DCコンバータ103について説明する。
メインDC/DCコンバータ103において、交流電源ACの正極側の電源ラインは、スイッチSW1を介してノードNaと電気的に結合される。また、交流電源ACの負極側の電源ラインは、ノードNbと電気的に結合される。
【0031】
ノードNaとノードNbとの間には4つのダイオードD5a〜D5dでブリッジ接続された整流回路が設けられる。具体的には、ダイオードD5aは、アノード側がノードNaと結合され、カソード側がノードNcと結合される。また、ダイオードD5bは、アノード側がノードNbと結合され、カソード側がノードNcと結合される。また、ダイオードD5cは、アノード側がノードNdと結合され、カソード側がノードNbと結合される。また、ダイオードD5dは、アノード側がノードNdと結合され、カソード側がノードNaと結合される。
【0032】
整流回路の出力ノードであるノードNcとノードNdとの間には、平滑コンデンサC6と、スイッチSW3を介してトランスT7の一次巻線8とが並列に接続される。2次側の構成として、トランスT7の二次巻線9は、整流ダイオードD10を介して電源ノードNpと電源ノードNqとの間において、平滑コンデンサC11と並列に接続される。
【0033】
出力電流監視部50は、正極側の電源ノードNpと負極側の電源ノードNqとの間に平滑コンデンサC11と並列に接続される。電流検出抵抗R51は、電源ノードNpと電源ノードNrとの間に設けられる。出力電流監視部50は、電流検出抵抗R51に流れる電流を検出して、電流値を示す検出信号S5を電源制御部15に出力する。
【0034】
出力電圧監視部14は、電源ノードNrと電源ノードNqとの間に出力電流監視部50と並列に接続される。また、電源ノードNrと電源ノードNqとの間に抵抗R12,R13を接続し、出力電圧監視部14は、抵抗R12,R13による抵抗分割により分圧した電圧を監視して、その検出信号S2を電源制御部15に出力する。
【0035】
出力電流監視部52は、電源ノードNrと電源ノードNqとの間に出力電圧監視部14と並列に接続される。電流検出抵抗R53は、電源ノードNrと制御基板21との間に設けられる。出力電流監視部52は、電流検出抵抗R53に流れる電流を検出して、電流値を示す検出信号S6を電源制御部15に出力する。
【0036】
電源制御部15には駆動電源としてトランスT7の補助巻線17が接続される。
電源制御部15は、出力電流監視部50からの検出信号S5、出力電圧監視部14からの検出信号S2、出力電流監視部52からの検出信号S6の入力を受け、これら検出信号に従ってスイッチSW3およびSW1のオンオフを制御する。
【0037】
次に、サブDC/DCコンバータ104について説明する。
サブDC/DCコンバータ104において、交流電源ACの正極側の電源ラインは、ノードNeと電気的に結合される。また、交流電源ACの負極側の電源ラインは、ノードNfと電気的に結合される。
【0038】
ノードNeとノードNfとの間には4つのダイオードD105a〜D105dでブリッジ接続された整流回路が設けられる。具体的には、ダイオードD105aは、アノード側がノードNeと結合され、カソード側がノードNgと結合される。また、ダイオードD105bは、アノード側がノードNfと結合され、カソード側がノードNgと結合される。また、ダイオードD105cは、アノード側がノードNhと結合され、カソード側がノードNfと結合される。また、ダイオードD105dは、アノード側がノードNhと結合され、カソード側がノードNeと結合される。なお、ノードNdとノードNhとは電気的に結合される。
【0039】
整流回路の出力ノードであるノードNgとノードNhとの間には、平滑コンデンサC106と、スイッチSW2を介してトランスT107の一次巻線108とが並列に接続される。2次側の構成として、トランスT107の二次巻線109は、整流ダイオードD110を介して電源ノードNsと電源ノードNtとの間において、平滑コンデンサC111と並列に接続される。
【0040】
出力電圧監視部114は、電源ノードNsと電源ノードNtとの間に平滑コンデンサC111と並列に接続される。また、電源ノードNsと電源ノードNtとの間に抵抗R112,R113を接続し、出力電圧監視部114は、抵抗R112,R113による抵抗分割により分圧した電圧を監視して、その検出信号S3を電源制御部115に出力する。
【0041】
電源ノードNsと電源ノードNrとは電気的に結合され、電源ノードNtと電源ノードNqとは電気的に結合され、サブDC/DCコンバータ104から制御基板21への電源供給が可能となる。
【0042】
電源制御部115には駆動電源としてトランスT107の補助巻線11が接続される。
電源制御部115は、出力電圧監視部114からの検出信号S3、制御基板21からの起動信号S7の入力を受け、これら信号に従ってスイッチSW2のオンオフを制御する。
【0043】
次に、図1の電源装置2の通常動作モードの起動時の動作について説明する。
電源装置2に交流電源ACが接続されると、メインDC/DCコンバータ103、サブDC/DCコンバータ104に交流電圧が供給される。
【0044】
サブDC/DCコンバータ104は、ダイオードD105a〜D105dにより交流電圧を整流し、さらに、平滑コンデンサC106で平滑する。
【0045】
電源制御部115は、制御基板21からの起動信号S7に従って起動し、スイッチSW2をオンする制御信号S8を出力する。この時点においては、制御基板21からの起動信号S7は、電源制御部115に入力されていないのでスイッチSW2をオンする制御信号S8は出力されていない。したがって、スイッチSW2はオフであり、トランスT107への電源供給はオフされており、サブDC/DCコンバータ104は起動していない状態である。
【0046】
一方、メインDC/DCコンバータ103は、ダイオードD5a〜D5dにより交流電圧を整流し、さらに、平滑コンデンサC6で平滑する。なお、スイッチSW1は起動時において導通状態であるものとする。
