説明

電源装置及びそれを用いた灯具並びに車両

【課題】コストを抑えつつ、安全性を高めた電源装置及びそれを用いた灯具並びに車両を提供する。
【解決手段】電源装置2は、第1のコンデンサC1並びに第1のコンデンサC1の両端にそれぞれ接続された第1及び第2のインダクタL1,L2からなる直列回路と、第1のインダクタL1と第1のコンデンサC1の接続点に一端が接続されたスイッチング素子S1と、第1のコンデンサC1と第2のインダクタL2の接続点にアノードが接続されたダイオードD1と、スイッチング素子S1の他端とダイオードD1のカソードとの間に接続された第2のコンデンサC2とを備える。第1のインダクタL1の他端とスイッチング素子S1の他端との間には、第1のインダクタL1の他端側が正極側となるように直流電源1が接続され、第2のインダクタL2の他端とダイオードD1のカソードとの間には負荷3が接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置及びそれを用いた灯具並びに車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に用いられる電源装置が提供されている(例えば特許文献1参照)。この電源装置は、トランスとスイッチング素子を具備し入力された直流電圧を所望の電圧値の直流電圧に変換するDC−DC変換回路と、フィードバックされたDC−DC変換回路の出力電圧に応じてスイッチング素子のオン/オフ動作を制御するPWM信号を出力する出力調整部と、DC−DC変換回路の出力電圧の異常を検出する出力異常状態判定手段とを備える。
【0003】
このような車両用の電源装置において、例えば配線の噛み込みや劣化による短絡あるいは誤配線などによって、電源装置の出力線が直流電源(バッテリー)のグランド(負極側)に接触したり(地絡という)、正極側に接触(天絡という)した場合には電源装置が故障する虞があるが、特許文献1に示した電源装置によれば、これらのアクシデントが発生した場合には、出力異常状態判定手段により出力電圧の異常が検出されるため、異常検出時にはスイッチング素子のスイッチング動作を停止させることで回路保護を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−284721号公報(段落[0024]−段落[0044]、及び、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1に示した電源装置では、地絡や天絡が生じた場合にはスイッチング素子のスイッチング動作を停止させることで回路保護が行えるものの、変換回路部分にトランスを用いていることから高価な電源装置になっていた。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、コストを抑えつつ、安全性を高めた電源装置及びそれを用いた灯具並びに車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電源装置は、第1のコンデンサ並びに第1のコンデンサの両端にそれぞれ接続された第1及び第2のインダクタからなる直列回路と、第1のインダクタと第1のコンデンサの接続点に一端が接続されたスイッチング素子と、第1のコンデンサと第2のインダクタの接続点にアノードが接続された整流素子と、スイッチング素子の他端と整流素子のカソードとの間に接続された第2のコンデンサとを備え、第1のインダクタの他端とスイッチング素子の他端との間には、第1のインダクタの他端側が正極側となるように直流電源が接続され、第2のインダクタの他端と整流素子のカソードとの間には負荷が接続されることを特徴とする。
【0008】
この電源装置において、第2のコンデンサと並列に第1の抵抗が接続されるのが好ましい。
【0009】
また、この電源装置において、第2のコンデンサの静電容量が第1のコンデンサの静電容量よりも大きいのも好ましい。
【0010】
さらに、この電源装置において、スイッチング素子のオン/オフ動作を制御する制御回路を備え、制御回路は、第2のコンデンサと整流素子の接続点の電位が第1の基準値よりも高くなると、スイッチング素子のオン/オフ動作を停止させるのも好ましい。
【0011】
また、この電源装置において、スイッチング素子のオン/オフ動作を制御する制御回路と、第2のコンデンサ及び整流素子の接続点と負荷との間に接続された第2の抵抗に印加される電位に基づいて出力電流を検出する出力電流検出回路とを備え、制御回路は、出力電流検出回路の出力が所定値となるようにスイッチング素子のオン/オフ動作を制御し、出力電流検出回路の出力が第2の基準値よりも低い状態が所定時間継続すると、スイッチング素子のオン/オフ動作を停止させるのも好ましい。
【0012】
