説明

電磁石電源装置およびこの電磁石電源装置を備えた粒子線照射医療システム

【課題】電磁石励磁電源の出力電流の微調整や出力値を定数倍する際、励磁電源に入力される電流パターンデータの変更を、電源を停止することなく行う。
【解決手段】電流パターン制御装置20からの信号を入力する電流パターン発生器1の出力する信号を基に、制御される電源本体10の電流パターンデータが、基準データメモリ部5に格納されている基準データと、定数レジスタ4に格納されている所定の定数が読み出され乗算されることによって作成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、高速かつ高精度で出力を変化させるパターン運転を可能とする電磁石電源装置に係るもので、特にシンクロトロン等の円形加速器から出射された高エネルギ粒子線を癌などの悪性腫瘍の治療や患部の診断に使用する粒子線照射医療システムに用いられる各種電磁石の電源装置およびこの電磁石電源装置を備える粒子線照射医療システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
癌などの悪性腫瘍の治療診断に用いられている粒子線照射医療システムは図13に示すように、入射系50、荷電粒子ビーム加速器200、ビーム輸送系300、照射系400により構成されている。このような粒子線照射医療システムによる悪性腫瘍の治療はこの数年来、我が国でも盛んとなり全国各地域でのシステム建設も行われている。このシステムによる治療は現在のところ1日当たり数人の患者に対して行われている。しかしながら昨今の悪性腫瘍患者の増加に伴い、1時間当たり数人程度の照射稼働率(スループット)が要求されてきている。このような要求は、前述した粒子線照射医療システムを構成する照射系400の性能改善、とりわけ図14に示すような照射装置80の電磁石電源の電流パターン制御性能の改善によって対応するのが適当である。
【0003】
悪性腫瘍は、身体内の位置、深さ、大きさ、腫瘍数などが患者毎に、あるいは同一患者であっても症状によって異なることから、照射すべき粒子線(ビーム)の電流値、ビーム系、ビームの拡がりなどの照射パラメータを可変しなければならない。さらには診断技術の進歩に伴い、ビーム照射中において上記照射パラメータを高速に可変可能とする要求もある。このような患者毎の照射中における照射パラメータの可変は照射装置80の電磁石の励磁電源をパターン制御し、電磁石磁場を変化させることによってなされる。
【0004】
従来、高速、高精度でその出力を変化させるパターン運転を行うシンクロトロン加速器電源として、加速器電源のパターンデータを計算機のデータファイルに保存する時に、データを圧縮してデータ量を減らし、かつパターンデータの作成、修正を容易とするように、電源のパターンデータを複数の区間に区分し、その区分点の座標と各区間関数データをパターンデータとしてファイルに保存することで、データを圧縮、メモリ容量の増大を防いだ技術が示されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開平05−291000号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら前記特許文献1に示されたものは、電磁石電源のパターンデータを複数の区間に分割し、その区分点の座標と各区間の関数データを基準データとしてファイルに保存しているため、出力値の調整や出力値を定数倍にするような要求に対しては、基準データの変更を必要とする問題点がある。また基準データを別ファイルとして持つ必要があり、パターンデータを変更する度にファイルの読み出し、パターンデータの生成、パターンメモリへの格納を行う必要があり、このような構成ではファイルの読み出しを伴うことから、ファイルの読み出しからパターンメモリへの格納まで時間がかかるという問題点もあり、このような問題点を有する特許文献1に示された技術では、粒子線照射医療システムの運転を継続した状態でのパターンデータの変更可能とする要求に対応することは困難であり、前述したような1時間当たり数人の患者への照射治療は実行出来ない。またとりわけ前述の如く照射ビームのパラメータを照射治療中に連続的に可変とする要求には、前記特許文献1に示された技術では対応可能なものではない。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであって、電流パターンデータの変更をリアルタイムに行うことのできる電磁石電源装置およびこの電磁石電源装置を備えた粒子線照射医療システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明に係る電磁石電源装置は、電流パターン制御装置からの信号を入力する電流パターン発生器には、クロック発生器と定数レジスタと演算部と基準データメモリ部とパターン出力部とが設けられており、
