説明

電磁石装置及び電磁継電器

【課題】瞬低が発生しても、被吸引部材を確実に吸引状態に維持する。
【解決手段】コイル8に動作電圧を印加することにより、スプール7の鍔部15aに露出する鉄心6の吸引部12に、付勢部材26の付勢力に抗して被吸引部材10を吸引する。永久磁石28と、そこに接触して配置される補助ヨーク29とからなる補助吸引部11を設ける。補助吸引部11は、補助ヨーク29のみが、付勢部材26の付勢力に抗して鉄心6の吸引部12に吸引された被吸引部材10に当接可能とする。当接状態で、補助ヨーク29を介して被吸引部材10を吸引する力を、付勢部材26による付勢力よりも小さくする。また、最低動作電圧での鉄心6の吸引部12を介して作用する吸引力と、補助ヨーク29を介して作用する永久磁石28の吸引力との合計を、付勢部材26による付勢力よりも大きくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁石装置、及び、この電磁石装置を備えた電磁継電器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電磁石装置として、鉄心にスプールを介してコイルを巻回し、コイルへの通電を制御することにより、その吸引部に被吸引部材を吸引、離反できるようにした、電磁継電器に採用可能なものが公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平8−250004号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の電磁石装置では、コイルへの通電に商用電源を利用した場合、種々の外部要因(例えば、落雷)により瞬間的に電圧が低下する現象(以下、瞬低と記載する。)が発生した場合、次のような問題が発生する。
【0005】
すなわち、瞬低により吸引力が一時的に低下し、被吸引部材が鉄心の吸引部から離れることがある。例えば、製造設備の制御装置に、前記電磁石装置を備えた電磁継電器を採用した場合、本来、閉回路が形成されていなければならないにも拘わらず、瞬低により接点が開放することにより、制御装置が誤動作したり、電源が遮断されたりする恐れがある。
【0006】
特に、コイルに交流電圧を印加するタイプの電磁継電器では、交流電圧の振幅変化に同期して吸着力が変動する。このため、鉄心の吸着部にくま取りコイルが設けられてはいるが、吸着力の変動を完全には防止できない。そして、この吸着力の変動に伴って可動鉄片は常に振動することになる。この結果、印加電圧が動作電圧から僅かに低下しただけで、鉄心に吸引した被吸引部材(可動鉄片)が離れた位置に復帰してしまう可能性がある。
【0007】
そこで、本発明は、瞬低が発生しても、被吸引部材を確実に吸引状態に維持することのできる電磁石装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、
鉄心にスプールを介してコイルを巻回してなり、
コイルに動作電圧を印加することにより、前記スプールの鍔部に露出する鉄心の吸引部に吸引される被吸引部材と、
前記被吸引部材を、前記鉄心の吸引部から離すように付勢する付勢部材と、
を備えた電磁石装置であって、
永久磁石と、
前記永久磁石に接触して配置される補助ヨークと、
からなる補助吸引部を設け、
前記補助吸引部は、前記補助ヨークのみが、前記付勢部材の付勢力に抗して鉄心の吸引部に吸引された被吸引部材に当接可能となり、
前記当接状態で、前記補助ヨークを介して前記被吸引部材を吸引する力は、前記付勢部材による付勢力よりも小さく、
最低動作電圧での前記鉄心の吸引部を介して作用する吸引力と、前記補助ヨークを介して作用する永久磁石の吸引力との合計が、前記付勢部材による付勢力よりも大きくしたものである。
【0009】
この構成により、コイルに動作電圧を印加して励磁すれば、鉄心の吸引部に被吸引部材が吸引される。被吸引部材が吸引部に吸引された状態では、被吸引部材に補助ヨークが当接し、永久磁石の磁力による吸引力が作用する。したがって、瞬低により一時的に鉄心による吸引力が低下しても、補助吸引部によって被吸引部材を吸引状態に維持することができる。また、コイルへの印加電圧を除去して消磁すれば、付勢部材による付勢力により被吸引部材が元の位置に復帰する。このとき、補助吸引部による吸引力によって多少動作が遅くなるものの、復帰動作が妨げられることはない。そして、被吸引部材が元の位置に復帰した状態では、補助吸引部との距離が十分に維持され、磁力による吸引力が悪影響を及ぼすことがない。