【0047】
そして、平滑された電圧をトランスT7により電圧V20に変圧し、二次側へ供給する。そして、電圧V20を整流ダイオードD10により整流し、平滑コンデンサC11により平滑する。そして、変圧された電圧V20は、電流検出抵抗R51,R53を介して所定電圧(本例においては、3.4V)で制御基板21へ供給する。
【0048】
また、この所定電圧(3.4V)を抵抗R12,R13により分割した電圧が出力電圧監視部14に入力される。出力電圧監視部14は、分割した電圧レベルを監視し、検出信号S2を電源制御部15に出力する。
【0049】
電源制御部15は、出力電圧監視部14から出力された検出信号S2に従って、2次側の制御基板21に供給される電圧が所定電圧(3.4V)となるように制御信号S1に従うスイッチSW3のオンオフ制御(PWM制御)を実行する。この動作によりトランスT7をスイッチング制御し、出力電圧を3.4Vに維持する。
【0050】
そして、制御基板21は、メインDC/DCコンバータ103により所定電圧(3.4V)が供給されて起動する。
【0051】
制御基板21は、通常動作モードの起動時にサブDC/DCコンバータ104の電源制御部115へ起動信号S7を出力する。
【0052】
サブDC/DCコンバータ104の電源制御部115は、起動信号S7の受信に従い起動して、PWM制御を開始する。具体的には、電源制御部115は、スイッチSW2をオンオフ制御する制御信号S8を出力する。この動作により、整流平滑された電圧がトランスT107へ供給される。
【0053】
そして、平滑された電圧をトランスT107により電圧V120に変圧し、二次側へ供給する。そして、電圧V120を整流ダイオードD110により整流し、平滑コンデンサC111により平滑する。電源ノードNs,Ntは、それぞれ電源ノードNr,Nqと電気的に結合されているため所定電圧(本例においては3.4V)を制御基板21側へ供給する。
【0054】
また、この所定電圧(3.4V)を抵抗R112,R113により分割した電圧が出力電圧監視部114に入力される。出力電圧監視部114は、分割した電圧レベルを監視し、検出信号S3を電源制御部115に出力する。
【0055】
電源制御部115は、出力電圧監視部114から出力された検出信号S3に従って、2次側に供給する電圧が所定電圧(3.4V)となるように制御信号S8に従うスイッチSW2のオンオフ制御(PWM制御)を実行する。この動作によりトランスT107をスイッチング制御し、出力電圧を3.4Vに維持しようとする。
【0056】
この時点において、メインDC/DCコンバータ103およびサブDC/DCコンバータ104が互いに並列に接続された状態で制御基板21に対する所定電圧(3.4V)の電圧供給が行われる。
【0057】
出力電流監視部50は、電流検出抵抗R51の電流容量を監視し、メインDC/DCコンバータ103から供給される所定電圧(3.4V)の電流レベル(電流値)に相当する検出信号S5を電源制御部15に出力する。
【0058】
出力電流監視部52は、電流検出抵抗R53の電流容量を監視する。具体的には、出力電流監視部52は、メインDC/DCコンバータ103から供給される所定電圧(3.4V)と、サブDC/DCコンバータ104から供給される所定電圧(3.4V)とが並列接続された場合には直列接続された電流検出抵抗R53の静電容量を監視し、メインDC/DCコンバータ103からの所定電圧(3.4V)とサブDC/DCコンバータ104からの所定電圧(3.4V)とに従うトータルの電流レベル(電流値)に相当する検出信号S6を電源制御部15に出力する。
【0059】
サブDC/DCコンバータ104が起動するまでは、出力電流監視部50による検出信号S5と、出力電流監視部52による検出信号S6との間で電流レベルに差はないが、サブDC/DCコンバータ104が起動した場合には、サブDC/DCコンバータ104からの所定電圧の供給が始まるため出力電流監視部50の検出信号S5と出力電流監視部52の検出信号S6との間に差が生じ始める。
【0060】
検出信号S5と検出信号S6との間で差が生じ始めるということは、メインDC/DCコンバータ103およびサブDC/DCコンバータ104の両方から所定電圧が供給されていることを意味する。
【0061】
本発明の実施の形態1に従う電源装置においては、通常動作モードにおいてメインDC/DCコンバータ103から所定電圧(3.4V)を供給するように電源制御部15は制御する。
【0062】
具体的には、電源制御部15は、出力電流監視部50の検出信号S5と出力電流監視部52の検出信号S6との間の差を監視し、サブDC/DCコンバータ104の電流レベルが過電流飽和リミット値(たとえば1A)を越える前に、メインDC/DCコンバータ103のトランスT7をスイッチング制御し、出力電圧V20を増加させる。そして、電源制御部15は、出力電圧V20を増加させて出力電流監視部50による検出信号S5と出力電流監視部52による検出信号S6との間に差がなくなるように制御する。検出信号S5と検出信号S6との間に差が無くなるように制御するということは、制御基板21に対する電圧供給は、全て、メインDC/DCコンバータ103からの供給であることを意味する。
【0063】
すなわち、通常動作モード時においては、メインDC/DCコンバータ103から所定電圧(3.4V)が制御基板21に供給され、サブDC/DCコンバータ104からは所定電圧(3.4V)が制御基板21に供給されない構成とする。
【0064】
次に、図1の電源装置2のスリープモード移行時の動作について説明する。
電源制御部15は、制御基板21がスリープモードに移行した場合の必要電流値(例えば、0.5A)を予め記憶しているものとする。
【0065】
出力電流監視部52は、電流検出抵抗R53の電流容量を監視し、制御基板21がスリープモードに移行する際の電流レベル(電流値)に相当する検出信号S6を電源制御部15に出力する。
【0066】
