電磁装置、インバータ回路並びに照明器具
【課題】製造段階並びに製造後においてもインダクタンスや静電容量の調整が可能な電磁装置、かかる電磁装置を用いたインバータ回路並びに照明器具を提供する。
【解決手段】第1プリント基板2の表面に形成されたプレーナ型の第1巻線1と、第2プリント基板4の表面に形成されて第1巻線1と厚み方向に対向する第2巻線3と、第1巻線1及び第2巻線3と磁気結合される磁心(コア)5と、第1巻線1と第2巻線3の間に介装される第1の絶縁体6とを備えている。第1プリント基板2と第2プリント基板4に設けられた導体領域7,8の間にも静電容量が形成されるから、この静電容量によって全体の静電容量を調整することができる。
【解決手段】第1プリント基板2の表面に形成されたプレーナ型の第1巻線1と、第2プリント基板4の表面に形成されて第1巻線1と厚み方向に対向する第2巻線3と、第1巻線1及び第2巻線3と磁気結合される磁心(コア)5と、第1巻線1と第2巻線3の間に介装される第1の絶縁体6とを備えている。第1プリント基板2と第2プリント基板4に設けられた導体領域7,8の間にも静電容量が形成されるから、この静電容量によって全体の静電容量を調整することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インダクタンスと静電容量の双方を有する電磁装置、この電磁装置を共振回路に用いるインバータ回路、並びにかかるインバータ回路を備えた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インダクタンスと静電容量の双方を有する電磁装置として図24に示すようなものが提案されている(従来例1)。この従来装置は、所望とする数の短冊状の誘電体チップ40を、断面が矩形の2枚のスパイラルコイル41ではさみこみ接合したスパイラルLC複合部材42を形成し、所望の数のそのスパイラルLC複合部材42を積層しおよび接続してノイズフィルタ回路を形成し、所望の数の前記ノイズフィルタ回路を、絶縁シート43を介して積層して、およびその積層体の中心および外周部に磁気回路が形成されるよう磁性体44で囲い、リアクトルの機能およびコンデンサの機能を有するフィルタ回路を構成したものであり、比較的大電力用途に用いられる、トロイダルコアを有した電磁装置に比べて小型化、薄型化、低コスト化が図れるという利点がある(特許文献1参照)。
【0003】
また、特許文献2には、コアと、コアに一端側から巻回される絶縁フィルムと、絶縁フィルムに密着して配設され絶縁フィルムと共にコアに巻回されてコイルを形成する導体とを備えた電磁装置(従来例2)が開示されており、近年ではチップ部品の中にインダクタとコンデンサの機能を併せ持った複合部品なども提供されている。
【0004】
さらに、従来例1のような誘電体チップではなく、例えばポリイミドで形成された誘電体シートを多層化してなる電磁装置もある(従来例3)。
【特許文献1】特開2000−312121号公報
【特許文献2】特開平7−211549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のような電磁装置を、せいぜい数アンペア程度の電流値で動作させる用途、例えば放電灯点灯装置を構成するインバータ回路の共振回路として使う場合、従来例1ではインダクタンス並びに静電容量の調整が困難であった。なぜならば、短冊状の誘電体チップを固定する接着剤の厚み等で導体(スパイラルコイル)間の距離が変化して静電容量も変化し、また誘電体チップ以外の箇所で導体間距離が変化して静電容量が変化してしまい、しかも、導体間の隙間を樹脂などで埋める場合でも導体間距離の調整が困難であり且つ樹脂自体が誘電体として作用するために設計値に対するばらつきを抑えることが難しい。さらに、一連の製造工程で製造されるため、インダクタンスや静電容量の定数を変更する場合に設計変更や製造工程の変更が必要となって汎用性に乏しいという欠点もある。特に製造工程において、静電容量を決める基板(誘電体)の厚み等が温度や圧力の影響を受けて変化することにより、所望の設計値が得られ難かったり、あるいは、基板の厚みの変化などを予め見越して製造するとなると、様々な条件下における膨大なデータを収集しなければならず多大な時間とコストが必要になる。
【0006】
また、従来例2やチップ部品の場合でも製造後にインダクタンスや静電容量の値を調整することは困難である。あるいは、従来例3のようにポリイミド樹脂などの耐熱性に優れた絶縁材料を用いれば基材が変形し難く、インダクタンス並びに静電容量のばらつきを抑えることができるものの、ポリイミド樹脂よりも安価な材料、例えばガラス布基材エポキシ樹脂を用いたプリント配線板用銅張積層板(いわゆるFR−4基板)を用いる場合に比較して材料費が高くつくという欠点がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、製造段階並びに製造後においてもインダクタンスや静電容量の調整が可能な電磁装置、かかる電磁装置を用いたインバータ回路並びに照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、少なくとも2つの端末に各々接続端子が設けられたプレーナ型の第1巻線と、少なくとも2つの端末に各々接続端子が設けられ厚み方向において第1巻線と対向配置されるプレーナ型の第2巻線と、第1巻線及び第2巻線と磁気結合される磁心と、第1巻線と第2巻線の間に介装される第1の絶縁体とを備え、第1の絶縁体を挟んで対向する第1巻線と第2巻線の間に静電容量を生じさせることでインダクタンスと静電容量の双方を有する電磁装置であって、インダクタンス又は静電容量の少なくとも何れか一方の値を調整する調整手段が設けられたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、少なくとも2つの端末に各々接続端子が設けられ厚み方向において第2巻線と対向配置されるとともに磁心に磁気結合されるプレーナ型の第3巻線と、第2巻線と第3巻線の間に介装される第2の絶縁体とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記調整手段は、少なくとも何れか一つの巻線と同一面上に設けられて当該巻線の任意箇所と接続される導体領域からなることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記導体領域は、巻線の延長線上に互いに離間して列設される複数の導体部からなることを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、複数の前記導体部と各々電気的に接続される複数の接続部が第1又は第2の絶縁体の少なくとも何れか一方に設けられたことを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れかの発明において、前記調整手段は、一方の巻線に対して他方の巻線を回転又は平行移動させてなることを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1〜6の何れかの発明において、第1巻線と第2巻線が同一形状に形成され、互いの接続端子の位置が略180度だけ回転対照な位置に配置されることを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1〜7の何れかの発明において、前記調整手段は、対向する巻線の厚み方向における距離を変化させてなることを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明は、請求項1〜8の何れかの発明において、前記調整手段は、磁心の個数を変化させてなることを特徴とする。
【0017】
請求項10の発明は、上記目的を達成するために、直流電圧が印加されるとともに高周波でスイッチングされる1乃至複数のスイッチング素子と、少なくとも何れか一つのスイッチング素子と負荷との間に接続されて共振回路を構成する請求項1〜9の何れかに記載の電磁装置とを備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項11の発明は、上記目的を達成するために、ランプを保持する器具本体と、器具本体に搭載されてランプへの供給電力を調整する請求項10記載のインバータ回路とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1、10、11の発明によれば、製造段階並びに製造後においてもインダクタンスや静電容量の調整が可能な電磁装置、インバータ回路、照明器具が提供できる。
【0020】
請求項2の発明によれば、第2巻線のインダクタンスと第3巻線のインダクタンスとの間に生じる相互インダクタンスで絶縁型のトランスが構成できる。
【0021】
請求項3の発明によれば、等価回路における任意の箇所で静電容量を調整することができる。
【0022】
請求項4の発明によれば、巻線の分割された部分の接続の有無並びに接続する個数に応じて静電容量だけでなくインダクタンスも調整することができる。
【0023】
請求項5の発明によれば、第1又は第2の絶縁体に設けられた接続部を介して導体部の配線が容易に行える。
【0024】
請求項6の発明によれば、巻線の位置関係を相対的に変化させることで静電容量を調整することができる。
【0025】
請求項7の発明によれば、接続端子間の距離を大きく採ることができて耐圧性の向上が図れる。
【0026】
請求項8の発明によれば、インダクタンスをほぼ一定に保ったままで静電容量のみを調整することができる。
【0027】
請求項9の発明によれば、磁心の個数を増減することで静電容量をほぼ一定に保ったままでインダクタンスのみを調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(実施形態1)
本実施形態の電磁装置は、図1に示すように第1プリント基板2の表面に形成されたプレーナ型の第1巻線1と、第2プリント基板4の表面に形成されて第1巻線1と厚み方向(図1における上下方向)に対向する第2巻線3と、第1巻線1及び第2巻線3と磁気結合される磁心(コア)5と、第1巻線1と第2巻線3の間に介装される第1の絶縁体6とを備えている。
【0029】
第1プリント基板2は、矩形薄板状の絶縁基材の表面に螺旋状の銅箔からなる第1巻線1と、略三角形状の銅箔からなる一対の導体領域7とが形成され、絶縁基材の中央にはコア5の中脚部5bを挿通する挿通孔2aと内周面が半田めっきされたスルーホール(以下、めっきスルーホールと呼ぶ。)2bが設けられ、さらに長手方向に対向する絶縁基材の両端部には短手方向に並び且つ内周面が半田めっきされた6個のめっきスルーホール2bがそれぞれ設けられている。ここで、第1巻線1の一方の端末が中央のスルーホール2bに接続され、他方の端末が一端部における端(図1における右端)のスルーホール2bに接続されており、これら2つのめっきスルーホール2bが第1巻線1用の接続端子を構成している。また、一対の導体領域7は挿通孔2aを挟んで対角線上に対向する位置にあり、一方の導体領域7が一端部における端(図1における左端)のめっきスルーホール2bに接続され、他方の導体領域7が他端部における端(図1における右端)のめっきスルーホール2bに接続されており、これら2つのめっきスルーホール2bが各導体領域7の接続端子をそれぞれ構成している。
【0030】
第2プリント基板4は、第1プリント基板2と同様に矩形薄板状の絶縁基材の表面に螺旋状の銅箔からなる第2巻線3と、略三角形状の銅箔からなる一対の導体領域8とが形成され、絶縁基材の中央にはコア5の中脚部5bを挿通する挿通孔(図示せず)とめっきスルーホール(図示せず)が設けられ、さらに長手方向に対向する絶縁基材の両端部には短手方向に並ぶ6個のめっきスルーホール4bがそれぞれ設けられている。ここで、第2巻線3の一方の端末が中央のめっきスルーホールに接続され、他方の端末が一端部における端(図1における右端)から2番目のめっきスルーホール4bに接続されており、これら2つのめっきスルーホール4bが第2巻線3用の接続端子を構成している。また、一対の導体領域8は挿通孔を挟んで対角線上に対向する位置にあり、一方の導体領域8が一端部における端(図1における左端)から2番目のめっきスルーホール4bに接続され、他方の導体領域8が他端部における端(図1における右端)から2番目のめっきスルーホール4bに接続されており、これら2つのめっきスルーホール4bが各導体領域8の接続端子をそれぞれ構成している。但し、中央のめっきスルーホールは、第1プリント基板2と第2プリント基板4を重ねたときに第1プリント基板2の中央のめっきスルーホール2bと重ならない位置に設けられている。
