説明

電磁調理器用容器

【課題】
最も好適な発熱体を備えた電磁調理器用容器を提供する。
【解決手段】
電磁調理器用容器21は、容器本体22と、発熱体であるカーボンナノチューブ25とからなる。容器本体22は、土鍋等の非導電性物質によって形成されている。容器本体22は、底壁23と、底壁23の周囲に形成された周壁24とからなる。前記カーボンナノチューブ25は、容器本体22の所定箇所、好ましくは容器本体22の底壁23に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非導電性物質によって形成された土鍋等の容器であって、電磁調理器によって加熱されることが可能な電磁調理器用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁調理器は、これに金属製の容器を載せ、内部に配置した駆動コイルに交流駆動電流を流すと交番磁界が発生し、金属製の容器に電磁誘導による渦電流を発生させて自己発熱をさせ、金属製の容器を加熱するものである。電磁調理器は、エネルギー効率が高く、火なしで食材を加熱調理することができ、また、燃焼ガスも発生しないので一般家庭に普及し始めている。また、非導電性物質によって形成される容器の代表的な一例として土鍋が存在する。当該土鍋は、電磁調理器によって加熱させることができない。そのため、電磁調理器で加熱することができるように、土鍋の底壁に電磁誘導発熱体を設けた電磁調理器用土鍋が種々提案されている(例えば、特許文献1乃至6)。
【特許文献1】特開2000−133429号公報
【特許文献2】特開2000−237045号公報
【特許文献3】特開2003−325327号公報
【特許文献4】特開2004−241177号公報
【特許文献5】特開2005−237646号公報
【特許文献6】特開2006−247085号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の電磁調理器用容器は、これに使用される電磁誘導発熱体が鉄、銀、アルミニウム等の金属である。鉄や銀の電磁誘導発熱体であると、土鍋との膨張率の違いから使用時に土鍋本体が割れたりする場合があった。また、アルミニウムの電磁誘導発熱体であると、発熱時に電磁誘導発熱体が溶け出してしまう場合があった。従って従来の電磁調理器用容器は、これに最も適した誘導発熱体が見あたらないという問題点があった。
【0004】
本願発明は、上記問題点に鑑み案出したものであって、最も好適な電磁誘導発熱体を備えた電磁調理器用容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願請求項1に係る電磁調理器用容器は、上記目的を達成するため、容器本体は非導電性物質によって形成され、容器本体の所定箇所にはカーボンナノチューブが設けられていることを特徴とする。
【0006】
本願請求項2に係る電磁調理器用容器は、上記目的を達成するため、前記容器本体は、底壁と、底壁の周囲に形成された周壁とからなり、容器本体の底壁にカーボンナノチューブが設けられていることを特徴とする。
【0007】
本願請求項3に係る電磁調理器用容器は、上記目的を達成するため、前記容器本体は、土鍋であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本願発明に係る電磁調理器用容器は、電磁誘導発熱体としてカーボンナノチューブを利用している。本願発明に係る電磁調理器用容器は、カーボンナノチューブ自体が耐熱性を備え、熱による膨張率も小さいので、電磁誘導発熱体であるカーボンナノチューブを発熱させても容器本体に影響を与えることがきわめて少ないという効果がある。従って、電磁調理器用容器は、容器本体が土鍋本体であっても、電磁誘導発熱体と土鍋本体の膨張率の相違によって土鍋本体を割るようなことがなく、また、カーボンナノチューブの耐熱性が高いので電磁誘導発熱体が溶け出すようなこともなく、長期間使用することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本願発明に係る電磁調理器用容器の実施の形態を図1乃至図10に基づいて説明する。図1は、本願発明に係る電磁調理器用容器の一つの実施例を示す断面図である。図2は、本願発明に係る電磁調理器用容器の他の実施例を示す断面図である。図3は、図2の電磁調理器用容器の製造方法を示す断面図である。図4乃至図10は、本願発明に係る電磁調理器用容器の他の実施例を示す断面図である。
【0010】