電流パターン制御装置からのパターン出力開始信号で、クロック発生器は先頭パターン信号を演算部に出力し、
正数よりなる複数の定数を格納する定数レジスタは、電流パターン制御装置からの定数設定信号で、複数の定数から、所定の定数を読み出して演算部に出力するとともに、該演算部は、基準データメモリ部に格納されている複数の基準データから所定の基準データを読み出して、この所定の基準データと所定の定数とをクロック発生器の出力するクロック信号と同期して乗算を行うことで電流パターンデータを作成し、
該電流パターンデータが、先頭パターン信号とパターン信号によりパターン出力部から電源本体に出力されることにより、該電源本体の出力電流が制御されるものである。
【0009】
第2の発明に係る粒子線照射医療システムは、前記第1の発明に係る電磁石電源装置を備えたものである。
【発明の効果】
【0010】
以上のように第1の発明による電磁石電源装置は、電源本体の出力電流を制御する電流パターンデータが、基準データと所定の定数とを乗算して作成されるので、電源本体の出力電流値の微調整や、出力電流値を所望の倍数に、あるいは電流波形や周波数等の変更が、基準データの変更を必要とせず、容易にかつ高速に行うことが可能となるという効果がある。また第2の発明は前記第1の発明による電磁石電源装置を設置した粒子線照射医療システムであるので稼働率が向上するという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図に基づいて説明する。
図1はこの実施の形態1による電磁石電源装置100を示すブロック図である。電磁石電源装置100は、電流パターン制御装置20と、電流パターン発生器1と、半導体装置が用いられた電源本体10とが設けられている。電流パターン制御装置20は、電流パターン発生器1に対してパターン出力開始指令信号や、定数設定の信号を出力する。電流パターン発生器1は電流パターン制御装置20の信号を受信して、電流パターンデータを作成、電源本体10に出力し、電源本体10はこの電流パターンデータに基づいて、出力電流が制御される。電流パターン発生器1には、例えば、Ethernet(登録商標) I/F部2、定数バッファ3、定数レジスタ4、基準データメモリ部5、演算部6およびこの演算部6に設けられた乗算器7、パターン出力部8、クロック発生器9が設けられている。
【0012】
基準データメモリ部5には、例えば粒子線照射医療システムで適用される電磁石の体格によって定まる標準的な定格である複数の電流波形値に対応した電流値、繰り返し周波数が基準データとしてアドレス毎に格納されている。ここで電流波形値とは、例えば正弦波系、台形波形、鋸状波形、パルス波形等である。そして図2に示すように、基準データメモリ部5のアドレスX10〜X1nにそれぞれ対応して前記基準データY10〜Y1nが格納されている。なおこの実施の形態1では上記基準データのY10〜Y1nは後述する図4に示すように電流値である。
【0013】
次に動作について説明する。
電流パターン制御装置20が出力するパターン出力開始指令信号および定数設定信号が電流パターン発生器1に入力されると、前記パターン出力開始指令信号を受信するクロック発生器9は、先頭パターン信号を演算部6に出力する。一方、前記定数設定信号は定数レジスタ4に入力され、この定数レジスタ4は格納されている正数よりなる複数の定数値(例えば、0.5,0.6,0.8・・・1.1,1.15,1.2,1.5など)から、前記電流パターン制御装置20の定数設定信号に基づく定数値(後述の図3では定数Aに相当する)を演算部6に出力する。演算部6は前記先頭パターン信号に基づき、基準データメモリ部5に格納されている。例えば、図2に示す先頭アドレスX10に対応する基準データY10を読み出し、この基準データY10と前記定数値と乗算器7にて乗算を行い、その結果である電流パターンデータをパターン出力部8に出力する。
【0014】
ここで演算部6はクロック発生器9のクロック信号に同期して、上記の動作をアドレスX10からX1nまで順次行い、アドレスX1nに達した後は再びアドレスX10に戻り、この動作を電流パターン制御装置20からのパターン出力停止信号が出力されるまで行う。
演算部6で作成された電流パターンデータを入力するパターン出力部8は、クロック発生器9から入力するクロック信号と先頭パターン信号を受けて、前記電流パターンデータを電源本体10に出力する。電源本体10は上記電流パターンデータに基づいた出力電流パターンで電磁石を励磁する。
【0015】