【0031】
第1の絶縁体6は第1プリント基板2並びに第2プリント基板4と同形状及び同寸法の矩形薄板状に形成され、中央にはコア5の中脚部5bを挿通する挿通孔(図示せず)が貫設され、長手方向に対向する両端部には短手方向に並ぶ6個のめっきスルーホール6bがそれぞれ設けられている。
【0032】
コア5は、中脚部5bが楕円柱状であるEE形フェライト磁心であって、互いに同一形状、同一寸法のE形フェライト磁心である2つのコア体51,52を、それぞれの中脚部5bを第1プリント基板2、第1の絶縁体6並びに第2プリント基板4の各挿通孔2aに挿通し且つ中脚部5bと一対の外脚部5aに囲まれた窓に第1プリント基板2、第1の絶縁体6並びに第2プリント基板4を収納する形で結合することによって構成されるものである。なお、所望のインダクタンス値や直流重畳特性に応じて2つのコア体51,52の中脚部5bにエアギャップが設けられる場合もある。
【0033】
而して、第1プリント基板2と第2プリント基板4の間に第1の絶縁体6を挟む形でこれらを重ね合わせるとともに、長手方向の両端部にそれぞれ設けられているめっきスルーホール2b,6b,4b同士を接合して電気的に接続し、上述のように中脚部5bを挿通孔2aに挿通するとともに窓に第1プリント基板2、第1の絶縁体6並びに第2プリント基板4を収納する形で2つのコア体51,52を結合してコア5を構成することによって本実施形態の電磁装置が完成する。但し、プリント配線板用銅張積層板を用いて第1プリント基板2と第1の絶縁体6と第2プリント基板4とを一体に構成することも可能であり、また、図2に示すように第1巻線1と第2巻線3と導体領域7,8が形成された多数枚のプリント配線板用銅張積層板9を重ねてコア5と結合し、めっきスルーホール9aに棒状の接続ピン9bを設ける構成としても構わない。ここで、プリント配線板用銅張積層板9には耐熱性の高いポリイミド樹脂を用いたものを使用してもよいが、耐熱性が若干低いエポキシ樹脂を用いたもの(例えば、FR−4基板)であっても構わない。
【0034】
図3(a)は本実施形態の電磁装置の等価回路を示している。すなわち、第1巻線1及び第2巻線3は所定の長さを有しているので、それぞれの両端に設けられた2つの接続端子間に微少なインダクタンスが連続的に分布するとともに、第1の絶縁体6を介して対向する第1巻線1と第2巻線3の間に微少な静電容量が分布し、さらに、第1の絶縁体6を介して対向する2つの導体領域7,8の間にも静電容量、つまり、調整用コンデンサCa,Cbが形成される。したがって、図3(b)に示すように第1巻線1と第2巻線3と第1の絶縁体6で形成されるインダクタンス及び静電容量からなるLC共振子10に調整用コンデンサCa,Cbを接続することにより、電磁装置全体の静電容量を調整することができるのである。例えば、図4に示すように直流電圧が印加されるとともに高周波でスイッチングされる2つのスイッチング素子(FET)Q1,Q2と、ローサイドのスイッチング素子Q2と負荷(放電灯)Laとの間に直流阻止用のカップリングコンデンサCxを介して接続される共振回路Xとを備えたハーフブリッジ式のインバータ回路において、本実施形態の電磁装置のLC共振子を共振回路XのインダクタLdとコンデンサCdとして用いることができ、しかも、調整用コンデンサCa,Cbの接続の有無により共振回路Xを構成するコンデンサCdの静電容量を調整することができる。ここで、従来では共振回路Xを構成するインダクタLdやコンデンサCdの部品ばらつきによる高周波出力の変動を、例えばスイッチング素子Q1,Q2の発振周波数を変化させることで補正していたが、本実施形態の電磁装置を共振回路Xに適用すればコンデンサCdの静電容量を調整することができるため、スイッチング素子Q1,Q2の発振周波数を変化させる必要がなくなってスイッチング制御が簡略化できるという利点がある。
【0035】
ところで、調整用コンデンサCa,Cbを接続するか否かのみでは細かな調整ができないので、図5(a)に示すように第1プリント基板2の四隅近傍に導体領域7をそれぞれ形成し、これら4つの導体領域7を予め配線パターン7aを介して第1巻線1の最外周部分に接続しておき、図5(b)に示すように必要に応じてレーザなどを利用して配線パターン7aを切断することにより静電容量の調整を行うようにしてもよい。また、図5(c)に示すように配線パターン7aを残したままで導体領域7を部分的に削除すれば、削除する領域の広さに応じて静電容量を連続的に細かく調整することが可能である。さらに、図5(d)に示すように絶縁部材11を介して第1巻線1を部分的に跨ぐようにして配線パターン7aを第1巻線1の内周部分に接続すれば、図5(e)の等価回路に示すようにLC共振子10の両端ではなく中央寄りに調整用コンデンサCeを設けることができ、しかも、配線パターン7aを切断したり導体領域7を部分的に削除することで調整用コンデンサCeの静電容量を調整することができる。また、第1プリント基板2の第1巻線1が設けられていない部分に導体領域7を設けたことにより、第1巻線1で生じる熱が配線パターン7aを介して導体領域7で放熱されるため、結果的に電磁装置の放熱性が向上するという利点もある。なお、図5(a)〜(d)では第1プリント基板2のみを図示しているが、第2プリント基板4も同様の構成であることは言うまでもない。
【0036】
(実施形態2)
本実施形態の電磁装置の分解斜視図を図6に示す。但し、本実施形態の基本構成は実施形態1と共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0037】
本実施形態の電磁装置は、図6に示すように表面に第3巻線12が形成された第3プリント基板13が、第2の絶縁体14を挟んで第2プリント基板4に対向配置されている点に特徴がある。
【0038】
第3プリント板13は、第1プリント基板2及び第2プリント板4と同様に矩形薄板状の絶縁基材の表面に螺旋状の銅箔からなる第3巻線12と、略三角形状の銅箔からなる一対の導体領域15とが形成され、絶縁基材の中央にはコア5の中脚部5bを挿通する挿通孔(図示せず)とめっきスルーホール(図示せず)が設けられ、さらに長手方向に対向する絶縁基材の両端部には短手方向に並ぶ6個のめっきスルーホール13bがそれぞれ設けられている。ここで、第3巻線12の一方の端末が中央のめっきスルーホールに接続され、他方の端末が一端部における端(図6における右端)から3番目のめっきスルーホール13bに接続されており、これら2つのめっきスルーホール13bが第3巻線12用の接続端子を構成している。また、一対の導体領域15は挿通孔を挟んで対角線上に対向する位置にあり、一方の導体領域15が一端部における端(図6における左端)から3番目のめっきスルーホール13bに接続され、他方の導体領域15が他端部における端(図6における右端)から3番目のめっきスルーホール13bに接続されており、これら2つのめっきスルーホール13bが各導体領域15の接続端子をそれぞれ構成している。但し、中央のめっきスルーホールは、第1プリント基板2及び第2プリント基板4と第3プリント板13を重ねたときに第1プリント基板2の中央のめっきスルーホール2b並びに第2プリント基板4の中央のめっきするーホールの何れとも重ならない位置に設けられている。
【0039】
第2の絶縁体14は第3プリント基板13と同形状及び同寸法の矩形薄板状に形成され、中央にはコア5の中脚部5bを挿通する挿通孔(図示せず)が貫設され、長手方向に対向する両端部には短手方向に並ぶ6個のめっきスルーホール14bがそれぞれ設けられている。
【0040】
而して、第1プリント基板2と第2プリント基板4の間に第1の絶縁体6を挟むとともに第2プリント基板4と第3プリント基板13の間に第2の絶縁体14を挟む形でこれらを重ね合わせるとともに、長手方向の両端部にそれぞれ設けられているめっきスルーホール2b,6b,4b,13b,14b同士を接合して電気的に接続し、中脚部5bを挿通孔2aに挿通するとともに窓に第1プリント基板2、第1の絶縁体6、第2プリント基板4、第2の絶縁体14、第3プリント基板13を収納する形で2つのコア体51,52を結合してコア5を構成することによって本実施形態の電磁装置が完成する。
【0041】
図7(a)は本実施形態の電磁装置の等価回路を示している。すなわち、第3巻線12も所定の長さを有しているので、両端に設けられた2つの接続端子間に微少なインダクタンスが連続的に分布するとともに、第2巻線3のインダクタンスと第3巻線12のインダクタンスとの間に相互インダクタンスMが生じて第2巻線3と第3巻線12とで絶縁型のトランスが構成されることになる。例えば、図7(b)に示すように負荷(放電灯La)との間にトランスTが挿入された絶縁型のハーフブリッジ式インバータ回路において、本実施形態の電磁装置のLC共振子を共振回路XのインダクタLdとコンデンサCdとして用いるとともに第2巻線3のインダクタンスと第3巻線12のインダクタンスとの間に生じる相互インダクタンスMをトランスTとして用いることができる。
【0042】
(実施形態3)
実施形態1,2では静電容量の調整のみが可能であるが、本実施形態は静電容量とインダクタンスの双方の調整を可能としている。但し、本実施形態の基本構成は実施形態1と共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0043】
本実施形態は、図8(a)に示すように第1巻線1における外側の端末近傍の部分が複数の導体部16に分割されている点に特徴がある。導体部16は、第1巻線1の他の部分と同一の幅寸法を有する平面視略四角形状に形成されて第1プリント基板2の一端側における接続端子(めっきスルーホール2b)とそれぞれ配線パターンによって一対一に接続されている。なお、第2巻線3については、第1の絶縁体6を挟んで導体部16と対向する位置まで設けられ、その端末と、第1巻線1の端末に対向する部位とが配線パターンによって両端の接続端子(めっきスルーホール4b)に各別に接続されている。さらに、導体部16が接続された上記接続端子は、第1の絶縁体6に設けられためっきスルーホール6bと電気的に接続されており、これらのめっきスルーホール6bが接続部となる。
【0044】
図8(b)は本実施形態の電磁装置の等価回路を示している。すなわち、第1巻線1から分割された複数の導体部16にも各々微少なインダクタンスが分布し且つ第1の絶縁体6を介して対向する導体部16と第2巻線3との間に静電容量が生じ、これらのインダクタンス(インダクタLy)並びに静電容量(コンデンサCy)が接続端子で切り離された状態にあるから、第1巻線1に対する導体部16の接続の有無並びに接続する導体部16の個数に応じて、電磁装置の静電容量だけでなくインダクタンスも合わせて調整することが可能となる。
【0045】
但し、図9(a)に示すように第2巻線3における外側の端末近傍の部分も同様に複数の導体部17に分割してもよい。この場合、第2プリント基板4の一端側には複数のめっきスルーホール4b(接続端子)が2列に並べて設けられ、内側の列のめっきスルーホール4b(接続端子)に配線パターンを介して各導体部17が一対一に接続され、外側の列のめっきスルーホール4b(接続端子)が第1の絶縁体6のめっきスルーホール6bと第1プリント基板2のめっきスルーホール2bにそれぞれ接続される。この電磁装置の等価回路は図9(b)に示すとおりであり、第2巻線3から分割された導体部17にも微少なインダクタンスが分布し、これらのインダクタンス(インダクタLz)が接続端子で切り離された状態にあるから、第1巻線1に対する導体部17の接続の有無並びに接続する導体部17の個数に応じて電磁装置のインダクタンスをさらに細かく調整することが可能となる。
【0046】
(実施形態4)