電源制御部15は、出力されてきた検出信号S6に基づいて制御基板21での必要電流値(0.5A)以下となったかどうかを判断する。
【0067】
そして、電源制御部15は、検出信号S6に従って必要電流値以下となったと判断した場合に、制御基板21はスリープモードに移行したと判定し、メインDC/DCコンバータ103のトランスT7をスイッチング制御し、出力電圧V20を減少させる。
【0068】
これにより、サブDC/DCコンバータ104から制御基板21への電圧供給が行われ、サブDC/DCコンバータ104からスリープモード時の電流0.5Aを流れ出す動作が行なわれる。
【0069】
そして、その後、電源制御部15は、メインDC/DCコンバータ103をオフにするためにスリープ制御信号S4をスイッチSW1に出力する。
【0070】
スイッチSW1は、スリープ制御信号S4の入力に応答してオフ状態となり、メインDC/DCコンバータ103への交流電源ACの供給を遮断する。
【0071】
すなわち、スリープモード移行時において、メインDC/DCコンバータ103はオフ状態となり、サブDC/DCコンバータ104から制御基板21に対する電圧供給が継続される。
【0072】
したがって、制御基板21への電圧供給が途絶えることなく、高速にメインDC/DCコンバータ103からサブDC/DCコンバータ104への切換が実行される。
【0073】
次に、図1の電源装置2のスリープモードから通常動作モードへの復帰時の動作について説明する。
【0074】
制御基板21は、スリープモードから通常動作モードへの復帰前にスイッチSW1をオンするように制御信号S8をスイッチSW1に出力する。スイッチSW1は、制御信号S8の入力を受けてオン状態となり、メインDC/DCコンバータ103と交流電源ACとが電気的に結合される。
【0075】
これに伴い、メインDC/DCコンバータ103が起動し、ダイオードD5a〜D5dにより交流電圧を整流し、さらに、平滑コンデンサC6で平滑する。そして、平滑された電圧をトランスT7により電圧V20に変圧し、二次側へ供給する。そして、電圧V20を整流ダイオードD10により整流し、平滑コンデンサC11により平滑する。そして、変圧された電圧V20は、電流検出抵抗R51,R53を介して所定電圧(本例においては、3.4V)で制御基板21へ供給する。
【0076】
そして、電源制御部15は、出力電流監視部50による検出信号S5と出力電流監視部52による検出信号S6との間に差がなくなるまで出力電圧V20を増加させる制御を実行する。
【0077】
すなわち、メインDC/DCコンバータ103から制御基板21への電圧供給が行われ、サブDC/DCコンバータ104からは制御基板21に電圧が供給されない。
【0078】
したがって、スリープモードから通常動作モードへの復帰時において、制御基板21への電源供給が途絶えることなく、高速にサブDC/DCコンバータ104からメインDC/DCコンバータ103への切換が実行される。
【0079】
図2は、本発明の実施の形態1に従う電源装置2の通常動作モードの起動時の動作について説明するフロー図である。
【0080】
図2を参照して、まず、メインDC/DCコンバータ103を起動する(ステップS10)。具体的には、交流電源ACを接続することによりメインDC/DCコンバータ103が起動する。
【0081】
次に、起動信号S7が入力されたかどうか判断する(ステップS14)。具体的には、電源制御部115に対して制御基板21からの起動信号が入力されたかどうかを判断する。
【0082】
ステップS14において、起動信号S7が電源制御部115に入力された場合(ステップS14においてYES)には、サブDC/DCコンバータ104が起動する(ステップS15)。
【0083】
一方、ステップS14において、起動信号S7が電源制御部115に入力されない場合(ステップS14においてNO)には、サブDC/DCコンバータ104はオフ状態を維持する。そして、再びステップS14に戻る。
【0084】
サブDC/DCコンバータ104が起動した後、出力電流を確認する(ステップS16)。具体的には、電源制御部15は、検出信号S5と検出信号S6とを確認する。
【0085】
そして、次に、出力電流監視部50の電流値と出力電流監視部52との電流値とを比較し、出力電流監視部50の電流値と出力電流監視部52との電流値とが一致するかどうかを判断する(ステップS17)。
【0086】
ステップS17において、電源制御部15は、出力電流監視部50の電流値と出力電流監視部52との電流値とが一致すると判断する場合(ステップS17においてYES)には、メインDC/DCコンバータ103より全ての電圧が供給されている状態と判定(ステップS20)して、起動処理を終了する(エンド)。
【0087】
一方、ステップS17において、電源制御部15は、出力電流監視部50の電流値と出力電流監視部52との電流値とが一致しないと判断した場合(ステップS17においてNO)には、メインDC/DCコンバータ103の出力電圧を増加(ステップS18)させて、再び、ステップS16に戻り、ステップS17において、出力電流監視部50の電流値と出力電流監視部52との電流値とが一致すると判断するまで当該処理を繰り返す。
【0088】
そして、出力電流監視部50の電流値と出力電流監視部52との電流値とが一致した場合(ステップS17においてYES)に、メインDC/DCコンバータ103より全ての電圧を供給する状態と判定(ステップS20)して、起動処理を終了する(エンド)。
【0089】
図3は、本発明の実施の形態1に従う電源装置2のスリープモードの移行処理開始の動作について説明するフロー図である。
【0090】
図3を参照して、まず、出力電流を確認する(ステップS21)。具体的には、電源制御部15は、検出信号S6を確認する。
【0091】
そして、次に、電源制御部15は、検出信号S6に従って出力電流監視部52の電流値がスリープモードの電流値である0.5A以下かどうかを判断する(ステップS22)。
【0092】
