説明

電源装置及び照明器具

【課題】
安定した調光制御を得られるとともに、電力損失も低減できる電源装置及び照明器具を提供する。
【解決手段】
実施形態の電源装置は、直流出力を生成する直流出力生成手段と;前記直流出力生成手段より生成される直流出力が供給される半導体発光素子と;所定の増幅度を有する増幅手段を備えるとともに、前記半導体発光素子に流れる電流を検出する電流検出手段と;前記増幅手段を介して検出される検出信号に応じて前記直流出力生成手段を制御する制御手段と;を持つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば発光ダイオードなどの半導体発光素子の駆動に最適な電源装置及び照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、発光ダイオードなどの半導体発光素子の電源として、スイッチング手段を用いた直流の電源装置が多く用いられている。
【0003】
そして、この種の電源装置として、特許文献1に開示されるように負荷に流れる負荷電流を検出し、この検出信号に基づいて制御回路によりスイッチング素子をオンオフさせて負荷に対する出力を制御するようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−313423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、かかる特許文献1のものは、例えば負荷として発光ダイオードを用い、この発光ダイオードの光量を任意に調整可能する調光機能を持たせるようにした場合、発光ダイオードを流れる電流を検出する電流検出部が一つしかないため、電流検出部の検出信号により発光ダイオードを深い調光、つまり限りなく低いレベルまで調光を行おうとすると、発光ダイオードに流れる電流が小さく検出信号が極めて小さくなる。このため、このときの検出信号を認識できないことがあり調光制御ができなくなるという問題を生じる。そこで、電流検出部のインピーダンスを大きくして、発光ダイオードに流れる電流が小さくなっても信号レベルの高い検出信号を得られるようにすることで深い調光を可能にすることが考えられる。しかし、このようにすると、発光ダイオードを全光時を含め調光深度の浅い調光を行う場合、インピーダンスの大きな電流検出部に大きな電流が流れ続けるため、電流検出部での電力損失が大きくなるという問題を生じる。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、安定した調光制御を得られるとともに、電力損失も低減できる電源装置及び照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、直流出力を生成する直流出力生成手段と;前記直流出力生成手段より生成される直流出力が供給される半導体発光素子と;所定の増幅度を有する増幅手段を備えるとともに、前記半導体発光素子に流れる電流を検出する電流検出手段と;前記増幅手段を介して検出される検出信号に応じて前記直流出力生成手段を制御する制御手段と;を具備したことを特徴とする電源装置である。
【0008】
請求項2記載の発明は、直流出力を生成する直流出力生成手段と;前記直流出力生成手段より生成される直流出力が供給される半導体発光素子と;調光信号の調光深度に応じて増幅度を可変可能にした増幅手段を有するとともに、前記半導体発光素子に流れる電流を検出する電流検出手段と;前記調光信号の調光深度に応じて前記電流検出手段の増幅手段の増幅度を設定し、前記増幅手段を介して検出される検出信号に応じて前記直流出力生成手段を制御する制御手段と;を具備したことを特徴とする電源装置である。
【0009】
請求項3記載の発明は請求項1または2記載の電源装置と;前記電源装置を有する器具本体と:を具備したことを特徴とする照明器具である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、調光深度の深い領域で半導体発光素子に流れる電流が小さな場合も、確実に認識できるレベルまで補正した検出信号を取得できるので、例えば低いレベルまで調光を行う場合も安定した制御を行うことができる。
【0011】
さらに、本発明によれば、安定した調光制御を得られるとともに、電力損失も低減できる照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる電源装置が適用される照明器具を示す斜視図。