本実施形態の電磁装置における第1プリント基板2、第1の絶縁体6、第2プリント基板4の分解斜視図を図10に示す。但し、本実施形態の基本構成は実施形態1と共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して適宜図示並びに説明を省略する。
【0047】
本実施形態の電磁装置は、第1プリント基板2と第2プリント基板4との間に介装される第1の絶縁体6の厚みdが変化することで第2プリント基板4が第1プリント基板2に対して平行移動し、その結果、第1巻線1と第2巻線3の間の距離が変化して静電容量を調整可能とした点に特徴がある。
【0048】
本実施形態における第1の絶縁体6は、温度が上昇することで熱収縮する材料(例えば、ポリエステル系や塩化ポリビニル系の熱収縮フィルム等)、若しくは印加電圧に応じて厚みが変化する材料(例えば、PZTのような圧電素子等)からなる。つまり、第1の絶縁体6の温度が上昇して熱収縮すること、あるいは第1巻線1と第2巻線3の間の電位差が増大することによって厚みdが薄くなり、そのために第1巻線1と第2巻線3の間の距離が近くなって静電容量が増加することになる。但し、インダクタンスの値は第1巻線1と第2巻線3の間の距離に関係なく一定である。すなわち、静電容量Cは、真空の誘電率をε0、比誘電率をεr、導体面積をS、導体間距離をDとしたときに、C=ε0・εr・S/Dで表されるから、導体間距離D(第1巻線1と第2巻線3の間の距離d)が減少すれば静電容量Cが増加するのである。したがって、図11(a)に実線で示すように第1の絶縁体6の温度Taが上昇するにつれて厚みdが減少すると静電容量Cは増加し(図11(a)における破線参照)、あるいは図11(b)に実線で示すように第1巻線1と第2巻線3の電位差(第1の絶縁体6への印加電圧)が増大するにつれて厚みdが減少すると静電容量Cは増加するのである(図11(b)における破線参照)。但し、第1の絶縁体6を構成する材料が導電性を有するものである場合には第1巻線1及び第2巻線3との間に薄膜状の絶縁物を介在させればよい。また、第1の絶縁体6を熱収縮する材料で形成する代わりに、可撓性材料からなる第1の絶縁体6を形成するとともに第1巻線1及び第2巻線3と第1の絶縁体6を両側(図10における上側及び下側)から熱望領する材料より薄板状に形成された絶縁物で挟むようにしても構わない。
【0049】
ここで、実施形態1で説明したハーフブリッジ式のインバータ回路(図4参照)において、本実施形態の電磁装置のLC共振子を共振回路XのインダクタLdとコンデンサCdとして用いた場合の動作について説明する。図12はインバータ回路における負荷出力の周波数特性であって、実線イが第1の絶縁体6の厚みdが相対的に大きいとき、破線ロが第1の絶縁体6の厚みdが相対的に小さいときをそれぞれ示している。共振回路Xの共振周波数f0はf0={2π(Ld×Cd)1/2}-1で表されるから、実線イの周波数特性における共振周波数f0に対して、破線ロの周波数特性における共振周波数f0’はコンデンサCdの静電容量が増加することで低下する(f0’<f0)。例えば、インバータ回路が発振周波数fsで動作して放電灯Laが点灯している場合、共振回路Xの温度や印加電圧が正常であれば、実線イの周波数特性における点Aが動作点となる。一方、負荷(放電灯La)の異常時などに、例えばLC共振子の温度が上昇したり、印加電圧が上昇したりすると第1の絶縁体6の厚みdが減少するために静電容量の値Cdが増加して周波数特性が実線イから破線ロに変化するから、発振周波数fsを一定すれば、動作点が実線イ上の点Aから破線ロ上の点Bに移動してインバータ回路の高周波出力が減少することになる。したがって、負荷の異常による高周波出力の上昇を共振回路Xの共振周波数f0の変化で抑制することができ、インバータ回路の制御が簡素化できるという利点がある。また、共振回路Xの共振周波数f0はLC共振子のインダクタンス並びに静電容量が温度や印加電圧に応じた連続的な変化に合わせて変化するから、上述のような異常検出だけでなく、例えば、インバータ回路の高周波出力に対する温度補償などのフィードバック制御にも本実施形態の電磁装置が利用できることは言うまでもない。
【0050】
(実施形態5)
本実施形態の電磁装置における第1プリント基板2、第1の絶縁体6、第2プリント基板4の分解斜視図を図13に示す。但し、本実施形態の基本構成は実施形態1と共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して適宜図示並びに説明を省略する。
【0051】
本実施形態の電磁装置では、略コ字状であって互いに入れ子構造となった複数(図示例では3つ)の導電パターン1A,1B,1Cで第1巻線1が構成され、同じく略コ字状であって互いに入れ子構造となった複数(図示例では3つ)の導電パターン3A,3B,3Cで第2巻線3が構成されている。そして、これらの導電パターン1A,…、3A,…は、第1プリント基板2の端部に設けられためっきスルーホール2bからなる接続端子T11,T12,T13,T14,T15,T16や第2プリント基板4の端部に設けられためっきスルーホール4bからなる接続端子T21,T22,T23,T24,T25,T26に接続される。具体的には、最外周の導電パターン1A,3Aの端末が両端の接続端子T11,T16とT21,T26に各別に接続され、中間の導電パターン1B,3Bの端末が両端から2番目の接続端子T12,T15とT22,T25に各別に接続され、最内周の導電パターン1C,3Cの端末が両端から3番目の接続端子T13,T14とT23,T24に各別に接続される。なお、第1の絶縁体6にはめっきスルーホールが設けられていないが、後述するように第1プリント基板2の接続端子T11,…と第2プリント基板4の接続端子T21,…とが適宜直接接続される。
【0052】
上述のように本実施形態の電磁装置では第1巻線1及び第2巻線3が複数の導体パターン1A,…、3A,…に分割されているため、その等価回路は図14(a)に示すように第1の絶縁体6を挟んで対向する各導電パターンの組(1Aと3A、1Bと3B、1Cと3C)毎に一対のインダクタの両端がコンデンサで接続された回路で表される。したがって、図14(b)に示すように隣り合う接続端子T16とT12,T15とT13、T26とT22,T25とT23を接続すれば、導体パターン1A,…、3A,…が連続して接続されるため、接続端子間に挟まれた領域で発生する静電容量を除いて実施形態1の等価回路とほぼ共通の等価回路となる。また、図14(c)に示すように一方の接続端子T11とT12とT13、T21とT22とT23を並列に接続するとともに他方の接続端子T14とT15とT16、T24とT25とT26を並列に接続してもよく、導体パターン1A,…、3A,…に流れる電流の電流密度が小さくなるためにLC共振子における発熱が抑制できるという利点がある。このようなLC共振子は回路に流れる電流のピーク値を大きくすることができるので、瞬間的にパルス状の大電流を流す必要がある回路、例えば、HIDランプを始動するためのイグナイタ回路に用いられるパルストランス、に利用することができる。あるいは、接続端子T11とT21、T12とT22、…を接続すれば電流密度をさらに減少させることができる。但し、この場合には静電容量を生じさせるために別の絶縁体及び巻線が必要となる。
【0053】
なお、本実施形態では3つの第1巻線1及び第2巻線3を3つの導電パターン1A,…、3A,…に分割するとともに各導電パターン1A,…、3A,…に各別に接続端子T11,…、T21,…を接続しているが、導電パターンの数や同じ接続端子T11,…、T21,…に接続する導電パターンの数については本実施形態に限定されるものではなく、所望のインダクタンス並びに静電容量の設計に合わせて決定すればよい。
【0054】
(実施形態6)
本実施形態の電磁装置の分解斜視図を図15(a)に示す。但し、本実施形態の基本構成は実施形態1と共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して適宜図示並びに説明を省略する。
【0055】
本実施形態の電磁装置では、第1プリント基板2並びに第2プリント基板4、第1の絶縁体6が何れも同寸法の円盤状であって、第2プリント基板4と第1の絶縁体6とが互いに固定されるとともに第1プリント基板2のみが第2プリント基板4及び第1の絶縁体6に対して挿通孔2aに挿通されるコア5の中脚部5bを軸として回動自在となっている。但し、本実施形態では第1プリント基板2、第2プリント基板4、第1の絶縁体6に設けられる挿通孔2a,4aが何れも円形であり、且つコア5の中脚部5bが円柱形状となっている。また、螺旋状の第1巻線1及び第2巻線3の両端はめっきスルーホール2b,4bからなる接続端子に各別に接続される。
【0056】
而して、第1巻線1と第2巻線3の両端が重なり合う状態では、2つの巻線1,3の対向面積が最大となるからLC共振子10の等価回路が図15(b)で表され、例えば、図15(a)に示すように第1プリント基板2を反時計回りにθ[ラジアン]だけ回動した状態では、2つの巻線1,3の対向面積が減少してLC共振子10の等価回路が図15(c)で表されるものとなる。つまり、電磁装置の完成後においても、第1プリント基板2(第1巻線1)の回動角に応じて静電容量を調整することが可能になるのである。
【0057】
ところで、図16(a)に示すように第1プリント基板2並びに第2プリント基板4の周縁部分に複数のめっきスルーホール2b,4bからなる接続端子を周方向に沿って等間隔に設けるとともに、これら複数の接続端子(めっきスルーホール2b,4b)と第1巻線1及び第2巻線3の最外周部分とを径方向に沿って導体パターンで接続すれば、図16(b)の等価回路で示すLC共振子10が構成され、第1プリント基板2及び第2プリント基板4の上記複数の接続端子の接続の有無及び接続数に応じてインダクタンスを調整することが可能となる。なお、第1プリント基板2の接続端子と第2プリント基板4の接続端子との接続は、第1の絶縁体6の周縁部分に周方向に沿って等間隔で設けられるスルーホール(図示せず)を通してめっきスルーホール2b,4bに導電ピン(図示せず)を半田接合することで行えばよい。
【0058】
(実施形態7)
本実施形態の電磁装置における要部の分解斜視図を図17に示す。但し、本実施形態の基本構成は実施形態1と共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して適宜図示並びに説明を省略する。
【0059】
図17に示すように、第1プリント基板2並びに第2プリント基板4が両面銅張積層板からなる第1の両面基板18として一体に形成され、同じく両面銅張積層板からなる第2の両面基板19と、第3の絶縁体20を介して重ね合わされている。第1及び第2の両面基板18,19は、コアの中脚部が挿通される矩形の挿通孔18a,19aが中央に設けられ、長手方向における挿通孔18a,19aの周縁部分に各々3つのめっきスルーホール18b,19bが設けられるとともに、長手方向に対向する両端部には短手方向に等間隔に並ぶ合計3つのめっきスルーホール18c,19cが設けられている。また第1の両面基板18は、その表面(図17における上面)に第1巻線1が設けられるとともに裏面(図17における下面)に第2巻線3が設けられ、同じく第2の両面基板19は、その表面(図17における上面)に第3巻線21が設けられるとともに裏面(図17における下面)に第4巻線22が設けられている。
【0060】