以上の動作タイミングチャートの1例を図3に示す。また基準データと演算後の電流パターンデータをプロットしたグラフを図4に、この図4を拡大表示したグラフを図5に示す。
【0016】
このようにこの実施の形態1では、基準データメモリ部5に格納されている電磁石の体格によって定まる標準的な定格値である基準データの励磁電流値と、電流パターン制御装置20の指令によって可変設定可能な定数レジスタ4に格納されている定数とを、クロック発生器9の出力するクロック信号に同期して順次演算部6で乗算して電流パターンデータを作成し、パターン出力部8を介して電源本体10に出力するので、電磁石を励磁中に運転を休止することなく、電源本体10の出力電流値の微調整や、出力電流値を定数倍、例えば1.2倍する場合に、基準データの変更なくリアルタイムに所望の制御が実行可能となり、また容易にかつ高速に変更を行うことができる。さらにはこの電磁石電源装置100を設置した、例えば粒子線照射医療システムの稼働率が向上するという効果がある。
【0017】
なおこの実施の形態1では図4に示したように基準データを正弦波形の電流値とし、この電流値を定数倍する例を示したが、これに限定されることなく、例えば正弦波形の電流値で周波数を定数倍とするような場合であってもよい。また、乗算器をH/Wで示したが、S/W(F/W)を用いてもよく、いずれの場合でも、高速乗算が可能であり、パターンデータの変更がリアルタイムに行うことができる。
【0018】
実施の形態2.
次に実施の形態2を図に基づいて説明する。
この実施の形態2の電磁石電源装置100は、図1に示したブロック図と同様である。図6に、電流パターンデータを作成中において、定数の設定変更を行う場合のタイミングチャートを示す。
次に動作について説明する。
電流パターン制御装置20は次周期定数を電流パターン発生器1に出力する。この信号は、パターン出力開始指令信号および定数設定信号と同時であってもよく、また単独であってもよく、その送信時期は限定されない。この次周期定数は、実施の形態1で述べた定数値と同様に正数よりなる定数値であり、例えば1.5である。電流パターン発生器1は、この次周期定数を定数バッファ3に格納する。この定数バッファ3に格納された次周期定数は、電流パターン制御装置20からの次周期設定指令信号により任意のタイミングで前記定数レジスタ4から読み出されている定数値と変更が可能であり、先頭パターン信号が有意となった時点で定数変更が行われる。
【0019】
図6において、定数A、例えば1.1を使用して演算が行われ電流パターンが出力中に、先頭パターン信号が有意になると定数Aから次周期定数B(前述した1.5)に変更され、この定数Bを使用して演算、電流パターンデータが作成される。このようにこの実施の形態2による電磁石電源装置100は、定数パラメータの変更が、電流パターン制御装置20の指令により任意のタイミングで変更可能であり、電源本体10や、システムの停止を必要とせず電流パターンデータを所望のものに変更可能である。
【0020】
実施の形態3.
次に実施の形態3を図に基づいて説明する。
図7は、実施の形態1で示した図1に電流パターンメモリ部11を追加設けたものであり、演算部6の演算結果をこの電流パターンメモリ部11に格納するようにした構成である。
次に動作を説明する。
電流パターン制御装置20がパターン出力開始信号および定数設定信号により、パターン発生器1の演算部6で電流パターンデータを作成するまでは、前述した実施の形態1の動作と同様である。演算部6の乗算結果である前記電流パターンデータは、電流パターンメモリ部11に格納される。パターン出力部8はクロック発生器9から入力するクロック信号と先頭パターン信号に基づいてメモリアドレスを出力し、電流パターンメモリ部11から電流パターンデータを読み出し、電源本体10に出力する。
以上は前述した実施の形態1に電流パターンメモリ部11を追加して設けた場合の動作について説明したが、前述した実施の形態2にパターンメモリ部11を追加して設けた場合であってもよい。この場合のタイミングチャートを図8に示す。
【0021】
この実施の形態3では演算部6の演算結果を電流パターンメモリ部11に格納しパターン出力部8がその格納された電流パターンデータを読み出すので、実施の形態2と比較するとパターンデータの切り替えのタイミングが1クロック後になるが、実用上の差し支えはない。このようにこの実施の形態3による電磁石電源装置100は、演算部6で作成した電流パターンデータを電流パターンメモリ部11に格納するので、定数変更による電流パターンデータの変更を行わない限り、演算部6において基準データと定数との乗算が不要となる。従って、この間に、例えば外部モニタによって電流パターンデータをチェックする等の処理も行うことができ、より多機能を備えた電磁石電源装置100を提供できる。
【0022】
実施の形態4.