【図2】第1の実施の形態にかかる電源装置が適用される照明器具の断面図。
【図3】第1の実施の形態にかかる電源装置の概略構成を示す図。
【図4】本発明の第2の実施の形態にかかる電源装置の概略構成を示す図。
【図5】本発明の第3の実施の形態にかかる電源装置の概略構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
【0014】
(第1の実施の形態)まず、本発明の電源装置が適用される照明器具について簡単に説明する。図1及び図2において、1は器具本体で、この器具本体1は、アルミニウムのダイカスト製のもので、両端を開口した円筒状をしている。この器具本体1は、内部を仕切り部材1a、1bにより上下方向に3分割され、下方開口と仕切り部材1aの間の空間は、光源部2に形成されている。この光源部2には、半導体発光素子としての複数のLED2aと反射体2bが設けられている。複数のLED2aは、仕切り部材1a下面に設けられた円盤状の配線基板2cの円周方向に沿って等間隔に配置され実装されている。
【0015】
器具本体1の仕切り部材1aと1bの間の空間は電源室3に形成されている。この電源室3は、仕切り部材1a上部に配線基板3aが配置されている。この配線基板3aには、前記複数のLED2aを駆動するための本発明の電源装置を構成する各電子部品が設けられている。この直流電源装置と複数のLED2aは、リード線4により接続されている。
【0016】
器具本体1の仕切り板1bと上方開口の間の空間は、電源端子室5に形成されている。この電源端子室5は、仕切り板1bに電源端子台6が設けられている。この電源端子台6は、電源室3の電源装置に商用電源の交流電力を供給するための端子台で、電絶縁性の合成樹脂で構成されたボックス6aの両面に電源ケーブル用端子部となる差込口6b、送りケーブル用端子部となる差込口6c及び電源線及び送り線を切り離すリリースボタン6dなどを有している。
【0017】
図3は、このように構成された照明器具の電源室3に組み込まれる本発明の電源装置の概略構成を示している。
【0018】
図3において、11は交流電源で、この交流電源11は、不図示の商用電源からなっている。この交流電源11には、全波整流回路12の入力端子が接続されている。全波整流回路12は、交流電源11からの交流電力を全波整流した出力を発生する。
【0019】
全波整流回路12の正負極の出力端子間には、リップル電流平滑用コンデンサ13が接続されている。また、このリップル電流平滑用コンデンサ13の両端には、フライバックトランスであるスイッチングトランス14の一次巻線14aとスイッチング手段として、例えばNチャンネルMOS−FETなどのスイッチングトランジスタ15の直列回路が接続されている。スイッチングトランス14は、一次巻線14aと磁気的結合された二次巻線14bを有している。
【0020】
スイッチングトランス14の二次巻線14bには、整流平滑手段として図示極性のダイオード16と平滑コンデンサ17からなる整流平滑回路18が接続されている。この整流平滑回路18は、スイッチングトランジスタ15、スイッチングトランス14とともに直流出力生成手段を構成し、スイッチングトランス14の二次巻線14bより発生する交流出力をダイオード16で整流し、この整流出力を平滑コンデンサ17により平滑して直流出力として発生する。
【0021】
整流平滑回路18の平滑コンデンサ17両端には、負荷として、半導体発光素子である発光ダイオード19(図2で述べたLED2aに相当する。)が接続されている。
【0022】
発光ダイオード19には、第1の電流検出手段として高電流検出部20が直列に接続されている。この高電流検出部20は、インピーダンスの低いインピーダンス素子、例えば抵抗201を有し、全光を含む調光深度の浅い領域(例えば、発光ダイオード19の光量を定格の50〜100%の範囲で調光する領域)で電力損失を低減できるようにしている。また、高電流検出部20には、第2の電流検出手段として低電流検出部21が並列に接続されている。この低電流検出部21は、例えばNチャンネルMOS−FETなどのスイッチングトランジスタ211とインピーダンスの高いインピーダンス素子、例えば抵抗212の直列回路を有し、調光深度の深い領域(例えば、発光ダイオード19の光量を定格の0〜50%の範囲で調光する領域)で確実に検出信号を得られるようにしている。スイッチングトランジスタ211には、制御回路26が接続されている。制御回路26については後述する。