図18(a)(b)は第1の両面基板18を片側(図17における上側)から見た平面図を示し、図18(c)(d)は第2の両面基板19を片側(図17における上側)から見た平面図を示している。但し、図18(b)(d)においては第1巻線1と第3巻線21の図示を省略している。第1巻線1は、図18(a)に示すように上記片側から見たときに外から内に向かって時計回りであって内側の端末が一端側の端(図18(a)では下側の左端)のめっきスルーホール18bと接続され、外側の端末が同じ側の端(図18(a)では下側の左端)のめっきスルーホール18cと接続されている。第2巻線3は、図18(b)に示すように上記片側から見たときに外から内に向かって時計回りであって内側の端末が一端側の端(図18(b)では上側の右端)のめっきスルーホール18bと接続され、外側の端末が同じ側の端(図18(b)では上側の右端)のめっきスルーホール18cと接続されている。また第3巻線21は、図18(c)に示すように上記片側から見たときに外から内に向かって反時計回りであって内側の端末が一端側の端(図18(c)では下側の左端)のめっきスルーホール18bと接続され、外側の端末が同じ側の端(図18(c)では下側の右端)のめっきスルーホール18cと接続されている。さらに第4巻線22は、図18(d)に示すように上記片側から見たときに外から内に向かって反時計回りであって内側の端末が一端側の端(図18(b)では上側の右端)のめっきスルーホール18bと接続され、外側の端末が同じ側の端(図18(b)では上側の右端)のめっきスルーホール18cと接続されている。ここで、第1巻線1と第3巻線21の内側の端末同士が第3の絶縁体20に設けられためっきスルーホール(図示せず)を介して接続され、第2巻線3と第4巻線22の内側の端末同士が第3の絶縁体20に設けられためっきスルーホール(図示せず)を介して接続されている。
【0061】
而して、第1及び第2の両面基板18,19においては、第1巻線1と第2巻線3、第3巻線21と第4巻線22が、それぞれ上記片側から見たときに180度回転対称となっており、巻線1,3,21,22毎のインダクタンスは一定であり、第1巻線1と第2巻線3並びに第3巻線21と第4巻線22の対向面積もほぼ一定であるから静電容量も一定である。しかしながら、接続端子の配置が各巻線1,3,21,22で異なっているため、実施形態6で説明した図15(b)(c)の等価回路と同等な等価回路で表されるLC共振子10となり、実施形態6と同様に静電容量の調整が可能となる。なお、各巻線1,3,21,22のターン数を増やすことにより、LC共振子10全体のインダクタンス及び静電容量に対して半周分のインダクタンス及び静電容量の差の占める割合が小さくなるので、静電容量の調整範囲をターン数によって任意に設定することができる。
【0062】
また、互いに直列接続される第1巻線1及び第3巻線21と第2巻線3及び第4巻線22との間に高電圧が印加される場合においても、高電圧が印加される接続端子が両面基板18,19の長手方向に対向する両端に振り分けられているので、実施形態1のように対向する2つの巻線(第1巻線1と第2巻線3、第3巻線21と第4巻線22)が同一形状である場合に比較して、接続端子間の距離が十分に大きく採れるために耐圧性の向上が図れるという利点がある。すなわち、2つの巻線が同一形状である場合は巻線の両端における絶縁距離が絶縁体(両面基板18,19の絶縁基材)の厚み分しかないが、本実施形態では巻線の両端が両面基板18,19の両端に振り分けられているために絶縁距離が大きくとれるのである。さらに、各両面基板18,19の表裏各面に形成される巻線のパターンが同形状であるから、巻線のパターン図面が共通で済むために設計の手間が省けるという利点もある。
【0063】
なお、全体の層数(巻線の数)が偶数であれば、外側から巻き初めて、必ず外側で巻き終わるため、基板(両面基板18,19)の接続端子(めっきスルーホール18b,18c,19b,19c)への接続が容易に行え、接続端子に対して様々な方向から配線を接続することができて設計の自由度が高くなる。すなわち、本実施形態の電磁装置を例えばプリント配線板に実装する場合、その実装向きにかかわらず、接続端子の位置がプリント配線板に近くなるために配線が容易に行えるものである。
【0064】
ところで、両面基板18,19の片側の面に設けられる巻線(例えば、第2巻線3や第4巻線22)を両面基板18,19の対角線に沿って平行移動すれば、巻線(第1巻線1と第2巻線3、並びに第3巻線21と第4巻線22)の対向面積を均一に減少させて静電容量を調整することができる。具体的には、例えば第2巻線3や第4巻線22を両面基板18,19に形成する際に対角線に沿って平行移動すればよい。なお、巻線を両面基板18,19の縦方向(長手方向)若しくは横方向(短手方向)に平行移動した場合、巻線の対向面積が巻線の縦方向あるいは横方向にのみ減少するためにLC共振子10の静電容量にばらつきが生じることになるが、上述のように対角線に沿って平行移動すれば、LC共振子10の等価回路における複数のコンデンサの静電容量をほぼ同一に保ったままで調整できて設計が容易になるものである。
【0065】
ここで、図19に示すようにインダクタンス並びに静電容量の少なくとも何れか一方が調整可能な複数(例えば、3つ)のLC共振子ブロック30を、絶縁体31を介して重ね合わせて一つの電磁装置を構成し、それぞれのLC共振子ブロック30のインダクタンス及び静電容量を調整すれば、例えば、それぞれに特性が異なる3種類のフィルタを一つにまとめた電磁装置を容易に実現することができる。
【0066】
(実施形態8)
本実施形態の電磁装置の分解斜視図を図20に示す。但し、本実施形態の基本構成は実施形態1と共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して適宜図示並びに説明を省略する。
【0067】
図20に示すように、第1プリント基板2と第2プリント基板4と第1の絶縁体6の中央に、それぞれコア5の中脚部5bを挿通する挿通孔2a,4a,6aが複数(図示例では2つ)設けられている。つまり、第1巻線1と第2巻線3に磁気結合するコア5が一つの場合と二つの場合とでLC共振子10のインダクタンスが変化するから、磁気結合させるコア5の個数に応じてインダクタンスを調整することができる。但し、同時に磁気結合可能なコア5の個数は2個に限定されるものではなく、3個以上であっても構わない。
【0068】
ところで、実施形態1〜8で説明した電磁装置は、放電灯Laを高周波点灯するための放電灯点灯装置を構成するインバータ回路に好適である。例えば、図21(a)に示すようにフルブリッジ式のインバータ回路INVにおける共振回路Xや、あるいは図21(c)に示すようにハーフブリッジ式のインバータ回路INVにおける共振回路Xとして用いることができる。また、図21(a)〜(c)に示すように商用交流電源ACの交流電圧をインバータ回路INVに供給するための直流電圧に変換する電源回路(ダイオードブリッジDB並びにDC−DCコンバータCNV)や、あるいは図21(b)に示すように放電灯Laに始動電圧を印加するためのイグナイタ回路IGに設けられるパルストランスPTにも、実施形態1〜8で説明した電磁装置(LC共振子10)を用いることができる。但し、図21(a)〜(c)に示した回路構成は従来周知であるから、詳細な説明は省略する。
【0069】
図22は上述のようなインバータ回路INVの構造を示す斜視図である。図示例では、合計4つの電磁装置23,24,25,26がプリント配線板27に横置きに実装され、電磁装置25,26の間に制御用の別のプリント配線板28が縦向きに実装されている。そして、これら4つの電磁装置23〜26はめっきスルーホールからなる接続端子によって互いに接続されている。なお、個々の電磁装置23〜26におけるx軸方向並びにz軸方向の寸法を同一にしておけば、図示するように各電磁装置23〜26を立体的に配線することが可能である。この場合、各電磁装置23〜26の許容電力に関しては、y軸方向の距離を調整することが設定可能であり、例えば、コア5の高さや絶縁体の厚みによって調整できる。
【0070】
図23は上述した放電灯点灯装置を搭載する照明器具の一例を示す斜視図である。この照明器具はスポットライトであって、レール状の配線路30に着脱自在に接続するコネクタ部31と、コネクタ部31に対して回動自在に支持される有底筒状の器具本体32と、器具本体32の先端に設けられる椀形の反射板33とを備え、器具本体32に放電灯点灯装置が内蔵されている。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】実施形態1を示す分解斜視図である。
【図2】同上の他の構成の斜視図である。
【図3】(a)(b)は同上の等価回路を示し回路図である。
【図4】同上を用いたインバータ回路の回路図である。
【図5】(a)〜(e)は同上の静電容量の調整方法を説明する説明図である。
【図6】実施形態2を示す分解斜視図である。
【図7】(a)は同上の等価回路を示す回路図、(b)は同上を用いたインバータ回路の回路図である。
【図8】実施形態3を示し、(a)は要部の分解斜視図、(b)は等価回路の回路図である。
【図9】同上の他の構成を示し、(a)は要部の分解斜視図、(b)は等価回路の回路図である。
【図10】実施形態4の要部の分解斜視図である。
【図11】同上の動作説明図である。
【図12】同上を用いたインバータ回路の動作説明図である。
【図13】実施形態5の要部の分解斜視図である。
【図14】(a)〜(c)は同上の等価回路の回路図である。
【図15】実施形態6を示し、(a)は分解斜視図、(b)(c)は等価回路の回路図である。
【図16】同上の他の構成を示し、(a)は分解斜視図、(b)は等価回路の回路図である。
【図17】実施形態7の要部の分解斜視図である。
【図18】(a)(b)は同上における第1の両面基板の平面図、(c)(d)は同上における第2の両面基板の平面図である。
【図19】同上の他の構成の分解斜視図である。
【図20】実施形態8の分解斜視図である。
【図21】(a)〜(c)は本発明に係るインバータ回路を用いた放電灯点灯装置の回路図である。
【図22】同上の放電灯点灯装置の斜視図である。
【図23】本発明に係る照明器具の斜視図である。
【図24】従来の電磁装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0072】
1 第1巻線
2 第1プリント基板
3 第2巻線
4 第2プリント基板
5 コア(磁心)
6 第1の絶縁体
【技術分野】
【0001】
本発明は、インダクタンスと静電容量の双方を有する電磁装置、この電磁装置を共振回路に用いるインバータ回路、並びにかかるインバータ回路を備えた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インダクタンスと静電容量の双方を有する電磁装置として図24に示すようなものが提案されている(従来例1)。この従来装置は、所望とする数の短冊状の誘電体チップ40を、断面が矩形の2枚のスパイラルコイル41ではさみこみ接合したスパイラルLC複合部材42を形成し、所望の数のそのスパイラルLC複合部材42を積層しおよび接続してノイズフィルタ回路を形成し、所望の数の前記ノイズフィルタ回路を、絶縁シート43を介して積層して、およびその積層体の中心および外周部に磁気回路が形成されるよう磁性体44で囲い、リアクトルの機能およびコンデンサの機能を有するフィルタ回路を構成したものであり、比較的大電力用途に用いられる、トロイダルコアを有した電磁装置に比べて小型化、薄型化、低コスト化が図れるという利点がある(特許文献1参照)。
【0003】
また、特許文献2には、コアと、コアに一端側から巻回される絶縁フィルムと、絶縁フィルムに密着して配設され絶縁フィルムと共にコアに巻回されてコイルを形成する導体とを備えた電磁装置(従来例2)が開示されており、近年ではチップ部品の中にインダクタとコンデンサの機能を併せ持った複合部品なども提供されている。
【0004】
さらに、従来例1のような誘電体チップではなく、例えばポリイミドで形成された誘電体シートを多層化してなる電磁装置もある(従来例3)。
【特許文献1】特開2000−312121号公報
【特許文献2】特開平7−211549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のような電磁装置を、せいぜい数アンペア程度の電流値で動作させる用途、例えば放電灯点灯装置を構成するインバータ回路の共振回路として使う場合、従来例1ではインダクタンス並びに静電容量の調整が困難であった。なぜならば、短冊状の誘電体チップを固定する接着剤の厚み等で導体(スパイラルコイル)間の距離が変化して静電容量も変化し、また誘電体チップ以外の箇所で導体間距離が変化して静電容量が変化してしまい、しかも、導体間の隙間を樹脂などで埋める場合でも導体間距離の調整が困難であり且つ樹脂自体が誘電体として作用するために設計値に対するばらつきを抑えることが難しい。さらに、一連の製造工程で製造されるため、インダクタンスや静電容量の定数を変更する場合に設計変更や製造工程の変更が必要となって汎用性に乏しいという欠点もある。特に製造工程において、静電容量を決める基板(誘電体)の厚み等が温度や圧力の影響を受けて変化することにより、所望の設計値が得られ難かったり、あるいは、基板の厚みの変化などを予め見越して製造するとなると、様々な条件下における膨大なデータを収集しなければならず多大な時間とコストが必要になる。