さらに、この電源装置において、スイッチング素子のオン/オフ動作を制御する制御回路と、第2のコンデンサ及び整流素子の接続点と負荷との間に接続された第2の抵抗の両端間に発生する電位に基づいて出力電流を検出する出力電流検出回路とを備え、制御回路は、出力電流検出回路の出力が所定値となるようにスイッチング素子のオン/オフ動作を制御し、第2のコンデンサと整流素子の接続点の電位が第1の基準値よりも高い状態が所定時間継続すると、スイッチング素子のオン/オフ動作を停止させるのも好ましい。
【0013】
また、この電源装置において、負荷が半導体発光素子で構成された光源負荷であるのも好ましい。
【0014】
本発明の灯具は、上記の電源装置が搭載されていることを特徴とする。
【0015】
本発明の車両は、上記の灯具が搭載されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
コストを抑えつつ、安全性を高めた電源装置及びそれを用いた灯具並びに車両を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(a)は実施形態1の基本構成を示す概略回路図、(b)は同上を適用した概略回路図である。
【図2】(a)(b)は同上の動作を説明する説明図である。
【図3】(a)〜(g)は同上の動作を説明する波形図である。
【図4】(a)〜(d)は地絡が発生したときの同上の動作を説明する波形図である。
【図5】(a)〜(d)は地絡が発生したときの同上の動作を説明する別の波形図である。
【図6】実施形態2の電源装置を示す概略回路図である。
【図7】(a)〜(d)は同上の動作を説明する波形図である。
【図8】実施形態3の電源装置を示す概略回路図である。
【図9】実施形態4の電源装置を示す概略回路図である。
【図10】実施形態5の灯具の断面図である。
【図11】実施形態6の車両の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、電源装置、灯具及び車両の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
(実施形態1)
図1(a)は実施形態1の電源装置の基本構成を示す概略構成図であり、図1(b)はこの基本構成を適用した概略回路図である。
【0020】
この電源装置2は、第1のコンデンサC1並びに第1のコンデンサC1の両端にそれぞれ接続された第1及び第2のインダクタL1,L2からなる直列回路と、第1のインダクタL1と第1のコンデンサC1の接続点に一端が接続されたスイッチング素子S1とを備える。また、電源装置2は、第1のコンデンサC1と第2のインダクタL1の接続点にアノードが接続されたダイオード(整流素子)D1と、スイッチング素子S1の他端とダイオードD1のカソードとの間に接続された第2のコンデンサC2とを備える。さらに、電源装置2は、スイッチング素子S1のオン/オフ動作を制御する制御回路20を備える。なお本実施形態では、スイッチング素子S1として、例えば電圧駆動型のMOS−FETを用いているが、スイッチング素子S1はMOS−FETに限定されるものではなく他のものでもよい。また整流素子についてもダイオードD1に限定されるものではなく、他のものでもよい。
【0021】
第1のインダクタL1の他端(第1のコンデンサC1との接続側と反対側)には入力端子T1が接続され、この入力端子T1には直流電源(例えば12Vのバッテリなど)1の正極側(プラス側)が接続されている。スイッチング素子S1の他端(第2のコンデンサC2との接続側)には入力端子T2が接続され、この入力端子T2には直流電源1の負極側(マイナス側)が接続されている。
【0022】
第2のインダクタL2の他端(第1のコンデンサC1との接続側と反対側)には出力端子T3が接続され、この出力端子T3には負荷3の一端が接続されている。ダイオードD1のカソードには出力端子T4が接続され、この出力端子T4には負荷3の他端が接続されている。なお図1(b)に示す例では、電源装置2の出力端間に平滑用の第3のコンデンサC3が接続されている。
【0023】
制御回路20は、例えば回路部品小型化の観点から周波数が数100kHzの駆動信号をスイッチング素子S1に対して出力し、スイッチング素子S1を高周波でオン/オフさせる。具体的には、周波数固定のPWM制御(スイッチング素子S1のオンデューティを可変)によりスイッチング素子S1のオン/オフ動作を制御する。さらに説明すると、図示は省略しているが、電源装置2への入力電流や入力電圧を検出し、これらの値が所定値となるようにスイッチング素子S1のオン/オフ動作を制御したり、また電源装置2からの出力電流や出力電圧を検出し、これらの値が所定値となるようにスイッチング素子S1のオン/オフ動作を制御することで所望の出力が得られる。なお、制御回路20については従来周知の構成を採用しており、ここでは詳細な説明を省略する。
【0024】