【0023】
高電流検出部20の抵抗201と発光ダイオード19との接続点には、第1の比較手段である比較器22の一方入力端子が接続され、低電流検出部21のスイッチングトランジスタ211と抵抗212の接続点には、第2の比較手段である比較器23の一方入力端子が接続されている。これら比較器22、23のそれぞれの他方入力端子には、制御回路26が接続されている。また、比較器22、23の出力端子は、図示極性のダイオード24、25を各別に介して制御回路26に接続されている。
【0024】
制御回路26は、装置全体を制御するもので、調光手段として調光操作部27が接続されている。また、制御回路26は、切換え制御部261及び基準信号設定部262を有している。調光操作部27は、発光ダイオード19の光量を調整するための調光信号を制御回路26に入力する。切換え制御部261は、調光操作部27の調光信号による調光の深さ(調光深度)に応じてスイッチングトランジスタ211のオンオフを制御する。この場合、切換え制御部261は、調光信号の調光深度が全光を含む浅い領域では、スイッチングトランジスタ211をオフに制御し、調光深度が深い領域では、スイッチングトランジスタ211をオンに制御する。基準信号設定部262は、比較器22、23のそれぞれの他方入力端子に対し基準信号Vrefを設定する。この場合、基準信号設定部262は、調光操作部27の調光信号の調光深度に応じた大きさの基準信号Vrefを出力する。
【0025】
そして、制御回路26は、比較器22(又は比較器23)の出力に応じてスイッチングトランジスタ15のオンオフを制御しスイッチングトランス14をスイッチング駆動して発光ダイオード19に供給される出力を制御する。
【0026】
次に、このように構成した実施の形態の作用を説明する。
【0027】
まず、調光操作部27の調光信号により全光を含む調光深度の浅い領域、例えば、発光ダイオード19の光量を定格の50〜100%の範囲で調光するような場合、制御回路26は、切換え制御部261によりスイッチングトランジスタ211をオフ制御し、低電流検出部21を回路から切り離し高電流検出部20を選択する。また、制御回路26は、基準信号設定部262により調光操作部27の調光信号の調光深度に応じた基準信号Vrefを比較器22の他方入力端子に入力する。
【0028】
この状態で、交流電源11の交流電力が全波整流回路12で全波整流され、リップル電流平滑用コンデンサ13を介してスイッチングトランス14及びスイッチングトランジスタ15に供給される。
【0029】
そして、制御回路26によるスイッチングトランジスタ15のオンオフによりスイッチングトランス14がスイッチング駆動される。この場合、スイッチングトランジスタ15のオンでスイッチングトランス14の一次巻線14aに電流を流してエネルギーを蓄積し、スイッチングトランジスタ15のオフで、一次巻線14aに蓄積したエネルギーを二次巻線14bを通して放出する。これにより整流平滑回路18を介して直流出力が発生し、この直流出力により発光ダイオード19が点灯される。
【0030】
発光ダイオード19に流れる電流(高電流)は、高電流検出部20の抵抗器201により検出され、この検出電流に応じた高電流検出信号が比較器22の一方入力端子に入力される。この状態で、比較器22は、他方入力端子に入力される調光深度に応じた基準信号Vrefと高電流検出部20の高電流検出信号とを比較し、この結果に応じた出力を、ダイオード24を介して出力する。これにより、制御回路26は、比較器22の出力に基づいてスイッチングトランジスタ15のオンオフ動作を制御し、発光ダイオード9に流れる電流を一定に制御する。この場合、調光操作部27の調光信号により、調光深度に応じた基準信号Vrefを基準信号設定部262で設定することにより、発光ダイオード19の光量を定格の50〜100%の範囲で調光することができる。
【0031】
次に、調光操作部27の調光信号により調光深度の深い領域、例えば、発光ダイオード19の光量を定格の0〜50%の範囲で調光するような場合、制御回路26は、切換え制御部261によりスイッチングトランジスタ211をオン制御し、低電流検出部21を選択する。また、制御回路26は、基準信号設定部262により調光操作部27の調光信号の調光深度に応じた基準信号Vrefを比較器22の他方入力端子に入力する。