【0006】
また、従来例2やチップ部品の場合でも製造後にインダクタンスや静電容量の値を調整することは困難である。あるいは、従来例3のようにポリイミド樹脂などの耐熱性に優れた絶縁材料を用いれば基材が変形し難く、インダクタンス並びに静電容量のばらつきを抑えることができるものの、ポリイミド樹脂よりも安価な材料、例えばガラス布基材エポキシ樹脂を用いたプリント配線板用銅張積層板(いわゆるFR−4基板)を用いる場合に比較して材料費が高くつくという欠点がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、製造段階並びに製造後においてもインダクタンスや静電容量の調整が可能な電磁装置、かかる電磁装置を用いたインバータ回路並びに照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、少なくとも2つの端末に各々接続端子が設けられたプレーナ型の第1巻線と、少なくとも2つの端末に各々接続端子が設けられ厚み方向において第1巻線と対向配置されるプレーナ型の第2巻線と、第1巻線及び第2巻線と磁気結合される磁心と、第1巻線と第2巻線の間に介装される第1の絶縁体とを備え、第1の絶縁体を挟んで対向する第1巻線と第2巻線の間に静電容量を生じさせることでインダクタンスと静電容量の双方を有する電磁装置であって、インダクタンス又は静電容量の少なくとも何れか一方の値を調整する調整手段が設けられたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、少なくとも2つの端末に各々接続端子が設けられ厚み方向において第2巻線と対向配置されるとともに磁心に磁気結合されるプレーナ型の第3巻線と、第2巻線と第3巻線の間に介装される第2の絶縁体とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記調整手段は、少なくとも何れか一つの巻線と同一面上に設けられて当該巻線の任意箇所と接続される導体領域からなることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記導体領域は、巻線の延長線上に互いに離間して列設される複数の導体部からなることを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、複数の前記導体部と各々電気的に接続される複数の接続部が第1又は第2の絶縁体の少なくとも何れか一方に設けられたことを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れかの発明において、前記調整手段は、一方の巻線に対して他方の巻線を回転又は平行移動させてなることを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1〜6の何れかの発明において、第1巻線と第2巻線が同一形状に形成され、互いの接続端子の位置が略180度だけ回転対照な位置に配置されることを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1〜7の何れかの発明において、前記調整手段は、対向する巻線の厚み方向における距離を変化させてなることを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明は、請求項1〜8の何れかの発明において、前記調整手段は、磁心の個数を変化させてなることを特徴とする。
【0017】
請求項10の発明は、上記目的を達成するために、直流電圧が印加されるとともに高周波でスイッチングされる1乃至複数のスイッチング素子と、少なくとも何れか一つのスイッチング素子と負荷との間に接続されて共振回路を構成する請求項1〜9の何れかに記載の電磁装置とを備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項11の発明は、上記目的を達成するために、ランプを保持する器具本体と、器具本体に搭載されてランプへの供給電力を調整する請求項10記載のインバータ回路とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1、10、11の発明によれば、製造段階並びに製造後においてもインダクタンスや静電容量の調整が可能な電磁装置、インバータ回路、照明器具が提供できる。
【0020】
請求項2の発明によれば、第2巻線のインダクタンスと第3巻線のインダクタンスとの間に生じる相互インダクタンスで絶縁型のトランスが構成できる。
【0021】
請求項3の発明によれば、等価回路における任意の箇所で静電容量を調整することができる。
【0022】
請求項4の発明によれば、巻線の分割された部分の接続の有無並びに接続する個数に応じて静電容量だけでなくインダクタンスも調整することができる。
【0023】
請求項5の発明によれば、第1又は第2の絶縁体に設けられた接続部を介して導体部の配線が容易に行える。
【0024】
請求項6の発明によれば、巻線の位置関係を相対的に変化させることで静電容量を調整することができる。
【0025】
請求項7の発明によれば、接続端子間の距離を大きく採ることができて耐圧性の向上が図れる。
【0026】
請求項8の発明によれば、インダクタンスをほぼ一定に保ったままで静電容量のみを調整することができる。
【0027】
請求項9の発明によれば、磁心の個数を増減することで静電容量をほぼ一定に保ったままでインダクタンスのみを調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(実施形態1)
本実施形態の電磁装置は、図1に示すように第1プリント基板2の表面に形成されたプレーナ型の第1巻線1と、第2プリント基板4の表面に形成されて第1巻線1と厚み方向(図1における上下方向)に対向する第2巻線3と、第1巻線1及び第2巻線3と磁気結合される磁心(コア)5と、第1巻線1と第2巻線3の間に介装される第1の絶縁体6とを備えている。
【0029】
第1プリント基板2は、矩形薄板状の絶縁基材の表面に螺旋状の銅箔からなる第1巻線1と、略三角形状の銅箔からなる一対の導体領域7とが形成され、絶縁基材の中央にはコア5の中脚部5bを挿通する挿通孔2aと内周面が半田めっきされたスルーホール(以下、めっきスルーホールと呼ぶ。)2bが設けられ、さらに長手方向に対向する絶縁基材の両端部には短手方向に並び且つ内周面が半田めっきされた6個のめっきスルーホール2bがそれぞれ設けられている。ここで、第1巻線1の一方の端末が中央のスルーホール2bに接続され、他方の端末が一端部における端(図1における右端)のスルーホール2bに接続されており、これら2つのめっきスルーホール2bが第1巻線1用の接続端子を構成している。また、一対の導体領域7は挿通孔2aを挟んで対角線上に対向する位置にあり、一方の導体領域7が一端部における端(図1における左端)のめっきスルーホール2bに接続され、他方の導体領域7が他端部における端(図1における右端)のめっきスルーホール2bに接続されており、これら2つのめっきスルーホール2bが各導体領域7の接続端子をそれぞれ構成している。
【0030】
第2プリント基板4は、第1プリント基板2と同様に矩形薄板状の絶縁基材の表面に螺旋状の銅箔からなる第2巻線3と、略三角形状の銅箔からなる一対の導体領域8とが形成され、絶縁基材の中央にはコア5の中脚部5bを挿通する挿通孔(図示せず)とめっきスルーホール(図示せず)が設けられ、さらに長手方向に対向する絶縁基材の両端部には短手方向に並ぶ6個のめっきスルーホール4bがそれぞれ設けられている。ここで、第2巻線3の一方の端末が中央のめっきスルーホールに接続され、他方の端末が一端部における端(図1における右端)から2番目のめっきスルーホール4bに接続されており、これら2つのめっきスルーホール4bが第2巻線3用の接続端子を構成している。また、一対の導体領域8は挿通孔を挟んで対角線上に対向する位置にあり、一方の導体領域8が一端部における端(図1における左端)から2番目のめっきスルーホール4bに接続され、他方の導体領域8が他端部における端(図1における右端)から2番目のめっきスルーホール4bに接続されており、これら2つのめっきスルーホール4bが各導体領域8の接続端子をそれぞれ構成している。但し、中央のめっきスルーホールは、第1プリント基板2と第2プリント基板4を重ねたときに第1プリント基板2の中央のめっきスルーホール2bと重ならない位置に設けられている。
【0031】
第1の絶縁体6は第1プリント基板2並びに第2プリント基板4と同形状及び同寸法の矩形薄板状に形成され、中央にはコア5の中脚部5bを挿通する挿通孔(図示せず)が貫設され、長手方向に対向する両端部には短手方向に並ぶ6個のめっきスルーホール6bがそれぞれ設けられている。
【0032】
コア5は、中脚部5bが楕円柱状であるEE形フェライト磁心であって、互いに同一形状、同一寸法のE形フェライト磁心である2つのコア体51,52を、それぞれの中脚部5bを第1プリント基板2、第1の絶縁体6並びに第2プリント基板4の各挿通孔2aに挿通し且つ中脚部5bと一対の外脚部5aに囲まれた窓に第1プリント基板2、第1の絶縁体6並びに第2プリント基板4を収納する形で結合することによって構成されるものである。なお、所望のインダクタンス値や直流重畳特性に応じて2つのコア体51,52の中脚部5bにエアギャップが設けられる場合もある。
【0033】
而して、第1プリント基板2と第2プリント基板4の間に第1の絶縁体6を挟む形でこれらを重ね合わせるとともに、長手方向の両端部にそれぞれ設けられているめっきスルーホール2b,6b,4b同士を接合して電気的に接続し、上述のように中脚部5bを挿通孔2aに挿通するとともに窓に第1プリント基板2、第1の絶縁体6並びに第2プリント基板4を収納する形で2つのコア体51,52を結合してコア5を構成することによって本実施形態の電磁装置が完成する。但し、プリント配線板用銅張積層板を用いて第1プリント基板2と第1の絶縁体6と第2プリント基板4とを一体に構成することも可能であり、また、図2に示すように第1巻線1と第2巻線3と導体領域7,8が形成された多数枚のプリント配線板用銅張積層板9を重ねてコア5と結合し、めっきスルーホール9aに棒状の接続ピン9bを設ける構成としても構わない。ここで、プリント配線板用銅張積層板9には耐熱性の高いポリイミド樹脂を用いたものを使用してもよいが、耐熱性が若干低いエポキシ樹脂を用いたもの(例えば、FR−4基板)であっても構わない。
【0034】
図3(a)は本実施形態の電磁装置の等価回路を示している。すなわち、第1巻線1及び第2巻線3は所定の長さを有しているので、それぞれの両端に設けられた2つの接続端子間に微少なインダクタンスが連続的に分布するとともに、第1の絶縁体6を介して対向する第1巻線1と第2巻線3の間に微少な静電容量が分布し、さらに、第1の絶縁体6を介して対向する2つの導体領域7,8の間にも静電容量、つまり、調整用コンデンサCa,Cbが形成される。したがって、図3(b)に示すように第1巻線1と第2巻線3と第1の絶縁体6で形成されるインダクタンス及び静電容量からなるLC共振子10に調整用コンデンサCa,Cbを接続することにより、電磁装置全体の静電容量を調整することができるのである。例えば、図4に示すように直流電圧が印加されるとともに高周波でスイッチングされる2つのスイッチング素子(FET)Q1,Q2と、ローサイドのスイッチング素子Q2と負荷(放電灯)Laとの間に直流阻止用のカップリングコンデンサCxを介して接続される共振回路Xとを備えたハーフブリッジ式のインバータ回路において、本実施形態の電磁装置のLC共振子を共振回路XのインダクタLdとコンデンサCdとして用いることができ、しかも、調整用コンデンサCa,Cbの接続の有無により共振回路Xを構成するコンデンサCdの静電容量を調整することができる。ここで、従来では共振回路Xを構成するインダクタLdやコンデンサCdの部品ばらつきによる高周波出力の変動を、例えばスイッチング素子Q1,Q2の発振周波数を変化させることで補正していたが、本実施形態の電磁装置を共振回路Xに適用すればコンデンサCdの静電容量を調整することができるため、スイッチング素子Q1,Q2の発振周波数を変化させる必要がなくなってスイッチング制御が簡略化できるという利点がある。