図2(a)(b)は電源装置2の動作を説明する説明図であり、図2(a)はスイッチング素子S1がオンのときを示し、図2(b)はスイッチング素子S1がオフのときを示している。なお図2(a)(b)中の+記号は、第1〜第3のコンデンサC1〜C3に発生する電圧の極性を示している。また図2(a)(b)中のVinは電源装置2への入力電圧、Voutは電源装置2からの出力電圧をそれぞれ示し、I1は第1のインダクタL1に流れる電流、I2は第2のインダクタL2に流れる電流をそれぞれ示している。また図3(a)〜(g)は電源装置2の動作を説明する波形図であり、以下、電源装置2の動作について図2(a)(b)及び図3(a)〜(g)を参照しながら説明する。
【0025】
時刻t0のときに、制御回路20がスイッチング素子S1をオンにすると、第1のインダクタL1に流れる電流I1は時間の経過とともに上昇し、第1のインダクタL1にエネルギーが蓄積される。またこのとき、時刻t0より前のオフ期間において第1及び第2のコンデンサC1,C2に蓄積されたエネルギーがスイッチング素子S1を介して負荷3に供給される。さらにこのとき、第2のインダクタL2に流れる電流I2が時間の経過とともに上昇し、第2のインダクタL2にエネルギーが蓄積され、これにより第1のコンデンサC1の電圧Va−Vb及び第2のコンデンサC2の電圧Vcは低下する。
【0026】
また時刻t1のときに、制御回路20がスイッチング素子S1をオフにすると、第1のインダクタL1に蓄積されたエネルギーがダイオードD1を介して第1及び第2のコンデンサC1,C2に蓄積される。その結果、第1のコンデンサC1の電圧Va−Vb及び第2のコンデンサC2の電圧Vcが上昇し、電流I1は時間の経過とともに減少する。またこのとき、第2のインダクタL2に蓄積されたエネルギーがダイオードD1を介して負荷3に供給され、時間の経過とともに電流I2が減少する。そして時刻t2以降においても、スイッチング素子S1のオン/オフ動作を同様に繰り返すことで、同様の動作を経て負荷3に電力が供給される。
【0027】
ここで、第1及び第2のコンデンサC1,C2の静電容量が同じ場合には、エネルギーの観点から第1及び第2のコンデンサC1,C2に発生する電圧は同じであり、図3(a)〜(g)はそのときの波形を示したものである。つまり、第1のコンデンサC1の電圧Va−Vbと、第2のコンデンサC2の電圧Vcは同様の波形となる(図3(e)及び図3(f)参照)。また本実施形態の回路では、その構成及び動作から最終的な出力電圧Voutは負になり(図3(g)参照)、第1及び第2のコンデンサC1,C2の電圧Va−Vb,Vcを加えた値は、入力電圧Vinと出力電圧Voutの絶対値とを加えた値と略同じになる。
【0028】
なお上記の説明では、電源装置2の基本動作を分かり易く説明するために、第1及び第2のインダクタL1,L2に流れる電流I1,I2がゼロになることなく連続して流れるモード(電流連続モード)を例に説明した。また出力電圧Voutについても、第3のコンデンサC3により完全に平滑された値として示した。しかしながら、実際には第1及び第2のコンデンサC1,C2や第1及び第2のインダクタL1,L2の定数やスイッチング素子S1の駆動周波数、或いは負荷3のインピーダンスなどによって、電流I1,I2の脈動が増えたり、よりフラットになったりするが、基本的な動作は上述の通りである。
【0029】
次に、電源装置2の出力端子T3又はT4に地絡又は天絡が生じた場合の動作について、図4及び図5を参照しながら説明する。
【0030】
図4は出力端子T4に地絡が生じた場合の動作波形図である。この場合、地絡によって出力端子T4の電位が直流電源1のグランド(負極)に固定されるため、第2のコンデンサC2の電圧Vcは結果的にゼロとなる一方(図4(c)参照)、第1のコンデンサC1の電圧Va−Vbはその分上昇する(図4(b)参照)。
【0031】
また図5は出力端子T3に地絡が生じた場合の動作波形図である。この場合、地絡によって出力端子T3の電位が直流電源1のグランド(負極)に固定されるため、第2のコンデンサC2の電圧Vcは結果的に出力電圧Voutにより決まる電位となり、第1のコンデンサC1の電圧Va−Vbはその影響により入力電圧Vinと同等の電圧となる。
【0032】
さらに、出力端子T4に天絡が生じた場合については図示を省略しているが、同様に天絡によって出力端子T4の電位が直流電源1の正電位に固定される。また、出力端子T3に天絡が生じた場合についても図示を省略しているが、同様に天絡によって出力端子T3の電位が直流電源1の正電位に固定される。
【0033】
ここにおいて、上述の何れの場合においても、必要があればスイッチング素子S1のオン/オフ動作を制御することにより、継続して負荷3に電力を供給することができる。
【0034】