電源制御部15は、スリープモードの電流値である0.5A以下でないと判断した場合(ステップS22においてNO)には、ステップS21に戻る。
【0093】
そして、ステップS22において、電源制御部15は、電流値が0.5A以下であると判断した場合(ステップS22においてYES)には、スリープモードに移行したと判定する(ステップS23)。
【0094】
そして、次に、メインDC/DCコンバータ103の出力電圧を減少させる(ステップS24)。具体的には、電源制御部15は、メインDC/DCコンバータ103のトランスT7をスイッチング制御し、出力電圧V20を減少させる。
【0095】
これにより、サブDC/DCコンバータ104から電圧が供給される状態となる(ステップS26)。
【0096】
そして、メインDC/DCコンバータ103を停止させる(ステップS28)。具体的には、メインDC/DCコンバータ103をオフにするためにスリープ制御信号S4をスイッチSW1に出力する。
【0097】
これにより、サブDC/DCコンバータ104より全ての電圧が供給される状態と判定(ステップS30)して、スリープモード移行処理を終了する(エンド)。
【0098】
したがって、スリープモード移行時において、制御基板21への電圧供給が途絶えることなく、高速にメインDC/DCコンバータ103からサブDC/DCコンバータ104への切換が実行される。
【0099】
図4は、本発明の実施の形態1に従う電源装置2のスリープモードの復帰処理の動作について説明するフロー図である。
【0100】
図4を参照して、メインDC/DCコンバータ103を起動する(ステップS40)。具体的には、制御基板21は、スイッチSW1をオンするように制御信号S8をスイッチSW1に出力する。スイッチSW1は、制御信号S8の入力を受けてオン状態となり、メインDC/DCコンバータ103と交流電源ACとが電気的に結合される。
【0101】
そして、次に、出力電流を確認する(ステップS41)。具体的には、電源制御部15は、検出信号S5と検出信号S6とを確認する。
【0102】
そして、次に、出力電流監視部50の電流値と出力電流監視部52との電流値とを比較し、出力電流監視部50の電流値と出力電流監視部52との電流値とが一致するかどうかを判断する(ステップS42)。
【0103】
ステップS42において、電源制御部15は、出力電流監視部50の電流値と出力電流監視部52との電流値とが一致すると判断する場合(ステップS42においてYES)には、メインDC/DCコンバータ103より全ての電圧が供給されている状態であると判定(ステップS44)して、スリープモードの復帰処理を終了する(エンド)。
【0104】
一方、ステップS42において、電源制御部15は、出力電流監視部50の電流値と出力電流監視部52との電流値とが一致しないと判断した場合(ステップS42においてNO)には、メインDC/DCコンバータ103の出力電圧を増加させて、再び、ステップS41に戻り、ステップS42において、出力電流監視部50の電流値と出力電流監視部52との電流値とが一致すると判断するまで当該処理を繰り返す。
【0105】
そして、出力電流監視部50の電流値と出力電流監視部52との電流値とが一致した場合(ステップS42においてYES)に、メインDC/DCコンバータ103より全ての電圧が供給される状態と判定(ステップS20)して、スリープモードの復帰処理を終了する(エンド)。
【0106】
したがって、スリープモードから通常動作モードへの復帰時において、制御基板21への電源供給が途絶えることなく、高速にサブDC/DCコンバータ104からメインDC/DCコンバータ103への切換が実行される。
【0107】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に従う電源装置の回路構成を説明する図である。
【0108】
図5を参照して、本発明の実施の形態2に従う電源装置2#は、電源装置2と比較して、メインDC/DCコンバータ103,104の構成が異なる。その他の点については実施の形態1で説明したのと同様である。
【0109】
具体的には、メインDC/DCコンバータ103#は、メインDC/DCコンバータ103と比較して、出力電流監視部52および電流検出抵抗R53を削除した点と、電源制御部15が出力電流監視部52からの検出信号S6の入力を受けず、代わりに検出信号S6#の入力を受ける点が異なる。その他の点については同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0110】
サブDC/DCコンバータ104#は、サブDC/DCコンバータ104と比較して、出力電流監視部151と、電流検出抵抗R152とを新たに設けた点が異なるその他の点については同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0111】
出力電流監視部151は、電源ノードNsと電源ノードNtとの間に平滑コンデンサC111と並列に接続される。また、電源ノードNsと電源ノードNuとの間に電流検出抵抗R152が設けられ、出力電流監視部151は、電流検出抵抗R152に流れる電流を検出して、電流値を示す検出信号S6#を電源制御部15に出力する。また、抵抗R112,R113は、電源ノードNuと電源ノードNtとの間に接続され、出力電圧監視部114は、抵抗R112,R113による抵抗分割により分圧した電圧を監視して、その検出信号S3を電源制御部115に出力する。
【0112】
また、電源ノードNuと電源ノードNrとが電気的に結合され、電源ノードNrと制御基板21とは電気的に結合される。
【0113】
その他の点については実施の形態1で説明したのと同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0114】
次に、図5の電源装置2#の通常動作モードの起動時の動作について説明する。
電源装置2に交流電源ACが接続されると、メインDC/DCコンバータ103#、サブDC/DCコンバータ104#に交流電圧が供給される。