【0032】
この状態で、制御回路26によるスイッチングトランジスタ15のオンオフによりスイッチングトランス14がスイッチング駆動される。この場合、スイッチングトランジスタ15のオンでスイッチングトランス14の一次巻線14aに電流を流してエネルギーを蓄積し、スイッチングトランジスタ15のオフで、一次巻線14aに蓄積したエネルギーを二次巻線14bを通して放出する。これにより整流平滑回路18を介して直流出力が発生し、この直流出力により発光ダイオード19が点灯される。
【0033】
発光ダイオード19に流れる電流(低電流)は、今度は低電流検出部21の抵抗器212により検出され、この検出電流に応じた低電流検出信号が比較器23の一方入力端子に入力される。この状態で、比較器23は、他方入力端子に入力される調光深度に応じた基準信号Vrefと低電流検出部21の低電流検出信号とを比較し、この結果に応じた出力を、ダイオード25を介して出力する。これにより、制御回路26は、比較器23の出力に基づいてスイッチングトランジスタ15のオンオフ動作を制御し、発光ダイオード9に流れる電流を一定に制御する。この場合、調光操作部27の調光信号により、調光深度に応じた基準信号Vrefを基準信号設定部262で設定することにより、発光ダイオード19の光量を定格の0〜50%の範囲で調光することができる。
【0034】
したがって、このようにすれば、調光深度の浅い領域で発光ダイオード19に流れる電流を検出するインピーダンスの低い高電流検出部20と、調光深度の深い領域で発光ダイオード19に流れる電流を検出するインピーダンスの高い低電流検出部21をそれぞれ設け、調光信号の調光深度に応じて高電流検出部20及び低電流検出部21を選択し、これら高電流検出部20及び低電流検出部21での検出信号に基づいて発光ダイオード19に流れる電流を一定に制御するようにした。これにより、調光深度の浅い領域で発光ダイオード19に流れる電流が大きな場合は、インピーダンスの低い高電流検出部20により高電流検出信号を検出するようになるので、高電流検出部20での電力損失を低減することができる。
【0035】
また、調光深度の深い領域で発光ダイオード19に流れる電流が小さな場合は、インピーダンスの高い低電流検出部201により低電流検出信号を確実に検出できるレベルに設定して検出するようになるので、例えば限りなく低いレベルまで調光を行う場合も確実に低電流検出信号を取得でき、調光深度の深い領域でも安定して調光を行うことができる。
【0036】
さらに、調光信号の調光深度に応じた基準信号と、調光深度に応じて選択された高電流検出部20又は低電流検出部21の検出信号の比較結果により、制御回路26はスイッチングトランジスタ15のオンオフ動作を制御し、発光ダイオード9に流れる電流を一定に制御するようにしたので、きめ細かなで安定した調光を実現できる。
【0037】
(第2の実施の形態)次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0038】
図4は、本発明の第2の実施の形態にかかる電源装置の概略構成を示すもので、図3と同一部分には同符号を付して説明する。
【0039】
この場合、高電流検出部20には、第1の実施の形態で述べた低電流検出部21に代えて、低電流検出部31が並列に接続されている。この低電流検出部31は、スイッチング素子として例えばNチャンネルMOS−FETなどのスイッチングトランジスタ311の他、オペアンプ312と抵抗313,314より構成される増幅手段を有している。
【0040】
ここで、スイッチングトランジスタ311のドレインには、発光ダイオード19と抵抗201の接続点が接続され、ソースには、オペアンプ312の反転側入力端子が接続され、さらにゲートには、制御回路26が接続されている。この場合、スイッチングトランジスタ311は、第1の実施の形態でも述べたように、制御部26の切換え制御部261により調光信号の調光深度が全光を含む浅い領域ではオフ制御され、調光深度が深い領域ではオン制御される。また、オペアンプ312の非反転側入力端子には、抵抗313を介して抵抗201と平滑コンデンサ17の接続点が接続されるとともに、抵抗314を介してオペアンプ312の出力端子が接続され、さらに、この出力端子には、比較器23の一方入力端子が接続されている。この場合、オペアンプ312は、抵抗313の抵抗値をR1、抵抗314の抵抗値をR2としたとき、R2/R1に応じた増幅度Aを有し、調光深度が深い領域でスイッチングトランジスタ311がオンした状態で、発光ダイオード19に流れる電流(低電流)のレベルを増幅度Aで増幅し低電流検出信号として比較器23に出力する。