電磁調理器用容器11〜91は、容器本体12〜92と、電磁誘導発熱体であるカーボンナノチューブ15〜95とからなる。容器本体12〜92は、非導電性物質によって形成されている。非導電性物質とは、電気を通さない物質であって、具体的には、耐熱性プラスチック、耐熱性ガラス、陶磁器等である。容器本体12〜92は、底壁13〜93と、底壁13〜93の周囲に形成された周壁14〜94とからなる。前記カーボンナノチューブ15〜95は、容器本体12〜92の所定箇所、好ましくは容器本体12〜92の底壁13〜93に設けられている。なお、前記容器本体12〜92は、土鍋であることが望ましい。
【0011】
上記したように、電磁調理器用容器11〜91は、電磁誘導発熱体としてカーボンナノチューブ15〜95を利用しており、カーボンナノチューブ15〜95自体が耐熱性を備え、熱による膨張率も小さいので、カーボンナノチューブ15〜95が電磁誘導により発熱しても容器本体12〜92に影響を与えることがきわめて少ない。そのため、電磁調理器用容器11〜91は、土鍋として利用することができ、土鍋として利用した場合、電磁誘導発熱体であるカーボンナノチューブ15〜95と土鍋本体12〜92の膨張率の相違によって土鍋本体12〜92が割れるようなことがなく、また、カーボンナノチューブ15〜95の耐熱性が高く溶け出すようなことがないので、長期間使用することができる。さらに、熱伝導率が高いので土鍋全体を均一に加熱することができる。
【0012】
本願発明の電磁調理器用容器を応用した土鍋について詳細に説明する。図1に示すように、電磁調理器用容器11は、土鍋であって、土鍋本体12は、底壁13と、底壁13の周囲に形成された周壁14とからなる。土鍋本体12は、以下のようにして作られる。カーボンナノチューブ15の粉末を粘土に混入し、カーボンナノチューブ15が均一に混入するように粘土を十分に練る。カーボンナノチューブ15が混入した粘土を土鍋本体12の型に成型し、成型した粘土を焼いて素焼きを行う。素焼きを行った土鍋本体12の内面16及び外面17を粗面化し、土鍋本体12の内面16及び外面17に釉薬18を塗ってから焼成する。土鍋11は、このようにして製造される。
【0013】
上記土鍋11は、これに所定に蓋19をして電磁調理器1に載せる。電磁調理器1を作動させ、内部に配置した駆動コイル2に交流駆動電流を流すと交番磁界が発生し、土鍋11のカーボンナノチューブ15が電磁誘導による渦電流を発生して自己発熱し、土鍋本体12全体を加熱する。このようにして、土鍋本体12に入れた食材を加熱調理することができる。
【0014】
図2に示すように、電磁調理器用容器21は、土鍋であって、土鍋本体22は、底壁23と、底壁23の周囲に形成された周壁24とからなる。土鍋本体22は、以下のようにして作られる。図3に示すように、粘土を土鍋本体22の型に成型し、底壁23の外面(下面)27に矩形又は円形の凹部23aを形成する。また、凹部23aに嵌合する形状であって、凹部23aの深さと略同じ長さの厚みを備えた板部材29を土鍋本体22と同じ粘土で成型する。板部材29の一方の面29aにカーボンナノチューブ25を塗布する。カーボンナノチューブ25は、粉末であるため、塗布しやすいように、溶剤(例えば水)に入れて液体状にすることが望ましい。
【0015】
板部材29は、カーボンナノチューブ25が塗布された一方の面29aが凹部23aの内部に位置するようにして、底壁23の凹部23aに嵌合する。板部材29と凹部23aの境界がわからなくなるように、板部材29の周縁と凹部23aの周縁を練り込んで接続する。このようにして成型した粘土を焼いて素焼きを行う。素焼きを行った土鍋本体22の内面26及び外面27を粗面化し、土鍋本体22の内面26及び外面27に釉薬28を塗ってから焼成する。土鍋21は、このようにして製造される。
【0016】
上記土鍋21は、これに所定に蓋19をして前記したように電磁調理器1に載せる。電磁調理器1を作動させ、内部に配置した駆動コイル2に交流駆動電流を流すと交番磁界が発生し、土鍋21のカーボンナノチューブ25が電磁誘導による渦電流を発生して自己発熱し、土鍋本体22全体を加熱する。このようにして、土鍋本体22に入れた食材を加熱調理することができる。
【0017】
図4に示すように、電磁調理器用容器31は、土鍋であって、土鍋本体32は、底壁33と、底壁33の周囲に形成された周壁34とからなる。土鍋本体32は、以下のようにして作られる。粘土を土鍋本体32の型に成型し、底壁33の内面(上面)36に矩形又は円形の凹部33aを形成する。また、凹部33aに嵌合する形状であって、凹部33aの深さと略同じ長さの厚みを備えた板部材39を土鍋本体32と同じ粘土で成型する。板部材39の一方の面39aにカーボンナノチューブ35を塗布する。カーボンナノチューブ35は、粉末であるため、塗布しやすいように、溶剤(例えば水)に入れて液体状にすることが望ましい。