【0115】
サブDC/DCコンバータ104#は、ダイオードD105a〜D105dにより交流電圧を整流し、さらに、平滑コンデンサC106で平滑する。
【0116】
電源制御部115は、制御基板21からの起動信号S7に従って起動し、スイッチSW2をオンする制御信号S8を出力する。この時点においては、制御基板21からの起動信号S7は、電源制御部115に入力されていないのでスイッチSW2をオンする制御信号S8は出力されていない。したがって、スイッチSW2はオフであり、トランスT107への電源供給はオフされており、サブDC/DCコンバータ104#は起動していない状態である。
【0117】
一方、メインDC/DCコンバータ103#は、ダイオードD5a〜D5dにより交流電圧を整流し、さらに、平滑コンデンサC6で平滑する。なお、スイッチSW1は起動時において導通状態であるものとする。
【0118】
そして、平滑された電圧をトランスT7により電圧V20に変圧し、二次側へ供給する。そして、電圧V20を整流ダイオードD10により整流し、平滑コンデンサC11により平滑する。そして、変圧された電圧V20は、電流検出抵抗R51を介して所定電圧(本例においては、3.4V)で制御基板21へ供給する。
【0119】
また、この所定電圧(3.4V)を抵抗R12,R13により分割した電圧が出力電圧監視部14に入力される。出力電圧監視部14は、分割した電圧レベルを監視し、検出信号S2を電源制御部15に出力する。
【0120】
電源制御部15は、出力電圧監視部14から出力された検出信号S2に従って、2次側の制御基板21に供給される電圧が所定電圧(3.4V)となるように制御信号S1に従うスイッチSW3のオンオフ制御(PWM制御)を実行する。この動作によりトランスT7をスイッチング制御し、出力電圧を3.4Vに維持する。
【0121】
そして、制御基板21は、メインDC/DCコンバータ103#により所定電圧(3.4V)が供給されて起動する。
【0122】
制御基板21は、通常動作モードの起動時にサブDC/DCコンバータ104#の電源制御部115へ起動信号S7を出力する。
【0123】
サブDC/DCコンバータ104#の電源制御部115は、起動信号S7の受信に従い起動して、PWM制御を開始する。具体的には、電源制御部115は、スイッチSW2をオンオフ制御する制御信号S8を出力する。この動作により、整流平滑された電圧がトランスT107へ供給される。
【0124】
そして、平滑された電圧をトランスT107により電圧V120に変圧し、二次側へ供給する。そして、電圧V120を整流ダイオードD110により整流し、平滑コンデンサC111により平滑する。電源ノードNu,Ntは、それぞれ電源ノードNr,Nqと電気的に結合されているため所定電圧(本例においては3.4V)を制御基板21側へ供給する。
【0125】
また、この所定電圧(3.4V)を抵抗R112,R113により分割した電圧が出力電圧監視部114に入力される。出力電圧監視部114は、分割した電圧レベルを監視し、検出信号S3を電源制御部115に出力する。
【0126】
電源制御部115は、出力電圧監視部114から出力された検出信号S3に従って、2次側に供給する電圧が所定電圧(3.4V)となるように制御信号S8に従うスイッチSW2のオンオフ制御(PWM制御)を実行する。この動作によりトランスT107をスイッチング制御し、出力電圧を3.4Vに維持しようとする。
【0127】
この時点において、メインDC/DCコンバータ103#およびサブDC/DCコンバータ104#が互いに並列に接続された状態で制御基板21に対する所定電圧(3.4V)の電圧供給が行われる。
【0128】
出力電流監視部50は、電流検出抵抗R51の電流容量を監視し、メインDC/DCコンバータ103#から供給される所定電圧(3.4V)の電流レベル(電流値)に相当する検出信号S5を電源制御部15に出力する。
【0129】
出力電流監視部151は、電流検出抵抗R152の電流容量を監視する。具体的には、出力電流監視部151は、サブDC/DCコンバータ104#から供給される所定電圧(3.4V)の電流レベル(電流値)に相当する検出信号S6#を電源制御部15に出力する。
【0130】
サブDC/DCコンバータ104#が起動するまでは、電源制御部15は、出力電流監視部50による検出信号S5のみの入力を受ける。
【0131】
そして、サブDC/DCコンバータ104#が起動した後は、電源制御部15は、電流検出抵抗R152に流れる電流レベルに相当する検出信号S6#の入力を受ける。
【0132】
電流レベルに相当する検出信号S6#の入力を受けるということは、メインDC/DCコンバータ103#およびサブDC/DCコンバータ104#の両方から所定電圧が供給されていることを意味する。
【0133】
本発明の実施の形態2に従う電源装置においては、通常動作モードにおいてメインDC/DCコンバータ103#から所定電圧(3.4V)を供給するように電源制御部15は制御する。
【0134】
具体的には、電源制御部15は、検出信号S6#を監視し、サブDC/DCコンバータ104#の電流レベルが0Aとなるように、メインDC/DCコンバータ103#のトランスT107をスイッチング制御し、出力電圧V120を増加させる。検出信号S6#を監視し、サブDC/DCコンバータ104#の電流レベルが0となるということは、制御基板21に対する電圧供給は、全て、メインDC/DCコンバータ103#からの供給であることを意味する。
【0135】
すなわち、通常動作モード時においては、メインDC/DCコンバータ103#から所定電圧(3.4V)が制御基板21に供給され、サブDC/DCコンバータ104#からは所定電圧(3.4V)が制御基板21に供給されない構成とする。
【0136】
次に、図5の電源装置2のスリープモード移行時の動作について説明する。
電源制御部15は、制御基板21がスリープモードに移行した場合の必要電流値(例えば、0.5A)を記憶しているものとする。
【0137】