而して本実施形態によれば、第1及び第2のインダクタL1,L2と第1及び第2のコンデンサC1,C2とで入力側と出力側とを直流的に遮断する回路を構成しており、従来例のようにトランスを用いなくてもいいので、その分コストを抑えることができる。また本実施形態では、第1及び第2のコンデンサC1,C2により入力側と出力側を直流的に遮断しているので、例えば出力側で地絡や天絡が生じても入力側に影響を与えることなく、安全性を高めた電源装置2を提供することができる。さらに本実施形態では、入力側の第1のインダクタL1と出力側の第2のインダクタL2とが直列に接続されているため、入力側及び出力側の電流、電圧リップルを低く抑えることができる。また本実施形態によれば、直流電源1の電圧を負荷3に適した電圧に昇圧又は降圧することができる。
【0035】
なお本実施形態では、第1及び第2のコンデンサC1,C2の静電容量が同じ場合を例に説明したが、第1及び第2のコンデンサC1,C2の静電容量を異ならせることによって、エネルギーの観点から第1及び第2のコンデンサC1,C2に生じる電圧の分担を変化させることが可能である。例えば、出力端子T4に発生する電位をできる限りグランドレベルに近づけたい場合には、第2のコンデンサC2の静電容量を第1のコンデンサC1の静電容量よりも大きくすることで可能になる。つまり、第1のコンデンサC1と第2のコンデンサC2の容量比に応じて第2のコンデンサC2の電圧Vcを低く設定することが可能になる。また、第1及び第2のコンデンサC1,C2の静電容量を異ならせることは、出力電圧の範囲を所定の範囲に設定したい場合などに有効である。さらに、制御回路20によるスイッチング素子S1の制御方法についてはPWM制御に限定されるものではなく、他の方法(例えば周波数制御など)を用いてもよい。
【0036】
(実施形態2)
電源装置2の実施形態2を図6及び図7に基づいて説明する。
【0037】
図6は本実施形態の電源装置2の概略回路図であり、この電源装置2は、第1及び第2のインダクタL1,L2と第1のコンデンサC1とで構成された直列回路と、スイッチング素子S1と、ダイオード(整流素子)D1と、第2のコンデンサC2と、第3のコンデンサC3と、第2のコンデンサC2に並列に接続された第1の抵抗R1とを備える。第2のコンデンサC2と並列に第1の抵抗R1を接続することで、第2のコンデンサC2の電圧Vcを、第1の抵抗R1の抵抗値に応じた値に設定することができる。
【0038】
図7は、第1の抵抗R1の抵抗値を比較的小さく設定した場合(例えば100Ω以下)の動作波形図である。この場合、第2のコンデンサC2の電圧Vcは略ゼロとなり(図7(c)参照)、第1のコンデンサC1の電圧Va−Vbは、上述の実施形態1で述べたようにその分上昇する(図7(b)参照)。このように、出力端子T4の電位を意図的にグランドレベルまで低下させたい場合には、第1の抵抗R1の抵抗値を比較的低く設定することで可能になる。また、検出したい異常状態(例えば地絡や天絡など)に応じて第1の抵抗R1の抵抗値を適宜選択することで、上記異常状態を検出することも可能である。
【0039】
逆に、第1の抵抗R1の抵抗値を比較的大きく設定した場合(例えば1kΩ)には、第2のコンデンサC2の電圧Vcは数V程度を中心として脈動する電圧となる。
【0040】
なお本実施形態において、第2のコンデンサC2の静電容量を第1のコンデンサC1の静電容量よりも大きくすることで、第2のコンデンサC2の電圧Vcのリップルを低減することができ、上記リップルも含めてゼロに近い電圧を得たい場合に有効である。
【0041】
(実施形態3)
電源装置2の実施形態3を図8に基づいて説明する。
【0042】
図8は本実施形態の電源装置2の概略回路図であり、この電源装置2は、第1及び第2のインダクタL1,L2と第1のコンデンサC1とで構成された直列回路と、スイッチング素子S1と、ダイオード(整流素子)D1と、第2のコンデンサC2とを備える。また電源装置2は、平滑用の第3及び第4のコンデンサC3,C4と、第2のコンデンサC2に並列に接続された第1の抵抗R1と、第2のコンデンサC2と出力端子T4との間に接続された第2の抵抗R2と、制御回路20とを備える。ここに本実施形態では、負荷3は光源負荷であり、電源装置2は光源負荷3に点灯電力を供給する点灯装置である。
【0043】
光源負荷3は、例えば直列接続された複数(図8では2個)のLEDモジュール30,31で構成され、各LEDモジュール30,31は、それぞれ直列接続された4個のLEDチップ(半導体発光素子)で構成されている。
【0044】
以下、制御回路20の構成について詳述する。制御回路20は、オペアンプ20a、コンデンサC13及び抵抗R13,R14で構成された第1の反転増幅回路と、オペアンプ20b、コンデンサC12及び抵抗R12で構成された第1の誤差演算回路とを備える。また制御回路20は、第1の誤差演算回路の出力をオスシレータ(高周波発振回路)20kの高周波基準発振信号と比較することで、第1の反転増幅回路からの出力値が基準電圧Vref2と等しくなるようにスイッチング素子S1の駆動信号のデューティを決定するコンパレータ20eを備える。第1の反転増幅回路のオペアンプ20aの反転入力には、電源装置2の出力電流を検出するために設けられた第2の抵抗R2が接続されており、上記出力電流が所定の定電流となるようにフィードバック制御を実現している。