【0035】
ところで、調整用コンデンサCa,Cbを接続するか否かのみでは細かな調整ができないので、図5(a)に示すように第1プリント基板2の四隅近傍に導体領域7をそれぞれ形成し、これら4つの導体領域7を予め配線パターン7aを介して第1巻線1の最外周部分に接続しておき、図5(b)に示すように必要に応じてレーザなどを利用して配線パターン7aを切断することにより静電容量の調整を行うようにしてもよい。また、図5(c)に示すように配線パターン7aを残したままで導体領域7を部分的に削除すれば、削除する領域の広さに応じて静電容量を連続的に細かく調整することが可能である。さらに、図5(d)に示すように絶縁部材11を介して第1巻線1を部分的に跨ぐようにして配線パターン7aを第1巻線1の内周部分に接続すれば、図5(e)の等価回路に示すようにLC共振子10の両端ではなく中央寄りに調整用コンデンサCeを設けることができ、しかも、配線パターン7aを切断したり導体領域7を部分的に削除することで調整用コンデンサCeの静電容量を調整することができる。また、第1プリント基板2の第1巻線1が設けられていない部分に導体領域7を設けたことにより、第1巻線1で生じる熱が配線パターン7aを介して導体領域7で放熱されるため、結果的に電磁装置の放熱性が向上するという利点もある。なお、図5(a)〜(d)では第1プリント基板2のみを図示しているが、第2プリント基板4も同様の構成であることは言うまでもない。
【0036】
(実施形態2)
本実施形態の電磁装置の分解斜視図を図6に示す。但し、本実施形態の基本構成は実施形態1と共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0037】
本実施形態の電磁装置は、図6に示すように表面に第3巻線12が形成された第3プリント基板13が、第2の絶縁体14を挟んで第2プリント基板4に対向配置されている点に特徴がある。
【0038】
第3プリント板13は、第1プリント基板2及び第2プリント板4と同様に矩形薄板状の絶縁基材の表面に螺旋状の銅箔からなる第3巻線12と、略三角形状の銅箔からなる一対の導体領域15とが形成され、絶縁基材の中央にはコア5の中脚部5bを挿通する挿通孔(図示せず)とめっきスルーホール(図示せず)が設けられ、さらに長手方向に対向する絶縁基材の両端部には短手方向に並ぶ6個のめっきスルーホール13bがそれぞれ設けられている。ここで、第3巻線12の一方の端末が中央のめっきスルーホールに接続され、他方の端末が一端部における端(図6における右端)から3番目のめっきスルーホール13bに接続されており、これら2つのめっきスルーホール13bが第3巻線12用の接続端子を構成している。また、一対の導体領域15は挿通孔を挟んで対角線上に対向する位置にあり、一方の導体領域15が一端部における端(図6における左端)から3番目のめっきスルーホール13bに接続され、他方の導体領域15が他端部における端(図6における右端)から3番目のめっきスルーホール13bに接続されており、これら2つのめっきスルーホール13bが各導体領域15の接続端子をそれぞれ構成している。但し、中央のめっきスルーホールは、第1プリント基板2及び第2プリント基板4と第3プリント板13を重ねたときに第1プリント基板2の中央のめっきスルーホール2b並びに第2プリント基板4の中央のめっきするーホールの何れとも重ならない位置に設けられている。
【0039】
第2の絶縁体14は第3プリント基板13と同形状及び同寸法の矩形薄板状に形成され、中央にはコア5の中脚部5bを挿通する挿通孔(図示せず)が貫設され、長手方向に対向する両端部には短手方向に並ぶ6個のめっきスルーホール14bがそれぞれ設けられている。
【0040】
而して、第1プリント基板2と第2プリント基板4の間に第1の絶縁体6を挟むとともに第2プリント基板4と第3プリント基板13の間に第2の絶縁体14を挟む形でこれらを重ね合わせるとともに、長手方向の両端部にそれぞれ設けられているめっきスルーホール2b,6b,4b,13b,14b同士を接合して電気的に接続し、中脚部5bを挿通孔2aに挿通するとともに窓に第1プリント基板2、第1の絶縁体6、第2プリント基板4、第2の絶縁体14、第3プリント基板13を収納する形で2つのコア体51,52を結合してコア5を構成することによって本実施形態の電磁装置が完成する。
【0041】
図7(a)は本実施形態の電磁装置の等価回路を示している。すなわち、第3巻線12も所定の長さを有しているので、両端に設けられた2つの接続端子間に微少なインダクタンスが連続的に分布するとともに、第2巻線3のインダクタンスと第3巻線12のインダクタンスとの間に相互インダクタンスMが生じて第2巻線3と第3巻線12とで絶縁型のトランスが構成されることになる。例えば、図7(b)に示すように負荷(放電灯La)との間にトランスTが挿入された絶縁型のハーフブリッジ式インバータ回路において、本実施形態の電磁装置のLC共振子を共振回路XのインダクタLdとコンデンサCdとして用いるとともに第2巻線3のインダクタンスと第3巻線12のインダクタンスとの間に生じる相互インダクタンスMをトランスTとして用いることができる。
【0042】
(実施形態3)
実施形態1,2では静電容量の調整のみが可能であるが、本実施形態は静電容量とインダクタンスの双方の調整を可能としている。但し、本実施形態の基本構成は実施形態1と共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0043】
本実施形態は、図8(a)に示すように第1巻線1における外側の端末近傍の部分が複数の導体部16に分割されている点に特徴がある。導体部16は、第1巻線1の他の部分と同一の幅寸法を有する平面視略四角形状に形成されて第1プリント基板2の一端側における接続端子(めっきスルーホール2b)とそれぞれ配線パターンによって一対一に接続されている。なお、第2巻線3については、第1の絶縁体6を挟んで導体部16と対向する位置まで設けられ、その端末と、第1巻線1の端末に対向する部位とが配線パターンによって両端の接続端子(めっきスルーホール4b)に各別に接続されている。さらに、導体部16が接続された上記接続端子は、第1の絶縁体6に設けられためっきスルーホール6bと電気的に接続されており、これらのめっきスルーホール6bが接続部となる。
【0044】
図8(b)は本実施形態の電磁装置の等価回路を示している。すなわち、第1巻線1から分割された複数の導体部16にも各々微少なインダクタンスが分布し且つ第1の絶縁体6を介して対向する導体部16と第2巻線3との間に静電容量が生じ、これらのインダクタンス(インダクタLy)並びに静電容量(コンデンサCy)が接続端子で切り離された状態にあるから、第1巻線1に対する導体部16の接続の有無並びに接続する導体部16の個数に応じて、電磁装置の静電容量だけでなくインダクタンスも合わせて調整することが可能となる。
【0045】
但し、図9(a)に示すように第2巻線3における外側の端末近傍の部分も同様に複数の導体部17に分割してもよい。この場合、第2プリント基板4の一端側には複数のめっきスルーホール4b(接続端子)が2列に並べて設けられ、内側の列のめっきスルーホール4b(接続端子)に配線パターンを介して各導体部17が一対一に接続され、外側の列のめっきスルーホール4b(接続端子)が第1の絶縁体6のめっきスルーホール6bと第1プリント基板2のめっきスルーホール2bにそれぞれ接続される。この電磁装置の等価回路は図9(b)に示すとおりであり、第2巻線3から分割された導体部17にも微少なインダクタンスが分布し、これらのインダクタンス(インダクタLz)が接続端子で切り離された状態にあるから、第1巻線1に対する導体部17の接続の有無並びに接続する導体部17の個数に応じて電磁装置のインダクタンスをさらに細かく調整することが可能となる。
【0046】
(実施形態4)
本実施形態の電磁装置における第1プリント基板2、第1の絶縁体6、第2プリント基板4の分解斜視図を図10に示す。但し、本実施形態の基本構成は実施形態1と共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して適宜図示並びに説明を省略する。
【0047】
本実施形態の電磁装置は、第1プリント基板2と第2プリント基板4との間に介装される第1の絶縁体6の厚みdが変化することで第2プリント基板4が第1プリント基板2に対して平行移動し、その結果、第1巻線1と第2巻線3の間の距離が変化して静電容量を調整可能とした点に特徴がある。
【0048】
本実施形態における第1の絶縁体6は、温度が上昇することで熱収縮する材料(例えば、ポリエステル系や塩化ポリビニル系の熱収縮フィルム等)、若しくは印加電圧に応じて厚みが変化する材料(例えば、PZTのような圧電素子等)からなる。つまり、第1の絶縁体6の温度が上昇して熱収縮すること、あるいは第1巻線1と第2巻線3の間の電位差が増大することによって厚みdが薄くなり、そのために第1巻線1と第2巻線3の間の距離が近くなって静電容量が増加することになる。但し、インダクタンスの値は第1巻線1と第2巻線3の間の距離に関係なく一定である。すなわち、静電容量Cは、真空の誘電率をε0、比誘電率をεr、導体面積をS、導体間距離をDとしたときに、C=ε0・εr・S/Dで表されるから、導体間距離D(第1巻線1と第2巻線3の間の距離d)が減少すれば静電容量Cが増加するのである。したがって、図11(a)に実線で示すように第1の絶縁体6の温度Taが上昇するにつれて厚みdが減少すると静電容量Cは増加し(図11(a)における破線参照)、あるいは図11(b)に実線で示すように第1巻線1と第2巻線3の電位差(第1の絶縁体6への印加電圧)が増大するにつれて厚みdが減少すると静電容量Cは増加するのである(図11(b)における破線参照)。但し、第1の絶縁体6を構成する材料が導電性を有するものである場合には第1巻線1及び第2巻線3との間に薄膜状の絶縁物を介在させればよい。また、第1の絶縁体6を熱収縮する材料で形成する代わりに、可撓性材料からなる第1の絶縁体6を形成するとともに第1巻線1及び第2巻線3と第1の絶縁体6を両側(図10における上側及び下側)から熱望領する材料より薄板状に形成された絶縁物で挟むようにしても構わない。
【0049】
ここで、実施形態1で説明したハーフブリッジ式のインバータ回路(図4参照)において、本実施形態の電磁装置のLC共振子を共振回路XのインダクタLdとコンデンサCdとして用いた場合の動作について説明する。図12はインバータ回路における負荷出力の周波数特性であって、実線イが第1の絶縁体6の厚みdが相対的に大きいとき、破線ロが第1の絶縁体6の厚みdが相対的に小さいときをそれぞれ示している。共振回路Xの共振周波数f0はf0={2π(Ld×Cd)1/2}-1で表されるから、実線イの周波数特性における共振周波数f0に対して、破線ロの周波数特性における共振周波数f0’はコンデンサCdの静電容量が増加することで低下する(f0’<f0)。例えば、インバータ回路が発振周波数fsで動作して放電灯Laが点灯している場合、共振回路Xの温度や印加電圧が正常であれば、実線イの周波数特性における点Aが動作点となる。一方、負荷(放電灯La)の異常時などに、例えばLC共振子の温度が上昇したり、印加電圧が上昇したりすると第1の絶縁体6の厚みdが減少するために静電容量の値Cdが増加して周波数特性が実線イから破線ロに変化するから、発振周波数fsを一定すれば、動作点が実線イ上の点Aから破線ロ上の点Bに移動してインバータ回路の高周波出力が減少することになる。したがって、負荷の異常による高周波出力の上昇を共振回路Xの共振周波数f0の変化で抑制することができ、インバータ回路の制御が簡素化できるという利点がある。また、共振回路Xの共振周波数f0はLC共振子のインダクタンス並びに静電容量が温度や印加電圧に応じた連続的な変化に合わせて変化するから、上述のような異常検出だけでなく、例えば、インバータ回路の高周波出力に対する温度補償などのフィードバック制御にも本実施形態の電磁装置が利用できることは言うまでもない。