出力電流監視部50は、電流検出抵抗R51の電流容量を監視し、制御基板21がスリープモードに移行する際の電流レベル(電流値)に相当する検出信号S5を電源制御部15に出力する。
【0138】
電源制御部15は、出力されてきた検出信号S5に基づいて制御基板21での必要電流値(0.5A)以下となったかどうかを判断する。
【0139】
そして、電源制御部15は、検出信号S5に従って必要電流値以下となったと判断した場合に、制御基板21はスリープモードに移行したと判定し、メインDC/DCコンバータ103#のトランスT7をスイッチング制御し、出力電圧V20を減少させる。
【0140】
これにより、サブDC/DCコンバータ104#から制御基板21への電圧供給が行われ、サブDC/DCコンバータ104#からスリープモード時の電流0.5Aを流れ出す動作が行なわれる。
【0141】
そして、その後、電源制御部15は、メインDC/DCコンバータ103#をオフにするためにスリープ制御信号S4をスイッチSW1に出力する。
【0142】
スイッチSW1は、スリープ制御信号S4の入力に応答してオフ状態となり、メインDC/DCコンバータ103#への交流電源ACの供給を遮断する。
【0143】
すなわち、スリープモード移行時において、メインDC/DCコンバータ103#はオフ状態となり、サブDC/DCコンバータ104#から制御基板21に対する電圧供給を継続される。
【0144】
したがって、制御基板21への電圧供給が途絶えることなく、高速にメインDC/DCコンバータ103#からサブDC/DCコンバータ104#への切換が実行される。
【0145】
次に、図5の電源装置2のスリープモードから通常動作モードへの復帰時の動作について説明する。
【0146】
制御基板21は、スリープモードから通常動作モードへの復帰前にスイッチSW1をオンするように制御信号S8をスイッチSW1に出力する。スイッチSW1は、制御信号S8の入力を受けてオン状態となり、メインDC/DCコンバータ103#と交流電源ACとが電気的に結合される。
【0147】
これに伴い、メインDC/DCコンバータ103#が起動し、ダイオードD5a〜D5dにより交流電圧を整流し、さらに、平滑コンデンサC6で平滑する。そして、平滑された電圧をトランスT7により電圧V20に変圧し、二次側へ供給する。そして、電圧V20を整流ダイオードD10により整流し、平滑コンデンサC11により平滑する。そして、変圧された電圧V20は、電流検出抵抗R51を介して所定電圧(本例においては、3.4V)で制御基板21へ供給する。
【0148】
そして、電源制御部15は、出力電流監視部151による検出信号S6#を監視し、サブDC/DCコンバータ104#の電流レベルが0Aとなるように、メインDC/DCコンバータ103#のトランスT107をスイッチング制御し、出力電圧V120を増加させる制御を実行する。
【0149】
すなわち、メインDC/DCコンバータ103#から制御基板21への電圧供給が行われ、サブDC/DCコンバータ104#から制御基板21に供給されない。
【0150】
したがって、スリープモードから通常動作モードへの復帰時において、制御基板21への電源供給が途絶えることなく、高速にサブDC/DCコンバータ104#からメインDC/DCコンバータ103#への切換が実行される。
【0151】
図6は、本発明の実施の形態2に従う電源装置2#の通常動作モードの起動時の動作について説明するフロー図である。
【0152】
図6を参照して、まず、メインDC/DCコンバータ103#の起動を開始する(ステップS10)。具体的には、交流電源ACを接続することによりメインDC/DCコンバータ103#が起動する。
【0153】
次に、起動信号S7が入力されたかどうか判断する(ステップS14)。具体的には、電源制御部115に対して制御基板21からの起動信号が入力されたかどうかを判断する。
【0154】
ステップS14において、起動信号S7が電源制御部115に入力された場合(ステップS14においてYES)には、サブDC/DCコンバータ104#が起動する(ステップS15)。
【0155】
一方、ステップS14において、起動信号S7が電源制御部115に入力されない場合(ステップS14においてNO)には、サブDC/DCコンバータ104#はオフ状態を維持する。そして、再びステップS14に戻る。
【0156】
サブDC/DCコンバータ104#が起動した後、出力電流を確認する(ステップS16)。具体的には、電源制御部15は、出力電流監視部151からの検出信号S6#を確認する。
【0157】
そして、次に、出力電流監視部151の電流値を監視し、電流値が0Aであるかどうかを判断する(ステップS17#)。
【0158】
ステップS17#において、電源制御部15は、出力電流監視部151の電流値が0Aと判断する場合(ステップS17#においてYES)には、メインDC/DCコンバータ103#より全ての電圧が供給されている状態と判定(ステップS20)して、起動処理を終了する(エンド)。
【0159】
一方、ステップS17#において、電源制御部15は、出力電流監視部151の電流値が0Aでないと判断する場合(ステップS17#においてNO)には、メインDC/DCコンバータ103#の出力電圧を増加(ステップS18)させて、再び、ステップS16に戻り、ステップS17#において、出力電流監視部151の電流値が0Aと判断するまで当該処理を繰り返す。
【0160】
そして、出力電流監視部151の電流値が0Aとなった場合(ステップS17#においてYES)に、メインDC/DCコンバータ103#より全ての電圧を供給する状態と判定(ステップS20)して、起動処理を終了する(エンド)。
【0161】
図7は、本発明の実施の形態2に従う電源装置2#のスリープモードの移行処理開始の動作について説明するフロー図である。
【0162】
図7を参照して、まず、出力電流を確認する(ステップS21)。具体的には、電源制御部15は、検出信号S5を確認する。
【0163】