【0045】
次に、本実施形態の制御回路20の第1の特徴部分について説明する。制御回路20は、第2のコンデンサC2の電圧Vcが抵抗R11及びコンデンサC11からなるRCフィルタを経て反転入力に入力されるコンパレータ20dを備え、上記電圧Vcを基準電圧Vref1と比較することで、出力端子T3,T4に発生した地絡や天絡などの異常を検出することができる。そして地絡や天絡が検出されると、コンパレータ20dの出力がHiからLoに変化し、その結果、AND回路20qの出力がLoになり、このLo信号によりスイッチング素子S1がオフにされてスイッチング動作が停止する。ここに本実施形態では、基準電圧Vref1が第1の基準値である。なお、コンパレータ20dの反転入力とグランドとの間に挿入されたツェナーダイオードZ11は、異常の発生するモードによってはコンパレータ20dの反転入力に印加される電圧が過大になる場合もあるため、コンパレータ20dを保護するために設けられたものである。
【0046】
ここで、出力端子T3,T4に地絡又は天絡が生じた場合の動作について説明する。まず、出力端子T3に地絡が生じた場合には、出力端子T3の電位が直流電源1のグランド(負極)に固定されるため、第3のコンデンサC3の両端間電圧Vc(第2のコンデンサC2の電圧)は大きく上昇する。地絡、天絡時の電圧Vcはコンパレータ20dの基準電圧Vref1よりも大きいため、コンパレータ20dからはLo信号が出力され、このLo信号によりスイッチング素子S1がオフにされてスイッチング動作が停止する。また出力端子T3に天絡が生じた場合には、出力端子T3の電位が直流電源1の正電位に固定され、それに加えて第3のコンデンサC3の両端間電圧Vcの電位が上昇するため、上述と同様にコンパレータ20dからはLo信号が出力され、このLo信号によりスイッチング素子S1がオフにされてスイッチング動作が停止する。
【0047】
さらに出力端子T4に天絡が生じた場合には、出力端子T4の電位が直流電源1の正電位に固定され、それに伴って第3のコンデンサC3の両端間電圧Vcの電位も大きく上昇するため、上述と同様にコンパレータ20dからはLo信号が出力され、このLo信号によりスイッチング素子S1がオフにされてスイッチング動作が停止する。また出力端子T4に地絡が生じた場合には、実質的に第1の抵抗R1と第2の抵抗R2とが並列に接続された構成となり、第3のコンデンサC3に発生した電圧によって、第1及び第2の抵抗R1,R2の並列回路を介して光源負荷3に地絡電流が流れる。これにより、第2のコンデンサC2と抵抗R2の接続点cには第1及び第2の抵抗R1,R2の合成抵抗と流れる電流に応じた電圧が発生する。この場合、第1及び第2の抵抗R1,R2の各抵抗値と基準電圧Vref1の値を適切に設定することで、上述と同様に異常(地絡)を検出することができる。
【0048】
次に、本実施形態の制御回路20の第2の特徴部分について説明する。制御回路20は、第1の反転増幅回路の出力が反転入力に入力されるコンパレータ20fと、タイマ20mとを備え、コンパレータ20fからは基準電圧Vref3との比較結果に応じた信号が出力される。例えば、第1の反転増幅回路の出力電圧(つまり電源装置2の出力電流に対応する値)が基準電圧Vref3よりも低い場合にはコンパレータ20fはHi信号をタイマ20mに出力する。タイマ20mでは、コンパレータ20fからの入力信号が所定時間(例えば100ms)継続してHiであった場合には出力信号をLoからHiに変化させる。
【0049】
タイマ20mの出力信号はNOR回路20rに入力され、このNOR回路20rへの入力信号がHiである場合には、NOR回路20rからはLo信号が出力され、このLo信号によりスイッチング素子S1がオフにされてスイッチング動作が停止する。ここに本実施形態では、基準電圧Vref3が第2の基準値である。なおタイマ20mのラッチ状態は、例えば電源装置2への電源入力を一旦オフにすることでキャンセルされる(電源リセット)。
【0050】
ここで、出力端子T3,T4に地絡や天絡が生じた場合には、第2の抵抗R2と出力端子T4の接続点dの電圧Vdはゼロ又はゼロより高い値(通常時は負の電位となる)になるため、出力電流の検出値はゼロとなる。その結果、コンパレータ20fからはHi信号が出力されるため、このHi信号が所定時間継続して出力された場合にはスイッチング素子S1がオフにされてスイッチング動作が停止する。ここにおいて、タイマ20mはノイズの影響を防止するために設けたものであり、タイマ20mの設定時間は想定されるノイズに応じて適宜設定される。