【0050】
(実施形態5)
本実施形態の電磁装置における第1プリント基板2、第1の絶縁体6、第2プリント基板4の分解斜視図を図13に示す。但し、本実施形態の基本構成は実施形態1と共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して適宜図示並びに説明を省略する。
【0051】
本実施形態の電磁装置では、略コ字状であって互いに入れ子構造となった複数(図示例では3つ)の導電パターン1A,1B,1Cで第1巻線1が構成され、同じく略コ字状であって互いに入れ子構造となった複数(図示例では3つ)の導電パターン3A,3B,3Cで第2巻線3が構成されている。そして、これらの導電パターン1A,…、3A,…は、第1プリント基板2の端部に設けられためっきスルーホール2bからなる接続端子T11,T12,T13,T14,T15,T16や第2プリント基板4の端部に設けられためっきスルーホール4bからなる接続端子T21,T22,T23,T24,T25,T26に接続される。具体的には、最外周の導電パターン1A,3Aの端末が両端の接続端子T11,T16とT21,T26に各別に接続され、中間の導電パターン1B,3Bの端末が両端から2番目の接続端子T12,T15とT22,T25に各別に接続され、最内周の導電パターン1C,3Cの端末が両端から3番目の接続端子T13,T14とT23,T24に各別に接続される。なお、第1の絶縁体6にはめっきスルーホールが設けられていないが、後述するように第1プリント基板2の接続端子T11,…と第2プリント基板4の接続端子T21,…とが適宜直接接続される。
【0052】
上述のように本実施形態の電磁装置では第1巻線1及び第2巻線3が複数の導体パターン1A,…、3A,…に分割されているため、その等価回路は図14(a)に示すように第1の絶縁体6を挟んで対向する各導電パターンの組(1Aと3A、1Bと3B、1Cと3C)毎に一対のインダクタの両端がコンデンサで接続された回路で表される。したがって、図14(b)に示すように隣り合う接続端子T16とT12,T15とT13、T26とT22,T25とT23を接続すれば、導体パターン1A,…、3A,…が連続して接続されるため、接続端子間に挟まれた領域で発生する静電容量を除いて実施形態1の等価回路とほぼ共通の等価回路となる。また、図14(c)に示すように一方の接続端子T11とT12とT13、T21とT22とT23を並列に接続するとともに他方の接続端子T14とT15とT16、T24とT25とT26を並列に接続してもよく、導体パターン1A,…、3A,…に流れる電流の電流密度が小さくなるためにLC共振子における発熱が抑制できるという利点がある。このようなLC共振子は回路に流れる電流のピーク値を大きくすることができるので、瞬間的にパルス状の大電流を流す必要がある回路、例えば、HIDランプを始動するためのイグナイタ回路に用いられるパルストランス、に利用することができる。あるいは、接続端子T11とT21、T12とT22、…を接続すれば電流密度をさらに減少させることができる。但し、この場合には静電容量を生じさせるために別の絶縁体及び巻線が必要となる。
【0053】
なお、本実施形態では3つの第1巻線1及び第2巻線3を3つの導電パターン1A,…、3A,…に分割するとともに各導電パターン1A,…、3A,…に各別に接続端子T11,…、T21,…を接続しているが、導電パターンの数や同じ接続端子T11,…、T21,…に接続する導電パターンの数については本実施形態に限定されるものではなく、所望のインダクタンス並びに静電容量の設計に合わせて決定すればよい。
【0054】
(実施形態6)
本実施形態の電磁装置の分解斜視図を図15(a)に示す。但し、本実施形態の基本構成は実施形態1と共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して適宜図示並びに説明を省略する。
【0055】
本実施形態の電磁装置では、第1プリント基板2並びに第2プリント基板4、第1の絶縁体6が何れも同寸法の円盤状であって、第2プリント基板4と第1の絶縁体6とが互いに固定されるとともに第1プリント基板2のみが第2プリント基板4及び第1の絶縁体6に対して挿通孔2aに挿通されるコア5の中脚部5bを軸として回動自在となっている。但し、本実施形態では第1プリント基板2、第2プリント基板4、第1の絶縁体6に設けられる挿通孔2a,4aが何れも円形であり、且つコア5の中脚部5bが円柱形状となっている。また、螺旋状の第1巻線1及び第2巻線3の両端はめっきスルーホール2b,4bからなる接続端子に各別に接続される。
【0056】
而して、第1巻線1と第2巻線3の両端が重なり合う状態では、2つの巻線1,3の対向面積が最大となるからLC共振子10の等価回路が図15(b)で表され、例えば、図15(a)に示すように第1プリント基板2を反時計回りにθ[ラジアン]だけ回動した状態では、2つの巻線1,3の対向面積が減少してLC共振子10の等価回路が図15(c)で表されるものとなる。つまり、電磁装置の完成後においても、第1プリント基板2(第1巻線1)の回動角に応じて静電容量を調整することが可能になるのである。
【0057】
ところで、図16(a)に示すように第1プリント基板2並びに第2プリント基板4の周縁部分に複数のめっきスルーホール2b,4bからなる接続端子を周方向に沿って等間隔に設けるとともに、これら複数の接続端子(めっきスルーホール2b,4b)と第1巻線1及び第2巻線3の最外周部分とを径方向に沿って導体パターンで接続すれば、図16(b)の等価回路で示すLC共振子10が構成され、第1プリント基板2及び第2プリント基板4の上記複数の接続端子の接続の有無及び接続数に応じてインダクタンスを調整することが可能となる。なお、第1プリント基板2の接続端子と第2プリント基板4の接続端子との接続は、第1の絶縁体6の周縁部分に周方向に沿って等間隔で設けられるスルーホール(図示せず)を通してめっきスルーホール2b,4bに導電ピン(図示せず)を半田接合することで行えばよい。
【0058】
(実施形態7)
本実施形態の電磁装置における要部の分解斜視図を図17に示す。但し、本実施形態の基本構成は実施形態1と共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して適宜図示並びに説明を省略する。
【0059】
図17に示すように、第1プリント基板2並びに第2プリント基板4が両面銅張積層板からなる第1の両面基板18として一体に形成され、同じく両面銅張積層板からなる第2の両面基板19と、第3の絶縁体20を介して重ね合わされている。第1及び第2の両面基板18,19は、コアの中脚部が挿通される矩形の挿通孔18a,19aが中央に設けられ、長手方向における挿通孔18a,19aの周縁部分に各々3つのめっきスルーホール18b,19bが設けられるとともに、長手方向に対向する両端部には短手方向に等間隔に並ぶ合計3つのめっきスルーホール18c,19cが設けられている。また第1の両面基板18は、その表面(図17における上面)に第1巻線1が設けられるとともに裏面(図17における下面)に第2巻線3が設けられ、同じく第2の両面基板19は、その表面(図17における上面)に第3巻線21が設けられるとともに裏面(図17における下面)に第4巻線22が設けられている。
【0060】
図18(a)(b)は第1の両面基板18を片側(図17における上側)から見た平面図を示し、図18(c)(d)は第2の両面基板19を片側(図17における上側)から見た平面図を示している。但し、図18(b)(d)においては第1巻線1と第3巻線21の図示を省略している。第1巻線1は、図18(a)に示すように上記片側から見たときに外から内に向かって時計回りであって内側の端末が一端側の端(図18(a)では下側の左端)のめっきスルーホール18bと接続され、外側の端末が同じ側の端(図18(a)では下側の左端)のめっきスルーホール18cと接続されている。第2巻線3は、図18(b)に示すように上記片側から見たときに外から内に向かって時計回りであって内側の端末が一端側の端(図18(b)では上側の右端)のめっきスルーホール18bと接続され、外側の端末が同じ側の端(図18(b)では上側の右端)のめっきスルーホール18cと接続されている。また第3巻線21は、図18(c)に示すように上記片側から見たときに外から内に向かって反時計回りであって内側の端末が一端側の端(図18(c)では下側の左端)のめっきスルーホール18bと接続され、外側の端末が同じ側の端(図18(c)では下側の右端)のめっきスルーホール18cと接続されている。さらに第4巻線22は、図18(d)に示すように上記片側から見たときに外から内に向かって反時計回りであって内側の端末が一端側の端(図18(b)では上側の右端)のめっきスルーホール18bと接続され、外側の端末が同じ側の端(図18(b)では上側の右端)のめっきスルーホール18cと接続されている。ここで、第1巻線1と第3巻線21の内側の端末同士が第3の絶縁体20に設けられためっきスルーホール(図示せず)を介して接続され、第2巻線3と第4巻線22の内側の端末同士が第3の絶縁体20に設けられためっきスルーホール(図示せず)を介して接続されている。
【0061】
而して、第1及び第2の両面基板18,19においては、第1巻線1と第2巻線3、第3巻線21と第4巻線22が、それぞれ上記片側から見たときに180度回転対称となっており、巻線1,3,21,22毎のインダクタンスは一定であり、第1巻線1と第2巻線3並びに第3巻線21と第4巻線22の対向面積もほぼ一定であるから静電容量も一定である。しかしながら、接続端子の配置が各巻線1,3,21,22で異なっているため、実施形態6で説明した図15(b)(c)の等価回路と同等な等価回路で表されるLC共振子10となり、実施形態6と同様に静電容量の調整が可能となる。なお、各巻線1,3,21,22のターン数を増やすことにより、LC共振子10全体のインダクタンス及び静電容量に対して半周分のインダクタンス及び静電容量の差の占める割合が小さくなるので、静電容量の調整範囲をターン数によって任意に設定することができる。
【0062】
また、互いに直列接続される第1巻線1及び第3巻線21と第2巻線3及び第4巻線22との間に高電圧が印加される場合においても、高電圧が印加される接続端子が両面基板18,19の長手方向に対向する両端に振り分けられているので、実施形態1のように対向する2つの巻線(第1巻線1と第2巻線3、第3巻線21と第4巻線22)が同一形状である場合に比較して、接続端子間の距離が十分に大きく採れるために耐圧性の向上が図れるという利点がある。すなわち、2つの巻線が同一形状である場合は巻線の両端における絶縁距離が絶縁体(両面基板18,19の絶縁基材)の厚み分しかないが、本実施形態では巻線の両端が両面基板18,19の両端に振り分けられているために絶縁距離が大きくとれるのである。さらに、各両面基板18,19の表裏各面に形成される巻線のパターンが同形状であるから、巻線のパターン図面が共通で済むために設計の手間が省けるという利点もある。
【0063】
なお、全体の層数(巻線の数)が偶数であれば、外側から巻き初めて、必ず外側で巻き終わるため、基板(両面基板18,19)の接続端子(めっきスルーホール18b,18c,19b,19c)への接続が容易に行え、接続端子に対して様々な方向から配線を接続することができて設計の自由度が高くなる。すなわち、本実施形態の電磁装置を例えばプリント配線板に実装する場合、その実装向きにかかわらず、接続端子の位置がプリント配線板に近くなるために配線が容易に行えるものである。
【0064】
ところで、両面基板18,19の片側の面に設けられる巻線(例えば、第2巻線3や第4巻線22)を両面基板18,19の対角線に沿って平行移動すれば、巻線(第1巻線1と第2巻線3、並びに第3巻線21と第4巻線22)の対向面積を均一に減少させて静電容量を調整することができる。具体的には、例えば第2巻線3や第4巻線22を両面基板18,19に形成する際に対角線に沿って平行移動すればよい。なお、巻線を両面基板18,19の縦方向(長手方向)若しくは横方向(短手方向)に平行移動した場合、巻線の対向面積が巻線の縦方向あるいは横方向にのみ減少するためにLC共振子10の静電容量にばらつきが生じることになるが、上述のように対角線に沿って平行移動すれば、LC共振子10の等価回路における複数のコンデンサの静電容量をほぼ同一に保ったままで調整できて設計が容易になるものである。