そして、次に、電源制御部15は、検出信号S5に従って出力電流監視部50の電流値がスリープモードの電流値である0.5A以下かどうかを判断する(ステップS22)。
【0164】
そして、ステップS22において、電流値が0.5A以下であると判断した場合(ステップS22においてYES)には、スリープモードに移行したと判定する(ステップS23)。
【0165】
そして、次に、メインDC/DCコンバータ103#の出力電圧を減少させる(ステップS24)。
【0166】
これにより、サブDC/DCコンバータ104#から電圧が供給される状態となる(ステップS26)。
【0167】
そして、メインDC/DCコンバータ103#を停止させる(ステップS28)。具体的には、メインDC/DCコンバータ103#をオフにするためにスリープ制御信号S4をスイッチSW1に出力する。
【0168】
これにより、サブDC/DCコンバータ104#より全ての電圧が供給される状態と判定(ステップS30)して、スリープモードの移行処理を終了する(エンド)。
【0169】
したがって、スリープモード移行時において、制御基板21への電圧供給が途絶えることなく、高速にメインDC/DCコンバータ103#からサブDC/DCコンバータ104#への切換が実行される。
【0170】
図8は、本発明の実施の形態2に従う電源装置2#のスリープモードの復帰処理の動作について説明するフロー図である。
【0171】
図8を参照して、メインDC/DCコンバータ103#を起動する(ステップS40)。具体的には、制御基板21は、スイッチSW1をオンするように制御信号S8をスイッチSW1に出力する。スイッチSW1は、制御信号S8の入力を受けてオン状態となり、メインDC/DCコンバータ103#と交流電源ACとが電気的に結合される。
【0172】
そして、次に、出力電流を確認する(ステップS41)。具体的には、電源制御部15は、検出信号S6#を確認する。
【0173】
そして、次に、出力電流監視部151の電流値を監視し、電流値が0Aであるかどうかを判断する(ステップS42#)。
【0174】
ステップS42#において、電源制御部15は、出力電流監視部151の電流値が0Aと判断する場合(ステップS42#においてYES)には、メインDC/DCコンバータ103#より全ての電圧が供給されている状態であると判定(ステップS44)して、スリープモードの復帰処理を終了する(エンド)。
【0175】
一方、ステップS42#において、電源制御部15は、、出力電流監視部151の電流値が0Aでないと判断した場合(ステップS42#においてNO)には、メインDC/DCコンバータ103#の出力電圧を増加させて、再び、ステップS41に戻り、ステップS42#において、出力電流監視部151の電流値が0Aで判断するまで当該処理を繰り返す。
【0176】
そして、出力電流監視部151の電流値が0Aと判断した場合(ステップS42#においてYES)に、メインDC/DCコンバータ103#より全ての電圧が供給される状態と判定(ステップS44)して、スリープモードの復帰処理を終了する(エンド)。
【0177】
したがって、スリープモードから通常動作モードへの復帰時において、制御基板21への電源供給が途絶えることなく、高速にサブDC/DCコンバータ104#からメインDC/DCコンバータ103#への切換が実行される。
【0178】
図9は、本発明の実施の形態に従う電源装置が搭載された画像形成装置の概略ブロック図である。
【0179】
図9を参照して、画像形成装置は、電源装置2と、操作部210と、プリンタコントローラ220と、プリンタエンジン230とを含む。
【0180】
ここでは、電源装置2が制御基板であるプリンタコントローラ220と接続されている場合が示されている。プリンタコントローラ220は、画像を形成するためのプリンタエンジン230を制御する制御コントローラである。また、プリンタコントローラ220は、操作部210と接続されている。操作部210からの操作指示に従って、プリンタコントローラ220は、プリンタエンジン230を制御して操作指示に従う所定の画像形成処理を実行する。なお、ここでは、電源装置2が用いられている場合について示されているが電源装置2#についても同様に適用可能である。また、本例においては、制御基板の一例としてプリンタコントローラが示されているが、特にプリンタコントローラには限られない。
【0181】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0182】
2,2# 電源装置、8,108 一次巻線、9,109 二次巻線、11,17 補助巻線、14,114 出力電圧監視部、15,115 電源制御部、21 制御基板、50,52,151 出力電流監視部、103,103# メインDC/DCコンバータ、104,104# サブDC/DCコンバータ、210 操作部、220 プリンタコントローラ、230 プリンタエンジン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源と接続され、外部装置の動作モード時に所定電圧を供給するための第1の電源コンバータと、
前記第1の電源コンバータの出力端と接続され、前記第1の電源コンバータの出力端の電流を検出するための第1の電流検出手段と、
前記第1の電源コンバータと並列に前記外部電源と接続され、前記外部装置の待機モード時に所定電圧を供給するための第2の電源コンバータと、
前記第1および第2の電源コンバータの出力端と接続され、前記第1および第2の電源コンバータの出力端の電流を検出するための第2の電流検出手段と、
前記動作モードの起動時に前記第1の電源コンバータを起動させてから、前記第2の電源コンバータが起動した場合に、前記第1の電流検出手段で検出される電流値と、前記第2の電流検出手段で検出される電流値との差が生じた場合には、前記第1の電源コンバータの出力電圧を増加させて、前記第1の電流検出手段と前記第2の電流検出手段とで検出される電流値が一致するように前記第1の電源コンバータを制御する電源制御部とを備える、電源装置。