【0051】
続けて、制御回路20を構成する別の回路について説明する。制御回路20は、オペアンプ20c、コンデンサC14及び抵抗R16,R17で構成された第2の反転増幅回路と、第2の反転増幅回路の出力が反転入力に入力されるコンパレータ20g,20jと、第2の反転増幅回路の出力が非反転入力に入力されるコンパレータ20hと、タイマ20n,20pとを備える。第2の反転増幅回路のオペアンプ20cの反転入力には出力端子T3の電位(通常は負の電位)が入力され、反転増幅して各コンパレータ20g,20h,20jに出力する。
【0052】
コンパレータ20jでは、第2の反転増幅回路からの出力電圧を基準電圧Vref6と比較し、その比較結果に応じた信号をAND回路20qに出力する。このコンパレータ20jは、例えば電源装置(点灯装置)2の出力部分に光源負荷3が接続されていない無負荷、開放状態では、出力電圧が異常に高くなることから、この異常電圧により回路が破壊されないように設けられたものである。つまり、上記の出力電圧が基準電圧Vref6よりも大きくなった場合には、コンパレータ20jがAND回路20qにLo信号を出力してスイッチング素子S1をオフにし、スイッチング動作を停止させる。なお、この回路は光源負荷3自体がオープン故障した場合にも有効である。
【0053】
またコンパレータ20hでは、第2の反転増幅回路からの出力電圧を基準電圧Vref5と比較し、その比較結果に応じた信号をタイマ20pに出力する。タイマ20pでは、コンパレータ20hからの信号が所定時間(例えば100ms)継続してHiであった場合には、出力をLoからHiにしてNOR回路20rに出力する。このとき、NOR回路20rからはLo信号が出力されるため、スイッチング素子S1はオフになる。つまり、出力開放などにより出力電圧が高い状態が継続して発生した場合には、本回路によってスイッチング素子S1を完全に停止させることができる。
【0054】
さらにコンパレータ20gでは、第2の反転増幅回路からの出力電圧を基準電圧Vref4と比較し、その比較結果に応じた信号をタイマ20nに出力する。この回路では上記の出力電圧は反転入力に入力されているため、上記の出力電圧が基準電圧Vref4を下回ることでコンパレータ20gからはHi信号が出力される。タイマ20nでは、コンパレータ20gからの信号が所定時間(例えば100ms)継続してHiであった場合には、出力をLoからHiにしてNOR回路20rに出力する。以下同様にして、スイッチング素子S1がオフにされてスイッチング動作が停止する。つまり、出力端子T3,T4間が短絡したり、光源負荷3が短絡した場合には出力電圧が低下した状態になるため、この出力電圧を検出することでスイッチング素子S1を完全に停止させることができる。
【0055】
而して本実施形態によれば、天絡や地絡が生じて第2のコンデンサC2とダイオードD1の接続点cの電位、つまり第2のコンデンサC2の電圧VcがVref1(第1の基準値)よりも大きくなった場合には、制御回路20によりスイッチング素子S1をオフにしてスイッチング動作を停止させるので、安全性を確保した電源装置2を提供することができる。また、本実施形態の電源装置2を用いることでコストを抑えた点灯装置を提供することができる。さらに、天絡や地絡が生じた場合には出力電流がVref3(第2の基準値)よりも低くなり、この状態が所定時間継続すると制御回路20によりスイッチング素子S1をオフにしてスイッチング動作を停止させるので、安全性を確保した電源装置2を提供することができる。
【0056】
(実施形態4)
電源装置2の実施形態4を図9に基づいて説明する。
【0057】
図9は本実施形態の電源装置2の概略回路図であり、上述の実施形態3と同様に光源負荷3に点灯電力を供給する点灯装置に本発明を適用した一例である。以下、実施形態3との相違点に着目し、制御回路20の構成について詳述する。なお、実施形態3と同様の構成については説明を省略する。
【0058】
制御回路20は、オペアンプ20a、コンデンサC13及び抵抗R13,R14,R15,R19で構成された第1の差動増幅回路と、オペアンプ20b、コンデンサC12及び抵抗R12で構成された第1の誤差演算回路とを備える。また制御回路20は、第1の誤差演算回路の出力をオスシレータ(高周波発振回路)20kの高周波基準発振信号と比較することで、第1の差動増幅回路からの出力が基準電圧Vref2と等しくなるようにスイッチング素子S1の駆動信号のデューティを決定するコンパレータ20eを備える。第1の差動増幅回路のオペアンプ20aの入力には、電源装置2の出力電流を検出するために設けられた第2の抵抗R2の両端が接続されており、上記出力電流が所定の定電流となるようにフィードバック制御を実現している。
【0059】