次に実施の形態4を図に基づいて説明する。
図9は、この実施の形態4による電磁石電源装置100を示すブロック図であり、前述した実施の形態3の図7の構成に、次周期の基準データを基準データメモリ部5から読み出すための基準データ番号バッファ12と基準データ番号レジスタ13を追加して設け、電流パターン制御装置20の次周期基準データ設定信号によって、基準データメモリ部5に格納されている複数の基準データから、所望の次周期基準データ番号を指定することにより基準データの変更を可能としたものである。
【0023】
基準データメモリ部5には、それぞれに基準データ番号を付した複数の基準データが格納されており、図10に示すように基準データ番号0のアドレスX10〜X1nに基準データY10〜Y1nが、基準データ番号1のアドレスX20〜X2nに基準データY20〜Y2nが、基準データ番号2のアドレスX30〜X3nに基準データY30〜Y3nが格納されている。なお、ここでは基準データ番号を0〜2の3個に対応する基準データY10〜Y3nの例を示したが、3個に限定されず、基準データの数は基準データメモリ部5の容量に応じて追加、削除してもよい。なお、上記基準データ番号0に対応する基準データY10〜Y1nは前述した実施の形態1の図2に示したものに相当する。
【0024】
次に動作について説明する。
図11は、電流パターンデータを演算部6で作成中に、基準データ番号の変更を行うことにより、電流パターンデータの変更を行う場合のタイミングチャート図である。電流パターン制御装置20は次周期の基準データ設定信号を電流パターン発生器1に出力する。この信号はパターン出力開始指令信号および定数設定信号、次周期定数信号と同時であってもよく、また単独であってもよく、その送信時期は限定されない。電流パターン発生器1はこの基準データ番号を基準データ番号バッファ12に格納する。この基準データ番号バッファ12に格納された次周期の基準データは、電流パターン制御装置20からの指令により任意のタイミングで、基準データメモリ部5から読み出されている基準データと変更が可能であり、パターン開始指令信号が有意となった時点で基準データの変更が行われる。
【0025】
図11において、基準データ番号0に対応する基準データY10〜Y1nを使用して電流パターンデータを出力中に、先頭パターン信号が有意になると、基準データ番号が0から1に変更され、基準データ番号1に対応する図10に示した基準データY20〜Y2nを使用して演算部6が演算を行う。図12に基準データ番号が0の場合を点線で、基準データ番号が1に変更になった場合の例を実線に示す。
このようにこの実施の形態4では、複数の基準データとその基準データと対応する基準データ番号を基準データメモリ部6に格納し、任意のタイミングで基準データを変更可能とするので、様々な電流パターンデータの出力によって電磁石の励磁制御可能な電磁石電源装置100を提供できる。
【0026】
実施の形態5.