【0010】
前記補助吸引部は、前記永久磁石と前記補助ヨークとを保持するホルダを、さらに備えるのが好ましい。
【0011】
前記ホルダは、スプールの鍔部に一体的に形成することも可能である。
【0012】
前記鉄心の一端面に、前記吸引部を分離する係止溝を形成し、
前記係止溝に係止され、分離された吸引部の一方の周囲に位置するくま取りコイルを、さらに備え、
前記ホルダは、前記くま取りコイルを保持する第2の保持部を有するのが好ましい。
【0013】
この構成により、コイルに交流電圧を印加する場合であっても、鉄心による吸引力が変化するのを防止することができる。そして、鉄心に対して、ホルダと、このホルダに保持した永久磁石及び補助ヨークとを簡単に取り付けることができ、組立性を向上させることが可能となる。
【0014】
また、本発明は、前記課題を解決するための手段として、
電磁継電器を、
前記鉄心の吸引部とは反対側の端部にはヨークの一端側が固定され、
前記ヨークの他端側は、コイルに沿って鉄心の吸引部の側方まで延設され、
前記被吸引部材は、前記ヨークの他端部に揺動可能に支持される可動鉄片で構成される、前記いずれかに記載の電磁石装置を備えた構成としたものである。
【0015】
前記永久磁石及び前記補助ヨークは、前記鉄心の吸引部を挟んで線対称な位置に設けるのが好ましい。
【0016】
この構成により、鉄心の吸引部への被吸引部材の吸引をバランスよく行うことができ、スムーズな動作を実現できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、補助吸引部を設けるようにしたので、瞬低により、一時的に鉄心の吸引力が低下したとしても、吸引部から被吸引部材が離れることがなく、吸引状態を確保することができる。補助吸引部は、永久磁石と補助ヨークとからなる簡単な構成であり、安価に製作できる上、組立性にも優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。なお、本願明細書では、方向、位置等を表す用語(例えば、「上」、「下」、「縁」、及びこれらの用語を含む別の用語)を適宜用いるが、それらの用語は、説明に用いる図面中の方向、位置等を示すだけのものであって、それらの用語によって本発明が限定的に解釈されるものではない。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る電磁継電器示す。この電磁継電器は、大略、ベース1、電磁石装置である電磁石ブロック2、接点開閉機構3、及び、ケース4で構成されている。
【0020】
ベース1は、合成樹脂材料からなる平面視矩形状の板材で、そこには複数の端子孔5が形成されている。
【0021】
電磁石ブロック2は、図2〜図6、特に、図5及び図6に示すように、鉄心6にスプール7を介してコイル8を巻回したもので、ヨーク9、可動鉄片10、及び、本発明の特徴部分である補助吸引部11を備える。
【0022】
鉄心6は、磁性材料を棒状としたもので、一端側が吸引部12であり、他端側はヨーク9に加締固定されている。吸引部12の中心には係止溝13が形成され、くま取りコイル27を装着可能となっている。
【0023】
スプール7は合成樹脂材料からなり、鉄心6の外周面を覆う筒状部14と、その両端部に形成される鍔部15a,15bとで構成されている。一方の鍔部15aには、上方側の両側にLED16に通電するための中継端子17が取り付けられ、下方側の両側にコイル端子18が取り付けられている。
【0024】
コイル8は、スプール7の胴部に巻回され、一端部が一方のコイル端子18に、他端部が他方のコイル端子18にそれぞれ巻き付けられる。ここでは、コイル8には、コイル端子18を介して交流電圧が印加される。これにより、磁界が発生し、鉄心6の吸引部12に可動鉄片10を吸引可能となる。
【0025】