その他は、図3と同様である。
【0041】
このような構成において、まず、調光操作部27の調光信号により全光を含む調光深度の浅い領域、例えば、発光ダイオード19の光量を定格の50〜100%の範囲で調光するような場合、制御回路26は、切換え制御部261によりスイッチングトランジスタ311をオフ制御し、低電流検出部31を回路から切り離し高電流検出部20を選択する。また、制御回路26は、基準信号設定部262により調光操作部27の調光信号の調光深度に応じた基準信号Vrefを比較器22の他方入力端子に入力する。
【0042】
この状態で、発光ダイオード19に流れる電流は、高電流検出部20の抵抗器201により検出され、この検出電流に応じた高電流検出信号が比較器22の一方入力端子に入力される。この状態で、比較器22は、他方入力端子に入力される調光深度に応じた基準信号Vrefと高電流検出部20の高電流検出信号とを比較し、この結果に応じた出力を、ダイオード24を介して出力する。これにより、制御回路26は、比較器22の出力に基づいてスイッチングトランジスタ15のオンオフ動作を制御し、発光ダイオード9に流れる電流を一定に制御する。この場合、調光操作部27の調光信号により、調光深度に応じた基準信号Vrefを基準信号設定部262で設定することにより、発光ダイオード19の光量を定格の50〜100%の範囲で調光することができる。
【0043】
次に、調光操作部27の調光信号により調光深度の深い領域、例えば、発光ダイオード19の光量を定格の0〜50%の範囲で調光するような場合、制御回路26は、切換え制御部261によりスイッチングトランジスタ311をオン制御し、低電流検出部31を選択する。また、制御回路26は、基準信号設定部262により調光操作部27の調光信号の調光深度に応じた基準信号Vrefを比較器22の他方入力端子に入力する。
【0044】
この状態で、発光ダイオード19に流れる電流(低電流)は、低電流検出部31のオペアンプ312に入力される。オペアンプ312は、発光ダイオード19に流れる電流のレベルを増幅度Aで増幅し低電流検出信号として比較器23の一方入力端子に入力する。この状態で、比較器23は、他方入力端子に入力される調光深度に応じた基準信号Vrefとオペアンプ312からの低電流検出信号とを比較し、この結果に応じた出力を、ダイオード25を介して出力する。これにより、制御回路26は、比較器23の出力に基づいてスイッチングトランジスタ15のオンオフ動作を制御し、発光ダイオード9に流れる電流を一定に制御する。この場合、調光操作部27の調光信号により、調光深度に応じた基準信号Vrefを基準信号設定部262で設定することにより、発光ダイオード19の光量を定格の0〜50%の範囲で調光することができる。
【0045】
したがって、このようにしても、第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。さらに、調光深度の深い領域で発光ダイオード19に流れる電流が小さな場合も、オペアンプ312の増幅度Aに応じて発光ダイオード19に流れる電流を増幅し、確実に認識できるレベルにまで補正した低電流検出信号を検出できるので、例えば低いレベルまで調光を行う場合も確実に低電流検出信号を取得でき、調光深度の深い領域での調光制御を安定して行うことができる。
【0046】
(第3の実施の形態)次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
【0047】
図5は、本発明の第3の実施の形態にかかる電源装置の概略構成を示すもので、図3と同一部分には同符号を付して説明する。
【0048】
この場合、発光ダイオード19には、抵抗41が直列に接続され、この抵抗41の間には、第1の実施の形態で述べた高電流検出部20及び低電流検出部21に代えて、電量検出手段としての電流検出部42が接続されている。この電流検出部42は、図示極性のダイオード421、オペアンプ422、抵抗423の他、抵抗424aとスイッチング素子425aの直列回路、抵抗424bとスイッチング素子425bの直列回路、…抵抗424nとスイッチング素子425nの直列回路より構成される増幅手段を有している。
【0049】