さらに制御回路20は、第2のコンデンサC2の電圧Vcが抵抗R11及びコンデンサC11からなるRCフィルタを経て反転入力に入力されるコンパレータ20dを備え、上記電圧Vcを基準電圧Vref1と比較することで、出力端子T3,T4に発生した地絡や天絡などの異常を検出することができる。そして地絡や天絡が検出されると、コンパレータ20dの出力がHiからLoに変化し、その結果、AND回路20tの出力がLo、それによりAND回路20qの出力がLoとなり、これによりスイッチング素子S1がオフにされてスイッチング動作が停止する。ここに本実施形態では、基準電圧Vref1が第1の基準値である。
【0060】
ここで本実施形態では、コンパレータ20dの出力部分に状態検出回路20sが設けられており、状態検出回路20sの出力はAND回路20tの入力に接続されている。状態検出回路20sは、入力がLoとなる状態が所定時間(例えば1ms)継続して発生した場合に出力をHiからLoに変化させる。具体的には、入力が所定時間連続してLoであった場合(所定時間Loを維持)や、或いは入力がHiからLoになる状態が所定時間繰り返し発生した場合(所定時間Hi/Lo繰り返し)に出力をHiからLoに変化させ、その状態が維持(ラッチ)される。
【0061】
本実施形態では、出力に天絡や地絡の異常が発生した場合には上記構成によって、より速やかに異常を検出し、スイッチング素子S1のスイッチング動作を停止することができる。また出力電流の検出に差動増幅回路を用いており、出力に異常が発生した場合でも電流検出抵抗R2に流れる電流の値を検出し、この検出値が基準電圧Vref2となるようにフィードバック制御によるスイッチング動作を行っているため、出力異常発生時において光源負荷3などへの過大な電流が発生するのを抑制することができる。さらに、抵抗R1,R2及び基準電圧Vref1の値を選択することで、出力端子T4が地絡した場合においても、地絡の影響を殆ど受けることなく出力電流を定電流に制御して動作を継続できるため、出力地絡時においても光源負荷3への出力供給を維持でき、可能な限り点灯状態を維持できる点灯装置を提供することができる。具体的には、抵抗R2の値を抵抗R1の値に対して小さく設定し(例えば、抵抗R1を4.7Ω、抵抗R2を0.22Ω)、且つ、抵抗R2の両端間に発生する電圧よりも高い値に基準電圧Vref1を設定すればよい。また本実施形態では、出力端子T3,T4がインピーダンス(例えば、数10Ω〜数100Ω)を有して地絡したような場合においても、スイッチング素子S1のスイッチング動作を確実に停止させたり、或いは影響を殆ど受けることなく出力電流を定電流に制御して動作を継続することができる。
【0062】
なお、上述の実施形態3,4では光源負荷3を構成するLEDモジュールが2個の場合を例に説明したが、LEDモジュールの個数は2個に限定されるものではなく、1個又は3個以上であってもよい。また、定電流制御の手法として誤差演算回路による比例積分制御を用いているが、定電流制御できるものであれば上記の手法に限定されるものではない。さらに、制御回路に関してはマイコンなどを用いて構成してもよく、フィードバック制御部をデジタル的に構成することもできる。また、定電流制御を行う点灯装置を例に説明したが、本発明の適用は定電圧制御を行う点灯装置であってもよく、上述の実施形態3,4に限定されない。
【0063】
(実施形態5)
上述の実施形態1〜4で説明した電源装置2を搭載した灯具の実施形態を図10に基づいて説明する。
【0064】
図10は本実施形態の車両用のヘッドライト(灯具)Aの断面図であり、このヘッドライトAは、光源負荷3と、レンズや反射板で構成され、光源負荷3の前方(図10中の左側)に配置された光学ユニット4と、光源負荷3に点灯電力を供給する電源装置(点灯装置)2とを主要な構成として備える。
【0065】
電源装置2と光源負荷3の間は出力線L2により電気的に接続されており、この出力線L2を介して光源負荷3に点灯電力が供給される。また、光源負荷3には放熱板5が取り付けられており、光源負荷3で発生した熱がこの放熱板5により外部に放熱される。さらに、光学ユニット4は光源負荷3から照射された光の配光を制御するためのものである。なお電源装置2は、車両側に設けられたバッテリー(図示せず)から電源線L1を介して電源が供給される。
【0066】
ここにおいて、上記の放熱板5は、固定やノイズ対策のために車両のバッテリーのグランド側、或いは電源装置2の筐体と接続されることがあるため、電源装置2の出力が地絡することは十分考えられる。このような場合においても、上述の実施形態1〜4で説明した電源装置2をヘッドライトAに搭載することによって、安全性を確保しつつコストを抑えたヘッドライト(灯具)Aを提供することができる。
【0067】
なお、灯具は本実施形態のヘッドライトAに限定されるものではなく、後述する車両Bの方向指示器や尾灯などであってもいいし、それ以外のものでもよい。