ヨーク9は、磁性板材を略L字形に折り曲げたもので、前記スプール7の一方の鍔部15bの外面に当接させた状態で、前記鉄心6の一端部が加締固定される垂直部19と、前記スプール7の他方の鍔部15b側に向かって延びる水平部20とで構成されている。水平部20の先端部両側が前方に突出し、可動鉄片10を揺動可能に支持する支持部21となっている。また、水平部20の垂直部19側中心には第1係止片22が曲げ起こされている。
【0026】
可動鉄片10は、磁性材料を板状に形成したもので、上端部には両側に突出するヒンジ部23が形成され、前記ヨーク9の支持部21に揺動可能に支持されるようになっている。可動鉄片10の中央部下方側には、前記鉄心6の吸引部12に吸引される位置に、復帰リベット24(図6参照)が固定されている。復帰リベット24は銅製で、前記吸引部12の吸着面での単位面積当たりの吸引力を低下させて復帰不良を防止するために設けられている。また、可動鉄片10の上端中央部には第2係止片25が突出し、前記ヨーク9の第1係止片22との間には付勢手段であるスプリング26が係止されている。これにより、可動鉄片10は、ヒンジ部23を中心として、図3中、時計回り方向に付勢され、鉄心6の吸引部12から離れた位置で対峙する。
【0027】
補助吸引部11は、図2、図4〜図7、特に、図7に示すように、くま取りコイル27、永久磁石28、補助ヨーク29、及び、ホルダ30を備える。
【0028】
くま取りコイル27は、導電性に優れた材料(例えば、銅)をプレス成形することにより、矩形枠状に形成したものである。くま取りコイル27は、略中央部の半円孔31に前記鉄心6の吸引部12の一部(係止溝13により分割された一方の吸引部12)が嵌合し、その周囲に位置している。この嵌合により、スプール7の鍔部15から突出する鉄心6に対してくま取りコイル27が装着される。くま取りコイル27は、コイル8に交流電圧を印加することによる吸引力の変動を抑制する。
【0029】
永久磁石28は、直方体形状で、ここでは2つ使用されている。
【0030】
補助ヨーク29は磁性材料からなり、永久磁石28よりも厚みが大きく、永久磁石28の片側に吸着された状態で、一部が永久磁石28よりも突出する吸着面29aとなっている。これにより、可動鉄片10に当接するのは、鉄心6の吸引部12以外では、補助ヨーク29のみとなり、非接触の永久磁石28の摩耗等が防止される。
【0031】
ホルダ30は合成樹脂材料を平面視矩形の板状に成形加工したものである。ホルダ30には、補助吸引部11を保持する第1保持部34と、くま取りコイル27を保持する第2保持部35とが形成されている。第1保持部34は、両側2箇所に形成した矩形状の開口部で、永久磁石28が、その両側に補助ヨーク29が挿入・保持される。第2保持部35は、第1保持部34の間に形成され、前記くま取りコイル27が挿通・保持される。これら各保持部による保持状態では、ホルダ30の表面から補助ヨーク29のみが突出し、その高さはホルダ30を取り付けることにより、ホルダ30の表面から突出する鉄心6の吸引部12と同じである。
【0032】
接点開閉機構3は、図1に示すように、前記ベース1の各端子孔5に圧入される、第1固定端子36、第2固定端子37、及び、可動端子38からなる端子部と、リード線39を介して可動端子38に電気接続される可動接触片40とで構成されている。可動接触片40は、合成樹脂材料からなる取付プレート41により、可動鉄片10に固定され、可動鉄片10とは非接触である。
【0033】
ケース4は透光性を有する樹脂材料からなり、図1に示すように、ベース1に被せられ、ベース1の係止爪1aが係止孔4aに係止されることにより装着される。
【0034】
続いて、前記電磁継電器の組立方法について説明する。但し、ここで説明する組立方法は、本発明の特徴部分である補助吸引部11を含む所定部材についてのみ言及し、他の従来と同じ部分については、その説明を省略する。
【0035】
まず、永久磁石28の片側に補助ヨーク29を吸引・一体化する。そして、ホルダ30の第1保持部34に一体化した永久磁石28及び一対の補助ヨーク29を装着する。
【0036】
一方、鉄心6にスプール7を介してコイル8を巻回し、鉄心6の一端部にヨーク9を加締固定する。このとき、鉄心6の他端側の吸引部12に形成した係止溝13が、ヨーク9の水平部20に対して平行となるように位置決めする。そして、鉄心6の他端部にくま取りコイル27を装着する。くま取りコイル27は、前記係止溝13に係止し、吸引部12の片側が半円孔31に嵌合するようにして取り付ける。前述のように、係止溝13はヨーク9の水平部20に対して平行となっているので、吸引部12に装着したくま取りコイル27も、これに合わせて位置決めすることができる。