ここで、オペアンプ422の反転側入力端子には、発光ダイオード19と抵抗41の接続点が接続され、また、オペアンプ422の非反転側入力端子には、抵抗423を介して抵抗41と平滑コンデンサ17の接続点が接続されている。さらにオペアンプ422の非反転側入力端子と出力端子との間には、抵抗424aとスイッチング素子425aの直列回路、抵抗424bとスイッチング素子425bの直列回路、…抵抗424nとスイッチング素子425nの直列回路がそれぞれ並列に接続されている。さらにスイッチング素子425a、…425nには、制御回路26が接続されている。
【0050】
制御回路26には、第1の実施の形態で述べた切換え制御部261に代えて増幅度設定部263を有している。この増幅度設定部263は、調光操作部27の調光信号による調光の深さ(調光深度)に応じてスイッチング素子425a、…425nのオンオフを制御する。この場合、増幅度設定部263は、調光信号の調光深度が全光を含む浅い領域、例えば発光ダイオード19の光量を定格の50〜100%の範囲で調光する場合、全てのスイッチング素子425a、…425nをオン制御して抵抗424a、…424nの並列接続数を最大とし、調光信号の調光深度の深い領域、例えば、発光ダイオード19の光量を定格の0〜50%の範囲で調光する場合は、調光深度が深くなるにしたがいスイッチング素子425a、…425nを順にオフ制御して抵抗424a、…424nの並列接続数を減少させる。つまり、オペアンプ422の増幅度Aは、抵抗423の抵抗値をR11、抵抗424a、…424nの並列接続数に応じた抵抗値をR21としたとき、R21/R11で決定されるので、調光深度が浅い領域では、抵抗424a、…424nを全て並列接続して抵抗値R21を最小値にすることで、オペアンプ422の増幅度Aを一定の最小値に設定し、調光深度が深くなるにしたがい抵抗424a、…424nの並列接続数を減少させ、抵抗値R21を次第に大きくしていくことで、オペアンプ422の増幅度Aを順次大きくしていく。勿論、調光深度が全光を含む浅い領域でも、調光深度に応じてスイッチング素子425a、…425nをオフオン制御して抵抗424a、…424nの並列接続数を変化させるようにしても良い。
その他は、図3と同様である。
【0051】
このような構成において、まず、調光操作部27の調光信号により全光を含む調光深度の浅い領域、例えば、発光ダイオード19の光量を定格の50〜100%の範囲で調光するような場合、制御回路26は、増幅度設定部263により全てのスイッチング素子425a、…425nをオン制御して抵抗424a、…424nの並列接続数を最大として、オペアンプ422の増幅度Aを一定の最小値に設定する。
【0052】
この状態で、発光ダイオード19に流れる電流は、抵抗器41により検出され、この検出電流に応じた検出信号がオペアンプ422に入力される。オペアンプ422は、発光ダイオード19に流れる電流のレベルを最小値に設定された増幅度Aで増幅し、ダイオード421を介して出力する。制御回路26は、オペアンプ422の出力に基づいて、調光深度に応じた基準信号設定部262の基準信号を参照しながらスイッチングトランジスタ15のオンオフ動作を制御し、発光ダイオード9に流れる電流を一定に制御する。これにより、調光操作部27の調光信号により発光ダイオード19の光量を定格の0〜50%の範囲で調光することができる。
【0053】
次に、調光操作部27の調光信号により調光深度の深い領域、例えば、発光ダイオード19の光量を定格の0〜50%の範囲で調光するような場合、制御回路26は、増幅度設定部263により調光深度が深くなるにしたがい抵抗424a、…424nの並列接続数を減少させながら抵抗値R21を次第に大きくしてオペアンプ422の増幅度Aを順次大きくさせる。勿論、増幅度設定部263は、調光深度を浅くする場合、これにしたがい抵抗424a、…424nの並列接続数を増加させて抵抗値R21を次第に小さくしオペアンプ422の増幅度Aを小さくさせる。
【0054】
この状態で、発光ダイオード19に流れる電流は、抵抗器41により検出され、この検出電流に応じた検出信号がオペアンプ422に入力される。オペアンプ422は、発光ダイオード19に流れる電流のレベルを調光深度に応じて設定された増幅度Aで増幅し、ダイオード421を介して出力する。制御回路26は、オペアンプ422の出力に基づいて、調光深度に応じた基準信号設定部262の基準信号を参照しながらスイッチングトランジスタ15のオンオフ動作を制御し、発光ダイオード9に流れる電流を一定に制御する。これにより、調光操作部27の調光信号により発光ダイオード19の光量を定格の0〜50%の範囲で調光することができる。