【0065】
ここで、図19に示すようにインダクタンス並びに静電容量の少なくとも何れか一方が調整可能な複数(例えば、3つ)のLC共振子ブロック30を、絶縁体31を介して重ね合わせて一つの電磁装置を構成し、それぞれのLC共振子ブロック30のインダクタンス及び静電容量を調整すれば、例えば、それぞれに特性が異なる3種類のフィルタを一つにまとめた電磁装置を容易に実現することができる。
【0066】
(実施形態8)
本実施形態の電磁装置の分解斜視図を図20に示す。但し、本実施形態の基本構成は実施形態1と共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して適宜図示並びに説明を省略する。
【0067】
図20に示すように、第1プリント基板2と第2プリント基板4と第1の絶縁体6の中央に、それぞれコア5の中脚部5bを挿通する挿通孔2a,4a,6aが複数(図示例では2つ)設けられている。つまり、第1巻線1と第2巻線3に磁気結合するコア5が一つの場合と二つの場合とでLC共振子10のインダクタンスが変化するから、磁気結合させるコア5の個数に応じてインダクタンスを調整することができる。但し、同時に磁気結合可能なコア5の個数は2個に限定されるものではなく、3個以上であっても構わない。
【0068】
ところで、実施形態1〜8で説明した電磁装置は、放電灯Laを高周波点灯するための放電灯点灯装置を構成するインバータ回路に好適である。例えば、図21(a)に示すようにフルブリッジ式のインバータ回路INVにおける共振回路Xや、あるいは図21(c)に示すようにハーフブリッジ式のインバータ回路INVにおける共振回路Xとして用いることができる。また、図21(a)〜(c)に示すように商用交流電源ACの交流電圧をインバータ回路INVに供給するための直流電圧に変換する電源回路(ダイオードブリッジDB並びにDC−DCコンバータCNV)や、あるいは図21(b)に示すように放電灯Laに始動電圧を印加するためのイグナイタ回路IGに設けられるパルストランスPTにも、実施形態1〜8で説明した電磁装置(LC共振子10)を用いることができる。但し、図21(a)〜(c)に示した回路構成は従来周知であるから、詳細な説明は省略する。
【0069】
図22は上述のようなインバータ回路INVの構造を示す斜視図である。図示例では、合計4つの電磁装置23,24,25,26がプリント配線板27に横置きに実装され、電磁装置25,26の間に制御用の別のプリント配線板28が縦向きに実装されている。そして、これら4つの電磁装置23〜26はめっきスルーホールからなる接続端子によって互いに接続されている。なお、個々の電磁装置23〜26におけるx軸方向並びにz軸方向の寸法を同一にしておけば、図示するように各電磁装置23〜26を立体的に配線することが可能である。この場合、各電磁装置23〜26の許容電力に関しては、y軸方向の距離を調整することが設定可能であり、例えば、コア5の高さや絶縁体の厚みによって調整できる。
【0070】
図23は上述した放電灯点灯装置を搭載する照明器具の一例を示す斜視図である。この照明器具はスポットライトであって、レール状の配線路30に着脱自在に接続するコネクタ部31と、コネクタ部31に対して回動自在に支持される有底筒状の器具本体32と、器具本体32の先端に設けられる椀形の反射板33とを備え、器具本体32に放電灯点灯装置が内蔵されている。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】実施形態1を示す分解斜視図である。
【図2】同上の他の構成の斜視図である。
【図3】(a)(b)は同上の等価回路を示し回路図である。
【図4】同上を用いたインバータ回路の回路図である。
【図5】(a)〜(e)は同上の静電容量の調整方法を説明する説明図である。
【図6】実施形態2を示す分解斜視図である。
【図7】(a)は同上の等価回路を示す回路図、(b)は同上を用いたインバータ回路の回路図である。
【図8】実施形態3を示し、(a)は要部の分解斜視図、(b)は等価回路の回路図である。
【図9】同上の他の構成を示し、(a)は要部の分解斜視図、(b)は等価回路の回路図である。
【図10】実施形態4の要部の分解斜視図である。
【図11】同上の動作説明図である。
【図12】同上を用いたインバータ回路の動作説明図である。
【図13】実施形態5の要部の分解斜視図である。
【図14】(a)〜(c)は同上の等価回路の回路図である。
【図15】実施形態6を示し、(a)は分解斜視図、(b)(c)は等価回路の回路図である。
【図16】同上の他の構成を示し、(a)は分解斜視図、(b)は等価回路の回路図である。
【図17】実施形態7の要部の分解斜視図である。
【図18】(a)(b)は同上における第1の両面基板の平面図、(c)(d)は同上における第2の両面基板の平面図である。
【図19】同上の他の構成の分解斜視図である。
【図20】実施形態8の分解斜視図である。
【図21】(a)〜(c)は本発明に係るインバータ回路を用いた放電灯点灯装置の回路図である。
【図22】同上の放電灯点灯装置の斜視図である。
【図23】本発明に係る照明器具の斜視図である。
【図24】従来の電磁装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0072】
1 第1巻線
2 第1プリント基板
3 第2巻線
4 第2プリント基板
5 コア(磁心)
6 第1の絶縁体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの端末に各々接続端子が設けられたプレーナ型の第1巻線と、少なくとも2つの端末に各々接続端子が設けられ厚み方向において第1巻線と対向配置されるプレーナ型の第2巻線と、第1巻線及び第2巻線と磁気結合される磁心と、第1巻線と第2巻線の間に介装される第1の絶縁体とを備え、第1の絶縁体を挟んで対向する第1巻線と第2巻線の間に静電容量を生じさせることでインダクタンスと静電容量の双方を有する電磁装置であって、インダクタンス又は静電容量の少なくとも何れか一方の値を調整する調整手段が設けられたことを特徴とする電磁装置。
【請求項2】
少なくとも2つの端末に各々接続端子が設けられ厚み方向において第2巻線と対向配置されるとともに磁心に磁気結合されるプレーナ型の第3巻線と、第2巻線と第3巻線の間に介装される第2の絶縁体とを備えたことを特徴とする請求項1記載の電磁装置。
【請求項3】
前記調整手段は、少なくとも何れか一つの巻線と同一面上に設けられて当該巻線の任意箇所と接続される導体領域からなることを特徴とする請求項1又は2記載の電磁装置。
【請求項4】
前記調整手段は、互いに接続可能な状態で第1巻線又は第2巻線の少なくとも何れか一方を分割した複数の導体部からなることを特徴とする請求項3記載の電磁装置。
【請求項5】
複数の前記導体部と各々電気的に接続される複数の接続部が第1又は第2の絶縁体の少なくとも何れか一方に設けられたことを特徴とする請求項4記載の電磁装置。
【請求項6】
前記調整手段は、一方の巻線に対して他方の巻線を回転又は平行移動させてなることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の電磁装置。
【請求項7】
第1巻線と第2巻線が同一形状に形成され、互いの接続端子の位置が略180度だけ回転対照な位置に配置されることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の電磁装置。
【請求項8】
前記調整手段は、対向する巻線の厚み方向における距離を変化させてなることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の電磁装置。
【請求項9】
前記調整手段は、磁心の個数を変化させてなることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の電磁装置。
【請求項10】
直流電圧が印加されるとともに高周波でスイッチングされる1乃至複数のスイッチング素子と、少なくとも何れか一つのスイッチング素子と負荷との間に接続されて共振回路を構成する請求項1〜9の何れかに記載の電磁装置とを備えたことを特徴とするインバータ回路。
【請求項11】
ランプを保持する器具本体と、器具本体に搭載されてランプへの供給電力を調整する請求項10記載のインバータ回路とを備えたことを特徴とする照明器具。
【請求項1】
少なくとも2つの端末に各々接続端子が設けられたプレーナ型の第1巻線と、少なくとも2つの端末に各々接続端子が設けられ厚み方向において第1巻線と対向配置されるプレーナ型の第2巻線と、第1巻線及び第2巻線と磁気結合される磁心と、第1巻線と第2巻線の間に介装される第1の絶縁体とを備え、第1の絶縁体を挟んで対向する第1巻線と第2巻線の間に静電容量を生じさせることでインダクタンスと静電容量の双方を有する電磁装置であって、インダクタンス又は静電容量の少なくとも何れか一方の値を調整する調整手段が設けられたことを特徴とする電磁装置。
【請求項2】
少なくとも2つの端末に各々接続端子が設けられ厚み方向において第2巻線と対向配置されるとともに磁心に磁気結合されるプレーナ型の第3巻線と、第2巻線と第3巻線の間に介装される第2の絶縁体とを備えたことを特徴とする請求項1記載の電磁装置。
【請求項3】
前記調整手段は、少なくとも何れか一つの巻線と同一面上に設けられて当該巻線の任意箇所と接続される導体領域からなることを特徴とする請求項1又は2記載の電磁装置。
【請求項4】
前記調整手段は、互いに接続可能な状態で第1巻線又は第2巻線の少なくとも何れか一方を分割した複数の導体部からなることを特徴とする請求項3記載の電磁装置。
【請求項5】
複数の前記導体部と各々電気的に接続される複数の接続部が第1又は第2の絶縁体の少なくとも何れか一方に設けられたことを特徴とする請求項4記載の電磁装置。
【請求項6】
前記調整手段は、一方の巻線に対して他方の巻線を回転又は平行移動させてなることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の電磁装置。
【請求項7】
第1巻線と第2巻線が同一形状に形成され、互いの接続端子の位置が略180度だけ回転対照な位置に配置されることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の電磁装置。
【請求項8】
前記調整手段は、対向する巻線の厚み方向における距離を変化させてなることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の電磁装置。
【請求項9】
前記調整手段は、磁心の個数を変化させてなることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の電磁装置。
【請求項10】
直流電圧が印加されるとともに高周波でスイッチングされる1乃至複数のスイッチング素子と、少なくとも何れか一つのスイッチング素子と負荷との間に接続されて共振回路を構成する請求項1〜9の何れかに記載の電磁装置とを備えたことを特徴とするインバータ回路。
【請求項11】
ランプを保持する器具本体と、器具本体に搭載されてランプへの供給電力を調整する請求項10記載のインバータ回路とを備えたことを特徴とする照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2007−59845(P2007−59845A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−246807(P2005−246807)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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