【0037】
続いて、くま取りコイル27に、永久磁石28及び補助ヨーク29を取り付けたホルダ30を装着する。ホルダ30の装着では、第2保持部35にくま取りコイル27を位置させ、ホルダ30の片面をスプール7の鍔部15に当接させるだけでよい。これにより、鉄心6の係止溝13に対して位置決めされたくま取りコイル27に対してホルダ30と、そこに装着した永久磁石28及び補助ヨーク29とを位置決めすることができる。
【0038】
次に、前記電磁継電器の動作について説明する。
【0039】
コイル8に通電せず、電磁石ブロック2が消磁状態であれば、鉄心6による吸引力が可動鉄片10には作用せず、可動鉄片10は、スプリング26の付勢力を受けて鉄心6の吸引部12から離れた位置で対向する。したがって、可動鉄片10に取付プレート41を介して一体化した可動接触片40は、その可動接点40aを第1固定端子36の第1固定接点36aに閉成する。
【0040】
ここで、コイル8に交流電圧を印加して電磁石ブロック2を励磁すると、可動鉄片10に鉄心6による吸引力が作用し、可動鉄片10はスプリング26の付勢力に抗して回動し、鉄心6の吸引部12に吸引されて当接する。そして、可動接点40aは第1固定接点36aから第2固定接点37aに切り替わる。このとき、補助吸引部11も可動鉄片10に当接し、永久磁石28、補助ヨーク29、及び、可動鉄片10により磁気の閉回路が形成される。補助吸引部11による吸引力は、単独では、前記スプリング26の付勢力よりも小さいが、瞬低により鉄心6の吸引力が低下しても、鉄心6の吸引部12から可動鉄片10が離れることを十分に防止可能な値である。したがって、可動接点40aは第2固定接点37aに閉成した状態を維持し、誤動作を発生させることがない。
【0041】
このように、前記実施形態に係る電磁継電器によれば、吸引動作中に瞬低が発生して一時的に吸引力が低下しても、補助吸引部11の吸引力により可動鉄片10が鉄心6の吸引部12から離れることを確実に防止することができる。
【0042】
また、前記電磁継電器が交流パワーリレーである場合、鉄心6の吸引部12に可動鉄片10を吸引した際、可動鉄片10は振動する恐れがあるが、前記補助吸引部11の働きにより、この振動は阻止され、接点開閉を適切に行わせることができる。そして、電磁継電器を長寿命化することが可能となる。
【0043】
なお、前記実施形態では、補助吸引部11を保持するホルダ30をスプール7とは別体で設けるようにしたが、スプール7の鍔部15bに一体的に設けるようにしてもよい。すなわち、スプール7の成形加工時に同時にホルダ30に相当する構造を形成するようにしても構わない。この場合、補助吸引部11をインサート成形するようにしてもよい。
【0044】
また、前記実施形態では、補助吸引部11の永久磁石28を鉄心6の両側にそれぞれ配置するようにしたが、片側だけであってもよいし、上方、下方等、その他、いずれの場所に配置してもよく、3箇所以上に配置することも可能である。
【0045】
また、前記各実施形態では、電磁石装置としての電磁石ブロック2を電磁継電器に採用する場合について説明したが、コンダクタ等の他の電子機器に採用することも可能である。要は、電磁石装置を備え、この電磁石装置が励磁している最中に、瞬低による電圧降下が発生しても、所望の吸引力を維持することが必要とされる電子機器であればよい。
【0046】
また、前記各実施形態では、鉄心6の吸引部12と永久磁石28及び補助ヨーク29との距離については言及しなかったが、コイル8に交流電圧を印加する場合、両部材間には十分な距離を確保するのが好ましい。これは、交流電圧により鉄心6の吸引部12での磁極が反転する際、補助ヨーク20を介して作用する永久磁石28の磁極が打ち消されにくくするためのである。
【0047】
また、前記各実施形態では、コイル8に交流電圧を印加するタイプの電磁石装置について説明したが、直流電圧を印加するタイプであっても同様の効果を得ることができる。但し、この場合はくま取りコイル26は不要である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本実施形態に係る電磁継電器のケースを外した状態を示す斜視図である。