【0055】
したがって、このようにしても、第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。さらに、調光信号の調光深度に応じてオペアンプ422の増幅度Aを可変可能とし、特に、調光深度が深くなるほどオペアンプ422の増幅度Aを大きくするようにしたので、調光深度が深い領域で発光ダイオード19に流れる電流が小さな場合も、発光ダイオード19に流れる電流を確実に認識できるレベルまで補正した電流検出信号を検出できるようになり、これにより、例えば低いレベルまで調光を行う場合も確実に電流検出信号を取得でき、調光深度の深い領域での調光制御を安定して行うことができる。
【0056】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。例えば、上述した実施の形態では、半導体発光素子として発光ダイオードの例を述べたが、レーザダイオードなど他の半導体発光素子を用いた場合にも適用できる。また、上述した実施の形態では、交流電源11を備えたものを述べているが、交流電源11は、装置外部に設けられるものでもよい。さらに、上述した実施の形態では、アナログ回路の例を述べたが、マイコンやデジタル処理を用いた制御方式を採用することもできる。また、調光深度の切替えは、連続的に調光するものや段階的に調光するものも含み、また、電源電圧の導通期間を制御して負荷への実効電圧を可変させる位相制御でもよい。さらに、調光信号は、専用信号線を用いたり、電源電線に調光信号を重畳させた電力線信号を用いることもできる。
【0057】
さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【符号の説明】
【0058】
1…器具本体、2…光源部、2a…LED、3…電源室、5…電源端子室、11…交流電源、12…全波整流回路、13…コンデンサ、14…スイッチングトランス、15…スイッチングトランジスタ、18…整流平滑回路、19…発光ダイオード、20…高電流検出部、21、31…低電流検出部、211、311…スイッチングトランジスタ、22、23…比較器、26…制御回路、261…切換え制御部、262…基準信号設定部、27…調光操作部、312、422…オペアンプ、42…電流検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流出力を生成する直流出力生成手段と;
前記直流出力生成手段より生成される直流出力が供給される半導体発光素子と;
所定の増幅度を有する増幅手段を備えるとともに、前記半導体発光素子に流れる電流を検出する電流検出手段と;
前記増幅手段を介して検出される検出信号に応じて前記直流出力生成手段を制御する制御手段と;
を具備したことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
直流出力を生成する直流出力生成手段と;
前記直流出力生成手段より生成される直流出力が供給される半導体発光素子と;
調光信号の調光深度に応じて増幅度を可変可能にした増幅手段を有するとともに、前記半導体発光素子に流れる電流を検出する電流検出手段と;
前記調光信号の調光深度に応じて前記電流検出手段の増幅手段の増幅度を設定し、前記増幅手段を介して検出される検出信号に応じて前記直流出力生成手段を制御する制御手段と;
を具備したことを特徴とする電源装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の電源装置と;前記電源装置を有する器具本体と:を具備したことを特徴とする照明器具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−85466(P2013−85466A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−259399(P2012−259399)
【出願日】平成24年11月28日(2012.11.28)
【分割の表示】特願2008−233422(P2008−233422)の分割
【原出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】