【請求項2】
前記電源制御部は、前記第1の電流検出手段で検出される電流値と、前記第2の電流検出手段で検出される電流値との差が、前記第2の電源コンバータの過電流保護リミット値を越える前に前記第1の電源コンバータの出力電圧を増加させる、請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
前記外部装置が待機モードとなったか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記電源制御部は、前記判定手段の判定信号に従って前記第1の電流検出手段で検出される電流値が小さくなるように前記第1の電源コンバータを制御し、前記外部電源から前記第1の電源コンバータへの電源供給を停止する、請求項1または2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記判定手段は、前記第2の電流検出手段で検出される電流値が所定の電流値以下であるかを判定する、請求項3記載の電源装置。
【請求項5】
前記外部装置は、前記待機モードから前記動作モードに復帰する場合に前記外部電源から前記第1の電源コンバータへの電源供給を再開を指示し、
前記電源制御部は、前記待機モードから前記動作モードに復帰する場合に前記第1の電源コンバータの出力電圧を増加させ、前記第1の電流検出手段と前記第2の電流検出手段とで検出される電流値が一致するように前記第1の電源コンバータを制御する、請求項3または4に記載の電源装置。
【請求項6】
外部電源と接続され、外部装置の動作モード時に所定電圧を供給するための第1の電源コンバータと、
前記第1の電源コンバータの出力端と接続され、前記第1の電源コンバータの出力端の電流を検出するための第1の電流検出手段と、
前記第1の電源コンバータと並列に前記外部電源と接続され、前記外部装置の待機モード時に所定電圧を供給するための第2の電源コンバータと、
前記第2の電源コンバータの出力端と接続され、前記第2の電源コンバータの出力端の電流を検出するための第2の電流検出手段と、
前記動作モードの起動時に前記第1の電源コンバータを起動させてから、前記第2の電源コンバータが起動した場合に、前記第2の電流検出手段で検出される電流値が0となるように前記第1の電源コンバータの出力電圧を増加させて制御する電源制御部とを備える、電源装置。
【請求項7】
前記外部装置が待機モードとなったか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記電源制御部は、前記判定手段の判定信号に従って前記第1の電流検出手段で検出される電流値が小さくなるように前記第1の電源コンバータを制御し、前記外部電源から前記第1の電源コンバータへの電源供給を停止する、請求項6に記載の電源装置。
【請求項8】
前記判定手段は、前記第2の電流検出手段で検出される電流値が所定の電流値以下であるかを判定する、請求項7記載の電源装置。
【請求項9】
前記外部装置は、前記待機モードから前記動作モードに復帰する場合に前記外部電源から前記第1の電源コンバータへの電源供給を再開を指示し、
前記電源制御部は、前記待機モードから前記動作モードに復帰する場合に前記第1の電源コンバータの出力電圧を増加させ、前記第2の電流検出手段で検出される電流値が0となるように前記第1の電源コンバータの出力電圧を増加させて制御する、請求項7または8に記載の電源装置。
【請求項10】
画像形成部と、
前記画像形成部に所定電圧を供給する電源装置とを備え、
前記電源装置は、
外部電源と接続され、前記画像形成部の動作モード時に前記所定電圧を供給するための第1の電源コンバータと、
前記第1の電源コンバータの出力端と接続され、前記第1の電源コンバータの出力端の電流を検出するための第1の電流検出手段と、
前記第1の電源コンバータと並列に前記外部電源と接続され、前記画像形成部の待機モード時に所定電圧を供給するための第2の電源コンバータと、
前記第1および第2の電源コンバータの出力端と接続され、前記第1および第2の電源コンバータの出力端の電流を検出するための第2の電流検出手段と、
前記動作モードの起動時に前記第1の電源コンバータを起動させてから、前記第2の電源コンバータが起動した場合に、前記第1の電流検出手段で検出される電流値と、前記第2の電流検出手段で検出される電流値との差が生じた場合には、前記第1の電源コンバータの出力電圧を増加させて、前記第1の電流検出手段と前記第2の電流検出手段とで検出される電流値が一致するように前記第1の電源コンバータを制御する電源制御部とを含む、画像形成装置。
【請求項11】
画像形成部と、
前記画像形成部に所定電圧を供給する電源装置とを備え、
前記電源装置は、
外部電源と接続され、前記画像形成部の動作モード時に所定電圧を供給するための第1の電源コンバータと、
前記第1の電源コンバータの出力端と接続され、前記第1の電源コンバータの出力端の電流を検出するための第1の電流検出手段と、
前記第1の電源コンバータと並列に前記外部電源と接続され、前記画像形成部の待機モード時に所定電圧を供給するための第2の電源コンバータと、
前記第2の電源コンバータの出力端と接続され、前記第2の電源コンバータの出力端の電流を検出するための第2の電流検出手段と、
前記動作モードの起動時に前記第1の電源コンバータを起動させてから、前記第2の電源コンバータが起動した場合に、前記第2の電流検出手段で検出される電流値が0となるように前記第1の電源コンバータの出力電圧を増加させて制御する電源制御部とを含む、画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−44725(P2012−44725A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180850(P2010−180850)
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】