【0018】
板部材39は、カーボンナノチューブ35が塗布された一方の面39aが凹部33aの内部に位置するようにして、底壁33の凹部33aに嵌合する。板部材39と凹部33aの境界がわからなくなるように、板部材39の周縁と凹部33aの周縁を練り込んで接続する。このようにして成型した粘土を焼いて素焼きを行う。素焼きを行った土鍋本体32の内面36及び外面37を粗面化し、土鍋本体32の内面36及び外面37に釉薬38を塗ってから焼成する。土鍋31は、このようにして製造される。
【0019】
上記土鍋31は、これに所定に蓋19をして前記したように電磁調理器1に載せる。電磁調理器1を作動させ、内部に配置した駆動コイル2に交流駆動電流を流すと交番磁界が発生し、土鍋31のカーボンナノチューブ35が電磁誘導による渦電流を発生して自己発熱し、土鍋本体32全体を加熱する。このようにして、土鍋本体32に入れた食材を加熱調理することができる。
【0020】
図5に示すように、電磁調理器用容器41は、土鍋であって、土鍋本体42は、底壁43と、底壁43の周囲に形成された周壁44とからなる。土鍋本体42は、以下のようにして作られる。粘土を土鍋本体42の型に成型し、成型した粘土を焼いて素焼きを行う。素焼きを行った土鍋本体42の内面46及び外面47を粗面化し、外面47にカーボンナノチューブ45を塗布する。カーボンナノチューブ45は、粉末であるため、塗布しやすいように、溶剤(例えば水、接着材等)に入れて液体状にすることが望ましい。土鍋本体42の内面46及び外面47に釉薬48を塗ってから焼成する。土鍋41は、このようにして製造される。
【0021】
上記土鍋41は、これに所定に蓋19をして前記したように電磁調理器1に載せる。電磁調理器1を作動させ、内部に配置した駆動コイル2に交流駆動電流を流すと交番磁界が発生し、土鍋41のカーボンナノチューブ45が電磁誘導による渦電流を発生して自己発熱し、土鍋本体42全体を加熱する。このようにして、土鍋本体42に入れた食材を加熱調理することができる。
【0022】
図6に示すように、電磁調理器用容器51は、土鍋であって、土鍋本体52は、底壁53と、底壁53の周囲に形成された周壁54とからなる。土鍋本体52は、以下のようにして作られる。粘土を土鍋本体52の型に成型し、成型した粘土を焼いて素焼きを行う。素焼きを行った土鍋本体52の内面56及び外面57を粗面化する。土鍋本体52の底壁53の外面(下面)57にカーボンナノチューブ板55を接着する。
【0023】
カーボンナノチューブ板55は、前記したように粘土の板部材の表面にカーボンナノチューブを塗布したもの、カーボンナノチューブを練り込んだ粘土によって板状に成形されたもの、ゴム・プラスチック・紙等の板部材の表面にカーボンナノチューブを塗布したもの、カーボンナノチューブを混合したゴム・プラスチック・紙によって板状に成形されたもの、ガラスクロスや紙等のフィルム状生地にカーボンナノチューブをコーティング・ディッピング等したもの等がある。
【0024】
カーボンナノチューブ板55を底壁53に接着した土鍋本体52の内面56及び外面57に釉薬58を塗ってから焼成する。土鍋51は、このようにして製造される。カーボンナノチューブ板55は、紙等の高温で燃焼する素材である場合、高温での焼成により分解炭化するが、カーボンナノチューブの粉末が板の形状として残る。カーボンナノチューブは、粉末状であるため、熱膨張等によって土鍋本体51に与える影響が極めて少なく、しかも密集しているため電磁誘導発熱体としての機能を損なうことはない。
【0025】
上記土鍋51は、これに所定に蓋19をして前記したように電磁調理器1に載せる。電磁調理器1を作動させ、内部に配置した駆動コイル2に交流駆動電流を流すと交番磁界が発生し、土鍋51のカーボンナノチューブ板55が電磁誘導による渦電流を発生して自己発熱し、土鍋本体52全体を加熱する。このようにして、土鍋本体52に入れた食材を加熱調理することができる。
【0026】
図7に示すように、電磁調理器用容器61は、土鍋であって、土鍋本体62は、底壁63と、底壁63の周囲に形成された周壁64とからなる。土鍋本体62は、以下のようにして作られる。粘土を土鍋本体62の型に成型し、底壁63の外面(下面)67に矩形又は円形の凹部63aを形成する。また、凹部63aに嵌合する形状であって、凹部63aの深さと略同じ長さの厚みを備えたカーボンナノチューブ板65を底壁63の凹部63aに嵌合固着する。カーボンナノチューブ板65は、前述したカーボンナノチューブ板55と同じ素材である。このようにして成型した粘土を焼いて素焼きを行う。素焼きを行った土鍋本体62の内面66及び外面67を粗面化し、土鍋本体62の内面66及び外面67に釉薬68を塗ってから焼成する。土鍋61は、このようにして製造される。また、土鍋本体62は、底壁63に凹部63aを形成した後に素焼きを行い、素焼きを行った後の凹部63aにカーボンナノチューブ板65を嵌合固着し、土鍋本体62の内面66及び外面67に釉薬68を塗ってから焼成しても構わない。