以上説明した実施の形態1〜4による電磁石電源装置100を図13、図14に示す粒子線照射医療システムに設置されている加速器や照射装置の電磁石用電源に適用すれば、システムや装置の停止を行うことなく所望の照射パラメータを得ることができ治療や診断の稼働率が向上するという効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0027】
この発明は、癌等の悪性腫瘍の治療や診断に用いる粒子線照射医療システムや粒子線照射による殺菌、消毒や物理実験等に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施の形態1による電磁石電源装置を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1の基準データメモリ部の内容を示す図である。
【図3】実施の形態1の動作タイミングチャートを示す図である。
【図4】実施の形態1の電流パターンデータをプロットした図である。
【図5】図4を拡大した図である。
【図6】実施の形態2の動作タイミングチャートを示す図である。
【図7】実施の形態3による電磁石電源装置を示すブロック図である。
【図8】実施の形態3の動作タイミングチャートを示す図である。
【図9】実施の形態4による電磁石電源装置を示すブロック図である。
【図10】実施の形態4の基準データメモリ部の内容を示す図である。
【図11】実施の形態4の動作タイミングチャートを示す図である。
【図12】実施の形態4の電流パターンデータをプロットした図である。
【図13】粒子線照射医療システムを示す構成図である。
【図14】粒子線照射医療システムの照射装置を示す図である。
【符号の説明】
【0029】
1 電流パターン発生器、3 定数バッファ、4 定数レジスタ、
5 基準データメモリ部、6 演算部、7 乗算器、8 パターン出力部、
9 クロック発生器、10 電源本体、11 電流パターンメモリ部、
12 基準データ番号バッファ、13 基準データ番号レジスタ、
20 電流パターン制御装置、100 電磁石電源装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流パターン制御装置と電流パターン発生器と電源本体とを備えた電磁石電源装置において、
前記電流パターン制御装置からの信号を入力する前記電流パターン発生器には、クロック発生器と定数レジスタと演算部と基準データメモリ部とパターン出力部とが設けられており、
前記電流パターン制御装置からのパターン出力開始信号で、前記クロック発生器は先頭パターン信号を前記演算部に出力し、
正数よりなる複数の定数を格納する定数レジスタは、前記電流パターン制御装置からの定数設定信号で、前記複数の定数から、所定の定数を読み出して前記演算部に出力するとともに、該演算部は、前記基準データメモリ部に格納されている複数の基準データから所定の基準データを読み出して、この所定の基準データと前記所定の定数とを前記クロック発生器の出力するクロック信号と同期して乗算を行うことで電流パターンデータを作成し、
該電流パターンデータが、前記先頭パターン信号と前記パターン信号により前記パターン出力部から前記電源本体に出力されることにより、該電源本体の出力電流が制御されることを特徴とする電磁石電源装置。
【請求項2】
前記電流パターン発生器には正数よりなる複数の次同期定数が格納されている定数バッファが設けられており、前記電流パターン制御装置からの次同期定数設定信号によって前記次同期定数が読み出されるとともに、前記先頭パターン信号が有意となるタイミングで、前記演算部に入力されている前記所定の定数が前記次同期定数に変更されることを特徴とする請求項1に記載の電磁石電源装置。
【請求項3】
前記電流パターン発生器には、前記演算部が作成した電流パターンデータが格納される電流パターンメモリ部が設けられており、該電流パターンデータが前記先頭パターン信号と前記クロック信号により、前記パターン出力部から前記電源本体に出力されることを特徴とする請求項1に記載の電磁石電源装置。
【請求項4】
前記基準データメモリ部に格納されている複数の基準データは、電流値、繰り返し周波数であることを特徴とする請求項1に記載の電磁石電源装置。
【請求項5】
前記電流パターン発生器には、前記演算部が作成した電流パターンデータを格納する電流パターンメモリ部が設けられており、該電流パターンデータが前記先頭パターン信号と前記クロック信号により、前記パターン出力部から前記電源本体に出力されることを特徴とする請求項2に記載の電磁石電源装置。
【請求項6】
前記電流パターン発生器には、基準データ番号バッファと基準番号レジスタが設けられており、前記電流パターン制御装置からの次周期基準データ設定信号によって、次周期の基準データが読み出され、この基準データと前記所定の定数とを前記クロック発生器の出力するクロック信号と同期して乗算を行うことを特徴とする請求項5に記載の電磁石電源装置。
【請求項7】
前記請求項1〜請求項6のいずれか1項の電磁石電源装置を備えたことを特徴とする粒子線照射医療システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−15838(P2010−15838A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−175126(P2008−175126)
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】