【図2】図1で、可動鉄片を含む所定部品を除去した状態を示す斜視図である。
【図3】図1のケースを除いた部分の側面図である。
【図4】図2の正面図である。
【図5】図2を中心で切断した状態を示す断面斜視図である。
【図6】図2を中心で切断した状態を示す側面断面図である。
【図7】図2の電磁石部及び補助吸引部の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0049】
1…ベース
1a…係止爪
2…電磁石ブロック
3…接点開閉機構
4…ケース
4a…係止孔
5…端子孔
6…鉄心
7…スプール
8…コイル
9…ヨーク
10…可動鉄片
11…補助吸引部
12…吸引部
13…係止溝
14…筒状部
15a、15b…鍔部
16…LED
17…中継端子
18…コイル端子
19…垂直部
20…水平部
21…支持部
22…第1係止片
23…ヒンジ部
24…復帰リベット
25…第2係止片
26…スプリング
27…くま取りコイル
28…永久磁石
29…補助ヨーク
30…ホルダ
31…半円孔
34…第1保持部
35…第2保持部
36…第1固定端子
36a…第1固定接点
37…第2固定端子
37a…第2固定接点
38…可動端子
39…リード線
40…可動接触片
40a…可動接点
41…取付プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄心にスプールを介してコイルを巻回してなり、
コイルに動作電圧を印加することにより、前記スプールの鍔部に露出する鉄心の吸引部に吸引される被吸引部材と、
前記被吸引部材を、前記鉄心の吸引部から離すように付勢する付勢部材と、
を備えた電磁石装置であって、
永久磁石と、
前記永久磁石に接触して配置される補助ヨークと、
からなる補助吸引部を設け、
前記補助吸引部は、前記補助ヨークのみが、前記付勢部材の付勢力に抗して鉄心の吸引部に吸引された被吸引部材に当接可能となり、
前記当接状態で、前記補助ヨークを介して前記被吸引部材を吸引する力は、前記付勢部材による付勢力よりも小さく、
最低動作電圧での前記鉄心の吸引部を介して作用する吸引力と、前記補助ヨークを介して作用する永久磁石の吸引力との合計が、前記付勢部材による付勢力よりも大きいことを特徴とする電磁石装置。
【請求項2】
前記補助吸引部は、前記永久磁石と前記補助ヨークとを保持するホルダを、さらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の電磁石装置。
【請求項3】
前記ホルダは、前記スプールの鍔部に一体的に形成したことを特徴とする請求項2に記載の電磁石装置。
【請求項4】
前記鉄心の一端面に、前記吸引部を分離する係止溝を形成し、
前記係止溝に係止され、分離された吸引部の一方の周囲に位置するくま取りコイルを、さらに備え、
前記ホルダは、前記くま取りコイルを保持する第2の保持部を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の電磁石装置。
【請求項5】
前記鉄心の吸引部とは反対側の端部にはヨークの一端側が固定され、
前記ヨークの他端側は、コイルに沿って鉄心の吸引部の側方まで延設され、
前記被吸引部材は、前記ヨークの他端部に揺動可能に支持される可動鉄片で構成される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電磁石装置を備えたことを特徴とする電磁継電器。
【請求項6】
前記永久磁石及び前記補助ヨークは、前記鉄心の吸引部を挟んで中心線に対して線対称な位置に設けたことを特徴とする請求項5に記載の電磁継電器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−171948(P2008−171948A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−2617(P2007−2617)
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】