【0027】
上記土鍋61は、これに所定に蓋19をして前記したように電磁調理器1に載せる。電磁調理器1を作動させ、内部に配置した駆動コイル2に交流駆動電流を流すと交番磁界が発生し、土鍋61のカーボンナノチューブ65が電磁誘導による渦電流を発生して自己発熱し、土鍋本体62全体を加熱する。このようにして、土鍋本体62に入れた食材を加熱調理することができる。
【0028】
図8に示すように、電磁調理器用容器71は、土鍋であって、土鍋本体72は、底壁73と、底壁73の周囲に形成された周壁74とからなる。土鍋本体72は、以下のようにして作られる。粘土を土鍋本体72の型に成型し、成型した粘土を焼いて素焼きを行う。素焼きを行った土鍋本体72の内面76及び外面77を粗面化し、内面76にカーボンナノチューブ75を塗布する。カーボンナノチューブ75は、粉末であるため、塗布しやすいように、溶剤(例えば水、接着材等)に入れて液体状にすることが望ましい。土鍋本体72の内面76及び外面77に釉薬78を塗ってから焼成する。土鍋71は、このようにして製造される。
【0029】
上記土鍋71は、これに所定に蓋19をして前記したように電磁調理器1に載せる。電磁調理器1を作動させ、内部に配置した駆動コイル2に交流駆動電流を流すと交番磁界が発生し、土鍋71のカーボンナノチューブ75が電磁誘導による渦電流を発生して自己発熱し、土鍋本体72全体を加熱する。このようにして、土鍋本体72に入れた食材を加熱調理することができる。
【0030】
図9に示すように、電磁調理器用容器81は、土鍋であって、土鍋本体82は、底壁83と、底壁83の周囲に形成された周壁84とからなる。土鍋本体82は、以下のようにして作られる。粘土を土鍋本体82の型に成型し、成型した粘土を焼いて素焼きを行う。素焼きを行った土鍋本体82の内面86及び外面87を粗面化する。土鍋本体82の底壁83の内面(上面)86にカーボンナノチューブ板85を接着する。カーボンナノチューブ板85は、カーボンナノチューブ板55と同じものである。カーボンナノチューブ板85を底壁83に接着した土鍋本体82の内面86及び外面87に釉薬88を塗ってから焼成する。土鍋81は、このようにして製造される。
【0031】
上記土鍋81は、これに所定に蓋19をして前記したように電磁調理器1に載せる。電磁調理器1を作動させ、内部に配置した駆動コイル2に交流駆動電流を流すと交番磁界が発生し、土鍋81のカーボンナノチューブ板85が電磁誘導による渦電流を発生して自己発熱し、土鍋本体82全体を加熱する。このようにして、土鍋本体82に入れた食材を加熱調理することができる。
【0032】
図10に示すように、電磁調理器用容器91は、土鍋であって、土鍋本体92は、底壁93と、底壁93の周囲に形成された周壁94とからなる。土鍋本体92は、以下のようにして作られる。粘土を土鍋本体92の型に成型し、底壁93の内面(上面)96に矩形又は円形の凹部93aを形成する。また、凹部93aに嵌合する形状であって、凹部93aの深さと略同じ長さの厚みを備えたカーボンナノチューブ板95を底壁93の凹部93aに嵌合固着する。カーボンナノチューブ板95は、前述したカーボンナノチューブ板55と同じ素材である。このようにして成型した粘土を焼いて素焼きを行う。素焼きを行った土鍋本体92の内面96及び外面97を粗面化し、土鍋本体92の内面96及び外面97に釉薬98を塗ってから焼成する。土鍋91は、このようにして製造される。なお、土鍋本体92は、底壁93に凹部93aを形成した後に素焼きを行い、素焼きを行った後の凹部93aにカーボンナノチューブ板95を嵌合固着し、土鍋本体92の内面96及び外面97に釉薬98を塗ってから焼成しても構わない。
【0033】
上記土鍋92は、これに所定に蓋19をして前記したように電磁調理器1に載せる。電磁調理器1を作動させ、内部に配置した駆動コイル2に交流駆動電流を流すと交番磁界が発生し、土鍋91のカーボンナノチューブ板95が電磁誘導による渦電流を発生して自己発熱し、土鍋本体92全体を加熱する。このようにして、土鍋本体92に入れた食材を加熱調理することができる。
【0034】