【0068】
(実施形態6)
ヘッドライトAを搭載した車両の実施形態を図11に基づいて説明する。
【0069】
図11は本実施形態の車両Bの外観斜視図であり、この車両Bには上述の実施形態5で説明した一対のヘッドライトA,Aが搭載されている。
【0070】
この場合、例えば配線の不備などにより配線切れや配線被覆の剥離などが生じ、電源装置2の出力(出力端子T3,T4)に地絡や天絡が発生しても、上述のようにスイッチング素子S1をオフにしてスイッチング動作を停止させることで、安全性を確保しつつコストを抑えた車両Bを提供することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 直流電源
2 電源装置
3 負荷
C1 第1のコンデンサ
C2 第2のコンデンサ
D1 ダイオード(整流素子)
L1 第1のインダクタ
L2 第2のインダクタ
S1 スイッチング素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のコンデンサ並びに前記第1のコンデンサの両端にそれぞれ接続された第1及び第2のインダクタからなる直列回路と、
前記第1のインダクタと前記第1のコンデンサの接続点に一端が接続されたスイッチング素子と、
前記第1のコンデンサと前記第2のインダクタの接続点にアノードが接続された整流素子と、
前記スイッチング素子の他端と前記整流素子のカソードとの間に接続された第2のコンデンサとを備え、
前記第1のインダクタの他端と前記スイッチング素子の他端との間には、前記第1のインダクタの他端側が正極側となるように直流電源が接続され、
前記第2のインダクタの他端と前記整流素子のカソードとの間には負荷が接続されることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記第2のコンデンサと並列に第1の抵抗が接続されたことを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
前記第2のコンデンサの静電容量が前記第1のコンデンサの静電容量よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2記載の電源装置。
【請求項4】
前記スイッチング素子のオン/オフ動作を制御する制御回路を備え、
前記制御回路は、前記第2のコンデンサと前記整流素子の接続点の電位が第1の基準値よりも高くなると、前記スイッチング素子のオン/オフ動作を停止させることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電源装置。
【請求項5】
前記スイッチング素子のオン/オフ動作を制御する制御回路と、
前記第2のコンデンサ及び前記整流素子の接続点と前記負荷との間に接続された第2の抵抗に印加される電位に基づいて出力電流を検出する出力電流検出回路とを備え、
前記制御回路は、前記出力電流検出回路の出力が所定値となるように前記スイッチング素子のオン/オフ動作を制御し、前記出力電流検出回路の出力が第2の基準値よりも低い状態が所定時間継続すると、前記スイッチング素子のオン/オフ動作を停止させることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の電源装置。
【請求項6】
前記スイッチング素子のオン/オフ動作を制御する制御回路と、
前記第2のコンデンサ及び前記整流素子の接続点と前記負荷との間に接続された第2の抵抗の両端間に発生する電位に基づいて出力電流を検出する出力電流検出回路とを備え、
前記制御回路は、前記出力電流検出回路の出力が所定値となるように前記スイッチング素子のオン/オフ動作を制御し、前記第2のコンデンサと前記整流素子の接続点の電位が前記第1の基準値よりも高い状態が所定時間継続すると、前記スイッチング素子のオン/オフ動作を停止させることを特徴とする請求項4記載の電源装置。
【請求項7】
前記負荷が半導体発光素子で構成された光源負荷であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の電源装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1項に記載の電源装置が搭載されていることを特徴とする灯具。
【請求項9】
請求項8記載の灯具が搭載されていることを特徴とする車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−9576(P2013−9576A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225084(P2011−225084)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】