また、図5、8に示す、電磁調理器用容器41、71において、粘土を土鍋本体42,72の型に成型し、成型した粘土を焼いて素焼きを行い、素焼きを行った土鍋本体42,72の内面46,76及び外面47,77を粗面化し、土鍋本体42の内面46,76及び外面47,77に釉薬48,88を塗ってから焼成して、土鍋本体42,72を完成させる。次に、釉薬(塗装)部分であって、内面46,76又は外面47,77を粗面化し、この粗面化した面にカーボンナノチューブ45,75を塗布する。このカーボンナノチューブ45,75をガラスコーティングすることによって、土鍋41,71を完成させても良い。
【0035】
上記電磁調理器用容器の製造過程で用いられる釉薬の変わりに、ガラスコーティング、セラミックコーティング等の公知のコーティングを行っても構わないのは勿論である。また、カーボンナノチューブは、電磁誘導発熱体として利用しているが、導電性物質なので、直接電流を流して発熱させる発熱体としても利用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本願発明は、耐熱性プラスチック容器、耐熱性ガラス容器、土鍋に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本願発明に係る電磁調理器用容器の一つの実施例を示す断面図である。
【図2】本願発明に係る電磁調理器用容器の他の実施例を示す断面図である。
【図3】図2の電磁調理器用容器の製造方法を示す断面図である。
【図4】本願発明に係る電磁調理器用容器の他の実施例を示す断面図である。
【図5】本願発明に係る電磁調理器用容器の他の実施例を示す断面図である。
【図6】本願発明に係る電磁調理器用容器の他の実施例を示す断面図である。
【図7】本願発明に係る電磁調理器用容器の他の実施例を示す断面図である。
【図8】本願発明に係る電磁調理器用容器の他の実施例を示す断面図である。
【図9】本願発明に係る電磁調理器用容器の他の実施例を示す断面図である。
【図10】本願発明に係る電磁調理器用容器の他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 電磁調理器
2 駆動コイル
11 電磁調理器用容器(土鍋)
12 土鍋本体
13 底壁
14 周壁
15 カーボンナノチューブ
16 内面
17 外面
18 釉薬
19 蓋
21 電磁調理器用容器(土鍋)
22 土鍋本体
23 底壁
23a 凹部
24 周壁
25 カーボンナノチューブ
26 内面
27 外面
28 釉薬
29 板部材
29a 一方の面
31 電磁調理器用容器(土鍋)
32 土鍋本体
33 底壁
33a 凹部
34 周壁
35 カーボンナノチューブ
36 内面
37 外面
38 釉薬
39 板部材
39a 一方の面
41 電磁調理器用容器(土鍋)
42 土鍋本体
43 底壁
44 周壁
45 カーボンナノチューブ
46 内面
47 外面
48 釉薬
51 電磁調理器用容器(土鍋)
52 土鍋本体
53 底壁
54 周壁
55 カーボンナノチューブ板
56 内面
57 外面
58 釉薬
61 電磁調理器用容器(土鍋)
62 土鍋本体
63 底壁
63a 凹部
64 周壁
65 カーボンナノチューブ板
66 内面
67 外面
68 釉薬
71 電磁調理器用容器(土鍋)
72 土鍋本体
73 底壁
74 周壁
75 カーボンナノチューブ
76 内面
77 外面
78 釉薬
81 電磁調理器用容器(土鍋)
82 土鍋本体
83 底壁
84 周壁
85 カーボンナノチューブ板
86 内面
87 外面
88 釉薬
91 電磁調理器用容器(土鍋)
92 土鍋本体
93 底壁
93a 凹部
94 周壁
95 カーボンナノチューブ板
96 内面
97 外面
98 釉薬

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体は非導電性物質によって形成され、
容器本体の所定箇所にはカーボンナノチューブが設けられていることを特徴とする電磁調理器用容器。
【請求項2】
前記容器本体は、底壁と、底壁の周囲に形成された周壁とからなり、
容器本体の底壁にカーボンナノチューブが設けられていることを特徴とする請求項1記載の電磁調理器用容器。
【請求項3】
前記容器本体は、土鍋であることを特徴とする請求項1又は2記載の電磁調理器用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−307268(P2008−307268A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−158812(P2007−158812)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(505386096)小野工芸株式会社 (9)
【Fターム(参考)】